般若寺 季節の花だより 5・19
《いま咲いている花》
○春咲コスモス:≪満開≫ 千本程。
ソナタ、ビッキーという種類が咲いています。
低い背丈に大きな花が咲きそろっています。
・梅花うつ木:≪満開≫
・花菱草、矢車草:≪満開≫
《これから咲く花》
○山アジサイ:≪つぼみ≫
・黄ショウブ、スイカズラ、定家カズラ:5月下旬
○初夏咲コスモス:5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。
今、50㎝ほどになっています。1mをこえると咲き出します。
・アジサイ:6月上旬~6月下旬
*「南朝御聖蹟を顕彰する」㊹
笠置寺城
『太平記』巻第三 「六波羅勢笠置を責むる事」
〈 また命ばかり助かる者も、馬物具(うまもののぐ、一人の武士に必要な馬とその他の武具)を捨て赤はだかになつて、白昼に京へ逃げ上る。見苦しかりし有様なり。これを見て、いかなる者かしたりけん、平等院の橋爪(はしづめ、橋際)に一首の歌を札に書きてぞ立てたりける。
古津川のせぜの岩浪はやければ
かけて程なく落つる高橋
(かけて=「馬を駆けて」と「橋を架けて」とを掛ける。木津川の浅瀬浅瀬に見えている岩を越えて流れる波は速いので、架けてもすぐに落ちてしまう高い橋よ。高名にはやって抜け駆けしてもすぐに追い落とされた高橋であることだ)
高橋が抜け懸けを聞いて、引かば入れかへて高名せんと、跡に次(つづ)いて寄せける小早川も、一度に皆追い立てられて、宇治にて引きたりと聞えてければ、また札を立てそへて、
かけもえぬ高橋落ちて行く水に
浮名を流す小早川哉
(架けても架けることのできない高橋が流れて行く速い川水に、醜態をさらしながら流れて行く小早川であることよ。抜け駆けしても失敗した高橋と同様に小早川も追い落とされたことよ)
*「携帯基地局と電磁波問題」(休みます)
〔短歌〕
「葉ざくらよ 雨間の雫 地をうてり
花どき過ぎて かくはしづけき」
木下利玄・一路
〔俳句〕
「白と見し 黄と見し花の 忍冬」前内木耳
〔和歌〕
「ほととぎす 横雲かすむ 山のはの
在明の月に 猶ぞかたらふ」
式子内親王・風雅333
「時鳥は、横雲がほのぼのと霞んで明けて来る山の端に残る、有明の月を惜しんで、今もまだやさしく語りかけるように鳴いているよ。」
*『平家物語』を読む。(休みます)
*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。
〈吉野の山中にやどる〉
「みよしのの やままつがえの ひとはおちず
またまにぬくと あめはふるらし」
〈奈良坂にて〉
「ならさかの いしのほとけの おとかひに
こさめなかるる はるはきにけり」
〈東京にかへるとて〉
「あをによし ならやまこへて さかるとも
ゆめにしみえこ わかくさのやま」
〈東京にかへりて後に〉
「ならやまを さかりしひより あさにけに
みてらみほとけ おもかげにたつ」
「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。
*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。 最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。
悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。
日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。
全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。
そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。
「やまとは 国のまほろば たたなづく
青垣やまごもれる やまとしうるはし」
日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記
この問題を詳しく知りたい方は、
ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。
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