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2013年2月17日 (日)

般若寺 水仙花だより  2・17

 

◎水仙: ≪満開≫ 

・開花:2月~3月上旬

今が見ごろです。この頃雪が多いです。

雪が積れば花が倒れてしまいますので

それまでにお越しください。

・球根の数:1万~2万 

 

*晴。今朝の冷え込みは真冬の様でした。土まで凍り霜柱が見えました。水鉢にも一センチほどの氷が張っています。それでも春ですね、氷の下では小さな金魚が泳いでいます、冬には見られなかったことです。今日はお出かけ日和です。

 

〔短歌〕

「今日通りし 村里野山 眼とづれば

        うかび来るかもよ 身はつかれ寝て」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「水仙の 揺れはおのづと 風まかせ」石川元子

〔和歌〕

「里人の わかなつむらし 朝日さす

       三かさののべは 春めきにけり」

         前大納言為家・玉葉15

「里人は若菜を摘んでいるらしいな。朝日のうららかにさす三笠山の麓野の原は、すっかり春らしくなって来たよ。」

・三かさ=大和の歌枕。三笠山。奈良市春日大社の後方の山。「さす」は「笠」の縁語。

 

*『平家物語』を読む。

「一二之懸」の段、

「 さる程に、又うしろに武者こそ一騎つづいたれ。〈たそ〉ととへば〈季重〉とこたふ。〈とふはたそ〉。〈直実ぞかし〉。〈いかに熊谷殿はいつよりぞ〉。〈直実は宵よりよ(私は昨夜からだよ)〉とぞこたへける。〈季重もやがてつづゐてよすべかりつるを、成田五郎にたばかられて、今まで遅々したる也。成田が〈死なば一所で死なう〉どちぎるあひだ(先方がやくそくするものだから)、〈さらば〉とて、うちつれよする間、〈いたう、平山殿、さきがけばやりなし給ひそ(先駈けに気がはやる)。先をかくるといふは、御方の勢をうしろにおいてかけたればこそ、高名不覚も人に知らるれ(味方の軍勢を背後に置いて駈けた時に、始めて高名も不覚も他人に知ってもらえるのだ)。只一騎大勢の中にかけいッて、うたれたらんは、なんの詮かあらんずるぞ(一人だけ先走って多数の敵の中にかけ入って討死したろうとて、何の役にたちますか)〉と制するあひだ、げにもと思ひ、小坂のあるをさきにうちのぼせ、馬のかしらをくだりさまにひッたてて、御方の勢をまつところに、なりたもつづゐて出できたり。うちならべていくさの様をもいひあはせんずるかとおもひたれば(成田が馬を並べて、戦の仕方でも相談するのだろうかと私が思っていると)、さはなくて、季重をばすげなげにうちみて(いかにも不愛想にちらっと見て)、やがてつッと馳せぬいてとほる間、〈あッぱれ、此ものはたばかッて、先がけうどしけるよ〉とおもひ、五六段ばかりさきだッたるを(成田が五六段ほど先に立ったのを。一段は六間に当たる)、あれが馬はわが馬よりはよはげなるものをと目をかけ(成田の馬は私の馬より足が弱そうだと私は思い、先を走る成田を目標として)、一もみもうで(一走り走って)おッついて、〈まさなうも(不当にも)季重ほどの物をばたばかり給ふ物かな〉といひかけ、うちすててよせつれば、はるかにさがりぬらん(成田を打ち捨てて一の谷に寄せに来たのだから、彼はずっと後にいるだろう)。〈よもうしろかげをも見たらじ(成田はよもや我々の後姿だって見てはいまい)〉とぞいひける。

 熊谷・平山、かれこれ五騎でひかへたり(合計五騎で待機した)。さる程に、しののめやうやうあけ行けば、熊谷は先になのッたれ共、平山がきくになのらんとや思ひけん(平山が聞いている所でもう一度名乗ってやろう)、又かいだてのきはに歩ませ寄り、大音声をあげて、〈以前になのッつる武蔵国の住人、熊谷次郎直実、子息小次郎直家、一の谷の先陣ぞや、われとおもはん平家のさぶらひどもは直実におちあへや、おちあへ(立ち向かって勝負をせよ)〉とぞののしッたる(大声でわめいた)。是をきいて、〈いざや、夜もすがらなのる熊谷おや子ひッさげてこん〉とて、すすむ平家の侍たれたれぞ、越中次郎ひょうえ盛嗣・上総五郎兵衛忠光・悪七兵衛景清・後藤内定経、これをはじめてむねとの兵もの二十余騎、木戸をひらいてかけ出でたり。ここに平山、しげ目ゆひ(目結いを細かくした紋り染め。目結は白い斑点をいくつも染め抜いた染め方で、鹿の子絞りともいう)の直垂にひおどしの鎧きて、ふたつびきりょう(二引両、横に二本の線を引いた母衣)の母衣をかけ、目糟毛(糟毛は灰色に白のまじった毛色。目の辺の糟毛に特長があるのでこう名付けられた)といふきこゆる名馬にぞのッたりける。旗さしは黒かは威しの鎧に、甲ゐくび(猪首のように首が短く見えるようにその周囲を甲のしころで覆うこと)にきないて、さび月毛(黒みを帯びた月毛)なるうまにぞのッたりける。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集より、奈良愛惜の歌。

『山光集』

〈大仏讃歌 昭和十八年三月〉

「いちいちの しゃかぞいませる 千えふの

         はちすのうへに たかしらすかも」

『鹿鳴集』

〈南京新唱 奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈同 東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈同 東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な古都の風景と文化財が破壊されます。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。

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