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2011年10月

2011年10月31日 (月)

コスモス寺開花情報   10・31

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・散り始め≫

* 夕べの雨はだいぶ降ったようです。満開だったコスモスも花を散らされました。早く咲いた花は半分くらいになっています。あと咲きの分は見ごろもこれからという感じです。全体として78分咲というところでしょうか。

* いよいよ10月も最後の日となりました。コスモスの花とともに長い一月を過ごしました。例年ですと今頃、花も終わりに近づいて一息つけるんですが、今年はまだまだ花の見ごろは続きそうで長いお付き合いになります。 

いま開催中の正倉院展とコスモスで毎日多くの参詣者が来られます。おかげさまで予想以上の参詣者をお迎えでき、寺の縁起パンフレットと一緒にお渡ししていた「白鳳秘仏公開」の案内チラシが出尽くしてしまいました。今、急きょ増刷注文したので近日中に出来上がる予定です。チラシに載る仏像写真は奈良在住の写真家桑原英文さんが撮影されたものですが、大変好評でそのまま折らずに持って帰られる方もおられます。小さな仏像はかわいいです。小さきことはよきことです。いにしえ人の信仰の結晶を見る思いがします。

「コスモスは 雨に咲けども 秋の華」倶咲

「からす瓜 風にゆらめき ものがなし」倶咲

「古びたる 青銅九輪 堂の内」 倶咲

「あまてらす 雨宝童子の おおみ神

      多き宝を 雨ふらしたり」御詠歌

〔俳句〕

「草紅葉 はかなきものに 入日映ゆ」 水原秋桜子

「コスモスの 花は淡きと 決めてゐて」 長沼紫紅

〔和歌〕

「へだたらぬ をじかの声は まぢかくて

きりの色より くるる山もと」

徽安門院一条・風雅517

「(霧によっても)隔てられない小鹿の声は間近に聞こえ、立ちこめた霧が先ず暮色を帯びて、次第に暮れて行く、山裾あたりの風景よ。」

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2011年10月30日 (日)

コスモス寺開花情報   10・30

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

*秋たけなわの日曜日、少し天気は悪いですがコスモスの花は依然満開を保っています。雨になると花は痛むかもしれませんが。

博物館の正倉院展は初めての日曜日、大変な人出になるでしょう。奈良はまだ紅葉は始まっていませんが、秋まっ盛りです。この時期にコスモスが見られるのは珍しいです、当寺でも初めての事です。暖かいのとしっかり種まき、植え付けをやったからだと思います。しばらく花満開をお楽しみください。

*今日境内に猿が出ました。大一匹、中二匹合計三匹です。大木でもするするとてっぺんまで上り、お堂の屋根でもトユから上ったり下りたり自由自在です。飼われていたのか、山から出てきたのか分かりませんが、人に見つからないうちにお家へ帰ってください。人間に見つかると騒がれていじめられますよ。

これで当寺に出る動物はタヌキ、イタチ、キジ、に次いで4種類目です。昔はムササビ、フクロウ、シカもでたのですが、周囲に住宅が建て込んできたので徐々に来なくなっています。

「コスモスの 花の波間に 顔と顔」倶咲

「みほとけは ルーペの中に お顔見え」倶咲

「秋の日の 釣瓶落としで 花暮れる」倶咲

「なむ大師 般若のおしえ 学ばんと 

若き遍照 ならいはげみし」御詠歌

〔俳句〕

「秋深き 隣は何を する人ぞ」 松尾芭蕉

「コスモスを 風の形に 活けにけり」浅田光代

〔和歌〕

「むらむらの 雲の空には 雁なきて

草葉露なる 秋のあさあけ」

従三位親子・玉葉588

「むらむらに雲がわだかまっている空には雁が鳴いて、草葉はしとどに露にぬれた、秋の明け方よ。」

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2011年10月29日 (土)

コスモス寺開花情報   10・29

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

*天候にも恵まれコスモスの花は満開を維持しています。今日は寒さも緩み日中は少し暑いほどです。秋らしい青い空と浮かぶ雲、コスモスの花を写真に撮るには絶好の条件です。

きのう最後のコスモス苗を表に出しました。数千本ありそうです。地面にはもう植えつけるところがなくなったので苗床プランターのままで育てています。今年は夏から昨日まで植えた数はおそらく20万本にのぼるでしょう。9月があまりにも暑かったので、早くに植えた分が育つかどうか心配でつい多めの種まきとなってしまったのです。しかし多く植えたおかげで、花の期間が延び11月まで咲き続けることになりました。このままお天気が続けばいいのですが。

芸術の秋、コスモスの秋到来。

「喚鐘の 長き響きに 言葉止む」 倶咲

「神功の 大絵馬の中 いくさあり」倶咲

「夕映えに コスモスの花 透けて見ゆ」倶咲

「いくさなき 仏の浄土(みくに) おしえんと

身を焦がしたる あみだ仏かな」御詠歌

〔俳句〕

「白露に 鏡のごとき 御空かな」 川端茅舎

「コスモスの 乱れに任せ 石仏」 塩川滋也

〔和歌〕

「くれうつる まがきの花は みえわかで

霧にへだてぬ さをしかの声」

藤原為秀朝臣・風雅516

「夕暮の気配が濃くなって来る垣根の花は、もうそれと見分けられなくなって、一方、立ち渡る夕霧にも隔てられず、はっきりと聞こえて来る、鹿の声よ。」

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2011年10月28日 (金)

コスモス寺開花情報   10・28

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

*ここ23日朝が寒いです。でも日中は天気も良く、心地よい秋の空です。早くに咲いたコスモスの花は少し盛りを越え種をつけ始めています。あと植えの分は背丈が1メートル余りで花は7分咲程度になって見ごろを迎えました。早いのと遅いのと半々ぐらいで、全体としては満開です。

 明日から正倉院展が始まりこの週末から博物館の周りは入場を待つ人の行列ができるでしょう。今年は東大寺ミュウジアムもオープンしたので奈良はちょっとした古美術・古代芸術ブームです。当寺では一足お先に「白鳳秘仏特別公開」を行っています。白鳳仏のやさしげな微笑みと精緻な造形に拝観者から絶賛の声が、また胎内仏三尊と水晶舎利塔の小ささに皆さん驚かれ、かわいいという声が上がります。

これから芸術の秋、古都奈良を愛される人にとって、般若寺は「花と仏のコラボレーション」スポットとなります。

「満天の 星のごときよ コスモスは」倶咲

「夕日落つ コスモスの花 静寂に」倶咲

「大いなる 手をもてわれら 救わんと

微笑みおわす 白鳳の弥陀」御詠歌

〔俳句〕

「ひそかにも 人に狎れそめ ゐのこづち」 田畑美穂女

「コスモスの 千の笑顔に 紛れけり」 石田静

〔和歌〕

「ふけまさる 人まつかぜの くらき夜に

        山かげつらき さをしかのこゑ」

前中納言定家・玉葉567

「来ぬ人を待って夜は更けて行くばかり、松風の吹く暗い夜に、山陰で鳴く鹿の声も、身につまされて辛く思われる。」

・人まつかぜ=「人待つ」と「松風」をかける。

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2011年10月27日 (木)

コスモス寺開花情報   10・27

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

*秋晴れでコスモスの花は見事に咲いています。よくぞここまで咲き続けたるやなコスモスは、天晴れ、天晴れ。

花は11月まで見られます。

休憩所「八不亭」は毎日参詣の皆様にご利用いただき賑わっております。亭の真上には桜の木が大きな枝を伸ばし、いま落葉が板屋根の上に降りかかり、ちょっとした秋の景色が出来上がっています。桜の紅葉は「さくらもみじ」と言い、真っ赤ではなく黄色や茶色も混ざりかえって味わい深い色合いとなっています。楓紅葉にはまだまだ早いでしょうから、一足早い桜紅葉に秋を感じてください。

「花びらを 残しおきたし コスモスの」倶咲

「コスモスに そっと触れたる やさしい手」倶咲

「般若寺の 水晶塔に 舎利拝む」倶咲

〔俳句〕

「渡り鳥 みるみるわれの 小さくなり」 上田五千石

「コスモスの 中より僧の あらはれし」 谷口佳世子

〔和歌〕

「うす霧の 山本とをく 鹿なきて

        夕日かげろふ をかのべの松」

儀子内親王・風雅514

「薄く霧のかかった山もとにはるか遠く、鹿の鳴くのが聞こえて、夕日の光がまだほのかに立ちまよっている、岡のほとりの松よ。」

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2011年10月26日 (水)

コスモス寺開花情報   10・26

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

                                                            

*お天気回復でコスモスの花は満開を維持し、秋咲の大輪の花を咲かせています。見ごろは11月まで続きます。

今、参詣者にさしあげているリーフ

「般若寺に咲くコスモスの種類」をご紹介します。

20種類植えたのですが、主なもの9種類を載せています。

   センセーション:赤白ピンクの普通の花、一番多い。

   イエローキャンパス:うすい黄色の花

   シーシェル:花びらが筒状、赤白ピンク

   ピコティ:ピンクに赤い縁取りや縞が入る

   秋咲大輪美色:花が10センチ以上になる大輪、3

   サイケ:花びらが複弁、花芯から小さな花弁

   ダブルクリック:花びらが菊かダリヤの様に豪華

   オレンジキャンパス:花の色が黄とピンクの混合色

   サニー:「黄花コスモス」の黄色花

「秋風に 桜紅葉は はらはらと」倶咲

「古寺の 崩れし土塀 蔦錦」 倶咲

「三筆の 強き水茎 般若額」 倶咲

〔俳句〕

「近づきて 花にはあらで 真弓の実」 五十嵐八重子

「コスモスや 西日振りむく 気配あり」 岩上とし子

〔和歌〕

「秋山の みねゆく鹿の ともをなみ

       きりにまどえる 夕暮のこゑ」

前大僧正慈鎮・玉葉552

「秋山の峰を行く鹿が、友がなくて、あの友則の歌のように、霧の中に道に迷って鳴いている、その夕暮の声の淋しいこと。」

・参考歌:「声たてて なきぞしぬべき 秋霧に

         友まどはせる 鹿にはあらねど」

(後撰372・友則)

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2011年10月25日 (火)

コスモス寺開花情報   10・25

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

10月も下旬、「霜降」を迎えたというのに昼間は暑いですね。「秋暑し」という言葉は9月のことを言います。この秋は全般に暑い秋、平均気温が2度高いそうで、雨も夏のような降り方をします。やっぱり地球温暖化による異常気象なのでしょうか。

でもコスモスにとっては温度が高いのは歓迎です。秋でも成長でき花も長持ちします。逆に寒さは大敵。ことに霜には弱いです。それで日本列島では北国からコスモスは終わりを迎えています。ここ奈良ではまず11月中は大丈夫、うまくいけば12月まで花が見られるかもしれません。

「秋暑し コスモスの花 蝶の舞」倶咲

「コスモスや 手帳片手に 花を詠む」倶咲

「野の花を 活けては秋を 楽しめり」倶咲

〔俳句〕

「夜霧ふる 塔下なるらし 鹿鳴くは」 水原秋桜子

「コスモスや 十三重の 塔の影」 石脇みはる

〔和歌〕

「河とをき 夕日のやなぎ 岸はれて

鷺のつばさに 秋風ぞふく」

太上天皇(光厳院)・風雅511

「河を遠くまでも照らす夕日に、柳の映える岸辺はくっきりと晴れて、飛ぶ鷺の翼に快い秋風が吹くよ。」

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2011年10月24日 (月)

コスモス寺開花情報   10・24

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

*コスモスは満開の勢いを保ち大きな花を輝かせています。

昨夜、花満開の中で行われたイベント「コスモス花あかり」は4日目、最終日でした。夕刻行燈を並べ始めたころぱらぱらと小雨が降りだし、今夜も雨かなと心配していると、急に空は明るくなり、5時開始の時には天気は回復し無事に行燈を並べることができました。コンサートは臨時で行われたにもかかわらず、お客さんはぞくぞくやってこられ、ほぼ満席となりました。クラリネット奏者笠井裕正さんはクラシックを大阪音大やフランス留学で学ばれた方ですが、「A列車で行こう」で始まりジャズやポピュラーなど親しみのある曲を演奏していただきました。時間がゆっくりと流れてゆくようで寺の本堂や庭にもよくマッチしていたように思います。

また演奏が終わった6時からは榊氏の創作行燈が本堂縁側に展示点灯されました。新作のさまざまな色を放つ行燈が新たな幻想の雰囲気を生み出していました。

花も満開でフィナーレを飾るにふさわしい秋の宵でした。

「コスモスを 夜空にかざる 花行燈」 倶咲

「夕闇は 花のきらめき 浮き立たせ」倶咲

「二人して 花ととけあう 音を聞く」 倶咲

〔俳句〕

「秋風や 眼中のもの 皆俳句」 高浜虚子

「コスモスの 中に細道 とほりけり」杉良介

〔和歌〕

「物おもふと いはぬばかりぞ 露かかる

          草木も秋の 夕ぐれの色」

           藤原定成朝臣・玉葉549

「彼らは口に出して「物思いをしている」と言わないだけのことだよ。露にぬれた草木も、人間同様、秋の夕暮の思いしおれた様子をしている。」

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2011年10月23日 (日)

コスモス寺開花情報   10・23

  コスモス開花状況: ≪満開≫

*昨日の雨で潤ったコスモスの花は、戻ってきた秋空のもと最高の満開状態を保っています。あと植えの苗も1メートルを超え花が見ごろになっています。

昨日の「コスモス花あかり」は開始直前まで小雨が降りコンサートが危ぶまれましたが、マリンバ演奏は実行されました。玉を転がすような音色が境内に響き渡り、聴衆の皆様も音の楽しみに引き込まれておられたようです。この催しも今夜が最後です。当初コンサートを予定していなかったのですが、急きょ演奏者が見つかり、クラリネットとピアノの合奏をしていただけることとなりました。時間は午後5時から6時までです。そのあと創作行燈の展示があります。

花も満開を迎え秋たけなわの季節です。「花と光と音楽の夕べ」で行く秋をご満喫ください。

「やわらかき 秋の光に 花もゆる」倶咲

「コスモスは 古き堂舎に 照り映えて」倶咲

「秋寒や ひそやかに咲く ホトトギス」倶咲

〔俳句〕

「ねむたさの 峠こしけむ 夜なべの灯」下村ひろし

「コスモスに こころを移す ときゆるる」堀内一郎

〔和歌〕

「秋風に うき雲たかく 空すみて

夕日になびく 岸の青柳」

前大納言為兼・風雅509

「秋風に吹かれて浮雲は高くかかり、空は澄み切って、夕日の光になびく、川岸の柳の姿よ。」

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2011年10月22日 (土)

コスモス寺開花情報   10・22

  コスモス開花状況: ≪満開≫

*週末土曜日なのにあいにく雨模様、まだ降ってはいませんが今にも降りそうです。しばらく晴天が続いたので一度は雨の日もないといけないのですが、各地で予定されている催しは中止になるかしれません。当寺でも恒例のイベント「コスモス花あかり」の第三夜です。

本日のコンサートはマリンバ演奏です。しかし楽器が湿気を嫌うので雨の場合は残念ながら中止となります。他方明かりイベントの「花あかり」は雨でも行います。ただ野外のロウソク行燈は出せないかもしれません。メインの「創作行燈」(大和郡山の榊隆氏制作)は本堂にて展示、点灯されます。予報ではだんだん回復しそうで、夕方には上がっているかもしれません。静かでしっとりと落ち着いた雰囲気の中、ほのかな行燈の「あかり」が醸し出す幻想の世界をお楽しみください。

「コスモスや 花のしずくに 星明かり」倶咲

「花あかり 夜のしじまに 虫の声」倶咲

「コスモスを じっと愛づ人 花となる」倶咲

〔俳句〕

「一輪の 野菊のために 晴れし空」 三村純也

「風止り コスモスに 透く石佛」 木野裕美

〔和歌〕

「吹きしほる 四方の草木の うら葉みえて

         風にしらめる 秋の明けぼの」

永福門院内侍・玉葉542

「吹きたわませる野分に、あたり一面の草木の葉裏が白々と見えて、強風の中に次第に明るくなって来た、秋の曙よ。」

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2011年10月21日 (金)

コスモス寺開花情報   10・21

◎コスモス開花情報:≪満開≫

*好天続きでコスモスには最高の環境です。背の高い花は空に向かってのびのびと咲き誇っています。背の低い若い花も葉は青々と、つぼみはいっぱいにつけて、我も負けじと大きな花を見せています。今が一番の見ごろなのでしょう。参詣者も毎日が日曜のように大勢やってこられます。写真だけではなく中には、写生をしたり、俳句を詠んだり、それぞれの楽しみ方を持っておられます。この時期はゆく秋を惜しむ日々なのかもしれません。

「夕映えに 鮮やかなりし コスモスは」倶咲

「コスモスの 花に露おく 朝さむし」倶咲

「コスモスの 花影うつす 十三塔」倶咲

〔俳句〕

「鵙(もず)の天 一枝踏むとも ひびくべし」中条明

「コスモスや 雲が織りなす 影の中」 蓮尾あきら

〔和歌〕

「夕づくひ 岩ねの苔に かげきえて

をかの柳は 秋風ぞふく」

永福門院・風雅508

「沈もうとする夕日の、しばし岩根の苔を照らしていた光もいつか消えて、目に立つものは岡の柳のみ、そこに秋風が吹いている。」

・岩ねの苔=岩の窪みに生えている苔。

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2011年10月20日 (木)

コスモス寺開花情報   10・20

◎コスモス開花状況: ≪満開≫

*今日から「満開」の表示を出させていただきます。コスモスの場合、満開の語は当てはまりにくい表現です。桜のようにパッと百パーセント花が開くわけではなく、場所によって苗によって咲き具合はまちまちです。ちょっと峠を越えたかな、と思えるところもあればまだ五分程度かなというところもあって、全体を見回してほぼ満開というのが正確なところです。どの花でも咲ききった頂上であればあとは散るだけです。まだ蕾があればこれからも長く咲き続ける証です。当寺では9月から10月にかけて植え替えをして花の寿命を延ばしています。その甲斐あって11月まで花が見られます。これから正倉院展(1029日~1114日)のころは、奈良が最もにぎやかな季節、秋の最盛期です。般若寺ではコスモスと秘仏公開で「歴史ある花と仏の淨刹」をめざします。各寺院では秋の秘仏公開が一斉に始まります。古代芸術の粋をご覧になりたい方は古都奈良へお越しください。「菊の香や奈良には古き仏達」(芭蕉)が勢ぞろいですよ。

*本日の毎日放送(4ch)「ちちんぷいぷい」で当寺が紹介されます。3時過ぎの予定、今朝の映像です

「白鳳の 名にみちびかれ コスモス寺」 倶咲

〔俳句〕

「落葉中 紫式部 実をこぼす」 高浜年尾

「コスモスに 野の石仏も 埋もれけり」井上輝男

〔和歌〕

「うす霧の はるる朝けの 庭みれば

         草にあまれる 秋の白露」

永福門院・玉葉536

「立ちこめた薄霧の晴れて行く明け方の庭を見ると、まあ、草に一ぱい、こぼれる程に置いている、秋の白露よ。」

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2011年10月19日 (水)

コスモス寺開花情報   10・19

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・八分咲≫

*青空のもとに咲くコスモスがいいですね。赤でも白でも黄色でも花が透き通っています。すこし雲が浮かんでいれば最高です。いよいよ花は佳境に入ってきました。気候も絶好です。風が吹いても寒くはなく心地よいです。これを秋たけなわと言うのでしょう。コスモスを愛でる人たちも秋の空気をかみしめておられるようです。花は人の心をなごませます。コスモスは優しく美しい花です。

「コスモスに 抱かれ過ごす 至福どき」 倶咲

「渋柿を コスモスの花 甘くする」 倶咲

「井戸釣瓶 野の花活けて おさまりぬ」倶咲

〔俳句〕

「赤蜻蛉 天の瑠璃には 縫目なし」  伊丹丈蘭

「コスモスの 浄域の風 呼びとめて」 塩川雄三

〔和歌〕

「あさぢ原 秋風ふきぬ あはれまた

        いかに心の ならむとすらむ」

従二位家隆・風雅504

「浅茅原に、秋風の吹く頃となってしまったよ。ああ、今年もまた、(秋の風物に催されて)どんなに心が傷み、悲しむようになって行こうとするのだろうか。」

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2011年10月18日 (火)

コスモス寺開花情報   10・18

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・八分咲≫

*もう満開と言ってもよい咲き具合です。あえて八分咲としているのは、あとから植えた分がまだ咲きはじめの状態だからです。この花はこれから11月終わりまで咲き続けます。今年は遅く咲いたので10月中は満開状態を保ってくれそうです。でも雨が降る前にお出でいただくのが良いと思います。

「なむあみだ 石碑の向こうに 手を合わす」 倶咲

「般若寺の 句碑を巡りて 花にあう」 倶咲

「コスモスに しじみの如き 蝶二つ」 倶咲

〔俳句〕

「方丈の 庇の上の 秋の山」 白井冬青

「コスモスの 花ゆらゆらと 影絵なす」原田圭子

〔和歌〕

「しら露の をける朝の 女郎花

         花にも葉にも 玉ぞかかれる」

読み人しらず・玉葉526

「白露の置いている朝の女郎花(おみなえし)の美しさよ。まるで花にも葉にも輝く玉がかかっているようだ。」

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2011年10月17日 (月)

コスモス寺開花情報   10・17

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・八分咲≫

  雨で傷んでいた花も昨日の晴天で持ち直しました。花が大きくなっているので雨滴の重さに自然とこうべを下げます。またそれが人の肩にしなだれかかるようで、しおらしい風情となります。コスモスは本当にやさしく美しい花です。花言葉は「乙女の純情」。風に吹かれなびくもよし、青空にのびあがって咲くもよし、どの場面でも花姿がいいですね。また般若寺には古びた石塔やお堂や石仏があり、それぞれどの場所をとっても「古寺とコスモス」の絵になります。写真家の訪れが多いのもうなずけます。皆様どうぞすてきな芸術写真をお撮りくださいませ。

「コスモスに はなやぐ声の とどまらず」倶咲

〔俳句〕

「柿紅葉 地に敷き天に 柿赤し」 松本たかし

「コスモスの 揺れて通りぬ 風の色」稲畑汀子

「コスモスや 垣根の外の 立ち話」 小林光美

〔和歌〕

「むら雲に かげさだまらぬ 秋の日の

        うつりやすくも 暮るる比かな」

前大僧正覚円・風雅503

「むらがり動く雲に見えかくれして、光が安定しない秋の日の変わりやすいと同様に、時もまた移りやすく、何とまああっさりと日暮れになってしまうこの頃だろうか。」

・うつりやすくも=「映り」と「移り」をかける。秋の空模様と短日を表現。

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2011年10月16日 (日)

コスモス寺開花情報   10・16

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・八分咲き≫

   昨日の雨で花が下を向いていましたが、今日晴れたのでまた空に向かって咲いてくれるでしょう。強い雨に打たれながらも満開ではなかったので散らずにすみました。背丈は伸びています。だんだん花の向こうの人影が見えなくなってきました。これぞコスモス寺見ごろのしるしです。

「コスモス花あかり」は第一夜が終わりました。創作行燈はお堂の縁側できれいに飾られれました。しかし途中小雨が降って来たので、木と紙で作ったろうそくの行燈は出したり入れたりで気ぜわしいことでした。

演奏のほうは一時間の予定を越えたっぷり一時間半の熱演でした。時おり霧のような雨が降るにもかかわらず、100人近くのお客様が熱心に鑑賞され、一曲ごとに拍手が境内に鳴り響いていました。

今夜も同じく上田雪子先生のグループでマンドリン演奏となります。天気も回復し、今宵は月も星も出るさわやかな秋らしい夜空となりそうです。さぞやマンドリンの音色がコスモスの苑に冴えわたることでしょう。

「コスモスの 花びらに置く 星の露」 倶咲

〔俳句〕

「空仰ぎ 愁思の星を 数へけり」 稲畑汀子

「コスモスに 被写体となり どつと老ゆ」児玉素朋

「コスモスを 活けこれよりの ふたりかな」波田美智子

〔和歌〕

「月のこり 露まだ消えぬ 朝明けの

         秋のまがきの 花の色々」

前大僧正実承・玉葉521

「月は空に残り、露もまだ消えない早朝の、秋の真垣に咲き乱れる色々の花の美しさよ。」

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2011年10月15日 (土)

コスモス寺開花情報   10・15

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・七、八分咲≫

   もう満開近い咲き方をしています。しかしまだ蕾も沢山あるのであえて七、八分咲としておきます。

昨日から降り出した雨がまだ少々残っています。でも天気予報では昼からは雨も上がり曇り空となるそうです。今宵の催し「コスモス花あかり」(17001900)の頃は雨の心配は無くなっているかもしれません。

本日ご出演の「大正琴 ラネージュ琴雪会」の皆様は大変力を入れて大がかりな演奏をしていただくそうです。奈良県王寺町で教室を開かれる上田雪子先生の熱心なご指導のもと、お弟子さんたちの猛練習の成果をご披露していただきます。さらに琴伝流関西本部の前垣、池戸両先生方も特別参加をしていただける予定です。

幻想的な行燈のひかりに照らされ、優しげなコスモスの花を愛で、しばし音楽浄土でお遊びください。

  なお、寒いかもしれないので着るもの、カイロなどご用意ねがいます。

○駐車場には限りがありますのでバスなどをご利用くださいませ。

「コスモスを そっと見つめる 濡れ仏」

「水ひきの 赤引きたてる 秋の雨」 倶咲

〔俳句〕

「鳴く虫を あらはに見つつ 栗拾ふ」 水原秋桜子

「コスモスの コスモスのまま 活けにけり」城孝子

〔和歌〕

「あはれむかし いかなる野べの 草葉より

          かかる秋風 ふきはじめけん」

後鳥羽院御歌・風雅502

「ああ、その昔、一体どんな野原の草の葉から、こんなにも身にしみる秋風は吹きはじめたのだろうか。」

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2011年10月14日 (金)

コスモス寺開花情報   10・14

○コスモス開花状況: ≪見ごろ・七分咲≫

   満開まであと少しという段階までやってきました。

週末には満開になるかもしれません。ただ春の桜のようにすべての花が咲ききることは、コスモスでは有り得ません。次々と花を咲かせるので花期が長いのです。まだ蕾が残っている状態のほうが花はきれいです。だから七分咲の今が最高の状態だと思います。

「般若寺や コスモスの彩 古都の彩」 倶咲

「赤芽がし はらりと落つる 寺の庭」 倶咲

〔俳句〕

「鐘の音 物にまぎれぬ 秋の暮」 杉風

「コスモスの 色を増やして 風過ぎぬ」侭田伊都希

「コスモスの 仏の蓮座 かくしけり」 笠原フミ

〔和歌〕

「をく露も なさけぞふかき もも草の

         花のひもとく 朝霧の庭」

前右近大将公顕・玉葉519

「置きわたす露も、いかにも情愛深げに見えることだ。古歌に[思ひたはれむ]と詠まれた情景そのまま、沢山の秋草の花が咲きはじめている、朝霧のこめた庭の景色よ。」

・参考歌:「もも草の 花のひもとく 秋の野を

思ひたはれむ 人なとがめそ」      (古今246・読人しらず)

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2011年10月13日 (木)

コスモス寺開花情報   10・13

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・五分~七部咲き≫

   只今の咲き具合は五分咲から七分咲へ少し進んだように思います。花も大きくなってきました。あと少しで満開です。

10月後半から11月まで満開状態が続きそうです。

昨夜は満月でした。初めは雲がかかっていたのが7時ごろからはきれいに見えました

今日はあいにくの空模様で午後からは雨の予報。

最近展覧会の図録のようなものを下げて当寺へ来られる方が増えています。正倉院展が始まったのかなと思いきや、東大寺ミュウジアムでした。10日から始まったのです。報道によると大人気で毎日大盛況だそうです。「当てはりましたな、大仏っあん」と、街の声が聞こえてきそうです。展示されている仏様は三月堂の不空羂索観音と日光月光の二菩薩と博物館から里帰りの宝物だそうです。これまでもお堂や博物館で拝観できたのでしょうが、きれいなお館で見るのはまた違うのかも。場所は東大寺学園の学校跡地のようです。そういえばしばらく行ってない間に様変わりしたんでしょうね、6年間かよった我が青春の母校は。楽しいことも嫌なこともいっぱい詰まった思い出の地であります。

又、大学紛争のころ、南大門横の東大寺図書館で仏教書を学ばせてもらったことも貴重な経験でした。私の仏教を学ぶ道は東大寺で始まったのでした。

東大寺は偉大な寺です、いつの世にも仏法興隆の聖地であり続けてください。

そうそう、私の園芸のノウハウはあの中学校で培われました。ご指導いただいた、今は亡きK先生(元管長)のおかげと感謝しています。

赤白の コスモスのへ(上)に 黄蝶とぶ」 倶咲

〔俳句〕

「かなしけれ 一つ並びに 烏瓜」 中村汀女

「コスモスや 風を頒ちて 風の中」大田かづみ

〔和歌〕

「ふみ分けて たれかはとはむ よもぎふの

          庭もまがきも 秋のしら露」

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2011年10月12日 (水)

コスモス寺開花情報   10・12

○コスモス開花状況:≪見ごろ・五分咲き≫

*満開まではもう少し。開花が1週間ほどおくれ花期がずれ込んでいます。今週末から11月まで見ごろは続く見込み。29日からの正倉院展の頃も結構花が見られると思います。

○今咲いている他の花:水引草、野菊。秋海棠はあと少し。

今朝は少し靄がかかって草葉には露が降りていました。ここしばらく秋晴れのいいお天気で行楽のみなさまには絶好の日和でした。明日からは下り坂で雨模様です。一度雨も必要ですが、週末は回復してほしいです。当寺では「コスモス花あかり」の催しがあり、「行灯あかり」や「コンサート」はほぼ野外行事なのでちょっと心配です。特に15日(土)にご出演の皆さんは去年は雨だったので本当にお気の毒でした。今年も大変な準備をして頂いています。晴れなくてもいいから雨だけは降らさないでください、お天道さま。

「コスモスの 静かに咲ける 朝まだき」 倶咲

「コスモスが 仏をかざり 秋かざり」  倶咲

〔俳句〕

「露草に なき子よしばし 来て遊べ」 竹中すすき女

「コスモスが 揺れ山が揺れ 空が揺れ」 赤井よしを

〔和歌〕

「みだれふす 野べの千種の 花の上に

          色さやかなる 秋の白露」

従三位為信・玉葉518

「乱れ伏している、野の秋草のさまざまの花の上に、一入色も清らかに置き渡している、秋の白露よ。」

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2011年10月11日 (火)

コスモス寺開花情報   10・11

○コスモス開花状況: ≪見ごろ・五分咲き≫

*今年は花がおくれているのでまだ満開の一歩手前。満開は今週末からと予想されます。遅い分花期は長く11月半ばまで見ごろは続くでしょう。正倉院展(1029日~1114日)の頃も花はじゅうぶん見られます。

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、萩は終わりに近づいています。野の花である水引草、蓼、野菊はまだしばらく咲きます。

花を咲かせるコスモスの足元、周辺には雑草(野草)が茂り、秋の装いを見せています。今目につくのは赤くなる葉にピンクの細かい花をつける蓼(たで)です。ごく普通にある野の草で別名「赤まんま」とも言います。「蓼食う虫も好き好き」という言葉もあります。それからつる性であたり一面に桃色の金平糖に似た形の花をつけた草があります。調べてみるとタデ科の「溝蕎麦(みぞそば)」が「金平糖草」と呼ばれるので、これかなと思いましたが、茎にとげのあるのは同種でも別の草でした。きれいな花なのにかわいそうな名前が付けられていました。それは「継子の尻拭い」でした。花の形の金平糖草でいいのにな、と草に同情します。

「草むらを 金平糖で ちりばめて」 倶咲

「枯草に 赤き星散る 蓼の花」 々

「水引を 手折りかざさん 女髪」 々

「コスモスを 植えて植えては 秋さなか」 々

〔俳句〕

「貝殻に 耳を当つるや 秋の声」 阿片瓢郎

「一陣の 風にコスモス さざめきぬ」 黒川悦子

〔和歌〕

「庭しろき いさごに月は うつろひて

        秋風よはき 花のすゑずゑ」

入道二品親王法守・風雅497

「庭面一面、白々とした砂地に月の光は映りつつ衰えて、秋風にそよぐ姿も弱々しい、秋草の花の末々よ」

・庭しろき=貴人の家の壺庭には一面に白砂を敷き、季節により前栽をあしらう。

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2011年10月10日 (月)

コスモス寺開花情報   10・10

○コスモス開花状況: ≪見ごろ・五分咲き≫

  例年に比べ一週間おくれて咲いたのでまだ満開の一歩

手前。満開まであと45日かかりそうです。花がおそい分長く楽しめ、見ごろは11月まで続く予想です。正倉院展の間も充分いけそうです。

○今咲いている他の花:紫苑、水引草、野菊など

今日は体育の日、1960年東京オリンピンクックが始まった日。国民すべてが若やいで溌剌としていたように思います。私もマラソンのアベベや円谷の姿に感動し憧れました。体は老いても心は常に新鮮でありたいものです。花も満開へ向かう若い時が一番美しいです。上り詰めると下るのが世のならいです。これからの一週間はコスモスの一番輝く日々ではないでしょうか。おたのしみに。

「紺碧の 空にコスモス レモン色」倶咲

「二人して コスモス愛でし 去年の秋」倶咲

〔俳句〕

「秋茄子や やさしくなりし 母かなし」 星野立子

「コスモスが ピンクが揺れる 山の風」 栢森敏子

〔和歌〕

「いづくより をくともしらぬ 白露の

         くるれば草の うへにみゆらん」

前大納言為兼・玉葉517

「どこから降りおくともわからない白露が、一体どうして、夕暮ごとにいつもちゃんと草の上に見えるのだろうか。」

・参考歌

「夜を深み かえりし空も なかりしを

  いづくよりおく 露にぬれけむ」(詞花集235、元輔)

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2011年10月 9日 (日)

コスモス寺開花情報   10・9

◎コスモス開花状況: ≪見ごろ・五分咲き≫

  場所により咲き具合は異なりますが、全体として「見ごろ」を迎えました。今年は一週おくれで咲いていますので「満開」は今月中旬から11月までと予想され、花期は長めです。

○今咲いている他の花:紫苑、秋海棠、水引草、野菊など

連休初日は絶好の行楽日和でした。つづいて今日も秋晴れ、コスモス寺はきっと昨日以上の人出となるでしょう。昨日MHK奈良局からコスモスの撮影に来られました。放送は12日夕方だそうです。例年ですと9月中に新聞テレビの報道があるのですが、今年は何分花が遅れているので映像としてはこれからです。今咲いている中で目立ってきたのは秋咲のイエローキャンパスです。ふつうのコスモスなのに花が黄色です。それもレモンイエローの淡い色でさわやかです。このほかシーシェルやピコティ、サイケ、オレンジキャンパス、ダブルクリックなど珍しい種類の花が見られます。そしてこれから咲くのが秋咲巨大輪美色という大花です。多種彩々咲き乱れます。

「石仏の 衣を染める コスモス花」 倶咲

「コスモスに 老いも若きも 花ざかり」 倶咲

〔俳句〕

「木犀の こぼれ花より 湧ける香も」 皆吉爽雨

「絵葉書の コスモスの風 もらひけり」 赤座典子

「コスモスの 揺るる心を もてあまし」 家塚洋子

〔和歌〕

「吹く風の たよりならでは はなすすき

        こころと人を まねかざりけり」

正三位季経・風雅493

「吹く風の工合によってでなくては、花薄というものは、自分の意志で人を招く事はしないものだったよなあ。」

・たより=ゆかり。ついで。

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2011年10月 8日 (土)

コスモス寺開花情報   10・8

○コスモス開花状況: ≪見ごろ・五分咲き≫

* 場所により咲き具合は異なりますが、全体として「見ごろ」を迎えました。今年は一週おくれで咲いていますので「満開」は今月中旬から11月までと予想され、花期は長めです。

○今咲いている他の花:紫苑、秋海棠、水引草、野菊など

快晴のコスモス日和。青空にコスモスの赤、白、ピンクの花びらが透き通るように咲いています。今日は当寺のお休み処、八不亭(はっぷてい)ではお茶席と手作り小物作品の展示即売があり、秘仏公開とともに賑わっています。近くの奈良豆彦(ならづひこ)神社では夜分に恒例のお祭りで無形文化財の「翁舞」(おきなまい)が奉演されます。これは「能」の源流とされる貴重な猿楽です。公園では鹿の角切り、薬師寺では「天武天皇忌」などがあり奈良は秋たけなわ。それから当寺の北へ五分ほど行ったところに近頃、「かくれみの」という手打ちそばの店がオープンしています。味も店の雰囲気も上々で人気があります。一度ご試食あれ。

「秋天に コスモスの花 ひるがえる」 倶咲

斑鳩清水山吉田寺を詠める

「青紅葉 龍田の山河 吉田寺」 倶咲

奈良春日野氷室神社を詠める

「牡鹿鳴く 氷室の杜に 秋深し」 倶咲

〔俳句〕

「紅葉して それも散行く 桜かな」 与謝蕪村

「コスモスや のどかな里の 旅終えて」小橋安子

〔和歌〕

「しほりつる 風はまがきに しづまりて

         小萩がうへに 雨そそくなり」

永福門院・玉葉509

「間垣の草を吹きたわませていた風は、ようやく静まって、倒れ伏した小萩の上に、聞けば今、雨が降りかかって来たようだ。」

・しほる=圧してたわませる。

*上句と下句の間の一呼吸の静止に、充実した時間の経過を見事に表した秀歌。

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2011年10月 7日 (金)

コスモス寺開花情報   10・7

○コスモス開花状況: ≪見ごろ・五分咲き≫

* 場所により咲き具合は異なりますが、全体として「見ごろ」を迎えました。今年は一週おくれで咲いていますので「満開」は中旬から11月中旬までと予想され、花期は長めです。

○今咲いている他の花:紫苑、水引草、野菊など

秋に心と書いて愁(うれい)という字になります。愁傷、哀愁、旅愁など秋のもの悲しさを表す言葉となります。季節は夏の暑さを離れ厳しい冬に向かっています。秋は冬隣りとも言います。季節の終着点に向かう一歩手前です。しかしそのしばしの心地よい秋の時候を楽しみたいものです。紅葉までの期間はコスモスの秋です。ゆく秋の風情を古都奈良でゆっくり味わってください。

「ゆく秋を 惜しみて咲ける コスモスや」 倶咲

「コスモスに 待てと言いたや わが心」倶咲

〔俳句〕

「その墓に 手触れてかなし 星月夜」 水原秋桜子

「コスモスを 撮りに行きなと すすめらる」松沢久子

「コスモスと いふ明かるさに 二人の歩」木村真魚奈

〔和歌〕

「あはれさも その色となき 夕暮の

          おばながすゑに 秋ぞうかべる」

前大納言為兼・風雅491

「身にしみる感傷も、それがどういう気持ちなのだ、と指し示す事もできない夕暮の、尾花の穂先に、言いようもなくあわれな「秋」そのものが象徴されている。」

・その色となき=「色」は気分、気配。どこがどう「あわれ」なのだとも言いようのない。

・秋ぞうかべる=「浮ぶ」は表面に出る意。具体的な物として把握できない「秋」が、現実に物質としてそこに存在するかのように感じられる。

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2011年10月 6日 (木)

コスモス寺開花情報   10・6

○コスモス開花状況: ≪三分咲き≫

* 見頃は週末から、満開は10月中旬以降11月までの見込み。

○今咲いている他の花:秋海棠、萩、紫苑、

           水引草、野菊など

きのうは新聞報道でスポーツ報知、産経新聞、奈良新聞に掲載がありました。報知と産経はコスモス寺の事で、奈良新聞は白鳳秘仏公開の事で大きく載せていただきました。寺まで足を運び取材され記事を書かれた記者さん方本当にありがとうございました。また奈良テレビさんも撮影取材に来られ、今月14日(金)の夕方6時から「ゆうドキッ」という番組でコスモスと秘仏公開の紹介をしていただくようです。いよいよ秋本番になってきました。きのうの雨でコスモスも一層大きくなり、つぼみを増やして花を咲かそうとしています。これでお天気が回復すると一気に見頃となるでしょう。

また今月後半から正倉院展が始まり、東大寺さんのミュウジアムも10日にオープンするので奈良は美術・芸術の秋たけなわとなります。般若寺は花と仏の競演で「花あかり」の行事を迎えます。これから大忙しです。

「花あかり み仏のほほ 紅をさす」 倶咲

「コスモスに 花陰つくる 秋の空」 倶咲

〔俳句〕

「雲起て 寺門を出づる 秋の声」 暁台

「コスモスの 百花繚乱と いふ眺め」大平保子

〔和歌〕

「よすがらの のわきの風の 跡みれば

        すゑふす萩に 花ぞまれなる」

新院(後伏見院)御製・玉葉508

「夜通し吹き荒れた、野分の風の静まったあとを見ると、枝先を地に引いて伏した萩に、花はわずかしか見えないよ。(ああ惜しいこと)」

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2011年10月 5日 (水)

コスモス寺開花情報   10・5

コスモス開花状況: ≪三分咲き≫

   見頃は週末から。満開は10日以降11月まで。

○今咲いている他の花:秋海棠、萩、紫苑、水引草、

野菊など

夜、境内を見回りすると虫の声がすごいです。大方はコオロギで、中に変わった鳴き声も混ざり、一際よく響くのが松虫の「チンチロリン」の声です。昔はたくさんいて懐中電灯で虫取りができるほどでした。近年もういなくなったのかとあきらめていたところ、今年は復活しています。松虫はもともと鈴虫と呼ばれていたのが「リーンリーン」と鳴く今の鈴虫と入れ替わったとある本で読んだことがあります。どちらもいい声で鈴を鳴らすような声をしています。両方鈴虫であってもいいですね。草むらから聞こえる鳴き声は本当にいいもので、今の言葉でいえば心が癒されます。毎度、夜の見回りで虫の合唱を聞き「秋の夜桜」見物させていただくという贅沢を独り味わっています。来週の週末から4日間「コスモス花あかり」がありますので是非「秋の夜桜」と「コンサート」をご鑑賞あれ。

「コスモスの 茂みで鳴くや ちんちろり」 倶咲

「月明かり 虫も愛でるか 秋桜」 倶咲

〔俳句〕

「わが庭の 真中に立てば 天高し」 山口青邨

「コスモスは 少しの風の あってよし」 小泉豊流

〔和歌〕

「まねきやむ おばながすゑも しづかにて

        風吹きとまる 暮ぞさびしき」

従三位親子・風雅487

「人を招くようにしきりに動いていた尾花の穂先も静かになって、風が吹きやんだ夕暮こそ、本当に淋しいことだ。」

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2011年10月 4日 (火)

コスモス寺開花情報   10・4

◎ コスモス開花状況: ≪三分咲き≫ 

*見ごろは今週末から。満開は10日以降11月までの予想。

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、水引草、

萩、野菊など

秋らしい気候となってコスモスの花は満開へ向かって日に日に上昇中。背丈も高くなりつぼみも増えています。場所によりばらつきはありますが全体として「三分咲」となっています。明日はあいにく雨の予報が出ています。しかし週末の三連休はどうやら晴れそうで花も人出もコスモスシーズン到来です。各地のコスモス名所では台風の影響を受けて花状態がもう一つというところもあるようです。おかげで奈良市は無事だったので、当寺のコスモスは少し遅れてはいますが例年通り美しい花を咲かせています。

また秘仏公開もおかげで盛況です。やはり昨今の仏像への関心の高まりが人気を押し上げているのではないかと思います。奈良では月末からの正倉院展にあわせ各寺院で一斉に秘仏秘宝展が始まります。今年はそのころまでコスモスの花は満開状態を保つと思われますので「歴史ある花と仏の淨刹」般若寺はさぞや賑わいを見せることでしょう。

〔俳句〕

「らしく枯れ らしく乱れて ゑのこ草」 工藤乃里子

「手を振って 振ってコスモス だけとなる」稲畑汀子

〔和歌〕

「露をもる 小萩がすゑは なびきふして

          吹きかえす風に 花ぞ色そふ」

前大納言為兼・玉葉501

「露のびっしり置いて重くなった小萩の枝先は庭面になびき伏して、吹きかえす風に再びひるがえる時、露が散るとともに、濡れた花が一そう色を添えて舞うよ。」

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2011年10月 3日 (月)

コスモス寺開花情報   10・3

○コスモス開花状況: ≪二分咲き≫

* 見ごろは週末から。満開は中旬以降11月まで。

○今咲いている他の花:秋海棠、紫苑、水引草、

萩、野菊など

きのうから曇り空が続き時おり晴れ間がのぞきます。花にむら雲といった感じです。

待ち遠しかった阿波野青畝先生の句碑が納まりました。

「般若櫃 うつろの秋の ふかさかな 青畝」

場所は正岡子規の碑

「般若寺の つり鐘ほそし 秋の風 子規」

の立つ鐘楼南の奥まった所、大きな銀杏の木の下です。これで一応、建立予定が終了しました。全部で句碑15基、歌碑4基、都合19基です。だいたい秋の句が多いですね。有名無名それぞれ味わい深い作品で詠まれた人の心ばえがしのばれます。実はもう一つ、仏様の石標が立ちました。現在開催中の秘仏公開のご本尊の御名を刻んでいます。「秘仏白鳳阿弥陀如来」とあり、会場である宝蔵堂入口の門前に立ちました。あとは花の満開を待つばかりです。

「白鳳の 仏の庭に 花の影」 倶咲

「金銅の 阿弥陀くちもと 笑み浮べ」倶咲

〔俳句〕

「秋空の 深さしみじみ 人遠し」 古賀まり子

「コスモスの 便りは風の たよりかな」稲畑廣太郎

〔和歌〕

「みわたせば すそののおばな 吹きしきて

夕暮はげし 山おろしのかぜ」

伏見院御歌・風雅485

「見渡すと、裾野の尾花を一面になびかせて、夕暮、ことにはげしく吹くよ、山おろしの風は。」

・吹きしきて=隅々まで余す所なく吹いて。「しき」は「領き」。

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2011年10月 2日 (日)

○コスモス開花状況: ≪二分咲き≫ 

*見ごろは来週の三連休から。満開は10月中旬から11月までと予想します。

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

水引草、萩、野菊など

今年のコスモスはなぜか花が遅れています。一週間ほど遅いのではないかと思います。でも遅く咲きだせばそれだけ花は長持ちします。例年11月の初めまでは花があるのですが、今年は11月末かひょっとしたら12月まで残るかもしれません。奈良に近い木津川市のある川の土手ではいつも12月に満開です。お天気の長期予報では秋の後半も気温は高いそうで、紅葉はおそいということですから、11月中はコスモスの月となりそうです。きのうから花を元気にするという液肥を追肥として散布しています。これは即効性があり花つきを促進し長持ちさせるそうです。なんとかきれいな花を咲かせてくれるように出来るだけのお世話をしていきたいと思います。

「コスモスに 大丈夫かと 声を掛け」 倶咲

「秋めいて 初めて咲くや コスモスは」倶咲

〔俳句〕

「晴れ渡る 天に紫苑の 色を置く」 稲畑汀子

「コスモスや 朝日に遊ぶ 蝶二つ」  大野ツネ子

〔和歌〕

「数々に 月の光も うつりけり

       ありあけの庭の 露の玉萩」

入道前太政大臣(西園寺実兼)・玉葉500

「一つ一つに、月の光も映っているよ。有明方の庭の、露を玉のように宿した美しい萩の花には。」

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2011年10月 1日 (土)

○コスモス開花状況: ≪二分咲き≫

○コスモス開花状況: ≪二分咲き≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

水引草、萩、ひつじ草、野菊など

10月、神無月になりました。神無月は「かみなづき」「かんなづき」「かみなしづき」と読まれ、神様が出雲へ集まるのでほかの国にはおられない故とか、新米により酒をかもす醸成月(かみなしづき)の意とも言われる。

いよいよ秋本番です。各地の神社ではいっせいに秋祭りが行われ、神様に自然からの恵みを感謝します。また大災害をこうむられた被災地では復興へのご加護を祈られることでしょう。天地神明、天神地祇といって仏教でも神様を大切にしています。仏と神は聖なるものの表裏の関係にあるからです。自然は仏神そのもの、壊してはいけません、その恵みを有難くいただくことです。食料もエネルギーも自然界からの贈り物です、大切にしましょう。

〔俳句〕

「十月や 燃えのぼりたる 蔦うるし」 和田祥子

「長き夜や 書架に無数の 文字眠り」 林翔

「コスモスや 陽だまりに置く 父の椅子」宮倉浅子

〔和歌〕

「露にふす まがきのはぎは 色くれて

           おばなぞ白き 秋風の庭」

前大納言尊氏・風雅483

「一面に置いた露の重みにたわみ伏した垣根の萩は、その色も暮色の中に沈み、尾花だけが白々とそよいでいる、秋風の吹く庭よ。」

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コスモス寺開花情報   9・30

○コスモス開花状況: ≪一・二分咲き≫

○今咲いている他の花:彼岸花、秋海棠、紫苑、

           水引草、萩、ひつじ草など

今年の彼岸花は花の期間が長いです。しかしもうそろそろ終わりを迎えそうです。

朝から蒸し暑いなと思っていたら午後から雨になりました。しとしとと静かな雨です。雨でも手帳を手にゆっくりと境内をめぐり、休憩所でじっと推敲しておられる俳句人が何人もおられました。私も真似をしたくなり少し作ってみました。愚作にお付き合いくださいませ。

先日から使っている俳号「俱咲」(ぐしょう)は「愚作」をもじったものです。「ともに咲く」は西方往生を説く言葉「倶会一処」(くえいっしょ)の意も込めています。

「みどりなす コスモスの葉に 花しずく」倶咲

「コスモスの 花踊らせて 秋の雨」 倶咲

「コスモスに 花さき立ちぬ 彼岸花」 倶咲

〔俳句〕

「秋の夜の こころが紙に 文字となる」 綿谷吉男

「日溜りに 揺れコスモスの 舞踏会」  大川冨美子

〔和歌〕

「さをしかの しかならはせる 萩なれや

         たちよるからに をのれおれふす」

紫式部・玉葉495

「牡鹿が、(自分の妻として)そうするように習慣づけた萩なのだろうか、折ろうとして側に寄っただけで、自分から折れ伏しているよ。」

・詞書:屏風の絵に、秋の花を見る女車があり、童女が立ち寄って萩の花を折る所を描いた画面に添えた歌。

・さをしかの=「小男鹿」と「然か」(そのように)とを重ねて声調を整えた技巧。

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