2017年2月26日 (日)

コスモス寺花だより  2・26

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

○福寿草:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「笹鳴の 羽風やふれし 水仙花」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「草山の くりくりはれし 春雨(はるのあめ)」一茶

訳:草の山だけくりくり晴れた。さきほどまでは春の雨。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》862

  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩分衣表白』

(こうしょうぼさつぶんえひょうはく)

 

◆【三台九棘。悉帰慈心之深。華夷朝野受彼化。五畿七道仰其恩。至東関境。携毗尼木刃西海嶋。翫禁戒浮嚢。加之。任孝謙天皇叡慮。再興西大寺旧基。依聖徳太子納受。紹隆天王寺聖跡。】

 

〔三台九棘(さんだいきゅうきょく①)は、悉く慈心の深きに帰す。華夷(かい②)の朝野(ちょうや③)は彼の化を受け、五畿七道(ごきしちどう④)は其の恩を仰ぐ。東関(とうかん⑤)の境に至り、毗尼木叉(びにもくしゃ⑥)を携え、西海の島に禁戒の浮嚢(ふのう⑦)を翫(もてあそ)ぶ。加之(くわうるに)、孝謙天皇の叡慮(えいりょ⑧)に任せ、西大寺の旧基(きゅうき⑨)を再興し、聖徳太子の納受(のうじゅ⑩)に依り天王寺の聖跡(せいせき⑪)を紹隆(しょうりゅう⑫)す。

 

 三台九棘=官吏、公卿を指す。三台は古代中国の官職名。司馬、司徒、司空の三公。九棘は九卿の位置を示すために植えられた棗。

 華夷=中国と外国。都と地方。

 朝野=朝廷と民間。世間、天下。

 五畿七道=日本全国の意。律令制下の地方区分で、五畿は山城、大和、河内、和泉、摂津の国。七道は東海、東山、北陸、山陰、南海、西海の七道。

 東関=関東のこと。

 毗尼木叉=毗尼は梵・ビナヤ。毘奈耶。律蔵。木叉は梵・プラーティモークシャ、波羅提木叉。戒本。

 浮嚢=うきぶくろ。

 叡慮=天子のお考えやお気持。

 旧基=もとの伽藍。

 納受=祈願を受け入れること。

 聖跡=聖徳太子の事跡。

 紹隆=昔の人の事業を継承し、さらに盛んにすること。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

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2017年2月25日 (土)

コスモス寺花だより  2・25

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

○福寿草:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「高原や 水仙咲ける 石の中」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「春雨や はや灯のとぼる 亦打山(まつちやま)」一茶

訳:静かに降る春雨よ。早くもともしびがともる待乳山。待乳山は江戸浅草、隅田川べりにある小さな丘。ここに聖天宮(浅草寺の支院、金龍山本龍院)がある。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》861  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩分衣表白』

(こうしょうぼさつぶんえひょうはく)

 

◆【入両部密壇之輩幾多何人。何况於一尊一契之伝受乎。凡化教日域。名播唐國。上為一人之師範。下為万民之依怙。爰以鳳闕月下恭傾十善之頂。仙洞風前屢屈万乗之姿。都龍楼象薗。皆仰戒徳之高。】

 

〔両部の密壇(りょうぶのみつだん①)に入るの輩は幾多何人(いくたなんにん②)なるや。何ぞ況や一尊一契(いっそんいっけい③)の伝授(でんじゅ④)に於いておや。凡そ日域(にちいき⑤)を化教(けきょう⑥)し、名は唐国(とうこく⑦)に播(あが)る。上は一人の師範(しはん⑧)となり、下は万民の依怙(えこ⑨)たり。爰を以って鳳闕(ほうけつ⑩)は月下に、恭しく十善の頂(じゅうぜんのいただき⑪)を傾け、仙洞(せんとう⑫)は風前に、屢(しばしば)万乗(ばんじょう⑬)の姿を屈す。都の龍楼象薗(りゅうろうしょうえん⑭)、皆な戒徳の高きを仰ぐ。〕

 

 両部の密壇=金剛界と胎蔵界の灌頂壇

 幾多何人=あまた多くの人数。

 一尊一契=一仏尊、一印契(いちいんげい)の修法。

 伝授=手法を授け伝えること。

 日域=日本。

 化教=教化。

 唐国=からの国、中国。

 師範=教え導く人、手本

 依怙=頼りとなる人。

 鳳闕=宮城(きゅうじょう)。天皇。

 十善の頂=十善の君(十善戒をまもり仏道にはげむ帝)である天子の頭。

 仙洞=太政天皇の御所(ごしょ)。上皇(治天の君、院)。

 万乗=一万台の車。古代中国で一万両の兵車をもつ天子をいう。

 龍楼象薗=龍象は高徳の人物をたとえて云う。龍楼は宮殿の楼門、皇太子の異称。皇族。象薗は不詳、朝廷の要職にある公家をいうか。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

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2017年2月24日 (金)

コスモス寺花だより  2・24

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

○福寿草:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「高原や 水仙咲ける 石の中」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「けふ植し 槇(まき)の春雨 聞く夜哉」一茶

訳:今日植えた槇の木にふりしきる春雨を聞いている静かな夜だよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》860  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩分衣表白』

(こうしょうぼさつぶんえひょうはく)

 

◆【三密四曼之教風。遠扇扶桑之國。依之七衆䡄則盛于斯時。三聚浄戒弘於我朝。既而受大苾蒭戒之類不知其数。何况於五戒八戒之結縁哉。】

 

〔三密四曼(さんみつしまん①)の教風は、遠く扶桑(ふそう②)の国に扇(あお)ぐ。之に依り七衆の軌則(しちしゅうのきそく③)も斯の時に盛んなり。三聚浄戒(さんじゅじょうかい④)は我が朝(わがちょう⑤)に弘まり、既に大苾蒭戒(だいびっしゅかい⑥)を受くるの類は其の数を知らず。何ぞ況や五戒八戒(ごかいはちかい⑦)の結縁に於いてかな。

 

 三密四曼=真言密教。三密は身口意の三業。仏の身体と言語と心によってなされる不思議なはたらき。四曼は四種の曼荼羅(大曼荼羅、三昧耶曼荼羅、法曼荼羅、羯磨曼荼羅)

 扶桑=中国で太陽の出る東海の中にあると言われた葉が桑の木に似た神木。また、その地の称。日本のこと。

 七衆の軌則=仏教僧伽を構成する七衆(比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那、優婆夷、優婆塞)の戒律。

 三聚浄戒=菩薩戒である三種戒(摂律儀戒、摂善法戒、摂衆生戒)

 我が朝=我が国。日本。

 大苾蒭戒=比丘の守るべき大戒、具足戒(二百五十戒)

 五戒八戒=在家衆の守る五戒(不殺、不盗、不淫、不妄語、不飲酒)と八斎戒(五戒に化粧や歌舞に接しない、高く大きな床で寝ない、昼を過ぎて食事しない、の三戒を加える)

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

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2017年2月23日 (木)

コスモス寺花だより  2・23

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

○福寿草:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「水仙や 雪をへだてて 松の幹」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「鍋の尻 ほし並(ならべ)たる 雪解哉」一茶

訳:鍋の尻を干して並べてある、雪解けの春だなあ。雪国の長い冬の生活が終わり、春の到来を思わせる風景。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》859  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩分衣表白』

(こうしょうぼさつぶんえひょうはく)

 

◆【爰過去聖霊思円尊上人。発闡提悲願。憐愍一切衆生。企菩薩大行。依学八万法蔵。紹絶跡。興廃跡。五篇七聚之戒香。普薫若木之卿。崇化教。主制教。】

 

〔爰に過去聖霊の思円尊上人(しえんそんしょうにん①)は、闡提の悲願(せんだいのひがん②)を発し、一切衆生を憐愍(れんびん③)し、菩薩の大行(ぼさつのたいぎょう④)を企つ。八万法蔵(はちまんほうぞう⑤)を学ぶに依り、絶えたる跡を紹(つ)ぎ、廃れたる跡を興す。五篇七聚(ごひんしちじゅ⑥)の戒香(かいこう⑦)は、普(あまね)く若木の卿(わかぎのけい⑧)を薫(くん⑨)ず。化教(けきょう⑩)を崇(あが)め、制教(せいきょう⑪)を主(とうと)ぶ。〕

 

 思円尊上人=思円は房名、仮名(けみょう)。尊は叡尊の略で、戒名、法名、実名(じつみょう)。上人は智徳を備え、仏道の修行に励み深大な慈悲心をそなえている高僧。とくに官僧を離脱して宗教活動をした遁世僧に与えられる尊称。

 闡提の悲願=一闡提は梵・イッチャンティカの音写で断善根、信不具足と訳。成仏の素質、縁を欠くものをいう。大乗の行者である菩薩は大慈悲故に、衆生済度のため不成仏を誓う。

 憐愍=あわれむこと。

 菩薩の大行=衆生済度の大いなる菩薩行。

 八万法蔵=八万は多数。法蔵は仏の教えの蔵。八万四千の法門。

 五篇七聚=具足戒を犯戒の罪の軽重により類別したもの。波羅夷、僧残、波逸提、波羅提提舎尼、突吉羅の五篇に偸蘭遮と悪説を加えて七聚とする。

 戒香=戒を受持することを香にたとえる。

 若木の卿=若い人材。

 薫=徳の力で善導、感化する。

 化教=律宗の教相判釈で、精神的素養に応じて衆生を教化する教え。禅定と智慧の二学をいう。

 制教=身口意の三業の過誤を制止する教法のこと。律をまもる教え。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

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2017年2月22日 (水)

コスモス寺花だより  2・22

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「水仙や 雪をへだてて 松の幹」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「と(疾)くとけよ 貧乏雪と そしらるる」一茶

訳:早く解けなさいよ。いつまでも残っていると、貧乏を招く雪と叱られる。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》858  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩分衣表白』

(こうしょうぼさつぶんえひょうはく)

 

◆【敬白。現前大衆而言。夫以如来影三菩提之月也。必隠憍恣猒怠之夜雲。羅漢翫八解脱之華也。終伴灰身滅智之夕煙。上聖猶示有為之相。下界誰免無常之理乎。】

 

〔敬って現前(げんぜん①)の大衆に白(もう)して言(もう)さく。夫れおもんみるに、如来の影(かげ②)は三菩提(さんぼだい③)の月なるも、必ずや憍恣厭怠(きょうしえんたい④)の夜雲に隠れる。羅漢(らかん⑤)は八解脱(はちげだつ⑥)の華を翫(もてあそ)ぶも、終に灰身滅智(かいしんめっち⑦)の夕煙を伴う。上聖(じょうせい⑧)は猶お有為の相(ういのそう⑨)を示し、下界(げかい⑩)は誰か無常の理(ことわり)を免れんや。〕

 

 現前=目の前。まのあたり。

 影=光のこと。

 三菩提=阿耨多羅三檬藐三菩提の略。完全な悟り。

 憍恣厭怠=おごり気ままなこと、飽きて怠けること。

 羅漢=阿羅漢の略。小乗の最高のさとりに達した聖者。

 八解脱=八背捨(はちはいしゃ)。山界の貪愛を遠離する八つの出世間の禅定。

 灰身滅智=死して身体は灰となり知恵も滅すること。

 上聖=天上界の聖人。

 有為の相=絶えず生滅して無常な存在のすがた。

 下界=欲界、とくに人間界。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

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2017年2月21日 (火)

コスモス寺花だより  2・21

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「水仙や 雪をへだてて 松の幹」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「雪とけて 村一ぱいの 子ども哉」一茶

訳:雪がとけて、家々から出て来た村いっぱいの子どもたちよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》857  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩行状畧頌』

(こうしょうぼさつぎょうじょうりゃくじゅ)

附 影像瞻礼頌文

(ふ えいぞうせんれいじゅぶん)

〔興正菩薩行状の略頌(①)

附 影像(えいぞう②)瞻礼(せんれい③)頌文〕

 

 頌=ショウとも。梵・ガーターの意訳、音訳は偈。仏徳や教理を賛嘆する文体の一つ。詩。

 影像=御影像。興正菩薩八十歳の寿像。

 瞻礼=仰ぎ見てうやまい礼する。

*この行状畧頌は西大寺に所蔵され、原題は「興正菩薩成徳年記(せいとくねんき)略頌」となっている。建武四年(一三三七)七月、菩薩の法孫信尊(西大寺第十三代長老)の作。西大寺に現存の国宝・興正菩薩御影像の御前法要にて読頌されたものであろう。なお、西大寺刊行(平成二十七年)の『祖師のおすがた』(佐伯俊源編)に掛軸装の『興正菩薩成徳年記略頌』現物の写真と解説、活字化された本文が紹介されている。 

 

●【在々処々 如影隨形 奉助化儀 二利円満】

 

〔在々所々(ざいざいしょしょ①)にて影の如く形に随(したが)い、化儀(けぎ②)を助け奉り、二利(にり③)の円満せんことを。〕

 

 在々所々=ここかしこ。

 化儀=仏が衆生を教導し感化する形式、方法。

 二利=上求菩提下化衆生。自利利他。興法利生。

(終わり)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

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2017年2月20日 (月)

コスモス寺花だより  2・20

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「ころげある 鉢の後ろの 水仙花」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「子守唄 雀が雪も とけにけり」一茶

訳:子守唄が聞こえ、雀が遊んでいた雪も解け出したよなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》857  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩行状畧頌』

(こうしょうぼさつぎょうじょうりゃくじゅ)

附 影像瞻礼頌文

(ふ えいぞうせんれいじゅぶん)

〔興正菩薩行状の略頌(①)

附 影像(えいぞう②)瞻礼(せんれい③)頌文〕

 

 頌=ショウとも。梵・ガーターの意訳、音訳は偈。仏徳や教理を賛嘆する文体の一つ。詩。

 影像=御影像。興正菩薩八十歳の寿像。

 瞻礼=仰ぎ見てうやまい礼する。

*この行状畧頌は西大寺に所蔵され、原題は「興正菩薩成徳年記(せいとくねんき)略頌」となっている。建武四年(一三三七)七月、菩薩の法孫信尊(西大寺第十三代長老)の作。西大寺に現存の国宝・興正菩薩御影像の御前法要にて読頌されたものであろう。なお、西大寺刊行(平成二十七年)の『祖師のおすがた』(佐伯俊源編)に掛軸装の『興正菩薩成徳年記略頌』現物の写真と解説、活字化された本文が紹介されている。 

 

●【頂礼菩薩 道体遺身 生前御願 一々成就】

 

〔菩薩の道体遺身(どうたいいしん①)を頂礼す。生前の御願(ごがん②)が一々成就せんことを。〕

 

 道体遺身=興正菩薩が仏道を体現された身体の遺れるお姿、すなわち肖像。

 生前の御願=興法利生の誓願。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

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2017年2月19日 (日)

コスモス寺花だより  2・19

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「ころげある 鉢の後ろの 水仙花」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「雪とけて クリクリしたる 月よ哉」一茶

訳:雪がとけてぼんやり曇っていた月もクリクリと明るく輝く夜になったなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》856  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩行状畧頌』

(こうしょうぼさつぎょうじょうりゃくじゅ)

附 影像瞻礼頌文

(ふ えいぞうせんれいじゅぶん)

〔興正菩薩行状の略頌(①)

附 影像(えいぞう②)瞻礼(せんれい③)頌文〕

 

 頌=ショウとも。梵・ガーターの意訳、音訳は偈。仏徳や教理を賛嘆する文体の一つ。詩。

 影像=御影像。興正菩薩八十歳の寿像。

 瞻礼=仰ぎ見てうやまい礼する。

*この行状畧頌は西大寺に所蔵され、原題は「興正菩薩成徳年記(せいとくねんき)略頌」となっている。建武四年(一三三七)七月、菩薩の法孫信尊(西大寺第十三代長老)の作。西大寺に現存の国宝・興正菩薩御影像の御前法要にて読頌されたものであろう。なお、西大寺刊行(平成二十七年)の『祖師のおすがた』(佐伯俊源編)に掛軸装の『興正菩薩成徳年記略頌』現物の写真と解説、活字化された本文が紹介されている。 

 

●【影像瞻礼頌文】

 

〔影像(えいぞう①)瞻礼(せんれい②)頌文(じゅぶん③)〕

 

 影像=興正菩薩叡尊上人が八十歳の時、弟子たちが造った寿像。大仏師善春作、国宝。西大寺の愛染堂にまつられている。

 瞻礼=仰ぎ見て礼拝すること。

 頌文=韻文体の詩句。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

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2017年2月18日 (土)

コスモス寺花だより  2・18

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「立つ霜と 夕焼けてゐる 水仙花」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「雪解て 嬉しさう也 星の顔」一茶

訳:雪が解けて嬉しそうにしているねえ。星の顔。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》856  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩行状畧頌』

(こうしょうぼさつぎょうじょうりゃくじゅ)

附 影像瞻礼頌文

(ふ えいぞうせんれいじゅぶん)

〔興正菩薩行状の略頌(①)

附 影像(えいぞう②)瞻礼(せんれい③)頌文〕

 

 頌=ショウとも。梵・ガーターの意訳、音訳は偈。仏徳や教理を賛嘆する文体の一つ。詩。

 影像=御影像。興正菩薩八十歳の寿像。

 瞻礼=仰ぎ見てうやまい礼する。

*この行状畧頌は西大寺に所蔵され、原題は「興正菩薩成徳年記(せいとくねんき)略頌」となっている。建武四年(一三三七)七月、菩薩の法孫信尊(西大寺第十三代長老)の作。西大寺に現存の国宝・興正菩薩御影像の御前法要にて読頌されたものであろう。なお、西大寺刊行(平成二十七年)の『祖師のおすがた』(佐伯俊源編)に掛軸装の『興正菩薩成徳年記略頌』現物の写真と解説、活字化された本文が紹介されている。 

 

●【影像瞻礼頌文】

 

〔影像(えいぞう①)瞻礼(せんれい②)頌文(じゅぶん③)〕

 

 影像=興正菩薩叡尊上人が八十歳の時、弟子たちが造った寿像。大仏師善春作、国宝。西大寺の愛染堂にまつられている。

 瞻礼=仰ぎ見て礼拝すること。

 頌文=韻文体の詩句。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

 

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2017年2月17日 (金)

コスモス寺花だより  2・17

 

〔花ごよみ〕

○ロウバイ:≪見ごろ≫

○わびすけ:≪見ごろ≫

水仙:≪名残りの花≫

    満開は過ぎましたが花はまだ十分に咲いています。

種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「立つ霜と 夕焼けてゐる 水仙花」原石鼎

 

○今年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

栽培計画:12月 土づくり  3月 種まき  

45月 苗植え付け  67月 開花 

 

〔俳句〕

「紫の 袖にちりけり 春の雪」一茶

訳:紫の袖に散ったよ。春の淡雪が。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとがひに

       こさめながるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

*おとがい=下あご。

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

       みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

*まはに=埴の美称。粘土質の黄赤色の土。奈良山一帯に多い。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》855  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩行状畧頌』

(こうしょうぼさつぎょうじょうりゃくじゅ)

附 影像瞻礼頌文

(ふ えいぞうせんれいじゅぶん)

〔興正菩薩行状の略頌(①)

附 影像(えいぞう②)瞻礼(せんれい③)頌文〕

 

 頌=ショウとも。梵・ガーターの意訳、音訳は偈。仏徳や教理を賛嘆する文体の一つ。詩。

 影像=御影像。興正菩薩八十歳の寿像。

 瞻礼=仰ぎ見てうやまい礼する。

*この行状畧頌は西大寺に所蔵され、原題は「興正菩薩成徳年記(せいとくねんき)略頌」となっている。建武四年(一三三七)七月、菩薩の法孫信尊(西大寺第十三代長老)の作。西大寺に現存の国宝・興正菩薩御影像の御前法要にて読頌されたものであろう。なお、西大寺刊行(平成二十七年)の『祖師のおすがた』(佐伯俊源編)に掛軸装の『興正菩薩成徳年記略頌』現物の写真と解説、活字化された本文が紹介されている。 

 

●廻施一切廻真海 皆願隨修得菩提 建武四七二十五 遺孫苾蒭信尊記

 

〔一切(いっさい①)に廻施(えせ②)し真海(しんかい③)に廻らす。皆な隨修(ずいしゅう④)して菩提を得んことを願う。建武四年七月二十五日。遺孫苾蒭(ゆいそんびっしゅ⑤)信尊(しんそん)記す。〕

 

 一切=一切衆生。

 廻施=己が功徳を衆生に施与する。

 真海=仏界、仏土。

 隨修=教えに随って修行すること。

 遺孫苾蒭=孫弟子である比丘。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多

数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

 

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