般若寺 季節の花だより 6・1
*今日から六月、水無月(みなつき)です。水無月の語源は、旧暦で梅雨が明けるころに当たるところから、田に水を入れるので「水の月」というようです。「衣更え」の日です。暦は夏。
《いま咲いている花》
○初夏咲コスモス:≪五分咲き≫5月下旬~7月上旬。15種類、3万本。
今、90㎝ほどになっています。花が咲きそろう頃には1mをこえ人の背丈ほどの高さになります。秋に比べて花数は少ないですが花は大きく葉は青々しています。
センセーション、ピコティ、シーシェル、ソナタ、サイケ、ローズボンボン、スノーパフ、ベルサイユなど種類も多種多彩です。
・花菱草、矢車草:≪満開≫ 黄色と青色が調和しています。
・睡蓮、ヒツジ草:≪咲きはじめ≫夏らしい花です。これから初秋まで咲きます。
○山アジサイ:≪五分咲き≫小さな手毬花、額花が色づいています。
・アジサイ:≪つぼみ≫6月上旬~6月下旬
*「南朝御聖蹟を顕彰する」56.
笠置寺城:
『太平記』巻第三 「東国勢上洛(しやうらく)の事」
〈 これによって、日々早馬を打ち、重ねて東国へ勢を乞はれければ、相模入道(北条高時)大いに驚き忿(いか)つて、「さらば、やがて打手(うつて)をさし上(のぼ)せ、不日(ふじつ)にかの所を退治すべし」とて、一門他家の軍勢六十三人を、催してぞ上(のぼ)せられける。その大将軍には、大仏奥州守貞直(だいぶつのむつのかみさだなほ、北条氏一族)・金沢右馬助貞冬(かなざわうまのすけさだふゆ)・遠江守左近大夫将監治時(とほとふみのかみさこんのたいふしやうげんはるとき)・足利治部大輔尊氏(あしかがのぢぶのたいふたかうじ)・舎弟兵部大輔直義(ただよし)侍大将には、長崎四郎左衛門尉高貞(たかさだ、内管領円喜息。高資の弟。)、これに馳せ加わる兵には、三浦介入道・武田甲斐次郎左衛門尉・椎名孫八入道・結城上野入道(ゆうきかうづけのにうだう、宗広。のち宮方として活躍)・小山出羽入道・佐竹上総入道・長井四郎左衛門入道氏家・美作守・土屋安芸守・梶原上野太郎左衛門尉・那須加賀守・岩城二郎入道・佐野安房弥太郎・木村二郎左衛門尉・宇都宮安芸前司・同肥後権守・葛西三郎兵衛尉・寒河弥四郎・相馬左衛門二郎・南部三郎次郎・毛利丹後前司・那波左近大夫将監。一宮民部大夫・土肥佐渡前司・大内山城前司・上野七郎三郎・長井治部少輔・同備前太郎・因幡民部大輔入道・筑後前司・下総入道・山城左衛門大夫・宇都宮美濃入道・岩崎弾正左衛門尉・高久孫三郎・田村刑部大輔・伊達入道、坂東八平氏、武蔵七党、入江、蒲原の一族等を始めとして、都合その勢二十万七千六百余騎、九月八日鎌倉を立つて、同じき二十三日に前陣は已に美濃・尾張の国に着けば、後陣はなほいまだ高志(たかし、愛知県豊橋市高師町、ここの丘を高師山という)・二村(ふたむら、愛知県豊明市二村台あたりの山、尾張・三河の境)の嵩(たうげ)に支へたり。〉 (つづく)
*「携帯基地局と電磁波問題」
《 「電磁波の危険」を考える市民の集い 》
全国各地で携帯電話基地局の設置があいついでいます。それにともなって周辺住民の皆さんに、多くの健康障害が発生していると言われています。真相はどうなのか。ご一緒に考える機会になれば幸いです。
○お話しする人:「電磁波・環境関西の会」代表 泉 泰通 氏(奈良市西登美ヶ丘在住)
○とき:6月7日(金)午後2時~4時頃まで
○ところ:奈良若草公民館
・主催:(仮称)「電磁波の危険」から健康被害を守る奈良の会 準備会
・問い合わせ先:0742-22-6387(般若寺)
〔短歌〕
「若葉樹(わかばぎ)の 繁り張る枝()えの やはらかに
風ふくみもち 揺れの豊(ゆた)けさ」
木下利玄・一路
〔俳句〕
「あけがたや 額の咲くより 空ひくく」石橋秀野
〔和歌〕
「あやめふく 軒ば涼しき 夕風に
山ほととぎす ちかくなくなり」
二条院讃岐・玉葉347
「菖蒲を葺いた軒端を、涼しく夕風が吹き渡り、山時鳥もすぐ耳近くで鳴くようだよ。」
*『平家物語』を読む。(休みます)
*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。
〈聖林寺にて〉
「あめそそぐ やまのみてらに ゆくりなく
あひたてまつる やましなのみこ」
〈東京にかへるとて〉
「あをによし ならやまこへて さかるとも
ゆめにしみえこ わかくさのやま」
〈東京にかへりて後に〉
「ならやまを さかりしひより あさにけに
みてらみほとけ おもかげにたつ」
「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。
*今、若草山の北麓、浄瑠璃寺の近く、正倉院、東大寺、春日山にも近い「中ノ川・東鳴川」の地に、奈良市のごみ焼却場を建設するというとんでもない計画があります。
建設候補地は奈良市側ではありますが、京都府の浄瑠璃寺まで数百メートルという真近の距離です。ここに焼却場ができ、高い煙突(計画の高さ80m)から煙が吐き出されることになれば、奈良側からの古都の歴史景観は台無しです。若草山が噴火したように見えます。若草山々上は風向きによっては煙の中です。
そして当尾の里、浄瑠璃寺は日本の、世界の至宝であるのに、平安時代の神聖な浄土庭園と国宝の堂塔、仏像文化財が排煙にまみれることになります。
このような事態は、考えるのもおぞましい最悪無謀な、日本文化の破壊です。奈良市の策定委員会と市長は計画を即刻撤回すべきです。
この地域は、いにしえの平城山丘陵でもあります。歴史ゆたかな青垣の山々に心癒され愛惜する人がどれだけ大勢いることか、為政者は思いを致すべきです。ごみ工場移転を推進した人達は歴史に悪名を残すことになります。
悠久の大和、奈良の山々は日本人の心のふるさと、国のまほろばです。
全国の日本文化を愛し、国を思う人々に訴えます。
奈良市当局へ手紙や電子メール、電話などで反対、抗議の声を届けてください。今ならまだ間に合います。
そして当尾の里の浄瑠璃寺様、岩船寺様を支援してあげて下さい。
「やまとは 国のまほろば たたなづく
青垣やまごもれる やまとしうるはし」
日本武尊(やまとたけるのみこと)・古事記
この問題を詳しく知りたい方は、
ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクされています。
*「泉川 いくみかの原 過ぎぬとも
夏は思はぬ 衣かせ山」
『最勝四天王院障子和歌』262の慈円大僧正の歌です。
前に紹介した古今集の歌、
「都出でて今日みかの原泉川 川風寒し衣かせ山」をふまえています。
本歌は寒い季節で衣服を貸してほしい、重ねたいというのに対し、夏の季節はみかの原(三日)を幾日経ようとも衣を貸してほしいとは思いませんよ、鹿背山よ。作者の慈円は関白の藤原忠通の子息で天台座主を四度務めた高僧。歌人として有名ですが歴史書『愚管抄』を書いた学僧でもある。
後鳥羽上皇や慈円僧正のような当代きっての教養人が愛した泉川、瓶の原、鹿背山。
木津川市々長さん、ごみ焼却場建設で日本民族の宝、文化遺産である鹿背山を壊さないでください。鹿背山破壊は貴市が進めている恭仁京保存と矛盾しませんか。
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