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2013年10月

2013年10月31日 (木)

般若寺 コスモス花だより  10・31

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終り近し≫ 

 台風の多かった10月も今日で終わり。大陸からの高気圧に覆われてお天気は安定しています。

コスモスの花は雨など天候不順のため早く終わってしまいました。今は名残りの花となっています。

代って冬の花、水仙が葉を伸ばしつぼみを付け出しました。例年は12月後半から咲き出すのに、今年は早いのでしょうか、予測が難しいです。

*《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

博物館での「正倉院展」が始まり奈良は古文化芸術の秋たけなわです。1300年の長きにわたる先人の精神文化を存分に観賞できるよい機会です。

〔短歌〕

「今日の行 ひるまえになり ややにひもじ

        みちばた野菊の 日にあたる花」

          木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「黄菊白菊 其の外の名は なくもがな」 芭蕉

〔和歌〕

「へだたらぬ をじかの声は まぢかくて

         きりの色より くるる山もと」

           徽安門院一条・風雅517

「(霧によっても)隔てられない小鹿の声は間近に聞え、立ちこめた霧が先ず暮色を帯びて、次第に暮れて行く、山裾あたりの風景よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈奈良の新薬師寺を思ひいでて〉

「みほとけは いまもいまさば わがために

         まなこすがしく まもらせたまへ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

川上村の後南朝パンフレット紹介⑦

〔中開き・右のページ〕

〇三之公(さんのこう)

・カクシ平(行宮跡)

写真は森の中に立つ石碑、「三之公行宮址」と刻まれる。

 吉野川の支流・北股川(きたまたがわ)よりさらに三之公川をさかのぼった三重県境に近い深山にある。後亀山天皇の孫・万寿寺宮(尊義王)が二皇子とともに神璽を擁して御所を構え、南朝復興を画策したところである。現在、御所跡があり、尊義王のお墓がある。御所跡の一つに三之公神社が建立されていたが、祭祀の管理上、今は入之波(しおのは)に移されている。

〔中開き・左ページ〕

・自天王の遺品(国重要文化財)

これは神之谷の金剛寺境内につくられている宝蔵庫に保存される。

写真は祀られる兜や鎧の様子。

 縹糸縅筋兜(はなだいとおどしすじかぶと) 御鎧両袖(おんよろいりょうそで) 鎧胴丸(よろいどうまる)は自天王が生前御着用していたもの。川上村共有の宝物として1939年(昭和十四年)国宝に指定され、その後の法改正により、現在は、国の重要文化財となっている。これら御遺品の武具は、毎年25日の朝拝式に拝観することができる。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月30日 (水)

般若寺 コスモス花だより  10・30

 

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終りちかし≫ 

きのう庭作業の奉仕がありまして、コスモスの花のかたづけをして頂きました。花の軸を支えていた支柱やコード、ネットを外したうえで、残り花をそのままにして枯れ枝を抜き、最後に雑草取りをします。なかなか手間のいる作業です。

今年の花は雨など天候不順のため早く終わってしまいました。今では名残りの花となっています。

代って冬の花、水仙が葉を伸ばしつぼみを付け出しました。例年は12月後半から咲き出すのに、今年は早いのでしょうか、予測が難しいです。

*《白鳳秘仏特別公開》

期間:1111日(月)まで

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

博物館での「正倉院展」が始まり奈良は古文化芸術の秋たけなわです。1300年の長きにわたる先人の精神文化を存分に観賞できるよい機会です。

〔短歌〕

「パラソルに 秋の日光る 眼の痛さ

         やや疲れつつ 高原を行く」

      木下利玄・銀

〔俳句〕

「菊の香や ならには古き 仏達」 芭蕉

〔和歌〕

「はださむく 風も秋なる 夕暮の

         雲のはたてを わたるかりがね」

           永陽門院少将・玉葉587

「肌寒いほどに、風も秋だなあと実感される夕暮の、雲の果てを渡って行くはるかな雁の列よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈奈良の新薬師寺を思ひいでて〉

「すめろぎの おほきめやみを かしこみと

         とほききさきの たてまししてら」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

川上村の後南朝パンフレット紹介⑦

〔中開き・右のページ〕

〇神之谷(こうのたに)

・金剛寺

写真は金剛寺本堂、立派な石垣が積まれた高台に立つ。石碑が二期写っている。

後南朝の最も中心となる寺。寺の前には由緒をしるした「自天王碑」が立てられており、後方には自天王と忠義王のお墓がある。また、かたわらには宝蔵庫があり、王が着用の鎧両袖、胴丸、太刀などが保管されている。なお、この寺は大峰山の開祖、役行者の開基と伝えられている。

・自天親王神社

写真は玉垣を背景にした石塔二基、どちらも五輪塔と宝篋印塔の古い部材を積み上げている。苔むしているのでどの部分なのかはっきりとは見分けられない。

 自天王、忠義王の両宮を祭神として金剛寺の境域にある。長禄の凶変に悲運の最期を遂げられたのを哀惜、追慕し、当時の郷民が建立したもの。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月29日 (火)

般若寺 コスモス花だより  10・29

*印象に残ったテレビ番組

一昨日、久しぶりに日曜の朝のテレビを見ました。チャンネルを変えているうちに、NHKの「アジアに夢中―かんさい人物ファイル」で目が留まりました。関西の一女性が単身インドネシアのバリ島へ住みつき、苦労しながら布カバンの店をはじめ、更にレストランまで経営し、今や5店舗を構えるまでに成功している話でした。そして、その秘訣は現地の女性の力を引きだしたことにあるということでした。今、日本の国内の若者は元気がない、チャレンジ精神がないと言われることが多いですが、ここに登場の主人公、古谷尚美(ふるやなおみ)さんは26歳でバリ島に渡られ14年、現地に溶け込みいろんなことに挑戦されている方です。

日本人が失ったハングリー精神から出てくるバイタリティーを身をもって実現しておられます。店で働く家庭を持つ女性を尊重し、働くことの喜び、やる気を引きだされたのです。お客さん、従業員さん、経営者、みんなが喜べる、商いの原点をわきまえてお商売をしておられるのです。

この古谷さんの生きざまを見たら、だれもが元気をもらえそうです、年齢に関係なく。

再放送:1031日(木)午前11051130

NHK総合・2ch.

古谷さんは奈良市出身で旧姓・生島さんといって、ご両親は般若寺の近くにお住まいです。お時間の許す方は再放送ご覧ください。

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終り近し≫ 

今日は曇り空、昼間も気温は上がらないそうですから少し寒いです。

そろそろコスモスの花のかたづけを始めなければなりません。

今年の花は雨など天候不順のため早く終わりそうです。いまや名残りの花となってしまいました。

代って冬の花、水仙が葉を伸ばしつぼみを付け出しました。例年は12月後半から咲き出すのに、今年は早いのでしょうか、予測が難しいです。

*《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

博物館での「正倉院展」が始まり奈良は古文化芸術の秋たけなわです。1300年の長きにわたる先人の精神文化を存分に観賞できるよい機会です。

 

〔短歌〕

「そらしたる まなざし追えば 追はれつつ

         しばたたき居る まみのうるほひ」

           木下利玄・銀

〔俳句〕

「白菊の 目に立てて見る 塵もなし」 芭蕉

〔和歌〕

「くれうつる まがきの花は みえわかで

         霧にへだてぬ さをしかの声」

           藤原為秀朝臣・風雅516

「夕暮の気配が濃くなって来る垣根の花は、もうそれと見分けられなくなって、一方、立ち渡る夕霧にも隔てられず、はっきりと聞えて来る、鹿の声よ。」

・くれうつる=日中から夕暮れに移りゆく。

・霧にへだてぬ=夕霧のために、庭の隔てをなす近くの籬の花は見えぬが、遠い鹿の声は隔てられず聞えるという趣向。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈京都散策 昭和十五年十月

  ある日銀閣寺にて〉

「あないじやの けうときすがた めにありて

         しづこころなき ぎんかくのには」

・あないじやの=案内者の

・けうとし=気疎し。気に入らず離れていたい。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

 

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

川上村の後南朝パンフレット紹介⑥

〔中開き・右のページ〕

・朝拝式

写真は自天王の生前の武具を御神体として保存される金剛寺の宝庫前の儀式と遺臣末裔の郷民(「筋目」の家柄)が裃をつけ集会場に一堂に会した風景の二枚。

 自天王をしのび、王が三之公御所において、毎年25日執行せられていた新年の拝賀の儀式にならい、生前の武具を御神体とあがめ、500有余年一度も欠かさず、行われている式典である。

〇神之谷(こうのたに)

・河野御所跡

写真は「南朝河野宮忠義親王行宮跡」と刻まれた石碑。

 川上村に伝わる「朝拝実記」(ちょうはいじっき)によると、三之公の御所に住まわれた「尊義王」(たかよしおう)が亡くなられると、その子「自天王」(じてんのう)は南朝の再興を願って北山へ移られた。また「南朝誌」によれば、その後、弟の「忠義王」(ただよしおう)が征夷大将軍になってこの河野郷(神之谷・こうのたに)に入られ、川上郷士であった「更矢一族」(さらやいちぞく)の守護を受けられながら「自天王」とともに南朝再興を願ったと記されている。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月28日 (月)

般若寺 コスモス花だより  10・28

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終り近し≫ 

晴れ、奈良は放射冷却で最低気温は8度、もう冬のはじまりです。

そろそろコスモスの花のかたづけを始めなければなりません。

今年の花は雨など天候不順のため早く終わりそうです。いまや名残りの花となってしまいました。

代って冬の花、水仙が葉を伸ばしつぼみを付け出しました。例年は12月後半から咲き出すのに、今年は早いのでしょうか、予測が難しいです。

*《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

博物館での「正倉院展」が始まり奈良は古文化芸術の秋たけなわです。1300年の長きにわたる先人の精神文化を存分に観賞できるよい機会です。

〔短歌〕

「何処にか 子供の遊ぶ 声きこえ

        樹陰(こかげ)の闇の 身じろぎもせぬ」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「コスモスを 乱れさしたる ばかりかな」高濱年尾

〔和歌〕

「かりもきぬ 萩もちりぬと さをしかの

なくなるこゑは うらぶれにけり」

           読人しらず・玉葉556

「(秋も深まって)雁も渡って来たよ、萩も散ってしまったよと告げるような、鹿の鳴いている声は、力なく淋しげになってしまった。」

・万葉集2144

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より。

〈京都散策 昭和十五年十月

 同日(十七日)等持院にいたる影堂には足利氏累代の像あり〉

「たかうぢの ぞうみていづる えいだうの

         のきにはるけき あきのそらかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

川上村の後南朝パンフレット紹介⑤

〔中開き〕

中央に川上村とその周辺部の地図あり、左右に写真と文章で後南朝ゆかりの遺蹟説明文があります。

地図を見ると隣接の市町村は、東は三重県松阪市と宮川村、南に奈良県上北山村、西に天川村と黒滝村、北に吉野町と東吉野村です。村の境目は高い山岳に囲まれています。東南西北の順に、池木屋山(1396m)、大台ケ原日出ケ岳(1695m)、経ケ峰(1529m)、伯母ケ峰(1267m)、大峰山大普賢岳(1780m)、勝負塚山(1246m)、大天井ケ岳(1439m)、四寸岩山(1236m)、吉野山(858m)、白屋岳(1177m)、国見山(1419m)、そして村の中ほどにも白髭岳(1378m)があります。川上村は古くは河野郷と呼ばれ、南隣りの北山郷とともに奥吉野と言います。まるで屏風のような高い山々に囲まれた山里です。村の中央部には吉野川が南東から北西へ流れ、そこへ周りの山岳から多くの支流が流れ込んでいます。吉野川の最源流地です。だからこそ「川の上」なのです。ただ、本流には上に大迫ダム、下に大滝ダムができて谷あいが無くなり昔の景観とは変わってしまったようです。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

  

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2013年10月27日 (日)

般若寺 コスモス花だより  10・27

 

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終り近し≫ 

晴れました。今朝は少し寒いです。やっと秋らしいお天気が続きそうです。

今年の花は雨など天候不順のため早く終わりそうです。もう名残りの花となっています。

代って冬の花、水仙が葉を伸ばしつぼみを付け出しました。例年は12月後半から咲き出すのに、今年は早いのでしょうか、予測が難しいです。

*《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

〔短歌〕

「汽笛吹き 羅宇屋(らうや)の車 街とほる

        昼のこころの なごむ土曜日」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「曝涼に けふは昇殿 地を見下す」山口誓子

〔和歌〕

「うす霧の 山本とをく 鹿なきて

        夕日かげろふ をかのべの松」

          儀子内親王・風雅514

「薄く霧のかかった山もとにはるか遠く、鹿の鳴くのが聞えて、夕日の光がまだほのかに立ちまよっている。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈京都散策 昭和十五年十月

 同日(十七日)等持院にいたる影堂には足利氏累代の像あり〉

「ふるてらの ながきいたまを ひたすらに

         わがおもひこし たかうぢのかほ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

川上村の後南朝パンフレット紹介④

〔見開き・下の段つづき〕

・後南朝史略年表

1392  南北朝講和成立

1410  後亀山天皇吉野へ

1441  嘉吉の乱(かきつのらん)

      赤松満佑が将軍足利義政を誘殺

1443  禁闕の変(きんけつのへん)

      宮中から神器を奪取、八坂瓊曲玉

尊義王は南帝として即位。年号「天靖」

1448  25日 南帝は自天王に譲位

1455  25日 南帝崩御

1457  122日~3日 長禄の事変。

(自天王殺害される。御年16歳)

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

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2013年10月26日 (土)

般若寺 コスモス花だより  10・26

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終り近し≫ 

今年の花は天候不順のため早く終わりそうです。もう名残りの花となっています。

かわって冬の花、水仙が葉を伸ばしつぼみが見えているのもあります。例年は12月後半から咲き出すのに、今年は早いのでしょうか、予測が難しいです。

*《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

〔短歌〕

「水の音に 心撫でられ おとなしく

        あまやかさるる 流のほとり」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「コスモスの 花吹きしなひ 立もどり」高濱虚子

〔和歌〕

「八重葎 秋のわけいる 風の色を

       われさきにとぞ しかはなくなる」

         前中納言定家・玉葉551

「八重にも茂った雑草を、人間ではなく秋が分け入るかのように吹き分ける風の様子を見て、自分こそ先に分け入って妻を求めようとばかり、鹿は鳴いているようだよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈京都散策 昭和十五年十月

 同日(十七日)等持院にいたる影堂には足利氏累代の像あり〉

「えいだうの あさのくらきに うちならぶ

         むらまちどのの そくたいのぞう」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

川上村の後南朝パンフレット紹介③

〔見開き・下の段〕

絵巻として四場面の絵と解説があります。それと略年表があります。

1)後醍醐天皇、吉野へ

後醍醐天皇(南朝)は鎌倉幕府(北条氏)の政治を打ち破り自ら政治を執りました。ところが、その時天皇を助けた足利尊氏が力をたくわえ、遂には天皇に反したため、天皇は吉野山に朝廷を移しました。一方、足利幕府は別の天皇(北朝)をたてたため激しい争いとなり、世にいう南北朝時代の幕開けとなったのです。

2)和解後の謀略

その後、南朝の後亀山天皇の時代に話し合いが進み、ようやく南北朝が交代で天皇をたて京都で政治をとる約束ができました。この時、天皇家の象徴である三種の神器も北朝側に渡しましたが約束を守られることはありませんでした。

3)南朝側の反攻

 こうした北朝側に対し、後亀山天皇の皇子・小倉宮(おぐらのみや)は京都をはなれ、川上郷に住いを定めました。そして、南朝回復の願いは、その子天基親王(てんきしんのう)と円満院宮(えんまんいんのみや)らに引きつがれ、ついに京都へ攻め入り神璽(しんじ、やさかにの勾玉)を取りもどしました。

 一方、さきに川上郷にうつっていた万寿寺宮(尊義王、たかよしおう)は円満院宮から神璽をうけ、自天王(尊秀王)と忠義王(河野宮)の二皇子をともない三之公(さんのこう)の御所をかまえました。

4)自天王暗殺さる

 その後、父・尊義王が亡くなり、自天王は上北山(かみきたやま)村に、弟の忠義王は神之谷(こうのたに)にわかれ住み、南朝方忠臣や郷民に守られながら再起の機会をうかがっていました。ところが長禄元年(南朝年号では天靖十五年)122日(1457)の夜、赤松家一族の謀略にあい、両方の御所がおそわれ、自天王はあえない最期をとげました。郷民は、王の御首(みしるし)をとりもどし、金剛寺の境域にほうむりました。一方弟宮・忠義王は高原(たかはら)までにげのび、ここで病気で亡くなったといい伝えられています。今も毎年25日朝拝式が行われ、500有余年の昔をしのんでいます。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月25日 (金)

般若寺 コスモス花だより  10・25

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪終り近し≫ 

雨、一日降りそうです。

今日は御本尊文殊菩薩様の月例御縁日、午後一時半より法要があります。

天候不順のため、今年の花は早く終わりそうです。現状は「名残りの花」となってしまいました。

代って冬の花である水仙がどんどん葉を伸ばし、もうつぼみをつけているのもあります。例年では12月~2月が花時なのに、今年は何かおかしいです。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

〔短歌〕

「ネルに着る 袷(あはせ)羽織の 甲斐絹裏(かひきうら)

         つめたき光沢(つや)の さびし雨の日」

          木下利玄・銀

〔俳句〕

「透きとほる 日ざしの中の 秋ざくら」木村享史

〔和歌〕

「影よはき 柳がうれの 夕づくひ

        さびしくうつる 秋の色かな」

          前中納言重資・風雅512

「光も弱弱しくさす、柳の枝先の夕日影よ。いかにも淋しく映ずる、衰えて行く秋の色そのものだなあ。」

・うれ=末。草木の成長する先端。

・うつる=「映る」と「移る」をかける。

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より。

〈京都散策 昭和十五年十月

 同日(十七日)等持院にいたる影堂には足利氏累代の像あり〉

「あささむき てらのいたまを わたりきて

         いしひえはてし えいだうのゆか」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

川上村の後南朝パンフレット紹介②

〔見開き・上の段〕

〇南帝王物語絵巻

・和歌色紙:「遁れ来て 身を奥山の 柴の戸に

        月と心を あわせてぞ住む」(自天王御歌)

・悲運の皇子 自天王

 豪華けんらんの京の都とはうらはらに、山深い奥吉野で悲運のくらしを続けた自天王の心の中は・・・・

 父の宮、祖父の宮の志を受け継ぎ、南朝再興の熱い心を燃やしつづけた自天王はその悲願なかばにして、十八才の若い生涯を裏切りの凶刃にたおれました。

・系図

注・・・系図は南帝王御宝物由来により本書に登場する人物のみ記載した。

南朝

96代後醍醐;1336年南北朝樹立、後醍醐天皇吉野へ―97代後村上―98代長慶・99代後亀山;1392年南北朝合一和議成立―小倉宮(実仁)(聖承);13921457年後南朝―天基親王(泰仁王)・円満院宮(義有王)

・万寿寺宮(空因尊義王)(金蔵主)―自天王(北山宮)(尊秀王)・

忠義王(河野宮);1457年長禄の凶変

北朝

100代後小松―101代称光―102代後花園

・時代区分表

後南朝:南朝再興運動期(13921449)後南朝時代(14431457

鎌倉時代、南北朝時代・後南朝時代と室町時代は重なっている。

『太平記』は(13181368

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月24日 (木)

般若寺 コスモス花だより  10・24

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪満開を過ぎました≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

きのうにつづいて今日も雨です。大きな台風が二つも近づいています。こんな時期に台風が次々発生するなんて、異常気象の現れでしょうか。

十月も下旬に入って、コスモスの花は半分以下に減っています。今年は九月から十月前半にかけて夏のような暑さが続き、そのあと台風などの雨が多かったため花にとっては厳しい気候でした。それでも短い期間ながら満開の花を咲かせました。これから11月初めの終焉まで、花数を減らしながらも咲き続けてくれます。そして12月からは冬の花、水仙へと舞台を譲ります。

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

〔短歌〕

「朝月は 小萩の露に しづみけり

       あかつきやみの こほろぎの声」

      木下利玄・銀

〔俳句〕

「月明に ゆらぐことなき 秋桜」清崎敏郎

〔和歌〕

「物おもふと いはぬばかりぞ 露かかる

         草木も秋の 夕ぐれの色」

           藤原定成朝臣・玉葉549

「彼らは口に出して「物思いをしている」と言わないだけのことだよ。露にぬれた草木も、人間同様、秋の夕暮の思いしおれた様子をしている。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈京都散策 昭和十五年十月

  十七日龍安寺にいたる〉

「そとにはの かきのこずゑを うつさをの

         ひびきもちかし しろすなのうへに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

川上村の後南朝パンフレット紹介①

体裁:巾39×高21㎝の紙、裏表にカラー印刷、内に四つ折り。

〔表紙〕

GONANCYOKAWAKAMI VILLAGE

「哀しくも ロマンあふれる 後南朝」

後南朝と川上村

〔裏表紙〕

交通のご案内  

(鉄道と道路の地図)

・近鉄電車で  

〇大阪(あべの橋)―橿原神宮前―大和上市

(特急1時間10分)

―奈良交通バス(40分)・川上村迫

〇京都・名古屋―大和八木―橿原神宮前―大和上市

(京都から特急1時間30分・名古屋から2時間50分)

―奈良交通バス(40分)・川上村迫

・車で(西名阪自動車道・南阪奈道路・名阪国道から)

〇柏原ICR165長柄―R309R169―川上村迫(1時間20分)

〇葛城IC―大和高田バイパス小房―R169―川上村迫(1時間20分)

〇針ICR369R370R169―川上村迫(1時間10分)

◆お問い合せは

川上村役場 産業振興課

639-3594奈良県吉野郡川上村迫1335-7

.07465-2-0111 fax.07465-2-0345

http://vill.kawakami.nara.jp

E-mail sanshin@vill.kawakami.nara.jp

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月23日 (水)

般若寺 コスモス花だより  10・23

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪満開を過ぎました≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

お天気は、台風の影響を受けて今日から下り坂、土曜日ぐらいまで雨が続くそうです。

十月も下旬に入ってコスモスの花は半分近くに減っています。今年は九月から十月前半にかけて夏のような暑さが続き、そのあと台風などの雨が多かったため花にとっては厳しい気候でした。それでも短い期間ながら満開の花を咲かせました。これから11月初めの終焉まで、花数を減らしながらも咲き続けてくれます。そして12月からは冬の花、水仙へと舞台を譲ります。

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形にうかがえます。

〔短歌〕

「大原や 野菊花咲く みちのべに

       京へ行く子か 母と憩へる」

         木下利玄・銀

〔俳句〕

「漸くに 届く谷の陽 吉祥草」田川節代

〔和歌〕

「秋風に うき雲たかく 空すみて

       夕日になびく 岸の青柳」

         前大納言為兼・風雅509

「秋風に吹かれて浮雲は高くかかり、空は澄み切って、夕日の光になびく、川岸の柳の姿よ。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

〈京都散策 昭和十五年十月

  十七日龍安寺にいたる〉

「そとにはの まつにかげりて いはむらを

         ひたせるすなの たゆたふににつ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

今年の5月に「南朝御聖蹟碑」建立のあと、後南朝の由緒を伝える吉野郡川上村をお訪ねした時、村発行のパンフレットを頂戴しました。もっと沢山頂きたいと伝えておいたところ、その時お会いした村会議員の塩谷章次さんから20数部送られてきました。私の希望では数百部を予定していたのですが、どうやら今在庫が少ないようで、これを大事に利用させていただくことにしました。後南朝の存在はあまり世に知られていないので、川上村でさらに宣伝物を作っていただけたら、奈良での普及に協力します。

明日からパンフレットの内容をご紹介します。

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月22日 (火)

般若寺 コスモス花だより  10・22

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪満開を過ぎました≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

十月下旬に入ってコスモスの花は半分近くに減っています。今年は九月から十月にかけて夏のような暑さが続き、そのあと台風などの雨が多かったため花にとっては厳しい気候でした。それでも短い期間でしたが、満開の花を咲かせました。これから11月初めの終焉まで、花数を減らしながらも咲き続けてくれます。そして12月からは冬の花、水仙へと舞台を譲ります。

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形に見てとれるでしょう。

〔短歌〕

「向つ峰(を)の 松ははてなき 蒼空を

      背向(そがひ)になして そびえたるかな」

        木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「病めばなほ 人のこひしく 秋桜」谷口てる子

〔和歌〕

「吹きしほる 四方の草木の うら葉みえて

        風にしめらる 秋の明けぼの」

          永福門院内侍・玉葉542

「吹きたわませる野分に、あたり一面の草木の葉裏が白々と見えて、強風の中に次第に明るくなって来た、秋の曙よ。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より。

〈京都散策 昭和十五年十月

  十七日龍安寺にいたる〉

「こだちなき にわをきづきて しろすなに

         いはすゑけらし いにしへのひと」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」(休みます)

当寺の境内の一隅に、大塔宮護良親王の供養塔がまつられています。高さ80センチの石造五輪塔です。供養塔ですから宮様の御遺骨などは入っていません。あくまで後代の追善供養の石塔です。元来、塔は卒塔婆といい、五輪は地、水、火、風、空の宇宙を構成する五大要素をあらわし、宇宙の根本仏、大日如来を象徴します。だから御遺骨がなくとも宮様の聖霊そのものが五輪塔です。

この塔婆が最近、土台から傾いてきたので、修復を加えしっかりした基壇を作ってもらおうと設計をしてみました。高さ80センチの本体ですから釣り合いが取れるように、高さ20センチの石段を三段積み上げ基壇部を60センチとし、総高140センチになる予定です。この秋が終われば工事に取り懸かってもらう段取りで、来春には完成予定です。宮様を追慕され聖蹟を訪ねてこられる皆様の心のよりどころとなることを念願して。

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月21日 (月)

般若寺 コスモス花だより  10・21

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪見ごろです≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

二日続いた雨のためか、コスモスの花は数を減らし、五分から六分程度になっています。これからも季節外れの大きな台風がやってきそうで大雨が心配されます。天気予報では今日、明日は晴れ、明後日からは雨模様です。 

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性を仏像の造形に見てとれるでしょう。

〔短歌〕

「夕川の たぎちのさむさ 磐床(いはどこ)に

       息をふかめて われ立ちにけり」

         木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「コスモスの 色もつれあひ ほどけあひ」本郷昭雄

〔和歌〕

「夕づくひ 岩ねの苔に かげきえて

        をかの柳は 秋風ぞふく」

          永福門院・風雅508

「沈もうとする夕日の、しばし岩根の苔を照らしていた光もいつか消えて、目に立つものは岡の柳のみ、そこに秋風が吹いている。」

・岩ねの苔=岩の窪みに生えている苔。

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より。

〈京都散策 昭和十五年十月

清水寺にて〉

「くわんおんの のきのしとみの しろじろと

         ものふりけらし ひとのひびきに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」(休みます)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月20日 (日)

般若寺 コスモス花だより (2) 10・20

《お知らせ》

本日の「コスモス花あかり」コンサートの

マリンバ演奏は雨降りのため中止となりました。

半野外なので楽器が痛みますのでやむを得ずとりやめました、

悪しからずご了承ください。

なお、榊隆氏の「創作行燈」は予定通り5時から7時まで点灯していただきます。

今日は駐車場も空いていますので随意にご利用いただけます。

(午後1時発表)

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般若寺 コスモス花だより  10・20

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪見ごろです≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

雨です。午後三時ごろには上がりそうです。今日の「コスモス花あかり」コンサートはマリンバ演奏です。ここ十年近く出演していただいている西川夏代さんと樽井美咲さんの共演で「荒城の月」、「秋桜」など11曲を演奏していただきます。今日は寒いですから暖かくしてお越しください。

花の咲き具合は八分咲き程度です。 

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性、敬虔な宗教心を仏像の造形に見てとれるでしょう。

〔短歌〕

「真黒雲 片空寄りに おつかぶさり

       ななめなる太陽(ひ)が 萱山射れり」

        木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「つきはなす 貨車コスモスの あたりまで」深川正一郎

〔和歌〕

「うす霧の はるる朝けの 庭みれば

        草にあまれる 秋の白露」

          永福門院・玉葉536

「立ちこめた薄霧の晴れて行く庭を見ると、まあ、草にいっぱい、こぼれる程に置いている、秋の白露よ」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より。

〈京都散策 清水寺にて〉

「きよみづの やねのひはだの まだらにも

         つゆをふくめる こけのいろかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」(休みます)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月19日 (土)

般若寺 コスモス花だより  10・19

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪見ごろです≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

天気予報では、朝のうちは雨。次第に雨は上がり午後は曇り空、ということです。夕方の催事には降らないでほしいですね。

今日の「コスモス花あかり」は地歌舞の奉納です。奈良在住の山村若女師匠が本堂で舞を奉納されます。(詳細は後掲)

コスモスの花の状態は八分咲き程度です。これからあと二週間ほど咲き続けます。 

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性が、仏像の造形からも読み取れるでしょう。

《「般若寺コスモス花あかり」特別企画》

「南朝御聖蹟般若寺顕彰碑」建立 記念奉納地歌舞

奉納舞:山村流上方舞

山村若女(やまむらわかめ)師匠

吉野郡川上村ご出身、後南朝遺臣御末裔

日時:1019日(土)午後五時半より

会場:本堂・御本尊文殊菩薩御宝前(後醍醐天皇御願仏)

演目:追善の地歌舞『虫の音』

『松竹梅』(山村若瑞・わかみずき)

地方(じかた)演奏:菊原流五代目

菊原光治(きくはらこうじ)師匠

演目:『残月』ほか

〔短歌〕

「太陽(ひ)の前に 大きくろ雲 はだかれば

           深かや山の 光にぶれり」

            木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「コスモスや 我より問ひて きく話」星野立子

〔和歌〕

「秋風は とをき草葉を わたるなり

       ゆふひのかげは 野べはるかにて」

         伏見院御歌・風雅505

「秋風は、遠くひろがる草葉の上をどこまでも渡って行くようだ。夕日の光は野原一面をはるかに照らして。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より、奈良愛惜の歌。

〈京都散策 昭和十五年十月

 十六日真葛原にて〉

「たいがだう ここにありきと ひとひらの

         いしぶみたちて こだちせるかも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

〔般若寺南朝文庫〕6. 20131019現在)

101.内田啓一『後醍醐天皇と密教・シリーズ権力者と仏教2』法蔵館 2010

102.久保田収『建武中興‐後醍醐天皇の理想と忠臣たちの活躍』明成社 2004

103.黒田日出男 『王の身体 王の肖像』(文庫) 筑摩書房 2009

104.長尾宇迦 『津軽南朝秘聞』  新人物往来社 2006

105.岩井三四二『悪党の戦旗‐嘉吉の乱始末』(文庫) 新人物往来社 2009

106.児玉幸多『南朝と北朝・少年少女学習まんが日本の歴史8』小学館 1982/2004

107.笠原一男『北朝と南朝‐南北朝時代・学習漫画日本の歴史6』集英社1982/93

108.瀬野精一郎『足利直冬』(人物叢書)  吉川弘文館 2005

109.志茂田景樹 『南朝の日輪‐北畠親房』  秋田書店 1991

110.保阪正康『天皇が十九人いた‐さまざまなる戦後』(文庫)角川書店 2001

111.篠田正浩・明石散人『日本史鑑定‐天皇と日本文化』(文庫)徳間書店 2004

112.藤巻一保『吾輩は天皇なり‐熊沢天皇事件』(新書)学習研究社 2007

113.中野正志『万世一系のまぼろし』(新書) 朝日新聞社 2007

114.高木博志、山田邦和編『歴史の中の天皇陵』思文閣出版 2010/11

115.山辺悠一郎『護良親王の伝説』 近藤出版社  1986

116.新人物往来社編『どうなったその後の日本史』(文庫)新人物往来社 2010

117.小和田哲夫他『ザ・暗殺‐歴史を変えた殺しの理由』世界文化社 2012

118.若尾政希『「太平記読み」の時代‐近世政治思想史の構想』平凡社 1999/2007

119.山地悠一郎『現代につながる「太平記」の世界―杉本寿博士、木地師を語り後南朝を論ず』清水弘文堂1991

120.藤巻一保『天皇の仏教信仰‐仏にすがったアマテラスの子孫たち』学研パブリッシング2013

121.山地悠一郎『南朝の雲烟遥かなり』 歴研 2013

122.建武中興十五社会『南朝関係十五神社巡拝案内記』湊川神社内事務局 2003/2012

123.鎌倉宮社務所『御祭神 護良親王御事蹟』 鎌倉宮 

124.藤巻一保『真言立川流‐謎の邪教と鬼神ダキニ崇拝』学習研究社 1999/2002

(現在のところ以上です)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月18日 (金)

般若寺 コスモス花だより  10・18

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪見ごろです≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

今朝の奈良は11度で寒かったです。急に秋が深まって来たようです。コスモスの花は満開の盛りを過ぎて、八分咲き程度の見ごろを保っています。これから11月に向かって少しづつ幕を閉じて行くのでしょうか。秋は庭がさびしくなる季節です

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性が、仏像の造形からも読み取れるでしょう。

《「般若寺コスモス花あかり」特別企画》

「南朝御聖蹟般若寺顕彰碑」建立 記念奉納地歌舞

奉納舞:山村流上方舞

山村若女(やまむらわかめ)師匠

吉野郡川上村ご出身、後南朝遺臣御末裔

日時:1019日(土)午後五時半より

会場:本堂・御本尊文殊菩薩御宝前(後醍醐天皇御願仏)

演目:追善の地歌舞『虫の音』

『松竹梅』(山村若瑞・わかみずき)

地方(じかた)演奏:菊原流五代目

菊原光治(きくはらこうじ)師匠

演目:『残月』ほか

〔短歌〕

「蒼き空 雲のきれめに 遠きかな

       草間の虫に 耳まかせをり」

         木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「くらがりに 供養の菊を 売りにけり」高野素十

〔和歌〕

「しら露の をける朝の 女郎花

        花にも葉にも 玉ぞかかれる」

          読人しらず・玉葉526

「白露の置いている朝の女郎花の美しさよ。まるで花にも葉にも輝く玉がかかっているようだ。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より、奈良愛惜の歌。

〈京都散策 昭和十五年十月

 十月十五日京都にいたり数珠屋町に宿る〉

「まちなかに あしたのかねの つきおこる

         きやうとにいねて あしのばしをり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

赤松円心則祐の活躍

『太平記』巻第八 「摩耶合戦の事」

・本文:〈「軍(いくさ)の利は、勝つに乗つて、北(にぐ)るを追ふにしかず、今度寄手の名字を聞くに、京都勢は数を尽くして向つて候なる。この勢ども、今四、五日は長途(ちやうど)の負け軍にくたびれて、人馬とも物の用に立つべからず。臆病神のさめぬ先につづいて責めつる物ならば、などか六波羅を一戦の中にせめ落さで候ふべき。これ太公(たいこう、兵法家太公望呂尚)が兵書に出でて、子房(しぼう、張良、漢の高祖の忠臣)が心底に秘せしところにて候はずや」と申しければ、諸人皆この儀に同(どう)じて、その夜やがて宿久河原を立つて、路次(ろし)の在家に火をかけて、その火の光を手松(たいまつ)になし、引いて行く敵に追いすがうて、夜を日に継いで、せめのぼる。〉 

・訳:(「有利に合戦するには、勝った勢いに乗じて、逃げる敵を追うのがいちばんです。今回の寄せ手の名前を聞くと、京都の軍勢は全力で向かってきたようです。その兵どもはもう四、五日の間は、遠征のうえの負け戦に気落ちして、人も馬もともに役に立ちますまい。彼らにとりついている臆病神が落ちないうちに続いて攻めるとすれば、どうして六波羅を一度の戦いで攻め落とせないことがありましょう。これは太公望の兵書に書いてあり、張子房が胸中深く秘めていた戦術ではありませんか」と言ったので、人々は皆この意見に賛成して、その夜すぐに宿河原を出立して、途中の民家に火を放ち、その火の明るさを松明にして、退却して行く敵に追いすがり、昼夜兼行で攻めのぼった。)

(この段終り)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月17日 (木)

般若寺 コスモス花だより  10・17

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪見ごろです≫ 

花:10月~11月初旬。

 35種類。15万本。

二日続いた台風の雨でコスモスの花は満開のピークは越えたようです。それでも新しい花が続いて咲いているので、花の状態は八分咲き程度です。 

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性が、仏像の造形からも読み取れるでしょう。

《「般若寺コスモス花あかり」特別企画》

「南朝御聖蹟般若寺顕彰碑」建立 記念奉納地歌舞

奉納舞:山村流上方舞

山村若女(やまむらわかめ)師匠

吉野郡川上村ご出身、後南朝遺臣御末裔

日時:1019日(土)午後五時半より

会場:本堂・御本尊文殊菩薩御宝前(後醍醐天皇御願仏)

演目:追善の地歌舞『虫の音』

『松竹梅』(山村若瑞・わかみずき)

地方(じかた)演奏:菊原流五代目

菊原光治(きくはらこうじ)師匠

演目:『残月』ほか

〔短歌〕

「寂光院の 尼の頬あかき 午后にして

        日は照り雨の 粉ちりにけり」

          木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「風つよし それより勁(つよ)し 秋桜」中嶋秀子

〔和歌〕

「むら雲に かげさだまらぬ 秋の日の

        うつりやすくも 暮るる比かな」

          前大僧正覚円・503

「むらがり動く雲に見えかくれして、光が安定しない秋の日の変りやすいと同様に、時もまた移りやすく、何とまああっさりと日暮れになってしまうこの頃だろうか。」

・うつりやすくも=「映り」と「移り」をかける。秋の空模様と短日を表現。

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。

草露 また二上山を望みて当麻の大曼荼羅をおもふ〉

「こもりゐて ほとけおりけむ ふたがみの

         やまのをかべの かりほしおもほゆ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

〔般若寺南朝文庫〕5. 20131017現在)

81.永積安明 『古典を読む 太平記』(ライブラリー) 岩波書店 1998

82.兵頭裕己 『太平記〈よみ〉の可能性』(文庫)   講談社  2005

83.永井路子 『太平記‐現代語訳日本の古典』   学習研究社 1990

84.田中義成 『南北朝時代史』(文庫)       講談社   1979

85.倉本初夫 『宗良流転‐「新葉和歌集」撰者の生涯』童牛社、影書房1989

86.永井路子 『太平記紀行‐鎌倉・吉野・笠置・河内』(文庫)中央公論社 1990

87.大森隆司 『太平記49の謎‐闇に包まれた歴史ロマン』(文庫)廣済堂出版1991

88.佐藤和彦編  工藤敬一・遠藤巌・錦昭江著

        『図説 太平記の時代』  河出書房新社  1990

89.横山高治 『北畠太平記‐南朝の大義に生きた一族と家臣団』創元社 1986/89

90.真保亨監修埼玉県立博物館編『図録太平記絵巻』  埼玉新聞社 1997

91.清岡卓行・佐伯快勝『浄瑠璃寺・古寺巡礼京都7』  淡交社 1976

92.佐藤進一 『日本の中世国家』(現代文庫)     岩波書店 2007

93.若尾政希『「太平記読み」の時代‐近世政治思想史の構想』(ライブラリー)平凡社2012

94.佐伯真一、高木浩明編著『校本 保暦間記・重要古典籍叢刊』和泉書院 1999

95.大塔宗刊行会編『寶靑院紀‐創建三十周年記念』  大塔宗刊行会  1999

96.村田一司 『後醍醐天皇と動乱の人々』  文芸社  2013

97.原武史 『松本清張の「遺言」‐『神々の乱心』を読み解く』文芸春秋 2009

98.赤松光夫 『後南朝史―神璽喪失』 実業之日本社 1998

99.安井久善 『後南朝史話‐歴史と文学の谷間に・笠間選書49』笠間書院 1975

100.瀧川政次郎監修『後南朝史論集』 原書房 1981

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月16日 (水)

般若寺 コスモス花だより  10・16

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪満開です≫ 

見ごろは10月~11月上旬。

 35種類。15万本。

雨、台風26号は東の海上を通過していきました。昼からは晴れ間も見えるそうです。ようやく涼しくなって秋空が戻りますね。

コスモスは今いちばんきれいな状態です。これから2週間が見ごろです。

今年は暑さが影響して、例年より一週間から10日遅れで盛りを迎えていますので、11月上旬まで咲き続けると思います。 

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性が、仏像の造形からも読み取れるでしょう。

《「般若寺コスモス花あかり」特別企画》

「南朝御聖蹟般若寺顕彰碑」建立 記念奉納地歌舞

奉納舞:山村流上方舞

山村若女(やまむらわかめ)師匠

吉野郡川上村ご出身、後南朝遺臣御末裔

日時:1019日(土)午後五時半より

会場:本堂・御本尊文殊菩薩御宝前(後醍醐天皇御願仏)

演目:追善の地歌舞『虫の音』

『松竹梅』(山村若瑞・わかみずき)

地方(じかた)演奏:菊原流五代目

菊原光治(きくはらこうじ)師匠

演目:『残月』ほか

〔短歌〕

「生一本に 夜を日につぎて 山河の

        たぎちのとよみ とどまららぬかも」

          木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「コスモスの 揺れ返すとき 色乱れ」稲畑汀子

〔和歌〕

「見し人も すみあらしてし ふる郷に

        ひとり露けき 女郎花哉」

          崇徳院御製・玉葉524

「その昔、住んで愛しあった人も立ち去り、荒れはててしまった故郷に、ただひとり露にぬれて立っている女郎花よ。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より、奈良愛惜の歌。

〈草露 また二上山を望みて当麻の大曼荼羅をおもふ〉

「うつろひし つづれのほとけ つたへきて

         やまはことしも みみぢせるかも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」160

赤松円心則祐の活躍

『太平記』巻第八 「摩耶合戦の事」

・本文:〈平野伊勢前司・佐用・上月・田中・小寺・八木・衣笠の若者ども、「すはや敵は色めきたるは」と、胡籙(えびら)をたたき、勝時を作つて、七百余騎轡(くつばみ)を双(なら)べてぞかけたりける。大軍の靡くくせなれば、六波羅の前陣返せども、後陣続かず、「行く前(さき)は狭(せば)し。閑かに引け」といへども聞き入れず、子は親を捨て、郎等は主を知らで、我前(われさき)にと落ち行ける程に、その勢大半討たれて、わずかに京へぞ帰りける。

 赤松入道円心は手負・生け捕りの頸三百余人、宿久河原(しゆくのかわら)の東に切り掛けさせて、また摩耶の城へ引き返さんとしけるを、円心が子息律師則祐進み出でて申しけるは、〉

・訳:(そこで、平野伊勢前司・佐用・上月・田中・小寺・八木・衣笠の若い兵たちは、「さあ、敵は浮足立ったぞ」と、箙をたたいて勝鬨をあげ、七百余騎が馬を並べて攻撃した。大軍は負けかけると総崩れになる習いなので、六波羅軍の前陣は引き返したが、後陣はそれに続かず、「行く手の道は狭いぞ。ゆっくりと退却せよ」と言っても聞き入れず、子は親を見捨て、家来は主君にかまわず、我先にと逃げて行ったので、六波羅勢の大部分が討たれて、わずかの兵が京に帰った。

 赤松入道円心は、六波羅勢の負傷者・生け捕り三百余人の首を宿河原の東側に曝し、再び摩耶の城へ引き返そうとしたが、円心の子息則祐が進み出て言うことには、)  (つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年10月15日 (火)

般若寺 コスモス花だより  10・15

《コスモス開花情報》

 コスモス:≪満開です≫ 

見ごろは10月~11月上旬。

 35種類。15万本。

今日は曇り空から雨になります。台風は少し東寄りに進んでいるので奈良では風の心配はなさそうです。干天に慈雨、雨も必要です。

コスモスは今いちばんきれいな状態です。これから2週間が見ごろです。

今年は暑さが影響して、例年より一週間から10日遅れで盛りを迎えていますので、11月上旬まで咲き続けると思います。 

珍しい品種のシーシェル、ローズボンボン、スノーパフ、ハッピーリング、ピコティ、サイケなどが咲いています。ローズボンボン、スノーパフは複弁で菊のような豪華な花です。秋咲の大輪花やオータムビューティ、淡い黄色のイエローガーデン、イエローキャンパスも咲いています。キャンパスの淡いピンク色もあります。ベルサイユの赤は鮮烈です。

《白鳳秘仏特別公開》

期間:921日(土)~1111日(月)

「大きなる 手をもて我ら 救わんと

       微笑みおはす 白鳳の弥陀」

十三重大石塔昭和大修理の時、800年の眠りから目覚めるように御出現された白鳳時代阿弥陀如来金銅仏と胎内仏、水晶舎利塔、丈六文殊脇侍の太刀と手首、嵯峨天皇勅額、神功皇后大絵馬、雨宝童子、菅原天神、青銅製相輪、仏画などが御開帳されます。

いま胎内仏の拡大写真を掲示しています。肉眼では見えなかった法量、26センチの大日如来の宝冠に描かれた六体の仏像、82センチの地蔵菩薩の錫杖、衣の截金文様、98センチの十一面観音の化仏などがよく判ります。

驚きのミニサイズです。平安時代の人々が有っていた繊細な感性が、仏像の造形からも読み取れるでしょう。

《「般若寺コスモス花あかり」特別企画》

「南朝御聖蹟般若寺顕彰碑」建立 記念奉納地歌舞

奉納舞:山村流上方舞

山村若女(やまむらわかめ)師匠

吉野郡川上村ご出身、後南朝遺臣御末裔

日時:1019日(土)午後五時半より

会場:本堂・御本尊文殊菩薩御宝前(後醍醐天皇御願仏)

演目:追善の地歌舞『虫の音』

『松竹梅』(山村若瑞・わかみずき)

地方(じかた)演奏:菊原流五代目

菊原光治(きくはらこうじ)師匠

演目:『残月』ほか

 

〔短歌〕

「通り雨 とほりをはれば いや髙く

       雲のきれめに 蒼き空見ゆ」

         木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「足もとに 日のおちかかる 野菊かな」小林一茶

〔和歌〕

「あはれむかし いかなる野べの 草葉より

          かかる秋風 ふきはじめけん」

            後鳥羽院御歌・風雅502

「ああ、その昔、一体どんな野原の草の葉から、こんなにも身にしみる秋風は吹きはじめたのだろうか。」

*秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より、奈良愛惜の歌。

〈草露 十一月四日南大和より奈良に帰らむとて車窓に葛城山上の夕陽を望む〉

「くもふかみ いまかいざよふ あまつひの

         ひかりこもらふ かつらぎのそら」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*「南朝御聖蹟を顕彰する」

〔般若寺南朝文庫〕4.  20131015現在)

61梅谷百 『キミノ名ヲ』(全6巻)アスキー・メディアワークス20102011

62梅谷百、柘植ミズキ『コミックス・キミノ名ヲ』(13)〃 20122013/04/28

62.市沢哲編『太平記を読む・歴史と古典』  吉川弘文館 2008

63.峰岸純夫『足利尊氏と直義‐京の夢、鎌倉の夢』  吉川弘文館 2009

64.守山聖真 『立川邪教とその社会的背景の研究』  鹿野苑 1965

65.網野善彦 『蒙古襲来‐転換する社会』(文庫)   小学館 2001

66.新井孝重 『楠木正成』            吉川弘文館 2011

67.新井孝重 『黒田悪党たちの中世史』  日本放送出版協会 2005/08

68.堀内和明 『河内金剛寺の中世的世界』 和泉書院 2012

69.新田次郎 『新田義貞(上)』(文庫) 新潮社 1981/90

70. 〃   『 同  (下)』( 〃)  同  1981

71.村松剛 『帝王後醍醐‐「中世」の光と影』(文庫)中央公論社 1981/89

72.小林一岳『元寇と南北朝の動乱・日本中世の歴史4.』吉川弘文館2009

73.峰岸純夫 『新田義貞・人物叢書』   吉川弘文館   2005/09

74.中岡清一 『大塔宮之吉野城』     吉野叢書刊行会   1937/39

75.中村直勝『南朝の研究 吉野朝史・中村直勝著作集3』淡交社 1978

76.村井章介 『分裂する王権と社会・日本の中世10』中央公論新社 2003

77.小川剛生『南北朝の宮廷誌‐二条良基の仮名日記』臨川書店 2003

78.伊藤聡 『神道とは何か‐神と仏の日本史』(新書)中央公論新社 2012

79.宗良親王撰 岩佐正校訂 『新葉和歌集』(文庫) 岩波書店  1940/92

80.伊藤聡  『中世天照大神信仰の研究』 法蔵館 2011

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

そして『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンター建設計画に関する課題について』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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