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2013年2月 4日 (月)

般若寺 水仙花だより  2・4

 

◎水仙: ≪五分咲き≫ 

・開花:2月~3月上旬

今年は寒さのため一か月ほど遅れています。

・球根の数:1万~2万 

 

*立春。暖かい朝でした。でもきょうは一日雨模様です。

「さざ波は 立春の譜を ひろげたり」渡辺水巴

「竹の穂の 春立つ光 ふりこぼす」水原秋桜子

おくれていた春の花々が咲き出しました。ロウバイ、福寿草につづいて侘助も咲いています。もちろん水仙、サザンカも見ごろです。立春という暦を聞くだけで気分は明るくなります。長い冬もようやく明けそうです。

 

〔短歌〕

「日の暮の きびしき寒さ ややにゆるび

        空つゆじめる 月夜になりつ」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「出そびれて をり合唱の 水仙花」大槻きみ

〔和歌〕

「旅人の さきだつ道は あまたにて

       跡なきよりも まよふ雪かな」

         藤原為守・風雅820

「旅人の、先立って踏みつけて行った道は諸方に分かれていて、(一体どれをたどって行けば目的地に着けるのか)足跡の全くない白一色、というのよりもかえって迷ってしまう、雪の旅路だなあ。」

 

*『平家物語』を読む。

「木曽最期」(きそのさいご)の段、

「 木曽殿は信濃より、ともゑ(巴)・山吹とて、二人の便女(びんぢよ、美女)を具せられたり。山吹はいたは(労)りあッて(病むところがあって)、都にとどまりぬ。中にもともゑは色白く髪長く、容顔まことにすぐれたり。ありがたきつよ弓(めったにない剛弓を引く者)、精兵、馬のうへ、かちだち。うち物もッては鬼にも神にもあはふどいふ一人当千の兵(つはもの)也。(乗馬していようと、徒歩であろうと、刀剣を持っておれば鬼にでも神にでも立ち向かおうという。)究竟(くッきやう)の荒馬乗り、悪所落し(荒馬に乗れる者、険しい所を下ることができる者)、いくさといへば、さね(鉄又は皮でできたよろいの材料の小板)よき鎧きせ、おほ太刀・つよ弓もあせて、まづ一方の大将にはむけられけり。度々の高名、肩を並ぶるものなし。されば今度も、おほくのものども落ちゆきうたれける中に、七騎が内までともゑはうたれざりけり。

木曽は長坂(京都から丹波国への通路に当たり、北区鷹峰に長坂という地名あり)を経て丹波路へおもくともきこえけり。又龍花越(りうげごへ、北陸街道の京都府と滋賀県との境で、途中越ともいう)にかかッて北国へともきこえけり。かかりしかども、今井が行ゑをきかばやとて、勢田の方へおちゆくほどに、今井四郎兼平も、八百余騎で勢田をかためたりけるが、わづかに五十騎ばかりにうちなされ、旗をばまかせて、主のおぼつかなきに、宮こへとッてかへすほどに、大津の打出の浜にて、木曽殿にゆきあひたてまつる。互になか一町ばかりよりそれと見知ッて、主従駒をはやめてよりあふたり。木曽殿今井が手をとッての給ひけるは、〈義仲六条河原でいかにもなるべかりつれども、、なんぢがゆくへの恋しさに、おほくの敵の中をかけまわッて、是まではのがれたる也〉。今井四郎、〈御諚(ごぢやう、おことば、)まことに忝なう候。兼平も勢田で打死つかまつるべう候つれども、御行えのおぼつかなさに、これまでまいッて候〉とぞ申ける。木曽殿〈契りはいまだくちせざりけり(前世の因縁はまだ尽きていなかった)。義仲が勢は敵にをしへだてられ、山林に馳せちッて、此辺にもあるらんぞ。汝がまかせてもたせたる旗あげさせよ〉との給へば、今井が旗をさしあげたり。京よりおつる勢ともなく、勢田よりおつるものともなく、今井が旗を見つけて三百余騎ぞはせ集まる。木曽大きに悦びて、〈此勢あらばなどか最後のいくさせざるべき。ここにしぐらうで見ゆるはたが手やらん(あそこに密集しているのはだれの軍隊だろう)〉。〈甲斐の一條次郎殿とこそ承り候へ〉。〈勢はいくらほどあるやらん〉。〈六千余騎とこそ聞え候へ〉。〈さてはよい敵(かたき)ござんなれ。おなじう死なば、よかろう敵に駈け合ふて、大勢の中でこそ打死をもせめ〉とて、まッさきにこそすすみけれ。」

(つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈山光集・紅日 昭和十七年三月

新に召に応ずる人に〉

「いくとせの おほみいくさを かへりきて

         またよみつがむ いにしへのふみ」

〈南京新唱・東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈南京新唱・東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な古都の風景と文化財が破壊されます。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。Img_1430

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