般若寺水仙:1~3月 * 2分咲き
厳しい寒さです。各地の大雪に引きかえ奈良では雪は全く降っていません。雨も降りませんから乾燥がきついです。
冬の花、水仙にとってもこの冬は過酷なのか、人影が少ないからじっと待ち構えているのか、蕾のままが長いです。花も人も春のぬくもりを待っているのでしょう。
今週は寒さも緩むそうですからひたすら待つことです、春を。
「冬空に 心ぬくもる 水仙花」 仙花子
〔俳句〕
「水仙の 二本を挿せば 二本の香」 石垣幸子
「水仙や 枯淡を旨の くらしにて」 味村志津子
「水仙花 心のねぢれを ほぐしけり」 塩野きみ
〔和歌〕
「春風に したゆくなみの 数みえて
のこるともなき うす氷かな」
従二位家隆・風雅35
「春風に立つ波が、氷の下を動いて行くその数さえも数えられるほどに見えて、川面に残るといってもごくかすかな薄氷よ。」
・したゆくなみ=氷の下を流れ動く波。それが見えることで氷の薄さを表現する。
〔釈教歌〕
「いさしらず この世をうしと いとひても
またなにの身に ならんとすらん」
中原師季朝臣・玉葉2711
「さあ、どうなるやらわからないよ。この世を辛いといって厭ってみても、来世は又何の姿に生まれ変り、輪廻することやら。」
・「輪廻生死」の心を詠む。「輪廻とは人界おはりて六道にさまよひ又業尽きて六道より人界に出るがごとき、まことに車輪のめぐりやむ事なく生死のきづなにひかれて、万劫かくのごとくあらんは、まことにやくなき事也。是をかくは云也。」(類題法文和歌集注解)
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