コスモス寺開花情報 11・4
◎コスモス開花状況: ≪散りはじめ・五分≫
*さすがに花は減りました。先の分は半分ほど、あと咲きの分は七分程度咲き残っていて全体では五分になっています。
この先、日に日に花数は減っていくでしょう。
*昨日載せた写真の説明。
コスモスの花と一緒に写っている赤茶けた唐草文様の金属製品は、重要文化財・石造笠塔婆二基の支え金具です。笠塔婆は明治まで般若寺南方200メートルの南大門跡近くの道端にありました。それが明治元年、新政府がとった宗教政策で廃仏毀釈の犠牲となり引き倒されました。5メートル近い大きな石柱は折れ、2個と3個の石塊に変わり果てていたのです。それを明治20年代に般若寺境内に持ち帰り再建されました。その際支え金具をフランスへ発注し調達されました。その頃パリ万博の目玉として建てられたエッフェル塔用に新開発された錬鉄製の鋼材で作られています。新鋼材は近代の鉄骨建築の始まりとなったそうです。そのような時代の最先端技術の遺物がこの般若寺にあったとは驚きです。現在の笠塔婆は昭和30年に移転修理され、金具をはずし石材内部にボルトを入れ石だけで立っています。それから一基の頂上部分の宝珠が失われていたのが、再建のあと京都の古美術商で偶然見つかり好意的に返還されたそうです。弘長元年(750年前)作の笠塔婆は今ようやく安住の地を得ています。金具も近くに立っています。
「唐人が 月をろがみし 笠塔婆」秋桜子
「双び立つ 花野の寺の 笠塔婆」日月子
「寺古りて 野菊に立てる笠塔婆」素紅
〔俳句〕
「足許の どっと昏れゆく 蓼の花」 金田初子
「コスモスや いたはり合うて ゐるような」芝尚子
〔和歌〕
「庭の虫は なきとまりぬる 雨の夜の
かべにをとする きりぎりすなか」
前大納言為兼・風雅564
「庭の虫は鳴き声をとどめてしまった雨の夜の、壁のあたりのどこかで声がする、きりぎりすよ。」
・なきとまりぬる=鳴く音をぱったりとめてしまった。
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