春の花だより 4・5
○ 今咲いている花:椿、桜、利休梅
○ これから咲く花:山吹、しゃが、桃、八重桜、
黒ロウバイ、梅花うつぎ、山紫陽花
○ 初夏咲コスモス:6月上旬~7月上旬、5万本
桜は今5分咲きです。もうそろそろ山吹も咲きだす頃です。今日から寒さも緩み、春の陽気がやって来そうです。しかし今日の朝はぐんと冷え込み、東北の被災地を始め各地で4月の最低気温を更新しました。この辺でも氷が張り霜で真っ白でした。いま育てている初夏咲のコスモスは何とか霜をしのいでいますが、生育は遅れています。当初、5月下旬から咲くようにと種をまき育てていたのに、この分では6月に入らないと咲かないと思います。でもこの時期にコスモスが見られるなんて昔は信じられないことでした。やはり農業技術の進歩の賜物でしょうか。人の命は有限です。私の余命が何年あるのかは分りませんが、あと10年としたら、花を10回愛ずる所を20回に増やせるのですから長生きできるような気分になれます。皆様も年二度のコスモスをお楽しみください。
〔俳句〕
「春鹿の 眉ある如く 人を見し」 原石鼎
〔和歌〕
「やどからや 春の心も いそぐらむ
外(ほか)にまだみぬ はつ桜ばな」
前大納言為兼・風雅146
「(西園寺という)すぐれた名邸であるがために、春の来ようとする気持ちも急がれるのであろうか。よそではまだ見もしない早咲きの桜が、もう咲いているよ。」
・ 詞書=伏見院西園寺に御幸ありて、花の歌人々によまさせ給ひけるとき
・ 西園寺=現在の金閣の地にあった、西園寺北山第。家祖公経が寺院兼邸宅として造営、桜と雪の名所として代々の行幸御幸を仰いだ。伏見院当時の当主は実兼。
・ やどから=「から」は原因・理由をあらわす。「西園寺」の名ゆえに西方欣求の心から「いそぐ」意と、名だたる名邸であるから春も来ることを「いそぐ」意を重ね、祝意を表したもの。
〔釈教歌〕
「ありながら きえぬとみえて かなしきは
けふの手向の 花の白雪」
山本入道前太政大臣(洞院公守)女・風雅2088
「久遠常住ではあられながら、我々衆生の目には入滅なされたと見えて悲しい御仏のお姿は、今日、涅槃会の捧物の花の、白雪のような美しさに象徴されております。」
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