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2011年8月

2011年8月31日 (水)

コスモス寺開花情報   8・31

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

いよいよ八月も晦日となりました。今年は長い夏でした。6月から猛暑日がはじまり、梅雨が明けても各地で大雨の被害があるなど異常な気象が続きました。9月に入ったからと言って急に季節が変わることはありませんが、人の気分は明日から秋になります。当寺の秋の名物、コスモスはまだちらほらと夏の名残のような花が咲いているばかりで「JRの花情報」でも「つぼみ」となっています。しかし問い合わせは少しづつ増えています。本ブログでは開花情報を毎日更新して正確な情報をお伝えしていきたいと思います。ちなみに去年のアクセスはピーク時、日に500人ほどありました。今年も皆様のご期待に添えるよう努力いたします。

〔俳句〕

「水引の 花の消え入る 虚空かな」 福井圭児

〔和歌〕

「心あての 思ひの色ぞ たつた山

        けさしもそめし 木ゝのしら露」

         前中納言定家・玉葉451

「期待し、待ちこがれる思いであった秋の緋の色が、龍田山に見られるようになったよ。立秋の今朝、早速にも木の葉を染めた、木々の白露よ。」

・龍田山=大和の歌枕。奈良県生駒郡斑鳩町龍田。紅葉の名所。

・思ひの色=「思ひ」に「緋」をかけ、紅葉を暗示し、「白露」と対比させる。

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2011年8月30日 (火)

コスモス寺開花情報   8・30

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

今日も朝から草取りの奉仕作業の若者が3人来てくださいました。暑い中を切り取った竹を束ねて搬出し、そのあと清掃作業をやっていただきました。いつもながらの手際よさできれいにかたずけていただきました。汗を流しての作業は本当に尊い姿です。秋のコスモスはこの方々のまごころによって美しく花咲くことでしょう。近畿各地で35度を超える予報です。この時期、体力が衰えていますから熱中症に気を付けましょう。

〔俳句〕

「金足らぬ とき蜩に なかれたり」 加藤楸邨

〔和歌〕

「なくこゑも たかき梢の せみのはの

         うすき日影に 秋ぞちかづく」

伏見院御歌・風雅442

「鳴く声も高く聞える、高い梢の蝉。その羽の薄いように、薄く弱って来た日光を見れば、秋はもう近づいているのだ。」

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2011年8月29日 (月)

コスモス寺開花情報   8・29

○コスモス開花情報: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

今日は晴れ。昨日は夕方、奈良県西北部に大雨警報が出ていたので雨を期待していたのですが実際はお湿り程度でした。この分ですと台風が接近するまで本格的な雨は見込めません。朝夕の水やりが忙しくなりそうです。あと三日で9月、秋です。日中の暑さはまだ残っても朝晩は結構涼しくなりました。コスモスの花はほんのちらほらと咲きだしています

夜、屋外へ出ると夜空の星も秋めいてきたように思えます。

〔俳句〕

「初秋や 余所の灯見ゆる 宵の程」 与謝蕪村

〔和歌〕

「いづくにも 秋はきぬれど 山郷の

         松ふく風は ことにぞありける」

           前大納言公任・玉葉450

「どこにも同じように秋は来たのだけれど、この山里の松に吹く風は、特別に好もしく思われるよ。」

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2011年8月28日 (日)

コスモス寺開花情報   8・28

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草など

きのう紹介した阿波野青畝先生の般若寺の句につづいて、この辺り奈良坂を詠まれたの句です。

「奈良坂の 葛狂ほしき 野分かな」

般若寺近くの坂を奈良坂と呼びます。その野山に生えていた葛を題材にしておられます。クズは大きな葉をもった強靭なつる草でその根は葛粉としてお菓子や料理の材料となります。荒れ地にでも生育するので砂漠の緑化にも利用されています。秋に赤紫色の花をつける「秋の七草」の一つです。先生は野分(台風)のさなかに来られたようで、葛の葉やツルが強風であおられ、狂ったようにのたうっている様子を秋の風情としてよみとられたのでしょう。

ちなみに秋の七草とは「はぎ すすき くず なでしこ おみなえし ふじばかま ききょう」です。

〔俳句〕

「ゆく夏の 幾山河越えて 夕日去る」 飯田龍太

〔和歌〕

「むすぶ手に 月をやどして 山の井の

         そこの心に 秋やみゆらん」

         大納言通方・風雅440

「すくう手の中の水にすら月の影を映している、という事は、山の井の底深い中心に、澄み切った「秋」の姿が体現されているという事だろうか。」

・そこの心=奥深い精神。本当の気持ち。「心」は「中心」「水心」をも意味する。

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コスモス寺開花情報   8・27

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草など

前からよく訪ねてこられる方が、般若寺の句碑の中に阿波野青畝先生の作がないことを残念がっておられたので、いろいろ探してみると般若寺を詠まれた句が見つかりました。どの句集に収録されているかは不明ですが、先生は奈良県高取町のご出身ですから般若寺へ足を運ばれたこともあったのでしょう。ご紹介します。

 「般若櫃 うつろの秋の ふかさかな」

この句は大塔宮護良親王が当寺で般若経の唐櫃にかくれて危難を遁れられた歴史をふまえた作で、「うつろ」は宮が「般若櫃」に隠れて二度の追手の探索をかいくぐられたことを言います。一度目は三櫃あった中のふたの空いた櫃に隠れ般若経を頭からかぶって潜んでおられたところ追手は見落し、二度目の探索では宮は一度調べられたふたの閉まっている別の櫃に移り変わっていたので発見されなかったのです。追手には般若櫃はすべて「うつろ」に思われたでしょう。追手の一人は「大塔宮は居せず、大唐の三蔵が居られたわ」との言葉を残して引き上げました。これはとっさの気転で人の錯覚を利用したトリックでした。昔から「大塔宮のツヅラ抜け」と呼ばれるそうです。きっと青畝先生は『太平記』を読まれていて、般若寺において歴史(春秋)の深さを味わわれたのでしょう。もう一句、奈良坂を詠んだ句もありますが明日に回します。

〔俳句〕

「むらさきの 流星垂れて 消えにけり」 佐藤念腹

〔和歌〕

「しののめの 空きりわたり いつしかと

          秋のけしきに 世はなりにけり」

紫式部・玉葉449

「夜明け方の空に霧が立ちわたり、早くも秋の風情に、世間の有様はなって来たことだなあ。」

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2011年8月26日 (金)

コスモス寺開花情報   8・26

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

         秋海棠、水引草、夏萩など

今朝蝉の声が変わってきていることに気づきました。以前の「シャンシャン」というクマゼミに代わって「ツクツクボーシ」や「カナカナ」という声が多くなってきました。もちろん全体的には「ジージー」という耳鳴りのような声が一番よく聞こえますが。蝉たちも夏の終わりを告げようとしているのかもしれませんね。

今野の花が真っ盛りです。つゆくさ、へくそかずら、たで、えのころぐさ、いのこづち、藪からしの実もあります。いづれもおなじみの雑草で草取りで取り除かれる運命にありますが、今は夏をおう歌しています。

〔俳句〕

「紅芙蓉 色淡く咲き 濃ゆく散り」 星野立子

〔和歌〕

「草のすゑに 花こそみえね 雲風も

          野分ににたる 夕暮のあめ」

           永福門院・風雅439

「草の茎の先に花こそ咲いてはいないが、(まだ夏であって、秋草の花をつける季節ではないのだけれど)雲の様子、風の吹き方も野分に似て、秋近い事を思わせる、夕暮の雨よ。」

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2011年8月25日 (木)

コスモス寺開花情報   8・25

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

今日25日は御本尊文殊様のご縁日、午後1時半からお勤めがあります。本日はお盆の月なのでご縁の方々の施餓鬼塔婆供養もあります。

このところ梅雨のような蒸し暑いぐずついた天気が続きます。列島上空に秋雨前線が停滞しているそうです、秋の長雨にはまだ早いように思いますが。台風も2個発生して北上中です。大雨を降らすかもしれません。

今朝は高温多湿、全身雨に濡れたように汗をかきました。連日、コスモス苗の咲き終わったものを抜いて新しいものに植え替えています。雨の見込める間は延々とつづきます。それから新しく種をまきました。まだ8月ですからすぐに発芽してよく育ちます。9月以降は育ちにくいから今のうちに播いておきます。コスモスには高温が必要です。

〔俳句〕

「いちにちの 残暑を消して くれし雨」 浅野右橘

〔和歌〕

「あしのはに 一夜の秋を 吹きこして

         けふより涼し 池の夕かぜ」

          伏見院御製・玉葉446

「芦の葉に、一晩先の秋を、季節を飛び越して吹いてよこして、六月晦日の今日からもう涼しいよ、池の夕風は。」

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2011年8月24日 (水)

コスモス寺開花情報   8・24

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩(1本だけ)など

きのう草取り清掃の奉仕団が来られたことを伝えましたが、

実は夕方にも別の草取りボランティアの方が来られました。前にも来られた加藤さんという女性の方とお連れの方1人の2名で、日が落ちて蚊が出る時間帯に2時間ほどやっていただきました。慣れておられるのでコスモスの株間に生えている草を取ってもらいました。今の時期、コスモスの成長に合わせるかのように雑草も伸びます。草取りをしないと花半分、草半分という状態になります。寸暇を惜しんで草取りをしなければなりません。でも今年はいろんな方々のボランティア作業によって例年にないほどの花の手入れがができています。あとは台風の心配だけです。風倒防止ネットを張り巡らせていますのでまあ大丈夫でしょう。

〔俳句〕

「ゆく夏の 幾山越えて 夕日去る」 飯田龍太

〔和歌〕

「あさぢふに 秋まつほどや 忍ぶらん

          ききもわかれぬ 虫のこゑごゑ」

           寂連法師・風雅438

「浅茅の生えた庭で、秋が来るのを待つ間はじっとかくれているのだろうか。種類も聞きわけられないような虫の声々が、かすかに聞こえて来る。」

・あさぢふ=浅茅生。短いチガヤが一面に生えている所。荒廃した場所の象徴。

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2011年8月23日 (火)

コスモス寺開花情報   8・23

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

今日は晴れて蒸し暑くなりました。こういう天気の日は蚊が多いです。そこでゴム長を履き顔にはネット帽子をかぶり全身を衣服で覆って防護して作業に入ります。もちろん汗はサウナに入ったように全身から吹いて出ます。しかし蚊に刺されるよりはましです。朝作業をしていると、8時半ごろいつも作業奉仕をしていただいている若者たちがやって来ました。今日は5人です。彼らは強力な助っ人で、境内の道部分の草取りをお願いしましたところ、クワを使ってどんどん草を削り取り、見る見るうちに除草清掃が進みました。3時間ほどでつるりときれいに仕上げていただきました。見た目にも気持ちいいです。これで私たち寺の者は花壇に専念できます。作業奉仕は本当に尊いこと、本当にありがたいです。少しずつコスモス寺の秋が出来上がっていきます。

〔俳句〕

「路地入れば 横丁よぎれば 地蔵盆」 矢野蓬矢

〔和歌〕

「秋ちかき しづがかきねの 草村に

         なにともしらぬ 虫のこゑごゑ」

           後鳥羽院御製・玉葉444

「秋も近い頃の民家の垣根の草むらの中に、何の虫ともわからない虫の声々が、早くも聞こえて来る。」

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2011年8月22日 (月)

コスモス寺開花情報   8.22

○コスモス開花状況:  つぼみ

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

 

今日は朝の作業を終えてから、久しぶりに京都へ出ました。伏見の明寿院さんというお寺を訪ね、そのあと千本通りの「えんま堂」へ行きました。お盆の間はお参りで賑わったことでしょうが、今日は明日の地蔵盆をひかえひっそりとしていました。本堂ではえんま堂狂言で割られる炮烙が置かれていたので、一枚奉納しました。「万邦平安、万民安穏、後生善処」と書かしてもらいました。古い街中をうろついて帰りましたが、奈良も京都も古い町は落ち着きますね。いつまでも残しておきたいものです。

〔俳句〕

「秋近き 底ぬけ降りと なりにけり」 久保田万太郎

〔和歌〕

「日の影は 竹よりにしに へだたりて

         ゆふ風涼し 庭の草むら」

         祝子内親王・風雅432

「強かった日ざしは、間垣の竹群より西に傾き隔たって、夕方の風が涼しいよ、庭の草むらに。」

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2011年8月21日 (日)

コスモス寺開花情報   8・21

○コスモス開花状況: つぼみ

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草など

 

今日は一日中雨が降ったりやんだりで涼しく過ごせました。水やりはお休み。朝補植したコスモスも生き生きとしています。このまま秋になったらきっと困ることになるでしょう。夏休みはまだ10日ほど残っていて海や山へ出かける予定の方もあるでしょうし、農作物もやはり暑さが要るでしょう。他方電気の需要は減って停電の危機は逃れられそうです。天気予報では8月中は気温は低め、しかし9月に入れば暑さがぶり返し真夏が戻るとのこと。なんだか振り回されそうですね。惜しまれる夏、待たれる秋、人間の心が両方を求めているのです。

〔俳句〕

「散りし花 のせてカンナの 広葉かな」 千ジン(人+刃)

〔和歌〕

「月の色も 秋ちかしとや さよふけて

         まがきの荻の おどろかすらん」

式子内親王・玉葉443

「月の色も秋近い色になったよ、と知らせたくてか、夜更けて間垣の荻が、さやさや音を立てて人の注意をうながすらしいよ。」

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2011年8月20日 (土)

コスモス寺開花情報   8・20

 ○コスモス開花状況: つぼみ

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

          秋海棠、水引草

昨日の雨から少し季節が変わったようです。しばらく曇り空が続き気温も30度を切りそうです。

今日から本ブログを「コスモス寺夏の花だより」から「コスモス寺開花情報」に題名変更します。

前にも触れたように、今年のコスモスは開花が早まりそうです。それでまだ8月下旬ですが、本日からは秋桜、秋咲コスモスの開花情報をお伝えして行きます。

長くて暑い夏に、言葉の上だけでも早く別れを告げたいと思い先走りをしてしまいました。いつになったら小さい秋を見つけられるのでしょうか。

〔俳句〕

「紅芙蓉 色淡く咲き 濃ゆく散り」 星野立子

〔和歌〕

「みだれあしの 下葉なみより 行く水の

          をとせぬ波の いろぞすずしき」

後鳥羽院御歌・風雅429

「乱れ立つ芦の、下葉を波うつように一方になびかせて行く水の、音を立てない波の様子が、本当に涼しく見える。」

・波のいろ=波の水の色合いというより、静かに、しかし滞りなく流れ行く川波の姿、様子を言ったものであろう。

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2011年8月19日 (金)

コスモス寺夏の花だより   8・19

 ○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草

 ○これから咲く花:紫苑、野菊など

明け方から降り出した雨はほんとうにいい雨でした。流れる雨を見てこの水を受けてとめて溜めておきたいなあと思うことしきり。雨のおかげで朝の作業はお休み。いえ、ひとり寺のマー様は大張り切りで、濡れながらコスモスの植え付けに精を出していました。この根性は見上げたものです。雨のおかげで干上がっていた井戸も復旧し使えそうです。この水は植物だけではなく、水鉢の金魚の命も支えています。金魚は次々増えて総勢60匹います。毎日の水替えと餌やりも大事な仕事です。この頃だいぶ人なれしてきて人影が見えると水面に集まってきます。ひつじ草の花の下をすいすい泳ぐ姿はかわいいです。

〔俳句〕

「葉広きは 朴にぞあらん 夏木立」 高浜虚子

〔和歌〕

「さ夜ふけて いはもる水の 音きけば

          涼しくなりぬ うたたねの床」

式子内親王・玉葉442

「夜が更けて、岩をつたってひそやかにしたたる水の音を聞くと、ああ本当に涼しくなったなあ、夏を過ごしたうたたねの床も。」

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2011年8月18日 (木)

コスモス寺夏の花だより   8・18

 ○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅

秋海棠、水引草

 ○これから咲く花:紫苑、野菊など

毎日の水やりで井戸の一つが干上がってしまいました。そこで水道から50メートルのホースに20メートルをつないで境内の水やりをしています。ホースは水が入ると重いです。その上途中に引っ掛かるものがあると前へ進みません。時間がかかります。この作業も雨さえ降れば解消するのですが。今夜は雨の予報が出ていますので期待します。秋まであと少しの辛抱です。

〔俳句〕

「道のべの 木槿は馬に 喰われけり」 松尾芭蕉

〔和歌〕

「吹きわくる 梢の月は 影ふけて

         すだれにすさぶ 風ぞすずしき」

覚誉法親王・風雅428

「風が梢を吹き分ける度にその間から見える月は、いつの間にか夜更けの光となり、簾をもてあそぶように折々吹く風がまことに涼しい。」

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2011年8月17日 (水)

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草

 ○これから咲く花:紫苑、野菊など

連日ニュースで騒がれた「京都五山の送り火」も無事終わり、お盆の行事はほぼ終了しました。いよいよ秋に向かいます。当寺でもコスモスは夏から秋に向けて衣替えです。今咲いている花は「夏咲コスモス」と言ってきましたが、そろそろ「秋咲コスモス」に呼び名を変えたいと思います。夏咲の花は8月中に、秋咲に主役を譲り舞台を降ります。秋の花の見ごろがいつになるか正確には予測できませんが、今年は例年より早まりそうで9月に入れば咲き出すのではないでしょうか。

〔俳句〕

「打水に こたへてひらく 夕顔は」 朝倉和江

〔和歌〕

「ほかにのみ 夏をばしるや たぎつせの

         あたりは秋の むらさめの声」

伏見院御製・玉葉441

「ここ以外の場所では、今を夏とばかり思っていることだろうか。このたぎり流れる急流のほとりは、水音もまさに秋の村雨の声のようだよ。」

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2011年8月16日 (火)

コスモス寺夏の花だより   8・16

 ○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草

 ○これから咲く花:紫苑、野菊など

お盆の16日は「藪入り」です。昔は商家などの奉公人が休暇をもらって親元へ帰りました。現代は奉公がなくなりお嫁さんの里帰りがかろうじて藪入りでしょうか、それもなくなりそうです。休暇が遊びになったのですね。

寺ではお盆がすめばしばしのお休みです。月が替われば農繁期ならぬ参詣繁忙期、シーズン入りです。なんとか夏を乗り切って秋を迎えたいものです。

夏のコスモスは暑さの中で本当に数少なく貴重です。今日コスモスを尋ねてやってこられた方がありました。今はどの花屋さんにもコスモスはないようです。

〔俳句〕

「大文字や 近江の空も ただならぬ」 与謝蕪村

〔和歌〕

「夏山の しげみがしたに 滝おちて

        ふもとすずしき 水のをとかな」

平政村朝臣・風雅427

「夏山の、木々の茂みの下に滝が流れ落ちて、山の麓がいかにも涼しく感じられるような、水の音がするよ。」

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2011年8月15日 (月)

コスモス寺夏の花だより   8・15

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草

○これから咲く花:紫苑、野菊など

終戦記念日。この戦争には「第二次世界大戦」「太平洋戦争」「大東亜戦争」「日中十五年戦争」など様々な呼び名があります。いづれにしても1945年815日は日本が連合国の「ポツダム宣言」を受諾し無条件降伏した「敗戦の日」であることは歴史の厳然たる事実です。敗戦、占領、講和、新憲法制定を経て日本の戦後は始まりました。現在、国民の大半は戦後生まれで戦争を体験していません。戦後一貫して大人から子供へ伝えられたのは、戦争の被害が大きかったことは強調され、一方加害したことにはだんまりと頬かむりだったのではないでしょうか。ですから私たちは戦争の事、日本はアジアで何をしてきたのか、ほとんど真実を知りません。戦争を知らないものは過ちを繰り返す恐れがあります。だから今からでも戦争を検証していくことが大事です。そこで過去の過ちは過ちとして謙虚に認め、世界の人たちと互いに理解し合い共存していくべきではないでしょうか。

戦争で亡くなられたすべての人の冥福を祈ります。

〔俳句〕

「石置ける ばかりの墓の お盆かな」 高浜虚子

〔和歌〕

「風のをとに すずしき声を あわす也

         ゆふ山かげの たにの下水」

従三位為子・玉葉440

「風の音に、涼しげな声を合わせて合奏しているようだ。夕暮の山かげの、谷底を流れる水は。」

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2011年8月14日 (日)

コスモス寺夏の花だより   8,14

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草

 ○これから咲く花:烏瓜、紫苑、野菊など

日照りが続きコスモスの苗は極限状態にあります。午前中は葉は青々してシャンとしているんですが、夕方にはだらんとしおれあえいでいるようです。自然と水やりの時間が長くなります。一雨あればこの日干し状態も解消するのにと天を仰ぐばかりです。明日でお盆も終わるので、これからはコスモスの世話に専念できます。コスモスさんあと一日ご辛抱願います。

〔俳句〕

「なかなかに 暮れぬ人出や 花火まつ」 高野素十

〔和歌〕

「あしの葉に かくれてすめば なにはなる

         こやの夏こそ 涼しかりけれ」

曽禰好忠・風雅426

「茂った芦の葉にかくれて、芦葺きの小屋に住んでいると、難波の昆陽の夏は全く涼しいことだよ。」

・こや=摂津の歌枕、昆陽池

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コスモス寺夏の花だより   8・13

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、

 ○これから咲く花:烏瓜、紫苑、野菊など

今日コスモスに水やりをしていて気付いたのですが、例年と比べ全体に背が高いです。この分では開花が早まりそうです。いつとは言えませんが8月終わりごろか、9月の初めには咲きだすかもしれません。しかし今は日照りがきつく葉が萎れ気味です。しばらく雨は望めそうにありませんので予断は許されません。

〔俳句〕

「向日葵の 空かがやけり 波の群」 水原秋桜子

〔和歌〕

「松風も すずしき程に 吹きかへて

        さよふけにけり たに川のをと」

法印覚守・玉葉438

「松風も、実に涼しいと感じられるほどに吹き方を変えて、夜更けた風情に聞こえるよ、谷川の音が。」

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2011年8月12日 (金)

コスモス寺夏の花だより   8・12

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅

秋海棠、露草

 ○これから咲く花:水引草、烏瓜、紫苑、野菊など

今年のお盆は土日と重なり、行楽地周辺は人と車で込み合っています。お盆参りも車での移動は難しくミニバイクを使おうと思います。昼間のアスファルトは焼けきっており熱風が顔を襲います。この暑さをエネルギーとして利用できないでしょうか。寒さも暑さもエネルギー源です。どなたか知恵ある人が利用法を考案してください。雷、台風、竜巻、豪雨、いずれも大自然からの贈り物です。

水引草が咲きだしました。花と言っても糸のようなところに赤い粒粒がついているだけです。雑草のような強靭な草で日照りにも負けません。

〔俳句〕

「旅人の 鳴らして行くや 向ひ鐘」 小林一茶

〔和歌〕

「なく蝉の こゑやむもりに 吹く風の

         すずしきなへに 日も暮れぬなり」

伏見院新宰相・風雅423

「鳴いていた蝉の声も今はやんだ森に、吹く風も涼しく感じるにつれ、日も暮れたようだよ。」

・なへに=…と同時に

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○夏咲コスモス:ちらほら咲き

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、露草

 ○これから咲く花:水引草、烏瓜、紫苑、野菊など

今朝、最後まで残っていた入口駐車場の花壇にコスモスを植え込み、境内全域のコスモス苑が完成しました。思えば7月初めからはじめ40日間ずっと植え続けました。今年は6月の気温が高く7月は雨が多かったので苗の成長が早く追いたてられる毎日でした。終了でやっと一安心かと思いきや、まだ苗が大量に残っています。3,4万本はありそうです。これをどうするか、廃棄か。それはかわいそう。いやもったいないです。やっぱりどこかへ植えてやらなくては、これから隙間を見つけて補植をはじめます。そして水やりも待っています。

〔俳句〕

「玉虫の 羽のみどりは 推古より」 山口青邨

〔和歌〕

「たに川の すずしきをとを きくなへに

          山下風も 松にふく也」

前大納言家雅・玉葉435

「谷川の涼しい水音を聞くにつれ、山から吹きおろす風もこれに競うように松に吹いて、涼しい音を立てるようだ。」

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2011年8月10日 (水)

コスモス寺夏の花だより   8・10

 ○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、露草、

          秋海棠

 ○これから咲く花:水引草、烏瓜、紫苑、野菊など

秋海棠(しゅうかいどう)は中国原産で日本へは江戸時代初めに渡来したといわれる。日陰の湿地を好み各地で野生化している。園芸植物のベゴニアと同属で花も似ている。葉は左右不同のハート形をし節は紅色、花は花弁が2枚でピンク色。冬は枯れて芋のような根が残る。三翼状の種がこぼれ実生苗が多数繁殖する。日が当たると葉は白っぽく変色する。

秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり」 松尾芭蕉

〔俳句〕

「朝顔や 命ある間の 走り雨」 石塚友二

〔和歌〕

「なきすさぶ ひまかときけば をちこちに

         やがて待ちとる 蝉のもろ声」

藤原隆信朝臣・風雅422

「気ままに鳴く声の、今はちょっと一休みかと聞いていると、又遠く近くから、早速待ちもうけたように鳴き出す、蝉の大合唱よ。」

・なきすさぶ=気の向くままに鳴く。興にまかせて鳴く。

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2011年8月 9日 (火)

コスモス寺夏の花だより   8・9

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

露草、秋海棠

 ○これから咲く花:水引草、烏瓜、紫苑、野菊など

今日は長崎原爆の日。午前112分に黙祷の後「平和になる鐘」をつきました。今日は近くの保育園の園児が30人、先生5人と一緒に参加してくれました。広島長崎ではこんな小さな子供も犠牲になっています。一瞬に8万人の命を奪った原爆は非人道の兵器です。いま世界にある数万発の核弾頭は一日も早く廃絶せねばなりません。人間の幸せは平和の中でしか実現しませんから

秋の花、秋海棠が咲きだしました。普通は9月の花として知られているのに、今頃咲くなんて秋が早まっているのでしょうか。

〔俳句〕

「絵日記に 幼な子の藍 原爆忌」 佐藤鬼房

〔和歌〕

「しげりあふ このしたつづく み山ぢは

         わけ行く袖も 涼しかりけり」

          平維貞・玉葉434

「茂りあう木の下陰がずっと続く、山の中の道は、夏とはいうものの、分けて行く袖も涼しく気持ちがいいなあ。」

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2011年8月 8日 (月)

○夏咲コスモス:咲き始め

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、水引草、烏瓜、

紫苑、野菊など

今日は立秋。夏至と秋分の中間点で旧暦では秋のはじまりです。しかし暑いです。久しぶりに35度を超える猛暑が復活してきました。これからお盆に向かっていくのに思いやられます。当寺はもともと檀家寺ではないのでお盆に各家の仏壇をお参りするいわゆる「棚経」とは無縁だったのですが、今では寺とご縁を結ばれた「信徒」さんが数十軒ありお盆だけお参りしてお経をあげています。ほかのお寺さんと比べたらまあのどかなお盆を過ごします。しかし朝夕のコスモスへの水やりは欠かせませんので時間の配分はけっこうきびしいです。

〔俳句〕

「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」 松尾芭蕉

〔和歌〕

「暮れはつる 梢にせみは 声やみて

         ややかげみゆる 月ぞ涼しき」

式部卿恒明親王・風雅420

「すっかり暮れてしまった梢に、蝉は鳴く声を止めて、ようやく光の明らかになって来る月が、まことに涼しげだ。」

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2011年8月 7日 (日)

コスモス寺夏の花だより   8・7

○夏咲コスモス:ちらほら咲き

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、烏瓜、水引草、

紫苑、野菊など

昨日からコスモスが台風でも倒れないようにするため、フラワーネットと呼ばれる風倒防止ネットを張り始めました。作業工程はまず花壇の両端に鉄のパイプを打ち込み力がかかっても倒れないようにします。間には緑色のアルミ支柱を等間隔に差し込み、そこに黒い針コードと呼ばれるビニールひもを張ってネットが落ちないようにします。そしていよいよネットをかぶせます。以前は黄色を使っていたのを、できるだけ目立たないように今年は黒色にかえました。幅150センチ長さ100メートルのものを6枚用意しています。初めは少し気になりますが、コスモスが成長すると葉っぱで隠れてしまいネットのあることがわからなくなります。このネット張りのコツは花壇が直線に作られていることと、草取りが終わっていることです。炎天下での細かい作業に耐える精神力も要ります。台風でなぎ倒されているコスモスは目も当てられません。きれいな花が咲いてくれるまで世話を惜しまないことです。

〔俳句〕

「恋さまざま 願の糸も 白きより」 与謝蕪村

〔和歌〕

「松かげや このしたふかき いはまより

         涼しくつたふ 山川の水」

前右近大将公顕・玉葉431

「松の陰の、木の下深くかくれている岩の間から、涼しげに伝い落ちて流れる山川の水よ。」

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2011年8月 6日 (土)

コスモス寺夏の花だより   8・6

 ○夏咲コスモス:ちらほらと咲き始め

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、水引草、烏瓜、

紫苑、野菊など

本日午前815分、一分間の黙祷の後「平和になる鐘」を打ちました。今日と9日は広島と長崎で原爆攻撃のため亡くなられた数十万人の御霊に哀悼をささげ、核のない平和の実現を誓う日です。

奈良市では20年前から市内の宗教施設に呼びかけて鐘を鳴らすことを依頼しています。数少ない平和行政です。平和を願う声は年々大きくなっています。しかし一方で、過去の我が国の大きな過ち、隣国やアジアの国々を犯した侵略と植民地支配を反省するどころか、故意に捻じまげてさも正義の戦争であったかのように言いふらす勢力があります。歴史を偽造して戦争を美化することは犠牲者への冒涜であり、再び過ちを繰り返すことになりかねません。私たち仏教者は、過去の戦争を推進加担した過ちを反省する立場から、アジアの人々へのこのような卑怯な態度を許せません。今はアジアと共に生きる時代です。過去を反省し未来を創造することです。

〔俳句〕

「爆心地 ここと夾竹桃 燃ゆる」 浅見春苑

〔和歌〕

「雨はれて 露ふきはらふ 木ずゑより

         風にみだるる せみのもろ声」

          進子内親王・風雅418

「雨が晴れて、木の葉に残る露を風が吹き払うその梢から、これも風に吹き乱されるように蝉の群れ鳴く声が聞こえて来る。」

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2011年8月 5日 (金)

コスモス寺夏の花だより   8・5

○夏咲コスモス:ちらほらと咲き始め

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅

露草、朝顔

 ○これから咲く花:秋海棠、烏瓜、水引草、

紫苑、野菊など

コスモスの苗は一番先に植えた分は高さが1メートルほどになってきました。今年は雨がよく降ったので育ちは良好です。草取りも行き届いているのでコスモス一色になっています。その中で夏咲の種類は早くも花をつけています。特に新しい種類は目立ちます。ソナタ、ダブルクリック、ベルサイユなどが豪華な花を見せています。もちろん本番は秋ですが今年は早まりそうです。本ブログでは日々の変化をお伝えしていきます。開花情報は正直にきめ細かく載せます。

〔俳句〕

「うき草の 茎の長さや 山の池」 高浜虚子 

〔和歌〕

「山かぜの ふくとしもなき 夕暮も

このしたかげは 猶ぞすずしき」

昭慶門院一条・玉葉429

「山風が吹き通って来るという程でもない夕暮でも、木の下陰はやはり涼しい。(秋も近くなったのだなあ)」

 

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2011年8月 4日 (木)

コスモス寺夏の花だより   8・4

 ○夏咲コスモス:ちらほらと咲き始め

 ○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、烏瓜、紫苑、水引草、

野菊など

いまコスモスの一種、「黄花コスモス」がきれいに咲いています。背の高いオレンジ色はマンダリン、背の低い黄色、オレンジ、エンジ色はサニーです。一重と八重があります。日照りにも強い花で夏から秋の盛りまで咲き続けます。

般若寺句碑・歌碑のまとめ、第三回目は

 「み仏の めぐみもふかき 般若台

    ももの願ひを かなへ給はむ」   御詠歌

 「般若寺に コスモス咲くや 秋高し」  明瑛

 「ならさかの いしのほとけの おとかひに

      こさめなかるる はるはきにけり」八一

 「双び立つ 花野の寺の 笠塔婆」    日月子

 「ちちろ虫 十三塔を つつみ鳴く」   一邑

 「外向に 立たせる諸仏 鵙高音」    玉骨

以上です。

〔俳句〕

「口紅の 濃かりしと思ふ 合歓咲けり」 福永耕二

〔和歌〕

「ふるほどは しばしとだえて むら雨の

           すぐる梢の 蝉のもろ声」

            藤原為守女・風雅416

「降っている間はしばらく途絶えるが、通り雨の過ぎた梢に、再び蝉の合唱がおこる。」

・もろ声=諸声。一斉に発する声。

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2011年8月 3日 (水)

コスモス寺夏の花だより   8・3

 ○夏咲コスモス:ちらほら咲き始め

 ○今咲いている花:鬼百合、ひつじ草、睡蓮、

百日紅、朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、烏瓜、紫苑、

水引草、野菊など

今日は朝から快晴、でも涼しいです。ヒグラシがまた鳴いていました。なんだか秋が早く来るような感じで気持ちがせかされます。

般若寺詠の句碑・歌碑、第二回目の分。

 「般若寺は 端ぢかき寺 仇の手を

    のがれわびけむ 皇子しおもほゆ」 鴎外

 「般若寺の 石仏かざる 水仙花」    明奎

 「般若坂 いくさがたりに 夏の塔」   沙波

 「うれしくも 人と生れて 御仏の

      み名を称えて 年を重ぬる」  かをる

 「般若寺に 返り咲く 八重山吹や」   多津良

 「大塔宮 在せし寺や 百日紅」     小牛

〔俳句〕

「百合の蘂 みなりんりんと ふるへけり」 川崎茅舎

〔和歌〕

「夏山の みどりの木々を 吹きかへし

        ゆうだつ風の 袖に涼しき」

         権中納言兼季・玉葉428

「夏山に緑濃く茂った木々を吹き返して、夕方俄かに立つ風が、袖に涼しく感じられるよ。」

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2011年8月 2日 (火)

コスモス寺夏の花だより   8・2

 ○夏咲コスモス:ちらほらと咲き始め

 ○今咲いている花:鬼百合、ひつじ草、睡蓮、

百日紅、朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、烏瓜、紫苑、

水引草、野菊など

今日は般若寺に立つ句碑・歌碑をまとめてご紹介いたします。全部で18作ありますので3回に分けます。

第一回目の分

 「唐人が 月をろがみし 笠塔婆」    秋桜子

 「般若寺の つり鐘ほそし 秋の風」   子規

 「散りたまる 花や般若の 紙の向き」  去来

 「般若寺の ほとけの庭に 秋ざくら」  明奎

 「秋の日の 十三塔や 日は西に」    素十

 「獅子の背の 菩薩涼しく おがまるる」 玉骨

〔俳句〕

「百日紅 ごくごく水を 飲むばかり」 石田波郷 

〔和歌〕

「さらにまた 日影うつろふ 竹の葉に

         すずしさみゆる 夕立の跡」

     後山本前左大臣(洞院実泰)・風雅415

「(雨があがって)もう一度又日光が映る、ぬれた竹の葉に、涼しさが目に見えるように感じられる、夕立のあとのさわやかさよ。」

〔釈教歌〕は昨日の分で終了いたします。大変難しい歌が多いでした。お経や教理を知らないと理解できないものが多いですね。又機会がありましたら釈教(仏教)の法文や歌などをご紹介したいと思います。Img_8747

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2011年8月 1日 (月)

コスモス寺夏の花だより   8・1

○夏咲コスモス:ちらほらと咲き始め

 ○今咲いている花:鬼百合、ひつじ草、睡蓮、百日紅、

          朝顔、露草

 ○これから咲く花:秋海棠、烏瓜、紫苑など

8月は葉月、旧暦では葉が落ち始めることから、あるいは雁が初めてやってくることからつけられた名前と言います。新暦の9月半ばに当たり、暦の上ではもう秋です。

昨日コスモスボランティアの方がお見えになりました。女性7人、男性1人の7人です。奈良だけではなく、京都府と三重県からも来られたようです。途中飛び入りで男性1人が加わりました。作業はコスモス花壇の草取りで4時から5時までの予定でしたが、皆さん慣れておられるのか細かいところまでてきぱきと仕事をこなされ、見る見るうちに草の山が出来上がりました。1時間の時刻を過ぎてもまだやりますということで、終わりは6時半ごろでした。実に2時間半、暑さと蚊に襲われながらの悪戦苦闘。恐れ入りました、女性のパワーを思い知りました。お疲れ様です。ご奉仕、本当にありがとうございました。

〔俳句〕

「渡りかけて 藻の花のぞく 流かな」 野沢凡兆

〔和歌〕

「かげふかき そとものならの 夕すずみ

          一木がもとに 秋風ぞふく」

後京極摂政前太政大臣(後京極良経)・玉葉426

「深い木陰を作って茂る、家の裏手の楢の木の下での夕涼みの快さよ。よそでは夏でも、この一本の木の下だけはもう秋風が吹いている。」

〔釈教歌〕

「谷水を むすべば映る かげのみや

        千年を送る 友となるらん」

顕昭法師・千載1242

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