花だより 11・26
この間までうす紫のかわいい花を咲かせていたサフランが花を終えました。当寺ではサフランは昔から植えっぱなしでコスモスが終わるころにひょっこりと蕾を見せます。春に咲くクロッカスとよく似ているので間違えやすいですがこの時期に咲くのはサフランです。キキョウのような形の花の真ん中から5センチほどの赤いめしべを伸ばします。これが料理に使われるハーブの一種で高級食材だそうです。一花に一本のめしべですからよっぽど大量に咲かさないと収量が得られないと思います。水仙の間に挟まって20本ほど咲いていたサフランの花も終わりました。いよいよ水仙の季節到来ですね。
「水仙に 花をゆずれる サフランや」
〔俳句〕
「筆を挿す ごとく水仙 壷に挿す」 吉屋信子
「雨に立つ 水仙襟を 引きしめて」 阿部ひろし
「天と地の 明暗分けて 野水仙」 稲畑廣太郎
〔和歌〕
「朝日さす いこまのたけは あらはれて
きりたちこむる あきしのの郷」
前参議実俊・玉葉737
「朝日がさすにつれ、生駒山はくっきりと姿をあらわし、対照的にまだ深く霧が立ちこめている、麓の秋篠の里よ。」
〔釈教歌〕
「ひとふさを おりてたむくる 花のえに
さとりひらくる 身とぞなるべき」
法印頼舜・玉葉2644
「ただ一房を折って御仏に手向ける花の枝の縁によっても、悟りの開ける身となる事ができるに違いない。」
・法華経方便品の「若し人、散乱の心にて、乃至一花を以ても、画像に供養せば、漸く無数の仏を見たてまつる」の意を詠んだ歌。
第二番 紀三井山 金剛宝寺 十一面観音↑
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