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2012年4月

2012年4月30日 (月)

般若寺 春の花だより   4・30

◎初夏のコスモス:15品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪5~7月≫

◎山吹:≪散りはじめ≫

・椿、シャガ、紫雲ラン、花菱草、矢車草、

牡丹、唐種オガタマ ≪見ごろ≫

・黄菖蒲、空木、山アジサイ ≪5月≫

・紫陽花、未草 ≪6月≫

*四月、卯月は今日で終わり。明日からは五月、さつきです。早苗月(さなえつき)とも言います。

「五月雨」(さみだれ)、「五月晴」(さつきばれ)という季節の言葉がありますが、現在の五月ではピンときません。これは陰暦の五月ですから六月の梅雨時のことを言います。

この時期は春と夏とが同居しているようです。昨日は7月の暑さでしたし、今日は春らしい気温にもどりそうです。

そして春の花はどんどん入れ替わっていきます。山吹も盛りを越え散りはじめました。春の花は強い光と暑さに弱いですね。

春の花が一通り終われば空木、定家カヅラなど夏の白い花が多くなります。薫り高い花です。

そして紫陽花、初夏のコスモスへと主役は代わります。

また小さな家庭菜園でも春ものはトウがたち白や黄の花が咲いています。これからは夏のキュウリやナス、青葉やしし唐を植え付けます。

〔短歌〕

「往来の 日ざしをつよみ おちちれる

紙片(かみきれ)まぶし 夏ならんとす」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹の 茎にみなぎり 来し青さ」細見綾子

〔和歌〕

「色ふかく にほへる藤の 花ゆへに

残りすくなき 春をこそ思へ」

源公忠朝臣・玉葉278

「濃く美しい色に咲いている藤の花を見るにつけて、残り少なくなった春を、つくづく惜しく思います。」

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2012年4月29日 (日)

般若寺 春の花だより   4・29

◎初夏のコスモス(早咲種):13品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪5~7月≫

◎山吹:一重咲、八重咲、白山吹 ≪満開≫

・椿、シャガ、紫雲ラン、矢車草、花菱草、

牡丹、カラタネオガタマの木、など≪見ごろ≫

・牡丹、鉄線、黄菖蒲、山アジサイ、空木、など≪5月≫

・紫陽花、未草、など≪6月≫

*きのうは気温が30度ありました。暑かったですね。空気もからからに乾いています。鉢植えには水やりが必要な季節となってきました。

*境内を歩いているとぷーんとバナナのにおいが漂ってきました。いよいよ「バナナの木」(カラタネオガタマ)が咲きだしました。花は2,3センチあって結構大きいのですが、色がクリームがかった黄緑色で葉と見分けがつきにくい保護色をしています。匂いがなければ花が咲いていることに気づきません。

この木は江戸時代に中国から伝わったもので、漢名では「含笑花」(ガンシュウカ)と言い、含み笑いをしているように花が開き切りません。日本原産の「オガタマの木」(招魂木)と区別して「唐種おがたま」「唐おがたま」と言います。寺や神社に植えられることが多いです。

〔短歌〕

「夕ぐれの 灯まだひからぬ 縁日に

草花のいろの あざやかに見ゆ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〔和歌〕

「おしと思ふ 人のこころし をくれねば

ひとりしもやは 春のかへらむ」

皇太后宮大夫俊成・風雅299

「春の去るのを惜しいと思う人間の心が、遅れずについて行くから、たった一人でなんか、春は帰っていくわけじゃありませんよ。」

・詞書:「花はみな 四方のあらしに さそはれて

     ひとりや春の けふはゆくらん」法印静賢の歌に対して詠んだ。

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2012年4月28日 (土)

般若寺 春の花だより   4・28

◎初夏のコスモス(早咲種):13品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪57月≫

◎山吹:一重咲、八重咲、白山吹 ≪満開≫

・八重桜、椿、シャガ、グミなど ≪満開≫

・矢車草、牡丹、紫雲ラン、花菱草、ツルニチニチ草、≪見ごろ≫

・黄菖蒲、山アジサイ、空木、など ≪5月≫

・紫陽花、未草、など ≪6月≫

*今日から連休、ゴールデン・ウィークの始まりです。初日の今日は絶好の行楽日和です。古都奈良は大勢の観光客でにぎわうことでしょう。青空のもと野山を歩くもよし、水辺で涼風に吹かれるもよし。美術館でゆっくり芸術を鑑賞するのも心のリフレッシュになります。

花の名所は桜から牡丹、シャクナゲなどへ移り変わっています。

当寺の山吹はあと数日は大丈夫です。しかし早く咲いた一重咲はもう散っています。八重咲も強い日差しで花が萎れているのもあります。

つづいて矢車草や花菱草、紫雲ランなど5月の花が咲きだしています。

*今日から56日まで「春の秘仏特別公開」をおこないます。秋は毎年恒例ですが、春は臨時です。参詣者のご要望が大きいので連休中はできるだけ毎日開くことにします。

*今日はお不動様のご縁日で、午後1時から護摩供を厳修いたします。

〔短歌〕

「照りとどまる 春の日輪 庭の奥に

緋木瓜(ひぼけ)の花の 熱(ほてり)に倦(う)める」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〔和歌〕

「ぬれてをる 藤の下かげ 露ちりて

春やいくかの 夕ぐれの雨」

前大納言基良・玉葉277

「雫に濡れながら折る、藤の花の下陰にも露が散って、あの業平の歌さながらに、春はあと何日か、と名残惜しく思われる日の、夕暮の雨よ。」

参考歌:「ぬれつつぞ しひて折りつる 年の内に

春はいくかも あらじと思へば」

業平・伊勢143、古今133

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2012年4月27日 (金)

般若寺 春の花だより   4・27

◎初夏のコスモス(早咲種):13品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪5月~7月≫

◎山吹:一重咲、八重咲、白山吹 ≪満開≫

・八重桜、椿、グミ、シャガ、など ≪満開≫

・矢車草、牡丹、紫雲ラン、花菱草、鉄線、空木、

黄菖蒲、山アジサイ、など ≪5月≫

・紫陽花、未草、など ≪6月≫

*春の花は寿命が短いです。桜に始まり椿、山吹と順々に咲いてきました。雨風が多いので花も傷みやすいです。山吹はあと数日でしょう。

*これからのコスモスはもともと秋に咲く花です。太陽光の日照時間が短くなると、冬が来ることを察知するのか花を咲かせ実をつけます。こういう性質を短日性開花と言います。奈良ではだいたい秋のお彼岸ごろから咲きだし1010日ごろ満開になります。

それに対し、5月末から7月にかけて咲くコスモスは品種改良により短日性を無くしており、適度な温度さえあれば一年中咲くことができます。その代表種がセンセーションというコスモスです。ほかにベルサイユ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、ソナタなどがあり、花の形もさまざまです。

早咲のコスモスは呼び名はいろいろで定まっておりません。「春咲きコスモス」と呼ばれることが多いです。しかし4月に咲くのであればそれでいいのでしょうが、5月も末頃に咲くのでは春咲きとは言えません。それで当寺では「初夏咲きコスモス」とか「初夏のコスモス」と言っています。この種類を植えだしてまだ10年あまりと歴史が浅いので名前も定着していません。

そのため一般にはあまり知られていません。初夏のコスモスが一般に知れ渡るまではあと10年はかかりますね。

〔短歌〕

「枳殻(からたち)の かたくかぐろき 刺(とげ)の根に

黄いろの芽あり 春たけにけり」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「花の鹿 はこぶ脚線 ととのへり」渡辺水巴

〔和歌〕

「行きてみん 深山がくれの をそざくら

あかず暮れぬる 春の形見に」

藤原長能・風雅297

「行ってみようよ 、山奥にひっそりとかくれて咲く遅桜を、十分味わい切らないうちに終わってしまった春の形見として。」

・あかず=飽かず。満足し得ずに。

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2012年4月26日 (木)

般若寺 春の花だより   4・26

◎初夏のコスモス(早咲種):13品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪57月≫

◎山吹:一重咲、八重咲、白山吹 ≪満開≫

・八重桜、椿、シャガ、利休梅、シキミ、グミ≪満開≫

・矢車草、牡丹、花菱草、紫雲ラン、鉄線、空木、

山アジサイ、など≪5月≫

・紫陽花、未草、など≪6月≫

*今日は雨、しっとりと落ち着いた風情です。

歌人木下利玄さんが「金のさかづき」と形容した花菱草が咲きだしました。この花は別名「カリフォルニア・ポピー」といい、アメリカから入った花です。花の形が菱形をしているのでこの名がついたのでしょう。花の黄色が陽光を浴びて金色になります。

また矢車草も咲いています。花の形が鯉のぼりの上につく矢車の形をしています。当寺では半自生の花で種がこぼれいたるところに咲きます。花の色は紺色、紫、白、赤です。

それから紫雲ラン、これはリナリアの野生種です。十三重石塔の基壇石畳の隙間に生育しています。もともと小鳥が運んできた花で毎年種がこぼれ一人生えしています。背丈20センチほどの紫色の花が石畳を覆いつくし、さながら紫雲(お香の煙)がたなびいているように見えます。卒塔婆はお釈迦様のお舎利(遺骨)をまつっていますから紫雲たなびいて仏さまへの供養となります。

〔短歌〕

「鉢植の 草花のにほひ 昼ふかみ

ひそまれるわれに ときどきせまる」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「八重もまた 散る山吹と なりしかな」荒木玉章

〔和歌〕

「花鳥の 色ねもたえて 暮るる空の

霞ばかりに 残る春かな」

権中納言公雄・玉葉275

「花と鳥の、色も声音も絶えはてて、暮れて行く空の霞だけに、わずかに残っている春の情趣よ。」

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2012年4月25日 (水)

般若寺 春の花だより   4・25

 

◎初夏のコスモス(早咲種):13品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪57月≫

◎山吹:一重咲、八重咲、白山吹 ≪満開≫

・八重桜、椿、シャガ、利休梅、シキミ、グミ、≪満開≫

・矢車草、牡丹、花菱草、紫雲ラン、鉄線、空木、

            山アジサイ、黄菖蒲、 ≪5月≫

・紫陽花、未草、 ≪6月≫

*春爛漫の中、きょうは当寺の御本尊文殊菩薩さまのご縁日で、午後1時半より「文殊会式」(もんじゅえしき)を営みます。午前中は諸々の所願成就を祈る御祈祷とご先祖の菩提を祈る塔婆供養を行います。今年は久しぶりに護摩供もありますのでにぎやかになりそうです。

「みほとけの めぐみもふかき 般若台

ももの願ひを かなへたまわむ」般若寺御詠歌

当寺文殊菩薩の霊験譚を一つ。

鎌倉時代の正安2年(1300)東大寺の門前てがい郷に住んでいた刀鍛冶の包永(かねなが)が良い刀を作りたくて般若寺の文殊さまへ願をかけ日参していたところ、ある夜一人の童子があらわれて刀を鍛えるのを手伝ってくれたそうです。そのおかげで素晴らしい名刀が出来上がりました。

包永はその名刀を持って般若寺へお礼参りしたとき、寺の住持からその童子は文殊の化身であり信心の深さを見た文殊さまが助けられたのだと諭され、寺から「文殊四郎包永」(もんじゅしろうかねなが)の名を授けられたのです。以後、子孫は代々文殊四郎包永を名乗っています。

現在寺には刀は伝わりませんが、文殊家の系図が残っています。戦国時代、奈良と堺を支配した松永久秀の時、文殊家は堺へ移住させられ刀と鉄砲の鍛冶師として活躍したそうです。文殊家はいま全国に散らばっていますが、奈良には一軒だけ「文殊庵飯田家」として存続しておられます。

〔短歌〕

「大地(おほつち)に 陽炎粘(かげろうねば)し 春の日の

わがみち行きの ほとほと倦(う)める」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「散りたまる 花や般若の 紙の向き」向井去来

〔和歌〕

「なにとなく みるにも春ぞ したはしき

しばふにまじる 花の色々」

後伏見院御歌・風雅291

「何という事なしに、見るにつけて暮れて行く春が惜しまれる。芝生にまじり咲く、名も知れぬ花の色とりどりの姿よ。」

・参考歌「なにとなき 草の花さく 野べの春 雲にひばりの 声ものどけき」

     永福門院・風雅132

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2012年4月24日 (火)

般若寺 春の花だより   4・24

初夏のコスモス:13品種。5万本。≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス ≪5~7月≫

◎山吹:黄色一重咲、黄色八重咲、白山吹 ≪満開≫

・八重桜、椿、シャガ、利休梅、シキミ、グミ、≪見ごろ≫

・矢車草、牡丹、花菱草、紫雲ラン、鉄線、空木、山アジサイ≪5月≫

・紫陽花、未草 ≪6月≫

*晴れ、黄砂が来ているので春霞になりました。きのうから気候が5月になってしまったようで外で動き回ると汗ばんできます。いよいよ春もたけなわとなってきました。

庭の山吹は完全に満開になりました。散る直前の今こそ最高の状態です。

桜も遅咲きの白い花が満開です。それと木はまだ小さいですが、「奈良の八重桜」も盛りです。これは地元のバス会社、奈良交通が創業50年の時寄贈されたものです。

そのほか野の花、踊子草や金鳳花、黄蘭草、タンポポも咲いています。

コスモスの方はまだまだ小さいですが、早くもピコティという種類が咲きだしました。これからは気温上昇とともに成長の速度がはやまるでしょう。

文殊会式を明日にひかえて今日は忙しくなりそうです。

〔短歌〕

「春山の 雑木の花の 黄いろきを

見あげてわれは ふもとゆくかも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「川波に 山吹映り 澄まんとす」高浜虚子

〔和歌〕

「花はちり 鳥はまれなる 比にしも

さくやまぶきは 心ありけり」

前大僧正仁澄・玉葉271

「桜は散り、鶯の声もほとんど聞かれなくなってしまった頃に、ちょうど咲く山吹は、いかにも思いやり深い感じだなあ。」

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2012年4月23日 (月)

般若寺 春の花だより   4・23

◎初夏のコスモス(早咲種):13品種。5万本。≪5月末~7月≫

チョコレートコスモス: ≪57月≫

◎山吹:黄色一重咲、黄色八重咲、白山吹 ≪満開≫

・八重桜、椿、シャガ、利休梅、シキミ、グミ≪見ごろ≫

・矢車草、牡丹、花菱草、紫雲ラン、鉄線、空木、などは≪45月≫

・アジサイ、ヒツジ草、などは≪6月≫

*今月25日は当寺のご本尊文殊菩薩さまのおまつり、文殊会式です。

一切経を転読したことから別名「一切経転読供養」とも言います。

鎌倉時代、西大寺の叡尊興正菩薩が発願して造顕された丈六文殊菩薩騎獅像が完成した文永4年(1267)からつづく伝統行事です。今年で746年目になります。

この法要では文殊さまの仏徳を称え、参詣者の諸願成就を祈念します。文殊さまは知恵第一の菩薩で私たちにに智恵を授けてくださいます。子供の学業成就だけでなく、近年は、熟年者が物忘れをしないように御利益を願われる方も多くなってまいりました。

25日の頃は山吹の花が満開になり仏様にお供えする香華の花となるでしょう。

「散りたまる 花や般若の 紙の向き」向井去来

八重桜、シャガの花も満開です。きれいな花々で仏様も喜んでいただけることと思います。

〔短歌〕

「草山の 低き雑木が 新芽ふく

枝のさきさき いのちかへり来(き)」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山路来て なにやらゆかし すみれ草」松尾芭蕉

〔和歌〕

「ちりうける 山のいはねの ふぢつつじ

色にながるる 谷川の水」

永福門院・風雅288

「散り浮いている、山の岩の根方あたりの藤やつつじの花が、美しい色どりとなって流れて行く、谷川の水よ。」

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2012年4月22日 (日)

般若寺 春の花だより   4・22

◎初夏のコスモス(早咲種): 12種類、5万本、≪5月末~7月≫

・チョコレートコスモス: ≪57月≫

◎山吹:黄色一重咲、黄色八重咲、白山吹≪見ごろ≫

・桜、椿、シャガ、グミ、利休梅、ツルニチニチ草 ≪見ごろ≫

・矢車草、紫雲ラン、黄菖蒲、空木、山アジサイ、などは45

・アジサイ、ヒツジ草、などは6

*今日も雨です。この頃お休みの日は雨が多いですね。

いま境内でいろいろ咲く花の中で、最もお寺にふさわしいのは樒(しきみ)の花と華鬘草(けまんそう)ではないでしょうか。樒は仏様に供える花の代表で、寺には必ず植えられています。花よりも枝葉を供えます。花や葉は心を静めるよい薫りをもち、木の軸はお線香の材料に使われます。やはり仏花の代名詞ですね。別名「香の木の花」とも言います。

「ゆかしさよ しきみ花さく 雨の中」与謝蕪村

また華鬘草は花の形がお堂の欄間などに掛ける金銅や木製の飾り仏具、華鬘に似ているところからついた名です。その起源はインドの装身具である「花づな」からきています。花はハート形で一本の茎に連なって咲きます。ピンク色と白色の2色あります。またその形が鯛を釣り上げているようなので「鯛釣り草」とも言われます。

「華鬘草 是や浄土の 春の花」松江重頼

よく似た名前の「紫華鬘」(むらさきけまん)は野山に自生している山野草です。

〔短歌〕

「木の花の 散るに梢を 見あげたり

その花のにほひ かすかにするも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「遠くより 見てゐし雨の 濃山吹」稲畑汀子

〔和歌〕

「桜ちり 春のくれ行く 物思ひも

わすられぬべき 山吹の花」

皇太后宮大夫俊成・玉葉270

「桜が散り、春が暮れて行くのを惜しむ憂鬱さも、思わず忘れてしまいそうな程美しい山吹の花よ。」

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2012年4月21日 (土)

般若寺 春の花だより   4・21

◎初夏のコスモス(早咲種):12品種、5万本、≪67月≫

◎山吹: 黄色一重咲、黄色八重咲、白山吹≪見ごろ≫、

・桜、椿、利休梅、グミ、シャガ、ツルニチニチ草 ≪見ごろ≫

・矢車草、紫雲ラン、黄菖蒲、空木、などは45

・山アジサイ、アジサイ、などは6

*本日は真言宗開祖の弘法大師の御命日、「御影供(みえいく)」です。お大師さんは承和2年(835)旧321日高野山で御入定(ごにゅうじょう)されました。大師の遺徳をしのぶ「御影供」は、延喜10年(910)、般若寺僧正観賢師が東寺で始められ、のち全国の真言寺院にひろまりました。

*当寺の初夏咲きのコスモスは順調に育っています。

この時期に咲くのは早咲品種です。品種名を並べその特徴を記しますと、

センセーション―赤白ピンク3色の普通の八弁化、

シーシェル―花びらが巻貝のように筒状、三色

ピコティ―ピンク地に白の斑が入る

ベルサイユホワイト―厚みのある花で純白

ベルサイユピンク―鮮明なピンク色

ベルサイユレッド―鮮明な赤色、

サイケ―花芯から小さな複弁が出る、三色

ソナタ―背丈が低いが花数が多い、

あかつき―白とピンクのまだら模様

スカーレット―黄花コスモスで緋色

ダブルクリック―菊咲きの豪華な花、白とピンク

ピンクポップソックス―菊咲きや花芯が大きくなるなど変化ある、ピンク色

と以上12種品種です。すこしおくれて種まきをしたのもあるので全部で20種になるかもしれません。

〔短歌〕

「花菖蒲 かたき莟は 粉しろし

はつはつ見ゆる 濃むらさきはも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「日と空と いづれか溶くる 八重桜」渡辺水巴

〔和歌〕

「やまぶきの 花の露そふ 玉河の

ながれてはやき 春の暮哉」

後鳥羽院御歌・風雅281

「山吹の花に置く霜も加わる、清らかな玉川の流れの早さのように、月日もとどまらず流れて、早くも迎えた春の暮であるなあ。」

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2012年4月20日 (金)

般若寺 春の花だより   4・20

◎山吹: 黄色一重咲、黄色八重咲、白山吹 ≪見ごろ≫

・シャガ、利休梅、グミ、キランソウ、ツルニチニチソウ≪見ごろ≫

・山アジサイ、矢車草、紫雲ラン、牡丹、黄菖蒲、空木、などは4~5月

◎初夏のコスモス(早咲種):10品種、5万本、6~7月

・チョコレートコスモス ≪5~6月≫

・アジサイ: ≪6月≫

*昨夜から降り出した雨が今日一日つづきそうです。

花に雨といえば「無情の雨」と言われます。しかし外で濡れなければ「風情の雨」かもしれません。

明治34年(1901)、正岡子規が35歳で死を迎える前の年に詠んだ山吹の俳句があります。

「山吹や 三角の蕾 一列に」

「山吹の 雨やガラスの 窓の外」

長らく胸の病でふせっていた子規は、『病床六尺』『病臥漫録』という小説や日記を残しています。病の中でも作家としての客観的で冷静な目を失わず、自身と周囲を見つめていました。この山吹の二句は病床の部屋から見える庭景色をとらえた生命讃歌であり、ほのぼのとした春の風情が感じられます。

〔短歌〕

「かがまりて わが息づかひ したしもよ

菖蒲の(あやめ)の花の かさなりて見ゆ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹も 八重のおくるる 莟かな」後藤夜半

〔和歌〕

「やへにのみ ありと見えつる 山吹の

ここのへちかく さきにける哉」

壬生忠見・玉葉269

「八重だとばかり思っていた山吹が、まあ九重の宮中近く咲いたことよ。」

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2012年4月19日 (木)

般若寺 春の花だより   4・19

◎山吹: 黄色一重咲 ≪満開≫

黄色八重咲 ≪五分咲き≫

白山吹 ≪咲きはじめ≫

◎桜・椿: ≪満開~散りはじめ≫

・桃、シャガ、利休梅、グミ、ツルニチニチソウ≪見ごろ≫

・矢車草、紫雲ラン、空木、などは4~5月

◎初夏のコスモス(早咲種):10品種、5万本、5月下旬~7月見ごろ

・チョコレートコスモス:5月~7月

*今日は晴れ。しかし週末はお天気が崩れる予報です。

奈良市中の川の新情報です。「牛塚」の北の方に「護摩石」という石造遺物があることを最近知りました。さっそく石造美術に詳しい縄田雄一氏に尋ねてみると、牛塚から山の中へ入るので案内がないと見つからないとのことでした。

そこで、縄田氏からいろいろデータを拝借しました。写真を見ると、一個の大きな石がきれいな加工を施されています。下は円形、上は正方形。大きさは1メートル四方。上面には50センチ角の真四角の穴を掘っています。そして四隅の角に鍵型のほぞ穴があります。不思議な石です。これはいったい何でしょうか。

用途は何か、可能性をいろいろ考えてみました。

 お堂など建物の礎石か。しかし普通は、ほぞは上に突起があるのにへこんでいる。そして一個しかない、など可能性は低い。

 護摩炉か。しかし穴が浅すぎるようです。火を使った痕跡はないそうです。

 石碑の台石か。この台に立つとしたら相当大きな碑でしょうから、残がいが付近に残っているはずです。なにも見当たらないそうです。

 金属製の塔の台座か。本体は石かもしれないが、四隅の鍵型のほぞ穴は金属製の支柱のようなものが差し込まれたのかも。

いまのところ答えは出ていません。謎めいた石です。製作年代は、風化の具合からして鎌倉時代以前と考えられるでしょう

この石がある道は本通りからは外れていますが、縄田氏によれば、護摩石のある細い道は浄瑠璃寺の南側、「水のみ地蔵」の前を通る「伊賀越え伊勢街道」であったそうです。そういえば、浄瑠璃寺は現在北に門がありますが、解脱上人貞慶さんは南大門を建てていますから、南からの入口が正門であったのです。寺への参詣道にありますから、浄瑠璃寺に関係する門標石のようなものが立っていたのかもしれません。

しかし修験道の山林修行の遺跡である可能性も残ります。当尾の里には山間の修行場が多くあり、石造遺物が豊富ですから。

一度行ってみたいです。縄田氏にはご案内をお願いしています。

〔短歌〕

「昼山の 松ふく風の 音澄めり

あかるき道を 一人しあゆむ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「雨に咲く 山吹の黄の めさむる黄」山本岬人

〔和歌〕

「吹く風に とまりもあへず ちるときは

やへ山吹の はなもかひなし」

藤原興風・風雅280

「吹く風のために、とどまろうとしてもとまりきれず散る時は、八重山吹の花といっても、花びらの沢山あるかいもないことだ。」

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2012年4月18日 (水)

般若寺 春の花だより   4・18

◎山吹: 黄色一重咲 ≪見ごろ≫

黄色八重咲 ≪五分咲き≫

白山吹 ≪咲きはじめ≫

◎桜・椿: ≪満開~散りはじめ≫

・桃、シャガ、グミ: ≪見ごろ≫

・矢車草、鉄線、黄菖蒲、紫雲ラン、空木、花菱草、などは

          ≪4月~5月≫

・山アジサイは5月、アジサイは6

◎初夏のコスモス(早咲種):10品種、5万本、6月~7月中旬見ごろ

*晴れ。朝方、霜注意報が出されていたので、コスモスを心配しながら起きて、庭へ出て安心。霜はどこにもありません、きっと東の山間地でのことでしょう。奈良の東山中は寒いとこです。

山アジサイの小さな莟が見えてきました。山アジサイは紫陽花の原生種で日本の山に自生しています。花は小さく5センチ内外、かわいい花です。額咲き、てまり咲き、額も一重と八重、色は赤、青、紫、白、緑などと色とりどりです。もともとうっそうとした森に生えているので日当たりは苦手、半日陰を好み水は欠かせません。ふつうの紫陽花に先立って咲くので春の花に数えてもいいでしょう。

初夏のコスモスは植え付けがほぼ終わりました。あとは草取りをして見守るだけです。真夏のような暑さはないので葉も青々としています。今年は初夏の分は10品種、チョコレートコスモスもあります。

〔短歌〕

「どんよりと 春日かすめり 桃畑の

土のかわきに 枝かげ淡く」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

〔和歌〕

「雪とのみ 桜はちれる このしたに

色かへてさく やまぶきの花」

民部卿為世・玉葉267

「雪としか見えないように、桜はすっかり散ってしまった木の下に、これはまた色を変えて、美しく咲く山吹の花よ。」

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2012年4月17日 (火)

般若寺 春の花だより   4・17

◎桜: ≪満開・散りはじめ≫

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、桃、利休梅、グミ ≪満開≫

・シャガ、ツルニチニチ草 ≪見ごろ≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪見ごろ≫

黄色八重咲 ≪五分咲き≫

白山吹 ≪咲きはじめ≫

・矢車草、紫雲ラン、牡丹、などは4

・鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*春のお天気は変わりやすいです。晴れ、曇り、雨を繰り返しています。きのうなんかは、天気予報では曇りで雨はふらない予報だったのに、夕方からザアーッときつい降りでした。今日はどうなることやら。

きのうは以前から予定していた石塔巡りに行きました。行先は京都府八幡市の石清水八幡宮のある男山ふもと、八幡宮寺五輪塔です。ここへ行ったのは何十年も前のことで、すぐには見つけられませんでした。古い参詣道の和菓子屋で聞くと八幡宮の下社の西横、神応寺の門の近くにありました。神社に五輪塔とは、不思議に思われるかもしれませんが、実はこの石清水八幡宮はほとんど寺だったのです。八幡宮寺と呼ばれました。

これは巨大な五輪塔です。高さ6メートル、地輪部が一辺24メートルと圧倒される大きさです。重量はどれほどあるのでしょうか。般若寺の石塔との比較では、地輪部は20トン近く、全体では780トンはあるでしょう。鎌倉時代の作ですが、誰が何時、何のために造ったのかは不明です。こんな大きな石なのに銘文を全く刻んでいないし、文献にも出てこないのです。ただ伝承では大阪の方の海運商人が航海安全を祈って建てたといい、「航海記念塔」と言い伝えています。

しかし、形状や石材から見ると奈良近辺の五輪塔とよく似ています。おそらく宋人・伊行末(いのゆきすえ)派の作品ではないかと思われます。この石清水八幡宮寺はかつて真言律宗、西大寺とも深いつながりがありました。山内に末寺がありましたし、叡尊の弟子には八幡宮寺の検校法印の弟、慈済(じさい)がいました。

塔の近くには墓はありませんから惣墓の供養塔でもなさそうですが、いずれにしても誰か(複数)の追福を祈る供養塔には違いありません。石清水八幡宮に関係する人々の総供養塔として、西大寺流律僧たちが勧進して資財を集め、宋人石工集団を使って造立したのでしょう。鎌倉時代の日本最大の五輪塔に八幡宮寺の経済力の大きさがうかがえます。

*明治の廃仏以後「石清水八幡宮」となっていますが、かつては神社と寺が一体であり、山内に多くの寺院が立ち並んでいました。そのころは全体を「石清水八幡宮寺」と呼んでいました。

〔短歌〕

「この見ゆる 麦生(むぎふ)の春日 おもくるし

稍(やや)ひさしくて 風醸(かも)されぬ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹の いと濃きありて 遠くにあり」相馬黄枝

〔和歌〕

「我がやどの やへ山ぶきは ちりぬべし

花のさかりを 人のみにこぬ」

藤原元真・風雅278

「私の家の八重の山吹は(誰も見ないで)散ってしまうでしょうよ。こんなに見事な花の盛りを、あの方は見に来ないなんて。(ほんとにひどいわ)」

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2012年4月16日 (月)

般若寺 春の花だより   4・16

◎桜 ≪満開・散りはじめ≫

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、利休梅、シキミ、グミ ≪満開≫

・シャガ、矢車草、ツルニチニチ草 ≪見ごろ≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪五分咲き≫

     黄色八重咲 ≪三分咲き≫

     白山吹 ≪咲きはじめ≫

・紫雲ラン、牡丹、花菱草、などは4

・鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

今日は朝から曇り空、温い朝です。

桜の花は早いのは散りはじめ、あと咲きのものはいま満開です。

山吹は次々に咲き、半分ほど開花してきました。緑の葉っぱに濃い黄色が目を引いています。

早咲のコスモスの植え付け作業は5万本のうち6割がた出来上がりました。背丈はまだ1015センチていど、この間から雨が多いのでうまく根付いたようです。降霜もなくシートかけの必要がなくて楽をさせてもらっています。まだまだ油断禁物ですがコスモスの成長を見守る日々がつづくでしょう。

矢車草は、昔から生えている半自生のものと、新しく種をまいたものも大きくなり頂上から花が咲いてきました。

カリフォルニアポピー、和名で花菱草、大株は花壇を耕したとき消えてしまったのですが、小さいのがたくさん出ていま成長段階です。花は金色の盃、と木下利玄さんは表現されました。

春の花々は生命の息吹を感じさせています。

〔短歌〕

「夕山の 新芽にまじる さくらの花

明るみながく のこりてゐるも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「大空へ うすれひろがる 落花かな」松本たかし

〔和歌〕

「さきいづる やえやまぶきの 色ぬれて

桜なみよる 春雨の庭」

従三位為子・玉葉266

「咲きだした八重山吹の色が、雨にぬれて一そう濃く、庭面を流れる雨水に散り浮いた桜の花びらが波のように揺れ動く、春雨の庭よ。」

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2012年4月15日 (日)

般若寺 春の花だより   4・15

◎桜、椿: ≪満開≫

・レンギョウ、利休梅、黄水仙、沈丁花 ≪満開≫

・矢車草、シャガ ≪咲きはじめ≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪五分咲き≫

黄色八重咲 ≪三分咲き≫

白山吹 ≪咲きはじめ≫

・紫雲ラン、牡丹、桜草、チョコレートコスモス、などは4

・鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*今日は晴れ、最後のお花見日和です。外へ出て春の空気を存分に吸ってください。

先月から中の川上人・実範さんのことを調べ出して何かいい書物がないかと探しているうちに、『念仏式の研究―中の川実範の生涯とその浄土教―』という本が見つかりました。これは佐藤哲英さんという浄土真宗本願寺派(お西)の宗門大学である龍谷大学の先生が書かれたものです。先生は龍谷大学の名誉教授で本願寺勧学でもあり浄土教研究の権威であったようです。昭和4741日に百華苑という出版社から出ています。私はその頃龍谷大学の大学院へ通っていたので目にしたことがあったのかもしれませんが、何分浄土教には関心がなかったので買っていませんでした。定価1500円で出たのが、今や古書で12500円にもなっています。思い切って購入しました。

昨日届いたのでさっそく読んでみると、実範さんは中川寺では法相宗、真言宗、天台宗、律宗、声明を研鑽され、寺は奈良では珍しい純粋の密教寺院の伽藍を建立されたようです。さらに晩年は南山城の棚倉の山中にあった東大寺の別所的な寺院、「光明山寺(こうみょうせんじ)」に住され、浄土教の研究に専念されました。その書物が龍谷大学に所蔵されている『念仏式』です。長承4年(1135)、実範さんの弟子、覚聖(かくしょう)が書写されています。これは前段が欠けているのですが、現在、国の重要文化財に指定されています。『念仏式』は略称で、正式には『往生論五念門行式』といい、インドの世親(バスバンドゥ)作の『浄土論』で説かれる浄土教の実践法、「五念門」を解説した注釈書です。それは礼拝門、讃嘆門、作願門、観察門、廻向門の五段階を言います。実範さんは奈良の浄土教、真言の浄土教、天台の浄土教を幅広く取り入れ独自の浄土信仰を説かれています。本当に碩学であったお坊さまですね。これほどの間口と奥行きを持った方は稀な存在です。

それからまだ未見で是非拝見したい論文は、東大寺の僧綱という役職で学者でもあった堀池春峰先生の『大和中川寺の構成と実範』(仏教史学64)です。1957年の刊行ですから、ずいぶん古い研究誌で手に入らないでしょうから折を見て東大寺図書館で調べようと思います。

〔短歌〕

「水ぐるま 近きひびきに 少しゆれ

少しゆれゐる 小手鞠(こでまり)の花」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〔和歌〕

「鶯の きなく山ぶき うたがたも

君がてふれず 花ちらめやも」

よみ人しらず・風雅279

「鶯の来ては鳴く、山吹の花よ。本当にまあ、あの方が(来ても下さらず)手を触れもしないで花が散ってしまうなんて事があるだろうか。いや、そんな事はあり得ないよ。」

・万葉集3968

・うたがたも=本当に。決して(・・・ない)。

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2012年4月14日 (土)

般若寺 春の花だより   4・14

◎桜、椿: ≪満開≫

・レンギョウ、黄水仙、桃、グミ、ツルニチニチ草 ≪満開・見ごろ≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪五分咲き≫

     黄色八重咲、白山吹 ≪咲きはじめ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、桜草、などは4

・矢車草、鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*朝から雨です。花散らしの雨でないことを願います。

本日、午後2時半から「若草公民館」で「佐保川診療所」の集いで講演を依頼されました。地元の方が中心ですので身近な「佐保川地域の歴史と文化財」という題でお話しさせていただくことにしました。以下に話の内容とするメモを記します。

この地域は日本でも有数の長くて豊かな歴史と文化財を秘めています。

[ふる里の山、河、道に歴史あり]

・山―若草山、三笠山、春日山、

奈良山:佐保山、多聞山、黒髪山、

文殊山、北山、

・河―佐保川、吉城川

・道―京街道(東京極路、山の辺道の延長)、

佐保路(一条通)、二条大路(平城京の朱雀門へ通ず・油留木、鍋屋)

伊賀・伊勢道(般若寺から東へ)、梅谷道(浄水場のある平野から北へ)

・坂道―奈良坂(般若坂、千坊坂、東の坂、大日坂)

・東大寺の門―南大門、西大門(二条大路門、正門であり最大規模)、中御門(焼け門)、転害門(一条大路)、北御門

・町―東大寺門前七郷(中世東大寺境内と門前町の町衆による自治組織)

・町名地名:鼓阪、雑司、今在家、手貝、北御門、川上、雑司、油蔵、伴墓、水門、押上、今小路、中御門、川窪、包永、笹鉾、後藤、油留木、今在家、東の坂、興善院、般若寺、奈良坂、中の川 など 

・新しい町:青山、奈保、飯盛、

・学校―鼓阪小学校(東大寺尊勝院跡、坂は正倉院の敷地内にあり)

若草中学校(多聞山城跡、聖武天皇・光明皇后陵を含んでいる

―眉間寺跡、多聞町、呉竹町)

[歴史文化遺産]

・国宝:東大寺転害門、正倉院、般若寺楼門

・重要文化財:奈良女子大建築、般若寺建築と仏像、工芸、文書、

西福寺仏像 五劫院仏像、

・奈良県・奈良市指定文化財:奈良豆彦神社、氷室神社、手向山八幡社、

・未指定:奈良少年刑務所、佐保川石橋、祇園社、吉城川川床石敷き、

旧水道局計器建造物、女子大前旧交番、

・古典文学:万葉集、保元物語、平家物語、太平記、

・近現代文学:宮本武蔵(吉川英治)、平城山を越えた女(内田康夫)、

奈良五十首(森鴎外)、南京新唱(会津八一)、

・史跡:多聞城址、佐保山陵、奈保山陵、北山十八間戸、

〔短歌〕

「恋ゆゑに 人をあやめし たをや女の

墓ある寺の 紅梅の花」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「一花だに 散らざる今の 刻止まれ」林翔

〔和歌〕

「のどかなる いりあひのかねは ひびきくれて

をとせぬ風に 花ぞちりくる」

前参議清雅・玉葉259

「のどかな入相の鐘の音は、夕暮の空に静かに響きつつ消えて行き、音もせぬ風に誘われて、一ひら二ひら、花が散って来る。」

・ひびきくれて=鐘の音が響く中で、次第にあたりが暮れて行く情景。

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2012年4月13日 (金)

般若寺 春の花だより   4・13

◎桜、椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、桃、シキミ、グミ、

ツルニチニチ草 ≪満開・見ごろ≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪五分咲き≫

黄色八重咲、白山吹≪咲きはじめ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、桜草、、などは4

・矢車草、鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*春の陽気に誘われて境内の花が競うように咲いています。桜は遅く咲いた分だけ花は長持ちしています。レンギョウ、山吹、タンポポは黄色の色くらべ、椿と桃は赤と桃色の鮮やかさを見せます。ニチニチ草は紫がかった青色で涼しげです。

そろそろ踊子草が咲いてきてかわいいダンスを見せてくれます。シャガの花も胡蝶花と呼ばれるように蝶蝶のような花です。地獄の釜の蓋と呼ばれるキランソウも濃い青色です。ほんとうに色とりどりの百花繚乱です。

今晩からは天気は下り坂、また雨です。でも草花にとっては恵みの雨です。雨が降るごとに葉が茂り、草丈が伸びます。春雨ですからちょっと我慢しましょう。

〔短歌〕

「顔と顔 よせて行燈の 絵を見るや

桜ににほふ うすあかり哉」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「かへり来て のこる日ざしや 木の芽和へ」藤田汀砂

〔和歌〕

「いそのかみ 故郷にさく 花なれば

むかしながらに にほひけるかな」

中務・風雅169

「ここ、石上布留の古都に咲く桜の花だから、(都はさびれてしまっても)昔のままに美しく咲き匂っているよ。」

・いそのかみ=大和の歌枕、石上。奈良県天理市石上。安康・仁賢両天皇の都の地とされ、石上神宮がある。同地布留にちなんで「古」の枕詞。

・故郷(ふるさと)=大和の歌枕、布留(石上一帯の野・山・川をさす。天理市布留)と、「故郷(古京)」をかける。

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2012年4月12日 (木)

般若寺 春の花だより   4・12

◎桜、椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、桃、シキミ、グミ

ツルニチニチ草 ≪満開・見ごろ≫

◎山吹:黄色一重咲 ≪五分咲き≫

黄色八重咲 ≪咲きはじめ≫

白山吹 ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、桜草、などは4月中

・矢車草、鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*きのうは雨の中を博物館の「貞慶展」に行きました。貞慶の業績を記した年表に、承元三年(1209)「中川寺地蔵院金色一尺六寸釈迦如来像造立の勧進状を起草」との記事があり、両者のつながりを知ることができました。

〈昨日のつづきです〉

〇声明(しょうみょう)の発祥地として有名。

仏教の法要儀式で音楽的にお経を唱えるのは何宗であれ声明(しょうみょう)と言います。日本の声明は大きく分けると天台宗と真言宗の二つ、さらに天台からは融通念仏宗、浄土宗、浄土真宗にも伝わっています。天台の源流は京都大原勝林院・来迎院です。それに対し真言声明の源流は奈良中の川です。中の川上人・実範から弟子の大進上人・宗観(しゅうかん)へ、さらに孫弟子観験(かんげん)、へと伝えられ、中川寺が声明の本山でありました。大進上人の名を取って「大進流」(だいしんりゅう)または「進流」(しんりゅう)と命名されました。さらに中川寺の慈業(じごう)が住職の時、高野山へ伝えられ「南山進流」として栄えました。現在全国の真言宗ではこの進流の声明により法要を行います。それゆえ中の川は真言宗にとっては聖地と言ってもよい土地です。真言宗にとどまらず、仏教音楽を愛好する人々にとっては心のふる里とも言えます。奈良市が世界に誇れる音楽の源流地です。

2) 貴重な石造文化財

〇牛塚:鎌倉時代東大寺興福寺をはじめ奈良の寺寺の復興事業に用いられた資材(おもに石材)を運んだ牛たちの供養塚。鎌倉時代の立派な石塔、石仏と伊勢信仰の記念碑(1616造)が残る。

〇中の川地区の中心地、辻堂の地蔵石仏(1517造)と共同墓地の五輪塔(鎌倉時代)

〇実範上人の五輪塔:中川寺成身院跡に建つ五輪塔は開基の中の川上人・実範のお墓と伝えられる。鎌倉時代。石塔の周囲の雑木林が寺跡と考えられている。

〔短歌〕

「結べども 桃いろにならぬ 愁(うれひ)かな

くれなゐの紐 白妙(しろたへ)の紐」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「花もはや (う)金桜に 風雨かな」原石鼎

〔和歌〕

「桜花 日ぐらしみつつ けふも又

月まつ程に なりにけるかな」

橘為仲朝臣・玉葉162

「桜花を一日中見ていて、今日もまた日が暮れ、早く月が出ないかと待つほどの時刻になってしまったよ。」

・はふも又=昨日も一昨日もそうであった心を含む。

・月まつ程=月光でなお花を観賞したい気持ち。

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2012年4月11日 (水)

般若寺 春の花だより   4・11

◎桜、椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、シキミ、グミ、

ツルニチニチ草、桃  ≪見ごろ・満開≫

◎山吹: 黄色一重 ≪五分咲き≫

黄色八重咲 ≪咲きはじめ≫

白山吹 ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、などは4月中

・矢車草、鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*今日は一日中雨ですから、ちょっと一服させていただき、奈良国立博物館の『解脱上人貞慶展』へ行ってきます。

*先日連載した中の川地区へのゴミ焼却場移転問題について、地元鼓阪校区連合自治会の会報への原稿を依頼されました。ここに2回に分けて載せます。

〈一回目の分。〉

「中の川地域の歴史と文化財」を守るために

奈良市のゴミ焼却場を中の川地区へ移転する計画は、地域住民の生命と生活に対して重大な悪影響をおよぼすと同時に、この地の持つ歴史と文化財、宗教の尊厳を台無しにし、さらに奈良市が世界に誇りとする歴史文化の豊かな観光都市、古都奈良の名をおとしめることになるでしょう。

1) 中の川地域の重要性

〇古都の歴史と文化財を壊すことになる。

この地は世界遺産東大寺・春日山原生林の保全区域に隣接し、東大寺・般若寺へは2km、京都府側の当尾の里、浄瑠璃寺・岩船寺へは1kmの距離にある。これは

*排出ガスに含まれる塩素系ガスなどは古文化財を酸化、劣化させ、

*煙突を高くすることにより景観破壊が起こる、などの問題がある。

〇観光都市奈良のイメージを損なう。

有名な観光地へのルート上にある。直接には当尾の里(岩船寺・浄瑠璃寺)、笠置山(笠置寺)への道であり、柳生の里(忍辱山円成寺・柳生)への入り口でもある。

2) 中川寺成身院跡と開山実範上人の遺跡

〇遺跡としての重要性。

平安時代、興福寺の学僧であった実範(じっぱん、じつはん)が開いた中川寺成身院(なかのかわでらじょうしんいん)の寺跡がある。実範は参議藤原顕実(あきざね)の子息で、法相宗・真言密教・天台宗・律宗を学び晩年は浄土教をも修められた高僧です。時の摂政関白藤原忠実(ただざね)や左大臣藤原頼長(よりなが)などの帰依を受けられました。また弟子の中には大進(だいしん)上人をはじめ声明(しょうみょう)の大家が出られ、平安後期から鎌倉時代を通じて、奈良における仏教修学の拠点寺院でありました。おしくも明治の廃仏毀釈の際寺は消滅し、五輪塔のみを残し山野と化しています。しかし、地下には貴重な遺構が残ると推定されます。

〈つづきは明日のせます。〉

〔短歌〕

「桃の実の 肌のようなる うぶ毛して

少年の頬の うひうひしさよ」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「二階より 田の赫(かっ)と見え 暮遅き」山田文男

〔和歌〕

「花見にと 春はむれつつ 玉鉾の

みちゆき人の おほくも有るかな」

左兵衛督直義・風雅162

「花見に行くために、春は群れをなして道を行く人々の、本当に多いことだなあ。」

・直義(ただよし)は足利尊氏(たかうじ)の弟。

・玉鉾の=「道」の枕詞。三叉路や村の入口に立てた魔除けの石(玉鉾)から出たという。

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2012年4月10日 (火)

般若寺 春の花だより   4・10

◎椿・桜: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、桃、しきみ ≪満開≫

◎山吹:黄色一重咲 ≪五分咲き≫

黄色八重咲 ≪咲きはじめ≫

白山吹 ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチ草、などは4

・矢車草、鉄線、空木、黄菖蒲、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*ようやく最低気温が9度となり平年に近づきました。それで今朝は霜のおそれはありませんでした。

桜は満開になり春爛漫の様子を見せています。山吹も濃くなってきた緑の中でひときわ鮮やかな黄金色の花を誇らしげに咲かせています。

また桃の花が桜より濃いピンク、桃色で存在感を見せています。

そして樒の花は黄緑色であまり目立ちませんが高い枝一面に咲いています。

いまチョコレートコスモスの促成栽培の苗が数株、こげ茶色の花をつけカカオの香りを発散しています。これから夏にかけて咲き続けます。

早咲コスモスはまだ苗の段階です。今年は種子の品種をとりそろえ、30数種と充実させています。ただしこれからの早咲の分は10種類だけです。秋には全品種を育てますのでお楽しみに。

〔短歌〕

「桐の花 露のおりくる 黎明(しののめ)に 

うす紫の しとやかさかな」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「咲き満ちて こぼるる花も なかりけり」高浜虚子

〔和歌〕

「桜花 あかぬにほひに さそはれて

春は山ぢに ゆかぬ日ぞなき」

前大納言師忠・玉葉160

「桜花の、いくら見ても見あきない色香に誘い出されて、春の季節は山へ花見に行かない日はないよ。」

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2012年4月 9日 (月)

般若寺 春の花だより   4・9

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙: ≪満開≫

◎桜: ≪五分咲き≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪五分咲き≫

黄色八重咲 ≪咲きはじめ≫

白山吹 ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチ草、などは4

・矢車草、鉄線、空木などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*きのうの日曜日はほんとうによいお天気でした。少し冷たい風がありましたがこの春一番の行楽日和だったのではないでしょうか。

桜、椿、モクレンなどが見ごろとなり花の名所はどこともに大変な人出でした。

しかし昨夜の夜桜見物はまだ寒かったでしょう。今晩あたりがよさそうです。

当寺では山吹が咲き出しました。黄色の一重咲は五分咲き程度、八重咲は枝先に二三輪の黄色い花が見えてきました。今年の花はなんでも遅れ気味です。でも咲き出すと早いですね、あっという間に五分から満開へと移ります。遅れを取り返そうとするかのように咲きます。

当寺では、今桜の花の下で、毎日早咲コスモスの植え付けをしています。予定の5万本の半分ほどは植えました。今年の春は気温が低く毎日ほど霜が降りています。いつもでしたらもう植え付けは終っているはずなんですが。霜のことを考え半分だけにひかえています。霜の心配がなくなれば一気に植えるつもりです。

やっぱり例年に比べ今年は寒いです。何十年もコスモスを育てていると気候の変動がよく分かります。夏も冬も少しおかしくなっていますね。この異常な気象が地球温暖化の表れでないことを願うばかりです。

〔短歌〕

「愛に酔ふ 雌蕊雄蕊を 取りかこむ

うばらの花を つつむ昼の日」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「鉢の土 かわきてかなし 桜草」富安風生

〔和歌〕

「ゆくすゑの はなかかれとて 吉野山

たれしら雲の 種をまきけん」

従二位家隆・風雅154

「将来の花がこんなにも見事になれと思って、この吉野山に、誰が白雲ともなるような桜の種をまいたのだろう。(まさかこれ程の花の名所になろうとは思いもしなかったろうに)」

・かかれとて=斯くあれとて。「白雲」の縁語「掛かれ」をかける。

・たれしら雲=「誰知ら」(誰が知ろうか)の意をかける。

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2012年4月 8日 (日)

般若寺 春の花だより   4・8

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙 ≪満開≫

◎桜: ≪三分~五分咲き≫

◎山吹: 黄色一重咲 ≪咲きはじめ≫

     白山吹、黄色八重咲 ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチ草、などは4月中

・矢車草、鉄線、空木、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*今朝は真冬のような冷えこみでした。しかし今日から一気に暖かくなるようです。どの花も次々と咲いてきました。遅れていた分咲くのは早いです。桜は咲き出したと思いきや、もう五分咲きの見ごろになり、山吹もつられるように咲いています。

48日はお釈迦様の誕生を祝う「花まつり」です。そして奈良の白毫寺(びゃくごうじ)の「一切経法要」です。白毫とは仏の眉間にある白い巻き毛のことで優れたしるし三十二相の一つ。

白毫寺は奈良時代に天智天皇の皇子である志貴親王の山荘跡を寺にしたと伝え、鎌倉時代、西大寺の思円上人叡尊により再興されました。そして弟子の道照律師により将来された「宋版一切経」が納められ、毎年一切経の転読供養が行われています。残念ながら一切経は失われていますが、奈良の春を告げる法要として有名です。

また只今は、「五色椿」をはじめ古木の椿が満開を迎えています。桜と椿の花の下で法要が厳修されます。白毫寺は真言律宗の同法寺院なので当寺からも職衆として参列いたします。

〔短歌〕

「黒もじの うす黄の花に やはらかき

雨ふりそそぎ 春の暮れ行く」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「うつろえる 日にうすずみの 花絵巻」大橋敦子

〔和歌〕

「をちこちの 山は桜の 花ざかり

野べは霞に うぐひすの声」

永福門院・玉葉148

「遠く近くの山々は皆、桜の花ざかりである。野原には霞がたなびき、鶯の声がしきりに聞こえる。」

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2012年4月 7日 (土)

般若寺 春の花だより   4・7

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、しきみ ≪満開≫

◎桜: ≪二分咲き≫

◎山吹: ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチソウ、などは4月中

・矢車草、鉄線、空木、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*明日、48日は「花まつり」、お釈迦様の誕生日です。各寺院ではさまざまにお祭りがあります。その名も「仏生会」「灌仏会」「仏降誕会」「龍華会」などと言います。季節のいろいろな花を屋根にかざった花御堂の中に誕生仏をおまつりし甘茶を注いでお祝いします。

なかには張り子の白象を引いて稚児行列される寺もあります。

紀元前560年ごろ、白象が胎内に入る夢を見られた母マヤ夫人がルンビニー園の無憂樹の下で産気づき王子を出産されました。シッダルタと名付けられた釈尊は7歩あゆんで、両手で天地を指し「天上天下唯我独尊」と叫ばれたと言います。このとき八大竜王が歓喜のあまり甘露の雨を降らして沐浴せしめたといいます。この仏伝から天地を指す釈尊の誕生仏をまつり甘茶を頭からそそぐのです。

般若寺では425日の文殊会式において誕生仏をおまつりします。

「花まつり 母の背ぬくし 風甘し」楠本憲吉

「つつじ多き 田舎の寺や 花御堂」正岡子規

「潅仏の 日に生まれあふ 鹿の子哉」松尾芭蕉

〔短歌〕

「しおらしき 野薔薇の花を 雨は打つ

たたかれて散る ほの白き花」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「菜の花や 月は東に 日は西に」与謝蕪村

〔和歌〕

「やまざくら またれまたれて さきしより

花にむかはぬ 時のまもなし」

後鳥羽院下野・風雅151

「山桜よ。さんざん待ちこがれられてお前がようやく咲いて以来、花に向かって見とれていない時間は、ほんのちょっとでもありはしないよ。」

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2012年4月 6日 (金)

般若寺 春の花だより   4・6

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、しきみ ≪満開≫

◎桜: ≪咲きはじめ≫

◎山吹: ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチソウは4月中

・矢車草、鉄線、空木、などは5月

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6月

*今朝はまた雨になっています。明日からの二日間は冬に戻るそうです。せっかく桜が咲いて週末を迎えるというのに、春のお天気は気まぐれで儘ならないですね。

枝垂桜につづいて染井吉野も咲き出しました。桜はどれをとってもいいですね。長い冬を乗り越えてやっと春が来た、と喜びを与えてくれる花ですから。青空によし、夕暮によし、夜桜もいいです。満開を待つあいだの期待感を大切にしたいです。

「咲き満ちて こぼるる花も なかりけり」高浜虚子

「ゆさゆさと 大枝ゆるる 桜かな」村上鬼城

「夕桜 家ある人は とくかへる」小林一茶

花と言えば桜です。

〔短歌〕

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

日のひかりくむ 花菱草よ」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「花の雲 鐘は上野か 浅草歟」松尾芭蕉

〔和歌〕

「花見にと むれつつ人の くるのみぞ

あたら桜の とがにはありける」

西行法師・玉葉144

「花見にといって、ぞろぞろ連れだって人のやって来るのだけが、せっかくの桜のたった一つの欠点だよ。」

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2012年4月 5日 (木)

般若寺 春の花だより   4・5

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙 ≪見ごろ≫

◎桜: ≪つぼみ≫

◎山吹: ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチソウは4月中

・矢車草、鉄線、空木、などは5

山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

先日、中川寺を開基された実範さんを紹介しました。その時漏れたところを補充します。

実範さんは貴族の出で、京都の朝廷とも深いつながりがあって中川寺を建てられたのだと思います。いま大河ドラマ「清盛」が放送されていますが、あの中に登場する摂政関白藤原忠実(ただざね)、左大臣藤原頼長(よりなが)が帰依したのが中川寺実範さんなのです。忠実が出家する際、戒師をつとめておられます。

上人は戒律復興にもこころざされ、『東大寺戒壇院受戒式』を定められました。唐招提寺とのつながりもよく知られます。

さらに晩年は京都府の棚倉の山中にあった「光明山寺」に住し、浄土教、阿弥陀信仰をも学ばれ『念仏式』『病中修行記』などを著作されています。

上人の仏教は実に多彩で、法相唯識から始まり醍醐、高野山の真言密教、比叡山の天台密教を学び、さらに浄土教を修学されています。

仏教教学と同時に仏教音楽である声明(しょうみょう)の大家でもあったようですから、平安時代の奈良仏教界における巨峰であったと言えるでしょう。

皆さん機会があれば、ぜひ中川寺跡の実範上人の御廟五輪塔をご参拝ください。

当尾の里、岩船寺・浄瑠璃寺も近いですよ。

〔短歌〕

「薔薇色に 雲のにほへば 朝の唄

鳩のうたいて 花壇おとなふ」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「たんぽぽや 日はいつまでも 大空に」中村汀女

〔和歌〕

「やどからや 春の心も いそぐらむ

外(ほか)にまだみぬ はつ桜ばな」

前大納言為兼・風雅146

「(西園寺という)すぐれた名邸であるがために、春の来ようとする気持ちも急がれるのであろうか。よそではまだ見もしない早咲の桜が、もう咲いているよ。」

・詞書:「伏見院西園寺に御幸ありて、花の歌人々によませさせ給ひけるとき」

・西園寺=現在の金閣の地にあった、西園寺北山第。家祖公経が寺院兼邸宅として造営、桜と雪の名所として代々の行幸御幸を仰いだ。伏見院当時の当主は実兼。

・やどから=「から」は原因・理由をあらわす。「西園寺」の名ゆえに西方欣求の心から「いそぐ」意と、名だたる名邸であるから春も来ることを「いそぐ」意を重ね祝意を表したもの。

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2012年4月 4日 (水)

般若寺 春の花だより   4・4

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙 ≪見ごろ≫

◎桜: ≪つぼみ≫

◎山吹: ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、ツルニチニチソウは4

・矢車草、鉄線、空木、などは5

・山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ、などは6

*きのうは春の嵐、台風のようなすごい風が吹きました。奈良では20メートルていどでしたが、各地で40メートルを超え多くの被害を出したようです。

4月の風としては新記録です。台風は南の太平洋で暖かい海水の蒸気から発生するのに対し、今回のは北の低気圧が日本海に入った途端発達しほぼ日本列島全体に嵐が吹き荒れました。何年かに一回という珍しい現象だそうです。気象には油断禁物ですね。

咲き残っていた梅の花はきれいに散りました。いま盛りを迎えた椿は古い花が落ちて、新しいきれいな花に一新しました。桜や山吹はまだ咲いていなかったので全く影響なかったのが幸いでした。

きょうは境内中に飛び散った小枝や葉っぱの後片付けに一日かかりそうです。これでお天気が安定してくれることを祈ります。

〔短歌〕

「鳩起きて 軒のとやより 挨拶す

花壇の芥子は 朝風に揺る」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「一花だに 散らざる今の 刻止まれ」林翔

〔和歌〕

「さかりをば 猶まつ枝の 残れども

あまた梢に 花ぞなりぬる」

前大僧正道潤・玉葉141

「盛りになるのをまだ待っている、という風情の枝も残ってはいるけれども、それにしても大多数の梢に、花がいっぱいになってしまったなあ。」

・あまた梢=沢山の梢。

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2012年4月 3日 (火)

般若寺 春の花だより   4・3

◎椿: ≪満開≫

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙 ≪満開≫

◎桜: ≪つぼみ≫

◎山吹: ≪つぼみ≫

・シャガ、紫雲ラン、牡丹、八重桜、ツルニチニチソウは4

・空木、矢車草、鉄線、などは5

◎山アジサイ、早咲コスモス、アジサイ: ≪6月―7月≫

*これからは桜の季節です。

「まさをなる 空よりしだれ 桜かな」富安風生

「尼寺や 彼岸桜は 散りやすき」夏目漱石

「花湧くや 枝垂桜の いただきに」山口青邨

花といえば桜、「花は桜木、人は武士」と言われたように、桜は日本を代表する花です。桜には多くの種類があり、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、マメザクラ、ミヤマザクラ、チョウジザクラなど300種を超えるそうです。

早く咲くのは彼岸桜で、枝垂桜(しだれざくら)もその一種です。

万葉集以来数多く歌によまれ、桜は日本人の自然美鑑賞の原点となっています。

『百人一首』に入っている紀友則(きのとものり)の歌はよく知られるところです。

「久方の ひかりのどけき 春の日に

しづごころなく 花のちるらむ」(古今和歌集)

秋桜、コスモスが百年前わが国に入ってきてすぐに人気の花となったのには、古来からの桜の花への愛着が下地としてあったからだと思います。日本人は桜の花がよっぽど好きなんですね。

〔短歌〕

「人帰り さくらしらみて くるるなり

わが身ひとつは いかにすべけむ」

木下利玄・銀

〔俳句〕

「初蝶の 一途に吾に 来るごとし」橋本多佳子

〔和歌〕

「さきさかぬ 梢の花も をしなべて

ひとつかほりに かすむ夕暮」

朔平門院・風雅144

「咲いたのもあり、まだ咲かぬのもある梢の花、すべてただ一つのほのぼのとした色調の中に霞んでいる夕暮よ。」

・さきさかぬ=開花初期の、花と蕾のまじっている状態。

・かほり=ほのぼのとした美しさ。花の白と蕾の紅とのグラデーションの美をとらえた表現。

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2012年4月 2日 (月)

般若寺 春の花だより   4・2

◎梅:豊後梅 ≪終わり近し≫

 

・レンギョウ、沈丁花、黄水仙、椿: ≪見ごろ≫

 

◎山吹:黄色一重咲、白山吹、黄色八重咲:≪つぼみ≫

 

・桜、シャガ、紫雲ラン、牡丹、などは4

・矢車草、鉄線、空木、などは5

・山アジサイ、アジサイ、早咲コスモス、などは6

 

*奈良で一番早く咲く氷室神社の枝垂れ桜がようやく咲き出しました。

今朝、NHKテレビで紹介されていました。桜は咲き出す頃が色も濃くていちばんきれいです。今日はお天気も良く暖かくなりそうで氷室神社は賑わいを見せるでしょう。

氷室の桜は例年3月の後半から咲き出すのに、今年は10日ほど遅いです。

たしかにこの春の寒さは異常です。まだ今朝の最低気温は氷点下でした。昼間の暖かさと比べると15度くらいの差があるので衣服の着替えがいそがしいです。

これからお花見が始まります。晴れた日は特に夜間の冷え込みが厳しいですから気を付けてお出かけしてください。 

般若寺の山吹は枝先のつぼみに黄色が見えてきました。ふつうは桜のあとに咲く花なのにどうなっているのでしょうか。境内のソメイヨシノはまだ咲いていません。ひょっとしたら桜が遅れたので山吹と同時に花が見られるかのかもしれませんね。 

旅行に出ていたK君が今日帰ってきます。明日からは写真をご覧いただけると思います。長らくつたない文章だけで申し訳ございませんでした、ご容赦を。

 

 

〔短歌〕

 

「赤坂の 茶屋に三味なり 灯がともり

山王の桜は つめたくしらみぬ」

 

木下利玄・銀

 

〔俳句〕

 

「みよし野の ちか道寒し 山桜」与謝蕪村

 

〔和歌〕

 

「おほかたの 花のさかりも 程もあらじ

庭の一木は さきそめにけり」

 

前関白太政大臣鷹司基忠・玉葉137

 

「世間全体が花の盛りになるのももう間もないことだろう。私の庭の一本の桜は、もう咲きはじめたよ。」

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2012年4月 1日 (日)

般若寺 春の花だより   4・1

 

◎梅: 紅梅 、豊後梅 ≪散りはじめ≫

 

・椿: ≪見ごろ≫

・レンギョウ、沈丁花、山茱萸、黄水仙 ≪見ごろ≫

 

◎山吹:黄色一重咲、白山吹、黄色八重咲 ≪つぼみ≫

 

・桜、シャガ、紫雲ラン、などは4月上旬

・空木、矢車草、鉄線、などは5

・山アジサイ、アジサイ、早咲コスモス、などは6

 

 

*今日から4月、卯月(うづき)です。この語源はいくつかあり、まず「卯の花月」、これは卯の花すなわち空木が咲く頃という意味です。しかし旧暦の場合で、今の暦では、空木は大体5月初めごろに咲きます。それから「苗植月(なえうつき)」からという説は、稲の田植えのことを意味します。また干支の第4番目の月だからという説もあります。

 

4月は新年度のはじまり、入園式、入学式や入社式など気分一新の時期です。いつもでしたら今時分桜が咲き出しているはずなのに、今年は花が遅れています。あと10日ほどしないと満開にならないでしょう。

 

一方、山吹はつぼみが日に日に大きくなってきました。いつ咲くかは断定できませんが、いつもは桜が終わるころ入れ替わって咲きだしています。

当寺では毎年、425日の文殊会式に満開になっています。

近年は般若寺といえばコスモス寺として知られます。しかし、昔は「山吹の寺」と呼ばれていました。江戸時代から文殊さんを飾る花として植えられたようで、境内一円が黄色い花で埋め尽くされます。その頃、桜もボタン桜に変わり陽春の候となります。

 

 

〔短歌〕

 

「太陽は あたたかにあたたかに 母らしき

愛を送れり 空色の花に」

 

木下利玄・銀

 

〔俳句〕

 

「鳴く雲雀 松風立ちて 落ちにけむ」水原秋桜子

 

〔和歌〕

 

「めぐむより けしきことなる 花なれば

かねても枝の なつかしき哉」

 

俊頼朝臣・風雅141

 

「(桜というのは)芽が出ようとする時からして、様子が格別な花だから、咲く前からすでにもう、その枝がなつかしく、好もしく思われるよ。」

 

・けしきことなる=様子が普通と違う。

・かねて=前もって。あらかじめ。

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