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2012年6月

2012年6月30日 (土)

般若寺 夏の花だより   6・30

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月中旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎ 紫陽花: ≪見ごろ・7月上旬まで≫   10種類。150本。

◎ 夾竹桃、百日紅、鬼百合、野甘草、秋海棠≪つぼみ≫   

 

*水無月(みなづき)が終わり、明日からは文月(ふづき・ふみづき)です。

文月の由来は、七夕に短冊に歌や文字を書き上達を祈るところから「文披月(ふみひらきづき)」というのと、陰暦7月は稲穂が膨らむ時期なので「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくみづき)」とか穂の膨らみを見る「穂見月(ほみづき)」から転じたとも言います。

 

*謡曲『笠卒塔婆』解説(前半は2223日と重複)

・作者:『申楽談儀』(世阿弥の芸話を次男元能が整理した聞書)に、曲名を『重衡』として数箇所本文を引用しているから、世阿弥当時からあった能に違いないが、作者を決定する確実な資料がない。本大系本では「世阿弥時代の能」に分類される。

・能柄:夢幻能。中将物の修羅物。二番目物。・・・これらの用語については後に注あり。

・素材:⑴重衡の霊が奈良坂に出た話(口承か)

⑵重衡が刑死にのぞみ木仏を拝んだ話(平家物語)

⑶春日野の飛ぶ火のこと(しばしば用いる題材)

・主題:南都炎上に直接手を下した平重衡の自責の苦悩を描く。修羅物が本来持つ暗さに徹した能。唯一の色どりである名所教えも、実は罪業の原因となった南都の寺々を教えているのであって、主題に密着している。

・人物:前ジテ=里の老人(化身)・着流尉出立か

   後ジテ=平の重衡(霊)・修羅物出立(面中将)か

   ワキ=旅の僧・着流僧出立か(ワキ連が出る時も同装か)

   アイ=里の男・肩衣半袴出立か

・場面:前場 大和の国奈良坂。平の重衡の墓標の付近。

              花盛りの春のある日。

    後場 同じ所。同じ日の後刻。月のある深夜。

・構成:1ワキの登場=京都から奈良への道行。

    2シテの登場=人間のはかなさの慨嘆。

    3ワキ・シテの応対=名所教え、奈良の寺でら。

    4シテの詠嘆=重衡の墓標を教えて感慨にふける。

    5シテの中入り=本性を明かして消える。

    6アイの物語。

    7ワキの待受=弔い。

    8後ジテの登場。

    9シテの物語=重衡が斬首に際し仏を拝んだいきさつ。

   10シテの立働き=飛ぶ火の光り、修羅道の苦しみ。

・構成の頂点 前場では第3段。第4段。後場では第9段。第10段。

・底本 二百番之外百番板本 奥書(抄)「世上流布之板行二百番之外之百番也・

御書物師林和泉掾・貞享三年丙寅九月下旬」

・対校本 (一) 横=横本下掛謡揃写本(能研蔵)

・備考 本来の修羅物色の濃い能。上冊の世阿弥作の修羅物とは違い、武名・風雅・恋愛と言ったことに全く触れない。

原典「平家物語」によれば、しんみりとした夫婦愛が描き得るのだが、そうはしていない。構成は、修羅物として一番標準的で、前後場の釣り合いもよいが、それだけぴりっと利かないとも言える。笠卒塔婆と桜の木との関係が重要らしい。詞章の上で、「関寺小町」「山姥」と関連が深い。

[能柄]の注

・夢幻能=旅人や僧が、夢まぼろしのうちに故人の霊や神・鬼・物の精などの姿に接し、その懐旧談を聞き、舞などを見るという筋立ての能⇔現在能。

・修羅物=武人の霊を主人公とし、戦いを題材とした能。多くは死後に修羅道で苦しんでいることを述べる。正式の五番立ての番組で二番目におかれるので二番目物ともいう。

 

〔短歌〕

「舟とめて わりごひらきおれば しづかなり

岸の萱生(かやふ)に 昼顔は咲き」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「老僧の 影のふはりと 苔の花」青柳志解樹

〔和歌〕

「月や出づる 星のひかりの かはる哉

すずしき風の 夕やみの空」

伏見院御歌・風雅391

「月が出るのだろうか。(今まで強く輝いていた)星の光が変わって来たことだ。涼しい風の吹く、夕闇の空よ。」

・星のひかりの・・・=月の出の前の微光によって、星の光のやや弱まる事を言う。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は「古都」「国際観光都市」の名に恥じない

良識ある判断をしてください。

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2012年6月29日 (金)

般若寺 夏の花だより   6・29

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪ほぼ終わりました≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ・7月上旬まで≫   10種類。150本。   

 

5月下旬から咲きだした山アジサイはほぼ終わりました。ふつうのアジサイに先駆けて春の延長として咲いていましたが、やはり夏がやって来ると終わってしまいました。大きな赤や青のアジサイは710日頃まで花は見られます。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文⑧

10.〔カケリ〕(=武士の霊が興奮状態を示す小段)(ここに「カケリ」が入るか。「カケリ」では、囃子につれて目付柱へ出て左回りに大小前へ行き、正面先へ出て右回りに常座へ行く。その短い動きの間に、テンポを数回転換して、心の興奮をあらわす。)

[□・不合〈強〉](常座に立ったまま言うか)

シテ:あら恨めしや たまたま閻浮(えんぶ)の夜遊(やイウ)に帰り、

心を澄ますところに、

*「現世へ帰って夜遊びを楽しみ。」

節:また瞋恚(しんニ・=怒りの心)の起こるぞや。

 [掛け合・不合〈強〉]

シテ節:あれご覧(らん)ぜよ旅人よ

(脇座に着座のまま向こうを見こんで応ずるか)

ワキ節:げにげに見れば東方(とおボお)より、ともし火 あまた数見えたり、

あれはいかなるともし火やらん

シテ詞:あれこそ例(れい)の名にし負ふ(おオ)、春日の野守の飛ぶ火なり

*「古歌で名高い、春日野の番人があげる飛ぶ火なのだ。」

ワキ節:げに飛ぶ火(=のろし)とは聞き及びたり、なにによりての飛ぶ火やらん

シテ詞:昔他国の戦(いくさ・=他国との戦)起こり、多くの軍兵(ぐんビョオ)あの春日野に籠(こ)もり、

夜な夜なともす篝火の、松明の火の働くが(=動く有様が)飛ぶようなればとて、飛火野とここを名付けたり、また修羅道(しゅらどお)の折を得て、あの春日野にともすぞや、

*「飛火野=春日野の別名。春日野に飛火(のろし)の設備があった為の名と言われる。」

節:あれ追っ払(ぱら)へ 春日野の (脇正面に向かって見こむか)

*「古今、春上〈春日野の飛火の野守出でて見よ今いくかありて若菜摘みてん〉の転用。」

 [中ノリ地・合強](以下、シテは文句に即して動くか)

地:野守(のも)りはなきか 出でて見よ、

野守りはなきか 出でて見よ、

今いく程ぞ 修羅の夜戦(よいくさ)、

*「修羅道の夜戦はまだ始まらぬのか、夜が明けてしまっては大変だ(すぐ戦を始めよう)と、闘争心が炎のように燃え上がり。」

明けなば 浅間山(あさまやま)、燃え焦がるる 瞋恚(しんニ)の炎、

*「〈あさまし〉、または〈あさま(になる)(人に見られてしまう)を掛け、〈燃え〉の序。」

焼き狩(が)りと 見えつるは、

*「野を焼いて狩猟をしているかのように見えるのは、武蔵野を焼くと歌に詠まれた春日野の飛火の光だ。『伊勢物語』12段の有名な〈武蔵野は今日はな焼きそ若草のつまもこもれりわれもこもれり〉とある歌が、実は古今、春上の〈春日野は今日はな焼きそ・・・〉の改変であることから来ている。」

シテ:武蔵野(むさしの)を焼きし 飛ぶ火の影、

地:野守(のも)りが水を 照らせしは、

シテ:鏡(かがみ)に映る 胸の炎、

*「春日野の名物の野守の水を明るく照らし出しているのは、水鏡にも映る胸中の瞋恚の炎だ。」

刃(やいば)の‐切先(きっさき)を磨きしは、

(ここで太刀を抜くか)

*「鋭く磨き上げた刃の切先が夜目にもぴかぴか光って見えるのは、さては修羅の敵軍の剣の光だな、という程の意か。」

(以下、動きを続けるか)

地:すは一(いッ)とうの 剣(つるぎ)の光、

シテ:刺し違(ちが)へ 斬り払ふ(はロオ)、

地:炎(ほのお)は‐剣(つるぎ)の 雨と降って、

春日野の草薙(くさなぎ)や、

*「瞋恚の炎は形を変えて剣の雨となって降りかかり、それが春日野の草を薙ぎ払う有様は、かの叢雲の剣が草を薙いだ時もこうであったかと思われる程だ。」

村雲(むらくも)の剣(けん)も かくやらんと、

*「草を薙ぐ意を兼ねつつ、叢雲の剣の序となる。」「叢雲の剣=三種の神器の一つ。素戔嗚尊が退治した大蛇の尾から出たと言う剣。日本武尊が東征の際に草を薙ぎ払ってから草薙剣と呼ばれた。」

見えて飛ぶ火の 数々に、山河(さんが)を動かす 修羅道(しゅらどお)の、

(目付柱へ出て右回りに常座へ行くか・定型)

山河を動かす 修羅道の

苦しみの数は 重(繁)衡(しげひら)が、

瞋恚(しんニ)を助けて 賜(た)び給へ、

(常座でヒラキ、合掌するか)

瞋恚を助けて 賜び給へ、

(脇正面を向いてトメ拍子を踏むか・定型)

*「松明の火も数多く飛び動き、山河大地も動かんばかりに烈しい修羅道の闘争だ。こうした数繁き修羅の苦患に悩む重衡の、苦患の原因である瞋恚の心を、どうぞ仏法の力で救って下さい。」

「瞋恚=怒り争う心。現世で瞋恚の心を持った者が修羅道へ落ち、修羅道では常に瞋恚の心を燃やして闘争すると言われる。」

《終わり》

〔短歌〕

「蚕(こ)をかへる 家内(やぬち)をぐらし 前の地に

 薄紅葵(うすべにあふひ) ここだ匂へり」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「さみだれや 大河を前に 家二軒」与謝蕪村

〔和歌〕

「あまの原 雲井は夏の よそなれや

みればすずしき 月の影哉」

前右衛門督基顕・玉葉384

「あの雲のいる空というものは、夏とは無縁な場所なのだろうか。見ればいかにも涼しい月の姿であるよ」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は「古都」「国際観光都市」の名に恥じない

良識ある判断をしてください。

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2012年6月28日 (木)

般若寺 夏の花だより   6・28

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり近し≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。   

 

*今年の秋海棠(しゅうかいどう)はよく育っています。やはり雨が多いからでしょうか。不整形のハート形の葉が大きいです。先日参拝のお客さんからこれはフキですかと尋ねられました。茎も花と同じピンク色ですから観葉の植物にもなりそうです。今蕾が見えていますのでもうすぐ咲きそうです。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文⑦

9.《[サシ・不合強]

シテ:忘れて年をへしものを、また今さらに驚く夢の、

地:世もつて隠れなかりつる、懺悔(サんげ)に罪を現はして、われと仏果(ぶッか)の縁となる》〈横本〉

*「今さら昔を語るのは気が進まないのだが、今気がついたわけではないが夢のようにはかないこの憂世での、世間に隠れもなかったわが罪の有様を語り現し、懺悔によって成仏の縁を得ることにしよう。」

「今になって昔を語る意と、今更のように夢の世であることに気付く意を兼ね、〈夢の世〉に〈世もつて〉を重ねる。」

[語り・不合〈弱〉](真中で床几に腰かけて語るか・定型)(あるいは座ってか)

シテ:さても重衡は一の谷にて生け捕られ、京鎌倉を渡されしに、南都の訴訟(そしょお)強きによって、あの木津川(こつがわ)にて斬られんとせしに、

*「〈渡す〉は衆人への見せしめに罪人に大路を通らせること。」

「奈良の衆徒の、重衡の処刑を自分達に任せよという頼朝への訴えが強硬だったので。『平家物語』11、「重衡被斬」〈南都の大衆しきりに申しければ遂に奈良へぞ遣はしける〉。以下の語りも平家の文に基づく。」

(以下、すこしは仕方を見せながら語るか)

シテ:近藤左衛門(こんどおさえもん)の尉(じょお)知時(ともとき)といひし者、重衡最後を見んとて、貴賤立ち圍(かこ)みし中を、掻き分け掻き分け来たり、いかに重衡知時こそ参りて候へと申せば、日頃の馴染みなれば来るは嬉しく、願はくは最後の際に、仏一体拝まんとありしかば(=重衡が言ったので)、易き間のこととて(=簡単なことですと)、あたりにありし木仏(きぼとけ)を一体迎へ、川原の砂(いさご)に据え置き、見れば幸ひに阿弥陀にてぞおはしける、

(節)その時知時(ともとき)が着たりける、直垂(ひたたれ)の袖の括(くく)りを解き、仏の御手(みて)に掛け、中将(チウじょお)に控へさせ奉り、重衡よりくみわたりぬれば(=「望みたりぬれば」の誤写であろう)、

*「袖括りの紐を解き、紐の一方を木仏の手に掛け、他の一方を重衡に持たせた。阿弥陀に極楽へ導いてもらう善の綱にしたのである。」

地:合掌し弥陀仏に向かひて、ねんごろに(=丁寧に)申させ給ひけるは。

[クセ合弱](以下、やはり着座のままか)

地:傳(つた)へ聞く 調達(ちょおだつ)が、三逆(さんぎゃく)を 作りけん、八萬蔵(はちまんぞお)の 聖教(しょおぎょお)、滅ぼしたりし 悪心も、天王‐如来の 記別にて、罪業‐まこと深しと いへども、聖教知遇(ちグ)の 順縁(じゅんネん)にて、かへつて 得道(とくどお)の、因となりに けるとかや。

*「聞く所によればかの調婆達多は、三逆罪を犯したり多くの経典を破却したりした悪心の持主だったが、それでも未来は天王如来になるとの釈迦の予言を得たという。それは、罪は誠に深いけれども、とにかく仏法に逢うことができた縁によって、悪事がかえって成仏の原因になったのであるとやら。」

地:今重衡が、逆罪(ぎゃくざい)を 犯すこと、まつたく愚意(ぐい)の なすになし、世に従へる理(ことわり)なり、

*「奈良を攻めて寺を焼き、僧を殺した悪逆の罪」

「決して自分自身の意思ではなく、世間の道理に従っただけです。」

地:生を 受くるもの、たれとても いかでか父の命(めい)をば 背かんや、

心中(しんジウ) 仏陀(ぶつだ)の、照覧(しょおらん)も あるべしや、ただ 三宝(さんぼお)の、教誨(きょおかい)を請(う)くる 心なり。

*「奈良を攻めたのは、父清盛の命令に背くわけにはいかなかったからだの心。」

「わが心の正邪は仏が照らし見ておられるはずですから、ひたすら仏の慈悲におすがりするだけの心境です、という程の意」

シテ:一念弥陀仏 即滅、

地:無量罪と 聞く時は、只今称(とノ)ふる 聲のうち、涼しき道に 入る月の、光は 西の空に、至れども 魄霊(はくれい)は、なお木のもとに 残り居て、ここぞ閻浮(えんぶ・=縁深しを隠す)の 奈良坂に、帰り来にけり 三笠の森の、花の 䑓(うてな)は、これなれや 重衡が、妄執(もおシウ)を助け 給へや。(常座でワキに向かうか)

*「今唱える念仏の声の終らぬうちに、涼しき道(極楽浄土)に入るに違いあるまいと信じて斬られたのだ。しかし、傾く月の光のみは西の空へ至ったけれど、重衡は西方浄土へ至り得ず、魄霊がまだこの木陰に残っていて。」

「娑婆の中でも最も縁深いここ奈良坂に重衡は帰って来ている」

「この笠卒塔婆が、極楽の蓮の台ならぬ、三笠の森の蔭の花の台だとでも言うのだろうか、由ないことよ。」

 

〔短歌〕

「四方(よも)の山に 雲居雨ふり 昼ふかし

街の温泉(いでゆ)に ひたりに行かな」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「輪塔に はなれもあへず 梅雨の蝶」原俊子

〔和歌〕

「まだよひの 月まつとても 明けにけり

みじかき夢の むすぶともなく」

後鳥羽院御歌・風雅390

「〈まだよいながら明けぬるを〉という、その遅く出る月を待っているうちに、いつの間にか夜は明けてしまった。短い夏の夜の夢を見る程のひまもなくて。」

・参考:「夏の夜はまだよひながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ」

古今166深養父

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は「古都」「国際観光都市」の名に恥じない

良識ある判断をしてください。

 

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2012年6月27日 (水)

般若寺 夏の花だより   6・27

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり近し≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。   

 

*いま夾竹桃、百日紅、秋海棠、野甘草、未草、睡蓮、露草など真夏を彩る花々が花の盛りを準備中です。夏コスモスと紫陽花もまだまだ見ごろが続きます。しかしこれから梅雨も終盤に入り集中豪雨も起こりやすくなります。用心して梅雨明けを待ちましょう。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文⑥

6.[問答・語り](アイがアイ座を立って常座で名のり、ワキと問答をかわして真中に出て座り、重衡のことなどを物語って退くか)

7.[上ゲ哥・合弱](脇座に着座のまま謡うか・定型)

ワキ:夢のごとくに 假枕(かりまくら)、

夢のごとくに 假枕、傾く月の 夜もすがら、

かの重衡の おん跡(ナと)を、

逆縁ながら 弔ふ(とオ)とかや、

逆縁ながら 弔ふとかや。

*「通りすがりの縁に過ぎないのだが弔いをすることだ。」 

8.〔一声〕(囃子につれて後ジテが登場、常座または一ノ松にとまるか)

[サシ・不合強](正面を向いて謡うか)

シテ:古里となりにし奈良の都路も、春を忘れず花は咲きけり、

それは天子のご詠なり、

*「古今集春下・奈良の帝(平城天皇)の歌〈古里となりにし奈良の都にも 色はかはらず花は咲きけり〉に拠る」

われはもとより数(かず)ならぬ、

蓑(身)代衣(みのしろごろも)春来(着)ても、

豊かならざる修羅道(しゅらどお)の責、

あら閻浮(えんぶ・閻浮提=現世)恋しや。

(すこし感慨のていか)

[一セイ・不合強](正面へ向き直るか)

シテ:奈良坂の、この手(児手柏)に取るや

 梓弓(あずさゆみ)、

*「古今和歌六帖〈奈良山の児手柏の二面とにもかくにもねぢけ人かも〉に基づく」

地:八(矢)十氏人(やそうじびと)の 数々に、

(拍子を踏み重ねなどするか)

シテ:名をこそ流せ 弥猛(やたけ)の人の。

(一ノ松で謡い出した時は、この一セイまたは次のノリ地で舞台に入るか)

[ノリ地・大乗強](すこし動くか)

地:心の雲も、晴れ行(ゆ)く月の

、夜聲(よごえ)の御法(みのり)の 有難(ありがた)さよ。

(常座または真中でワキへ合掌するか)

*「手に弓矢を持って合戦の道に携わる武門の一人として、現世で様々に悪名を轟かせた身だが、猛り立つ武士の心の迷いも晴れてしまいそうな、晴れた月夜の夜もすがらの読経の有難さよ。」

*このお話は明日からクライマックスに入ります。

 

〔短歌〕

「夕近み 雨いやくらく さむくなれり

田圃の蓑笠 かきくれて見ゆ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「宵月を 蛍袋の 花で指す」中村草田男

〔和歌〕

「夕附く日 よそにくれぬる このまより

さしくる月の 影ぞ涼しき」

法皇御製(後宇多院)・玉葉383

「夕日の暑苦しさはもう関係ないように暮れ果ててしまった木の間から、さして来る月の光の、何と涼しいことよ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

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世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は「古都」「国際観光都市」の名に恥じない

良識ある判断をしてください。

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2012年6月26日 (火)

般若寺 夏の花だより   6・26

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり近し≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。   

 

*今朝は晴れています。明日からは雨。いま境内に夾竹桃の古木が桃色の花を咲かせています。これから夏中咲き続けます。キョウチクトウはお釈迦様の国、インド原産です。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文⑤

5.[ロンギ・合弱]

地:(やはり一同着座のままか)

さては平の重衡の、その名を聞くも 痛はしや、

おん跡(ナと)いざや弔(とむら)はん、

シテ:跡を訪ふ(とオ)、人しなければ 春草の、影(蔭)恥づかしや 露の身の、消えかへり なき跡の、(ワキへ向くか・定型)姿見ゆるぞ悲しき、

*「遺跡を訪れ弔う人もなくて春草のみ生い繁る塚(白氏文集・古墳詩〈古墓は何れの代の人、姓と名とを知らざるも、化して路傍の土となり、年年春草生ふ〉を踏まえる)の蔭で、日の光をも避けていたはかない身が、消え果てもせず現世へ立ち帰り、亡者の姿を人に見せることの悲しさよ。」

地:げにや姿の 生ける身は、いつの時をぞ 春(晴)の木の、

*「大和の歌枕〈菅田の池〉を隠す。姿のみは生きた人と同様な亡霊の身は。」

「いつを執心が晴れて成仏できる時として期待し得ようか。」

シテ:その重(繁)衡の 幽霊は、

地:(またワキへ向くか)魂は(ナ)去れども

シテ:白(魄)髪の、

地:(シテ、ワキを見つめ、立ちあがりなどするか)

霜の‐翁と ご覧ずるは、われ亡心(ぼおしん)の 来たれりと、

*「魂は冥途へ去ったが魄はこの世に残っており、頭に霜置く白髪の老人とあなたが御覧になっているこの私は、実は重衡の亡魂が現われ出たのです、と言って。」

地:夕(イウ・言)べの月の 影さすや、

三笠山(みかさやま・御傘)は、(向こうを見こむか)あれぞかし、

これもまた笠卒塔婆(=重衡の墓標)の、

(右回りに常座へ行き、常座で正面へヒライて消え失せたていか・定型)

花の蔭に 隠れけり、 花の蔭に隠れけり。(シテは静かに幕へ中入りするか)

*「夕月がかかっている三笠山はあれだが、これも同じ笠の名を持つ笠卒塔婆のそばの、花の陰に姿を消してしまった。」

 

〔短歌〕

「大降りの 雨中に立てる 大木の

枝葉おもりて しとど雫す」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「花と影 ひとつに霧の 水芭蕉」水原秋桜子

〔和歌〕

「夕立の 風にわかれて ゆく雲に

をくれてのぼる 山のはの月」

御京極摂政太政大臣(良経)・風雅389

「夕立の晴れ方に吹く風に送られて、山から別れて行く雲に遅れて、今しも昇って来る、山の端を出る月よ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は「古都」「国際観光都市」の名に恥じない

良識ある判断をしてください。

 

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2012年6月25日 (月)

般若寺 夏の花だより   6・25

 

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり近し≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。   

 

*今日も雨模様。梅雨ですね。草木は生き生きしてもくもく繁っています。今が植物にとって栄耀栄華の季節なのでしょう。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文④

4.[問答・不合〈弱〉]

ワキ詞:(脇座に立ったまま言うか)

       さらばお暇(いとま)申さう(ソオ)ずるにて候

シテ詞:(常座に立って正面先を見て言うか)

暫(しば)らく、これなるしるし(=墓じるし、墓)に向かひ、

回向 (えこお)をなしておん通(とお)り候へ

ワキ詞:回向(えこお)のことは易き間のことさりながら、たれと志

(こころざ)し候ふべき

シテ詞:重衡(しげひら)とご回向(えこお)候へ

ワキ詞:重衡はこの所(ところ)にて果て給ひて候ふか

シテ詞:さても重衡は一の谷にて生け捕られ、関東下向(かんとおげこお)とありしが、南都の訴訟(そしょお)強(つよ)きによつて、

あの木津川(こつがわ)にて斬られ給ふ(たモオ)、

節:さしも栄花の門(かど)を開き、一家塁葉(いッケるいよお)を連ねし身なれど、(「あれほどに栄華を極め、代々の一族兄弟が揃って栄えた平氏の身ではあったが。」)ひとたびは栄へひとたびは衰(おとろオ)ふること、目のあたりなる有様なり

(この謡の終わりに、シテは真中に出て着座し、同時にワキも脇座に着座するか)

*「菅原道真の〈一栄一落是春秋〉の心、盛者必衰の道理を如実に示すような重衡の一生でした。」

[哥・合弱](一同着座のままか)

地:朝(あした)に‐紅顔(こおがん)あ(ナ)つて、世路(せいろ)に‐たのしむといへども、夕(イウ)べには白骨(はツこツ)となって、郊原(こおげん)に朽ち果てし、木津(骨)川(こつがわ)の波と消えて、

(シテ、感慨のていか)あは(泡)れなる跡なれや。

*「和漢朗詠集の藤原義孝の詩〈朝に紅顔ありて世路を誇るといえども暮には白骨となりて郊原に朽つ〉の通りに骨も朽ち果て、木津川のほとりで波の泡のように空しく消えた重衡の、哀れな墓標がこれなのですよ。」

 

〔短歌〕

「雨ふれり 丹のぬれいろの 草花に

むかひて端居を 久しくするも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「松蝉や 二つ三つづつ 鳴き揃ふ」高野素十

〔和歌〕

「夕やみの 鵜川のかがり くだし過ぎて

あらぬ蛍ぞ またもえて行く」

大江宗秀・玉葉381

「夕闇のこめた川面を鵜舟の篝火が漕ぎ下って行き、今度は篝火ならぬ蛍が、また燃えるような光を放って飛んで行く。」

・あらぬ=全然違う。無関係の。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は「古都」「国際観光都市」の名に恥じない

良識ある判断をしてください。

 

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2012年6月24日 (日)

般若寺 夏の花だより   6・24

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり近し≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*お天気は下り坂好天は二日ともちません。晴れ間の見えた昨日の土曜日は当寺でも梅雨時期としては珍しいほどのにぎわいを見ました。アジサイ、コスモスが同時に見ごろとなっています。それからまだ咲いていませんが秋海棠(しゅうかいどう)が大きくなり花もあと少しで咲きそうになって来たので、木陰の道沿いに配置しました。秋海棠の周回道です。真夏の花時が楽しみです。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文③

3.[問答・不合〈弱〉]

ワキ詞:(以下、ワキは脇座に、シテは常座に立ったまま応対するか)

    いかにこれなる翁に尋ね申すべきことの候

シテ詞:なにごとにて候ふぞ

ワキ詞:これはこの所始めて一見(いッけん)の者にて候ふが、仏閣の有様目を驚かしてこそ候へ

シテ詞:げにげにわれらは朝暮(ちょおぼ)目慣るる身にだにも、この奈良坂(ならざか)に上がりて見れば、目を驚かすばかりなり、ことさら始め          てのおんことならば、さこそと思ひ遣られて候、見え続(つず)きたる    仏閣(ぶッかく)おん尋ね候へ、あらあら教へ申さう(ソオ)

ワキ詞:(以下、順次方角を変えて見こみながら応対するか)

まづこれより東にあたり大きなる御寺の見えて候ふは、承り及びたる大仏殿候(ゾおろ)ふか

シテ詞:さん候(ゾおろ)ふあれこそ三國無双(さんごくブそお)の大伽藍、東大寺大仏候(ゾおろ)ふよ

    まづこれより東にあたり大きなる御寺(てら)の見えて候ふは、承り及びたる

ワキ詞:またこれより西にあたり塔婆(とおば)の見えたる御寺をば、いかなる寺と申し候ふぞ

シテ詞:あれは遍昭(へんじょお)が歌に、

(節)浅緑 糸縒(よ)り掛けて白露の、(詞)玉にも貫(ぬ)ける春の柳と、

(節)西の大寺(おおテら)の柳を詠めると、この事書(ことが)きにも記したる、西大寺にて候。

[掛ケ合・不合〈弱〉]

ワキ節:(以下、引き続き目を移しながら問い、答えするか)

    衣干すなる佐保(さお)の川の、流れに続く寺はいかに

シテ詞:あれはそのかみ唐土(もろこし)の、れうくゎう法師(ほおし・不明)が作り置きし、十一面(ジウいちめん)の二仏像(にぶつぞお)、法華寺(ほッけじ)といへる尼寺(あまでら)なり

ワキ節:さてまた南にあたりつつ、見えたる寺の名はいかに

シテ節:法相流布(ほッそおるふ)の興福寺(こおブくじ)、山階寺(やましなでら)とも申すなり

ワキ節:さてその末に続(つず)きつつ、見えたる寺の名はいかに

シテ節:あれは春日のご臨時の使(つかい)に、下り給ひし在中将(サいチウじょお=在原業平)のご建立、勤めの聲の不退寺(ふダいじ)よ

ワキ節:さてなほ遠く見えたるは

シテ節:けふも命は知らねども

[上ゲ哥・合弱](シテ、正面へ向き直るか)

地:飛鳥(明日か)の寺(=元興寺)の 夜の鐘、飛鳥の寺の 夜の鐘、

  *「今日の命だってどうなるか分からないが、明日こそが限りかと思わせる飛鳥寺で、折りしもその飛鳥寺の夕の鐘が響いている。玉葉集・飛鳥井雅有〈あだなれどけふの命もありすぎぬいつを限りぞ入相の鐘〉」

鬼ぞ撞(つ)くなる 恐ろしや、

(正面へすこし出て鐘の音に耳を澄ますか)

さても‐音に聞きし 鐘の音は、これぞと思ひ、(顔をあげるか)

入相(いりヤい)もすさまじや。

(以下、左回りに常座へ行くか・定型)

げにや いにしへに、 なりにし奈良の 都路(みやこじ)も、 

春に帰りて 花盛り、 八重桜木(やえさくらぎ)は 面白や、

(常座で正面を向いて花を見るか)

 八重桜木は 面白や。

(この地謡の間に、アイが片幕で目立たぬように登場し、

アイ座に着座するか・定型)

*「花やかだった時代はもう昔になってしまった古都奈良のかつての都大路は、昔に変わらず訪れる春になって今が花盛りで、名高い八重桜の眺めの面白さよ。百人一首・伊勢大輔〈いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな〉」

 

〔短歌〕

「向うの山の 茂りの前を いく時か

雨とほりをり 今日はわびしも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「飛石の 三つ四つ蓮の 浮葉かな」与謝蕪村

〔和歌〕

「夏の夜は いはがきし水 月さえて

むすべばとくる 氷なりけり」

賀茂重保・風雅388

「夏の夜は、岩の間からしたたり落ちてたまる清水に月が冷たく映って氷のよう、しかもそれは手ですくうととけてしまう氷なのだ。」

・いはがきし水=垣のようにたたみ上げた岩からにじみ出る清水。

・むすべばとくる=「むすぶ」は手で水をすくう事。水に映る月光は氷のようだが手ですくえば水になってしまう事を、「結ぶ」「解く」と言葉をあやなした技巧。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は良識ある判断をしてください。

 

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2012年6月23日 (土)

般若寺 夏の花だより   6・23

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり近し≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*昨日雨上がりの朝、石造美術研究家・縄田氏の案内で京都府木津川市の蟹満寺と光明山寺跡を尋ねました。蟹満寺では光明山寺から移された実範上人の墓石を拝み、そこから500メートル東の光明山寺跡へ行きました。光明山寺は平安時代、東大寺の三論浄土教の別所として栄え、中川寺の実範上人も晩年隠棲し著作を残してこの地で亡くなられました。かつては百ケ坊をこえる伽藍を持つ大寺院でしたが、江戸時代に廃絶したと言います。今寺跡の谷あい一帯には10ヘクタールほどの田んぼが広がり、所々に礎石らしい石が点在します。何にもないのでかえって想像が広がり、平安時代の密教と浄土教の修行道場のことがしのばれました。

 

*謡曲『笠卒塔婆』本文②

2.〔次第〕(囃子につれてシテが登場、常座にとまるか。シテは右手に杖を突きなどしているか)

[次第・合弱](常座でうしろを向いて謡うか・定型)

シテ:苦しき老いの 坂なれど、苦しき老いの 坂なれど、越ゆるや程なかるらん。

[サシ・不合混](正面を向いて謡うか)

シテ:花は雨の過ぐるによって紅(くれない)まさに老いたり、柳は風に欺かれて、緑ようやく低(た)れり、寒林に骨を打つ、霊鬼泣く泣く前生(ぜんジョお)の業(ごお)を恨み、りんやに花を供(くう)ずる天人、返すがへすも帰性(きしょお)の善を(ノ)喜ぶなるは、ただ順逆の因果なるべし、人間万事塞翁が馬(ンま)何か法ならぬ、げに隔(へだ)てなき世の慣(な)らひ

[上げ哥・合弱](やはり正面を向いたまま謡うか)

シテ:老いの鶯 音(ね)も古(ふ)りて、老いの鶯 音も古りて、身に染む色の 消えかへり、春の日の 影共に、遅き歩みを たどり来て。通ひ慣れたる 奈良坂や、花の木陰に 着きにけり、花の木陰に 着きにけり。(一二足歩み足をとめるか)(この謡の終わりごろにワキが立ちあがるか)

*解説

・人物:前ジテ=里の老人(化身)・着流尉出立か

 

   後ジテ=平の重衡(霊)・修羅物出立(面中将)か

   ワキ=旅の僧・着流僧出立か(ワキ連が出る時も同装か)

   アイ=里の男・肩衣半袴出立か

・場面:前場=大和の国奈良坂。平の重衡の墓標の付近。花盛りの春のある日。

後場=同じ所。同じ日の後刻。月のある深夜。

・明日へつづく。

 

〔短歌〕

「下つ枝(え)は 水にひたりて 川柳

ほつ枝(え)ゆれをり 雨の日ぐれを」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「金管を 身に纏く楽士 かたつむり」岡田貞峰

〔和歌〕

「くれの雨に かはせの水や まさるらん

はやくぞくだる かがり火のかげ」

右大臣(二条道平)・玉葉380

「夕暮の雨に、川瀬の水が増したらしいな。速力早く下流に下って行く、鵜飼の篝火の光りよ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は良識をもって計画を見直してください。

 

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2012年6月22日 (金)

般若寺 夏の花だより   6・22

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・雨の間は花数少なくなる、

7月上旬まで≫17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪終わり≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*雨が降り続いています。でも大雨は終わったようです。

*謡曲『笠卒塔婆』(かさそとば)本文①

1.〔次第〕(囃子につれてワキが登場、常座にとまるか)(あるいはワキ連を従えて登場、正面先に立ち並ぶこともあるか。その際は、次第・上げ哥は正面先で向き合って謡うか)

[次第・合弱]

ワキ:(常座でうしろを向いて謡うか・定型)春を心の 知るべにて、春を心の 知るべにて、憂(う)からぬ旅に 出でう(いジョオ)よ。

[名ノリ・不合詩]

ワキ:(正面に向かって言うか)かように候ふ者は諸国一見(しょこくいっけん)の者にて候、われこの程は都に上(のぼ)り洛陽(らくよお)の寺社に参りて候、またこれより南都七堂に参らばやと存じ候

[上げ哥・合弱]

ワキ:(正面を向いたまま謡うか)都より、また旅立ちて 井手(出)の里、

また旅立ちて 井手(出)の里、けふ甕(みか)の原 泉川(いずみがわ)、川風霞(かわかぜかす)む 春の空。影ものどかに 巡る日の、南の都ここなれや、はや奈良坂(ならざか)に 着きにけり、はや奈良坂に 着きにけり。(到着のていか)(着きゼリフを言ってから脇座に行き着座するか)

*いきなり本文に入りましたが、やはり予備知識が必要ですので解説の部分を紹介します。

・作者:『申楽談儀』(世阿弥の芸話を次男元能が整理した聞書)に、曲名を『重衡』として数箇所本文を引用しているから、世阿弥当時からあった能に違いないが、作者を決定する確実な資料がない。本大系本では「世阿弥時代の能」に分類される。

・能柄:夢幻能。中将物の修羅物。二番目物。・・・これらの用語については後日に解説します。

・素材:⑴重衡の霊が奈良坂に出た話(口承か)

⑵重衡が刑死にのぞみ木仏を拝んだ話(平家物語)

⑶春日野の飛ぶ火のこと(しばしば用いる題材)

・主題:南都炎上に直接手を下した平重衡の自責の苦悩を描く。修羅物が本来持つ暗さに徹した能。唯一の色どりである名所教えも、実は罪業の原因となった南都の寺々を教えているのであって、主題に密着している。

・以下は次回にします。

 

〔短歌〕

「雨ふりの 日暮れをちかみ 雑木山

風いちじるく 葉裏かへすも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「どくだみや 真昼の闇に 白十字」川端茅舎

〔和歌〕

「山水の いはもるをとも さよふけて

木のまの月の 影ぞすずしき」

前大僧正道意・風雅386

「山川の水の、岩間を漏って来る音も夜更けの風情になって、木々の間からさす月の光がいかにも涼しいよ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして活かすべきです。

奈良市は良識ある判断をしてください。

 

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2012年6月21日 (木)

般若寺 夏の花だより   6・21

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ、7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪盛りをこえる≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*梅雨らしい雨の一日となりそうです。大雨になるかも。

今日から「お能」の作品『笠卒塔婆』に取り組んでみたいと思います。私はお能を一度も見たことがなく、テレビでちらっと鑑賞した程度の素人です。以前から謡曲『笠卒塔婆』のことが気にはなっていたのですが、何分難しいのでどうご紹介したらいいのか解らなくて躊躇していました。しかし先日平重衡公の供養塔のことを書きましたので、やはり一度挑戦してみたくなりました。そうは言ってもズブの素人ゆえ解説など加えることは不可能です。そこでテキスト通りにご紹介しようと思います。何回に亘るのかは今のところわかりませんが、とにかく一歩を踏み出すことにいたします。

テキストは岩波書店の『日本古典文学大系』(1963年刊)の第41『謡曲集下』を使います。

当寺に現存する「重要文化財・笠塔婆」は明治初年までは京街道に面して、寺墓所の入口に立っていました。それでその地を笠塔婆にちなんで「高石」と言います。それが明治元年の廃仏毀釈で破壊され瓦礫となっていました。その後明治20年代に境内に移転修復されたのです。ですからお能が作られた室町の頃は道端に立ち、街道を行き来する当時の人々には平重衡の墓標と認識されていたのでしょう。現物「笠塔婆」があったのと、『平家物語』に「奈良炎上」と「重衡被斬」の段があることから有名な話として謡曲『笠卒塔婆』が作られたのだと思います。

今日は前置きといたします。明日からは作品に入ります。

 

〔短歌〕

「山の中の 昼はたけなは しんしんと

ふかきしじまを 耳底に堪ゆ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「野いばらの 青むとみしや 花つぼみ」飯田蛇笏

〔和歌〕

「大井河 う舟のかがり ほの見えて

くだすやなみの よるぞ知らるる」 

亀山院御製・玉葉378

「大井川に、鵜舟の篝火の光がほのかに見えて、流れを下り行くにつれ、舟べりに波の寄るのまで、夜ながらはっきりそれと知られる。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして生かすべきです。

奈良市は良識ある判断をしてください。

 

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2012年6月20日 (水)

般若寺 夏の花だより   6・20

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ、7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪盛りをこえる≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*昨日の台風はスピードアップして日本列島を駆け抜けました。時速60キロほどだったようです。昼間の台風予報では室戸沖から紀伊水道へ入り大阪市に上陸するかもしれないと言っていたので、近畿には最悪かと心配していたのですが、幸い東にそれてくれました。進路の西側になった奈良はおかげで風雨も強くなくて無事に済みました。それでも当寺では、境内中に木の葉が散り、植木鉢が倒れたりコスモスの背の高いのはなぎ倒されているのもあります。花は蕾も多く、今日は支柱をするなど養生に専念したいと思います。これくらいで本当に助かりました。御仏のご加護と感謝しなければなりません。

 

〔短歌〕

「森の端の 一樹の白き 花ざかり

ここだく蝶の 来てまつはれる」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「夏蝶の 息づく瑠璃や 楓の葉」水原秋桜子

〔和歌〕

「しげりあふ 庭の梢を 吹き分けて

風にもりくる 月のすずしさ」

前関白右大臣(鷹司師平)・風雅382

「茂りあう庭の梢を吹き分ける風につれて、葉末の間々から洩って来る月の光の、何と涼しいことよ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

ここを「奈良市営ゴミ焼却場移設」候補地にするのは不適当です。

中の川は歴史古道の観光スポットとして生かすべきです。

奈良市は良識ある判断をしてください。

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2012年6月19日 (火)

般若寺 夏の花だより   6・19

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ、7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ、ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪盛りをこえる≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*台風4号が近づいています。どうも近畿地方直撃で雨風が強くなりそうです。奈良県は去年も南の山間部で大きな被害があったのに、この台風は再び大雨を降らしそうです。いま梅雨真っ盛りのところに台風が重なるので記録的な雨量となるのでは、と心配されます。今日は台風が無事に通過してくれることをお天道様、神仏に祈りましょう。

昨日の写真で最後の方のコスモスの花は、ダブルクリック・ローズボンボンという新種です。コスモスらしからぬ豪華な花びらと、濃い赤というよりエンジ色をしためずらしいコスモスです。何分花が重いので軸が耐えきれず折れることが多いです。またこのダブルクリックという種類には、同じ形で純白のスノーパフという花もあります。シーシェル、サイケ、ピンクポップソックスも花の形状は複弁を持ちます。

 

 

〔短歌〕

「山百合の 咲かんとおもひ 萱ふかき

土よりいでて ふくらむ莟」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「枝にある をとめの足や 枇杷をもぐ」橋本多佳子

〔和歌〕

「かがり火の かげしうつれば ぬばたまの

よかはの底は 水ももえけり」

紀貫之・玉葉377

「篝火の光が映ると、まっ暗な夜の河の底は、水までも燃えることよ。」

・鵜河=鵜飼を詠む。暗夜に篝火をたいて行う。

・ぬばたまの=「夜」の枕詞。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

この地は「奈良市営ゴミ焼却場移設」にふさわしくありません。

歴史古道の観光ポイントにこそ最適です。

奈良市は良識を持って再考してください。

 

 

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2012年6月18日 (月)

般若寺 夏の花だより   6・18

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ、7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ。ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎ 山アジサイ: ≪盛りをこえる≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*アジサイは少し遅れ気味に咲いています。西洋アジサイの種類は早くに咲いていますが、日本在来種のアジサイはこれからです。日本のアジサイは七変化という名を持っています。花が大きくなるにつれて緑から白へ、白から青に変わるのと、土の酸度により紅と青に変化するからです。花は雨の日は生き生きと咲き、晴れたらしおれます。梅雨に適応した花で、雨が降るごとに大きくなります。しかしこの頃、西洋アジサイ、ハイドランジアの方が普及していて、大きな日本アジサイはかえって珍しくなっています。

アジサイと夏コスモスの競演で、いま般若寺の庭は花ざかりです。

 

〔短歌〕

「まろらなる 青萱山の ふもと風 

かやおしなびけ 光りはしるも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「河鹿鳴き 水いそぎつつ 平なり」水原秋桜子

〔和歌〕

「雨はるる 軒のしづくに 影みえて

あやめにすがる 夏のよの月」

後京極摂政太政大臣・風雅381

「雨の晴れるにつれて、軒の雨滴にその光が映って、さながら葺いた菖蒲に取りすがるかのように葉の縁で輝いている、夏の夜の月よ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

この地は「奈良市営ゴミ焼却場移設」にふさわしくありません。

歴史古道の観光ポイントにこそ最適です。

奈良市は良識を持って再考してください。

 

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2012年6月17日 (日)

般若寺 夏の花だより   6・17

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・七分咲、7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ。ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪盛りをこえる≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*ゆうべは大きな雨音が耳につき少し不安を覚えるほどでした。久しぶりの大雨です。九州、四国では浸水や土砂崩れの被害が出ているようです。今年は梅雨らしい梅雨となるのでしょうか、用心したいですね。

この間、尋常小学唱歌『大塔宮』を調べていたら、同じく唱歌の『鎌倉』第6番に、

「鎌倉宮(かまくらぐう)に もうでては

 尽きせぬ親王(みこ)の みうらみに

 悲憤の涙 わきぬべし」

と大塔宮が歌われているのに気づきました。

この歌は1番の「七里ヶ浜」「稲村ケ崎」、2番の「極楽寺坂」「長谷観音」「露座の大仏」、3番の「由比の浜辺」「雪ノ下」「八幡宮」、4番には八幡宮の「大銀杏」、5番は同じく八幡宮の「若宮堂」、8番の「建長」「円覚」と、鎌倉の名所旧跡、歴史が読み込まれていて鎌倉案内歌となっています。おそらく昔は関東圏の子供たちは遠足や修学旅行の事前学習にこの歌を勉強したのでしょう。奈良にもこんな歌があればいいのになあ、と羨やましく思います。作曲者不詳、作詞は芳賀矢一さんです。

 

〔短歌〕

「山独活(やまうど)の 花うかび見ゆ ふかふかと

ふもと萱原(かやはら) 遠ひろき上」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「鮎の宿 膳は春慶 づくしかな」阿波野青畝

〔和歌〕

「とをちより 吹きくる風の 匂ひこそ

花橘の しるべなりけれ」

郁芳門院安芸・玉葉376

「遠くの方から吹いて来る風のよい匂いこそは、花橘の咲いている場所を知らせる、案内役であるよ。」

・とをち=遠方。「ち」は方向を示す(いづち、こち等)。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林は

世界に誇る日本の宝です。

この地は「奈良市営ゴミ焼却場移設」にふさわしくありません。

歴史古道の観光ポイントに最適です。

奈良市は良識を持って再考してください。

 

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2012年6月16日 (土)

般若寺 夏の花だより   6・16

◎夏コスモス(早咲種):≪見ごろ・七分咲、7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ。ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇 チョコレートコスモス:≪見ごろ≫  4種類

◎ ヒツジ草、姫スイレン: ≪見ごろ≫

◎、山アジサイ: ≪盛りをこえる≫  25種類。200本。

◎ 紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*これから一週間ほどは雨模様です。梅雨らしく時々大雨になるかもしれません。せっかくの週末、アジサイやコスモスも見ごろとなってきたのにあいにくの空ですね。しかし梅雨にしっかり降らなければ、真夏に水不足の心配が出てきます。ほどほどの雨量であれば恵みの雨とあきらめ晴耕雨読、雨の日はじっくり頭の栄養を取りましょう。

 

〔短歌〕

「向うの山の 大きな斜面 彼処(かしこ)には

百合咲いてをり はるかなるかも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「赤門は ふるし紫陽花も 古き藍」山口青邨

〔和歌〕

「松のうへに 月のすがたも みえそめて

すずしくむかふ 夕ぐれの山」

祝子内親王・風雅380

「松の梢の上に、昇って来た月の姿も見えはじめて、いかにも涼しい気持ちで相対する、夕暮の山よ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林を

「奈良市のゴミ」で汚すこと、壊すことは許されません。

日本文化と自然を愛する人は

中の川への「奈良市営ゴミ焼却場移設」に

反対の声を上げてください。

 

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2012年6月15日 (金)

般若寺 夏の花だより   6・15

◎初夏のコスモス(早咲種):≪七分咲見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ。ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫

ブラウンルージュ、ノエルルージュ、

ルージュルージュ、チョコモカ

◎姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*今日は真言密教の高祖、弘法大師空海の誕生日です。光仁天皇の御世、宝亀5年(774)讃岐の国(現香川県善通寺)で生まれられました。俗姓佐伯氏。唐の都、長安青竜寺において、師恵果阿闍梨から真言密教の奥義を授けられる。大師は恵果阿闍梨の師、不空三蔵の入滅日に生まれられたのでその生まれ変わりと考えられています。京都の東寺を拠点に真言宗を弘められたので、真言密教のことを「東密」と言いますが、なんといっても修行の地とされ、御入定の地となった高野山が有名です。正式には高野山金剛峰寺と言います。高野山で営まれる「大師誕生会」(だいしたんじょうえ)は「青葉祭」(あおばまつり)と言います。

「ひえびえと 高野の杉の 青山気」豊長みのる

 

〔短歌〕

「ぬれしとる 山樹(やまぎ)木伝(こづた)ふ 靄くらく

時やみ雨の ただちに至る」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「木洩日の 七宝散れる 額の花」尾崎光尋

〔和歌〕

「五月雨の 雲ふきすさぶ 夕風に

露さへかほる 軒のたちばな」

藤原為道朝臣・玉葉374

「五月雨の雨雲を強く吹き払う夕風によって、散りこぼれる露までもその芳香をうつして薫る、軒の橘よ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産春日山原始林を

「奈良市のゴミ」で汚すこと、壊すことは許されません。

日本文化と自然を愛する人は

中の川への「奈良市営ゴミ焼却場移設」に

反対の声を上げてください。

中川寺跡の実範上人五輪塔、牛塚十三重石塔、謎の護摩石、惣墓五輪塔を巡拝し、「岩船寺・弥勒の辻」まで伊勢古道を歩きましょう。

 

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2012年6月14日 (木)

般若寺 夏の花だより   6・14

◎初夏のコスモス(早咲種):≪七分咲見ごろ・7月上旬まで≫

17種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 、スノーパフ。ローズボンボン、

クランベリー、レッドイリュージョン、アンティキティ

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫

ブラウンルージュ、ノエルルージュ、

ルージュルージュ、チョコモカ

◎姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*毎日梅雨らしい空がつづきます。まだ梅雨特有の蒸し暑さがないだけマシですが、昼と夜の温度差が大きいので着るものは夏と春の繰り返しですね。

・尋常小学唱歌『大塔宮』の第4番は護良親王が鎌倉の土牢で、命果てられた悲劇を歌っています。

4、恨(うらみ)尽(つ)きせぬ 

    建武(けんむ)の昔(むかし)

日影(ひかげ)も闇(くら)き 

鎌倉山(かまくらやま)の

御最後(ごさいご)あはれ 

語(かた)るもゆゆし

 

父後醍醐帝にとらえられ足利氏の手に委ねられ、鎌倉東光寺の土牢に幽閉されていた親王は、北条時行(高時の子)が幕府復活をめざし反乱を起こした時(「中先代の乱」)、北条方に利用されるの懼れた足利直義の手の者により殺害されました。建武2年(1335723日、享年28歳(満27歳)の若さでした。明治になってその地に鎌倉宮が建てられています。

歌詞の最後の言葉「ゆゆし」は「忌々しい、由由しい」で、「恐れ多い、はばかられる」の意です。

 

〔短歌〕

「幹くろく ぬれそぼつ木を 雨靄の

伝はりゆくも 峡(かひ)のをぐらさ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「紫陽花の 毬の日に日に 登校す」星野立子

〔和歌〕

「こころある 夏のけしきの こよひかな

木の間の月に 水鶏こゑして」

後伏見院御歌・風雅377

「いかにも季節の情趣を心得ているような、夏の風情の今夜だなあ。木の間からさす月光の中で、水鶏が声を立てて。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

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2012年6月13日 (水)

般若寺 夏の花だより   6・13

◎初夏のコスモス(早咲種):≪七分咲見ごろ・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき、

ソナタ、イエローロード 

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫

ブラウンルージュ、ノエルルージュ、

ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪見ごろ≫   10種類。150本。    

 

*昨日は梅雨らしいお天気でしとしと静かな降りでした。アジサイはこれでようやく見ごろを迎えたのではないでしょうか。でもコスモスには雨は似合いません。せっかくの花がうつむいてしまいます。今日は雨は上がり一日曇り空となりそうです。

尋常小学唱歌『大塔宮』の第3番

3、鎧(よろい)の上(うえ)に 立てる矢七(なな)つ

流(なが)るる血しほ 拭(ぬぐ)ひもあへず

酒酌(さけく)みましし 三芳野(みよしの)あはれ

 

護良親王が後醍醐天皇に呼応して吉野で討幕の旗を掲げ奮戦したとき、配下の村上義光(むらかみよしてる)が親王の身代わりとなって矢を身に受け腹をかき切って憤死した忠勇の様を歌にしている。

 

〔短歌〕

「山鴉(やまがらす) ころころのどを ならしつつ

梢になけり これは朴の木」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「梅雨晴に 加はる星の 夥(おびただ)し」相生垣瓜人

〔和歌〕

「さみだれの 雲まの軒の 時鳥

雨にかはりて 声のおちくる」

前大僧正慈鎮・玉葉369

「五月雨の雲の晴間に軒近く鳴く時鳥よ、雨に代って、その声が降ってくるよ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

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「奈良市のゴミ」で汚すこと、壊すことは許されません。

日本文化と自然を愛する人は

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2012年6月12日 (火)

般若寺 夏の花だより   6・12

◎初夏のコスモス(早咲種):≪見ごろ・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ 、ベルサイユピンク、ベルサイユレッド、あかつき  

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪五分咲≫   10種類。150本。    

 

*梅雨の晴れ間に夏ハギが咲いています。1本だけですが珍しいので目につきます。ほかにはそばの花も咲いています。赤白二色あります。

昨日につづいて尋常小学唱歌『大塔宮』の第2番は、

2、山伏(やまぶし)姿(すがた)険(けは)しき道(みち)を

破(やぶ)るる御足(みあし)紅(くれない)染(そ)めて

落行(おちゆ)きましし 熊野路(くまのぢ)あはれ

 

般若寺で危難をのがれた親王は吉野から熊野へ落ちて行かれました。おそらく探索の目を逃れるため険しい山道をたどって行かれたのでしょう。

 

〔短歌〕

「山に入り わがあゆむなべに 森林の

樹木の幹の いりみだれ見ゆ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「水色に 夜は明けゆくや 額の花」木内悠起子

〔和歌〕

「かげしげき 木のしたやみの くらき夜に

水の音して くゐな鳴くなり」

永福門院・風雅376

「葉陰の深い、木の下闇の大変暗い世に、どこかで水の音がして、水鶏の鳴くのが聞こえる」

・くゐな=水鶏。水辺に住むクイナ科の鳥。初夏に、戸をたたく音に似た声で鳴く。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

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2012年6月11日 (月)

般若寺 夏の花だより   6・11

◎初夏のコスモス(早咲種):≪五分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪五分咲≫   10種類。150本。    

 

*今日も護良親王のことをご紹介します。

大正2年(19136月に文部省が編集制定した

「尋常小学唱歌第5学年用」の第18番に『大塔宮』があります。

この歌は作詞、作曲が不明なのですが、大正から昭和の初めに小学校で歌われたので、その年代の方だったら誰もが知っておられます。歌は4番まであり、1番に「般若寺あはれ」が歌われています。

1、 氷(こおり)の刃(やいば)御腹(みはら)に当(あ)てて

 経巻(きょうくわん)かづき かたづをのみて

 忍(しの)びおはせし 般若寺(はんにゃじ)あはれ

 

護良親王が元弘の戦に加わろうとして奈良へ来てみたら、笠置の後醍醐天皇は幕府勢に敗れてしまった。親王は逆に幕府側に追われることになり、般若寺において大般若経の唐櫃に隠れて危難を逃れられた話を歌詞とします。

2番以降は後日にいたします。

いま境内では悲劇の主人公をなぐさめるかのように、コスモスとアジサイの花が咲いています。

 

〔短歌〕

「急雨さり 牛小屋の戸を いづる時

裾にちりたる 鳳仙花の露」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「木の下に 柿の花ちる 夕べかな」与謝蕪村

〔和歌〕

「庭のおもも 雲にへだたる しばがきの

しばしひまあれ 五月雨の空」

前中納言定家・玉葉360

「降り続く雨のために、庭の面すら雲に隔てられたように煙っている、その庭の柴垣ではないが、暫くの間ぐらい止み間があってほしいよ、五月雨の空よ。」

・しばがきの=「隔たる」の縁で庭の景物として出し、「しば」から「しばし」を導く。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

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2012年6月10日 (日)

般若寺 夏の花だより   6・10




◎初夏のコスモス(早咲種):≪五分咲・
7月上旬まで≫

15種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪五分咲≫   10種類。150本。    

 

*昨日につづいて般若寺にかかわる有名な親王様を顕彰します。次の文は境内に掲示しているものです。

大塔宮護良親王(おうとうのみや・だいとうのみや/もりなが・もりよし)

親王は延慶元年(1308)、後醍醐天皇の皇子として誕生。六歳で天台宗梶井門跡三千院に出家、尊雲法親王と呼ばれる。大塔宮の名は東山岡崎の法勝寺九重塔(大塔)近辺に門室を置いたことに由来。十七歳で三千院門主、十九歳で天台座主となる。『太平記』には武芸を好む異例の座主であったという。元弘元年(1331)、後醍醐天皇が討幕の「元弘の乱」を起こすと、還俗して参戦す。その時、般若寺の唐櫃に隠れた「般若寺の危難」の物語が残る。以後、吉野・熊野において村上義光らとともに戦い、二年して鎌倉幕府の京都六波羅探題を滅ぼす。討幕後、建武の新政で征夷大将軍となる。しかしその後、足利尊氏や父後醍醐天皇とも反目し、身を拘束された親王は鎌倉へ送られ、二階堂谷の東光寺で土牢に幽閉され、北条時行の「中先代の乱」の際、足利直義の命で殺害される。建武二年(1335)七月二十三日、享年二十八歳の御生涯であった。いま親王の御霊をまつる鎌倉宮には、東光寺の土牢を復元し親王に関する資料が公開されている。そこには「般若寺の唐櫃」の複製も展示される。

大塔宮をしのぶ歌と句。

「般若寺は 端ぢかき寺 仇の手を

のがれわびけむ 皇子しおもほゆ」 森鴎外

「般若櫃 うつろの秋の ふかさかな」 阿波野青畝

「大塔宮 在せし寺や 百日紅」 小牛

 

〔短歌〕

「にはか雨 おとろへきたり 山にたつ

靄こそ見ゆれ 小屋の戸いでむ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「柚子の香を すでに備へて 柚子の花」藤原海塔

〔和歌〕

「我がやどの 花たちばなや 匂ふらむ

山ほととぎす 過ぎがてになく」

修理大夫顕季・風雅370

「私の家の、花橘がよい匂いを放つらしい。山時鳥が、ここを立ち去りがたいような風情でないている。」

・過ぎがてに=通り過ぎかねて。

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山、世界遺産・春日山原始林の自然生態系を

「奈良市のゴミ」で汚すこと、壊すことは許されません。

日本文化と自然を愛する人は「奈良市営ゴミ焼却場建設」に

反対の声を上げてください。

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2012年6月 9日 (土)

般若寺 夏の花だより   6・9




◎初夏のコスモス(早咲種):≪五分咲・
7月上旬まで≫

15種類。5万本。

センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲はじめ≫   10種類。150本。    

 

*やっと雨が降ったと思えば梅雨入り宣言です。空には雨がたまっていたのでしょうか。恵みの雨で草花や木々の緑は蘇りました。

先日紹介した般若寺にゆかりの歴史上の若き悲運、悲劇の公達、藤原頼長卿と平重衡公の供養塔を顕彰する石碑二基が出来上がりました。昨日さっそく塔のわきに建てました。あと一つ、般若寺の鎌倉復興における功労者、観良上人良恵大徳の供養塔の石碑も建てました。このお上人は歴史に埋もれていた方です。

生没年は不明ですが、十三重石宝塔を建て伽藍の復興を成し遂げられたお方です。叡尊さんの『感身学正記』文永4年(1267)の条に、「般若寺中興願主上人」と記録されています。

般若寺は京街道の要所に位置する寺なので、歴史上の有名人がこの地に足跡を残しています。大塔宮護良親王、剣豪宮本武蔵を始め、行基菩薩、弘法大師の法弟観賢、西大寺叡尊、極楽寺忍性など僧たちも多彩です。近代の文学者では、正岡子規、森鴎外、会津八一、水原秋桜子、阿波野青畝、高野素十など多士済々です。

この長く深い歴史を大切にしていきたいですね。

 

〔短歌〕

「荒磯を 山のへだつる この窪に

光たたふる 椿の葉かも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「橘の 花や従ふ 葉三枚」星野立子

〔和歌〕

「五月雨は はれんとやする 山のはに

かかれる雲の うすくなり行く」

今上御製(花園院)・玉葉357

「五月雨はやっと晴れようとするのだろうか。山の端にかかっている雲が、次第に薄くなって行くよ。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産・春日山原始林の自然生態系を

「奈良市のゴミ」で汚すこと、壊すことは許されません。

日本文化と自然を愛する人は「奈良市公設ゴミ焼き場建設」に

反対の声を上げてください。

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2012年6月 8日 (金)

般若寺 夏の花だより   6・8

◎初夏のコスモス(早咲種):≪五分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲はじめ≫   10種類。150本。    

 

*あさっての610日は天台宗の学僧、恵心僧都源信の御忌日です。比叡山延暦寺では「恵心講」が営まれます。奈良では斑鳩町の清水山吉田寺でも「恵心僧都十日念仏会」があります。午前十時半からの法要です。

恵心僧都は天慶5年(942)奈良県当麻で誕生され、9歳で比叡山にのぼり慈恵大師良源の弟子となられました。修学中の逸話に、お母さんの諌めの和歌が有名です。天暦10年(956)、村上天皇のとき15歳で「法華八講」の講師に選ばれ、みごとな講義をした源信さんは僧階とご褒美の品を与えられました。それを郷里の母に送ったところ、お母さんは次の和歌を添えて褒美の品を送り返されたそうです。

「後の世を 渡す橋とぞ 思ひしに

世渡る僧と なるぞ悲しき、

まことの求道者となりたまへ」

源信さんは母のいさめに従い名利を捨て「横川の恵心院」に隠棲し、念仏三昧の道に入られました。念仏修行を説いた有名な『往生要集』を著わし、日本浄土教の元祖となられました。

いま吉田寺には奈良県最大の重要文化財・丈六阿弥陀如来様がご本尊としてまつられますが、恵心僧都の御作と伝わります。そしてその用材として使われた栗の大樹の切株跡には重要文化財・多宝塔が建っています。

 

〔短歌〕

「落日は 海に遠くあり 光よわく

有磯(ありそ)の岩に およびたるかも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「短夜や 駅路の鈴の 耳につく」松尾芭蕉

〔和歌〕

「五月雨の はれままち出づる 月影に

軒のあやめの 露ぞすずしき」

法印定為・風雅367

「五月雨の晴れ間を待ちもうけてやっと出た月の光に、軒の菖蒲にかかる露が涼しく光っている。」

 

☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と

神の山である世界遺産・春日山原生林の自然生態系を

「奈良市のゴミ」で汚すこと、壊すことは許されません。

日本文化と自然を愛する人は「奈良市公設ゴミ焼き場建設」に

反対の声を上げてください。

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清水山 吉田寺

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2012年6月 7日 (木)

般若寺 夏の花だより   6・7

◎初夏のコスモス(早咲種):≪五分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、: ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲はじめ≫   10種類。150本。    

 

*真夏のような暑さがやって来ました。日ざしの強さは強烈です。これからは紫外線対策が肝心です。水分補給も充分に。

いま世間では、国民の意見をそっちのけに原発再稼働の動きが急になってきました。電力が足らないとのことで、この間まで脱原発といきり立っていた某市市長までが容認の立場に鞍替え、なんと薄っぺらな脱原発だったのでしょう。

福島はもう解決したんですかと聞いてみたいですね。みんなは節電の覚悟はできているのに。脱原発のためならと大金をはたいて太陽光発電を導入した人もいるのに。いま原発を動かしたらもう止められなくなるでしょう。一基が動けば全てが動くことになるでしょう。自然エネルギーへの転換は永遠に遠のくでしょう。何回事故に逢えば切り替えができるのか、日本人はそれほど愚かではないはずです。

 

〔短歌〕

「沖つ浪 かきくもり見ゆ 海を圧(お)し

うごき来る雲 すでにか降れる」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「たづね来て さつきに早き 山家かな」宮嶋千転子

〔和歌〕

「さみだれは いさらをがわを たよりにて

外面の小田を みおになしぬる」

大納言実家・玉葉355

「降り続く五月雨は、ささやかな小川をつたわって流れて行って、裏手の小田をまるで舟でも通りそうに、一面水びたしにしてしまったよ。」

・いさら=水に関して、少し、小さいの意。

・外面(そとも)=家の外側、特に背面。

・みお=澪。水脈。川や湾内で特に深く、船の通り路になる所。

 

☆南山進流声明の聖地中の川、

世界遺産・春日山原生林の貴重な自然生態系を

「奈良市のゴミ」でけがしてはなりません。

心ある人は声を上げてください。

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2012年6月 6日 (水)

般若寺 夏の花だより   6・6

◎初夏のコスモス(早咲種):≪三分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ、

ノエルルージュ、ルージュルージュ、チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、 ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲はじめ≫   10種類。150本。            

 

*昨日は台風接近で雨を期待したのに、どうやら南の海上を東へ向かっているようで奈良では全く降りませんでした。

五月からの異常少雨は深刻になってきました。当寺でも毎日の水やりが忙しいです。今は井戸水を使っていますが、このまま降らなければ枯渇してしまいます。もうすぐ梅雨に入ろうとしているこの時期に雨を望むなんて例年にはなかったことです。

紫陽花の開花、というか色づきが遅れています。花は早くから大きくなっているのに、花株近くの土がカラカラに乾いていて可哀そうです。

一方、コスモスは日に日に花数は増えて順調に来ています。しかし茎の背たけは1メートルあたりで止まっています。やはり水不足です。

矢車草と花菱草は盛りを越えていますが、まだまだ健在です。こちらは乾燥に強いです、いつまで咲くのか、という感じです。

そして真夏から秋口にかけて咲く秋海棠が大きな葉っぱを広げてきました。これは完全に日陰の湿った土地でないと育ちません。夏が難しいです。

 

〔短歌〕

「軒下の 青草束に 雨しぶき

小屋中(こやぬち)しめり 肌ひえおぼゆ」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「苔の花 冷たきものに 触れて咲く」中島秀子

〔和歌〕

「たごのうらの もしほもやかぬ 五月雨に

たえぬは富士の 煙なりけり」

藤原清輔朝臣・風雅365

「田子の浦でいつも焼いている藻塩も焼かぬほど降り続く五月雨にも、絶えないのは藻塩の煙ならぬ、富士の煙であったよ。」

・たごのうら=駿河の歌枕、田子の浦。静岡県富士市の、駿河湾に臨む海岸。

 

☆日本の古典音楽の源、声明のふる里「中の川」

平安時代の名僧、実範上人ゆかりの

中川寺成身院遺跡をたいせつに。

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2012年6月 5日 (火)

般若寺 夏の花だより   6・5

◎初夏のコスモス(早咲種):≪三分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ   

〇チョコレートコスモス:≪見ごろ≫・ブラウンルージュ

・ノエルルージュ ・ルージュルージュ ・チョコモカ

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、 ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪見ごろ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲はじめ≫  10種類。150本。            

 

*今日から7日まで 唐招提寺の「開山忌」です。奈良時代、中国唐の国から正式の戒律を日本に伝えられた鑑真和上の御命日です。天平宝字7年(76366日、76歳、唐招提寺において結跏趺坐して入寂されました。この開山忌の間、御影堂においては国宝の鑑真和上像が御開扉され東山魁夷画伯の襖絵も拝見できます。

「若葉して 御めの雫 ぬぐはばや」松尾芭蕉

「襖絵の 波うつろはず 鑑真忌」鶴嶋博子

鑑真和上の一代記を絵解きした重要文化財『東征伝絵巻五巻』は真言律宗の極楽寺忍性菩薩が永仁6年(1298)に唐招提寺へ奉納されたものです。

 

〔短歌〕

「ひたぶるに 大地うたんと おちかさなり

雨ふりしけり 向(むか)つ峰(を)の前を」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「新茶の香 真昼の眠気 転じたり」小林一茶

〔和歌〕

「ふりそむる そがの河原の 五月雨に

まだ水あさし ますげからなん」

藤原隆祐朝臣・玉葉353

「曽我の河原に五月雨が降りはじめたが、川はまだ増水せず水は浅いよ。今のうちに真菅を刈るがよい。」

・そがの河原=大和の歌枕、曽我の河原。奈良県高市郡を流れる曽我川(檜隈川の下流)の河原。「真菅」とともに詠まれる事が多い。

 

☆声明「南山進流」の源流地、中の川

平安の高僧、実範上人が開いた中川寺成身院遺跡を

訪問しましょう。

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2012年6月 4日 (月)

般若寺 夏の花だより   6・4

◎初夏のコスモス(早咲種):≪三分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇チョコレートコスモス:・ブラウンルージュ

・ノエルルージュ ・ルージュルージュ ・チョコモカ 

≪見ごろ≫

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ              ≪咲きはじめ≫

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、ヒツジ草、 ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪咲きはじめ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲きはじめ≫  10種類。150本。

 

*昨日は私の親戚にあたる、奈良氷室神社の結婚式に行きました。神社の後継者である息子さんがお嫁さんを迎えられました。氷室大御神の神前で厳かな式典を上げられ、祝宴は若草山々麓でありました。時間がゆっくり流れる奈良らしい結婚式でした。祝典会場は若草山の新緑が窓辺に映え、青芝の山を背にして雄大な眺めを堪能できるところでした。

般若寺では「美咲会」のボランティア活動日で、私たちが留守の間も会員の皆様が草取り作業に汗を流してくださいました。常連の方々に新人の方も加わっておられました。暑い中本当にお疲れさまでした。皆様のおかげで今年も初夏のコスモスは美しく咲いています。

花はこれから1か月余りが見ごろとなります。

 

〔短歌〕

「山かひを 木高みしげみ にはか雨

梢(うれ)にさやげど 未(ま)だ地を打たず」

木下利玄・紅玉

〔和歌〕

「あすか河 ひとつ淵とや なりぬらん

ななせのよどの 五月雨のころ」

権中納言公雄・風雅362

「飛鳥河は、水が増して全部が一つの淵になってしまったろうか。さすが多くの瀬があるという七瀬の淀も、五月雨の頃には。」

・あすか河=大和の歌枕、飛鳥川、明日香川。奈良県高市・磯城両郡を流れ、大和川に入る。

・ななせのよど=七瀬の淀。多くの瀬が合する所。飛鳥川・松浦川などに言う。

・参考:「世の中は 何か常なる あすか川

昨日の淵ぞ 今日は瀬になる」

(古今集933、読人しらず)

 

        ☆仏教音楽「南山進流」声明の故郷「中の川」

奈良の名刹、中川寺成身院遺跡

関連の石造物、牛塚・護摩石を訪ねましょう。

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2012年6月 3日 (日)

般若寺 夏の花だより   6・3

 

◎初夏のコスモス(早咲種):≪三分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇チョコレートコスモス:・ブラウンルージュ

・ノエルルージュ ・ルージュルージュ ・チョコモカ 

≪見ごろ≫

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ              ≪咲きはじめ≫

◎花菱草、矢車草、姫スイレンヒツジ草、 ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪咲きはじめ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲きはじめ≫  10種類。150本。

 

*いよいよ紫陽花の季節になってきました。当寺では山アジサイが一足早く5月から咲きだし、普通の紫陽花も少し色づいてきました。よく写真を撮りに来られるHさんによると、どことも花は遅れているようです。特に山手の寺は全然咲いていませんとのこと。やはり雨が少ないかららしいです。

コスモスは雨がない分、花がきれいです。青空が見えれば秋のような景色が鑑賞できます。いろんな種類が咲いてきて一つ一つが存在感があります。その中で今年初めて咲いたのは、ピンクポップソックスという名前の花です。濃いピンク色の小型の花で、花芯が全部小さな花びらで縁取りに少し太きな花弁が取り巻きます。小菊のようなかわいい花です。シーシェルは花弁が筒状になり、サイケは花芯から小さな花弁が出て複弁となります。

 

〔短歌〕

「里の家 寝しづまりつつ 山の端は

月しろならむ 雲しらみたり」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「いちはつの 反り咲きすわる 鉢を愛づ」木津柳芽

〔和歌〕

「みがきなす 玉えのなみの ますかがみ

けふより影や うつしそめけん」

前大納言為氏・玉葉348

「磨きぬいた玉のように清らかな玉江の波は、澄み切った鏡をそのままに、今日、五月五日から、物の形を明らかに映しはじめたというのだろうか。」

・みがきなす=磨き上げる。「みがく」は「玉」「鏡」の縁語。

・玉え=玉江。越前、また摂津の歌枕というが特定しにくく、江の美称とも見られる。

ますかがみ=真澄鏡。よく澄んで明らかな鏡。

 

☆仏教音楽声明のふるさと中の川、

平安時代の名僧、実範上人開基の名刹

中川寺成身院遺跡を顕彰し、

貴重な石造文化財、牛塚、護摩石を保存しましょう。

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2012年6月 2日 (土)

般若寺 夏の花だより   6・2

◎初夏のコスモス(早咲種):≪三分咲・7月上旬まで≫

15種類。5万本。

〇チョコレートコスモス:・ブラウンルージュ

・ノエルルージュ ・ルージュルージュ ・チョコモカ 

≪見ごろ≫

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット、

サイケ              ≪三分咲≫

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、 ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪咲きはじめ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪咲きはじめ≫  10種類。150本。

 

*昨日は平安末期に「悪左府」(あくさふ)と呼ばれた左大臣藤原頼長(よりなが)のことを紹介いたしました。それにしても享年37歳とは若いですね。お父さんの忠実(ただざね)は84歳まで生きられたのに、惜しまれますね。若いといえば『平家物語』に有名な平家の公達、重衡(しげひら)は29歳。『太平記』の大塔宮護良(もりよし/もりなが)親王は27歳の御生涯でした。歴史に名をとどめ、般若寺の地に足跡を残した「悲運の俊英三人衆」はいづれも年若く才能豊かそして容姿端麗、今風にいえばイケメンでしたから、その死は多くの女性の涙を誘ったのでした。

いま悲運の人たちの霊を慰めるかのように、般若寺には華麗なコスモスの花が咲いています。

 

〔短歌〕

「この村里 ともし灯しめり 家々の

はなしふけたり 星空の下(もと)に」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「なつかしき あやめの水の 行方かな」高浜虚子

〔和歌〕

「やまかげや 谷よりのぼる 五月雨の

雲は軒まで たちみちにけり」

従二位為子・風雅359

「ここ、山陰で見れば、谷から昇って来る五月雨の雲は、見る見るうちに、軒先まで一ぱいに立ち満ちてしまった。」

・岩佐評:類型に流れやすい五月雨詠の中で、さすがに目立つ、雄大な一首。

 

☆日本の古典音楽の淵源、声明の源流地・中の川、

奈良における平安の名刹、中川寺成身(じょうしん)院遺跡、

           

実範上人、進流の祖・大進上人の地を訪れましょう。

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2012年6月 1日 (金)

般若寺 夏の花だより   6・1

◎初夏のコスモス(早咲種):≪三分咲き・6月満開≫

15種類。5万本。

〇チョコレートコスモス:・ブラウンルージュ

・ノエルルージュ ・ルージュルージュ ・チョコモカ 

≪見ごろ≫

〇センセーション、ピコティ、ベルサイユホワイト、

ピンクポップソックス、シーシェル、スカーレット

                   ≪三分咲き≫

◎花菱草、矢車草、姫スイレン、 ≪見ごろ≫

◎山アジサイ: ≪咲きはじめ≫  25種類。200本。

◎紫陽花: ≪つぼみ≫  10種類。150本。

 

*今、当寺に来られる方に、「藤原頼長」ゆかりの地を訪ねてこられる方が多いです。NHK大河ドラマ「清盛」でも「保元の乱」があったし、また最近たてつづけに「歴史秘話ヒストリア」の「悪の華 藤原頼長」が再放送されました。藤原摂関家の本流の貴族、藤原忠実の次男に生まれ、若くして左大臣になり朝廷政治の改革を実行したのですが、鳥羽院政の中で対立した崇徳上皇方につき、後白河天皇方に対抗し「保元の乱」を起こしました。合戦は後白河方の勝利に終わり、崇徳方は敗走します。勝った方には頼長の兄、忠通、平清盛、源義朝がいて策略家信西入道が戦を取り仕切っていました。敗者には清盛の叔父忠正や弟、義朝の父為義、そして頼長がいました。敗れても主たるものに犠牲者がいない中で、頼長ただ一人流れ矢に射られ重傷を負います。そして父忠実が逃れていた奈良興福寺へ逃げて行きます。しかしそこで父にも見捨てられた頼長は奈良で落命します。そして遺骸は般若寺の近く「般若山」(または「般若野」と呼ばれる)の辺、興福寺の僧墓に埋葬されました。ところが勝ちを得た後白河方の近臣、藤原信西の命により遺骸の実検のため墓を暴かれました。実検使は頼長の死を確認して遺骸を放置して帰ったと記録されます。以後反乱の首謀者との扱いを受けたので公然と墓を作ることはなかったそうです。いま当寺には境内に残っていた古い五輪塔を「頼長卿供養塔」としておまつりしています。御参詣の節はお参りしてください。次回の「ドラマ・清盛」では頼長の死が取り上げられると思います。

 

〔短歌〕

「人里の いやはての家の 戸の前も

すぎゆきにけり もつ灯さびしも」

木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「紫の さまで濃からず 花菖蒲」久保田万太郎

〔和歌〕

「風わたる 田のものさなへ 色さめて

入日のこれる をかの松ばら」

太上天皇(光厳院)・風雅356

「風の渡って行く田の面の早苗は、(風の道筋だけが、暮れかかる光の中で)色があせたように見え、一方では入日がきらきらと残っている、岡の松原よ。」

 

☆日本古典音楽の源流地、中の川

奈良における平安時代の名刹・中川寺成身院遺跡

名僧実範上人、南山進流の祖・大進上人を顕彰しましょう

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