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2011年5月13日 (金)

春の花だより   5・13

  初夏の早咲コスモス:2~3分咲き

見頃・5月下旬~7月上旬、5万本

  今咲いている花:しゃが、花菱草、てっせん、

梅花うつぎ

  これから咲く花:山あじさい

アジサイの季節になって来ました。中でも山あじさいが早く咲きます。これは元来、少し深い日本の野山に自生しているもので数百種類あります。「黒姫」「富士の滝」「紅」「伊予の薄墨」「清澄沢」「虹」「深山八重紫」などと命名され、白・紅・紫・青・緑、など色も多彩で形も額咲き・手まり咲き・房咲きと様々です。いずれも510センチの小ぶりで可愛い花です。これから6月中ごろにかけて花が見られます。

コスモスは大きくなりました。1メートル達するものもあります。昨日までの雨で一気に伸びたようです。でも花は晴天が似合います。一方、あじさいは曇りか雨の日がいいですね。

〔俳句〕

「紫陽花や 白よりいでし 浅みどり」 渡辺水巴

〔和歌〕

「あはれとや 神もみあれに あふひ草

          二葉よりこそ 憑みそめしか」

            兵衛督・風雅313

「いとおしい者と、神も御阿礼の神事に際して御覧下さるだろうか。二葉葵に象徴される賀茂の社を、私のほんの幼い頃から信仰して来たことだ。」

・神もみあれに=祭神降誕の意で、賀茂祭の前日に行う神招きの神事。

  あふひ草=賀茂祭に鬘として用いるフタバアオイ。賀茂社の象徴。

  二葉=芽を出したばかりの双葉。人の幼少の時をたとえる。また「葵」の縁語。

〔釈教歌〕

「春秋も 限らぬ花に 置く露は

        後れ先立つ 恨みやはある」

            寂蓮法師・新古今1939

「春の花とも秋の花とも限らない蓮華に置く霜は、消えるのが後れるとか先立つとかいう恨みがあろうか、ありはしないのだ。」

  「快楽不退楽」を詠む。

  本歌「末の露もとの雫や世の中の後れ先立つためしなるらん」(僧正遍照・新古今753

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