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2013年11月11日 (月)

般若寺 季節の花だより 11・11

《般若寺 季節の花だより》

『白鳳秘仏阿弥陀如来像特別公開』は今日で終了です。九月の終わりごろからの長期間でしたが、大変盛況でした。初めてという方と再訪と云う方と半分づつだったのではないでしょうか。特に正倉院展期間中は遠来の方が多いでした。奈良はこれから晩秋、徐々に静けさが戻ってきます。

・コスモス:≪終りました≫

・野菊:≪みごろ≫

・まゆみ(檀):≪色づく≫

・水仙:≪つぼみ≫

・さざんか(山茶花):≪つぼみ≫

・サフラン:≪見ごろ≫

〔短歌〕

「波のうねり 低まれる時 はつはつに

         海つ巌床 頂き見ゆる」

          木下利玄・紅玉

〔俳句〕

「紅葉せり 松その上に 枝を垂れ」水原秋桜子

〔和歌〕

「わたつうみの とよはた雲に いりひさし

         こよひの月夜 すみあかくこそ」

          天智天皇御製・玉葉629

「海のかなたに旗のようになびく美しい雲に、赤々と入日がさし、今夜の月夜はさぞや清らかに明るいだろうと思われるよ。」

・とよはた雲=豊旗雲。旗雲(旗のようになびく雲)の美称。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より、奈良愛惜の歌。》

〈霜葉 昭和十八年十一月(室生寺)

  この日寺中に泊し夜ふけて同行の学生のため

に千年の寺史を説くこれより風邪のきざし著し〉

「このやまに だいしのゆかり おはさじと

         ことのしたより のどはれにけむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》168

赤松勢、京都を攻める

『太平記』巻第八 「三月十二日合戦の事」

・本文:〈 日野中納言資名(すけな)・同じき左大弁宰相資明(すけあきら)、二人同車して内裏へ参り玉ひたれば、四門いたづらに開いて、警固の武士は一人もなし。主上南殿(なでん)に出御なつて、「誰か候ふ」と御尋ねあれども、衛府(えふ)・諸士の官、蘭台・金馬(らんだい・きんめ、蘭台は太政官の弁官の唐名。金馬は漢代の未王宮にあった金馬門の略。ここで学者が帝の詔を待ったことから、学才ある臣をいうか。)もいづちへか落ち行きたりけん、勾当の内侍(こうたうのないし、天皇に近侍し、奏請・伝宣を役とした女官)・上童(うへわらは、宮中や院御所で召し使われている少年少女。ここは女童であろう〉一人よりほかは、御前に候ふ者なかりけり。資名・資明二人御前に参じて、「官軍戦ひ弱くして、逆徒さし違へて、御所中へも乱入仕り候ひぬと覚え候ふ。急ぎ三種の神器を先立て、六波羅へ行幸なり候へ」と申されければ、主上やがて腰輿(えうよ)にめされて、二条川原より六波羅へ臨幸なる。その後、堀川大納言・坊城宰相以下、月卿雲客二十余人、路次に参着して供奉し奉る。これを聞こし食(め)し及んで、院(後伏見)・法皇(花園)・春宮(とうぐう、康仁親王)・皇后(徽安門院寿子内親王)・梶井二品親王(尊胤法親王)まで、皆六波羅へと御幸なる間、供奉の雲客・卿相(けいしゃう)、軍勢の中に交はりて、警蹕(先払いが声をかけてあたりをいましめること。「おお」「しし」「おし」など)の声頻りなれば、これさへ六波羅の仰天一方ならず。にはかに六波羅の北方(きたのかた)をあけて仙院(せんゐん、太上天皇の御所)・皇居となす。事の体(てい)騒がしかりし有様なり。〉

・訳:( 日野中納言資名・同左大弁宰相資明の二人が同じ牛車に乗って内裏へ参内なさると、内裏の四方の門はむなしく開いたままで、警固の武士は一人もいなかった。光厳天皇は紫宸殿にお出でになって、「誰かおるか」とお呼びになったけれども、衛府や諸役所の官人たちや太政官の弁官・文官も、どこへ逃げて行ってしまったのか、内侍所の三等官と殿上務めの童一人とを除いては、御前に伺候する者はいなかった。資名・資明の二人は帝の御前に参上して、「官軍は戦いが弱く、反逆者たちは官軍に代って、御所の中へ乱入して参ると思われます。急いで三種の神器を先立てて、六波羅へ行幸なさいますよう」と申し上げると、帝はすぐに御輿にお乗りになって、二条河原から六波羅へ臨幸なされた。その後、堀川大納言・三条大納言・鷲尾中納言・坊城宰相以下、公卿殿上人二十余人が臨幸の途中で参着し、お供申しあげた。帝の臨幸をお聞き及びになって、後伏見院・花園法皇・皇太子・皇后・梶井二品親王までが皆六波羅へ御幸なさったので、お供の公卿殿上人が軍勢の中に交り合い、先払いの声がしきりに聞えたので、これだけでも六波羅の驚きはひととおりではなかった。急遽、六波羅の北庁をあけて、仮の院御所や皇居とした。事の次第は取り込んでいた様子であった。)  (つづく)

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンク

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