「水仙のこと」
水仙の英語名はnarucissusナルキッサス、ナルキッソス、ナルシサスでギリシャ神話に由来する。美少年ナルシサスは泉の水面にうつる美しい自分の姿に恋をしてそこから離れられなくなりやせ細って死んでしまった。そのあと泉のほとりに水仙の花が咲いていた。またはナルシサスはそのまま水仙の花になってしまったとも言う。それで水仙の花は美少年のように、自分の姿に見入っているように下を向いて咲いているのだという。ナルシスト、ナルシシズムの語源である。
〔俳句〕
「水仙や 白き障子の とも映り」 松尾芭蕉
〔和歌〕
「ほに出でて まねくとならば 花すすき
過ぎ行く秋を えやはとどめぬ」
教長・風雅706
「目に立つ程はっきりと穂を出して、招くように風になびくのならば、花薄よ、過ぎて行く秋をどうして招き止める事ができないのか。(止めてくれたらいいじゃないか)」
・ まねく=花薄のなびくさまを人が手招きするさまに見立てる。
〔釈教歌〕
「有為の世は いづらつねなる 草の葉に
むすべる露の 風まつがごと」
僧正善珠・玉葉2628
「因縁によって生じた仮の世は、どこに常住不変のものがあろうか。草の葉に凝った露が、吹き散らす風を待っているような、そんな僅かの間の存在にすぎないのだ。」
・有為=因と縁の和合によって生じた、現象としての存在。無為(生滅変化する事のない真理)の対。
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コメント
いつも楽しく読ませてもらっています。
コスモスの開花情報から水仙のお花への リニューアルおめでとうございます。
水仙の花の意味とかとても分かりやすくていいです。
俳句や写真とかもとても楽しみにいつも読んでいますよ。
ご祈祷を申し込みたいと思いますが、詳しいことを知りたいです
よろしくお願いします。
投稿: 昭人 | 2010年11月11日 (木) 18時06分