« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2010年10月

2010年10月31日 (日)

開花情報  見ごろ・花は五・六分ていど咲く

10月晦日、日曜日。台風一過といきたい所ですが、天気はぐずつき気味。午後からはまた雨、今年は気象変化の多い年ですね。

〔秋桜寺句作〕

「露おける コスモスの花 きらきらと」

「コスモスに あまた仏の おはします」

「高麗僧が たてし御寺に 唐の塔」

「コスモスと 大いなる名に 天を見る」

      10月は今日で終わりです。この〔秋桜寺句作〕も今日をもちまして終了いたします。長らく愚作にお付き合いいただきまして有難うございました。コスモスと般若寺の良さを短い言葉で少しでもお伝えできたらと考え、日々頭を捻ってまいりました。本来ならもっと推敲すべきだったのですが、忙しさの中で浮かんだ言葉を書き留めることが精一杯で、生のままをそのまま披露した次第です。ご容赦くださいませ。今後も折に触れ作句して人前に出せるものができた時は当HPでお目にかけられたらと考えています。

それから句作の代わりにこの欄で仏の教えを〔和歌〕で説いた〔釈教歌〕を紹介する予定です。今後ともよろしくHPを御愛読下さいませ。

〔和歌〕

「みだれふす 野べの千草の 花の上に

色さやかなる 秋の白露」

為信・玉葉

「乱れ伏している、野の秋草のさまざまの花の上に、一入色も清らかに置き渡している、秋の白露よ。」

Img_9260

Img_0240

Img_9505

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月30日 (土)

開花情報 見ごろ・満開は過ぎ、花は七分ていど咲いています

台風14号は予想より南を通過したため奈良ではほとんど影響はありませんでした。今朝は雨、霧のような雨がしとしとと降っていました。午後からは曇りがち、まだ秋雨前線が居座っているのでしょうか。

コスモスは雨にぬれ、大きな花は重そうに下を向き、色はあざやかさを増しています。雨が上がればまた空に向かって咲きほこることでしょう。

〔秋桜寺句作〕

「宋人が 歴史を語る 笠塔婆」

「コスモスの 花たむけるや 文殊尊」

「夕焼けを 鳥の渡るか 秋桜」

「コスモスに 若返りたる 心地して」

〔和歌〕

「色かわる 木ずゑをみれば さほ山の

あさ霧がくれ 雁は来にけり」

為家・風雅

「赤に黄に、色の変る梢を見ると、佐保山の朝霧にかくれて、ああ、雁がやって来たのだなあ、そういう季節になったのだなあ、と実感されるよ。」

  さほ山=大和の歌枕、佐保山。

奈良市

北郊の丘陵。紅葉の名所。

* 佐保山は般若寺から西へ向かってなだらかに続く丘陵地で、不退寺近くで果てる奈良山の一部でもあります。そして南ふもとを東から西へ佐保川が流れます。山と川が形成する一帯を佐保の里とも言います。この地は古代の豪族大伴氏の本貫地で万葉集にも数々の名歌が残されました。また天平びとの奥津城(お墓)でもあり聖武天皇をはじめ数々の御陵が点在します。春の女神、佐保姫が住まわれるこの佐保山が紅葉の名所であったなんて、恐らく地元の人も知らないことでしょう。

Img_0209

Img_0201

Img_0223

Img_0208

Img_0219

Img_0213

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月29日 (金)

開花情報  見ごろ・満開は過ぎ、花は七分ていど咲いています

曇りときどき晴れ。台風が接近していて今晩から影響がありそうで明日は荒れ模様です。

コスモスは雨に打たれ花数を少し減らしました。これから日に日に花の終わりに向かっていきます。寂しくなりますね。

気分を変えて今日からは次の季節のことに取り掛かろうと思います。まずは冬の水仙の手入れです。それから来年の初夏に咲かせるコスモスの準備です。春の2月から3月には種まきをするため、それまでは土作り、肥料入れ、土の耕起、苗床作りなどの園芸作業が待っています。まあ冬は長いですから気長にやります。寒い季節の肉体労働は苦になりません。動き回ると体が温もって気持ちのいいものです。働けることを御仏に感謝してたゆまず歩み続けることが肝要です、次の花に向かって。

〔秋桜寺句作〕

「秋ふかし コスモスの花 露にぬれ」

「夏に逝く ネコもコスモス 愛でたるか」

「秋の日を コスモス花と いつまでも」

「コスモスを 守りそだてて 秋果てる」

〔和歌〕

「物おもふ といはぬばかりぞ 露かかる

草木も秋の 夕ぐれの色」

藤原定成(実は俊光詠)・玉葉

「彼らは口に出して(物思いをしている)と言わないだけのことだよ。露にぬれた草木も、人間同様、秋の夕暮れの思いしおれた様子をしている。」

Img_0126

Img_0132

Img_0114

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月28日 (木)

開花情報  見ごろ・満開は過ぎ、花は八分ていど咲く

今日は一日雨、冷たい雨です。この週末には台風がやってきそうです。近畿では今年初めての台風です、季節はずれの。強い雨風でコスモスの花は傷められそうです。かわいい花がかわいそうです。

今日のような雨の日は内職で「コスモス散華」作りに精を出しています。まず紙を折ってハサミで花形に切り、「開運」や「健康」の判こを押してでき上がりです。八弁の花びらをきれいに切るのがむつかしいです。色はピンク、白、黄の3色です。これは秘仏公開の宝蔵堂に置いてあり、拝観の記念に自由に(勿論無料で)お持ち帰り願っています。たいへん好評で、皆さんお守りにしようと大事そうに持っておられます。公開は来月11日まで延長していますのでお出かけ下さいませ。

〔秋桜寺句作〕

「秋冷の あしたに咲くや 秋ざくら」

「子らが来て コスモスの花 絵に描ける」

「いま一度 初夏に咲かさん コスモスを」

「コスモスが 消えかかるほど 秋さむし」

〔和歌〕

「木がらしに 月すむ峰の 鹿のねを

われのみきくが おしくもある哉」

寂然法師・風雅

「木枯らしの風が吹き、月の光が澄み渡る峯に鳴く鹿の声を、(山中に閑居する)私だけが聞くというのが、全く勿体ない感じがするなあ。」

Img_9862

Img_9867

Img_9852

Img_9885

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月27日 (水)

開花情報  見ごろ・満開を過ぎ花は八分ていど

今日は寒いです。列島の北は雪、南は台風となんか変なお天気になっています。これも異常気象の一つなのでしょうか。コスモスはさすがに満開を過ぎ花数を減らしています。でもはじめて見る人には花一杯で十分に見栄えがすると思います。一日も早いほうがいいと思います。

〔ご詠歌〕

白鳳の阿弥陀仏を納めた木箱に書かれていた「閻浮檀金阿弥陀如来」を詠める歌。

「白鳳の 閻浮檀金(えんぶだごん)の 阿弥陀仏

衣にのこる 無量光かな」

・閻浮檀金=インドの伝説上の地、閻浮樹の大森林を流れる河に産する砂金、最も高貴な金とされる。

・無量光=梵語アミターバ、「無限の光明をもつもの」の意。

阿弥陀の漢訳名の一つ、無量光仏。

〔秋桜寺句作〕

「さっそうと コスモスが咲く 青空に」

「二人して コスモス見たは いつの日か」

「古めける コスモス寺に 秘仏あり」

「コスモスを 夜空に咲かす 月の影」

〔和歌〕

「吹きしほる 千くさの花は 庭にふして

風にみだるる はつ雁のこゑ」

儀子内親王・風雅

「はげしく吹きたわめられている、沢山の秋草の花は庭になびき伏して、風の中に乱れて聞える、初雁の声よ。」

・吹きしほる=吹き撓る。吹いてたわませる。

・千くさ=千草。色々の草。

Img_9699

Img_9819

Img_9701

Img_9840

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月26日 (火)

開花情報  見ごろ・満開を少しこえました

今日はお天気回復しましたが次第に冬並みの寒さがきそうです。コスモスは濡れて下を向いていた花も雨が上がってすっくりと起き上がりました。でもきのうはよく降りましたね。おかげで一服させてもらえました。忙しいと追いかけられているようで仕事ははかどりますが、一日一日が空を飛んでいるようで落ち着きません。ゆっくり読書もできないので悔いが残ります。一日なさざれば一日食らわず、という禅僧の言葉があります。人生をしっかり見つめて生きよということでしょうか。これからは寸暇を惜しんで書物に親しみたいですね。

〔秋桜寺句作〕

「秋桜 君と出会ひし 庭に咲く」

「花びらを はらりと散らす 秋桜」

「コスモスに 妻の遺影を そっと寄せ」

「コスモスは 変わらず咲けど われ老ゆる」

〔和歌〕

「露の色 ましばの風の 夕げしき

あすもやここに たへてながめん」

為兼・玉葉

「露が光り、真柴に風の吹く夕暮れの景色よ。明日も果たしてここに、この心傷む秋の思いに耐えて、これを眺めることができるだろうか。」

Img_9609

Img_9594

Img_9591

Img_9577

Img_9659

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月25日 (月)

開花情報  見ごろ・ 満開を少しこえました

ゆうべからの雨が続いています。

コスモスは満開になって2週間がたちました。さすがに満開のピークは超えたようです。でもまだまだ一面の花園です。これから少しづつ花数を減らしていきます。いっきに終わることはありません。コスモスの終了は霜が降りた時です。

きのうは午後から雨という予報がずれ込んで午後5時まで天気はもちました。しかし最終日の「花あかり」は演奏が始まるころから雨でした。それで屋外用の紙を張った行燈は並べられず電気照明だけでした。榊氏の手作り行燈はいつも通りお堂の軒下濡れ縁に並び参加者は風情を楽しんでおられました。そしてコンサートは外陣を舞台に行われました。客席は縁側や軒下に分散して間近で聞けました。人数も雨のため少なかったですが、それでも100人近い人が熱心に音楽を楽しんでおられました。上田雪子先生をはじめ4人のお琴とバスとギターも入り素晴らしい演奏でした。できれば晴れた夜空の下で聞ければと残念でした。ぜひまたの機会にお願いしたいと思います。《琴雪会》の皆様寒い中の熱演本当に有難うございました。

きょうは水仙の準備をしました。

「初春に 匂いかぐわし 水仙の花」 ポスターを掲示しました。1月~2月に咲きます。

〔秋桜寺句作〕

「塔の上 ひつじ雲ゆく 秋桜」

「コスモスの 花にあなたを かさね見て」

「秋ふけて 花さかりなり コスモスは」

「紫苑花 コスモスの花に 先がけて」

〔和歌〕

「いく秋の 涙さそいつ かすが野や

ききてなれぬる さをしかの声」

範憲・風雅

「一体何回、秋毎に私の涙を誘ったことだろうか。春日野の、聞いて馴れ親しんだ鹿の声よ」

ききてなれぬる=作者範憲は奈良興福寺三蔵院所住である所からいう。前大僧正。

Img_9505

Img_9507

Img_9512_2

Img_9527

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月24日 (日)

開花情報  満開です

今日は曇りから雨になりそうです。夜の「花あかり」の時分はすこし雨がありそうです、たいした雨でなければいいんですが心配です。

きのうは晴れたり曇ったりですっきりした秋晴れとは行かなかったのですが、コスモスはきれいでした。奈良は正倉院展が始まって秋本番、人出はピーク。当寺でも花まっさかりで大勢の参詣客で賑わいました。「花あかり」と「コンサート」も毎回大盛況でマリンバ演奏の方々も前回に増しての熱演でした。何回聞いても生演奏はすばらしいです。

今日の演奏は「大正琴」です。《琴雪会》の皆様5人で琴を奏でていただきます。「花あかり」では初めてのことです。楽しみですね。

そして今、「秘仏公開」も日に日に好評を博しお堂内は連日満員です。白鳳仏は勿論ですが、特にミニ仏像に人気が出ています。身の丈一寸というような小さな大日さま、華麗なきり金の衣をまとい立派な錫杖を持つ地蔵さま、金鍍金を施した金銅の観音さま、といずれも指ほどの大きさの仏たち。いずれも守り本尊、念持仏。こんなかわいい仏像をだれが祀っていたのかと想像をかきたてられます。平安宮廷のうら若き姫君か、もしくはろうたけた女房殿か、後生を願って日々手を合わせている姿がほうふつさせられます。いずれにしろ平安の世にこのような小さな仏に自らの人生を委ねていた女人がいたことがしのばれます。この秘仏公開は今日で終わる予定でしたが、続けてほしいとのご要望の声が多く、正倉院展の期間中は随時開くことにします。花と仏、どちらもすばらしき般若寺です。

〔寺宝詠句〕

・神功皇后の三韓入征図絵馬を詠める

「大絵馬に つわもの猛し 神功の」

・嵯峨天皇御真筆の勅額を

「見上げれば 門額に見ゆ 三筆や」

・旧の十三重石宝塔相輪を

「青さびし 九輪の表 み名きざむ」

〔秋桜寺句作〕

「コスモスに そっと語らう 乙女あり」

「コスモスに 露を置ける日 朝寒し」

「わっという 歓声あがる コスモスに」

「楼門の 向こうにみゆる 花と塔」

〔和歌〕

「吹きしほる 四方の草木の うら葉みえて

風にしらめる 秋のあけぼの」

永福門院内侍・玉葉

「吹きたわませる野分に、あたり一面の草木の葉裏が白々と見えて、強風の中に次第に明るくなって来た、秋の曙よ。」

Img_8841

Img_8850

Img_8853

Img_8808

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年10月23日 (土)

開花情報  満開です

今日は晴れ時々曇りのコスモス日和。花もきれいし参詣者も若やいで華やかです。人間、リラックスすると顔もにこやかに美しくなるんですね。コスモスの匂える妹がはねず色の赤裳の姿夢に見えつつ、てな歌があればなあと思える今日この頃です。今日も夕方5時から「花あかり」と「コンサート」があります。西川さんと山野さんのマリンバ演奏です。乞うご期待。

〔寺宝詠句〕

・旧本尊丈六文殊像の脇侍、最勝老人の手首を詠める

「丈六の 手を残したる 脇侍仏」

・同、宇填王の太刀を

「大太刀を 佩きたる王よ 今はなく」

・旧妙寂院客殿の玄関扉絵を

「扉絵に 過ぎにし栄華 しのばるる」

・同じく

「般若苑 御殿と名にぞ 寺おもう」

〔秋桜寺句作〕

「石塔の 仏は花を 愛ずるよう」

「白鳳の 名にみちびかれ コスモス寺」

「青空に 白きコスモス 雲となる」

「もう一枚 君とコスモス 撮りつづけ」

〔和歌〕

「あきはぎの みだるる玉は なく鹿の

声より落つる なみだなりけり」

貫之・風雅

「秋萩の上に乱れてかかる玉は、(あれは露ではなくて)鳴く鹿の声とともに落ちる涙だったのだよ。」

Img_8864

Img_8869

Img_8870

Img_8879

Img_8886

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月22日 (金)

開花情報  満開です

天気は回復。午前中は曇り、昼から晴れました。コスモスは満開で大きな花が色あざやかに咲いています。明日の土曜日は晴れて絶好の行楽日になりそうです。当寺の「コスモス花あかり」はすこし寒いかもしれませんが、花と光と音楽の祭典は最高の状態で行われます。深まる秋を味わい、ゆく秋をおしむ方々で賑わうことでしょう。

〔寺宝詠句〕

・白鳳の阿弥陀仏を詠める

「なき皇子を 南無阿弥陀仏 とぶらへる」

・体内仏の大日如来を

「みほとけの 赤きくちびる 大日の」

・陶製の吽形狛犬を

「狛犬や 愛犬ポスの 顔に似て」

〔秋桜寺句作〕

「コスモスの 花に向かいて 若やいで」

「真っ青な 空を突きあぐ コスモスや」

「かまきりが コスモスの葉に 重すぎる」

「白鳳の ほとけの庭に 秋桜」

〔和歌〕

「うす霧の はるる朝けの 庭みれば

草にあまれる 秋の白露」

永福門院・玉葉

「立ちこめた薄霧の晴れて行く明け方の庭を見ると、まあ、草にいっぱい、こぼれる程に置いている、秋の白露よ。」

Img_8852

Img_8849

Img_8857

Img_8840

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月21日 (木)

開花情報  満開です

きょうは雨、小雨です。久々の水分補給で花も人も一休みできそうです。それにしても今週は平日だというのに毎日休日のような賑わいを見せました。新聞、テレビなど各報道で花と花あかり、その上秘仏公開まで大きく紹介していただいたおかげです。各報道機関の皆様有難うございました。きょうの雨のあと週末は回復し晴れそうです。23日(土)にはNHKの「ぐるっと関西おひるまえ」でコスモスの花と「花あかり」が取り上げられます。それと同じ日、奈良新聞でも記事が出ます。こんどの土曜、日曜はたいへんな人出が予想されます。来られるお方はできれば車なしでお出かけください。昼間はなんとかいけそうですが、夜の行事のとき満車で入れない恐れがあります。よろしくご配慮を。

〔秘仏公開中の宝物を詠める句〕

・白鳳阿弥陀如来を詠める

「白鳳の 弥陀の衣文に 九曜見え」

・体内仏地蔵菩薩を

「三寸の 錫杖の音 響けるや」

・体内仏三尊を

「王朝の 女人おがみし 守り仏」

・同

「念持仏 いかなる姫の まつりしか」

〔秋桜寺句作〕

「青空に コスモスゆれる 塔の下」

「コスモスの 花満開に ことばやむ」

「ゆく秋を 花と語らい 夕日まで」

「秋ざくら 触るれば散れる はかなさよ」

〔和歌〕

「また秋の うれへの色にむかふ也

おばなが風に 庭の月かげ」

親子・玉葉

「また今年も、秋の悲愁の情趣になろうとするようだ。尾花に風が吹き、庭に月影が映る頃よ。」

むかふ=「近づく」あるいは「相対する」意。

Img_8792

Img_8806

Img_8810

Img_8827

Img_8820

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月20日 (水)

開花情報  満開です

曇り。降りそうな気配です。予報では今日より明日のほうが雨の確率が高いそうです。しばらく晴天が続いたからお湿りがあってもいいかも知れませんね。コスモスにもいちど水遣りをしてあげたいと思っていたところです。大雨でなければいいのですが。花はいまが最高ですから散らなければいいのになあと心配です。まあ御天道様にお任せあれ、です。

〔秋桜寺句作〕

「コスモスを 愛でたる人の やさしい目」

「秋桜 かくれし皇子に 見せたばや」

* 皇子=護良親王

「楼門の つばさの如く 屋根のそる」

「コスモスや 白鳳仏に 出会いし日」

〔和歌〕

「くれうつる まがきの花は みえわかで

         霧にへだてぬ さをしかの声」

為秀・風雅

「夕暮れの気配が濃くなって来る垣根の花は、もうそれと見分けられなくなって、一方、立ち渡る夕霧にも隔てられず、はっきりと聞えて来る、鹿の声よ。」

Img_8738_2

Img_8723

Img_8721

Img_8739_2

Img_8754

Img_8764

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月19日 (火)

開花情報  満開です

うす曇りに時々晴れ間が見えます。毎日、雨風がなく秋らしい穏やかな日が続きます。いまが一番過ごしやすい気候でしょうか。心地よくも短い秋のさ中です。コスモスはここ一週間が盛りで過ぎれば徐々に花は減っていきます。この最盛期をのがさないでください。

只今秘仏公開中ですが、今年の人気は極小の体内仏に集まっています。5から10センチの地蔵、大日、十一面観音さまです。ここに白鳳阿弥陀仏の体内仏三尊を詠める句作を披露します。

「きり金の 袈裟あざやかに 地蔵尊」

「つぶほどの 大日の手に 智拳見ゆ」

「小さなる くがねの観音 化仏あり」

〔秋桜寺句作〕

「秋ざくら 花から花へと 蝶の舞い」

「コラットと いう花もあり コスモスの」

「千年の 歴史に咲ける 秋桜」

「秋ざくら 天空まばたく 星のごと」

〔和歌〕

「花すすき ほむけのいとを 吹く風に

       玉のをとけて 露ぞみだるる」

経平・玉葉

「花薄の穂を糸のようになびかせて吹く風のために、まるで玉を貫いた糸がとけたように、穂に置いた露が乱れ散る。」

ほむけ=穂向け。穂を一方になびかせる状態。

Img_8553

Img_8559

Img_8566

Img_8579

Img_8527

Img_8463

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月18日 (月)

開花情報  満開です

晴れ。きょうもコスモス日和。朝は11℃でした、昼間は24℃の予報です。

いま般若寺の庭は花に埋もれて花に酔いそうです。コスモスはもう最高の状態。花については何も言うことありません。百聞は一見に如かず、です。

きのうの「花あかり」はすこし寒かった以外ベストコンディションでした。月も中天にかかり明かりをさし掛けてくれました。お客様は前日と同じほどの人数で、大きな拍手でコンサートを盛り上げてくださいました。マリンバ演奏は「秋桜」から始まり、所々誰でも知っている童謡をはさんで最後も「秋桜」でしめくくり、一時間を超える演奏でした。奏でられた音が秋の夜空に溶けていくような雰囲気がかもし出されていました。大成功でした。西川さん山野さんお疲れさま、有難うございました。今度の土曜日もよろしく。

今日の演奏と行燈による「花あかり」の風景写真がNHKの「ぐるっと関西おひるまえ」で紹介されます。日時は10月23日(土)10:50~12:00で、イベント紹介のコーナーで取り上げられる予定です。時間の許される方はぜひご覧下さいませ。

〔秋桜寺句作〕

「コスモスの 寺をたずねて ならさかへ」

「秋たけて レモン色なる コスモスや」

「君の手に ふれしコスモス きらめいて」

「まあきれい コスモスの花 ほむる声」

〔白鳳秘仏句作〕

「白鳳の 目もと涼やか あみだ仏」

「金銅の 阿弥陀くちもと えみ浮かべ」

「指ほどの 胎内仏に 目を凝らす」

Img_8249

Img_8435

Img_8153

Img_8206

Img_8144

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月17日 (日)

開花情報  満開です

今日は朝方雲が多いでした。昼間はよく晴れてコスモス日和です。花はいまがピークを迎えています。雨が降らないので花にとっては絶好のコンディションです。朝はすこし寒いほどで花に露の玉が光っていました。このままの状態が少しでも長く続くことを念じています。でもそうは行かないでしょうね、いずれ花は散ってしまいます。ゆく秋を惜しむ季節になります。これが世のならいです。

昨夜の花あかりは雲間に月の見える夜空の下、3百人ほどの参加者を迎えなかなか盛況でした。夜空にサキソフォンなど管楽器の透きとおる音が響き渡り、すこし幻想的な雰囲気を味わえました。また榊氏の創作行燈も新作が多数あり一つ一つが秋の風情を漂わせています。ぜひ「花あかり」で花と光と音楽の夕べをお楽しみください。今日の音楽はマリンバ演奏です。演奏者の西川夏代さん、山野志津さんは今回で4回目ですが、いつも元気いっぱいの楽しい調べを境内に響かせていただいてます。常連のファンの方も沢山おられます。ご期待を。

鎌倉時代の阿弥陀如来立像を詠める歌。

「いくさなき 仏の浄土(みくに) おしえんと

身をこがしたる あみだ仏かな」

この阿弥陀様は左手と両の足先を失い、頭は焼けて穴が開いている痛ましい状態です。戦国時代の永禄10年(1567)松永久秀の兵火で焼かれた阿弥陀堂の本尊であったと思われます。迷える衆生をお浄土に導き救わんとする阿弥陀様が身をもって戦さのおろかさを示されています。

〔秋桜寺句作〕

「かろやかに 風になびくや 秋桜」

「あこがれし コスモスの花に そっとふれ」

「石塔を つつみ咲けるや 秋ざくら」

「みほとけの お顔を染めて 秋桜 」

〔和歌〕

「影よはき 柳がうれの 夕づくひ

        さびしくうつる 秋の色かな」

              重資・風雅

「光も弱々しくさす、柳の枝先の夕日影よ。いかにも淋しく映ずる、衰えて行く秋の色そのものだなあ。」

うれ=末。草木の成長する先端。

うつる=「映る」と「移る」をかける。

Img_8146

Img_8136

Img_8128

Img_8163

Img_8020

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月16日 (土)

開花情報  ほぼ満開

秋晴れ、雲も浮かんでいます。コスモスの花は一番の見ごろ。

秋、真っ盛りです。

本日は「コスモス花あかり」の初日です。雨の心配もなく上々のすべりだしです。花も満開で昼間からにぎわうことでしょう。「あかり」は夕方5時から7時まで点灯。今日のコンサートは

奈良市

国際音楽交流協議会会員としてご活躍のサクソフォンデュオ「フェニーチェ」(新谷紀子さんと杉本明日見さん)の演奏です。予定では6時頃から始まります。きっと花も踊りだすようなすばらしい音楽だと思います。ご期待ください。

今日の御詠歌は天神さま、菅原道真公の御神像を詠んだ歌です。

「こちふかば 願いかなえよ 天神の

        ひかりとどけん もろびとのもと」

天神さまの御像を拝見できることはめったにないことです。当寺でも本来なら境内の天神社のお社に鎮座されていてお目にかかることはなかったのですが、春からお社にミツバチが入り込んで巣をつくり大量に出入りをしだしました。側へ寄ると襲ってきます。そこで緊急避難してもらいお堂内でおまつりしています。これが御開扉の顛末です。天神社が八幡(ハチ満)社となってしまいました。

〔秋桜寺句作〕

「透きとおる ピンクの花に 露ひとつ」

「朝もやの 中にコスモス かがやける」

「かわいくて じっと見つめる 秋ざくら」

「コスモスの 花浄土なり 薬師仏」

〔和歌〕

「色かはる は山が峰に しかなきて

尾花ふきこす 野べの秋かぜ」

有家・玉葉

「色調が秋らしく変わって来た、人里近い山の峰に鹿が鳴いて、尾花を吹いて渡り行く野の秋風よ。」

Img_7938

Img_7907

Img_7836_2

Img_7845

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年10月15日 (金)

開花情報  見ごろ・満開直前

夕べはすこしおしめりがあってコスモスは露が降りたようにしっとりしています。今朝のお天気はうす曇、だんだん秋のやわらかい日ざしがふりそそいで来ました。       コスモスにとってはカンカン照りよりちょっと曇っていたほうがいいようです。今日は青空に雲が浮かび、コスモスの花がもっとも輝いて見える日となりそうです。明日からの「はなあかり」も絶好の日和です。ゆく秋をご堪能ください。

きのうに続いて宝蔵堂に祀る弘法大師のご詠歌をどうぞ。

「なむ大師 般若のおしえ 学ばんと

若き遍照 ならいはげみし」

弘法大師空海は長安で真言密教を学び日本の真言宗開祖となった有名な僧。若い頃は奈良で修学され般若寺においても般若の教えを学ばれたとの寺伝あり。遍照は遍照金剛のことで大師の灌頂号。習いに奈良をかける。

〔秋桜寺句作〕

「ゆく秋を 一日あそぶ コスモス寺」

「コスモスに 思い出かたる 顔と顔」

「春に咲く れんげ草似る ピコティ花」

「極楽の 庭にも咲くや 秋桜」

〔和歌〕

「夕づくひ 岩ねの苔に かげきえて

をかの柳は 秋風ぞふく」

永福門院・風雅

「沈もうとする夕日の、しばし岩根の苔を照らしていた光もいつか消えて、目に立つものは岡の柳のみ、そこに秋風が吹いている。」

岩根の苔=岩の窪みに生えている苔

Img_7857

Img_7832

Img_7847

Img_7855

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月14日 (木)

開花情報  見ごろ・七分咲き 満開直前

今日は曇り。でも雨はないようです。

花は満開に近づき、花の色は酔えるがごとく華々しいです。今が最高の状態でしょうね。満開になってしまうとあとは散り始めるばかりでだんだん下り坂に入っていきます。

当寺でいま秘仏公開をしている宝蔵堂にお祀りする「雨宝童子」(うほうどうじ)の詠歌ができました。

「あまてらす 雨宝童子の おおみ神

                            多き宝を 雨ふらしたり」

童子は天照大神と大日如来が習合した仏神同体の尊格で、大神が日向の国に下生されたときの姿です。右手に宝棒を左手に宝珠を持たれ頭上には大日如来を表す五輪塔を頂きます。名のとおり人々に宝を雨のように降らしてくれる豊饒の神です。

〔秋桜寺句作〕

「観音の 仏をかざる 秋ざくら」

「コスモスと 偉大なる名の 可憐花」

「ならさかを 華やかにする 秋桜」

「コスモスを じっと見守る 仏の目」

「細貝を 集めしごとく シーシェルの花」

〔和歌〕

「色々の あきの野べをば 花薄

まねかずとても ただやすぐべき」

頼輔・玉葉

「色々の花の咲き乱れる秋の野を通れば、花薄が風になびいて招くけれど、招かなくてもそのまま通り過ぎられるものかね。」

Img_7794

Img_7713

Img_7708

Img_7765_2

Img_7696

Img_7698

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月13日 (水)

開花情報  見ごろ・七分咲き、満開近し

今日は晴れ。そして今週は曇る日もあるが、おおむね晴れるそうです。週末には当寺の恒例行事、「コスモス花あかり」があります。今年で10回目です。この行事は紙を張った行燈を使用するので雨は大敵、去年も途中に降られ行燈を出したり入れたりで困りました。また今年は一週遅らせたので花があるか心配でした。しかし花もちゃんと行事に合わせてくれ、今週来週は満開になりそうです。

今日は有名な文豪、森鴎外の短歌を紹介します。

「般若寺は 端ぢかき寺 仇の手を

       のがれわびけむ 皇子(みこ)し思ほゆ」

般若寺は奈良の町から端近い寺、唐櫃に隠れ追っ手の追及をのがれ熊野へ落のびられた護良親王がしのばれる、という意味でしょうか。親王は後醍醐天皇の皇子で大塔宮といい、いわゆる建武の中興に大功あったが、最後は天皇の命で鎌倉の土牢に囚われ薨じた悲運の宮。

〔秋桜寺句作〕                           

今日の句は16日からの「コスモス花あかり」の夕べにちなんで夜分を詠んでいます。

「夕日惜し コスモスの花に 闇せまる」

「コスモスや 星のごとくに きらめいて」

「星空に みあかしゆれて 秋桜」

「月明かり コスモスの色 ほの見える」

「満天の 星にコスモス ちりばめて」

〔和歌〕

「あさぢ原 秋かぜふきぬ あはれまた

いかに心の ならむとすらむ」

家隆・風雅

「浅茅原に、秋風の吹く頃となってしまったよ。ああ、今年もまた、(秋の風物に催されて)どんなに心が傷み、悲しむようになって行こうとするのだろうか。」

Img_7529

Img_7481

Img_7502

Img_7553

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月12日 (火)

開花情報  見ごろ・七分咲き

きのうの体育の日はいいお天気でどことも賑わったことでしょう。当寺でも今年一番の参拝者でした。

花は場所によっては満開に近くなっています。満開の一歩手前がきれいです。抜けるような青空の下、若いカップル、ファミリー、杖をついたご老人、重いカメラを持った熟年者、世代さまざまな人たちがコスモスの花を楽しんでおられました。

それから今年の拝観の特徴は秘仏公開に人気が集まっていることです。長年花を見に来ていたが、こんなにすばらしい宝物があるなんて、初めてという方が多いです。寺でもみんながんばって案内説明しています。「歴史ある花と仏の淨刹」が般若寺のキャッチフレーズですから名に恥じないようにベストをつくします。。

今日も有名な俳人、向井去来の句を紹介します。去来は松尾芭蕉の門人ですからご存知の方も多いと思います。この句は春の句で、当山の文殊会式で一切経転読の様を詠んだのでしょう。

「散りたまる 花や般若の 紙の向き」

〔秋桜寺句作〕

「コスモスと 言った口もと すがすがし」

「まごころと いう花ことば 秋桜」

「コスモスの 花なびかせて 秋の風」

「青空に 白いコスモス すっきりと」

〔和歌〕

「秋風は とをき草葉を わたるなり

ゆうひのかげは 野べはるかにて」

伏見院・風雅

「秋風は、遠くひろがる草葉の上をどこまでも渡って行くようだ。夕日の光は野原一面をはるかに照らして。」

Img_7214

Img_7202

Img_7120

Img_7241

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月11日 (月)

開花情報  見ごろ・七分咲き

晴れました。4日ぶりの青空です。

この秋は気温は高め、雨量も多めですね。

先日テレビで異常気象の特番をやってました。世界の偏西風が異常を起こし、乾燥、高温、洪水、寒波が地球上に多発したのです。

人間は夏のあの異常高温を乗り越えて何もなかったかように生きています。しかし自然界はダメージを受けました。食料にも生産減のおそれが出ています。

当然、コスモスも大きな影響を受けました。高温と乾燥は9月の中ごろまで続き、一時は皆枯れる寸前までになっていました。が、天の恵み雨で生き返りました。そしていま花を咲かせています。例年よりずっとおくれて咲いている今年の花を、成績の良し悪しを言う前によく生き延びたとほめてやってほしいです。これは実際に見守り育ててきたものからのお願いです。

今日は超有名な俳人、正岡子規の作、般若寺の句を紹介します。「柿食えば・・」に比べて全然知られていない無名の句です。

「般若寺の つりがね細し 秋の風」

おそらく法隆寺の句をつくった「対山楼」(現在、天平倶楽部というレストランになっている)に逗留して当寺へも来たのでしょう。

〔秋桜寺句作〕

「わた雲に コスモス映える 秋さかり」

「背伸びして コスモス花の 顔を見る」

「コスモスの ピンクの花に 黄蝶とぶ」

「夏の日を コスモスとともに 振り返る」

〔和歌〕

「おばなのみ 庭になびきて 秋風の

ひびきは峯の 梢にぞ聞く」

永福門院・玉葉

「尾花だけが庭一面に音なくなびいて、それを吹く秋風の響は、峰の梢を渡りゆく音として聞くことだ。」

Img_7088

Img_7094

Img_7096

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年10月10日 (日)

開花情報  見ごろ・五~七分咲き

二日続いた雨がやみました。これからお天気は回復に向かうようです。でも朝は曇天、今にも降りそうな空でした。花は雨ですこし傷んだところもありますが晴天になれば次の花が咲いてくるので心配要らないと思います。

いま特別公開されている白鳳秘仏阿弥陀如来様のご詠歌

ができました。

「大きなる 手をもてわれら すくわんと

ほほえみおはす 白鳳の弥陀」

〔秋桜寺句作〕

「赤とんぼ 風にゆらゆら 秋ざくら」

「風のあと コスモスすっくと 起ち上がる」

「天をつく ごとくに伸びし 秋桜」

「宋人も コスモスめでる 笠塔婆」

〔和歌〕

「むら雲に かげさだまらぬ 秋の日の

うつりやすくも 暮るる比かな」

覚円・風雅

「群がり動く雲に見えかくれして、光が安定しない秋の日の変わりやすいと同様に、時もまた移りやすく、何とまああっさりと日暮れになってしまうこの頃だろうか。」

・うつりやすくも=「映り」と「移り」をかける。秋の空模様と短日を表現。

Img_6946

Img_7032

Img_7038

Img_6978_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 9日 (土)

開花情報  見ごろ・五~七分咲き

今日は一日雨模様。

花はしっとりと濡れ頭を垂れています。みずみずしくも健気に咲いています。3連休の初日ですから各地で催しが予定されているのに残念なことです。秋はこういうことがよくあります。あまり天気をあてにするとがっかりさせられます。また秋晴の日もあることでしょうから気を取り直していきましょう。コスモスは、何度も書いているように来週から満開になると思います。今日の雨はそのときのための露払いだと思うことにします。10日遅れたということは10日長く花を楽しめるということですから。

〔秋桜寺句作〕

「コスモスの 花のむこうに 三笠山」

「かわいいと 少女が言った コスモスの花」

「きれいだね 母がこたえる 花の苑」

「コスモスは 咲いてますかと 華やいで」

「コスモスに 逢いにゆかんと 君を訪い」

〔和歌〕

「見し人も すみあらしてし ふる郷に

ひとり露けき 女郎花哉」

崇徳院・玉葉

「その昔、住んで愛しあった人も立ち去り、荒れはててしまった故郷に、ただひとり露にぬれて立っている女郎花よ」

Img_6899

Img_6930

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 8日 (金)

開花情報  見ごろ・五~七分咲き

きのう載せるのを忘れました。6日に「奈良テレビ」の取材があってコスモスの花と秘仏公開を収録されました。放送は今日の夕方5時45分のニュース番組だそうです。NHKのときより花は多く咲いているのできっときれいな映像が見られるでしょう。

花は場所により満開直前のところもあり、まだ三分程度のところもあります。また傷んだところもあるので毎日新苗を補植しています。苗は20cmと小さいので咲くのは11月になってからだと思います。例年ですといまごろ満開を迎え一番いい時なのに、ことしやはり1週間から10日おくれています。寺のイベント「花あかり」の頃にピークがやって来そうです。乞うご期待。

〔秋桜寺句作〕

「花あおぐ 人を見まもる 十三塔」

「もういちど 君に見せたや 秋ざくら」

「コスモスの 花とあなたと ほとけたち」

「山門を くぐれば咲けり 秋桜」

「コスモスの 風になびいて 肩にふれ」

本物の〔俳句〕

「コスモスの 色もつれあい ほどけあひ」    本郷昭雄

「コスモスの 風なきときも 色こぼす」  三村純也

「コスモスの 花吹きしなひ 立もどり」  高浜虚子

やはり本物は風格があり味わい深いですね。

Img_6861

Img_6834

Img_6850

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 7日 (木)

開花情報  見ごろ・五~七分咲き

今日も晴れ。朝はすこし寒く、昼はすこし暑いです。

いまの時期、花の咲き具合をどう表現していいのかちょっと悩みます。鉄道の花情報ではコスモス名所はよそではどこも「みごろ」となっています。きのう来られた方から般若寺だけが五分咲となっているのはどうしてですかと問われて答えに窮したのですが、こちらは鯖を読まないで正直に報告していますからよそと差が出ているのでしょうね、と言い訳した次第です。きっと違いはないのだと思います。当寺でも確かに五分咲から一歩進んだようです。そこで五~七分としました。しかし咲く場所によってはまだ三分程度のところもあります。本当の見頃までいま少しお待ちください。

〔秋桜寺句作〕

「石ぼとけ 微笑みの中に 花と君」

「あの人と 手にふれあった 秋桜」

「コスモスと あなたと私 輪になって」

「コスモスの 花ことば知る 乙女子よ」

「こすもすの 花のようなる 嫁ぎし娘(こ)」

〔和歌〕

「あはれむかし いかなる野べの 草葉より

かかる秋風 ふきはじめけん」

後鳥羽院・風雅

「ああ、その昔、一体どんな野原の草の葉から、こんなにも身にしみる秋風は吹きはじめたのだろうか。」

Img_6750

Img_6766

Img_6747_2

(

)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 6日 (水)

開花情報  見ごろ・五分咲き

今朝は寒かったです。草や花に露が置かれしっとりとした秋らしい庭となりました。空は抜けるような青空、この秋一番の秋空かもしれませんね。コスモスはまだ満開ではありませんが青空に突上げるように咲く赤や白の大きな花がきれいです。花びらが透きとおって見えます。いい天気が長続きしてくれればと念じているのにまたこの週末は雨予報です。

人の(男と女の両説あり)心と秋の空ですね。

今日の句作は少ししんみりと想い出をさそう句です。

〔秋桜寺句作〕

「一人来て コスモスの花に 君を見る」

「十年の 年月こえて コスモスに」

「いまはなき 君と写りし 秋ざくら」

「コスモスの 花のむこうに 観音像」

〔和歌〕

「月のこり 露まだ消えぬ 朝明けの

秋のまがきの 花の色々」

前大僧正実承・玉葉

「月は空に残り、露もまだ消えない早朝の、秋のま垣に咲き乱れる色々の花の美しさよ。」

Img_6575_3

Img_6591_2

Img_6596_2

Img_6601

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 5日 (火)

朝はうす曇。その後晴れ、また夕方は雨とめまぐるしいお天気です。コスモスの花は晴れ、満開に向かってまっしぐらと言いたいところですが、そんなに一気にはまいりません。しかし花には長らく待たされ人間の方はちょっと疲れ気味です。でもやっとコスモス寺らしくなってきたように思います。このままお天気さえよければこれから約1ヶ月ほど花のみごろが続くでしょう。今年はおそい秋、みじかい秋かもしれませんね。

今日も句作(愚作)にお付き合いください。 

なお、秋桜寺(しゅうおうじ)は現代俳句の大家、水原秋桜子先生(18921981)の名にあやかってつけたものです。

〔秋桜寺句作〕

「石塔の みほとけ笑むや 花の中」

「すっくりと 雨にコスモス のびあがる」

「しなだれし コスモスの花に 君を見る」

「秋桜 足もとかざる ひがん花」

〔和歌〕

「ふみ分けて たれかはとはむ よもぎふの

庭もまがきも 秋のしら露」

如願法師・風雅

「これを踏み分けて、一体誰が尋ねてくれるだろうか。蓬の茂った庭にも垣根にも、一面に秋の白露が置いている。(これでは来てくれる人もありはすまい。)」

・よもぎふ=蓬の生い茂った庭。雑草が茂り、荒れ果てた所。

Img_6511

Img_6531

Img_6553

Img_6537

Img_6518

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 4日 (月)

開花情報  見ごろ・五分咲き

朝方は大雨でした。花は見ごろとなっているのにお天気がすっきりしません。涼しさとともに前線が留まっているのでしょうか。今日は午後から回復するようです。秋晴れの下で咲きほこるコスモスの花を夢に見て、秋の夜長にひねった「言葉あそび」はいかがでしょうか。いっきに30句ほど作りました。しばらくお付き合いご辛抱を。

〔秋桜寺句作〕  (句作=愚作)

「コスモスの 庭をかけだす 子らが声」

「秋ざくら あなたと遊ぶ 堂の縁」

「いつぞやと かわらず可憐 秋ざくら」

〔和歌〕

「をく露も なさけぞふかき もも草の

花のひもとく 朝露の庭」

公顕・玉葉

「置きわたす露も、いかにも情愛深げに見えることだ。古歌に[思いたはれむ]と詠まれた情景そのまま、沢山の秋草の花が咲きはじめている、朝霧のこめた庭の景色よ。」

〔参考〕

「もも草の花のひもとく秋の野を

思いたはれむ人なとがめそ」(古今・読人しらず)

・思いたはれむ=心がうちとけてたわむれる。

Img_6406

Img_6414

Img_6014

Img_6374

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 3日 (日)

開花情報  見ごろ・三~五分咲き

朝は晴れ。しだいに下り坂、午後は曇りのち雨。せっかくの日曜日なのに惜しまれます。でも今の雨はコスモスにとってはよい雨です。もっと満開になってから降る雨は花降しになってしまい良くない雨になるでしょう。少々の雨は夏の干天のことを思えば有り難いですね。

花はどんどん満開へ向かって花数を増やしています。参拝の人数も増えコスモス寺の賑わいが戻ってきたようです。

今日の俳句は『ホトトギス新歳時記』に載っている水準に達した名句です。

どれもすばらしいですね。私も精進して質の高い境地に近づきたいですね。

〔俳句〕

「透きとほる日ざしの中の秋ざくら」                木村享史

「コスモスをコスモスらしくするは風」   蔦三郎

「尼寺の苔の中より秋桜」                    上野泰

Img_6358

Img_6369

Img_6366

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 2日 (土)

開花情報  見ごろ・三分~五分咲き

背丈が伸び頂上から大きな花を咲かせてきました。暑いときは花が咲いても大きくならないけれど、涼しくなり大輪で色も鮮やかになっています。朝から晴れてすこし暑かったですが天気は下り坂だそうで雲が出てきました。日曜日なのにあいにくあしたは雨だそうです。

きのうに続いて俳句らしきものを作ってみました。今まで本欄では名句、名歌を紹介してきたのに、ここで拙作を披露するのはちょっと恥ずかしいのですが、皆様のご高覧に供します。

「コスモスの イエローガーデン 黄に染まる」

「コスモスの 花をきかざる 石ぼとけ」

「古き寺 コスモスの花に よみがえる」

「コスモスの 花につつまれ ほほえむ目」

「コスモスの 花にほひたつ 秋の空」

出来の良し悪しは別にして、創作は楽しいですね。

〔和歌〕

「うす霧の 空はほのかに 明けそめて

                         軒の忍ぶに 露ぞみえゆく」

俊兼・風雅

「薄く霧のかかった空はほんのりと白み、開けはじめて、軒に生えた忍草に置いている露が、きらりと光って見えて来るよ。」

・忍ぶ=忍草。羊歯植物の一種。現在のシノブ・ノキシノブの類。軒端などに生える。

Img_6041

Img_6103

Img_6110

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年10月 1日 (金)

開花情報  3分咲き  彼岸花は満開

10月になり秋本番を迎えました。しかし秋雨前線が停滞し長雨の季節になっています。今日は晴れましたが明日からの週末は雨模様のようです。

きのうの雨でコスモスは生き生きと伸び上がり頂上の蕾が開いてきました。抜けるような青空の下で満開の花が見られるのはもうすこし先。

今日は俳句のようなそうでないような文をならべました。

「青空に 赤とんぼ舞い コスモスの花」

「秋草に すだく虫の音 コスモスの庭」

「秋風に さそわれて行く コスモスの寺」

「秋空に 雲ながれゆく コスモスの花」

これは当寺で作ったポスター用の「呼びかけ文」というか宣伝文に使ったものです。短い語句でコスモス寺の風情を言い表したかったのですが、これはというのはなかなかむつかしいですね。全くの素人ですから無理もないです。プロのようにはぴったりすっきりと、ほのぼのしたコスモスと寺の雰囲気を表現できません。いちど皆さんに公募してみたらよかったのかもしれませんね。言葉って本当に難しいです。

下の歌は鎌倉時代の代表的女流歌人、伏見院の奥さん永福門院の作で秀作と評されるものです。じっくり味わいます。

〔和歌〕

「しほりつる 風はまがきに しずまりて

小萩がうえに 雨そそぐなり」

永福門院・玉葉

「ま垣の草を吹きたわませていた風は、ようやく静まって、倒れ伏した小萩の上に、聞けば今、雨が降りかかって来たようだ。」

・しほる=撓(しを)る。圧してたわませる。

Img_6009

Img_5932

Img_5780

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »