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2013年5月31日 (金)

般若寺 季節の花だより 5・31

 

《いま咲いている花》

○初夏咲コスモス:≪五分咲き≫5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。

今、90㎝ほどになっています。花が咲きそろう頃には1mをこえ人の背丈ほどの高さになります。秋に比べて花数は少ないですが花は大きく葉は青々しています。

 センセーション、ピコティ、シーシェル、ソナタ、サイケ、ローズボンボン、スノーパフ、ベルサイユなど種類も多種多彩です。

 

・花菱草、矢車草:≪満開≫ 黄色と青色が調和しています。

・睡蓮、ヒツジ草:≪咲きはじめ≫夏らしい花です。これから初秋まで咲きます。

○山アジサイ:≪五分咲き≫小さな手毬花、額花が色づいています。

・アジサイ:≪つぼみ≫6月上旬~6月下旬

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」55

 笠置寺城:

『太平記』巻第三 「六波羅勢笠置を責むる事」

〈 これをこそ珍事と騒ぐところに、同じき十三日備後国より早馬打たせて、「桜山四郎入道(備後国一宮の吉備津神社の神主であろうとされる備後の名族)、同じき一族錦の御旌を挙げ、当国一宮を城郭として立て籠もる間、近国の逆徒馳せ加わって、その勢七百余騎国中を打ち靡かし、あまつさへ他国へ打ち超えんと企て候ひける。夜を日に継いで討手を下されずば、御大事に及ぶべし。御油断あるべからず」とぞ告げたりける。

 前には笠置の城強くして、国々の大勢(たいぜい)日夜責むれどもいまだ落ちず、後(うしろ)には楠木・桜山の逆徒等大いに起って、使者日に急を告げ、南蛮北狄(南蛮は河内の楠木、北狄は北国の反北条勢力をさす)すでに乱れたり。東夷西戎(東夷は東国の反北条勢力、西戎は備後の桜山氏をいうか)もいかがあらんずらんと、六波羅の北方駿河守範貞(元弘元年の探題は南方北条時益、北方北条仲時であり、当時範貞は探題でない)、安き心もなかりけり。〉

(この段終わり)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」

《 「電磁波の危険」を考える市民の集い 》

 全国各地で携帯電話基地局の設置があいついでいます。それにともなって周辺住民の皆さんに、多くの健康障害が発生していると言われています。真相はどうなのか。ご一緒に考える機会になれば幸いです。

○お話しする人:「電磁波・環境関西の会」代表 泉 泰通 氏(奈良市西登美ヶ丘在住)

○とき:67日(金)午後2時~4時頃まで

○ところ:奈良若草公民館

・主催:(仮称)「電磁波の危険」から健康被害を守る奈良の会 準備会

・問い合わせ先:0742-22-6387(般若寺)

 

〔短歌〕

「せせらぎの こぼこぼこもる 落窪を

         たわみおほへる 木いちごの花」

           木下利玄・一路

〔俳句〕

「紫陽花や 白より出でし 浅みどり」渡辺水巴

〔和歌〕

「さなへとる たのもの水の あさみどり

         すずしき色に 山かぜぞ吹く」

           前参議忠定・玉葉353

「早苗を取り植える、田の表面に張った水は浅く、そこに早苗の浅緑の葉がなびいて、いかにも涼しげな色に見えるように、山風が吹いている。」

・あさみどり=水の浅い事に、早苗の色の「浅緑」をかける。

 

*『平家物語』を読む。

巻第十一 「遠矢」(とほや)の段、

「 戦いは遠矢の応酬から始まり、一時は源氏が劣勢だった。しかし、源氏の勝利を予言する種々の奇蹟が現じて平家の士気は衰え、四国九州の平氏はみな源氏に寝返った。平家は退くところを失った。」

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈山田寺の址にて〉

「やまでらの さむきくりやの ともしびに

         ゆげたちしらむ いものかゆかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺の近く、正倉院、東大寺、春日山にも近い「中ノ川・東鳴川」の地に、奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          

 建設候補地は奈良市側ではありますが、京都府の浄瑠璃寺まで数百メートルという真近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突(計画の高さ80m)から煙が吐き出されることになれば、奈良側からの古都の歴史景観は台無しです。若草山が噴火したように見えます。若草山々上は風向きによっては煙の中です。

そして当尾の里、浄瑠璃寺は日本の、世界の至宝であるのに、平安時代の神聖な浄土庭園と国宝の堂塔、仏像文化財が排煙にまみれることになります。

このような事態は、考えるのもおぞましい最悪無謀な、日本文化の破壊です。奈良市の策定委員会と市長は計画を即刻撤回すべきです。

この地域は、いにしえの平城山丘陵でもあります。歴史ゆたかな青垣の山々に心癒され愛惜する人がどれだけ大勢いることか、為政者は思いを致すべきです。ごみ工場移転を推進した人達は歴史に悪名を残すことになります。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。

奈良市当局へ手紙や電子メール、電話などで反対、抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里の浄瑠璃寺様、岩船寺様を支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

 

*「泉川 いくみかの原 過ぎぬとも

       夏は思はぬ 衣かせ山」

『最勝四天王院障子和歌』262の慈円大僧正の歌です。

前に紹介した古今集の歌、

「都出でて今日みかの原泉川 川風寒し衣かせ山」をふまえています。

本歌は寒い季節で衣服を貸してほしい、重ねたいというのに対し、夏の季節はみかの原(三日)を幾日経ようとも衣を貸してほしいとは思いませんよ、鹿背山よ。作者の慈円は関白の藤原忠通の子息で天台座主を四度務めた高僧。歌人として有名ですが歴史書『愚管抄』を書いた学僧でもある。

 後鳥羽上皇や慈円僧正のような当代きっての教養人が愛した泉川、瓶の原、鹿背山。

木津市長さん、ごみ焼却場建設で日本民族の宝、文化遺産を壊さないでください。鹿背山破壊は貴市が進めている恭仁京保存と矛盾しませんか。

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