春の花だより 4・3
○ 今咲いている花:椿、桜、白木蓮
○ これから咲く花:山吹、利休梅、しゃが、桃、牡丹、
八重桜、黒ロウバイ、山紫陽花
○ 初夏咲コスモス:5月下旬~7月上旬、5~7万本
桜の花が見頃を迎えようというのに、花冷えと言うのでしょうか、いつまでも寒いです。夕方、日が落ちると急に温度が下がります。これでは夜桜鑑賞には適さないです。寒さに加え、どことも震災の影響もあって桜まつりはひかえめです。この春は日本中がしんみりとしているようです。被災地が一日も早く救援され元気を取り戻してほしいですね。
〔俳句〕
「日当りて 花新しき 椿かな」 清崎敏郎
〔和歌〕
「さきさかぬ 梢の花も をしなべて
ひとつかほりに かすむ夕暮」
朔平門院・風雅144
「咲いたのもあり、まだ咲かぬのもある梢の花、すべてはただ一つのほのぼのとした色調の中に霞んでいる夕暮よ。」
・ さきさかぬ=開花初期の、花と蕾のまじっている状態。
・ かほり=ほのぼのとした美しさ。花の白と蕾の紅とのグラデーションの美をとらえた表現。
〔釈教歌〕
「いにしへの ながれのすゑを うつしてや
横川の杉の しるしをもみる」
前大納言為家・風雅2086
「その昔の、慈覚大師の法流の末にならって、尊い経文を書写されるからには、三輪の杉ならぬ、横川の杉の霊験を得られることでありましょう。」
・ 横河=比叡山三塔の一.根本中堂(東塔)の北方にある。
・ いにしへのながれ=円仁を祖とする天台宗山門派の法流。
・ うつして=なぞらえて。写経の意をかける。
・ 杉のしるし=三輪神社、また伏見稲荷神社の神木の杉の枝を折って持ち帰り、長く枯れなければ願い事がかなうとされた。横河も杉に囲まれた聖域であるのでこれになぞらえていう。
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