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2011年9月

2011年9月29日 (木)

コスモス寺開花情報   9・29

○コスモス開花状況: ≪一・二分咲き≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

水引草、萩、ひつじ草など

好天にめぐまれコスモス寺は大盛況です。週末のお天気は下り坂という事で今日は平日にもかかわらずお休みの日と同じような賑わいを見せています。今日も俳句の人が多いです。高野素十さんの句碑の前で記念撮影をして引率の先生が作品の講義をしておられました。拝聴したかったのですが庭作業が忙しかったので聞きそびれました。一覧表の最後に載せた阿波野青畝先生の作「般若櫃うつろの秋のふかさかな」の碑は10月納入の予定でまだ建っていません。青畝先生は奈良県出身という事もあって当寺では人気が高いです。

花が遅いと皆さんお待ちかねです。そこでコスモスさんに問いかけました。もういいかい、するとまーだだよと答えが返ってきました。いましばらくのご辛抱を。

「コスモスの 花を待ちたる 顔と顔」 俱咲

〔俳句〕

「仲秋や 花園のもの みな高し」 山口青邨

「コスモスや 風に押されて 駈くる子等」山田和

〔和歌〕

「ひとしほり 雨はすぎぬる 庭の面に

         ちりてうつろふ 萩がはなずり」

         藤原公直朝臣母・風雅481

「さっと一しきりぬらして、雨は過ぎ去ってしまった庭面に、点々と散って色を染める、花摺衣のような萩の花よ。」

ひとしほり=「一湿り」。表面だけさっとぬらして。「一絞り」ではない。

・うつろふ=「散る」意と「色づく」意をかける。

・花ずり=花のしぼり汁で模様を摺り出した衣。萩の花の散った庭を見立てる。

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2011年9月28日 (水)

コスモス寺開花情報   9・28

○コスモス開花状況:  ≪咲きはじめ、一・二分咲き≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

水引草、萩、ひつじ草など

爽秋、さわやかな秋です。日中は278度もあって少し暑さを覚えますが、木陰に入ると涼風が感じられ心地よいです。コスモスは大きな花が頂上に咲きだしました。これは「秋咲巨大輪美色」という種類で盛りには10センチほどの大花を見せます。またレモンイエローの「イエローキャンパス」も花をつけてきました。今年の開花はいろいろな原因で遅れています。盛期は10月中ごろだと思いますので、あわてずゆっくりお越しください。

先日紹介した休憩所、「八不亭(はっぷてい」は毎日いろんな使われ方で盛況です。ある時はお弁当を広げてのおしゃべり会、またある時は手帳を広げて俳句を互評する俳句会などと様々に使われています。床几を並べると15人は入れそうで手ごろな広さです。真ん中に据えられた大机はご近所の材木屋さんから寄進されたもので松の巨木を使った立派なものです。重くて6人がかりでないと動きません。大きな桜の真下にあり夏でも涼しい場所にあります。境内に立った句碑のおかげで般若寺は最近、俳句スポットとしても有名になっているようです。どうぞ八不亭をご活用くださいませ。

〔俳句〕

「雁がねの 竿に成る時 猶淋し」 向井去来

「コスモスの 甘き香りに 酔い痴れて」矢嶋英子

〔和歌〕

「たかまどの 野べの秋はぎ この比の

        あかつき露に さきにけるかも」

         中納言家持・玉葉494

「高円の野原の秋萩は、この頃の明け方の露にうるおって咲いたことだよ」

たかまどの野べ=大和の歌枕。高円山の裾野。萩の名所。萩の寺白毫寺がある。

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2011年9月27日 (火)

コスモス寺開花情報   9・27

○コスモス開花状況: ≪咲きはじめ・一、二分咲き≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

水引草、萩、ひつじ草など

快晴、空気が乾いてきたのでさわやかな気候になりました。

今朝はコスモスの古い株を取り除いて若い苗を補植しました。だんだん作業時間が短くなっています。でもご奉仕の若者が二人、楼門の周りの草取りをしてくれたので助かりました。増えてきた参詣者の中に毎年写真を撮りに来られる方が居られてお話を伺っていると、「先週より花が増えてきましたな、よそは台風でみな倒れてるのにここのコスモスはみな立ってるから感心しますわ、苦労して世話してはるのがよくわかりますわ」とありがたい感想を言っていただきました。あちこち行っておられるようで、どこそこのコスモス畑は今年行ったら無くなっていましたよと残念がっておられました。「休耕田を利用したコスモス畑は出来るのが早いけれど消えるのも早いですな、ホームページに出ているのに行ってみたら無くなってましたよ。」というケースも多いようです。当寺も自戒せねばと気を引き締めました。

〔俳句〕

「名を知れる 三種や四種や 草の花」 軽部烏頭子

「地に伏して コスモス小さき 風誘ふ」杉本ソウ舟

〔和歌〕

「しほれふす えだ吹き返す 秋風に

         とまらずおつる 萩のうは露」

          九条左大臣女・風雅480

「たわみ伏した枝を吹きひるがえす秋風のために、枝にとまらずこぼれ散る、萩の上に置いた露の美しさよ。」

・しほれ=萎え、たわんで。

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2011年9月26日 (月)

コスモス寺開花情報   9・26

○コスモス開花状況: ≪咲きはじめ≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

ひつじ草、水引草など

三連休はお天気に恵まれて深まる秋を味わえる日々だったのではないでしょうか。当寺ではコスモスはまだ見ごろになっていないにもかかわらず多くの参拝者を迎えました。といってもピーク時の五分の一ほどです。境内も駐車場もゆったりとしていました。26日公開の予定を前倒しして始まった秘仏公開は小さなお堂が結構満員になり賑わいを見せていました。今年はミニ仏像の胎内仏は新しいケースに納まり拝観しやすくなったのと白鳳仏の阿弥陀如来は回転台座に安置され時々お回りいただきます。白鳳仏は、前代の飛鳥仏が前面からの礼拝を重視して背面を省略しているのと違い、背面も衣文がきっちりと作られていて四方から礼拝できるお姿になっています。本像の背面には当初の金鍍金がよく残り金色像の面影がうかがえます。

まさしく寺伝に言う「閻浮檀金(えんぶだごん)の阿弥陀」を彷彿とさせます。これはインドの伝説上の河、ジャンブドゥヴィーパに産する最高の黄金を用いて作られた仏像の事ですが。

〔俳句〕

「たまたまの 奈良の雨月も よかりけり」 真木芽舟

「コスモスを 離れし風の やはらかし 」山崎赤秋

〔和歌〕

「ながめすぐす 日数や秋に うつりぬる

          小萩がすゑぞ 花になり行く」

            従一位教良女・玉葉492

「思いに沈んでぼんやりと日数を過ごしているうちに、季節は秋に移ってしまったのかなあ。蕾のあるとも見えなかった小萩の枝先が、可憐な花になって行くよ。」

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2011年9月25日 (日)

コスモス寺開花情報   9・25

○コスモス開花状況: ≪咲きはじめ≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

ひつじ草、水引草など

コスモスの花はすこしずつ花数が増えてきました。このまま順調にいけば10月上旬に見ごろを迎えると思います。

本堂の裏手にこの夏建てた「お休み処」が数日前からオープンしました。平日は休憩所としてご自由に使っていただき、休日は茶店が開かれおいしい手作り菓子と抹茶が提供されます。この休憩所に額板が上がりました。その名は「八不亭」(はっぷてい)です。名の由来は仏教論書にあります。般若寺を創建した慧灌法師が伝えた「三論宗」の根本論書『中論』にある「八不の偈」から命名されました。

「不生不滅 不常不断 不一不異 不来不去」が八不の偈文です。これは「空」「中道」の教えを説いている法文です。難解ですが関心のある方は「龍樹」「中観論」の解説本をお読みください。大乗仏教の思想原理が理解できると思います。

〔俳句〕

「桐一葉 月光むせぶ ごとくなり」 飯田蛇笏

「無造作に 咲くコスモスの うらさびし」中野辰子

〔和歌〕

「真萩ちる 庭の秋風 身にしみて

       夕日の影ぞ かべにきえ行く」

永福門院・風雅478

「美しい萩の花の散る庭を吹く秋風が、しみじみと冷たく身にしみて、先程まで壁にさしていた夕日の光が、あたかもその壁に吸いこまれるように消えて行くよ。」

・真萩=萩の美称。

・かべ=恐らく、庭の仕切りの築地壁であろう。

*夕暮の光と風の動きの中に秋をうたう清澄な歌境が展開されている。

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2011年9月24日 (土)

コスモス寺開花情報   9・24

○コスモス開花状況: ≪咲きはじめ≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

ひつじ草、水引草など

今日もさわやかな秋の空。ようやく安定したお天気が続きそうです。寺への参詣も日に日に増えてきました。そして参詣数に比例するようにあるいはそれ以上に増えているのが本ブログへの訪問者です。去年はピーク時には450人ほどだったのが、昨日それを越え500人に達しました。素人の作るHP・ブログでつたない文章なのにこれほどの人にアクセスしていただいているとは、もう感謝感激です。

毎日できるだけ新鮮な開花状況をお知らせし、撮りたての写真を載せようと努めています。まだまだ足らないところがございますが、少しでもコスモス寺の良さをお伝えできるよう精進しますので、今後ともよろしくご愛顧願います。

「コスモスを 輝かせるや 青い空」

「コスモスに 紫苑も咲いて 秋来たる」

〔俳句〕

「名月を 取ってくれろと 泣く子かな」 小林一茶

「コスモスや ポーズあれこれ 若くなし」大平保子

〔和歌〕

「袖たれて いざ見にゆかん から衣

        すそののまはぎ ほころびぬらし」

前大僧正道玄・玉葉490

「垂れた袖を連ねて、さあ見に行こうよ。山の裾野の美しい萩は、咲きはじめたようだよ。」

・袖たれて=袖を長く垂らして、くつろいださま。萩の花に袖を触れて色を染めつける動作をも連想させる。

・から衣=「裾野」の枕詞。「袖」「ほころび」と「衣」に縁のある言葉を連ねる。

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2011年9月23日 (金)

コスモス寺開花情報   9・23

○コスモス開花状況: ≪咲きはじめ・ちらほら≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

ひつじ草、水引草など

お彼岸の中日、秋分の日。今朝がたは少し寒いくらいでした。暑さ寒さも彼岸までと昔の人の言葉は今日は当てはまりました。やっぱり台風が秋の空気をもたらしてくれたのかもしれませんね。

当寺では秋恒例の「秘仏公開」を始めました。公表では26日からの予定でしたが連休なのと人手の確保ができたので公開を早めました。初日なのに大勢の参観者で堂内いっぱいでした。今年は白鳳秘仏と胎内仏のほかに水晶製五輪塔形舎利塔5基と絵画には「清凉寺釈迦画像」、「曲尺聖徳太子画像」が増えて都合5幅と賑やかになっています。

これでコスモスが見ごろを迎えたら般若寺の秋本番です。

〔俳句〕

「鈴虫の こゑ水となり 風となり」 堀口星眠

「コスモスに 風が遊びに 来てをりし」高橋笛美

〔和歌〕

「あだし野の 萩のすゑこす 秋風に

         こぼるる露や 玉河の水」

           俊頼朝臣・風雅476

「あだし野の 萩の枝先を越えて吹く秋風に、盛んにこぼれ散る露は、これがあの、玉川の清流の水しぶきだろうか。」

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2011年9月22日 (木)

コスモス寺開花情報   9・22

○コスモス開花状況: ≪咲きはじめ・ちらほら≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

ひつじ草、水引草など

台風は猛スピードで日本列島を駆け抜けました。でも台風一過とはいかず、晴れたり曇ったりでいつ雨になるやもしれません。原因は秋雨前線の停滞です。台風に気を取られているうちに南下してきました。そういえばいつもお彼岸のころは雨が多いです。でもこの週末はお天気回復で行楽日和になりそうです。コスモスにはちょっと早いですが、彼岸花や紫苑、秋海棠、萩が見ごろを迎えています。明日からの連休は、石仏や歌碑・句碑を巡りながら秋の風情をあじわってください。

「ゆく夏ををしみて舞うや揚羽蝶

「風にとぶ山吹の枝に返り花」

〔俳句〕

「我が息を 吹きとどめたる 野分かな」高浜虚子

「ひかへ目な 色に惹かれて 葛の花」 高浜虚子

「コスモスの 声にならない 会話かな」野口香葉

〔和歌〕

「宮こ人 いまとひこなん ひとりきく

         軒ばのすぎの 秋風の暮」

伏見院御製・玉葉487

「都人よ、今という今、たずねて来てくれよ。たった一人で聞く軒端の杉の秋風の音が、こんなにも淋しい、山里の夕暮に。」

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2011年9月21日 (水)

コスモス寺開花情報   9・21

○コスモス開花状況: ≪咲き始め・ちらほら≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

ひつじ草、水引草など

台風15号はどうやら紀伊半島南部を通り過ぎてゆきました。夏の台風のようにゆっくりと大雨を降らしながら、最後は秋台風らしく速度を上げて吹き抜けて行きました。奈良はおかげで風雨もさほどではなく無事に過ごせました。前の12号の時もそうでしたが吉野熊野の山岳地帯が防護壁の役割を果たしてくれたようです。大きな被害が出た南の山々に向かって手を合わせたいと思います。

これでやっと秋らしくなるでしょう。

〔俳句〕

「秋蝉や 竹の葉とびて 雨あらき」 水原秋桜子

「秋蝶の 驚きやすき つばさかな」 原石鼎

「金剛の 露ひとつぶや 石の上」 川端茅舎

「コスモスや 風の行方を 消すような」河野志保

〔和歌〕

「わが心 またかはらずよ はつ萩の

下葉にすがる 露ばかりだに」

法橋顕昭・風雅475

「私の心はまるで変ってなんかいませんよ。咲きはじめた萩の下葉にすがる僅かの露、そのようにほんのちょっぴりでもね。」

露=秋の露と、「ごく僅か」の意をかける。

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2011年9月20日 (火)

コスモス寺開花情報   9・20

○コスモス開花状況: ≪咲き始め・ちらほら≫

○今咲いている他の花:秋海棠、彼岸花、紫苑、

           水引草、ひつじ草など

今日から秋の「お彼岸」です。お彼岸は御先祖様を大切にお祭りする日です。お彼岸は秋分の日をはさんで一週間、初日は「彼岸の入り」です。「お中日」の秋分の日は昼と夜の時間が同時間、そのあと夜時間が長くなり冬に向かう大きな季節の変わり目となります。コスモスの花も例年今頃から咲きだします。台風接近でまた大雨となりそうで心配ですがちょっと涼しくなったかなという感じです。

「秋雨や コスモスの葉に 花重し」

「花に雨 石の仏は 笑み浮かべ」

〔俳句〕

「こほろぎの 本のかげより 同じ顔」 市村究一郎

「コスモスも 乙女心も ゆれにけり」 白石秀雄

〔和歌〕

「風にきき 雲にながむる 夕暮の

        秋のうれへぞ たへず成り行く」

         永福門院・玉葉485

「風の音に耳を傾け、雲の様子に眺め入る夕暮の、秋のそこはかとない哀愁が、日を追ってこらえ切れない程になって行くよ。」

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2011年9月19日 (月)

コスモス寺開花情報   9・19

○コスモス開花状況: ≪つぼみ~ちらほら咲き≫

○今咲いている他の花: 秋海棠、紫苑、彼岸花、

ひつじ草、睡蓮、水引草など

〔俳句〕

「叱られし 思い出もある 子規忌かな」 高浜虚子

「コスモスの 色つなぐ風 乱す風」  松永唯道

〔和歌〕

「秋くれば 萩もふるえに さくものを

        人こそかはれ もとの心は」

前左兵衛督惟方・風雅474

「秋が来れば、萩だって去年の古い枝に咲き、[もとの心は忘れざりけり]と古歌にも詠まれるのに、(一向音信もないとは、萩とは違い)人間こそはもとの心も変わってしまうものなのですね。」

・萩もふるえに=参考歌:「秋萩の古枝に咲ける花みれば

               もとの心は忘れざりけり」

(古今219躬恒)

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2011年9月18日 (日)

コスモス寺開花情報   9・18

○コスモス開花状況:≪つぼみ~ちらほら咲き≫

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、彼岸花、

水引草、ひつじ草、睡蓮など

晴れ。心配された大雨災害は奈良ではひとまず避けられたようです。南海上に台風が2個もあり。15号は沖縄近くで停滞しています。その動き次第では近畿地方でも影響が出そうです。

コスモスにはまだ少し早いのですが、秋の花がいろいろ見られるので参詣の方が増えてきました。今日も俳句手帳を持参の方が多いです。神戸のほうから30人ほどこられたようです。

当寺には句碑がたくさんあるので句碑めぐりをしたりご自身の句作を楽しんだりしておられます。般若寺は俳句スポットなのかも。自然と歴史のある空間は絶好のスポットなのでしょうね。

昭和20年代の作、

「秋風や十三塔に雲のかげ」 蘇生

私の作、

「石仏の頬くっきりと夕映えに」

〔俳句〕

「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」 松尾芭蕉

「コスモスの どの色も訪う 蝶と虻」白鳥武子

〔和歌〕

「さらでだに 身にしむ秋の 夕暮に

         松をはらひて 風ぞすぐなる」

式子内親王・玉葉482

「そうでなくてさえ淋しさが身にしみる秋の夕暮に、松を吹き払って風の過ぎる音が聞こえる。(その深いわびしさよ)」

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2011年9月17日 (土)

コスモス寺開花情報   9・17

○コスモス開花状況:≪つぼみ~ちらほら咲き≫

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、彼岸花、

ひつじ草、睡蓮、水引草ほか

いま当寺の境内ではコスモスはちらほら程度ですが、紫苑(しおん)と秋海棠(しゅうかいどう)は満開、彼岸花(曼珠沙華)は半分程度です。数株の丸葉萩は咲き始め、そのほか野の花である露草も咲いています。

去年に続いて般若寺の「秋の七草」というのを数えてみました。ふつうは「はぎ、すすき、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、あさがお(ききょう)」です。般若寺では「しおんたで しゅうかいどうに ひつじぐさ みずひきそうに こすもすのはな」です。そのほかさがせばいろいろあると思います。

「さびしきが故にまた色草といふ」 富安風生

〔俳句〕

「生きものの 嘆きを虫も 鳴きつげる」 木下夕爾

「コスモスの つくり笑いが 風になる」 山田緑光

〔和歌〕

「ふけぬなり ほしあひの空に 月は入りて

          秋風うごく 庭のともし火」

太上天皇(光厳院)・風雅471

「ああ、夜は更けたのだなあ。二星の相逢う空に、月はすでに沈んで、ほのかな初秋の風の動きを見せてゆらめく、庭の燈火よ。」

・庭のともし火=乞巧テン(きっこうてん・たなばた祭り)の夜、清涼殿の東庭に設ける供物の台の傍に立てる、9本の燈台の火。

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2011年9月16日 (金)

コスモス寺開花情報   9・16

○コスモス開花情報: ≪つぼみふくらむ≫

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、彼岸花、

ひつじ草、睡蓮、水引草など

コスモスの花は今ちらほらと咲いている状態です。やはりこの異常な暑さが影響しているようで遅れています。仲秋の名月も終わりお彼岸が近づくというのに秋の訪れは遅々として進みません。しかしこの季節の停滞は今年に限ったものではありません。ここ数年ずっとこういう暑い秋が定着しています。台風の動きも変です。秋の台風は日本列島に近づくや東にカーブを描いて速度を上げて吹き抜けていたのが、ノロノロといつまでも近海上に居座った状態です。その結果太平洋上の水蒸気をどんどん補給され雨雲が発達し豪雨となります。これは地球温暖化の一つのパターンですね

〔俳句〕

「山居よし 一水葛の 花がくれ」 中田余瓶

「コスモスや 髪ふさふさと 少女ゆく」田口泡水

〔和歌〕

「いほむすぶ わさだのなるこ ひきかへて

         夜さむになりぬ 露の衣手」

常盤井入道前太政大臣・玉葉481

(西園寺実氏)

「小さな庵を造り住んで、田の早稲に集まる鳥を追う鳴子を引くくらしも、今までとは引きかえて夜はすっかり寒くなったよ。露の置く袖のあたりまでも。」

・ひきかえて=鳴子を「引く」ことと「引き換えて」をかける。

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2011年9月15日 (木)

コスモス寺開花情報   9・15

○コスモス開花状況: ≪つぼみふくらむ≫

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、彼岸花、

ひつじ草、睡蓮、水引草など

台風の影響で明日から雨のようです。雨で心配されるのが紀伊半島南部の山岳地帯です。先の台風では2000ミリという記録的な大雨で大きな被害が出て今もまだ復旧できていません。ことに10数か所に土砂崩れによるせき止めダムが生じ大洪水の危険が迫っています。私ごとになりますが以前、吉野熊野が世界遺産に登録されていなかった頃、10年ほど続けて「熊野詣」をしたことがあります。最初の時は一遍上人の本で熊野詣の事を知っていたので、てっきり熊野本宮は川の中にあるものと思って現地へ行きました。驚きました。本宮は明治の大洪水で流されてしまい元の地にはなく近くの山に移転されていたのでした。元の社地は熊野川(以前は新宮川と言いました)の中州である「大斎原」(おおゆのはら)と呼ばれる場所で、絵画でよく知られた熊野本宮12社の建物はなく、石の基壇と祠のみが残っていました。でも一帯に荘厳な雰囲気が漂い、神聖な霊気を感じることができました。熊野の主祭神は阿弥陀如来と同体で、平安時代から浄土信仰の高まりとともに大きな信仰を集めたようです。この島へは足を運ぶたび惜しいなあという感慨を抱いたことを思い出します。明治の大水害は今心配されている土砂ダムの決壊から起こったそうです。明日から大雨にならないことを仏神に祈ります。

「ひぐらしや 熊野へしずむ 山幾重」 水原秋桜子

〔俳句〕

「妻病めり 秋風門を ひらく音」 水原秋桜子

「コスモスと 背丈きそいし 子らの笑み」朝日千尺

〔和歌〕

「むらすずめ 声する竹に うつる日の

        影こそ秋の 色になりぬれ」

永福門院・風雅459

「群がった雀が賑やかに鳴きかわす竹林にさし入る日の光。ああそれが、いかにも秋らしい色になってしまったなあ。」

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2011年9月14日 (水)

コスモス寺開花情報   9・14

○コスモス開花状況: ≪つぼみふくらむ≫

○今咲いている他の花:秋海棠、ひつじ草、睡蓮、

水引草、紫苑、彼岸花など

今日は満州事変の発端となった〈柳条湖事件〉80周年の日。

ここのところの暑さは真夏のようです。草花には朝夕の水やりは欠かせません、秋はどこへ行ったのやらという気分です。でもちらほらと彼岸花が咲いてきました。そのうち境内のあちらこちらで燃える炎のような花が見られるでしょう。

きのう知り合いのお寺さんから珍しい白花の秋海棠をいただきました。小さな鉢にホトトギスと一緒に植わっていて、小さいけれどちゃんと花がついています。大事に育てたいと思います。有難うございました。

「初秋に 一輪二輪 秋桜」

「蝉の声 小さくなりて 秋あつし」 秋桜寺愚作

〔俳句〕

「光る時 光は波に 花芒」 稲畑汀子

「コスモスの 向こうぽつんと 籠り堂」岩谷昭三

〔和歌〕

「荻の葉に 風の涼しき 秋きては

        くれにあやしき 物をこそ思へ」

藤原元真・玉葉478

「荻の葉に風の涼しく吹く秋が来ると、夕暮に、我ながらわけのわからないようなあてもない物思いをすることだ。」

・くれに=「暮」に「呉」をかけ、「あや」を導く。

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2011年9月13日 (火)

コスモス寺開花情報   9・13

○コスモス開花状況: ≪つぼみふくらむ≫

○今咲いている他の花:秋海棠、ひつじ草、百日紅、

睡蓮、水引草、紫苑など

今日も晴れ、この残暑は今週いっぱい続くようです。この暑い中、作業奉仕の若者が二人来て境内の枯れた木の枝や竹のかたづけをやってくれました。今年はボランティア活動が盛んです。やはり大災害が人の心を変え奉仕の精神を育んでいるのでしょうか。

参詣者の中に俳句をたしなまれる方が増えています。手帳を片手に境内を散策されています。当寺に立つ句碑歌碑の一覧表をさしあげるととても喜んでおられました。

私も久しぶりに俳句のようなものを作りましたので御笑覧ください。

「暑くとも 秋を告ぐるか 彼岸花」 

〔俳句〕

「あかあかと 日はつれなくも 秋の風」 松尾芭蕉

「コスモスに くつろぐ時間 ありにけり」稲畑汀子

〔和歌〕

「秋の色は まだこもりえの はつせ山

        なにをかごとに 露もをくらん」

従二位家隆・風雅455

「([こもり江の初瀬]と言われる通り)秋の風情はまだ内にこもって、あらわれて来ていない初瀬山では、何を口実にして露も置くのだろうか。」

・こもりえの=こもりくの(山の中にこもった所の意)の訛伝。

・かごと=口実。言いわけ。

参考歌:

「こもり江の初瀬の山は色づきぬ

時雨の雨は降りにけらしも」 坂上郎女(続古今512

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2011年9月12日 (月)

コスモス寺開花情報   9・12

○コスモス開花状況: ≪つぼみふくらむ≫

○今咲いている他の花:秋海棠、ひつじ草、百日紅、

           睡蓮、水引草、紫苑など

コスモスが咲くまでもう少し日数がかかりそうです。そこで今日はコスモス以外の花を詠んだ俳句をご紹介します。

「紫苑といふ 花の古風を 愛すかな」 富安風生

「うなだれて 花恋ふ花よ 秋海棠」  水原秋桜子

「霧の香に しんじつ赤き 曼珠沙華」 飯田蛇笏

いずれも名句です。

詠まれた花々はどこにでもありそうな花で、秋をいろどる昔懐かしい花です。そしてなぜか人の心に郷愁をさそいます。

〔俳句〕

「仏にと 摘みし秋草 手にあまる」 鈴鹿野風呂

〔和歌〕

「われもかなし 草木も心 いたむらし

          秋風ふれて 露くだる比」

伏見院御製・玉葉463

「私も悲しい。草木も心に悲傷の思いを抱いているようだ。秋風が草木にふれ、それに感応して天から露が降りおく頃は。」

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2011年9月11日 (日)

コスモス寺開花情報   9・11

○コスモス開花状況: ≪つぼみふくらむ≫

○今咲いている他の花:秋海棠、ひつじ草、さるすべり、

睡蓮、水引草、夏萩など

今日も真夏のように暑い日です。暑くても秋の花は咲く準備をしています。きのうの紫苑の花に続いて彼岸花が花茎を伸ばしてきました。彼岸花は「曼珠沙華」とか「狐のカミソリ」とも言います。花色は赤白がありますが、自然に自生しているのは真っ赤な、朱紅色のほうです。白花は珍しいので園芸用に栽培され赤花より早く咲きます。当寺のは以前に、よく来られるタクシーの運転手さんからいただいたものです。年中手がかからなくて普段はほったらかしなのにちゃんと咲いてくれます。放っておいても年々球根が増えるので時々分球してやります。彼岸花は楽させてもらえます。

昨日いつもお出でいただく「草取り奉仕会」の皆様による清掃ボランティアがありました。加藤さんという女性の呼びかけで男女5名が参加されました。まだ暑さが残る午後3時ごろから夕方まで汗を流して庭掃除に精を出していただきました。本当にありがたいご奉仕です。

〔俳句〕

「鰯雲 こころの波の 末消えて」 水原秋桜子

〔和歌〕

「ながむれば 木のまうつろふ 夕づくよ

         ややけしきだつ 秋の空哉」

式子内親王・風雅454

「眺め出せば、木の間からほのかな光を見せる夕月の姿がある。ようやくそれらしい様子になって来た、秋の空だなあ。」

・夕づくよ=夕月。夕方に出る上弦の月。

・けしきだつ=自然界の動きがはっきりと目に見える。

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2011年9月10日 (土)

コスモス寺開花情報   9・10

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、秋海棠、百日紅、

         睡蓮、水引草、夏萩など

今日は残暑が厳しく33度を超えました。境内では紫苑の花が沢山のつぼみをつけもう少しで咲きそうです。シオンはキク科で花は薄紫色です。咲きはじめが特に紫がさわやかで目を引きます。古今集では「しをに」と呼ばれ、着物の襲(かさね)の色目の名でもあります。表は薄色、裏は青色だそうです。古来秋の花としてなじみがありきれいな花だと思いますが、別名には「鬼の醜草(しこくさ)」というかわいそうな名前があります。コスモスも蕾をふくらませてきました。つぼみが付くと急に背が高くなります。

〔俳句〕

「東(ひんがし)に 日の沈みゐる 花野かな」高浜虚子

〔和歌〕

「秋にこそ またなりぬれと 思ふより

        心にはやく そふあはれかな」

従三位親子・玉葉462

「ああ、又秋になってしまったなあ、と思うや否や、心に早くも忍び寄る、しみじみとした哀愁の思いよ。」

・評:忠実に心の中のみを見つめた、いかにも京極派的な歌。

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2011年9月 9日 (金)

コスモス寺開花情報   9・9

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている他の花:秋海棠、ひつじ草、睡蓮、

           水引草、夏萩など

コスモスが少しピンチ、台風のあと被害は皆無と思っていたら、大きな苗が風に揺さぶられて根を切られているのが見つかりました。昨日まで青々と茂っていたのが急にしおれてしまいます。こういう時は泣きたくなります。でも気を取り直して古いのを抜きとり新しい苗に植え替えています。すこし花は遅れそうですが10月中には咲きそろうと思います。旱天あり、長雨あり、台風ありと、本当に植物の栽培はむつかしいですね。

〔俳句〕

「星のとぶ もの音もなし 芋の上」 阿波野青畝

〔和歌〕

「ゆふまぐれ 秋くるかたの 山の端に

         影めづらしく いづる三か月」

前大納言為家・風雅452

「夕闇の近づく中、秋が来るという西方の山の端に、その光が目新しいもののように、嬉しくも姿をあらわす三日月よ。」

・ゆふまぐれ=夕方、ほの暗くなる頃。

・秋くるかた=方位でいうと、秋は西に当たる。

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2011年9月 8日 (木)

コスモス寺開花情報   9・8

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている他の花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

           秋海棠、水引草、夏萩など

今日は季節を区分する二十四節気の一つ、白露(はくろ)に当たります。この頃から秋気がようやく加わるとされます。

昼間は夏の暑さが残っていても朝晩はひんやりして、早朝草葉に露が見えます。白露から15日目が秋分の日です。この日から秋は本番入り。日照時間が短くなり昼より夜が長くなるからです。深まりゆく秋、コスモスが一斉に咲きだします。その頃からコスモス寺は忙しくなります。

〔俳句〕

「今日白露 その露も見ず 入院す」 浜屋刈舎

〔和歌〕

「秋はきぬ とばかりこそは ながめつれ

         まがきのくれに 萩の下露」

寂蓮法師・玉葉459

「秋が来たと、大方にただそう考えてぼんやりあたりの風景に見入っていたのだが、夕暮の間垣を見れば、萩の下葉にはもう露がしっとりと置いているよ。」

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2011年9月 7日 (水)

コスモス寺開花情報   9・7

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている他の花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

           秋海棠、水引草、夏萩など

晴れ、雲一つない青空が戻ってきました。しかし暑さも一緒に戻りそう。週末からは猛暑日があるようです。

一日一日、秋は進行しています。境内で彼岸花の芽がちょこっと顔を出しました。自然界は正直です。野の花は自分の出番をわきまえています。そのうち萩も薄も花をつけるでしょう。

コスモスは台風のあと、まだまだと思っていたのにやはりつぼみが増えています。背丈はもう1メートルを越えました。ネットのおかげでほとんどが倒れないで、傾きながらも穂先を天に向かって伸ばしています。咲き始めまであと一週間でしょうか。

〔俳句〕

「新涼や 白きてのひら あしのうら」 川端茅舎

〔和歌〕

「おちそむる 桐の一葉の こゑのうちに

        秋のあはれを ききはじめぬる」

入道二品親王法守・風雅450

「落ちはじめる、桐の一枚の葉のかさりという音の中に、秋のしみじみと身にしみる情趣を聞きはじめることだ。

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2011年9月 6日 (火)

コスモス寺開花情報   9・6

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている他の花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

           秋海棠、水引草、夏萩など

やっと晴れました。久しぶりの青空です。今日の空気は台風前と少し変わったかなと思われます。もう秋空なんでしょうね。朝から作業奉仕の若者が来てくれました。一人ですが刈り取った竹や草のかたずけに頑張っていただきました。ありがとうございます。

今日は参詣者が多いです、昨日まではほんの数人程度だったのに。天気が良くなったからかと思いきや、皆さん手に小さなノートをもっておられます。聞いてみると俳句会のようです。続々やってこられます。そこで当寺に立っている句碑の一覧表をさしあげると大変よろこばれ、また有名な俳句作家の名を見つけては驚いておられました。「般若寺は花だけではないんですね」という言葉を残して。

〔俳句〕

「紅き茎 継ぎ足して咲き 秋海棠」 勢力海平

〔和歌〕

「かねてだに すずしかりしを 片岡の

         もりの梢の 秋の初かぜ」

後二条院権大納言典侍・玉葉458

「夏のうちからもうここは涼しかったのに、その片岡の森の梢に、秋の初めの風が吹くよ。(何とさわやかなことか)」

・かねて=前々から。

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2011年9月 5日 (月)

コスモス寺開花情報   9・5

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

よく降ります。この辺では昼過ぎに晴れ間が見えたのに降ったりやんだりとぐずついています。三重、奈良、和歌山の山間部は信じられないくらいの雨の量です。人命の被害も出ています。家屋や道路、田畑などの損害も多大です。春から地震の事が強調されましたが、台風は毎年かならずやってきます、何度でも。油断禁物です。山の土砂崩れ、川の氾濫、洪水には日ごろの注意が肝要です。

雨の中、コスモスの種まきをしました。去年の手帳を見ると今日の日、京都府で399度という温度を記録しています。そしてコスモス種まきは20日過ぎまで続けていました。台風があるとその都度痛んだところを補植しなければなりませんので、苗は余るほど確保しておきます。今のところ5万本ほどあるのでいつでも補充できます。苗があれば安心です。

〔俳句〕

「新秋の 相聞歌集 ひもときぬ」 竹中九十九樹

〔和歌〕

「露ならぬ 涙ももろく 成りにけり

        おぎの葉むけの 秋のはつ風」

正二位隆教・風雅449

「もろく落ちる露ばかりではなく、涙ももろくこぼれる季節になったよ。荻の葉を一方に吹きなびかせる、秋のはじめの風のために。」

・おぎ=荻。水辺、また人家周辺に自生する草。薄に似てより大きく、そのそよぐ音に秋を感じさせる。

・葉むけ=葉向け。草木の葉を一方に向けること。

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2011年9月 4日 (日)

コスモス寺開花情報   9・4

  ○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

         秋海棠、水引草、夏萩など

今日は台風一過の晴天を期待していたのに、それほどたやすくはいきませんでした。各地で記録破りの大雨が続いています。3日間降りづめで、奈良県上北山では年間雨量の倍以上の1800ミリを超えてまだふり続いているようです。昔から言う雨台風の典型ですね、それも桁違いの雨台風です。この雨の最大の原因は進行速度の遅さです。時速10キロと言いますから人の早歩きぐらいの速度です。太平洋の海水温、高気圧の張り出し、偏西風の北上など条件が重なっているようです。コメなど農作物の被害も大きいと思います。これは毎年続く異常気象の一環でしょうか、大きくは地球温暖化の表れか。今日も夕方、ボランティアの会で草取りをしていただきました。雨の中、蒸し暑いのにも負けずに頑張っていただきました。ありがとうございました。

〔俳句〕

「三日月に 必ず近き 星一つ」 素堂

〔和歌〕

「秋あさき 日かげに夏は のこれども

        くるるまがきは 荻のうは風」

前大僧正慈鎮・玉葉455

「秋もまだ浅い日ざしに、夏の気配は残っているものの、暮れて行くま垣には荻の上を風が渡って行く。(やはり秋だなあ)」

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2011年9月 3日 (土)

コスモス寺開花情報   9・3

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

         秋海棠、水引草、夏萩など

今回の台風は長引きました。奈良では風雨はそれほど強くなかったのに南の山間部では1000ミリ以上の記録的な大雨だったようです。雨風の中、台風の風と水をなんとかエネルギー利用できないものかと考えてしまいました。風と水はそのままでは残りませんが、電気に変えて蓄えることができれば自然の脅威が恩恵に変わるのになあと夢のようなことを思い描きました。おそらくこの広い世界ではそういうことを研究する人はきっとおられるでしょうね。

明日からはコスモスの世話を再開です。この雨で一気に成長が進み花の準備をはじめると思います。

〔俳句〕

「漆黒の 天に星散る 野分あと」 相馬遷子

〔和歌〕

「しら露は まだをきあへぬ うたたねの

         袖におどろく 秋の初かぜ」

藻壁門院但馬・風雅448

「白露はまだちゃんと置きもしない、うたたねの袖であるが、そこにはっと季節を感じて驚くような、秋のはじめの風が吹くよ。」

・をきあへぬ=置ききらない。秋の象徴、「露」の「置きあへぬ」事で早秋を示す。

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※下は昨年の写真

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コスモス寺開花情報   9・2

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

         秋海棠、水引草、夏萩など

今日は台風襲来でお休み状態です。外へ出ると傘をさしていてもびしょ濡れになります。雨がっぱを着ないとだめです。秋の準備で予定していた作業があったのに何もできません。まあ天からの水の恵みと思ってあきらめ、台風一過のあとかたずけのため英気を養うこととします。この台風はゆっくりで長引きそうです。各地に被害の出ませんようにお祈りします。お大事に。

〔俳句〕

「降り出して 厄日の雨の 荒れように」 稲畑汀子

〔和歌〕

「草のうえに あさをく庭の 露みれば

         袖も涼しく 秋は来にけり」

           衣笠前内大臣・玉葉453

「草の上に朝早く置いている庭の露を見ると、自分の袖も涼しく感じられて、秋はやって来たことだ。

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2011年9月 1日 (木)

コスモス寺開花情報   9・1

○コスモス開花状況: つぼみ

○今咲いている花:ひつじ草、睡蓮、百日紅、

秋海棠、水引草、夏萩など

9月です。今日はいろんな日です。旧暦の長月、語源ははっきりしません。「夜長月」「長雨月」「穂長月」など諸説あります。立春から数えて二百十日、稲の開花期で農家にとっては厄日、きっちり台風がやって来ました。防災の日。1923(大正12)年関東大震災の日です。死者10万人、行方不明者4万数千人、負傷者10万人と密集した大都会での惨事はかつてないものでした。関東、阪神、東日本と100年足らずの間に3度の大震災が起こるなんて、日本列島の怖さを思い知らされます。この奈良でも般若寺の十三重石塔に残された痕跡によると700年間に3度の大地震が襲っています。日本の歴史は地震と共にあるといっても過言ではありません。しかし人間は偉大です。大地震による破壊のなかから再生しています。古いものもちゃんと残しています。どんな苦難にも希望を失わないことです。

台風12号が北上接近中、ご用心を

〔俳句〕

「なにがなく たのしきこころ 九月来ぬ」 日野草城

〔和歌〕

「秋きても なをゆふ風を 松がねに

        夏を忘れし 陰ぞたちうき」

前中納言定家・風雅446

「秋が来ても(まだ暑く)、やはり夕風を待って、松の根方に涼風を求めて夏の暑さを忘れたその木陰が、立ち去りがたいことだ。」

・松がね=松の根方。「夕風を待つ」をかける。

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