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2013年2月25日 (月)

般若寺 水仙花だより  2・25

 

◎水仙: ≪満開≫ 

・開花:2月~3月初旬

今が見ごろです。

春雪が積れば花が倒れてしまいますので

お早目のお越しをおすすめします。

・球根の数:1万~2万 

 

*晴、けさの冷え込みはきつく熱い氷が張っていました。

「平家物語を読む」は「忠度の最期」に入ります。忠度(ただのり)は歌人として有名な人で、忠盛の六男、清盛の弟です。左兵衛佐薩摩守正四位下の官位でした。戦死した時は行年45歳。忠度と言えば、「青葉の笛」で知られる尋常小学唱歌(明治397月作、第四学年用)『敦盛と忠度』の二番に歌われます。

「更(ふ)くる夜半(よは)に 門(かど)を敲(たた)き

わが師に託せし 言の葉あわれ

今はの際まで 持ちし箙(えびら)に

残れるは 〈花や今宵(こよい)〉の歌」

・箙は矢を入れて腰に携帯する容器

作詞:大和田建樹

作曲:田村虎蔵

忠度の後は、重衡、敦盛と物語はつづきます。

 

〔短歌〕

「旅籠(はたご)出でて やまにむかへば 冬の息

         山にかかれり 旅ごころ泣く」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「店先に 水仙を置く 八百屋かな」鎌倉喜久恵

〔和歌〕

「まきもくの ひばらの山の ふもとまで

         春の霞は たなびきにけり」

           藤原基俊・玉葉19

「巻向の檜原山まで、まあすっかり、春霞はたなびいてしまったよ。」

・まきもく=大和の枕詞、巻向山。奈良県桜井市三輪山東北に連なる。ヒノキが群生するので「檜原の山」という。

・参考:「纏向の 檜原もいまだ 雲ゐねば

    小松がうれゆ 沫雪ながる」(万葉集2314・柿本人麻呂)

 

*『平家物語』を読む。

巻第九 「忠度最期」(ただのりのさいご)の段、

「 薩摩守忠度(平忠盛の六男、藤原俊成に師事した歌人、『千載集』に入集)は、一の谷の西手の大将軍にておはしけるが、紺地の錦の直垂(ひたたれ)に黒糸おどしの鎧きて、黒馬の太うたくましきに、ゐかけ地(沃懸地、漆塗の上に金粉をふりかけたもの)の鞍をいて乗り給へり。其勢百騎ばかりが中にうちかこまれていとさはがず、ひかへひかへ落ち給ふを(あまりあわてず、時々馬を止めて戦いながら落ちて行かれるのを)、猪俣党に岡辺六野太忠純(ただずみ)、大将軍と目をかけ、鞭あぶみをあはせて(むちを打つ拍子に合わせてあぶみ[鞍の両脇にさげ、乗り手が足を踏みかけるもの]をあおること)追ッつき奉り、〈抑々いかなる人で在(まし)まし候ぞ、名乗らせ給へ〉ともうしければ、〈是はみかたぞ(この隊は味方だぞ。無益な殺人を避けるために忠度が[味方だ]と偽ったのである)〉とてふりあふぎ給へるうちかぶとより見入れたれば、かねぐろ也([かね]は歯につける鉄を酸化させた液、歯黒という)。あッぱれみかたにはかねつけたる人はない物を、平家の君達(きんだち)でおはするにこそと思ひ、おしならべてむずとくむ。是を見て百騎ばかりある兵(つはもの)共、国々のかり武者(諸国から徴集して兵士としたもの)なれば、一騎も落ちあはず、われさきにとぞ落ち行きける。薩摩守〈にッくいやつかな。みかたぞといはばいはせよかし(自分が味方だといったのだから、言わせておけばよいのだ)〉とて、熊野そだち大ぢからの早業にておはしければ、やがて刀をぬき、六野太(ろくやた)を馬の上で二刀(ふたかたな)、おちつく所で一刀(ひとかたな)、三刀までぞ突かれたる。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈鐘楼 昭和十八年三月〉

 三月十四日二三子とともに東大寺に詣づ客殿の廊下より望めば焼きて日なほ浅き嫩草山の根わづかに青みそめ陽光やうやく熙々たらむとすれども梢をわたる野風なほ襟に冷かにしてかの洪鐘の声また聞くべからずことに寂寞の感ありよりて鐘楼に到り頭上にかかれる撞木を撫しつつこの歌を作る

「ひさしくも つかざるかねを おしなでて

こもれるひびき きかずしもあらず」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。  最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な古寺の風景と文化財が破壊されます。是は最悪の無謀な選択です。市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。

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