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2013年11月12日 (火)

般若寺 季節の花だより 11・12

《般若寺 季節の花だより》

冬のような寒波襲来で一気に冷え込んできました。今年の秋は変ですね、夏のような暑さが続いたり、雨も多いし、さらに急に冬がやってきたりと、あわただしい秋です。

・野菊:≪みごろ≫

・まゆみ(檀):≪色づく≫

・水仙:≪つぼみ≫

・さざんか(山茶花):≪つぼみ≫

・サフラン:≪見ごろ≫

〔短歌〕

「磯遠み ひたすら寄れる うしほ波

       舟のへさきに 裂けてちるかも」

         木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「ばせを忌や 伊賀の干そば みのの柿」 梅室

〔和歌〕

「ふかき山に すみける月を みざりせば

         おもひ出もなき 我身ならまし」

           西行法師・風雅614

「深い山にひとり澄んでいた月を見るという体験がなかったならば、この世に生きた事の思い出もない我が身だったろうになあ。(その折の深い感動こそは、私の人生の意義であったのだ)」

・ふかき山に=山家集詞書によれば、大峯山の深仙宿(奈良県下北山村)での詠。その名が「深山」に通じる所から地名を暗示する。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より、奈良愛惜の歌。》

〈霜葉 昭和十八年十一月(室生寺)

  この日寺中に泊し夜ふけて同行の学生のため

に千年の寺史を説くこれより風邪のきざし著し〉

「さけのむと ひそかにいでし やまでらの

         かどのをばしに かぜひきにけむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》169

赤松勢、京都を攻める

『太平記』巻第八 「三月十二日合戦の事」

・本文:〈 夜に入りては、両六波羅は七条河原に打つ立つて、近付く敵を相待ちたる。この大勢をみて、あぐんでや思ひけん、ただここかしこに走り散って火をかけ、時の声をつくるばかりにて、同じ陣にひかへたり。両六波羅これを見て、「いかさま、敵は小勢なりと覚ゆるぞ。馳せ向つて追ひ散らせ」とて、隅田・高橋に三千余騎を相副へて、八条口へ指し向けらる。河野九郎左衛門尉・陶山次郎に二千余騎をさしそへて、蓮華王院へぞ向けられける。陶山、河野に向つて申しけるは、「何ともなき取り集め勢に交はりて軍をせば、なまじひに足まとひになつて、懸け引きも自在なるまじ。いざ、六波羅よりさし向けられたる勢をば八条河原辺に引かへさせて、時の声を揚げさせ、我等は手勢を引つ勝(すぐ)つて、蓮華王院の東より、敵の中へ懸け入り、蛛手(くもで)・十文字に懸け破り、弓手・馬手に相受けて、追物射(おふものい、犬追物を射るように)に射てくれ候はん」と申しければ、河野、「しかるべし」と同じて、外様の勢二千余騎をば塩小路の道場の前にさし遣はし、河野勢三百余騎・陶山勢百五十騎は引き分けて、蓮華王院の東へぞ廻りける。相図の程にもなりければ、八条河原の勢時の声を揚げたるに、敵これに立ち合はせんと、馬を西頭に立てて相待つところに、陶山・河野四百余騎、思ひもよらぬ後より、時をどつと作つて大勢の中へかけ入り、東西南北に懸け破りて、敵を一所に打ちよらせず、追つ立て追つ立て責め戦ふ。〉

・訳:( 夜になって、両六波羅殿は七条河原に出陣して、近づく敵を待ち迎えた。六波羅の大軍勢を見て、敵の赤松方もやはり嫌気をおぼえたのか、ただあちらこちらに走り散って火を放ち、鬨の声をあげるだけで、同じ陣地にとどまっていた。両六波羅殿はこの様子を見て、「どうやら敵は小勢らしく思われるぞ。こちらから攻撃して追い散らせ」と、隅田・高橋に三千余騎をつけて、八条口へ向かわせた。また、河野九郎左衛門尉・陶山次郎に二千余騎をつけて、蓮華王院へ差し向けた。陶山が河野に向かって言うことには、「どうしようもない寄せ集めの軍勢に交じって合戦をすると、なまじ足手まといになって、駆け引きも自由になるまい。さあ、六波羅殿からさし向けられた軍勢は八条河原のあたりに控えさせて、鬨の声をあげさせ、我等は手勢を選りすぐって、蓮華王院の東から敵軍の中に駆け入って、蜘蛛手・十文字に敵を駆け破り、左右に追い散らして、犬追物のように射てくれようではないか」と言ったので、河野も、「それがよい」と賛成して、身内以外の軍勢二千余騎を、塩小路の時宗道場の前へ派遣し、河野勢三百余騎と陶山勢百五十騎は二千余騎とは分れて、蓮華王院の東側へとまわった。打ち合わせの時刻になったので、八条河原の軍勢が鬨の声をあげると、敵軍はこれに対抗しようと、馬の首を西に向けて待ちかまえたところへ、陶山・河野の四百余騎が、思いもかけない背後から、鬨の声をどっとあげて大軍勢の中へ駆け入り、赤松方を四方八方に駆け破って、一か所に集らせず、追い立て追い立てして攻め戦った。)  (つづく)

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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