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2013年12月

2013年12月31日 (火)

般若寺 水仙花だより 12・31

《般若寺 水仙花だより》

大晦日、本年最後の日となりました。いろんなことのあった一年でしたが、何とか無事に過ごせたことを御仏に感謝いたします。来年はさらに精進して悔いのない人生を送りたいと思います。みなさまのご健康としあわせを祈念して新年を迎えたいと思います。来年もどうぞよろしく。

〇水仙:≪五分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所により花株によっては見ごろになっています。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*本日の「除夜の鐘」行事は、午後十一時半から開始します。終了は年を越えて午前一時です。参加者全員に撞いていただけます。本堂御内陣では新年の読経を致しますので外陣より拝んで頂きます。

*〔短歌〕

「この谷戸の 紅葉をぬらす 夕時雨

        移り住ひて 冬四たびなり」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「なほ清く 咲くや葉がちの 水仙花」松本氷固

〔和歌〕

「冬がれの すさまじげなる 山郷に

        月のすむこそ あはれ成りけれ」

          西行法師・玉葉904

「冬枯の、荒涼とした山里に、月が澄み切った光を放ってひとり住んでいるように見えるのが、本当に心にしみてあわれなことだ。」

・すむ=「澄む」に「住む」をかける。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より》

〈放浪唫草 大正十年十月より

      同十一年二月に至る

 ふたたび厳島を過ぎて〉

「あけぬりの のきのしらゆき さながらに

         かげしづかなる わたつみのみや」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月30日 (月)

般若寺 水仙花だより 12・30

《般若寺 水仙花だより》

年の瀬も押し詰まりました。駆け込みでいろんなことがあります。「特定秘密保護法」強行突破につづいて、「韓国軍への銃弾供与」「沖縄辺野古新基地埋め立て工事の知事承認を金で釣る」さらに「靖国戦争神社への首相参拝」と立てつづけに戦争国家への道をひた走る現政権。しかし同盟の宗主国からも「失望」との声明が出され、EU、台湾、ロシア、国連など国際社会から緊張を高めるな、と批判を浴びています。国内でも国益を損なったとの声も出始めました。 安倍さんは、一国の首相は個人的な心情で行動してはいけないという基本が解らないのでしょうか。行動を言葉で訂正することはできないのです。

また、靖国問題では、宗教界とくに仏教界の反応が鈍いです。政教分離の憲法原則を知らないかのような静けさです。このままだと再び戦争賛美の大罪を犯してしまいそうです。全国のお寺さんはどう考えておられるのでしょうか。

【すべての者は殺し道具の使用を恐れる。すべての者は命が愛しい。己が身にひきくらべて、殺すな、殺させるな。】(『法句経』)

〇水仙:≪五分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所により花株によっては見ごろになっています。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「雨傘を ひらけば音あり 冬めきし

       時雨の中に 朝戸出するも」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「水仙や 庭に待たせて 藪にさく」横井也有

〔和歌〕

「神がきの もりの木の葉は 散りしきて

        おばな残れる かすがのの原」

          院兵衛督・風雅755

「春日神社境内の、森の木の葉はすっかり地面に散りしいてしまって、尾花だけが枯れて残る、春日野の原よ。」

・神がき=神社の玉垣。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より》

〈放浪唫草 大正十年十月より

      同十一年二月に至る

 ふたたび厳島を過ぎて〉

「うなばらを わがこえくれば あけぬりの

         しまのやしろに ふれるしらゆき」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月29日 (日)

般若寺 水仙花だより 12・29

《般若寺 水仙花だより》

「ひえびえと 畑の水仙 青ければ

        怒りに燃ゆる 身を投げかけぬ」

前川佐美雄

〇水仙:≪五分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所により花株によっては見ごろになっています。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「ふり出でて 笹にあたる雨の 幽(かそ)けきに

         耳すまし歩み わが行く山地」

           木下利玄・一路

〔俳句〕

「水仙や 寒き都の ここかしこ」与謝蕪村

〔和歌〕

「さびしさは やどのならひを このはしく

         霜のうへとも ながめつる哉」

           式子内親王・玉葉899

「淋しさは山里ずまいの常であるものを、木の葉の散り敷いた上に置いた霜のせいででもあるかのように、つくづくとその冬景色をながめたことだなあ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より》

〈放浪唫草 大正十年十月より

      同十一年二月に至る

 厳島にて〉

「みぎはより ななめにのぼる ともしびの

         はてにやおはす いちきしまひめ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月28日 (土)

般若寺 水仙花だより 12・28

《般若寺 水仙花だより》

〇水仙:≪五分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所により花株によっては見ごろになっています。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「真夜中に 遠方の人の 鳴らす汽笛

        たまたま覚めて わがきくものか」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「水仙に 日のあたるこそ さむげなり」安井大江丸

〔和歌〕

「吾がやどの ものなりながら 大井川

         せきもとどめず ゆく木の葉哉」

           後嵯峨院御歌・風雅753

「紅葉の木は私の家のものでありながら、大堰川に散り浮いて、堰でとどめる事もできず流れて行く木の葉だなあ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より》

〈放浪唫草 大正十年十月より

      同十一年二月に至る

「みやじまと ひとのゆびさす ともしびを

         ひだりにみつつ ふねはすぎゆく」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

 

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2013年12月27日 (金)

般若寺 水仙花だより 12・27

《般若寺 水仙花だより》

「その匂ひ 桃より白し 水仙化」松尾芭蕉

〇水仙:≪五分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所により花株によっては見ごろになっています。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「この峡(かひ)に われ一人なり 近くにて

        ほそぼそ澄める せせらぎの音」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「花八ツ手 星またたけば 少し散り」中嶋秀子

〔和歌〕

「草はみな 霜に朽ちにし 冬がれに

        ひとり秋なる 庭のしら菊」

          朔平門院・玉葉897

「草はみな霜のために朽ちてしまった冬枯の景色の中で、ひとり秋の姿を残している、庭の白菊よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より》

〈放浪唫草 大正十年十月より

      同十一年二月に至る

  尾道にて〉

「わがすてし バナナのかはを ながしゆく

         しほのうねりを しばしながむる」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月26日 (木)

般若寺 水仙花だより 12・26

《般若寺 水仙花だより》

「水仙の 花の高さの 日影かな」川井智月

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「真夜中の この夜の更けに 鳴る汽笛

      しばらくとよみて 鳴り了(しま)ひたり」

      木下利玄・一路

〔俳句〕

「老僧や 離れの坊に 煤ごもり」中村青屯

〔和歌〕

「もみぢ葉の ちりしくときは ゆきかよふ

         跡だにみえぬ 山ぢなりけり」

           貫之・風雅751

「紅葉葉が散り敷いて道を埋める時は、(冬の雪ならせめて歩いた跡ぐらいは残るだろうに)往来する人の足跡さえ見えない、淋しい山道だなあ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より》

〈放浪唫草 大正十年十月より

      同十一年二月に至る

  尾の道にて〉

「ほばしらの なかよりみゆる いそやまの

         てらのもみぢば うつろひにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままで、たいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月25日 (水)

般若寺 水仙花だより 12・25

《般若寺 水仙花だより》

「白鳥(しらとり)がうみたるもののここちして

朝夕めづる 水仙の花」与謝野晶子

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪満開≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「柿紅葉 枝はなるるあり おし黙り

       ひとり歩める 峡(かひ)の畑に」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「蕪村忌や 何はなけれど 移竹集」奈良鹿郎

〔和歌〕

「紅葉ばを おとす時雨の ふるなへに

        夜さへぞさむき 独りしぬれば」

          人麿・玉葉889

「紅葉葉を落してしまう時雨が降るにつれて、夜さへ寒くなりまさって行く。一人ぼっちで寝る私の身には。」

 

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈紅日 昭和十七年三月

  北満の戦陣にある若き人々に寄す〉

「かがやきえ かかるほくとの ながきえを

         うちあふぎつつ まもるよもあらむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

昨日は吉野山へ行きました。目的は般若寺に大塔宮護良親王(だいとうのみやもりながしんのう)と後醍醐天皇と村上義光(むらかみよしてる)公の御位牌をまつるため、そのお手本を拝見するためでした。参加されたのは、般若寺美咲会の代表の方と製作に当られる愛知県の仏師さん、それからご案内いただく仏画師であり修験道の僧侶の方など6人でした。最初、後醍醐天皇の御陵がある如意輪寺さんへ行き、立派な後醍醐天皇のお位牌を拝見しました。それほど古くはないけれど、非常に丁寧な作りできれいな厨子入りのお位牌でした。そのあと宝物殿では、蔵王権現像をはじめ多くの貴重な宝物を拝見しました。その中に小さな文書があり、文観上人筆と書いてあるのに目が留まりました。文観さんは後醍醐天皇の護持僧として般若寺の秘仏本尊を造立された僧です。その文書は、奥書に「吉野山皇居に於ける逆徒退治護摩次第」とあって、これは文観さんが逆賊(北朝)を調伏するために護摩を修しておられた時の次第だろうと思われます。そのあと大塔宮の身代わりになって壮烈な死を遂げられた村上義光公のお墓へ参りました。鎌倉時代後期の荘重な宝篋印塔です。さらに大塔宮を高野山へ逃すため、父と同じように犠牲となった義光の子息、義隆公の供養塔にまいり、つづいて後醍醐天皇の皇居であった金輪王寺(こんりんおうじ)跡である南朝妙法殿へ参りました。ここでは、非公開のお位牌を特別に拝ませていただきました。金輪王寺御本尊であった平安期の釈迦如来の両脇に安置された厨子が開扉されると、中には1メートルを超える大きなお位牌が見えます。厨子の外には小ぶりな護良親王と南朝皇子、皇女諸尊霊をまつる二基のお位牌もありました。それにしても後醍醐天皇と後村上院のお位牌は圧巻です。いかに大きな存在であったかがうかがわれます。お位牌の頂部は彩色した雲形で金色の日輪がついています。しかし文字が彫られた本体部は細身で漆黒、台座も黒と朱の漆だけで仕上げてあり、全体にシンプルなすっきりとした古い様式をもっています。製作年代は、後村上天皇が崩御されてまもなく、室町時代の初期の作ではないかと思われました。後醍醐天皇の位牌では一番古く、本家本元のものでしょう。こんな貴重な、畏れ多いものを拝見できたことは御仏のお引き合わせと感激しました。仏師さんには、ぜひこの形を模していただきたいとお願いしました。最後に、吉野山護持院の喜蔵院さまへお邪魔してご住職のお話を伺いました。最近の吉野山では、歴史を知る人が少なくなったと嘆いておられ、いま旅館の女将さんがたに南朝のことを勉強するように教えているとのことでした。これからは奈良と吉野が手を携えて南朝の歴史を顕彰しましょうと意気投合したしだいです。来年も南朝おこしに微力を注ぎたいと思います。どうぞよろしく。

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月24日 (火)

般若寺 水仙花だより 12・24

《般若寺 水仙花だより》

お釈迦さまの教え。

【世間において、愛し好むものは何にもとづいて起るのですか。また世間にはびこる貪りは何にもとづいて起るのですか。また人が来世に関していだく希望と成就とは、何にもとづいて起るのですか。】(『経集』より)

【世の中で愛し好むもの及び世の中にはびこる貪りは、欲望にもとづいて起る。また人が来世に関していだく希望と成就とは、それにもとづいて起る。】(『経集』より)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「今年の葉 うづたかく散り この森の

        どの木の幹にも 冬日ぞあたる」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「束の間の 日だまりに生き 冬の蝶」千原叡子

〔和歌〕

「かれつもる ならのおち葉に をとすなり 

         風ふきまずる 夕暮の雨」

           進子内親王・風雅747

「枯れ積っている、楢の落葉に音がするのが聞える。風が吹き混ぜて来るのが、時折強く枯れ葉に当る、夕暮れの雨よ。」

・ふきまずる=吹き混ずる。風の中に雨がまじる意を、風が意図的に雨を混ぜて吹くように言いなした、京極派独特の表現。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈紅日 昭和十七年三月

  北満の戦陣にある若き人々に寄す〉

「みやこべを ながこふそらの いづくにか

         なきてわたらむ ひとむらのとり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままで、たいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月23日 (月)

般若寺 水仙花だより 12・23

《般若寺 水仙花だより》

お釈迦さまの教え。

【生き物を殺すこと、打ち、切断し、縛ること、盗むこと、嘘をつくこと、だますこと、邪曲を学ぶこと、他人の妻に親近すること、これがなまぐさである。肉食することが「なまぐさい」のではない。】(『経集』より)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「森の木の 幹立(もとだち)深く うづめつつ

        日温みたもつ 今年の落葉」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「湯豆腐の 湯気ちぎれとぶ 床几かな」館野翔鶴

〔和歌〕

「龍田川 ながるる水も このごろは

       ちる紅葉ゆへ おしくぞ有りける」

         法皇(後宇多院)御製・玉葉884

「ここ、龍田川では、平生は別に何とも思わず見ている流れる水も、初冬のこの頃は、川面に散り浮いて水と一緒に流れ去ってしまう紅葉のために、大変名残惜しく思われるよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈紅日 昭和十七年三月

  北満の戦陣にある若き人々に寄す〉

「みゆきふる かかるあしたを くもゐにか

         はうひきなづむ きみがおもかげ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままで、たいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

1218日、雨の中を有志の方々(10人)と中ノ川町と東鳴川町のごみ焼却場移転候補地を現地調査しました。中ノ川墓地と成身院(じょうしんいん)跡の石造文化財を巡拝して、奈良の山間地に残る貴重な文化財を守る必要性を再認識してもらい、実範上人のこと、進流声明(しんりゅうしょうみょう)の発祥地であることを説明しました。そこから候補地の山林をめぐりました。バス停「中ノ川東」(旧名:浄瑠璃寺南口)から北へ向かい坂を下っていきます。高度差50メートルを下りきると、養豚場があり道は途絶えていました。昔は多くの浄瑠璃寺ファンの人が通った道なのに惜しいことです。会津八一さんもこの道をたどって浄瑠璃寺へ行っておられます。仕方なく道を東へとると、ここが谷底であることを証明するように、川が流れています。地図を見て予想していたより多い水量です。川とそれに沿った道(旧伊勢街道)が府県境になっています。この谷の南斜面が焼却場の候補地ですから谷底のような地形に立地します。豊かな森林は切り払われることになり、下流の当尾西小(とうのにしお)地区の農地には泥水が流れて大きな影響を及ぼします。それと谷底に煙突を立てれば、排気ガスは拡散せず、周辺の山野に滞留してしまいます。最新の技術で人体への有害ガスを除去できても、排気ガスは出ますから自然生態系には大きな負荷を与えてしまいます。ここから浄瑠璃寺には300mです。豊かな森林の自然に守られて存続してきた平安の庭園、伽藍、仏像群などの文化財は、急激な環境悪化には耐えられないでしょう。千年以上の古道である旧街道からバス道へ出て、東鳴川の応現寺へたどり着きました。平安期の仏像、重文・不空羂索観音様にお目にかかる事はできませんでしたが、奈良の町から少し離れた山里に、自然にいだかれるようにひっそりと悠久の歴史が息づいていることに、参加者一同感慨ふかい思いに満たされた調査探訪行でした。

こんな素敵な山あいにゴミ焼却場を造るなんて、最悪の選択です。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月22日 (日)

般若寺 水仙花だより 12・22

《般若寺 水仙花だより》

お釈迦さまの教え。

【怨みをいだいている人々の間にあっても、怨むことなく、我らは大いに楽しく生きよう。

怨みをもっている人々の間にあっても、怨むことなく、我らは暮していこう。】(『法句経』より)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「雑木林の 黄朽葉ぬらす しぐれのあめ

        しづかに降りて 音の冷たさ」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「青畝忌の 葛城山に 雲ひとつ」渡辺政子

〔和歌〕

「しぐれゆく ただ一むらは はやくして

         なべての空は 雲ぞのどけき」

           従二位為子・風雅745

「時雨を落として行く、ただ一群の雲は風に乗って早く過ぎ去るが、全般の空では、雲は静かに動かない。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈紅日 昭和十七年三月

  北満の戦陣にある若き人々に寄す〉

「ながまもる とほきとりでに のぼるひの

         いやあかからし さむきあさけを」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままで、たいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

1218日、雨の中を有志の方々(10人)と中ノ川町と東鳴川町のごみ焼却場移転候補地を現地調査しました。中ノ川墓地と成身院(じょうしんいん)跡の石造文化財を巡拝して、奈良の山間地に残る貴重な文化財を守る必要性を再認識してもらい、実範上人のこと、進流声明(しんりゅうしょうみょう)の発祥地であることを説明しました。そこから候補地の山林をめぐりました。バス停「中ノ川東」(旧名:浄瑠璃寺南口)から北へ向かい坂を下っていきます。高度差50メートルを下りきると、養豚場があり道は途絶えていました。昔は多くの浄瑠璃寺ファンの人が通った道なのに惜しいことです。会津八一さんもこの道をたどって浄瑠璃寺へ行っておられます。仕方なく道を東へとると、ここが谷底であることを証明するように、川が流れています。地図を見て予想していたより多い水量です。川とそれに沿った道(旧伊勢街道)が府県境になっています。この谷の南斜面が焼却場の候補地ですから谷底のような地形に立地します。豊かな森林は切り払われることになり、下流の当尾西小(とうのにしお)地区の農地には泥水が流れて大きな影響を及ぼします。それと谷底に煙突を立てれば、排気ガスは拡散せず、周辺の山野に滞留してしまいます。最新の技術で人体への有害ガスを除去できても、排気ガスは出ますから自然生態系には大きな負荷を与えてしまいます。ここから浄瑠璃寺には300mです。豊かな森林の自然に守られて存続してきた平安の庭園、伽藍、仏像群などの文化財は、急激な環境悪化には耐えられないでしょう。千年以上の古道である旧街道からバス道へ出て、東鳴川の応現寺へたどり着きました。平安期の仏像、重文・不空羂索観音様にお目にかかる事はできませんでしたが、奈良の町から少し離れた山里に、自然にいだかれるようにひっそりと悠久の歴史が息づいていることに、参加者一同感慨ふかい思いに満たされた調査探訪行でした。

こんな素敵な山あいにゴミ焼却場を造るなんて、最悪の選択。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月21日 (土)

般若寺 水仙花だより 12・21

《般若寺 水仙花だより》

お釈迦さまの教え。

【すべての者は暴力におびえ、すべての(生きもの)にとって生命は愛しい。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ、殺させてはならぬ。】(『法句経』より)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「背戸畑(せどばた)の 白菊の花 紅(あか)みさし

       あはれことしの 秋もいぬめり」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「輪番に さびしき僧や びはの花」召波

〔和歌〕

「霜のしたの おち葉をかへす こがらしに

         ふたたび秋の 色をみる哉」

           平貞房・玉葉882

「霜の下になっていた落葉を吹きかえす木枯しによって、積った下にかくれてまだ朽ちていなかった紅葉が表面にあらわれ、再び秋の色を見ることよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈望遠 昭和十六年十二月

  十二月二十四日遠く征戌にある門下の若き人

  人をおもひて〉

「よをこめて かしぐあさげに こほろぎの

         あしまじりいて わらふひもあるか」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままで、たいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》(休みます)

1218日、雨の中を有志の方々(10人)と中ノ川町と東鳴川町のごみ焼却場移転候補地を現地調査しました。中ノ川墓地と成身院(じょうしんいん)跡の石造文化財を巡拝して、奈良の山間地に残る貴重な文化財を守る必要性を再認識してもらい、実範上人のこと、進流声明(しんりゅうしょうみょう)の発祥地であることを説明しました。そこから候補地の山林をめぐりました。バス停「中ノ川東」(旧名:浄瑠璃寺南口)から北へ向かい坂を下っていきます。高度差50メートルを下りきると、養豚場があり道は途絶えていました。昔は多くの浄瑠璃寺ファンの人が通った道なのに惜しいことです。会津八一さんもこの道をたどって浄瑠璃寺へ行っておられます。仕方なく道を東へとると、ここが谷底であることを証明するように、川が流れています。地図を見て予想していたより多い水量です。川とそれに沿った道(旧伊勢街道)が府県境になっています。この谷の南斜面が焼却場の候補地ですから谷底のような地形に立地します。豊かな森林は切り払われることになり、下流の当尾西小(とうのにしお)地区の農地には泥水が流れて大きな影響を及ぼします。それと谷底に煙突を立てれば、排気ガスは拡散せず、周辺の山野に滞留してしまいます。最新の技術で人体への有害ガスを除去できても、排気ガスは出ますから自然生態系には大きな負荷を与えてしまいます。ここから浄瑠璃寺には300mです。豊かな森林の自然に守られて存続してきた平安の庭園、伽藍、仏像群などの文化財は、急激な環境悪化には耐えられないでしょう。千年以上の古道である旧街道からバス道へ出て、東鳴川の応現寺へたどり着きました。平安期の仏像、重文・不空羂索観音様にお目にかかる事はできませんでしたが、奈良の町から少し離れた山里に、自然にいだかれるようにひっそりと悠久の歴史が息づいていることに、参加者一同感慨ふかい思いに満たされた調査探訪行でした。

こんな素敵な山あいにゴミ焼却場を造るなんて、最悪の選択です。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月20日 (金)

般若寺 水仙花だより 12・20

《般若寺 水仙花だより》

お釈迦さまの教え。

【すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺させてはならぬ。】(『ダンマパダ・法句経』より)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「夕闇の 妙心寺境内ゆくに 大建物(おほたてもの)

       くろぐろわれに のしかかりゐる」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「風音の 枯山吹の 音となる」稲畑汀子

〔和歌〕

「外山より しぐれてわたる 浮雲に

        木の葉吹きまぜ ゆくあらし哉」

          藤原為仲朝臣・風雅742

「外山の方から、時雨を伴って渡る浮雲の中に、散る木の葉をも吹きまぜて行く、強い風よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈望遠 昭和十六年十二月

  十二月二十四日遠く征戌にある門下の若き人

  人をおもひて〉

「シベリヤの おほかみむれて きこえくる

         のべのかりほに いねずかもあらむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままに、たいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月19日 (木)

般若寺 水仙花だより 12・19

《般若寺 水仙花だより》

お釈迦さまの教え。

【また全世界に対して無量の慈しみの意(こころ)を起こすべし。上に、下に、また横に、さえぎりなく怨みなく敵意なき慈しみを行うべし。】(『経集』より)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

*〔短歌〕

「夕かたまけ 水こりすめる 寺の池

         紅葉のこれる 冬木うつれり」

           木下利玄・一路

〔俳句〕

「あだし野や 顧みすれば 冬の暮」松根東洋城

〔和歌〕

「かれつもる もとのおち葉の うへに又

         さらに色にて ちる紅葉哉」

           従三位為子・玉葉880

「枯れ色になって積っている、元からの落葉の上にまた、更に紅の色を添えて散る紅葉よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈望遠 昭和十六年十二月

  十二月二十四日遠く征戌にある門下の若き人

  人をおもひて〉

「うつせみの いのちまさきく あらきのに

         いねてきくらむ こほろぎのこゑ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

(休みます)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月18日 (水)

般若寺 水仙花だより 12・18

《般若寺 水仙花だより》

釈迦牟尼仏陀の不殺生非暴力(平和)のおしえ。

【あたかも、母が己が独り子を命がけで護るように、そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、無量の(慈しみの)意(こころ)をおこすべし。】(『スッタニパータ・経集』)

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「西空の 雲に日かくれつ 寺の池

       冬木うつりて 水凝りすめり」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「おでん屋に 同じ淋しさ おなじ唄」岡本眸

〔和歌〕

「やまあらしに うきゆく雲の 一とをり

         日影さながら 時雨降るなり」

           儀子内親王・風雅731

「山嵐に吹かれて、浮きつつ流れ行く雲の、一しきり通り過ぎる下だけ、日ざしはそのままでありながら、時雨の降る音が聞える。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈望遠 昭和十六年十二月

  十二月二十四日遠く征戌にある門下の若き人

  人をおもひて〉

「ぼたんかう よのまもながれ やまざらむ

         ひとのまもらふ くにのきはみを」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月17日 (火)

般若寺 水仙花だより 12・17

《般若寺 水仙花だより》

春日若宮おん祭りの日です。午後から奈良の三条通で時代行列の「おわたり」があります。奈良では一年の最後で、最大のお祭り行事です。お天気に恵まれにぎわうことでしょう。

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。正月には満開を迎えそうです。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「落葉掃く 箒の音は 何辺(いづべ)かも 

築山紅葉の 夕冷えの光沢(つや)」

        木下利玄・一路

〔俳句〕

「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」芭蕉

〔和歌〕

「こがらしに このはのおつる 山郷は

         涙さへこそ もろくなりぬれ」

           西行法師・玉葉876

「木枯しに誘われて、木の葉のもろくも散り落ちる山里に住んでいる私は、涙さえも木の葉同様、もろくこぼれ落ちて仕方がないよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈望遠 昭和十六年十二月

  十二月二十四日遠く征戌にある門下の若き人

  人をおもひて〉

「みいくさは よとせをすぎぬ たちとりて 

         わがともがらの いでたちしより」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜のこと》

『西大寺叡尊伝記集成』(奈良国立文化財研究所編)の「解題」のつづき、

「また附録の上、下、二巻は、叡尊の没後に記された関係資料を収録しているもので、本篇に引用された原史料ほどに貴重ではないかもしれないが、またかなり参考に資するに足るものである。したがって、この行実年譜は、ずっと後年になって編集されたものとは云へ、叡尊の伝記としてもっとも詳しく、またかなり信用してよいものと思われる。しかし、これは何んと云っても後代の編集であるから、その記事のすべてが、学正記ほど正確だとは云い切れない。例えば、この年譜の康正元年(1256)の條に記されている愛染明王像は、その記載内容から見ると、現在の西大寺愛染堂の本尊と考えられ、従来この年譜の説が世に行われていたが、この愛染明王像の像内に納められていたいわゆる納入文書によると、これは宝治元年(1247)に造られたことが明らかで、そこにこの年譜の記載の誤りが指摘されるが如くである。

したがって、この行実年譜は、その点に多少の心を配りさえすれば、これが叡尊伝記としてもっとも詳しいものだけに、その利用価値にはかなり大きなものがあるように思われる。

 この行実年譜全五巻は、その原本にきわめて近い、善い写本を、現に西大寺に所蔵しており、またそのかなり古い写本を河内の教興寺にも伝えている。なお、この年譜の本篇だけは、大正四年(1915)に西大寺から刊行されたことがあったが、それも今は珍本になっている。

 西大寺所蔵古写本  冊子五冊一秩、竪九寸七分、横六寸八分」

(終り)

《南朝御聖蹟を顕彰する》(休みます)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月16日 (月)

般若寺 水仙花だより 12・16

《般若寺 水仙花だより》

昨日とり上げました、真言律宗々祖、西大寺興正菩薩叡尊(こうしょうぼさつえいそん)師の一代記である『行実年譜(ぎょうじつねんぷ)』の「解題」を下の項で紹介しています。今日と明日の二回です。

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「泉水に 公孫樹の黄葉(もみぢ) うつりをり

       ひろらのお庭の 夕静(ゆふしづ)をめぐる」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「めぐり来る 雨に音なし 冬の山」蕪村

〔和歌〕

「おちつもる もみぢ葉見れば 大井河

         ゐせきにとまる 秋に有りける」

           前大納言公任・風雅725

「見事に落ち積る紅葉葉を見ると、ここ、大堰河では、ああこれこそ(流れ去ってしまわずに)堰にとどまっている秋だったのだよと、と思われるなあ。」

・大井河=京都嵐山を流れる川、桂川の中流。

・ゐせき=井関。関。水の流れをせき止めた所。「秋をせき止めた」とみる趣向。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より

    十九年三月にいたる

 また東大寺の海雲師はあさなあさなわがため

 に二月堂の千手菩薩に祈誓をささげらるると

いふに〉

「みほとけの あまねきみての ひとつさへ

         わがまくらべに たれさせたまへ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜のこと》

『西大寺叡尊伝記集成』(奈良国立文化財研究所編)の「解題」によれは、

「 西大勅謚興正菩薩行実年譜

行実年譜とは、本篇三巻、附録二巻から成っているもので、ほぼ元禄年間(16881703)に、京都浄住寺の沙門慈光が編集したものである。

すなわち、その事は、本篇巻下の巻末に

 【(菩薩)一代の化儀、事蹟甚だ多し。其の煙没せんことを慮(おもんばか)り、粗(ほぼ)之を譜録す。其の余の旧記、諸寺の碑碣(ケツ、いしぶみ)、徧(あまね)く探り、悉く索(もとめ)ること能はず。後代の児孫、若し得る所有らば、則はち録して以て添補せよ。余嘗て貞享丁卯の夏、泉の大鳥山神鳳僧寺に於いて、始めて之を草稿し、今、元禄年間に至るまで三十余年、南北に履歴して事跡を探訪す。一つを得て一つを譜し、二つを獲て二つを録す。編集して文をなし、歷て三巻となす。又、因みに先覚筆する所の伝文記録等を附録して、是を二巻と為す。以て其の伝を広む。 洛西栗隈千代古道、通受菩薩戒沙門慈光、歓悦薫香して筆を陽月望日に絶つ。】(原文は漢文のまま)

とあるのによって、知ることが出来る。今、その内容を見ると、本篇の上、中、下の三巻は、やはり建仁元年(1201)の叡尊誕生から始って、正応三年(1290)八月二十五日の示寂までを、いわゆる編年体に組んだものであるが、その骨子をなしているのが感身学正記であることは云うを俟たない。しかしこの行実年譜には、叡尊願文などを主とする原史料を、かなり数多く、生のままで引用して、それ等をその年月日のところに挿入している。これが、この行実年譜を特色付けてもいるし、また非常に価値付けてもいる。そこに引用されている原史料で、他に見ることが出来ないものが、幾つかあるからである。」

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月15日 (日)

般若寺 水仙花だより 12・15

《般若寺 水仙花だより》

今日は秘密法はお休みします。

この秋から真言律宗宗祖であり、般若寺中興の上人でもある西大寺叡尊興正菩薩の一代記、『西大勅謚興正菩薩行実年譜』(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)を読んでいます。叡尊師には別に、半生の自伝『金剛佛子叡尊感身学正記』(こんごうぶっしえいそんかんじんがくしょうき。別名、『思圓上人一期形像記(しえんしょうにんいちごぎょうぞうき)』)という自伝的一代記があり、歴史学者の細川涼一氏が平凡社の東洋文庫で解説本を出しておられます。『行実年譜』は江戸時代の元禄年間に、京都葉室浄住寺沙門の慧日房慈光師が編集したもので、叡尊師の編年の事跡と時々の「願文」を収載していて、『学正記』にはない便利さがあります。これは真言律宗門徒にとっては、宗祖を学ぶ上で必須の教科書的な文献です。今まで誰も読み下しをしてこなかったのが不思議なくらいです。ただ大正4年(1915)に本篇のみを西大寺から刊行しているが、返り点と送り仮名を付しているだけのようです。(私は現物は未見)

本当なら真言律宗一門を挙げて取り組む大仕事だと思います。しかし待ってはいられないので自分で読み始めました。正直、この漢文は難解です。漢文の素養のない私がするには荷が重いしごとです。でもやります。今のところ、上中下、三巻の中巻まで進みましたので、年が明ければ本ブログで連載していく予定です。写本は西大寺と河内の教興寺に現存しますが、私が読んでいるのは、昭和31年奈良国立文化財研究所が刊行した『西大寺叡尊伝記集成』所収本をテキストとしました。全巻読破まで、菩薩への敬愛の念を込めて奮闘します。

いつも難しい文章ばかりのブログで読者様には申し訳なく、敬遠されているのではないかと恐縮しています。でも日本の仏教は千四百年の歴史の中で熟成されて現在に至ったものですから、難解であるからといって避けて通れば、宝の山へは到達できないでしょう。日々自分に言い聞かせています、一歩一歩の精進と。

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「掛茶屋の 秋の真西日 菊つくる

        背戸へぬけて見れば 土のつめたさ」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「紀の国の 北向く山も 櫁柑山」粟津松彩子

〔和歌〕

「夕時雨 あらしにはるる 高ねより

       いり日にみえて ふるこのは哉」

         よみ人しらず・玉葉865

「夕暮の時雨が強風に吹き払われて晴れて行く高い峰の梢から、入日の光にくっきりと見えて降り落ちて来る木の葉よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈病閒 昭和十八年十一月より

    十九年三月にいたる

 また東大寺の海雲師はあさなあさなわがため

 に二月堂の千手菩薩に祈誓をささげらるると

いふに〉

「あささむき をかのみどうに ひれふして

         ずずおしもむと きくがかなしさ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》(休みます)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月14日 (土)

般若寺 水仙花だより 12・14

《般若寺 水仙花だより》

政府が創設しようとする「共謀罪」は、何か犯罪が起こらなくても、「テロ」とみなした団体の会議や集会に参加するだけでも共謀したと見做されます。未遂や過失も罪となります。秘密法の「テロの定義」とつなげたら、ほとんどの社会的活動が対象になってしまい、「共謀罪」が適用されます。また、「愛国心」を防衛の法律に明記したら、政府を批判する言論など表現活動は「反日」、昔の言葉でいえば「非国民」「国賊」とみなされそうです。本来、愛国心や郷土愛は個人の心の問題です。これらは国から強制されて芽生えるものではありません。歴史の中で育まれた文化や宗教、伝統芸術、ことば、古典文学を愛好し、郷土の美しい山河、風景を大切にしたいと思う心は、人間の本性に根ざすこころばえです。国民を戦争にかりたてるための愛国心は偽物であり邪道です。

人間はだれでも過ちをおかすものです。過ちはひとから指摘されて直すことができますが、批判を許さない政治は奈落の底(戦争)へ落ちる運命をたどります。国民の皆様は、地獄への道づれを納得されますか。いやなら拒否してください、今ならできます。共同通信の世論調査では8割以上の人が現秘密法を認めていません。撤廃に向けて心を一つにし、声を上げましょう。

・秘密法と戦争の問題は、今後ともしっかり勉強して、随時とり上げたいと思います。お粗末でした。

〇水仙:≪三分咲き≫ 寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「秋の西日 田圃に照れり 郊外電車

       足穂の上に 影を走らす。」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「冬鵙の ゆるやかに尾を ふれるのみ」飯田蛇笏

〔和歌〕

「なにとなく 庭のよもぎも したおれて

         さびゆく秋の 色ぞかなしき」

           後鳥羽院御歌・風雅713

「何がどうという事もないのだけれど、庭に茂った蓬も下折れ、枯れ倒れて、物さびしい様子になって行く秋の風情が、まことに悲しいことだ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より

十九年三月にいたる

 正月十日奈良新薬師寺にて我がために息災の

 護摩をいとなまんとすと聞えければ〉

「もえさかる ごまのひかりに めぐりたつ

         十二のやしやの かげおどるみゆ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月13日 (金)

般若寺 水仙花だより 12・13

《般若寺 水仙花だより》

秘密保護法の対象は、

 防衛に関する事項、②外交に関する事項、③特定有害活動に関する事項、

④テロリズムに関する事項、です。①と②については、現行の「自衛隊法」や「公務員法」でも十分対処されているのに、ことさら秘密法を強行したのは、③④において国民の表現・言論の自由をはじめとする諸権利を制限し、政権を批判する者を取り調べの対象にしたかったのではないか、というのが大方の見方です。第12条にある、テロの定義では、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要」することとなっていて、「その他の主義主張」には、学問上の立場や環境論の主義主張とか、文学、音楽、演劇、宗教、などなど人間の精神的活動すべてが含まれてしまいます。要するに、お上にたて突くやから全てを捜査の対象にする、ということでしょう。戦時体制になれば個人の権利など無きに等しいことになりそうです。早く言えば、全体主義国家が出来上がるということです。旧ソ連や現在の北朝鮮と同じような不自由の国になります。

『秘密保護法の重大な欠陥』

5.国民の知る権利を阻害

・最高懲役10年で情報提供や内部告発の委縮

・特定秘密を扱う公務員と民間人に大規模な身辺踏査を実施

・国民や記者も「不当な行為」で処罰可能

・テロやスパイの定義緩く、過剰捜査の恐れ

・未遂でも唆(そそのか)し煽(あお)り名目で逮捕も

〇水仙:≪二・三分咲き≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「法隆寺村は 埴土(はにつち)しろみ 夕時雨

        駅まで遠し 田圃の畷(なわて)」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「侘助の ひとつの花の 日数かな」阿波野青畝

〔和歌〕

「ちりつもる 四方のこの葉に うづもれて

         秋みしみちは 面かげもなし」

           前中納言定資・玉葉860

「散って積る、あたり一面の木の葉にすっかり埋まって、秋に通って見たはずの道は全くどこともわからないようになってしまった。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈病閒 昭和十八年十一月より

十九年三月にいたる

 正月十日奈良新薬師寺にて我がために息災の

 護摩をいとなまんとすと聞えければ〉

「さちあれと はるかにならの ふるてらに

         たくなるごまの われにみえくも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

(休みます)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月12日 (木)

般若寺 水仙花だより 12・12

《般若寺 水仙花だより》

秘密法は今月13日に公布されます。施行は未定、半年先か1年先か分かりません。さらに「共謀罪」創設、安全保障戦略に「愛国心」明記と矢つぎ早、これから日本の政治は戦争に向かって一直線なんですね。

『秘密保護法の重大な欠陥』

3.情報公開は政府任せ

・秘密指定は5年ごとに延長可能

30年超えでも内閣の承認でさらに延長できる

60年超えも例外の拡大解釈が容易

4.国会の権利を行政が制限

・国会への情報提供のルール定まらず

・秘密保全策として国会論議を制約

・漏洩の議員には最高で懲役5

〇水仙:≪二・三分咲き≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「堂塔に 時雨の雨の 降りにふり

       夕ちかみくる 今日のわびしさ」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「月光に 冬菜のみどり 盛りあがる」篠原梵

〔和歌〕

「まどふかき 秋の木の葉を 吹きたてて

         また時雨ゆく 山おろしの風」

           後鳥羽院御歌・風雅707

「山家の窓辺を深くうずめる、秋の木の葉を吹き、舞い上らせて、又時雨を降らせながら過ぎ行く、山おろしの風よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より十九年三月にいたる

  中耳炎を発して読書談話を禁制せらるること

  また久しきに〉

「ものもはぬ つぼにありとも あさゆふに

         ひとのてふれに なるとふものを」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

(休みます)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月11日 (水)

般若寺 水仙花だより 12・11

《般若寺 水仙花だより》

126日付の毎日新聞に『秘密保護法の重大な欠陥』が5項目にまとめられています。今日から3回に分けて載せます。この法案はわざと分かりにくく書かれていて、「その他」「その他」でいくらでも拡大解釈できるようになっています。何が問題なのか、一人一人が吟味することが大事です。「まちがいをさがせ」ゲームのようです。

「1:恣意的で膨大な秘密指定

・全行政機関に指定の権限がある

・指定4分野は拡大解釈が容易

・首相や官邸がすべてをチェックするのは無理

2:チェック機能の不全

・有識者(諮問会議)は秘密の是非に立ち入れず

・第3者機関はメンバー独立性の保証なし

・行政の違法行為、失敗を秘密に指定する恐れ 」

〇水仙:≪二・三分咲き≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、銀杏、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「前に堂 横に塔あり 埴白き

       境内われ等を 容れてしづもる」

      木下利玄・一路

〔俳句〕

「家ありて そして水仙 畠かな」一茶

〔和歌〕

「ながきよの ね覚の窓に おとづるる 

         しぐれは老の ともにぞ有りける」

           刑部卿頼輔・玉葉848

「長い冬の夜、ふと目覚めて寝付かれない窓辺に、はらはらと音してかかる時雨は、孤独な老いの心をなぐさめる友であるよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より十九年三月にいたる

  中耳炎を発して読書談話を禁制せらるること

  また久しきに〉

「わがこころ ましろきつぼの ものもはず

         おとなきごとく ありかつましじ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

後南朝の歴史を知るために:

『後南朝史論集』16

写真目次

「〔本文挿入写真〕

・三ノ公、後谷と北股川との合流点・・・263

・三ノ公右岸の桟道を行く編纂会一行・・・264

・三ノ公八幡平の八幡社・・・265

・明神の瀧・・・266

・入之波神社に遷された三ノ公八幡社・・・266

・自天王御首載石・・・274

・大西助五郎碑・・・274

・橘将監墓・・・283

・南天皇の位牌並に阿弥陀仏板碑・・・289

・南天王御墓石宝殿・・・291

・三ノ公川の桟・・・328

・八幡平の皇居址・・・330

・明神の瀧前における編纂会の人々・・・338 

〔附図〕

川上村附近後南朝史蹟図 」

以上で『後南朝史論集』の目次紹介を終えます。

一度現地へ聖蹟巡拝してみたいです。しかし、これからの山岳地は厳しい冬を迎えます。きっと雪も積もるでしょう。三ノ公は吉野川の最上流にあり、冬場は行けない難所のようです。せめて神の谷の金剛寺へでも参詣できたらと思います。南天皇をしのぶ朝拝式は25日とのことで、最も寒いころです。五百年の昔に後南朝の方々が味わわれた境遇の厳しさを追体験するにはふさわしい時候ではないでしょうか。

 

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月10日 (火)

般若寺 水仙花だより 12・10

《般若寺 水仙花だより》

秘密反故法の凶行採決から三日たちました。国民の反対の声はますます大きくなっています。日本弁護士会の会長は、この法で逮捕者が出たら1000人の弁護団を組織してたたかうと宣言されました。学者の会は3180人以上が反対に連名されました。朝日、毎日、東京・中日新聞をはじめ全国の有力な地方紙も秘密法に反対しています。安倍内閣の支持率はあんのじょう急降下、来年は消費増税でもっと下がるだろうと予測されています。墓穴を掘りましたね、安倍さん。ご愁傷さまです。ご心配なさらなくとも冥途への引導は我々が渡してさしあげます。行き先が地獄か極楽かはヒ・ミ・ツ。

〇水仙:≪二・三分咲き≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、銀杏、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「塔の下 かわけるたたき わが傘の

       雫の跡を 印しけるかも」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「冬眠の はじまる土の 匂ひかな」小島健

〔和歌〕

「をく霜の 染めまがはせる 菊のはな

        いづれかもとの 色にはあるらん」

          貫之・風雅702

「置く霜がもとの白を所々紫に染めて、色をわかりにくくしてしまった菊の花よ。(霜の白と菊の白と)どれが本来の白菊の色なのだろうか。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より十九年三月にいたる

  中耳炎を発して読書談話を禁制せらるること

  また久しきに〉

「ものよみそ ものなかたりそ ものもひそ

         こころかそけく こもらせとこそ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

後南朝の歴史を知るために:

『後南朝史論集』15

写真目次

「〔本文挿入写真〕

・小倉宮實仁親王御墓・・・104

・室町幕府御教書・・・167

・忠義王判、自天王綸旨・・・173

・丹生屋正頼寄進状・・・177

・瀧川寺全景・・・182

・北山宮御墓・・・183

・自天王宝篋印塔銘拓・・・241

・河野宮御墓の傍に棄てられた三基の宝篋印塔・・・242

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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般若寺 水仙花だより 12・10

《般若寺 水仙花だより》

秘密反故法の凶行採決から三日たちました。国民の反対の声はますます大きくなっています。日本弁護士会の会長は、この法で逮捕者が出たら1000人の弁護団を組織してたたかうと宣言されました。学者の会は3180人以上が反対に連名されました。朝日、毎日、東京・中日新聞をはじめ全国の有力な地方紙も秘密法に反対しています。安倍内閣の支持率はあんのじょう急降下、来年は消費増税でもっと下がるだろうと予測されています。墓穴を掘りましたね、安倍さん。ご愁傷さまです。ご心配なさらなくとも冥途への引導は我々が渡してさしあげます。行き先が地獄か極楽かはヒ・ミ・ツ。

〇水仙:≪二・三分咲き≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、銀杏、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「塔の下 かわけるたたき わが傘の

       雫の跡を 印しけるかも」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「冬眠の はじまる土の 匂ひかな」小島健

〔和歌〕

「をく霜の 染めまがはせる 菊のはな

        いづれかもとの 色にはあるらん」

          貫之・風雅702

「置く霜がもとの白を所々紫に染めて、色をわかりにくくしてしまった菊の花よ。(霜の白と菊の白と)どれが本来の白菊の色なのだろうか。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より十九年三月にいたる

  中耳炎を発して読書談話を禁制せらるること

  また久しきに〉

「ものよみそ ものなかたりそ ものもひそ

         こころかそけく こもらせとこそ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

後南朝の歴史を知るために:

『後南朝史論集』15

写真目次

「〔本文挿入写真〕

・小倉宮實仁親王御墓・・・104

・室町幕府御教書・・・167

・忠義王判、自天王綸旨・・・173

・丹生屋正頼寄進状・・・177

・瀧川寺全景・・・182

・北山宮御墓・・・183

・自天王宝篋印塔銘拓・・・241

・河野宮御墓の傍に棄てられた三基の宝篋印塔・・・242

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月 9日 (月)

般若寺 水仙花だより 12・9

《般若寺 水仙花だより》

秘密法反対の運動をしてきた市民の間では、126日を「秘密の日」として、法の撤廃、ファッシズム政権の打倒を目標に、息の長い運動が始まりました。これからは、沖縄の辺野古新基地問題や、原発再稼働、TPP参加、集団的自衛権(アメリカの命じる戦争参加)、憲法改悪等々、いままでまがりなりにもあった平和と自由と民主主義を国是としたこの国の形を破壊する政治が蔓延しそうです。しかし、絶望はしておれません。子や孫の未来を暗くしないために、できるだけの努力をしましょう。御仏の広大な慈悲心を信じて。

〇水仙:≪二・三分咲き≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早まり、場所によっては五分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・もみじ、山吹、銀杏、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「岡本の 白埴(しらはに)浄し この此処に

       いにしへ人の 寺いとなみし」

         木下利玄・一路

〔俳句〕

「漱石忌 戻れば屋根の 暗きかな」内田百閒

〔和歌〕

「吹きすぐる ひばらの山の こがらしに

         ききもわかれぬ むら時雨かな」

           後嵯峨院御製・玉葉842

「吹き過ぎて行く、檜原の山一ぱいに響く木枯の音にまぎれて、降っているのかいないのか聞きわけられもしない、気まぐれな時雨よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より十九年三月にいたる

  中耳炎を発して読書談話を禁制せらるること

  また久しきに〉

「わがみみの そこのただれを ゆゆしみと

         くすしのことの あまたかなしも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

後南朝の歴史を知るために:

『後南朝史論集』14

この本の初めのほうに写真が載せられています。もちろんこの年代ですから白黒の写真です。写真はのせられませんが、目次だけ紹介します。

「 寫眞目次

〔アート写真〕

・自天王御所用御兜

・河野宮御墓

・自天王神社

・自天王碑々文拓本

・後醍醐天皇宸影

・自天王御所用御鎧袖

・金剛寺本堂

・北山宮御使用の鉗子火鉢火箸

・南帝皇一之宮自天王・二之宮忠義王御位牌

・御朝拝に参列する筋目の人々

・御朝拝の準備

・御朝拝式に開扉せられた自天王御所用御兜

・川上村大瀧龍泉寺における御朝拝式」

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の心ある人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして世界から尊敬される観光都市奈良と言えるのでしょうか、よく考えてください。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2013年12月 8日 (日)

般若寺 水仙花だより 12・8

《般若寺 水仙花だより》

今日は釈尊成道(じょうどう)の日、悟りを開かれた日です。同時に太平洋戦争開戦の日ともなっています。

昨日、毎日新聞の奈良版に、私が秘密法に反対を表明していることが記事で紹介されました。本ブログで時々意見を述べているだけで、大したことをしているわけではないのですが、記者の方は、奈良の宗教界では珍しいと見られたようです。私は日ごろから、僧として、仏戒を重んじてきた真言律宗の法灯に忠実でありたいと考え、過去の戦争で仏教界がおかした過ちをふたたび繰り返さない為に、釈尊の教えにしたがって、衆生の利益を第一に不惜身命の菩薩行に努めなければならないと信じているからです。どんな理屈をつけても合法的に人を殺す戦争は悪業です。その準備をしてはいけません。

京都の若き念仏僧、岸野亮哉さんは毎日、四條大橋のたもとで秘密法反対のアピール行動を続けておられます。今日も12時から13時まで立たれるそうです。時間が許せば応援してあげたいです。がんばれ、本物の仏教者。

〇水仙:≪咲きはじめ≫寒咲水仙・一重咲、八重咲。2万本。

今年は開花が早くなり、場所によっては3分咲きになっています。

・さざんか(山茶花):≪咲きはじめ≫

・まゆみ(檀)・南天の実:≪色づく≫

・栗、もみじ、けやき、山吹、銀杏、くぬぎ:≪黄葉、紅葉≫

〔短歌〕

「岡もとの 白埴きよみ 千年経し

        三重の塔の 立ちのさやけさ」

          木下利玄・一路

〔俳句〕

「山茶花は 咲く花よりも 散ってゐる」細見綾子

〔和歌〕

「夜もすがら ひかりは霜を かさぬれど

        月にはきくの うつろはぬかな」

          源光行・風雅700

「一晩中、冷たくさす月光は、菊の花の上に霜を重ねて置いたように見えるけれど、月のせいでは、菊は色を変える事をしないものだなあ。」

・うつろはぬ=「うつろふ」は白菊が霜にあって紫に変色する事。月光は霜に似るが霜ではないので、菊は変色しない意。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』『山光集』より》

〈病閒 昭和十八年十一月より十九年三月にいたる

  十一月二十一日なら寄り帰り来たりその夜より

  病みふして立つ能はざること五箇月に及べり

  そのいとまいとまに詠める歌〉

「うつしみは まもらひゆかむ いまだよに

         なすべきことの ありとにかあらむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《南朝御聖蹟を顕彰する》

後南朝の歴史を知るために:

『後南朝史論集』13

後南朝史編纂会事務長 福本定郎氏の跋文を紹介します。

「 又本書は、最初の計画では、A判300頁内外、写真・挿図15葉の予定であったが、執筆陣に福尾・中川・近藤の三先生が新たに加わられたのと、二度とできることでないから、できるだけ良いものにして置きたいという意欲が強く働いたために、頁も350余頁となり、挿入写真も33葉となった。そのために、初めは一部定価600円で頒布するつもりのものが、一部定価800円となった。最初から購入を予約された方々にはご迷惑をかけたが、この堂々たる一巨冊を、自天王さまの御命日に、お墓の前にお供えできることは、私の欣快至極とするところである。

 予定の執筆者中、京都大学教授猪熊兼繁氏は、故障のため終に御執筆いただけなかったが、氏の担当分は、瀧川博士が代って執筆せられた。「川上村朝拝記」は、初め辰巳藤吉翁に御執筆願うつもりであったが、都合で福島宗緒氏に執筆してもらい、辰巳翁には翁自身の体験にもとづいて、明治45年の「北山・河野二宮御墓御治定一件顛末」を執筆していただいた。最初に予定せられた岸田日出男氏の「後南朝要地図」を本書に収め得なかったことは、私の最も遺憾とするところである。岸田氏はどう感違いせられたのか、後南朝史蹟の研究に専ら精力をそそがれ、吉野の地理・地勢・交通路のことには殆ど触れられなかったので、その原稿は本書に入れられなかったので、その原稿は本書に入れることができなくなった。期限が切迫しているため、別に地理学の大家にお願いして執筆していただくわけにもゆかず、歯が欠けたようなものになってしまったことは、返すがえすも遺憾である。兵学の大家にお願いして、軍事上から見た川上・北山の価値について述べていただきたいと考えていたが、これはその人を得ずして罷んだ。この二点は、本書の大なる瑕瑾であって、将来再版の機会でもあらば、この二編を補いたいと考えている。史籍解題及び年表は、頁数の関係から、已むなくこれを省いた。乞う、読者これを諒とし給へ。

 村田正志・佐藤虎雄・川勝政太郎の諸先生は、本書に御執筆の必要上、本村及び上北山村の後南朝史蹟を調査するために、本村に来村せられ、その御案内には、村役場の戌亥一二三書記が当たられた。また川上村助役兼教育長米田英一氏は、村の援助費のことや、本会の会計について、並々ならぬ努力をして下さった。茲に記して両氏の御厚意と御労苦とを感謝する。

  昭和三十一年十一月

   後南朝史編纂会事務長 

         福本定郎 」