春の花だより 4・24
○ 今咲いている花:山吹、白山吹、椿、八重桜、しゃが、
利休梅、日本桜草
○ これから咲く花:梅花うつぎ、山あじさい、てっせん、
紫雲蘭、おがたまの木
○ 早咲きコスモス:咲き始め・5月上旬
見頃・5月下旬~7月上旬、5万本
あした4月25日は当寺の御本尊文殊菩薩様の御縁日、「文殊会(もんじゅえ)」です。別名「一切経転読供養(いっさいきょうてんどくくよう)」とも云います。昔は旧暦3月25日から一週間執り行われていました。文殊様の徳を讃え、仏教の経典全て、5500巻を転読(経題を読み上げる)し、ご先祖様の供養と諸願成就を祈念する法要です。今は昔の盛大さはありませんが、法要の趣旨は変わりません。鎌倉時代の伽藍復興と興正菩薩による御本尊造顕以来750年、連綿と続く真言律宗きっての伝統行事です。いつからかこの法要に合わせて山吹の花が植えられました。当寺は今「コスモス寺」として世に知られますが、40年前までは「やまぶき寺」と呼ばれていました。文豪森鴎外も山吹に魅かれて当寺を訪うています。山吹はいま満開です。この法要は花とゆかりがあるようで、先日建碑された芭蕉の門人向井去来の句、
「散りたまる 花や般若の 紙の向き」
はこの文殊会、一切経転読の法要の様子を詠まれています。
法要は明日午後1時半から、午前中には塔婆回向と所願成就のご祈祷、護摩供は11時ごろからです。
〔俳句〕
「花あけび うち仰ぎゐて 湯ざめかな」 宮野小提灯
〔和歌〕
「花はちり 鳥はまれなる 比にしも
さくやまぶきは 心ありけり」
前大僧正仁澄・玉葉271
「桜は散り、鶯の声もほとんど聞かれなくなってしまった頃に、ちょうど咲く山吹は、いかにも思いやり深い感じだなあ。」
〔釈教歌〕
「阿ノク多羅 三ミャク三菩提の 仏たち
わが立つそまに 冥加あらせたまへ」
伝教大師・新古今1920
「最上の智恵を持たれる、み仏たちよ。わたしの入り立つこのそま山に、冥加をお与えください。」
・ 立つそま=そま山は材木を伐り出す山。ここでは比叡山をさす。
・冥加=目に見えない仏の加護。
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