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2013年5月21日 (火)

般若寺 季節の花だより 5・21

 

《いま咲いている花》

○春咲コスモス:≪満開≫ 千本程。

   ソナタ、ビッキーという種類が咲いています。

低い背丈に赤白ピンクの大きな花が鮮やかです。

・梅花うつ木:≪満開≫ 純白の香りのする花です

・花菱草、矢車草:≪満開≫ 黄色と青色が調和しています。

 

《これから咲く花》

○山アジサイ:≪つぼみ≫

・黄ショウブ、スイカズラ、定家カズラ:5月下旬

○初夏咲コスモス:5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。

今、70㎝ほどになっています。花が咲きそろう頃には15mの高さになります。

・アジサイ:6月上旬~6月下旬

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㊻

 笠置寺城

『太平記』巻第三 「六波羅勢笠置を責むる事」

〈 さる程に、九月二日卯の刻(午前六時ごろ)に、四方の寄手(よせて)相近づいて同時に時を揚げければ、天地もうごくばかりなり。

(東西南北の寄せ手は城に近づいて鬨[とき]の声をあげたので、天地も動くほどのどよめきであった。)

 流鏑(かぶら)の声を発しては左右の旅(たむろ、軍兵の駐屯する所)を調(ととの)ぶれども、城中は静まりかへつて時の声をも合わせず、当の矢をも射ざりけり。かの笠置の城と申すは、山高くして一片の白雲を埋(うづ)み、谷深くして万仞(ばんじん)の青岩路を遮る。

(この笠置の城というのは、山が高くそびえて、一ひらの白雲が峰を隠し、谷が深くて苔むし、切り立った岩が道をさえぎっている。)

攀折(つづらをり)なる道を廻って登る事十八町、岩をきって堀とし、石を畳んで屏(へい)とせり。(岩を削って堀を作り、石を積み重ねて城壁としていた。)

されば、たとひ防ぎ戦はずともたやすく登ることを得がたし。

 されども、城中鳴りを静めて、人ありとも見えざりければ、敵はや落ちたりと心得て(城中の敵はすでに逃げたのだと思い込んで)、四方の寄せ手一万余騎、葛の葛(くずのかづら、ツタのカズラ)に取り付き、岩の上を伝ひて、一の木戸口(城の一番外の出入り口。一の木戸、二の木戸、三の木戸という。)、二王堂(笠置寺の仁王門)の辺りまでぞ襄(あが)りける。ここにて一息(ひといき)を休め、城中をきつと見上げたれば、錦の御旌(にしきのみはた、赤地の錦に日月を左右に配して金銀で刺繍するか、描いた旗。承久の乱[1221]の時に、後鳥羽上皇が官軍の大将に授けた旗が最初といわれている。)

に月日を金銀にて付けたるが、白日に耀(かがや)いて燦然(さんぜん)たるその陰に、透間もなく冑(よろ)ふたる武者三千余人、甲(かぶと)の星(兜の鉢の鉄片を継ぎ合わせるために打った鋲[びょう]の頭)を耀かし、冑(よろい)の袖(鎧の肩をおおう部分)を列(つら)ねて、雲霞の如く並び居たり。〉

 

*「携帯基地局と電磁波問題」(休みます)

 

〔短歌〕

「おく山は このおそ春も 冷ゆるなり

        残れる桜に 霧のつゆ凝る」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「日当りて 金色垂るる 棕櫚の花」五十嵐播水

〔和歌〕

「なをざりに 山時鳥 なきすてて

        われしもとまる 杜(もり)のした陰」

          前中納言定家・風雅339

「心にも入れず、山時鳥は一声鳴いたきり飛び去ってしまって、私の方だけが立ちつくしてその余韻を味わっている、森の木の下陰よ。」

・なをざりに=特別に関心を払わずに。いいかげんに。

 

*『平家物語』を読む。(休みます)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈吉野の山中にやどる〉

「ふるみやの まだしきはなの したくさの

         をばながうれに あめふりやまず」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

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