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2011年5月28日 (土)

初夏のコスモス   5・28

  初夏の早咲きコスモス:《見ごろ》5月下旬~7月上旬

5万本

○今咲いている花:花菱草、てっせん、山あじさい、

すいかずら、ていかかずら

  これから咲く花:紫陽花

今日は同宗縁故寺院の不退寺で、「業平忌」に参列しました不退寺は業平の父、阿保親王の開基とされ、いにしえの一条大路、佐保路に沿ってたつ閑静なお寺です。本堂など重要文化財の伽藍を持ち本尊は業平をモデルにしたと伝わる尊像で、その周りに侍する五大明王もりっぱなものです。今日はあいにくの雨でしたが、業平ファンの女性方が大勢参詣されていました。業平さんは平安時代、9世紀の人で古来美男子の代表に数えられ、また古典文学では『古今』の六歌仙や三十六歌仙にも名を連ね、また「伊勢物語」の主人公とも見なされるなど日本文学の世界ではなくてはならない人物です。

不退寺はこの伝統を守り、中世にも南都の歌合の舞台でもあったようです。これからも永く奈良の文学を顕彰する寺であってほしいと思います。

現代に生きるコスモス寺も未来への文学遺産を刻んでいます、よろしく。

〔俳句〕

「山寺に 絵像かけたり 業平忌」 高浜虚子

〔和歌〕

「五月まつ 花のかほりに 袖しめて

         雲はれぬ日の 夕ぐれの雨」

藤原景綱・玉葉341

「五月を待つ花、昔の人を偲ぶ橘の香りに袖を深々と薫らせて、雲の垂れこめて晴れぬ一日を過ごした夕暮の、静かな雨の風情よ。」

〔釈教歌〕

「闇深き 木のもとごとに 契りおきて

          朝立つ霧の 跡の露けさ」

            寂然法師・新古今1954

「夜の闇の深い木の根もとごとに約束しておいて、朝に立って消えていった霧の跡の、露っぽいことよ。」

  「法華経」寿量品の「この教へをなしをわりて、また他国に至る」の句を詠む。

  闇深き=煩悩の迷い。木のもとごとに=衆生。契りおきて=仏法の救い。霧の跡の露=仏。悲しみの涙をも暗示。

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