2017年4月29日 (土)

コスモス寺花だより  4・29

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪見ごろ≫

○矢車草:≪見ごろ≫

○紫雲蘭:≪見ごろ≫

その他、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

◇春の秘仏公開

重要文化財・白鳳秘仏銅造阿弥陀如来立像とその胎内仏などの御開扉があります。

日程は429日~510日。時間帯は午前9時~午後4時。特別拝観料として200円を別途頂戴します。

◇今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「神垣や 白い花には 白い蝶」一茶

訳:神社の垣根のすがすがしさよ。そこに咲く白い花には白い蝶。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》918  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『同諷誦文』

◆【夫以。牟尼八十之春花散沙羅梢。上綱九十之満月隠仲秋雲。彼過去後五百。此年満三百歳。共一天之能化。同一界之導師。恋慕浸袂。渇仰余袖。遠近雖異。大悲摂受。更無替不異於昔之誡。】

 

〔夫れ以(おもんみ)るに、牟尼(むに①)八十の春、花は沙羅(しゃら②)の梢に散り、上綱(しょうこう③)九十の満月は仲秋(ちゅうしゅう④)の雲に隠れる。彼の過去の後、五百(⑤)、この年は満三百歳。共に一天の能化(いってんののうけ⑥)、同じく一界の導師(いつかいのどうし⑦)たり。恋慕(れんぼ)は袂(たもと)を浸(ひた)し、渇仰(かつごう)は袖(そで)に余る。遠近異なると雖も、大悲摂受(だいひしょうじゅ⑧)は更に替わり無く、昔の誡め(いましめ⑨)に異ならず。

 

 牟尼=釈迦牟尼仏陀。牟尼は聖者。

 沙羅=サラとも。沙羅双樹。インド北部原産、フタバガキ科の常緑高木。釈尊が入滅涅槃された場所に二本づつ植えられていたという。

 上綱=碩学の僧に対する尊称。もとは三綱(さんごう)中の上座、またその位にある僧をさす。

 仲秋=旧暦(太陰暦)の八月。

 五百=「彼の過去」は釈尊をさすので、千五百年の間違いか。

 一天の能化=能化は師として他を教化できる人。一天世界の教化者。

 一界の導師=世界の衆生を導く大導師。

 大悲摂受=菩薩の大悲心をもって、相手の主張や行為を受け入れながら衆生を教え導くこと。

 誡め=釈尊の誡め、すなわち菩薩戒。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。


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2017年4月28日 (金)

コスモス寺花だより  4・28

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪見ごろ≫

○矢車草:≪咲きはじめ≫

○紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

◇春の秘仏公開

重要文化財・白鳳秘仏銅造阿弥陀如来立像とその胎内仏などの御開扉があります。

日程は429日~510日。時間帯は午前9時~午後4時。特別拝観料として200円を別途頂戴します。

◇今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「此(この)方が 善光寺とや 蝶のとぶ」一茶

訳:こちらの方角が善光寺なのだろうか、蝶々が導くように飛んで行く。 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》917  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【観夫早菊芬々而示華蔵世界之荘厳。暁月皓々而顕摩尼宝殿之色相。景色如是感応道交。仰願伽藍再造。及千仏出世之夕。人法繁栄。至三会説教之暁。殊者現前貴賎諸願成辨。啓白詞短。三宝知見。敬白。】

 

〔観(かんがみ)るに夫れ、早菊芬々(そうぎくふんぷん①)として華蔵世界(けぞうせかい②)の荘厳を示す。暁月は皓々(こうこう③)として摩尼宝殿(まにほ④)の色相を顕わす。景色はかくの如く感応道交(かんのうどうこう⑤)せり。仰ぎ願わくは伽藍を再造し、千仏出世の夕べに及び、人法繁栄し、三会説教(さんねせっきょう⑥)の暁に至らんことを。殊には現前の貴賎、諸願成辨(しょがんじょうべん⑦)せんことを。啓白(けいびゃく⑧)は詞(ことば)短かけれども、三宝知見(さんぼうちけん⑨)あれ。敬って白す。〕

 

 早菊芬々=早く咲いた菊は香気が高くかおるさまをいう。

 華蔵世界=蓮華蔵世界の略。毘盧遮那如来の願と行とによって飾られた浄土。

 皓々=白々と光り輝くさま。

 摩尼宝殿=天上世界の摩尼宝珠で飾られた宮殿。兜率天、他化自在天などにある宮殿。

 感応道交=仏と人間とが融和すること。人に応じた仏のはたらきかけと、それを感じとる人の心とが相交わり、合致すること。

 三会説教=弥勒菩薩が釈迦入滅後五十六億七千万年に兜率天から人間界に下って、龍華樹の下で悟りを開き、大衆のために三度、法を説くという説法の会座。龍華三会。

 諸願成辨=もろもろの願いが成就すること。

 啓白=敬って申し上げること。法会でその趣旨や願意を仏前で述べること。表白と同じ。

 三宝知見=三宝は仏法僧。知見は知ることと見ること。仏が衆生の姿や願いなどを知ること。

(終わり)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月27日 (木)

コスモス寺花だより  4・27

 

百花繚乱

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪見ごろ≫

○矢車草:≪咲きはじめ≫

○紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

◇春の秘仏公開

重要文化財・白鳳秘仏銅造阿弥陀如来立像とその胎内仏などの御開扉があります。

日程は429日~510日。時間帯は午前9時~午後4時。特別拝観料として200円を別途頂戴します。

◇今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「むつまじや 生れかはらば のべの蝶」一茶

訳:仲むつまじいことだね。生まれ変わったならば、野辺の蝶になりたいね。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》916  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【短声弥陀之三昧者。大悲利生之船筏也。大衆同誦之戒本者。専精護持之䡄範也。云彼云斯。盡美盡亊者乎。然則先師菩薩弥朗上求菩提之誓心。倍𠑊下化衆生之願海。悉是曼荼列座界会聖衆。】

 

〔短声弥陀(たんぜいみだ①)の三昧は大悲利生(だいひりしょう②)の船筏(せんばつ③)なり。大衆同誦の戒本(かいほん④)は専精護持の軌範なり。彼と云い斯と云い、美を盡し事を盡すものか。然れば則ち、先師菩薩は彌(いよいよ)上求菩提の誓心を朗(あきら)かにし、倍(ますます)下化衆生の願海(がんかい⑤)を儼(おごそ)かにす。悉く是れ曼荼(まんだ⑥)に列座する界会の聖衆なり。〕

 

 短声弥陀=天台声明の『短声阿弥陀経』。

 大悲利生=阿弥陀仏の慈悲心による衆生済度。

 船筏=舟やいかだ。

 戒本=大乗菩薩戒(梵網経)の戒条。

 願海=仏菩薩の誓願を深く広い海にたとえる。

 曼荼=曼荼羅。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月26日 (水)

コスモス寺花だより  4・26

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪見ごろ≫

○矢車草:≪咲きはじめ≫

○紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

◇今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「蝶とぶや 此世に望み ないように」一茶

訳:蝶がとんでいるよ。この世に希望がないかのようにあちこちと。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》915  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【於戯或向影像。断懐旧之膓。又詣聖跡。流恋慕之涙。蓋聞両部之極位。遮那内証之深儀。三密之行業。即身頓悟之真路。剰又七日不断之真言者。因円果満之肝要也。造立供養之塔婆者。仏凡一如之覚体也。】

 

〔於戯(ああ)、或は影像に向いては懐旧の膓を断ず(①)。又、聖跡(せいせき②)を詣しては恋慕の涙を流す。蓋し聞く、両部の極位、遮那内証(しゃなないしょう③)の深儀、三密の行業、即身頓悟の真路なり。剰(あまつさ)え又、七日不断の真言(④)は因円果満の肝要なり。造立供養の塔婆は仏梵一如の覚体(かくたい⑤)なり。〕

 

 懐旧の膓を断ず=膓は腸の俗字。昔をしのび懐かしむ思いを断つ。

 聖跡=興正菩薩が教化活動をされた寺院などの

 遮那内証=毘盧遮那仏のさとり

 七日不断の真言=光明真言土砂加持法会での光明真言読誦。

 覚体=さとりの当体。悟りそのもの。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月25日 (火)

コスモス寺花だより  4・25

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪見ごろ≫

○矢車草:≪咲きはじめ≫

○紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

◇本日は当山恒例の文殊菩薩御会式(もんじゅぼさつおえしき)です。

午前10時から諸願成就の御祈祷、塔婆供養があり、午後1時半より法要があります。山吹満開の中で700年の伝統を伝える文殊さまのおまつりです。

◇今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「文七と たがひ違ひに 小てふ哉」一茶

訳:組紐職人の文七が出て行くと行違いに小さな蝶が入ってきたことだよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》914  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【雖然東西遠近之末弟。撿如是是四恩等之経文。帰符本寺。一分全分之道俗。拾法施為勝等之教詔。報謝厚恩。】

 

〔然りと雖も東西遠近の末弟、かくの如き四恩(しおん①)等の経文を撿(けん②)して、本寺に帰符(きふ③)す。一分全分(いちぶんぜんぶん④)の道俗、法施(ほっせ⑤)を拾(あつ)め勝等の教詔(きょうしょう⑥)と為し、厚恩に報謝すべし。〕

 

 四恩=衆生がこの世で受ける四種の恩。心地観経では、父母の恩、国王の恩、三宝の恩の四つ。

 撿=しらべる。

 帰符=帰府。都に帰ること。

 一分全分=すべて。

 法施=仏の教え。

 教詔=教えをみことのりとする。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月24日 (月)

コスモス寺花だより  4・24

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

◇明日の25日は当山恒例の文殊菩薩御会式(もんじゅぼさつおえしき)です。

午前10時から諸願成就の御祈祷、塔婆供養があり、午後1時半より法要があります。山吹満開の中で700年の伝統を伝える文殊さまのおまつりです。

◇今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「寝ころんで 蝶泊らせる 外湯(そとゆ)哉」一茶

訳:寝ころんで息をひそめ蝶を止まらせる、ゆったりのんびりの外湯だなあ。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》913  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【今遂使世下心薄。而正財難得。機衰法逼。而住持無便。所以内外之資縁実乏。進退之障礙尤多。】

 

〔今遂に、世下りて心薄からしめ、正財(しょうざい①)は得難く、機は衰え法は逼られ(きはおとろえほうはせまられ②)て住持(じゅうじ③)に便り無し。所以(ゆえん)は内外の資縁(しえん④)は実に乏しく、進退の障礙(しんだいのしょうげ)尤(もっと)も多からん。〕

 

 正財=寺院活動の主たる財源、喜捨による布施。

 機は衰え法は逼られ=仏道修行の機縁はおとろえ、仏法の衰微がさしせまってくる。

 住持=仏法をたもちまもること。

 資縁=仏道修行のたすけとなる生活上の物資。

 進退の障礙=所領をたもつのに障害となること。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月23日 (日)

コスモス寺花だより  4・23

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「藤さくや 木辻の君が 夕粧(ゆふよそほ)ひ」一茶

訳:藤の花が咲いているよ。木辻の遊女の夕化粧。

・木辻=奈良の遊女町。室町時代からの歴史を伝え、いまに名残りの遊郭の建物が残る。

・君=遊女。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》912   

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【加之大日如来之垂迹。太神宮之御託宣何疑。釈迦善逝之応化。三笠山之御示現誰快。依之七衆忽恢弘。門葉鎮繁昌。】

 

〔加之(くわうるに)、大日如来の垂跡(すいじゃく①)、太神宮(だいじんぐう②)の御託宣(ごたくせん③)を何ぞ疑わんや。釈迦善逝(ぜんぜい④)の応化(おうげ⑤)、三笠山の御示現(おんじげん⑥)、誰か怪しまん。之に依りて七衆(しちしゅう⑦)忽ちに恢弘(かいこう⑧)し、門葉(もんよう⑨)鎮(とこしなえ)に繁昌す。〕

 

 垂迹=仏菩薩が衆生を済度する目的で、仮に神や人間の姿となって現れること。

 太神宮=伊勢の皇大神宮(内宮)。天照大神のこと。

 御託宣=神のお告げ。

 善逝=如来十号の一つ。迷いの世界を去って、悟りの彼岸におもむき、再び迷いの生死海には戻ってこないことを言う。

 応化=仏菩薩が世の人を救うために、時機に応じて、いろいろなものに姿を変えて現れること。応現。

 御示現=仏菩薩が衆生済度のために、種々に身を変えてこの世に現れること。現化(げんけ)。

 七衆=仏教教団を形成する七種類の修行者、信者。比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那、優婆塞、優婆夷。

 恢弘=広く大きくすること。

 門葉=同じ教えのもとに集まった一門の衆。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月22日 (土)

コスモス寺花だより  4・22

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪見ごろ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「山吹や 先(まず)御先へと とぶ蛙」一茶

訳:山吹が咲いたよ。まずお先にと飛ぶ蛙。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》911  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【伝聞当寺者称徳天皇之御願。行雅僧正之旧跡。粤叡尊上人者。依御遺告之金言。既絶再興三聚円満之戒法。開瑜伽論之真文。将則成就自誓受具之大願。是以忝得一天四海之大導師。濁世末代之生身仏之詔詞。】

 

〔伝え聞く、当寺は称徳天皇(しょうとくてんのう①)の御願にして行雅僧正(ぎょうがそうじょう②)の旧跡なり。粤(ここ)に叡尊上人は御遺告(ごゆいごう③)の金言(きんげん)に依り、すでに絶えたる三聚円満の戒法(さんじゅうえんまんのかいほう④)を再興し、瑜伽論の真文(ゆがろんのしんもん⑤)を開き、将に則ち自誓受具(じせいじゅぐ⑥)の大願を成就せんとす。是を以って、忝(かたじけな)くも一天四海の大導師(いってんしかいのだいどうし⑦)、濁世末代の生身仏(じょくせまつだいのしょうしんぶつ⑧)、の詔詞(しょうし⑨)を得る。〕

 

 =称徳天皇。孝謙天皇が重祚された御名。聖武天皇と光明皇后の間に生まれられた女帝。

 行雅僧上=不詳。

 御遺告=弘法大師の遺告。弟子たちに戒律を重視することを告げられた。

 三聚円満の戒法=摂律儀戒、摂善法界、摂衆生戒(饒益有情戒)の三種からなる菩薩戒。

 瑜伽師地論=瑜伽行唯識を説く論書。弥勒または世親の作とされる。この論の「菩薩地」には菩薩戒が説かれる。

 自誓受具=自誓して菩薩戒を受け、その上で摂律儀戒として「四分律」(具足戒)を別受すること。

 一天四海の大導師=天下、全世界の教導者。仏と同等の導師。

 濁世末代の生身仏=濁り汚れた人間の世、五濁悪世の末法の世における生き仏。

 詔詞=亀山法皇の院宣。後伏見天皇の綸旨に依る興正菩薩号勅諡の詞。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月21日 (金)

コスモス寺花だより  4・21

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○椿:≪見ごろ≫

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪5分咲き≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「苦の娑婆や 桜が咲ば 咲いたとて」一茶

訳:苦しみのこの世の中だよ、桜が咲けば咲いたといって。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》910  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【夫以澄々真如之性海。浮隨縁利物之月。峨々菩提之覚山。鮮機興即生之華。】

 

〔夫れ以(おもんみ)るに、澄澄(ちょうちょう①)たる真如の性海(しんにょのしょうかい②)は、隨縁利物(ずいえんりぶつ③)の月を浮かべ、峨峨(がが④)たる菩提の覚山は機興即生(きこうそくしょう)の華を鮮やかにす。

 

 澄澄=澄み渡っているさま。

 真如の性海=真如は一切存在の真実のすがた。性海は悟りのすべてである真如の深く広いことを海にたとえたもの。

 隨縁利物=縁に随って衆生を利益すること。

 峨峨=高くそびえているさま。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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2017年4月20日 (木)

コスモス寺花だより  4・20

 

〔花ごよみ〕

 

百花繚乱

○椿:≪見ごろ≫

○八重桜:≪みごろ≫

○山吹:≪5分咲き≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

○シャガ:≪見ごろ≫

○日本桜草:≪咲きはじめ≫

その他、華鬘草、ツルニチニチソウ、ニホンタンポポ、キランソウ、オドリコソウ等の草花も咲いています。

 

○コスモス:夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

開花予定:・夏咲=3万本。 67月  

     ・秋咲=15万本 911月 

     満開のピークは10月上旬です。

 

≪ニュース≫

今年(2017)は、真言律宗本山西大寺の創建1250年を記念して、

『奈良西大寺展―叡尊と一門の名宝』と題する特別展覧会が開かれます。

Ⅰ.東京・三井記念美術館にて、415日~611

Ⅱ.大阪・あべのハルカス美術館にて、729日~924

Ⅲ.山口県立美術館にて、1020日~1210

大阪と山口の会場では後醍醐天皇発願の般若寺本尊文殊菩薩騎獅像(重文)が特別御開帳されます。

 

〔俳句〕

「さくらさくらと唄れし 老木(おいき)哉」一茶

訳:さくらさくらと昔唄われた老木よ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

       かがやくまでに はるたけにけり」

(見渡せば木津の河原の白妙に 輝くまでに春闌けにけり)

 

〈笠置山にのぼりて〉

「のびやかに みちによりふす このいはの

       ひとならましを われをろがまむ」

(伸びやかに道に寄り伏すこの岩の 人ならましを吾拝まむ)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》909  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【敬白真言教主大日如来両部界会諸尊聖衆惣盡空法界一切三宝境界。而言。方今南部州扶桑朝西大寺宝塔院現前諸徳大衆等。餝両部曼荼之密壇。設舞楽呂律之法会。捧無想清浄之蘋繁。刷般遮于瑟之梵莚。】

 

〔敬って真言教主大日如来両部界会諸尊聖衆、

惣じては盡空法界一切三宝の境界に白して言さく。

方に今、南部州(なんぶしゅう①)扶桑朝(ふそうちょう②)西大寺寶塔院(ほうとういん③)現前の諸徳大衆ら、両部曼荼の密壇を錺(かざ)り、舞楽呂律(りょりつ④)の法会を設け、無想清浄の蘋繁(ひんぱん⑤)を捧げ、般遮于瑟(はんしゃうし⑥)の梵莚(ぼんえん⑦)を刷(かいつくろ)う。〕

 

 南部州=南閻浮提(なんえんぶだい)。梵・ジャンブドゥビーパ。須弥山をめぐる四洲の一つで南方海上にある大陸で人間の住む世界。南贍部洲(なんせんぶしゅう)、南浮とも言う。

 扶桑朝=日本。

 宝塔院=興正菩薩が西大寺へ入寺した際の活動拠点は、奈良時代創建伽藍の東塔を中心にした区域であった。

 呂律=音楽の旋律、呂の音と律の音。声明をいう。

 蘋繁=供え物。

 般遮于瑟=梵・パンチャバールシカ。五年会と訳される。五年ごとに設ける大斎会。一切の人を受容して遮らない無遮会。

 梵莚=法会。

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

仲川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

○京都の清水寺や奈良の東大寺、このすぐ横にごみ焼却場は建てられませんね。それでは同じ国宝の寺である浄瑠璃寺は価値が低いとでも言うのでしょうか。

奈良市民全体の知的レベルが問われている問題です。

○「奈良市クリーンセンター移設計画の白紙撤回を求める会」は、毎週木曜日の早朝7時から一時間、近鉄奈良駅・西大寺駅・学園前駅・新大宮駅・高の原駅などの各駅前の広場で反対署名の宣伝活動を行っています。またそのあとには住宅地へ入りスポット演説をします。主宰者は「奈良市のお財布を考える会」の樽谷佳男さんです。また日常的にノボリ旗と大看板を荷台に設置したトラックが奈良の町を走り回っています。その看板には「ストップ! 奈良市クリーンセンター移転計画」「文化財を壊す奈良市ゴミ工場の 東部移転断固反対」「奈良市はごみ焼却場で 国宝浄瑠璃寺を壊すのか!」の文句が踊っています。私たちは、7月の市長選、市議選では、「古都の文化財」を本気で守ってくれる候補者を応援します。

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