般若寺 コスモス花だより 10・31
◎ 秋のコスモス:≪終わり近し≫
・開花期間: 9月~11月 ・15万本。
*今日で十月、神無月(かんなづき)は終わり、明日からは十一月、霜月(しもつき)が始まります。今が一番季節の変化を感じられるときです。つい先日まで夏のような暑さがあったのに、もう冬のおとづれを間近に感じられるこの頃です。
*コスモスは盛りをこえ満開ピーク時の半分以下に減ってきました。しかし花はまだ咲き続けています。春の桜のように一気に散ることはなく、11月半ばごろまで少しずつ花数を減らして終りを迎えます。
秋コスモスの主役、ピンク赤白と色の鮮やかな「センセーション」、レモンのような黄色の「イエローキャンパス」、濃い赤の「ディープレッドキャンパス」、花弁が巻貝のような筒になった「シーシェル」が、そして名前のとおり大きく美しい花「秋咲大輪美色」などが、少なくなった花の園で存在感を増して咲いています。
コスモスにつづいて秋をかざる花は菊です。野生の野紺菊が咲くと木々が色づき晩秋となります。
*奈良では国立博物館で「正倉院展」が開かれています。11月12日まで。
*当寺の「白鳳秘仏特別公開」は11月11日まで。いま御開扉中です。
古代日本に花ひらいた芸術文化の精華、仏教美術の粋をご鑑賞ください。
*般若寺の歴史と文化財のすべてを探る連続講座、「般若寺智恵光座」(ちえこうざ、阿弥陀の十二光から命名)の受講受付中。はじめての試みでなじみがないためか、15名の受講枠がまだ残っています。ご希望の方は早めにお申し込みくださいませ。11月18日(日)から3週連続、日曜日午後2時から2時間の予定で行います。
〔短歌〕
「菊切れば 葉裏にひそむ 虫のあり
うごきもやらぬ この哀れさよ」
木下利玄・銀
〔俳句〕
「コスモスが ピンクが揺れる 山の風」栢森敏子
〔和歌〕
「へだたらぬ をじかの声は まぢかくて
きりの色より くるる山もと」
徽安門院一条・風雅517
「(霧によっても)隔てられない牡鹿の声は間近に聞え、立ちこめた霧が先ず暮色を帯びて、次第に暮れて行く、山裾あたりの風景よ。」
*『平家物語』を読む。
巻第三「法皇被流」(ほうおうながされ)の段、
後白河法皇は鳥羽殿へ流され幽閉状態であった。清盛の許しを得た靜憲法印は
「鳥羽殿へまいッて、門前にて車よりおり、門の内へさし入り給へば、折りしも法皇、御経(おんきょう)をうちあげうちあげ(声を張り上げ張り上げ)あそばされける。御声もすごうぞ(人の心をふるわせるように、ものさびしく)聞えさせ給ひける」
法皇は靜憲が参ったのを見てお経に涙を落された。
静憲も泣く泣く御前へ参られると、唯一人仕える尼御前が
「〈いかにや法印御房、君(法皇)は昨日のあした(朝)、法住寺にて供御(くご)きこしめされて(食事を召し上がって)後は、よべも今朝もきこしめしも入れず(夕べも今朝も食事なされなかった)。長き夜すがら御寝(ぎょしん)もならず。御命(おんいのち)も既にあやうくこそ見えさせおはしませ〉との給へば、法印涙をおさへて申されけるは、〈何事も限りある事で候へば、平家たのしみさかへて(富み栄えて)廿余年、され共悪行法に過ぎて(限度を越して)、既に亡び候ひなんず。天照大神正八幡宮いかでか捨てまいらさせ給ふべき(どうして法皇をお捨て申し上げることがありましょうか)。中にも君の御憑(おんたのみ)ある日吉山王七社一乗守護(法華経の力による守護)の御ちかひあらたま(改)らずは、彼の法華八軸に立ちかけてこそ、君をばまも(守)りまいらさせ給ふらめ。しかれば政務は君の御代(おんよ)となり、凶徒は水の泡ときえうせ候べし〉」なンど申されければ、此の詞にすこしなぐさ(慰)ませおはいます。
☆日本古典音楽の源、南山進流声明の聖地・中の川と
神の山である世界遺産・春日山原始林は
世界に誇る日本の宝。
春日山の生物多様性を保全する観点からも
ここに「奈良市営ゴミ焼却場」を移設するのは不適です。
中の川地区は柳生の里、当尾の里への入り口です。
歴史古道・伊賀伊勢道の観光スポットとして活かすべきです。
奈良市は「古都」「国際文化観光都市」の名に恥じない
良識ある判断をしてください。
真言宗の皆さん、実範(じっぱん)上人の御廟へお参りください。実範師のお弟子さん、大進(だいしん)上人宗観(しゅうかん)さんは進流声明の元祖です。上人たちのおられた中ノ川寺成身院跡が山間に今も残っています。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)