春の花だより 4・12
○ 今咲いている花:椿、桜、桃、利休梅、山吹一重咲
○ これから咲く花:山吹八重咲、日本桜草、しゃが、
八重桜、黒ロウバイ、梅花うつぎ、
山紫陽花
○ 初夏咲コスモス:6月上旬~7月上旬、5万本
山吹が咲いてきました。それから野の花である「つる日々草」や「地獄の釜の蓋」の異名をもつキランソウが紫色の花をみせます。それから踊り子が輪になっているような「踊子草」、アヤメ科の白い花、「しゃが」(射干)も咲き出しました。この花は蝶が止まっているようなので、漢名では「胡蝶花」と言います。そのほか外来ですが花がピンクの姫踊子草、垣通しなども咲いています。いっせいに花が咲くとミツバチや黄蝶が忙しそうに飛び回るようになりました。春まっさかりです。
〔俳句〕
「みよし野の 杉山ふかし 華まん草」 稲畑汀子
〔和歌〕
「桜花 日ぐらしみつつ けふも又
月まつ程に なりにけるかな」
橘為仲朝臣・玉葉162
「桜花を一日中見ていて、今日もまた日が暮れ、早く月が出ないかと待つほどの時刻になってしまったよ。」
・ けふも又=昨日も一昨日もそうであった心を含む。
・ 月まつ程=月光でなお花を観賞したい気持。
〔釈教歌〕
「ふりにける 雪の深山は 跡もなし
たれふみ分けて みちを知るらん」
法源禅師・風雅2095
「大昔の、雪の降り積った深山には足跡もない。一体誰がそこを踏み分けて、あたかも山道を知るように仏道を悟るのだろう。(それは釈迦の前世の姿なる、雪山で苦行し成道した雪山童子以外にはない)」
・ 雪山成道の心をよみて前大納言為兼許につかはしける。雪山成道とは大雪山(ヒマラヤ山)で、釈迦が過去世に修行を重ね、悟りを開き、成道したこと。
・ ふりにける=「旧り」「降り」をかける。
・ 雪の深山=大雪山。
・ みち=「山道」と「仏道」をかける。
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