春の花だより 5・13
○ 初夏の早咲コスモス:2~3分咲き
見頃・5月下旬~7月上旬、5万本
○ 今咲いている花:しゃが、花菱草、てっせん、
梅花うつぎ
○ これから咲く花:山あじさい
アジサイの季節になって来ました。中でも山あじさいが早く咲きます。これは元来、少し深い日本の野山に自生しているもので数百種類あります。「黒姫」「富士の滝」「紅」「伊予の薄墨」「清澄沢」「虹」「深山八重紫」などと命名され、白・紅・紫・青・緑、など色も多彩で形も額咲き・手まり咲き・房咲きと様々です。いずれも5~10センチの小ぶりで可愛い花です。これから6月中ごろにかけて花が見られます。
コスモスは大きくなりました。1メートル達するものもあります。昨日までの雨で一気に伸びたようです。でも花は晴天が似合います。一方、あじさいは曇りか雨の日がいいですね。
〔俳句〕
「紫陽花や 白よりいでし 浅みどり」 渡辺水巴
〔和歌〕
「あはれとや 神もみあれに あふひ草
二葉よりこそ 憑みそめしか」
兵衛督・風雅313
「いとおしい者と、神も御阿礼の神事に際して御覧下さるだろうか。二葉葵に象徴される賀茂の社を、私のほんの幼い頃から信仰して来たことだ。」
・神もみあれに=祭神降誕の意で、賀茂祭の前日に行う神招きの神事。
・ あふひ草=賀茂祭に鬘として用いるフタバアオイ。賀茂社の象徴。
・ 二葉=芽を出したばかりの双葉。人の幼少の時をたとえる。また「葵」の縁語。
〔釈教歌〕
「春秋も 限らぬ花に 置く露は
後れ先立つ 恨みやはある」
寂蓮法師・新古今1939
「春の花とも秋の花とも限らない蓮華に置く霜は、消えるのが後れるとか先立つとかいう恨みがあろうか、ありはしないのだ。」
・ 「快楽不退楽」を詠む。
・ 本歌「末の露もとの雫や世の中の後れ先立つためしなるらん」(僧正遍照・新古今753)
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