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2012年4月15日 (日)

般若寺 春の花だより   4・15

◎桜、椿: ≪満開≫

・レンギョウ、利休梅、黄水仙、沈丁花 ≪満開≫

・矢車草、シャガ ≪咲きはじめ≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪五分咲き≫

黄色八重咲 ≪三分咲き≫

白山吹 ≪咲きはじめ≫

・紫雲ラン、牡丹、桜草、チョコレートコスモス、などは4

・鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*今日は晴れ、最後のお花見日和です。外へ出て春の空気を存分に吸ってください。

先月から中の川上人・実範さんのことを調べ出して何かいい書物がないかと探しているうちに、『念仏式の研究―中の川実範の生涯とその浄土教―』という本が見つかりました。これは佐藤哲英さんという浄土真宗本願寺派(お西)の宗門大学である龍谷大学の先生が書かれたものです。先生は龍谷大学の名誉教授で本願寺勧学でもあり浄土教研究の権威であったようです。昭和4741日に百華苑という出版社から出ています。私はその頃龍谷大学の大学院へ通っていたので目にしたことがあったのかもしれませんが、何分浄土教には関心がなかったので買っていませんでした。定価1500円で出たのが、今や古書で12500円にもなっています。思い切って購入しました。

昨日届いたのでさっそく読んでみると、実範さんは中川寺では法相宗、真言宗、天台宗、律宗、声明を研鑽され、寺は奈良では珍しい純粋の密教寺院の伽藍を建立されたようです。さらに晩年は南山城の棚倉の山中にあった東大寺の別所的な寺院、「光明山寺(こうみょうせんじ)」に住され、浄土教の研究に専念されました。その書物が龍谷大学に所蔵されている『念仏式』です。長承4年(1135)、実範さんの弟子、覚聖(かくしょう)が書写されています。これは前段が欠けているのですが、現在、国の重要文化財に指定されています。『念仏式』は略称で、正式には『往生論五念門行式』といい、インドの世親(バスバンドゥ)作の『浄土論』で説かれる浄土教の実践法、「五念門」を解説した注釈書です。それは礼拝門、讃嘆門、作願門、観察門、廻向門の五段階を言います。実範さんは奈良の浄土教、真言の浄土教、天台の浄土教を幅広く取り入れ独自の浄土信仰を説かれています。本当に碩学であったお坊さまですね。これほどの間口と奥行きを持った方は稀な存在です。

それからまだ未見で是非拝見したい論文は、東大寺の僧綱という役職で学者でもあった堀池春峰先生の『大和中川寺の構成と実範』(仏教史学64)です。1957年の刊行ですから、ずいぶん古い研究誌で手に入らないでしょうから折を見て東大寺図書館で調べようと思います。

〔短歌〕

「水ぐるま 近きひびきに 少しゆれ

少しゆれゐる 小手鞠(こでまり)の花」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〔和歌〕

「鶯の きなく山ぶき うたがたも

君がてふれず 花ちらめやも」

よみ人しらず・風雅279

「鶯の来ては鳴く、山吹の花よ。本当にまあ、あの方が(来ても下さらず)手を触れもしないで花が散ってしまうなんて事があるだろうか。いや、そんな事はあり得ないよ。」

・万葉集3968

・うたがたも=本当に。決して(・・・ない)。

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