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2013年5月15日 (水)

般若寺 季節の花だより 5・15

 

《いま咲いている花》

○春咲コスモス:≪満開≫ 千本程。

   ソナタ、ビッキーという種類が咲いています。

低い背丈に大きな花が咲きそろっています。

・梅花うつ木:≪五分咲き≫

・花菱草、矢車草、グラジオラス、金鳳花:≪満開≫

「愛らしき金のさかづきさしあげて

      日のひかりくむ花菱草よ」木下利玄

 

《これから咲く花》

○山アジサイ:≪つぼみ≫

・黄ショウブ、スイカズラ、定家カズラ:5月中旬

○初夏咲コスモス:5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。

今、50㎝ほどになっています。1mをこえると咲き出します。

・アジサイ:6月上旬~6月下旬

 

*「南朝御聖蹟を顕彰する」㊵

笠置寺城

『太平記』巻第三 「先帝笠置臨幸の事」

〈 御夢覚めて、主上つらつら御了簡あるに(よくよくお考えになり)、「そもそも、天の告げるところ由あるべし」と、文字に付けて御夢を卜(うらな)はせらるれば(漢字を当てて御夢を占いなされると)、木に南と書きたるは楠といふ字なり。その陰に南に向ひて座せよと二人の童子の教へつるは、朕二度南面の徳を治めんと天下の士を朝せしめんずるところを(私が再び天子の徳を治めて、国中の男を仕えさせようとするのを)、日光、月光の二童子(日光菩薩月光菩薩化身の二童子が)ここに天降って示されけりと、御夢を合はせられて、頼もしく思し食(め)しける。夜明けければ、当寺(笠置寺)の衆徒成就坊律師を食され、「もしこの辺に楠と謂へる武士やある」と御尋ねありければ、

律師畏(かしこ)まって、「いや、この辺(あたり)に左様の名字付きたる者ありとはいまだ奉(うけたまは)り及ばず候ふ。河内国金剛山の西にこそ、楠多聞兵衛正成(くすのきたもんひやうゑまさしげ)とて、弓矢を取ってさる物(すぐれた者)ありと人にも知られたる者は候ふなれ。

これは敏達天皇四代の孫、井手左大臣橘諸兄卿の後胤たりといへども、民間に下って年久し。これは彼が母若かりし時、志貴の毘沙門(朝護孫子寺の本尊毘沙門天、仏法を守護し福徳を授ける善神)に百日参詣して、ある夜錦帳(きんちやう)の内より、玉を給ふと夢に見て儲けたる子にて、童名をば多聞とは付けて候なり」とぞ答へ申しける。

主上具(つぶさ)に聞こし食して、「さては今夜(こよひ)の夢の告げはこれなりけり」と思し召しければ、やがて正成をぞ召されける。〉 (つづく)

 

*「携帯基地局と電磁波問題」㊼

(ヲ)神経膠腫も聴神経腫瘍も子どものリスクは5

 スウェーデンのオレボロ大学病院の教授、レナード・ハーデルさんは、20089月、「携帯電話と健康についての初の国際会議」で、次のような発表をした。

20歳前から携帯電話を使い始めた人は、中枢神経組織をサポートするグリア細胞のがん、神経膠腫が5倍になる」

「コードレス電話の使用も、若者が腫瘍にかかるリスクを4倍以上増加させ、より若いうちに携帯電話を使い始めた若者の聴神経腫瘍は約5倍になる」

 大人に比べて子どもの頭は小さく、頭蓋骨も薄いため、大人よりも子どもの方が、子どもよりも赤ん坊のほうが、マイクロ波によって、より頭の深部まで貫かれる。また、大人よりも、細胞分裂が盛んな若い人の脳のほうが、より深く傷つけられるのも、明らかな事実だ。

 マイクロ波は、水の分子に特に熱影響を与えやすいため、水分の多い子どもの小さな頭の中へ侵入して、ホット・スポット(熱集中)効果を示しやすい。

(古庄弘枝著『見えない汚染「電磁波」から身を守る』より)

 

〔短歌〕

「腕にからむ 紅き縮緬 つめたさと

         重さおもへば 君のいとしや」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「紫は 暗しと思ふ 鉄線花」下村梅子

〔和歌〕

「としをへて おなじ声なる ほととぎす

         きかまほしさも かはらざりけり」

           刑部卿頼輔・風雅317

「毎年々々年を重ねて、いつも同じ声の時鳥よ。こちらの聞きたいと思う気持ちも、いつも変わらないなあ。」

 

*『平家物語』を読む。

巻第十一 「勝浦 付大坂越」(かつうら おおさかごえ)の段、

「 義経は土地の武士を捕えて、その部下を味方につけ、たちまち近所にある平家のとりでを攻略した。屋島の平家は千騎にすぎないと聞き、夜を徹して讃岐に向かった。」

「 義経は対岸の高松に火をつけ、屋島の城におし寄せた。あわてた平家が舟で沖にこぎ出ると、義経の軍勢が城門の前の波打ちぎわに現れたが、平家はそれを大軍と見誤った。」

巻第十一 「嗣信最期」(つぎのぶさいご)の段、

「 源氏はす早く屋島の内裏に火を放った。平家は教経を大将にして浜まで引返し、源平は激しく戦ったが、源氏は佐藤嗣信をはじめ多数の戦死者を出した。」

(つづく)

 

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈汽車中〉

「わさだかる をおめがともの かかふりの

         しろきをみつつ みちならにいる」

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺や正倉院、東大寺、春日山に近い「中ノ川・東鳴川」に奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。          最近の奈良市長の発言によれば、第二候補地(東鳴川)を選定しようとしているようですが、ここは浄瑠璃寺まで数百メートルの直近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突から煙が吐き出されることになれば、日本の宝、世界の宝である神聖な庭園風景と珠玉の文化財が破壊されます。これは最悪の無謀な選択です。策定委員会と市長は撤回すべきです。

悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。

日本のふるさと、国のまほろばを失えば日本人は亡国の民となってしまいます。

全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。奈良市当局へ抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。

そして当尾の里、浄瑠璃寺様、岩船寺様を励ましご支援してあげて下さい。

 

「やまとは 国のまほろば たたなづく

青垣やまごもれる やまとしうるはし」

  日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記

 

この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。

*きたる516日に、旧中川寺成身院にあった薬師如来像を所蔵される木津川市鹿背山地区の「西念寺」様と「鹿背山不動尊」様を拝観するハイキングがあります。午後一時般若寺駐車場へ集合、自動車に乗り合わせて現地へ向かいます。4時過ぎには終わる予定です。ご希望の方は当日参加してください。

 

 

 

 

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