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2013年11月14日 (木)

般若寺 季節の花だより 11・14

《般若寺 季節の花だより》

晴れたおかげか、奈良はこの秋一番の冷え込み、最低気温は3度でした。冬のような寒さです。これで紅葉もようやく進みそうです。北国は大雪とのこと、短い秋は終わってしまったのでしょうか。

・野菊:≪みごろ≫

・まゆみ(檀):≪色づく≫

・水仙:≪つぼみ≫

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

「ここの浦に よらぬ蒸気歟 沖つ辺に

         煙なびかせ ぽつつり見ゆる」

           木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「噴水の 燦たり樹々は いま黄ばむ」石田波郷

〔和歌〕

「やま里に ありあけの月を ながめても

        猶やしられぬ 秋のあはれは」

          選子内親王家中務・風雅640

「(あなたは春の曙がいいとおっしゃいましたが)今、山里で有明の月を眺めていらしても、まだおわかりにならないでしょうか、秋のあわれが春以上のものであると事が。(きっと今は、秋の方をひいきになさるでしょうよ。)」

・詞書:「大斎院選子内親王の女房達が、春秋の情趣はどちらが勝るかと争いました時に、中将が[春の曙はやはり秋よりすぐれている]などと主張しましたが、その中将が秋の頃山里に籠っておりました時に、言ってやりました歌。」

・中将=斎院長官、源為理の女、作者中務の姉。

・猶やしられぬ=春に味方した姉に対し、「秋の山里で寝覚めの月を見ても、まだ秋の情趣がわかりませんか」と妹が戯れに問いかけたもの。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より。》

〈白雪 昭和十八年十一月

  十八日室生を出で当麻を経て高野山に登り明

  王院に入るかねて風邪の心地なりしを翌朝目

  さむれば薄雪降りしきて塔廟房舎みな白し我

  が齢も大師を過ぐることすでに一歳なればお

  もひ更に深し〉

「いませりし よはひはこぞと すぎはてし

         わがころもでに ゆきなふりそね」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》170

赤松勢、京都を攻める

『太平記』巻第八 「三月十二日合戦の事」

・本文:〈河野と陶山と、一所に合うては両所に分れ、両所に分れてはまた一所に合ひ、七、八度が程ぞ揉みたりける。長途に疲れたる歩立(かちだ)ちの武者ども、駿馬の兵に懸け悩まされ、討たるる者その数を知らず。手負(ておひ)を捨て、道を要(よこぎ)つて、散り散りになつて引き返す。陶山・河野,逃ぐる敵には目もかけず、「西の七条辺の合戦も、何とあるらん、心元なきに」とて、七条河原をすじかひに(斜めに移動すること)西へ打つて、七条大宮に引(ひか)へ朱雀(しゆしやか)の方の合戦を見遣りければ、隅田・高橋が三千余騎、高倉左衛門佐・小寺・衣笠が二千余騎に懸け立てられて、馬の足をぞ立てかねたる。河野これを見、「かくては御方うたれぬと覚ゆるぞ。いざや打つてかからん」と云ひけるを、陶山留めて申しけるは、「この陣の軍いまだ決せざる先に、力を合はせて御方を助けたりとも、隅田・高橋が口のにくさは、我が高名(かうみやう)にぞ云はんずらん。しばらく置いて、事のやうを御覧ぜよ。敵たとひ勝つに乗るとも、いか程の事かあるべし」とて、見物してこそ居たりけれ。〉

・訳:(河野と陶山とは一か所に集ってはまた二方に分れ、二方に分れてはまた一か所に出会い、七度も八度も敵軍に攻め込んで行った。播磨からの長い旅に疲れた徒歩の兵たちは、駿馬に乗った兵たちに追い回されて、討たれる者はその数が分からなかった。負傷した味方を捨て、わき道にそれて、ちりじりになって退却した。陶山と河野とは、逃げる敵には目もくれず、「西七条あたりの合戦もどうなっているだろう、心配だ」と七条河原を斜めに突っ切り、西へ馬を馳せ、七条大宮通に馬を止めて朱雀方面の合戦を見やったところ、隅田・高橋の三千余騎が高倉左衛門佐・小寺・衣笠の二千余騎に攻めたてられて、騎馬の隊形を整えかねていた。河野はこの様子を見て、「これでは味方が討たれてしまうぞ。さあ、敵に討ってかかろう」と言ったところ、陶山は河野を押しとどめてこう言った。「この陣の合戦がまだ勝負を決しないうちに、我らが力を合わせて味方を助けたとしても、隅田・高橋は口がうまいから、勝利を自分の手柄として言うだろう。もうしばらく放っておいて、成り行きを御覧なさるがよい。敵がたとえ勝った勢いに乗じても、大したことはあるまい」というわけで、河野・高橋勢は高みの見物をしていたのであった。) (つづく)

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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