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2013年4月

2013年4月30日 (火)

般若寺 春の花だより  4・30

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪終わり近し≫

○春咲コスモス≪三分咲き≫

 ソナタ、ビッキーという種類が咲いています。低い背丈に小さな花がかわいいです。

・椿、しゃが、紫雲らん、藤、大手鞠:≪満開≫

・踊子草、金鳳花、きらんそう、ツルニチニチソウ:≪満開≫

・花菱草、矢車草≪咲きはじめ≫

○山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、うつ木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

○初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「やまぶきの花にふる雨細くして

  これの世を楽しとおもふ一とき」佐々木信綱・瀬の音

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㉕

岡見正雄著『太平記(二)』補注巻十二「文観上人」の項、

〈 この元亨四年は正中元年に改元され(129日)、九月には正中の変が起こる直前で「金輪聖主御願成就」という表現の金輪聖主は後醍醐天皇を指すと考えられ、律宗の僧智暁や慶円等が正中の変に関係していたと思われ(『太平記(一)』補注142参照)、文観は円観や俊基朝臣と共に元弘元年五月五日に捕縛されたのが史実であるが(補注29参照)、太平記では元徳二年五月十一日に文観、円観、忠円等が捕縛されたとし(巻二・3)、太平記は元徳二年七月十三日に文観は硫黄島、忠円は越後国に遠流、円観は陸奥国の結城上野入道に預けられたとするのは虚構であるが、正中の変の際に文観が関係していたかどうかは従来明瞭でなかった。〉(つづく)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉟

〈 (ハ)「使わない」ときも「距離」をとる

 それゆえ、電源を入れたまま、からだにくっつけた状態で持ち歩くことはやめたい。首からかけたり、胸のポケットに入れたり、ズボンのポケットに入れたりすることは、自らの健康を害することに等しい。近年、「電磁波が精子を傷つける」「特にズボンのポケットが問題」と、特定して危険を喚起する論文も多い。電磁波のリスクを回避するためにも、生殖器に近いポケットの中に携帯電話を入れるのは避けたい。

「生殖系」への影響は「精子」だけではなく、「卵子」にもある。特に「受精卵」(女性のお腹の中で育っている胎児)への影響が大きいので、妊娠中の女性は、お腹の近くに携帯電話をくっつけたり、お腹に近いところでメールを打ったりすることは、やめたい。携帯電話は直接身につけず、カバンの中などに入れ、使っていないときは電源を切っておくのがいちばん安心だ〉

(古庄弘枝著『見えない汚染「電磁波」から身を守る』より)

 

〔短歌〕

「いぢらしさ 忘れもかねつ 泣き居たる

         浴衣の胸の 乳のふくらみ」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「行く春の 山吹散って 蝶白し」正岡子規

〔和歌〕

「藤波の 花さくみれば 郭公

       なくべき時は ちかづきにけり」

         赤人・玉葉279

「波のように揺れる藤の花房が咲くのを見ると、時鳥の鳴くはずの時は近づいて来ているのだなあ。」

 

*『平家物語』を読む。(休みます)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈法輪寺にて〉

「みとらしの はちすにのこる あせいろの

         みどりなふきそ こがらしのかぜ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

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2013年4月29日 (月)

般若寺 春の花だより  4・29

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪終わり近し≫

○春咲コスモス≪ちらほら咲き≫

 ソナタ、ビッキーという種類が咲いています。低い背丈に小さな花がかわいいです。

・椿、しゃが、紫雲らん、藤、大手鞠:≪満開≫

・踊子草、金鳳花、きらんそう、ツルニチニチソウ:≪満開≫

・花菱草、矢車草≪咲きはじめ≫

○山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、うつ木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

○初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「世の中は常なきものと我が愛づる

  山吹の花散りにけるかも」正岡子規・竹乃里歌

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㉔

岡見正雄著『太平記(二)』補注巻十二「文観上人」の項、

〈 「 (梵字 ウン 不動明王種字)/元亨四年甲子三月/七日奉為法界/衆生発菩提/心 金輪聖王/御願成就/(梵字 アラハシャナ 文殊五字呪種字)/(梵字 キャカラバア 五大種字)/(梵字 アビラウンケン 胎蔵大日真言種字)/(梵字 シャラクダン 文殊八字呪種字)/信心施主所願/円満護持仏子/発心堅固奉/造立所也/(梵字 ウン 愛染明王種字) 」とあり、又膝前部分側に「 大聖文殊尊/□□/菩薩戒/□□/殊音(花押)/大施主/前伊勢守/藤原兼光/(梵字 マン 文殊種字)/大仏師/法眼康俊/小仏師/康成/康□□仏 」(*梵字の読み間違いが多いので訂正しました)とあり、元亨四年(1324)三月、殊音即ち文観上人を願主として、藤原兼光なる人物(*網野善彦氏は鎌倉幕府六波羅探題の重役を務める伊賀兼光であると解明された)が施主で大仏師法眼康俊及び小仏師康成父子に依って造られた像であることが判明する。〉 (つづく)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉞

・携帯電話から身を守る

(ハ)「使わない」ときも「距離」をとる

携帯電話を使うときだけでなく、「使わない」ときも(マナーモードのときも)、「距離」をとるようにしたい。携帯電話は電源が入っている限り、自らの位置を知らせるべく、常に基地局と交信しあうために、電磁波を放射しているからだ。携帯電話の基地局は何個かの基地局が集まって区域を形成し、その区域内に何台の携帯電話があるかを絶え間なく把握している。そのために、携帯電話の持ち主が移動して、違う区域内に入ると、携帯電話はその瞬間に電磁波を放射し、新しい区域内の基地局に自らの位置を知らせる。移動距離が長ければ長いほど、位置情報を知らせる放射回数は多くなり、あびる電磁波も多くなる。

(古庄弘枝著『見えない汚染「電磁波」から身を守る』より)(つづく)

 

〔短歌〕

「見らるるを ひたひに感じ うつむける

         おぼこむすめの をんならしさよ」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹や 何がさはつて 散りはじめ」正岡子規

〔和歌〕

「おしと思ふ 人のこころし をくれねば

         ひとりしもやは 春のかへらむ」

           皇太后宮大夫俊成・風雅299

「春の去るのを惜しいと思う人間の心が、遅れずについて行くから、たった一人でなんか、春は帰って行くわけじゃありませんよ。」

 

*『平家物語』を読む。(休みます)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈法輪寺にて〉

「くわんおんの しろきひたひに やうらくの

         かげうごかして かぜわたるみゆ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

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2013年4月28日 (日)

般若寺 春の花だより  4・28

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪満開すぎ≫

・春咲コスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・椿、しゃが、紫雲らん、藤、大手鞠:≪満開≫

・日本桜草、踊子草、金鳳花、きらんそう:≪満開≫

・花菱草、矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、うつ木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「散りのこる岸の山吹春ふかみ

 この一枝をあはれといはなむ」源実朝・金槐和歌集

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㉓

岡見正雄著『太平記(二)』補注巻十二「文観上人」の項、

〈 一体、叡尊は晩年弘安八年(1285)七月法華山一乗寺に於いて授戒をしたのであり、文観が法華山に居たという太平記の記述はこの事と結び付けると興深い(但し文観は弘安元年(1278)の生れであるが)。続いて文観は醍醐寺新要録巻十二の報恩院篇には「一、伝法灌頂事並許可大阿闍梨西南院道順」の条に「同(正和)五年四月二十一日桅― 受―珠音上人 西大寺僧竹林寺長老 同八」と見え、西大寺僧殊音上人は道順僧正(?―1321)から正和五年(1316)四月二十一日に灌頂を受け、時に三十九歳で真言密教の系譜をも受けたのであった。この後文観は奈良市般若寺町の真言律宗般若寺の文殊菩薩像に墨書銘を書いている。この文殊菩薩像は般若寺の本堂に本尊として安置されるが、元来般若寺経蔵の本尊として文観の発願により大仏師康俊、小仏師康成父子により元亨四年(1324)に造立された檜の寄木造り八髻文殊菩薩騎獅像であるが、その左膝前矧合わせの部分に墨書銘があり、〉

 (つづく)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉝

1.携帯電話から身を守る

)「つながりはじめ」は耳から離す

特に、気をつけたいのは、「携帯電話のつながりはじめ」。つながりはじめは、電磁波が強くなるので、必ず、距離をとりたい。電話番号を押して、「通話」ボタンを押すと、携帯電話と基地局がつながるが、その瞬間、携帯電話は、電磁波状況が不明なため、必要以上に高い電磁波を放射する。それゆえ、携帯電話のつながりはじめは、「電話をかける」ときだけでなく、「電話を受ける」ときも、携帯電話を頭(からだ)から離すようにしたい。

 また、電磁波状況のわるい(つながりにくい)ところでは、携帯電話の電磁波強度が最高に保たれた状態で送受信を行うので、そんな場所では、携帯電話は使わないほうがいいだろう。

(古庄弘枝著『見えない汚染「電磁波」から身を守る』より)

 

〔短歌〕

「をんなの 春の肌身の 汗ばみを

むし暑くつつむ 着物のおもみ」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹と 見ゆるガラスの 曇哉」正岡子規

〔和歌〕

「ぬれてをる 藤の下かげ 露ちりて

         春やいくかの 夕ぐれの雨」

           前大納言基良・玉葉277

「雫に濡れながら折る、藤の花の下蔭にも露が散って、あの業平の歌さながらに、春はもうあと何日か、と名残惜しく思われる日の、夕暮の雨よ。」

参考:「ぬれつつぞしひて折りつる年の内に

     春はいくかもあらじと思へば」業平・古今集

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「維盛出家」の段、

「 藤代の王子を初めとして、王子王子ふしおがみ、まいり給ふ程に、千里の浜の北、岩代の王子の御前にて、狩装束したる物七八騎が程ゆきあひたてまつる。すでにからめとられなんずとおぼして、おのおの腰の刀に手をかけて、腹をきらんとし給ひけるが、ちかづきけれども、あやまつべき気しきもなくて、いそぎ馬よりおり、ふかうかしこまッてとほ(通)りければ、〈みしりたる物にこそ。たれなるらん〉とあやしくて、いとど足ばやにさし給ふ程に、これは当国の住人、湯浅権守宗重が子に、湯浅七郎兵衛宗光といふもの也。郎等ども〈これはいかなる人にて候やらん〉と申しければ、七郎兵衛涙をはらはらとなが(流)いて、〈あら、事もかたじけなや。あれこそ小松大臣殿の御嫡子、三位中将殿よ。八嶋よりこれまでは、なにとしてのがれさせ給ひたりけるぞや。はや御さまをかへさせ給ひてンげり。与三兵衛、石童丸も同じく出家して御共申したり。ちかうまいッてげンざん(見参)にも入りたかりつれども、はばかりもぞおぼしめすとて通りぬ。あなあはれの御ありさまや〉とて、袖をかほにおしあてて、さめざめと泣きければ、郎等どももみな涙をぞながしける。」

 (この段終わり)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈中宮寺にて〉

「みほとけの あごとひぢとに あまでらの

         あさのひかりの ともしきろかも」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

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2013年4月27日 (土)

般若寺 春の花だより  4・27

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪満開すぎ≫

・春咲コスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・椿、しゃが、紫雲らん、藤:≪満開≫

・日本桜草:≪満開≫

・花菱草、矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、うつ木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「吉野川岸の山吹咲きにけり

嶺の桜は散りはてぬらん」藤原家隆・新古今集

 

◎今日から5月6日まで「白鳳秘仏阿弥陀如来像」などの寺宝を特別御開帳いたします。

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㉒

岡見正雄氏の『太平記(二)』補注巻十二における「文観上人」の解説。

〈「于時正安四年壬寅六月十六日於大日本国

大和国西大寺図絵書写之畢

      西大寺小苾蒭文殊持者文観

 幷通受者二歳別受一歳生年廿五歳

誓願云

 我従今身尽未際 乗究竟乗出三界

 大悲本願処三界 慈愛衆生如一子

衆生出没生死界 我随出没無ケイ礙

教化開示涅槃道 利尽一切衆生界

西大寺文殊御身中奉納之 依奉行

苾蒭專宗房法智房浄殊房願奉図絵之

とあり、又同じ納入物の「日課文殊菩薩図像一紙」には

正安四年六月七日

西大寺殊音文観房

毎日図絵文殊也」

との書き入れが末に見られるのである。また、正安四年の思円叡尊十三回忌に当たり、広く化縁を募って筆写納入したものの中に大般若経の現存三百二十九巻があり、正応六年(1293)より書写されたものであるが、その中には例えば巻第一の奥書には「同六月六日転読之小比丘殊音年二十五」「正安四年 卯月七日書写了 法年十一歳俗年三十一歳小比丘日意」とあり、巻二以下の経巻の中にも殊音文観の署名が見られ、正安四年には二十五歳であり、叡尊の流れを汲む真言律宗の僧として叡尊がおこした文殊信仰の熱烈な法弟であり、珍基等の遺弟子等と共に十三回忌の追善につとめ、その胎内納入品の中には紙本着色八字文殊曼荼羅図一紙の如きは朱群青等で彩色し、或いは文観の筆かと思われる佳品である。〉

 (つづく)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉜

電磁波から身を守るために気をつけなければならないこと。

1. 携帯電話から身を守る

携帯電話を使うとき、携帯電話から放射される電磁波の影響を少なくするために、「気にかけておきたい」のは、「距離」と「時間」だ。携帯電話から「距離」をとればとるほど、「安全」であり、使う「時間」が短ければ短いほど、安全だ。

(イ)、「イヤホンマイク」などを使う

では、なぜ、距離をとることが必要なのだろうか。

電磁波の発生源から、「1波長以内」を「近傍界」というが、そこには、とりわけ強い電磁波が発生している。携帯電話に使われている周波数は、だいたい、「800MHz~2GHz」だが、「800MHz」の波長は「375cm」、「2GHz」の波長は「15cm」となっている。頭にピタリと携帯電話をくっつけて使う場合、頭は、完全にこの「近傍界」に入ってしまう。だから、距離がないと「危険」なのだ。

 さらに、重大なのは、放射される電磁波の「50%以上が、頭に吸収されてしまう」ということ。それゆえ、携帯電話を使うときには、「距離」が必要となる。

 では、距離をとるためには、どうすればいいのだろうか。

 使うときに、「イヤホンマイク」「ヘッドセット」などを使うことだ。そうすることで、携帯電話を直接、頭にくっつけなくてすむ。

(古庄弘枝著『見えない汚染「電磁波」から身を守る』より)

 (つづく)

 

〔短歌〕

「核(たね)かづき 黒土いづる この芽生え

         まことにこれは 力持てるよ」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹に 蝶吹き飛ばす 嵐哉」正岡子規

〔和歌〕

「花ののちも 春のなさけは のこりけり

         在明かすむ しののめのそら」

           藤原教兼朝臣・風雅295

「花が終わってしまった後も、春の情趣は残っていたのだなあ。有明の月が霞んだままかかっている、暁方の空に。」

・春のなさけ=春そのものが基本的に持っている情趣。

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「維盛出家」の段、

「〈あはれ、かはらぬすがたを恋しき物どもに今一度みえもし、見て後かくもならば、おもふ事あらじ〉との給ひけるこそ罪ふかけれ(悟りをさまたげる罪障が深かった)。三位中将も兵衛入道も同年にて、ことしは二十七歳也。石童丸は十八にぞなりける。

 とねり武里をめして、〈おのれはとうとう(疾う疾う)これより八嶋へかへれ。宮こへはのぼるべからず。そのゆへは、つゐにはかくれあるまじけれども(私が死んだことは最後には妻に知れるだろうが)、まさしうこのありさまをきいては、やがてさまをもかへんずらんとおぼゆるぞ(お前の口から厳然たる事実として、私の死の状況を聞いたら、妻はすぐに出家をするだろうと私には思われる)。八嶋へまいッて人々に申さんずるやうはよな(お方々に申し上げることはだな)、〈かつ御らん候しやうに(皆さまもすでに御存じのように)、大方の世間(世間全般も)も物うきやうに(心をひきつけない)まかりなり候き。よろづあじきなさもかず添ひてみえ候しかば(万事に世の思うにまかせぬことも数が増すようにみえて来ましたので)、おのおのにもしられまいらせ候はで、かくなり候ひぬ。西国で左の中将(清経。その入水は巻八大宰府落に語られる。)うせ候ひぬ。一谷で備中守(師盛。その戦死は巻九落足に語られる。)うたれ候ひぬ。われさへかくなり候ぬれば、いかにをのをのたよりなうおぼしめされ候はんずらんと、それのみこそ心ぐるしう思ひまいらせ候へ。抑唐皮(からかわ)といふ鎧、小烏といふ太刀(平家に重代のよろいと太刀)は、平将軍貞盛より当家につたへて、維盛までは嫡々(嫡子から嫡子へと家を継いで)九代にあひあたる。もし不思議にてよもたちなをらば、六代にたぶべし〉と申せ〉とこその給ひけれ。とねり武里〈君のいかにもならせをはしまさんやうを見まいらせて後こそ、八嶋へもまいり候はめ〉と申しければ、〈さらば〉とてめし具せらる。瀧口入道をも善知識のために具せられけり。山伏修行者のやうにて高野をば出で、同国のうち山東(今、和歌山市内の地名)へこそ出でられけれ。」 

(つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈病中法隆寺をよぎりて〉

「ほろびゆく ちとせののちの このてらに

         いづれのほとけ ありたたすらむ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

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2013年4月26日 (金)

般若寺 春の花だより  4・26

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪満開すぎ≫

・春咲コスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・椿、しゃが、紫雲らん、藤:≪満開≫

・日本桜草:≪満開≫

・花菱草、矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、うつ木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「われがなほ 折らまほしきは 白雲の

八重にかさなる 山吹の花」和泉式部・和泉式部続集

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㉑

昨日の当寺恒例行事「文殊会式」に「大塔会(おおとうかい)」から理事長の菊井(きくのい)様と理事の川井様、小林様の御三方がお越しくださいました。 初対面なのに昔からの知り合いのように親しくお話ができ、本当に充実した会話をさせていただきました。

般若寺のこと、大塔会のこと、大塔宮と南朝忠臣の方々のご末裔の方々のことが話題になり、遠い彼方へ忘れられていく南朝の歴史を守り伝えて行くことの大切さを再確認させてもらいました。庫裏へ移動して簡単な昼食を召しあがってくつろいでいただいているとき、寺の仏具を調製していただき、御会式の帳場をお手伝いしていただいている南都仏具師の水本氏が同席されたのでご紹介すると、水本氏は私の先祖は西吉野村の賀名生の近くの出身で南朝とゆかりがあると話され、私も長いお付き合いの中で初めて聞く事なので驚きでした。

幕末には天誅組にも関係したことも伝えられているそうです。やはり奈良は南朝のおひざ元、ゆかりの方は大勢居られることと思います。

しかし、いまや南朝の歴史は六百年以上の時間が経過し、現代人の意識からは遠退いています。徐々に秘められた歴史になってしまうのではないかと危惧されます。今を生きる私たちが正しく歴史を学び、後世に伝えて行くことが大切ではないかと、決意を新たにしました。

当寺では微力ではありますが、南朝を学ぶための研究文献を集めています。いずれ「般若寺南朝文庫」として公開したいと思います。

岡見正雄氏の「文観上人」研究続編は明日載せます。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」(お休みします)

 

〔短歌〕

「甲羅虫 草の葉ずゑに つるみたり

       野原の露は 昼ぬるみつつ」

         木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹も 菜の花も咲く 小庭哉」正岡子規

〔和歌〕

「今はとて 桜ながるる 芳野河

        水の春さへ せくかたもなし」

     西園寺入道前太政大臣(西園寺公経)・玉葉274

「今はもう春も終りだとばかり、桜の花びらが流れて行く吉野川よ、せめて水の上に残る春さえ、せき止める方法もないよ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「維盛出家」の段、

「 されば(一体全体)この日ごろは、いかなる御事も候はんには、みすてまいらせて落つべき物とおぼしめし候ひけるか(あなたの上に万一のことがあった時に、私がお見捨て申し上げて逃げて行くとお思いだったのですか)。御心のうちこそはづかしう候へ(そうお考えならば、そういうお心だと思うと居ても立ってもいられません)。〈このごろは世にある人こそおほけれ〉と仰せかうぶり候は(仰せをいただきましたが)、当時のごとくは源氏の郎等共こそ候なれ(現在の状勢ならば、世にある者は源氏の家来だけですよ)。君の神にも佛にもならせ給ひ候なん後、たのしみさかへ候とも、千年の齢をふるべきか(たとえ私が富み栄えましょうとも、千年の寿命を過ごすことができますか)。たとひ万年をたもつとも、つゐにはおはりのなかるべきか。これにすぎたる善知識、なに事か候べき(今度のことにまさる、人を悟りに導く機会には、どんなことがあるでしょう。)とて、手づからもとどりきッて、なくなく瀧口入道に剃らせけり。石童丸もこれをみて、元結ぎはより髪を切る。これも八つよりつきたてまッて(自分が八歳の時から維盛におつきしていたので)、重景にもおとらず不便にし給ひければ、おなじく瀧口入道にそらせけり。これらがか様に先達てなるをみ給ふにつけても、いとど心ぼそうぞおぼしめす。さてもあるべきならねば、〈流転三界中、恩愛不能断、棄恩入無為、真実報恩者〉(欲界、色界、無色界と三界の中を流転すれば妻子との愛情を断つことができない。すべての恩愛を捨てて仏家に入るのが真実の恩愛に報いる者である、という意。)と三反唱え給ひて、つゐにそりおろし給ひてンげり。

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈病中法隆寺をよぎりて〉

「うすれゆく かべゑのほとけ もろともに

         わがたまのをの たえぬともよし」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

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2013年4月25日 (木)

般若寺 春の花だより  4・25

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・椿、しゃが・紫雲らん:≪満開≫

・日本桜草:≪満開≫

・花菱草・矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「一重だにあかぬにほひをいとどしく

  八重かさなれる山吹の花」藤原長能・詞花集

 

◎本日は当寺御本尊文殊菩薩様の「御会式」です。午後一時半より法要を厳修いたします。

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」(お休みいたします)

*「携帯基地局と電磁波問題」(々)

 

〔短歌〕

「黒い工場と たまり水の間に たそがれの

         白き道あり 人力走りすすむ」

      木下利玄・

〔俳句〕

「山吹を 三たびめぐって 蝶去りぬ」

〔和歌〕

「山人の つま木にさせる いはつつじ

       心ありてや 手折りぐしつる」

         前大僧正慈鎮・風雅290

「木こりが背負っている、薪の束に挿してある岩つつじの花よ。(あの和泉式部の歌のように)山人ながらしおらしい心があって、折りたずさえて来たのだろうか。」

・山人=山に住む木こりや炭焼。杣人。

・つま木=爪木。薪にする小枝。

・いはつつじ=岩の間に生えるつつじ。山地のつつじ。

・ぐしつる=具氏しつる。「具す」は添える。伴う意。

・参考:「岩つつじ折もてぞ見るせこが着し

      紅染の色に似たれば」和泉式部・後拾遺集150

 

*『平家物語』を読む。(お休みいたします)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈病中法隆寺をよぎりて〉

「ひとりきて めぐるみだうの かべのゑの

         ほとけのくにも あれにけるかも」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後1時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。行程4km程。

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2013年4月24日 (水)

般若寺 春の花だより  4・24

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・八重桜、椿、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪満開≫

・花菱草・矢車草・紫雲らん≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「七重八重花は咲けども山吹の

  みのひとつだになきぞあやしき」兼明親王・後拾遺集

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑳

後醍醐天皇の護持僧であった文観上人についてはいろんな方が研究しておられますが、岡見正雄校注の『太平記(二)』(角川文庫、1982刊)の巻十二の補注(472476頁)が詳しいです。ご紹介します。

[補注129〔文観上人〕

文観は巻16にその名が見え、又巻23には「元は播磨国法華寺の住侶たりしが、壮年の頃より醍醐寺に移住して真言の大阿闍梨たりしかば、東寺の長者、醍醐の座主に補せられて四種三密の棟梁たり」とも「文観僧正をば硫黄が嶋、忠円僧正をば越後国へ流さる」云々とも見える。文観が播磨国法華寺即ち兵庫県加西郡北条町の天台宗法華山一乗寺と関係があったらしい事は、書写山行幸記に元弘三年五月二十七日に後醍醐帝が船上山より還幸の途中に書写山円教寺に行幸した記述と共に姫路市白国増位山随願寺と北条の法華山一乗寺にも行幸した記述があり、それに依ると関白近衛経忠が法華山一乗寺の行幸に供奉し、「然りといえども法華寺に於いては、供奉の由披露せらる。臨時の御計りか。将又文観上人が御祈祷僧たる故か」との記述があり、文観が法華山と元来関係があったらしいことが判る。

 しかし、文観は最初真言律宗の人であったと考えられる。即ち文観の伝記の初期の資料としては、奈良市西大寺町の真言律宗総本山秋篠山西大寺の文殊菩薩騎獅像一軀の胎内納入文書がある。この文殊菩薩像は西大寺本堂の西脇間に安置される文殊五尊像の一であり、脇侍像四軀と共に重要文化財であり、興正菩薩思円上人叡尊(120190)の没後、間もなく、永仁元年(1293)頃から造られ、正安四年(1302)の興正菩薩の十三回忌に弟子達により造立供養され(胎内大般若経86巻奥書)たものであることが判るが、その胎内には水晶五輪塔や銅製筒型の舎利を納める為の容器、木造文殊菩薩立像、着色淡彩種子曼荼羅、文殊菩薩図像、経巻、願文等実に二十八件四百一点の多くの納入品がゆかりの弟子等により納入されている。その内には「着色淡彩種字曼荼羅 文殊図像 真言 種字等一巻」がある。その奥書には、]

 (つづく) 

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉛

・委縮するメディア

「 電磁波の危険性を指摘する報道について、電磁波問題関西連絡会の副代表を務める古本公蔵さんが言う

〈 わたしは電磁波問題に関係した記事をスクラップ・ブックに保管してきましたが、2007年を境に報道が急に少なくなりました。この問題を取材していた新聞記者が左遷されたり、退職に追い込まれたという話もいくつか聞いています。かつてはわたしのところにも記者がよく来ていましたが、最近は急激に減りましたね。〉

 同じような話をわたしは、各地で基地局問題の住民運動に携わっている人々から耳にしたことがある。基地局問題の報道に冷淡なメディアが増えているというのだ。記者がいくら熱心に取材しても、上層部の判断で原稿が没にされるケースが相次いでいる。」

(黒薮哲哉著『あぶない!あなたのそばの携帯基地局』花伝社発行、共栄書房発売)より。

 

 

〔短歌〕

「本所 錦糸堀の たまり水に

      日暮れ闇はひ 風のさむしも」

        木下利玄・銀

〔俳句〕

「庭先の 山吹を折る 法事かな」正岡子規

〔和歌〕

「花はちり 鳥はまれなる 比にしも

        さくやまぶきは 心ありけり」

          前大僧正仁澄・玉葉271

「桜は散り、鶯の声もほとんど聞かれなくなってしまった頃に、ちょうど咲く山吹は、いかにも思いやり深い感じだなあ。」

 

*『平家物語』を読む。

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈病中法隆寺をよぎりて〉

「いたづきの まくらにさめし ゆめのごと

         かべゑのほとけ うすれゆくはや」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後1時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。行程4km程。

 

 

 

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2013年4月23日 (火)

般若寺 春の花だより  4・23

《今咲いている花》

○山吹 白山吹≪満開≫

黄色一重咲・八重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・八重桜、椿、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪満開≫

・花菱草・矢車草・紫雲らん≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

 

《これから咲く花》

・黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「吉野河岸の山吹ふくかぜに

  そこの影さへうつろひにけり」紀貫之・古今集

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑲

後醍醐天皇の建武親政で重役をつとめた、南朝の四人の功臣は「三木一草」(さんぼくいっそう)と称えられます。三木は結城親光(ゆうきちかみつ)、名和長年(なわながとし)、楠木正成(くすのきまさしげ)です。一草は千種忠顕(ちくさただあき)です。いづれも足利氏との戦いで戦死しています。戦前は忠臣として神様のように崇められました。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」(お休みします)

 

〔短歌〕

「わが瞳 華美(はで)にびびしく とらへつつ

        おし黙りゐる 胴慾な牡丹」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「干傘に 山吹散るや 狭き庭」正岡子規

〔和歌〕

「春深き 野寺たちこむる ゆふ霞

       つつみのこせる 鐘のをと哉」

         前大僧正慈鎮・風雅282

「春も深まった季節の、野中の寺のあたりに立ちこめている夕霞よ。その中から、濃い霞も包み残したかのように聞こえて来る、鐘の音だなあ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「維盛出家」の段、

「 ややあッて、与三兵衛涙ををさへて申しけるは、〈重景が父、与三左衛門景康は、平治の逆乱の時、故殿の御共に候ひけるが、二条堀河ののへんにて、鎌田兵衛に組んで、悪源太にうたれ候ひぬ。重景もなじかはおとり候べき。其時は二歳にまかりなり候ければ、すこしもおぼえ候はず。母には七歳でおくれ候ひぬ。あはれをかくべき親しい物(私を憐れんでくれそうな近親者)一人も候はざりしかども、故大臣殿(おほいとの、内大臣重盛)、〈あれはわが命にかはりたりし物の子なれば〉とて、御まへにて育てられまいらせ、生年九と申しし時、君の御元服候し夜、かしらを取りあげられまいらせて、かたじけなく、〈盛の字は家字なれば五代につく、重の字を松王に〉と仰せ候ひて、重景とはつけられまいらせて候也。父のようで死に候けるも、我が身の冥加と覚え候。随分同齢どもにも芳心せられてこそまかりすぎ候しか(これ以上は望めないところまでほう輩からも親切にされて過ごして来ました)。されば御臨終の御時も、此の世の事をばおぼしめし捨てて、一事も仰せ候はざりしかども(重盛公はこの世への執着を断ち切られて、一言もおっしゃいませんでしたが)、重景御まへ近う召されて、〈あなむざんや(ああ可愛そうだ)。なんぢは重盛をちちがかたみとおもひ、重盛は汝を景康が形見とおもひてこそすごしつれ。今度の除目に靭負尉(ゆきえのぜう、左衛門尉の別称)になして、おのれが父景康をよびし様にめさばやととこそおもひつるに、むなしうなる(それができなくなった)こそかなしけれ。相構へて少将殿の心にたがふな(私の死後は十分注意して、維盛の心に背くな。維盛は当時右近近衛少将だった)〉とこそ仰せ候しか。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈病中法隆寺をよぎりて〉

「うつしよの かたみにせむと いたづきの

         みをうながして みにこしわれは」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

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2013年4月22日 (月)

般若寺 春の花だより  4・22

《今咲いている花》

○山吹 黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪満開≫

黄色一重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

 小さな花がかわいいです。

・八重桜、椿、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪五分咲き≫

・花菱草・矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華に瀧のように咲きこぼれています。山吹は野山に自生した日本固有の花で、古来和歌、俳句によく詠まれています。

「今もかもさきにほふらむ橘の

  こじまのさきの山吹の花」よみ人しらず・古今集)

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑱

大塔宮護良親王の説明文後半部。

「 後醍醐天皇が実現した建武の親政では征夷大将軍となられるも、足利尊氏と対立し、鎌倉へ送られ二階堂谷東光寺土牢に幽閉される。

そして北条氏復活を企てた「中先代の乱」の際、足利直義の命で殺害されたという。

 建武二年(一三三五)七月二十三日薨去。享年二十八歳の御生涯。

親王の御霊をまつる鎌倉宮には、東光寺の土牢が復元され、親王に関する資料が公開されている。そこには「般若寺唐櫃」の複製が展示され、唐櫃から立ちあがられた親王の御姿の絵も掲げられている。

 

 般若寺には大塔宮護良親王をしのぶ歌碑と句碑があります。

 

「般若寺は 端ぢかき寺 仇の手を

       のがれわびけむ 皇子しおもほゆ」 森鷗外

「般若櫃 うつろの秋の ふかさかな」  阿波野青畝

「大塔宮 在せし寺や 百日紅」  小牛

 

平成二十五年四月八日  南都 般若寺護持会 謹誌」

 

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉚

携帯電話で頭痛や耳鳴りが起こること。

「 携帯電話の高周波は脳と深く関係しています。たとえば、高周波音という現象が昔から知られています。耳にデジタル(パルス)の電磁波を与えますと、そのパルスの幅に応じて振動の音が聞こえるようになるのです。ものすごく狭い幅、10マイクロ秒あたりの幅の時に一番よくその音が聞こえるそうです。1マイクロ秒は100万分の一秒のことですから、そういうデジタル波形で起きやすいということは、高周波のデジタル波形は耳の神経に何らかの影響をあたえている証拠だと考えることができます。

 高周波の原因は、蝸牛管(かぎゅうかん)などの内耳にある小さな組織が、高周波による熱膨張や振動によって、耳なり音として感じると考えられているのですが、はっきりしているわけではありません。

 携帯電話は頭の横で使用しますから、携帯電話から放射される電磁波の約50パーセントは、頭に吸収されています。ホット・スポット効果もあって、脳の一部にエネルギーが集中したりしますから、脳神経が電磁波に何らかの反応をすることが考えられます。そんな場合は、まず頭痛になって現れるといって良いでしょう。携帯電話使用者と頭痛との関係を調べた疫学研究はいくつかありますが、いずれも頭痛の増加を示しています。」

(荻野晃也著『危ない携帯電話』より)

 

〔短歌〕

「いましがた 我が身のありし 丘をよそに

         汽車は汽車とて 走(は)せすぎにけり」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹の 花流れよる 芥かな」正岡子規

〔和歌〕

「桜ちり 春のくれ行く 物思ひも

       わすられぬべき 山吹の花」

         皇太后宮大夫俊成・玉葉270

「桜が散り、春が暮れて行くのを惜しむ憂鬱さも、思わず忘れてしまいそうな程美しい山吹の花よ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「維盛出家」(これもりのしゅつけ)の段、

「〈維盛が身のいつとなく(いつ果てるということもなく)、雪山の鳥(寒苦鳥)の鳴くらんやうに、けふよあすよとおもふ物を〉とて、涙ぐみ給ふぞ哀れなる。塩風にくろみ、つきせぬ物思ひにやせおとろへえて、その人とはみえ給はねども、猶世の人にはすぐれ給へり。其夜は瀧口入道が庵室にかへッて、夜もすがら昔今の物がたりをぞし給ひける。聖が行儀をみ給へば、至極甚深の床の上には、真理の玉をみがくらんとみえて(深い信仰生活をして真理を探究しているようにみえて)、後夜晨朝の鐘の声には、生死の眠りをさますらんとも覚えたり。のがれぬべくはかくてもあらまほしうや思はれけん(維盛も今の運命から逃れることができるならば)。あけぬれば東禅院の智覚上人と申しける聖を請じたてまッて、出家せんとし給ひけるが、与三兵衛・石童丸をめしての給ひけるは、〈維盛こそ人しれぬおもひを身に添へながら、道狭ばうのがれがたき身なれば、むなしうなるとも(私は妻子を恋しく思う人知れぬ悲しみを抱きながら、世間狭くて到底このままでは生きおおせることではないから)、このごろは世にある人こそおほけれ、なんぢらはいかなるありさまをしても、などか過ぎざるべき。われいかにもならんようを見はてて、いそぎ宮こへのぼり、おのおのが身をもたすけ、かつうは妻子をもはぐくみ、かつうは又維盛が後生をもとぶらへかし〉との給へば、二人の物どもさめざめとないて、しばしは御返事にも及ばず。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈病中法隆寺をよぎりて〉

「あまたみし てらにはあれど あきのひに

         もゆるいらかは けふみつるかも」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

 

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2013年4月21日 (日)

般若寺 春の花だより  4・21

《今咲いている花》

○山吹 黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪満開≫

黄色一重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

・八重桜、椿、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪五分咲き≫

・花菱草・矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華に瀧のように咲きこぼれています。山吹は野山に自生した日本固有の花で、万葉集には多くの歌があります。

小さな〈春咲きコスモス〉も可愛く咲いています。

「山吹は撫でつつ生(お)ほさむありつつも

  君来ましつつかざしたりけり」置始長谷(おきそめのはつせ)      (万葉4302

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑰

今、当寺では大塔宮の事蹟を記した説明文を参詣者に配布しています。二回に分けて載せます。

「大塔宮護良親王 おおとうのみや  もりながしんのう

            だいとうのみや  もりよししんのう

護良親王は延慶元年(一三〇八)、後醍醐天皇の第三の皇子として誕生。

六歳にして天台宗梶井門跡(京都東山岡崎)にて出家され、尊雲法親王と称される。大塔の名の由来は東山岡崎の法勝寺九重大塔のほとりに門室を構えられたことによる。十七歳で三千院門主、十九歳で天台座主となられる。

『太平記』には武芸を好む異例の座主であったという。

元弘元年(一三三一)八月、討幕計画が洩れる「元弘の変」が起こり、後醍醐天皇が笠置山に遷座籠城されると、宮は還俗して参戦される。

幕府の大軍に攻められ笠置落城後、般若寺に潜伏される。幕府方の追手が探索に来たとき、堂内にあった大般若経の唐櫃に潜み危難を遁れられる。「般若寺の御危難」として世に知られる。

其後熊野へ落ちのびられるが、後醍醐天皇が隠岐島へ流された後も、天皇に代り令旨を発して楠木正成や赤松円心などに討幕を呼びかけられ、自らも吉野山で兵を挙げ各地を転戦される。吉野山で村上義光が親王の身代わりに壮絶な死を遂げた話が有名。

 二年後、足利尊氏らと幕府の出先政庁である京都六波羅探題を滅ぼし、新田義貞の鎌倉攻めと呼応して討幕に成功される。」

(つづく)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉙

電磁波には「回折現象」と「干渉現象」があります。

・回折(かいせつ)現象とは

 電磁波が障害物の端を通過して伝播する時に、その後方の陰の部分にまで曲がるように侵入する現象のことをいいます。

・干渉現象とは

 電磁波の二つの波がある場所でお互いに強めあったり、弱めあったりする現象のことをいいます。一般に相が同じ(山と山とが重なる)時に強めあいます。

そのほかコンクリートの壁に当たって跳ね返る「反射現象」も起こります。

(荻野晃也著『危ない携帯電話』より)

 

〔短歌〕

「公園の 梅林の青葉がくれの 青き実の

       その昼われに したしみしなり」

         木下利玄・銀

〔俳句〕

「雨晴れて 山吹黄なる 蕾かな」正岡子規

〔和歌〕

「我がやどの やへ山ぶきは ちりぬべし

         花のさかりを 人のみにこぬ」

           藤原元真・風雅278

「私の家の八重の山吹は(誰もみないで)散ってしまうでしょうよ。こんなに見事な花の盛りを、あの方は見に来ないなんて。(ほんとにひどいわ)」

・詞書:朱雀院の御屏風の絵に、いけのほとりに款冬(やまぶき)さくらさけり、女、すだれをあげてみてたてり

・朱雀院=第六十一代天皇。醍醐天皇皇子。天暦六年(952)崩。三十歳。

 

*『平家物語』を読む。(お休みします)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈夢殿の救世観音に〉

「あめつちに われひとりゐて たつごとき

         このさびしさを きみはほほゑむ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

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2013年4月20日 (土)

般若寺 春の花だより  4・20

《今咲いている花》

○山吹 黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪満開≫

黄色一重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

・八重桜、椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪五分咲き≫

・花菱草・矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華に瀧のように咲きこぼれています。山吹は野山に自生した日本固有の花で、万葉集には多くの歌があります。

小さな〈春咲きコスモス〉も可愛く咲いています。

「我が背子が宿の山吹咲きてあらば

   やまず通はむいや年の端に」大伴家持(万葉4303

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」(お休みします)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉘

マンションの屋上に携帯電話タワーが立つ場合の問題点。

(1)建物強度が弱くなる。つまりタワーのような重いもの(電源も含めて)を載せるような設計になっていない。

(2)タワーには、送信用、制御用、空調用などの電力が必要です。それらの電源の電力が大きいために、その電力による低周波の電磁波被曝が問題になります。特に地上から壁を伝って電力用電線が付けられますが、その壁の内側の部屋に住んでいる人が問題です。高周波の電磁波と異なり、低周波の電磁波、特に磁場(界)はコンクリートでも通り抜けてしまうからです。

(3)不動産価値が低下すること。何といっても、携帯電話タワーのあるようなマンションに入ろうとは思わない人が多くなりつつあるからです。電磁波の危険性が知られるようになればなるほど、不動産価値は低下するでしょう。欧米では、その問題が深刻化しています。

(4)マンションの外で子供たちが遊べなくなります。もちろん、マンション屋上で涼んだりすることも出来なくなります。電磁波が強いからです。

こんな問題点のあることを知ってほしいと思います。

(荻野晃也著『危ない携帯電話』より)

 

〔短歌〕

「棹にほす 子供の着物 うつりたる

        雨後の場末の うす濁り川(がは)」

      木下利玄・銀

〔俳句〕

「投入や 椿山吹 調和せず」正岡子規

〔和歌〕

「やへにのみ ありと見えつる 山吹の

         ここのへちかく さきにける哉」

           壬生忠見・玉葉269

「八重だとばかり思って見ていた山吹が、まあ九重の宮中近く咲いたことよ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「高野巻」の段、

「 ここに観賢ふかく愁涙して、〈われ悲母の胎内を出でて、師匠の室に入しよりこのかた、いまだ禁戒を犯(ぼん)ぜず。さればなどかおがみたてまつらざらん〉とて、五体を地に投げ、発露啼泣し給ひしかば、やうやう霧はれて、月の出づるが如くして、大師をがまれ給ひけり。時に観賢随喜の涙をなが(流)ひて、御衣をきせたてまつる。御ぐし(髪)のながくおひさせ給ひたりしかば、剃りたてまつるこそ目出たけれ。(般若寺には弘法大師の御遺髪と称するものが伝来する)勅使と僧正とはおがみたてまつり給へども、僧正の弟子石山の内供(宮中の内道場に供奉して護持僧ともなった僧)淳祐、其時はいまだ童形にて供奉せられたりけるが、大師ををがみたてまつらずしてなげきしづんでをはしけるが、僧正てをとッて、大師の御ひざにおしあてられたりければ、其手一期があひだ(一生の間)かう(香)ばしかりけるとかや。そのうつり香は、石山の聖教にうつッて、いまにありとぞうけ給はる。大師、御門の御返事に申させ給ひけるは、〈われ昔薩埵(金剛薩埵、大日如来から灌頂を受けた普賢菩薩。弘法大師はその普賢菩薩から密教を伝えた竜樹菩薩の化身といわれる)にあひて、まのあたりことごとく印明(印契と真言)をつたふ。無比の誓願ををこして辺地の異域に侍り。昼夜に万民をあはれんで、普賢の悲願に住す(普賢菩薩の慈悲深い誓願を行おうとする。普賢には十六願がある)。肉身に三昧を証じて、慈氏(弥勒菩薩)の下生をまつ〉とぞ申させ給ひける。彼の摩訶迦葉の雉足の洞に籠りて(大迦葉ともいい釈迦の弟子。雉足山の洞窟にいて弥勒の出現を待っているという)、しず(翅都、都城の名。弥勒は都卒天からこの城中に下生して三会の説法をするという)の春風を期し給ふらんも、かくやとぞおぼえける。御入定は承和二年三月二十一日、寅(午前四時)の一点の事なれば、すぎにし方も三百余歳、行末も猶五十六億七千万歳の後、慈尊出世三会の暁(弥勒はこの世に現れ、竜花樹の下で三度法会を開いて衆生を救うという)をまたせ給わらんこそ久しけれ。」

 (この段終わり)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈五重塔をあふぎみて〉

「ちとせあまり みたびめぐれる ももとせを

          ひとひのごとく たてるこのたふ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP般若寺にリンクあります。

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2013年4月19日 (金)

般若寺 春の花だより  4・19

《今咲いている花》

○山吹 黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪満開≫

黄色一重咲≪満開すぎました≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

・八重桜、椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪五分咲き≫

・花菱草・矢車草≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、黄ショウブ、・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華に瀧のように咲きこぼれています。山吹は野山に自生した日本固有の花で、万葉集には多くの歌があります。

小さな〈春咲きコスモス〉も可愛く咲いています。

「妹に似る草と見しより我が標(しめ)し

  野辺の山吹誰れか手折りし」大伴家持(万葉4197

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑯

増鏡の最後のところに、元弘三年(1333)六月十三日大塔宮護良親王が京都へ入られた事が記されます。

「 十三日、大塔の(尊雲)法親王、宮こに入り給ふ。この月比に、御髪(ぐし)おほ(多)して、えもいはずきよらなる男になり給へり。唐の赤地の錦の御鎧直垂(ひたたれ)といふ物奉りて、御馬にてわたり給へば、御供にゆゆしげなる武士(もののふ)どもうち囲みて、御門の御供なりしにも、程々劣るまじかめり。すみやかに将軍の宣旨をかうぶり給ひぬ。(征夷大将軍の宣旨)

 流されし人々(太平記巻十二には、妙法院宮は讃岐国から、藤房は常陸国から、円観上人は東国から、文観上人は硫黄島から、忠円僧正は越後国から帰洛したと記す)、程なくきほひ上るさま、枯れにし木草の春にあへる心ちす。その中に、季房の宰相入道(下野国に流された)のみぞ、預かりなりける物の、情けなき心ばへやありけん、東(あづま)のひしめきのまぎれに失いてければ(元弘3520卒去、北条氏滅亡の前日のことである)、兄の中納言藤房は返り上れるにつけても、父の大納言(宣房)、母の尼上など歎きつきせず、胸あかぬ心ちしけり。四条中納言隆資(たかすけ)といふも、頭おろしたりし、又髪おほしぬ。もとより塵を出づるにはあらず(俗世間を離れて仏道を求めるための出家ではなく)、敵のために身を隠さんとて、かりそめに剃りしばかりなれば、今はたされに眉をひらく時になりて(うれいが去って、喜ばしい時がやって来たのに際して)、男(在俗の男子)になれらん、なにのはばかりかあらんとぞ、おなじ心なるどちいひあはせける。天台座主にていませし法親王(尊雲)だにかくおはしませば(再び世俗の人間にもどられたのであるから)、まいてとぞ。誰にかありけん、そのころ聞きし。

〈すみぞめの いろをもかへつ 月草の

移ればかはる 花のころもに〉

(墨染めの法衣をも、今では花やかな着物に着かえてしまった。時の移り変りにつれて、人の心も変わって。)」

これで増鏡最終巻第十七が終わっています。護良親王は宮将軍として武将のいでたちで京都へ凱旋されたのです。御年二十五歳でした。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」(お休みします)

 

〔短歌〕

「雨後の昼を 水戸市に入れば ひたひたと

         水にごりみてる 路傍の小川」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹の 花を渦巻く 井堰かな」正岡子規

〔和歌〕

「吹く風に とまりもあへず ちるときは

        やへ山吹の はなもかひなし」

          藤原興風・風雅280

「吹く風のために、とどまろうとしてもとまりきれず散る時は、八重山吹の花といっても、花びらの沢山あるかいもないことだ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「高野巻」の段、

「 高野山は帝城(ていせい、平安京)を避(さつ)て二百里、京里(きやうり、人里)をはなれて無人声(むにんじやう、人の声も聞こえない)、青嵐(青々とした山気)梢をならして、夕日(せきじつ)の影しづかなり。八葉の嶺、八の谷(高野山は八峯九谷からなり、胎蔵曼荼羅の八葉九尊に擬せられる)、まことに心も澄みぬべし。花の色は林霧そこにほころび、鈴のをとは尾上の雲にひびけり。瓦に松おひ、墻(かき)に苔むして、星霜久しくおぼえたり。抑々延喜の御門(醍醐天皇)の御時、御夢想の御告あッて、桧皮色(黒みのかかった蘇芳色)の御衣をまいらせしに、勅使中納言資隆(すけたか)卿、般若寺の僧正観賢(くわんげん、奈良般若寺中興の祖、京都鳴滝般若寺の開基[現在廃絶]、弘法大師五代の弟子)をあひぐして、此の御山にまいり、御廟の扉をひらいて、御衣をきせたてまつらんとしけるに、霧あつくへだたッて、大師を拝まれさせ給はず。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈法隆寺の金堂にて〉

「たちいでて とどろととざす こんだうの

         とびらのおとに くるるけふかな」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援をお願いします。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP般若寺にリンクあります。

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2013年4月18日 (木)

般若寺 春の花だより  4・18




《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開すぎました≫

    黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪八分咲き≫

・八重桜、椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華です。山吹は野山に自生した日本固有の花で、万葉集には多くの歌があります。  小さな〈春咲きコスモス〉が可愛く咲いています。

「咲けりとも 知らずしあらば 黙(もだ)もあらむ

  この山吹を見せつつもとな」大伴家持(万葉3976

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑮

昨日午後から信貴山ヘ参りました。目的は「大塔会」創始者の青木さんが開かれた「寶青院」というお寺を訪ねることでした。地図で見ると信貴山朝護孫子寺の北1キロ余りになっていたので、先ずは信貴山寺へお参りし、寺の方に寶青院への道を尋ねました。何人かの方に聞いてようやく道が分かりました。伽藍の頂上にある本堂下の手洗い場を上に出て、多宝塔横を回って行くと10分ほどです、とのことです。教えられその道を行き15分ほど山道を上り下りしてやっとそれらしい御堂の下に出ました。途中何軒も廃屋になった建物があり、道も寂びれている様子でした。道からコンクリート造りの階段を上りきると御堂がありました。しかし扉は閉ざされ人のいる気配はありません。堂の左手に石仏が壇上に祀られ横には水子供養の石塔がありました。一人のご婦人がお花を供えておられました。その方に大塔宮を聞いてもなにも御存じないとのこと。それでそこから上を見ると菊の紋が入った鉄の扉がありお墓のような石塔が見えます。周りを拝見すると大塔宮護良親王と書かれた標石が見えました。周囲は玉垣で囲まれていますが一部は倒壊しています。その向うに鳥居のようなものが見えたので下から回ると「大塔宮御陵」の石碑と鳥居がありました。しかし材木は朽ちて今にも倒れそうです。少し廃墟のイメージがあります。お堂下には庫裏の役目をしたプレハブ家屋があり、かつて大勢の方が生活された様子もうかがえました。お堂正面へ戻り屋根の棟を見ると、「寶」と言う字と「橘」の紋があり、先ほどの供養塔に「南無妙法蓮華経」と刻まれているのから見て、この寺は日蓮宗の寺ということが分かります。開基の青木さんは日蓮宗衆徒と推察されます。お一人で御陵とお寺まで造られたお心には敬服します。でも寺の跡を継がれる方はおられなかったのでしょうか、惜しいことです。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉗

信貴山への道を車で走っていても、道沿いに立つ携帯基地局のアンテナが目立ちます。法隆寺の手前にある斑鳩町庁舎のすぐ横に大きな鉄塔が見えました。庁舎の横にNTTの空きビルがありその屋上に立っています。おそらくドコモのアンテナでしょう。庁舎の大勢の職員と来訪者に影響がなければいいのですが。

奈良へ帰ってくると小学校のすぐ近くのビルの上にも大きなアンテナがあり、またその近くの私立学校の校舎の屋上にも立っています。

また当寺の南の方にも二基あって、一基は市営住宅の窓の横です。もう一基は市立保育園の近くです。地元に電磁波の有害性を知っている人がいないのでしょうか。あまりにひどい実態です。みなさま目覚めて下さい。

 

〔短歌〕

「板の間の くらきに昼の 遊女ゐしを

        見つつ我が身は 行きすぎしなり」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹の 溝に垂れたる 垣根哉」正岡子規

〔和歌〕

「雪とのみ 桜はちれる このしたに

        色かへてさく やまぶきの花」

          民部卿為世・玉葉267

「雪としか見えないように、桜はすっかり散ってしまった木の下に、これはまた色を変えて、美しく咲く山吹の花よ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「高野巻」(かうやのまき)の段、

「 瀧口入道、三位中将を見たてまッて、〈こはうつつともおぼえ候はぬ物かな(これは現実とも思われない事件です)。八嶋よりこれまでは、なにとしてのがれさせ給ひて候やらん〉と申しければ、三位中将の給ひけるは、〈さればこそ(そこなのです)。人なみなみに宮こをいでて、西国へおちくだりたりしかども、ふるさとにとどめをきしおさなき物共の恋しさ、いつ忘るべしともおぼえねば、その物おもふけしきの言はぬにしるくやみえけん(私のそういう物思いの様子が、言葉に出さないのに明瞭に現れたのでしょう)、おほい殿も二位殿も、[この人は池の大納言(頼盛)のやうにふた心あり]なンどとて思ひへだて給ひしかば、あるにかひなき我が身かなと、いとど心もとどまらで(ますます心も屋島に止まらないで)、あくがれいでて、これまではのがれたる也。いかにもして山づたひに都へのぼッて、恋しき物どもを今一度もし見えばやとは思へども、本三位中将の事口惜しければ、それもかなはず。おなじくはこれにて出家して、火のなか水の底へもいらばやとおもふ也。ただし熊野へまいらんと思ふ宿願(以前からの誓願)あり〉との給へば、〈夢まぼろしの世の中は、とてもかくても候なん(夢かまぼろしのようにはかない現世に生きている間は、どんな風にでも過ごしていけます)。ながき世のやみこそ心うかるべう候へ(死後の永遠の闇の世界、即ち地獄に落ちるのこそつらいことです)〉とぞ申しける。やがて瀧口入道先達にて、堂々巡礼して、奥の院へまいり給ふ。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈法隆寺の金堂にて〉

「おしひらく おもきとびらの あひだより

         はやみえたまふ みほとけのかほ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援をしてあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP般若寺にリンクされています。

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2013年4月17日 (水)

般若寺 春の花だより  4・17

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開すぎ≫

    黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪八分咲き≫

・椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華です。山吹は野山に自生した日本固有の花で、万葉集には多くの歌が載せられています。 春咲きのコスモスが小さく咲いてかわいいです。

「山吹の茂み飛び潜(く)く鶯の

  声を聞くらむ君は羨(とも)しも」大伴家持(万葉3971

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑭

昨日紹介した山地氏の本に、大塔宮のことが『増鏡』に出ていると書かれていたので調べて見ました。

増鏡は広辞苑によると、「歴史物語。17巻または19巻。1180年~1333年(治承4年~元弘3年)、後鳥羽天皇降誕から後醍醐天皇の隠岐還幸まで、鎌倉時代15代百五十余年間の事跡を編年体で記す。作者は二条良基説が有力。1338年(延元3年)以降1376年(天授2)までに成立。」とあります。 

手もとにある岩波書店刊行の「日本古典文学大系87」には、北畠親房の有名な著作、『神皇正統記』と合本となっています。

そのうち後醍醐天皇の即位された文保2年(1318)からの7年間は「第十三巻 秋のみ山」、正中元年(1324)から嘉暦2年(1327)に至る四年間のことは「第十四巻 春の別れ」に、嘉暦元年(1326)までの六年間のことは「第十五巻 むら時雨」に、元弘2年(1332)のできごとは「第十六巻 久米のさら山」、元弘3年(1333)の最終巻は「第十七巻 月草の花」です。この巻に、後醍醐天皇の討幕の願いが成就した事を記して物語を終えています。

 

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉖

各国の電磁波対策の比較。

「携帯電話基地局から放出される電磁波被害がもたらす健康被害が、水面下で大きな問題になっているにもかかわらず、総務省が対策に乗り出したという話はまったく聞いたことがない。それどころか電話・通信会社と共同歩調を取っているのが実情だ。電波防護指針の基準値に至っては、「ザル法」に等しい。次に示すのは、国別、都市別の比較表の抜粋である。

・ザルツブルグ(オーストリア) 0,0001マイクロワット/平方センチ

・パリ             1,0マイクロワット/平方センチ

・中国             6,6マイクロワット/平方センチ

・イタリア           10マイクロワット/平方センチ

に対し、

・日本             600マイクロワット/平方センチ

900MHzでの数値)

わたしは、通信・電話会社のビジネスをこれほど優遇している国をほかに知らない。おかしなことに通信・電話会社の社員の中には、総務省が税金で制作した『電波と安全な暮らし』というパンフを持ち歩いて、電磁波の「安全」をPRしている者がいる。自社で制作したパンフを企業活動で使うのであれば自由だが、税金で制作されたパンフを日常業務で利用しているのだ。

このあたりの事情について総務省に問い合わせると、

〈電波の安全をPRしてもらうためです〉と、開き直った返答が返ってきた。」

(黒藪哲哉著『あぶない!あなたのそばの携帯基地局』より)

 

*〔短歌〕

「あづまぢの みちのはてなる 祝町の

         くるわを雨に ぬれてゆきすぐ」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「山吹の 散るや盥の 忘れ水」正岡子規

〔和歌〕

「芳野川 さくらながれし 岩間より

       うつればかはる 款冬(かんとう)の色」

         後鳥羽院御歌・風雅274

「吉野川では、春に盛りには桜の花が流れた岩の間の流れに映って、―季節が移ると変われば変わるものだ、黄色い山吹の色が美しい。」

・うつれば=「映れば」と「移れば」をかける。

・款冬=かんとう。かんどう。山吹のこと。

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「横笛」の段、

「 よこぶゑはそのおもひのつもりにや、奈良の法華寺にありけるが、いく程もなくて、ついにはかなくなりにけり。瀧口入道、か様の事をつたへきき、いよいよふかくおこなひすましてゐたりければ、父も不孝をゆるしけり。したしき物どもみなもちゐて、高野の聖とぞ申しける。

 三位中将これに尋ねあひてみ給へば、都に候ひし時は、布衣に立烏帽子、衣文をつくろひ、鬢を撫で、花やかなりしおのこ也。出家の後はけふはじめてみ給ふに、いまだ三十にもならぬが、老僧姿にやせ衰へ、こき墨染におなじ袈裟、おもひいれたる道心者、浦山しくやおもはれけん。晋の七賢、漢の四皓がすみけん商山・竹林のありさまも、これにはすぎじとぞ見えし。」

 (この段終わり)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

御遠忌近き頃法隆寺村にいたりて〉

「みとらしの あづさのまゆみ つるはけて

         ひきてかへらぬ いにしへあはれ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP般若寺にリンクされています。

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2013年4月16日 (火)

般若寺 春の花だより  4・16

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪満開≫

    白山吹≪八分咲き≫

・椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花。八重咲きは豪華です。山吹は野山に自生した日本固有の花で、万葉集には多くの歌が載せられています。 春咲きのコスモスが小さく咲いてかわいいです。

「かはづ鳴く神南備川に影見えて

  今か咲くらむ山吹の花」厚見王(万葉1435

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑬

先日注文していた、山地悠一郎著『大塔宮の太平記と甲州青木家の家譜』が昨日届きました。この本は「大塔会」の創設者である青木カズノ女史の家柄をはじめ、宮様につながる諸家の系譜を解明しています。青木女史は奈良県王寺町の産婦人科のお医者様で御先祖が大和郡山市の旧柳沢藩の奥医を勤められた家柄です。柳沢家が郡山へ移封のとき甲州より大和へ来られました。 青木様と、現在会を運営される菊井様の写真を拝見できました。

これは貴重な本です。ゆっくり読んでみます。

第一章は「淵辺義博、護良親王を斬らず」。

第二章は「大塔宮の歩いた道」。

第三章は「大塔宮護良親王のお首の謎を追って」

第四章は「甲州青木家の由緒」

第二章には「大塔宮の熊野落ち」が記されています。しかし宮様の行動はほとんど隠密行動であり、正確なことは分からないようです。

本によると元弘元年(1331927日笠置山落城後、後醍醐天皇が落ち行かれた際、宮様は別行動で929日に南都般若寺へ102日東南院へ、106日高巣城へ、1021日十津川へ、さらに高野山から玉置権現へと、普通に言われる熊野へ直行の話とは異なる行程内容が紹介されています。

最短の道を取られたのであれば、笠置寺から伊勢街道を須川、狭川、当尾をへて般若寺へ来られたか、柳生から坂原、忍辱仙、大慈仙をへる迂回路を取って来られたのかもしれません。般若寺には文観上人が待ち受けられ宮様を秘匿されたのでしょう。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉕

このたびの当地基地局撤去の教訓は、

1. 完成操業までに業者に工事中止を申し入れ、早期に反対表明をしたこと。

2. 近隣住民の反対意見を集約し何度も確認したこと。

3. 地権者(地主)と何度も話し合いを持ち危険性を知らせたこと。

4. 自治会へも対策をしてほしいと強く要望したこと。

などです。

皆さまのお近くに携帯基地局アンテナタワーはありませんか。あったら運営する携帯電話会社に発信の電波のことを問い合わせてください。しつこく電話することです。そして近隣の人と話し合ってください。無関心は未来への罪です。電磁波のこわさを知ってください。

 

〔短歌〕

「桐の花 雨ふる中を 遠く来し

       常陸の国の 停車場に咲く」

         木下利玄・銀

〔俳句〕

「古井戸や 山吹散って 魚遊ぶ」正岡子規

〔和歌〕

「さきいづる やへやまぶきの 色ぬれて

         桜なみよる 春雨の庭」

           従三位為子・玉葉266

「咲き出した八重山吹の色が、雨にぬれて一そう濃く、庭面を流れる雨水に散り浮いた桜の花びらが波のように揺れ動く、春雨の庭よ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「横笛」の段、

「 やがて人を出だして、〈まッたくこれにさる人なし。門たがへてぞあるらん〉とて、つゐにあはでぞ返しける。横笛なさけなううらめしけれども、ちからなう(どうにもならず)涙をおさへてかへりけり。瀧口入道、同宿の僧にあふて(同じ坊に住む僧侶に向かって)もうしけるは、〈これもよにしづかにて、念仏の障碍は候はねども(ここも大そう静かで念仏のさし障りはないのですが)、あかで別れし女に此のすまひをみえて候へば(未練があって別れた女性にこの住み家を見られてしまいましたから)、たとひ一度は心つよくとも、又もしたふ事あらば(たとい一度だけは強い意志で彼女を返しはしたものの、もう一度慕い寄って来られたならば)、心もはたらき候ぬべし(私の心も動いてしまうでしょう)。いとま申して〉とて、嵯峨をば出でて、高野へのぼり、清浄心院(高野山の蓮華谷にあり、弘法大師が創設したという寺院。喜多坊または北の坊ともいう。)にぞゐたりける。横笛もさまをかへたる(尼になった)よしきこえしかば、瀧口入道一首の歌を送りけり。

〈そるまでは うらみしかども あづさ弓

まことの道に 入るぞうれしき〉

(私はあなたが髪をそって尼になるまでは悲しんでいたが、今はあなたも仏道に入ったとは嬉しいことである。[そる]は剃ると反るを言いかけ、[いる]は入ると射るを言いかけ、それぞれ下の語があずさ弓の縁語である。)

横笛がかへり事には、

〈そるとても なにかうらみん あづさ弓

ひきとどむべき 心ならねば〉

(髪をそったといって何を悲しむことがあるでしょうか、あなたの心はこの世に引き止めることができないのですから。[そる]と四句目の[ひき]はあずさ弓の縁語。)」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

御遠忌近き頃法隆寺村にいたりて〉

「うまやどの みこのみことは いつのよの

         いかなるひとか あふがざらめや」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP般若寺にリンクあります。

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2013年4月15日 (月)

般若寺 春の花だより  4・15

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪八分咲き≫

    白山吹≪八分咲き≫

・椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花が青い枝にかわいく連なっています。八重咲きはぼたんのような豪華な花です。山吹は野山に自生する日本固有の花で、万葉集には多くの歌が載せられています。

「鶯の来鳴く山吹うたがたも

 君が手触れず花散らめやも」大伴池主(万葉3968

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑪

般若寺本堂に安置される現本尊(元経蔵秘仏本尊)は、八字文殊師利菩薩です。髷を八つ結っているので八字八髻文殊とも言われます。

 八字文殊の効験を説くお経に『文殊師利法寶陀羅尼経』があります。

此の経には、

「一切の十善を行ずる国王を擁護して

意の如く寿命長遠を得、

 福徳果報は無比にして逾(いよいよ)勝り、

諸方の兵甲ことごとく皆休息して

国土は安寧に王の所有として

常に増長を得しめんがためなり。云々」

とあります。

文殊菩薩は十善すなわち十善戒(不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見)を保ち、仏法を政治に活かすことのできる国王を擁護(おうご)して、長寿を得せしめ、最高の福徳(幸福)を与えてくれる。そして諸方の兵隊はいくさを休め、国土は平和に治まり、国力を高めることができる。仏法と王法が冥合した理想の王様の姿が実現されるとしています。

金輪際(この世)における聖なる国主、すなわち後醍醐天皇の親政を成就させてくれたのが八字文殊菩薩様でした。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉕

一昨日のフランス国立応用科学院の調査結果を続けます

〈③200300メートルの間でも、「非特異的な健康症状」を訴える人々はいる。対照群(300メートル以上離れているか、あるいは、被曝を受けていない人たち)に比べて、特に「倦怠感」の訴えは、「統計的に有意」となっている。

④調査された「睡眠障害」など7つの「兆候」については、300メートル以内の範囲に居住する被験者では、男性に比べ女性の方が、「より強い感受性」を示した。

⑤被験者の年齢によって、「訴えられている症状」について、有意な差が見出せた。この調査は、20歳以上が対象だったが、「電磁波に対する感受性」は60歳以上が際立って高かった。

そして、これらの結果を踏まえた上で、次のような結論を出している。

・被曝する人々は、「性別や年齢などによって、感受性が異なる」。

・基地局からの距離が100メートル以内の場合には、「基地局を正面から見通せる場所で、もっとも悪影響が出やすい」。

・予防原則の視点に立つと、「基地局は人々の住んでいる場所から300メートル以上離して建てるのが望ましい」。〉

 この調査結果は2003年度のものです。いまやアナログからデジタル化へ、そして次世代型へと電波は複雑化し、高密度化が進んでいます。便利さの裏側で人間の健康、安全が無視されているのではないでしょうか。皆さんもっと電磁波に注意を払いましょう。人類の未来、子や孫のために大人が目覚めるときです。

〔短歌〕

「工場出て 機械の音は 遠退けり

        耳なごやかに 風のさやるも」

          木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹や 花散り尽くす 水の上」正岡子規

〔和歌〕

「鶯の きなく山ぶき うたがたも

      君がてふれず 花ちらめやも」

        よみ人しらず・風雅279 

「鶯の来ては鳴く、山吹の花よ。本当にまあ、あの方が(来ても下さらず)手を触れもしないで花が散ってしまうなんて事があるのだろうか。いや、そんな事はあり得ないよ。」

・うたがたも=本当に。けっして(・・・ない)。

 

*『平家物語』を読む。(お休みします)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

御遠忌近き頃法隆寺村にいたりて〉

「いかるがの さとびとこぞり いにしへに

         よみがへるべき はるはきむかふ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

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2013年4月14日 (日)

般若寺 春の花だより  4・14

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪八分咲き≫

    白山吹≪五分咲き≫

・椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花が青い枝にかわいく連なっています。八重咲きはぼたんのような豪華な花です。山吹は野山に自生する日本固有の花で、万葉集には多くの歌が載せられています。

「かくしあらば何かうゑけむ山吹の

  やむ時もなく恋ふらく思へば」読人しらず(万葉集1907

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑪

南朝御聖蹟笠置寺参詣(4)

昨日、笠置寺長老様より丁寧な書状を頂戴いたしました。私が参詣した次の日に、副住職が行きたいと言ったので、前日笠置寺様が山吹を植えておられる話をうかがっていたから、白山吹の苗を一株と黄梅の苗も持参してもらいました。

そのお礼と、副住職の大学の同窓生が笠置寺様の御法類(同じ仏法を受けた親類)に当たられるとのことで副住職が参ったことを大変喜んでいただけたようです。

みほとけのお導きはありがたいです。解脱貞慶上人から始まり、後醍醐天皇、大塔宮護良親王、般若寺本性房と南朝の御聖蹟でも御縁を頂いています。長老様の言葉にあった「笠置は奈良の一角です」という認識を大切にしていきたいと思います。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉓

 当地の携帯電話基地局電波タワーが撤去されました。昨日朝からアンテナ会社の社員と地主さんがそろって撤去工事を告げに来て鉄塔撤去工事が始まり、午前中にタワーをはずし基礎部分も解体しました。終わってからも工事完了の報告に来たので、ご苦労様でしたとねぎらいの言葉を述べておきました。

ここまで約一か月、長い長い日々でした。この間、電磁波検知器を二台(6千円のと5万円のもの)を購入し、最悪の場合にそなえ防護シールド(楯)用品を調べ、壁や窓に張るシートや着用する防護下着などの購入まで考えていました。

全国の例を見ても当地のようにこんなにすんなり解決したのも珍しいのではないでしょうか。そして早期に撤去工事に来てくれるなんて予想外でした。ここまで大勢の人が大きな努力をはらわれたも勿論ながら、私は今、当山般若寺の御本尊様、文観上人が後醍醐天皇の御願成就を祈って造立された八字文殊菩薩様の御霊験を感じています。私は夜中、御本像前にて八字文殊の御真言をお唱えし「おん敵退散」を祈念し続けました。やはり冥護はありました。祈りは通じたのです。

それにしてもこの御本尊の霊力はすごいです。文観上人様、後醍醐天皇様有難うございました。700年昔の「討幕親政」をかなえられた御聖蹟にならって、これからも仏法の為、王法の為、御本尊を護持しつづけること、精進をお誓いいたします。

 

〔短歌〕

「早くすでに 日が落ちたれば 山の峡

         川床の石の くろぐろと見ゆ」

           木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹や 小鮒入れたる 桶に散る」正岡子規

〔和歌〕

「山のはに いり日うつろふ 紅の

        うす花ざくら 色ぞことなる」

          亀山院御製・玉葉203

「山ぎわに入日の光がうつって、薄紅の桜の花は、その光に照り映え、特別に色美しく見えるよ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻十 「横笛」の段、

「 横笛これをつたへきいて、〈われをこそ捨てめ、さまをさへかへけん事のうらめしさよ。たとひ世をばそむくとも、などかかくと知らせざらん。人こそ心づよくとも、尋ねてうらみん(あの人が無情に会うまいとしていても、私はたずねていって恨みごとを言いましょう)〉とおもひつつ、ある暮方に宮こをいでて、嵯峨の方へぞあくがれゆく(しっかりした計画もなく出かけて行った)。ころはきさらぎ十日あまりの事なれば、梅津の里(桂川の西岸の地)の春風に、よそのにほひもなつかしく(よそから香って来る梅のかおりにも気を引かれ)、大井河(大堰川とも、桂川の上流嵯峨の辺での名)の月影も、霞にこめておぼろ也。一かたならぬあはれさも、たれゆへとこそおもひけめ(横笛は誰のためと思ったろう)。往生院(嵯峨の清凉寺の西隣にある)とは聞きたれども、さだかにいづれの房とも知らざれば、ここにやすらひかしこにたたずみ、たづねかぬるぞ無慙なる。住み荒したる僧坊に、念誦の声しけり。瀧口入道が声と聞きなして、〈わらはこそこれまで尋ねまひりたれ。さまのかはりてをはすらんをも、今一度みたてまつらばや〉と、具したりける女をもッていはせければ、瀧口入道胸うちさはぎ、障子のひまより覗ひてみれば、まことにたづねかりたけしきいたはしうおぼえて(たずねかねたあげく、やっと探し当てたような様子が可愛そうになって)、いかなる道心者も心よはくなりぬべし。」

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈御遠忌近き頃法隆寺村にいたりて〉

「うまやどの みこのまつりも ちかづきぬ

         まつみどりなる いかるがのさと」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

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2013年4月13日 (土)

般若寺 春の花だより  4・13

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪八分咲き≫

    白山吹≪五分咲き≫

・椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花が青い枝にかわいく連なっています。八重咲きはぼたんのような豪華な花です。山吹は野山に自生する日本固有の花で、万葉集には多くの歌が載せられています。

「山吹を宿に植ゑては見るごとに 思ひはやまず恋こそまされ」大伴家持(万葉集)

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」⑩

 南朝御聖蹟笠置寺参詣(3)

笠置山笠置寺は本当にいいところです。伽藍は戦火で焼かれてしまい古い建物は残りませんが、信仰の中心である弥勒菩薩大磨崖仏はおはします。確かにお姿は隠れておられ拝見することはできません。しかし圧倒的な大きさを持つ巨岩には御本尊様の御正念がこもっていて、信仰の者には、心眼によって拝せよ、と御諭しを出されているように思われます。また、完全に残っている虚空蔵菩薩様の御尊像は、いまも生き生きと私たちに語りかけて下さいます。そして山内の大岩一つ一つが佛、菩薩、諸天善神となって曼荼羅世界を形成し、大宇宙を現出しているようです。

 大岩のほとりに佇んでいるだけでも心身の浄化を体感できます。不思議な世界、素晴らしき空間です。さらにここでは、太古の昔から永遠の時間が流れています。何度でも参詣したくなる御寺、御山です。

次の機会には下から歩いて登りたいです。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㉒

日本では基地局からの電磁波について公的機関による被害調査は行われていません。しかし諸外国では実態調査結果が公表されています。フランスの例を紹介します。

2003年、フランスの国立応用科学院は、基地局の近くに住む530人(女260人・男270人)の「健康被害」について行ったアンケート調査の結果を発表した。調査は「高周波被曝疾患」として特徴づけられる16の「非特異的な健康症状」(NSHS)についてなされた。すると、次のような「注目される結果」が得られた。

 報告された症状は、基地局に近づくにつれて増加する。そして、基地局のごく近い位置(10メートル未満)でだけ、「吐き気」「食欲不振」「視覚障害」「運動困難」のような症状があった。

基地局から離れたところでも、「疲労」「頭痛」「睡眠障害」といった症状は感じられる。特に、100メートル以内では、「興奮性」「うつ傾向」「性欲の減退」、200メートル以内では、「頭痛」「睡眠障害」「不快感」が多かった〉(つづく)

 (古庄弘枝著『見えない汚染「電磁波」から身を守る』より)

 

〔短歌〕

「うねり波 たかまりあがり 水底(みそこ)めがけ

        重みまかせに 倒れたるかも」

          木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「裏門や 山吹提げて 人戻る」正岡子規

〔和歌〕

「おなじくは 月のおりさけ 山ざくら

         花みる春の たえまあらせじ」

           西行法師・風雅175

「同じことなら、月の明るい時期に咲いていてくれよ、山桜よ。花を見る春に(夜の闇という)絶え間を置かせないために。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「横笛」の段、

「 高野に年ごろ知り給へる聖あり。三条の斎藤左衛門大夫茂頼(もちより)が子に、斎藤瀧口時頼といひしもの也。もとは小松殿の侍也。十三のとし本所へまいりたりけるが、建礼門院の雑仕横笛といふ女あり、瀧口これを最愛す。ちちこれをつたへきいて、〈世にあらものの婿子になして、出仕なんどをも心やすうせさせんとすれば、世になき物を思ひそめて〉と、あながちにいさめければ、瀧口申しけるは、〈西王母ときこえし人、昔はあッて今はなし。東方朔といッしものも、名をのみききて目にはみず。老少不定の世の中は、石火の光にことならず。たとひ人長命といへども、七十八十をば過ぎず。そのうちに身のさかんなる事はわずかに二十余年也。夢まぼろしの世のなかに、みにくきものを片時もみてなにかせん。思はしき物をみんとすれば、父の命をそむくに似たり。これ善知識也。しかじ、うき世をいとひ、まことの道に入りなん〉とて、十九の年もとどりきッて、嵯峨の往生院におこなひすましてぞゐたりける。」

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈法隆寺村にやどりて〉

「いかるがの さとのをとめは よもすがら

         きぬはたおれり あきちかみかも」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。

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2013年4月12日 (金)

般若寺 春の花だより  4・12

[般若寺 春の花だより]

 

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪八分咲き≫

    白山吹≪五分咲き≫

・椿、利休梅、しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

・春咲きコスモス≪ちらほら咲き≫

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろになりました。一重咲きは小さな五弁の花が青い枝にかわいく連なっています。八重咲きはぼたんのような豪華な花です。山吹は野山に自生する日本固有の花で、万葉集には多くの歌が載せられています。

「山吹は日に日に咲きぬうるはしと 我が思ふ君はしくしく思ほゆ」大伴池主(万葉集)

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

南朝御聖蹟笠置寺参詣②。

 JR笠置駅前の「元弘の変、笠置山城の戦い」群像の中に、般若寺本性房と並んで弓矢を射ている武将がいます。今まで見落としていたのですが、よく見ると「足助重範」(あすけしげのり)と書かれています。足助重範は正応5年(1292)―元弘2年(133253日の生涯で、三河国加茂郡足助庄を拠点とした足助氏の七代目惣領です。足助六郎次郎貞親の子、子に重政(九郎)らがいます。

 元弘の戦い(1331年)ではまっ先に後醍醐天皇のもとに駆けつけ、籠城軍の総大将を務めました。弓の名手として知られ幕府の大軍を相手に弓矢で戦い、荒尾九郎、弥五郎兄弟を遠矢で討ち取った雄姿が太平記に語られます。

 しかし落城後捕えられ、翌年京都六条河原で処刑されました。

その後、地元三河地方は足利方の勢力下に入り、足助重範のことは長らく忘れられていました。元弘の変から560年後の明治24年(1891)になって、明治天皇から正四位を贈られて名誉を回復。愛知県豊田市足助町宮ノ後の地に、明治35年に足助神社が創建され、以後南朝の忠臣としてまつられました。 

しかし昭和20年の敗戦後は、顕彰運動も立ち消えとなっているようです。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」

 山が動きました。非常事態が解消されそうです。きのう某携帯電話会社の傘下四番手である電波タワー施工会社から、「鉄塔を13日に撤去します」と回答がありました。

これで一件落着しそうです。ここまで周辺住民の方々は大変な苦労を経験されました。まったく訳の分からない物でしたから、将来への不安がどんどん膨らんでゆき、みなさん寝れない夜が何日も続きました。それにつれてみんなの団結心が高まり、断固撤去を目ざして話し合いが毎日持たれました。最終的には地権者の土地利用承諾の白紙撤回を決断されたことが決め手となりましたが、そこへ行くまでの個々人の硬い意志力が物を言ったと思います。住環境を壊してはならない、そして子孫に安全な町を残したいとの思いは純粋でした。

こういう事態になった最大の原因は、人々は電磁波のことを知らない、そのこわさを全く知らなかったことにありました。国民は知らされていなかったのです。新聞テレビなどのマスコミは電磁波問題を取りあげません。唯一、インターネット・ジャーナルだけが危険を知らせています。この実態を国民一人一人が知らなければなりません。知ろうとしさえすれば、ネット情報は山ほど提供されています。やっぱり「知らないことは罪である」ことをもっと知らせて行かねばなりません。自分が味わった恐怖・不安感を人に伝えます。

 

〔短歌〕

「にはとこの 新芽ほどけぬ そのなかに

         その中の芽の たたまりてゐる」

            木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「竹垣や 雨の山吹 土に臥す」正岡子規

〔和歌〕

「わりなしや 外にも花の なくばこそ

         一木がもとに 日をもくらさめ」

            法橋顕昭・玉葉164

「無理な事をおっしゃるな。外にも花がないというなら、一本の木の下で一日眺めくらしても居ようが。(ごらん、あちらにもこちらにも、まだ見たい花があるじゃないか)」

・詞書:法金剛院の花の盛りに、上西門院の蔵人どもが誘い合わせて花を見ておりました時に、暫く見て通り過ぎようとしましたのを。「一体何でこんなきれいな花を見捨てて帰るのだ」と申しましたので詠みました歌。

・法金剛院=京都市右京区花園にある待賢門院御願寺。

・上西門院=鳥羽院皇女統子内親王。母は待賢門院。後白河院准母。文治五年(1189)崩。64歳。

・蔵人=内裏の蔵人にならって院・女院に置かれた役人。

・わりなし=道理に合わない。

 

*『平家物語』を読む。(お休みします)

巻第十 「横笛」(よこぶえ)の段、

「 さる程に、小松の三位中将維盛卿は、身がらは八嶋にありながら、心は都へかよはれけり。ふるさとにとどめおき給ひし北方おさなき人々の面影のみ、身に立ちそひて、わするるひまもなかりければ、〈あるにかひなき我が身かな〉とて、元暦元年三月十五日の暁、しのびつつ八嶋の舘をまぎれ出でて、与三兵衛重景・石童丸といふわらは(童)、舟に心えたればとて武里と申す舎人、これら三人をめしぐして、阿波国結城の浦より小舟により、鳴戸浦をこぎとほり、紀伊路へおもむき給ひけり。和歌・吹上・衣通姫の神とあらはれ給へる玉津嶋の明神、日前・国懸の御前をすぎて、紀伊の湊にこそつき給へ。〈これより山づたひに宮こへのぼッて、恋しき人々をいま一度見もしみえばやとは思へども、本三位中将のいけどりにせられて、大路をわたされ、京・鎌倉、恥をさらすだに口おしきに、この身さへとらはれて、父のかばねに血をあやさん事も心うし〉とて、千たび心はすすめども、心に心をからかひて、高野の御山にまいられけり。」

 (つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈薬師寺東塔〉

「あらしふく ふるきみやこの なかぞらの

         いりひのくもに もゆるたふかな」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。

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2013年4月11日 (木)

般若寺 春の花だより  4・11

[般若寺 春の花だより]

 

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪五分咲き≫

    白山吹≪咲きはじめ≫

・椿、≪満開≫

・利休梅・しゃが:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

《これから咲く花》

・紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろに近づきました。一重の小さな五弁の花が青い枝にかわいく連なっています。一重咲は野山に自生した原種です。日本固有の花で万葉集には多くの歌が載せられています。八重咲きも見ごろです。

「山吹の咲きたる野辺のつぼすみれ この春の雨に盛りなりけり」高田女王(万葉集)

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

南朝御聖蹟笠置寺参詣。

昨日の午後から京都府の笠置寺様へお邪魔しました。朝から先日お目にかかった、前住職の小林慶範長老様に電話をして御都合をお聞きしたところ、午前中は先週の大風で倒れた木の片づけ仕事があるとのことで午後に伺いました。   山のお寺は境内の維持管理が大変なことがよく分かりました。とにかく広いですから。

今日は私の家族二人を連れて行ったので、到着してすぐに御本尊の弥勒菩薩様の大磨崖仏を拝み、さらに虚空蔵菩薩様の大磨崖仏を拝して行場巡拝路を行きました。山上はどこを見ても巨岩が累々としています。弥勒様の岩は高さ20メートル、虚空蔵菩薩様は15メートルの大岩です。ほかにも10メートル、5メートルくらいの岩がごろごろしています。行場に入った途端別世界、神聖なる空間が現れたようです。ここには神様、仏様が宿っていることが実感できます。さらに進むと木津川を眼下に望む北壁の際に出ます。ここには元弘の戦い(元弘元年9月2日~9月28日)で、下から攻めのぼる7万5千の幕府勢に向かって大岩を落とす場所があり、その時の残り石が「ゆらぎ石」としておかれています。目方は数トンはあろうかという岩ですが、大人が揺さぶると確かに動きます。般若寺本性房が活躍したのはこのあたりではないかと思われ感慨深いものがありました。そこからまた大岩の間を抜けて行くと、ほら貝を吹いた「貝吹き岩」に出て、少し回ると紅葉公園を見下ろして「後醍醐天皇行在所」跡へ出ました。50段ほどの石段を上ると玉垣に囲まれた行在所へ出ました。これらの石造物は何時ごろできたのかは不明ですが立派なものです。昭和初期には年間数十万人の御聖蹟詣でがあって、大阪から臨時列車が出て大量の人を送り込んだそうです。おそらくここは立錐の余地なく参拝者が額づかれたことと思われます。

残念ながら今は静かです。ハイキングで来た人が立ち寄る程度です。たぶん元弘の笠置山の戦いを知らずに来ている方が大半でしょう。

行場、行在所を終えて寺務所庫裏の方へ伺いました。長老様から色々な苦労話をうかがい、御山のお寺の大変さ、そして大切さを心底思い知らされました。

そして山の趣旨を述べ、来月23日に予定した「南朝御聖蹟顕彰碑」の除幕式に御参列賜りたい旨をお伝えしました。長老様には快諾頂き、当日ご祝辞を頂戴することもお受け頂きました。まだだいぶ先のことですが、式では笠置寺様を一番の御来賓としてお迎えしたいと思います。最後に今はネットでつながることが大事ですね、お客様は下調べをして来られるのでと互いに繋がれるようにして下さいとお願いしたところ、現住職様がやっておられるとのことでお許しいただけました。これから南朝御聖蹟の歴史を顕彰するため両寺が協力し合えることができそうです。笠置寺は昔から桜と紅葉の名所、それも老舗の名所です。これからは新緑も目に鮮やかです。歴史と自然が豊かな笠置寺へお参りしましょう。心も体もリフレッシュできますよ。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」(お休みします)

 

〔短歌〕

「山の容(かたち) ひたる夕潮 とのぐもり

          光とかげを ゆららに綯(な)ふも」

            木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹や 雨雲垂るる 野のほとり」正岡子規

〔和歌〕

「やまざくら よそにみるとて すがのねの

         長き春日を たち暮しつる」

          紀貫之・風雅163

「山桜をよそながら眺めるために、長い長い春の一日を、たたずんだままで暮してしまったよ。」

・すがのねの=菅の根が長いところから、「長し」の枕詞。

 

*『平家物語』を読む。(お休みします)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈薬師寺東塔〉

「すゐえんの あまつおとめが ころもでの

         ひまにもすめる あきのそらかな」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。

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2013年4月10日 (水)

般若寺 春の花だより  4・10

[般若寺 春の花だより]

 

《今咲いている花》

○山吹:黄色一重咲≪満開≫

    黄色八重咲き≪五分咲き≫

    白山吹≪咲きはじめ≫

・椿、≪満開≫

・利休梅:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・赤芽柏≪色づく≫、

《これから咲く花》

・しゃが、紫雲らん、矢車草、黄ショウブ、花菱草

・空木:5月上旬

・アジサイ:6月上旬

・初夏咲きコスモス:5月下旬~7月上旬

*山吹が見ごろに近づきました。一重の小さな五弁の花が青い枝にかわいく連なっています。一重咲は野山に自生した原種です。日本固有の花で万葉集には多くの歌が載せられています。

「山吹の花取り持ちてつれもなく 離れにし妹を偲ひつるかも」留女郎女(万葉集)

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

前伊勢守 伊賀(藤原)兼光。

文観上人が後醍醐天皇の「御願成就」を祈念して造立した般若寺の秘仏本尊八字文殊菩薩像の銘文には、施主として藤原兼光の名が記されます。この人物は近年の研究により伊賀兼光と考えられています。

「伊賀氏は藤原北家秀郷流と伝えられる。鎌倉時代初期の、伊賀守朝光以降、伊賀氏を名乗った。北条氏の外戚として鎌倉幕府の有力御家人であったが伊賀氏の変以後勢力を弱め、評定衆、引付衆など幕府の実務官僚として活躍した家系である。兼光も六波羅探題(京都の幕府機関)の引付頭人兼評定衆となっている。」(ウィキペディア参照)

 このような幕府の重役が幕府打倒の計画に協力していたのは驚きですが、おそらく文観上人の働きかけによるものでしょう。実際討幕が成就した後の建武の新政では、兼光は雑訴決断所、窪所、記録所、恩賞方を兼任し、新政の役職の中枢を占め重役を担っています。

 しかし新政は2年半で瓦解し、兼光のその後の消息は不明となります。

 

*「携帯基地局と電磁波問題」

〈ペースメーカーへの影響。高周波電磁波の悪影響が話題になり始めたのは、日本では1996年頃からです。新聞に報道されるようになったからです。

962月の『毎日新聞』の一面トップに、「携帯電話の電磁波で誤作動」「岡山の病院」「点滴ポンプが緊急停止」という記事が大きく掲載されました。「心臓ペースメーカーの誤作動などの重大事故につながる恐れもあり」など、「人命に関わる事態が生じるおそれもあり」とも報道しました。それが日本で大きく報道された最初といっても良いと思います。

 しかしどうして一面トップ記事になるのだろうと私は思いました。私にとっては、特に驚くことではなく、専門家の間では常識になっていることだったからです。それだけ電磁波問題がしられていなかったということが、一面トップ扱いになった理由だったのだと思います。それに加えて、丁度このころから携帯電話が異常に増え始めた時期でもあったので、それで話題になった、とも考えられます。〉(荻野晃也著『危ない携帯電話』より)

 この記事から17年経ていますが事態はますます悪化しています。誰も電磁波の危険性を知りません。ところ構わず無邪気に、脳みそのクッキングをしています。隣に命の危険を感じている人がいるのに。

 

〔短歌〕

「かしましき 機械の音に 耳張りつめ

         目には見て居り 工場内部」

           木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「山吹の 花の雫や よべの雨」正岡子規

〔和歌〕

「桜花 あかぬにほひに さそはれて

      春は山ぢに ゆかぬ日ぞなき」

           前大納言師忠・玉葉160

「桜花の、いくら見ても見あきない色香に誘い出されて、春の季節は山へ花見に行かない日はないよ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十 「千手前」の段、

「さる程に夜もあけければ、武士どもいとま申してまかりいづ。千手前もかヘリにけり。其朝兵衛佐殿、境節(おりふし)持仏堂に法華経よ(読)うでをはしけるところへ、千手前まいりたり。佐どのうちゑみ給ひて、千手に〈中人(なかうど)は面白うしたる物を〉との給へば、斎院次官親義(ちかよし)おりふし御前に物かいて候けるが、〈何事で候けるやらん〉と申す。〈あの平家の人々は、弓箭の外は他事なしとこそ日ごろはおもひたれば、この三位中将の琵琶の撥音、口ずさみ、夜もすがらたちきいて候に、ゆうにわりなき人にてをはしけり〉。親義申しけるは、〈たれも夜部うけ給はるべう候しが、おりふしいたはる事候て、うけ給はらず候。此の後は常にたちきき候べし。平家はもとより代々の歌人才人達で候也。先年此の人々を花にたとへ候しに、この三位中将をば牡丹の花にたとへて候しぞかし〉」と申されければ、〈誠にゆうなるひとにてありけり〉とて、琵琶の撥音、朗詠のやう、後までも有難き事にぞの給ひける。千手前はなかなかに物思ひのたねとやなりにけん。されば中将南都へ渡されて、きられ給ひぬときこえしかば、やがて様をかへ、、こき墨染にやつれはて、信濃国善光寺におこなひすまして、彼の後世菩提をとぶらひ、我が身も往生の素懐をとげけるとぞきこえし。

 (この段終わり)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈薬師寺東塔〉

「くさにねて あふげばのきの あをぞらに

         すずめかつとぶ やくしじのたふ」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。