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2014年4月

2014年4月30日 (水)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・30

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

昨日からの雨でコスモスは丈が伸びたようです。50センチ近いのもあり、花数も増えてきました。白とピンクの模様がついて多彩な花柄のピコティにつづいて、スーパービッキーの大きな花、形の整ったソナタ、筒状花のシーシェルなどが咲いています。

・白山吹:≪見ごろ≫

・椿:≪満開すぎました≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪満開≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪見ごろ≫

・大てまり、牡丹、ツルニチニチソウ:≪見ごろ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈毛野の山〉

「我妹子(わぎもこ)が こもらふ里を 近みかも

        春草のびず 山に雪あり」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「大和路や 翌(あす)なき春を なく烏」

〔和歌〕

「とどまらぬ わかれのみかは 花鳥の

         なごりにつけて おしき春哉」

           平宗宣朝臣・玉葉273

「止めても止まらぬ季節の別れだけですむことだろうか。それどころか、花や鳥との別れの名残、一つ一つにつけて、惜しまれる春であるなあ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈大仏讃歌〉

「ひむがしの やまべをけづり やまをさへ

         しぬぎてたてし これのおほてら」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》108

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「十月廿四日、重ねて西大寺に結界す。菩薩、羯磨(こんま)を秉(へい)し、答法は総持律師なり。唱相は幸尊律師なり。菩薩の表白に曰く、

・結界=教団の僧尼の秩序を保持するために、ある一定地域を限ること。特に受戒や布薩などを行うために作法を行って大界、戒場、小界などを定める。」

・羯磨=弁事、作法と訳され僧伽(教団)の行事執行を言う。

・秉=手にとる。羯磨師をつとめる。

・答法、唱相=羯磨と共に結界作法の配役。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Dsc02363

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2014年4月29日 (火)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・29

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪終わりました≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開すぎました≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪満開≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪見ごろ≫

・大てまり、牡丹、ツルニチニチソウ:≪見ごろ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈毛野の山〉

「上つ毛の 春草山の 塩の湯の

       永久(とわ)にし涌くを 我は歎くも」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「白髪(しらが)同士(どし) 春ををしむも ばからしや」一茶

〔和歌〕

「むらさきの 藤さく比の 朝ぐもり 

         つねより花の 色ぞまされる」

           前大僧正覚円・風雅285

「紫の藤が咲く頃の、朝の少し曇った空よ。それを背景にすると、普段の晴天より一層、花の色がすぐれて見えるよ。」

・朝ぐもり=朝のうちの曇り空。青空のもとでは藤の紫色はむしろ打消されがちであり、薄曇りの方が引き立って見える。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈観音院〉

「てらにはの ひるはしづけし みずみてて

         いしにすゑたる みんげいのかめ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》107

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(文永)三年丙寅(ひのえたつ)

菩薩、六十六歳。春二月八日、天王寺に在り、衆の為に説法したまふ。時に聴衆の中に、菩薩の仏身を現して大光明を放つを見る者有り。合掌恭敬し、歓喜頂礼して、南無思圓佛と称す。予、隨覚鏡慧公の神託記を按ずるに、曰く、一時(あるとき)、三輪明神、七歳の童女に附して空に騰(あ)がること高さ七尺、喜躍(きやく)して已まず。傍らの人怪しみて問う。何すれぞ其れ然るや。童女曰く、霊鷲(りょうじゅ)の釈迦、雞足(けいそく)の迦葉(かしょう)、身を此の方に現じて、説法度生することを喜ぶ故なり。又問いて曰く、其れ誰が為か、応(こた)へて曰く、西大寺思圓上人(叡尊)、般若寺慈道公(信空)是也。加えて十六羅漢、跡を上人の門に垂る。故に彼の徒弟と称する者、多くは是れ霊山結縁の衆なり。ここを以て之を推すれば、則ち菩薩は、乃(いまし)釈迦の応化にして、凡庸に非ず。断じて信ずべし。十一日、法華寺に至る。菩薩戒を八十余人に授く。継いで和の磯野極楽寺に届き、菩薩戒を一千五百十八人に授く。十九日、河の西琳寺に赴き、又菩薩戒を二百三十余人に授く。」

・喜躍=よろこびおどる。

・霊鷲=霊鷲山。ギジャクッセン。仏陀が説法された地。

・雞足の迦葉=仏陀の十大弟子の一人。頭陀第一。清廉な人格者で仏陀の信頼厚く佛入滅後教団の統率者となり第一回の仏典結集を行う。雞足山に入り入定した。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Dsc02376

 

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2014年4月28日 (月)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・28

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪盛りをこえています≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開すぎました≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪満開≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪見ごろ≫

・大てまり、牡丹、ツルニチニチソウ:≪見ごろ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈毛野の山〉

「ひむがしの 道のはてなる 毛野(けぬ)の山

         草さへ萌えて また逢はめやも」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「是からも 未(ま)だ幾かへり まつの花」一茶

〔和歌〕

「はなもちり 鳥もかへりぬ あはれてふ

         ことをあまたに くるる春哉」

           大僧正道玄・玉葉272

「花も散り、鶯も谷の古巣へ帰って行ってしまった。古今集の歌に云う通り、「ああ・・・」と歎くことを実に沢山重ねて、暮れて行く春よ」

 

 

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』より、奈良愛惜の歌。》

〈観音院〉

「むかしきて かたりしそうの おもかげの

         しろきふすまを さりがてぬかも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》106

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「又、導師行ずる所の光明真言念誦次第一冊並びに開白結願の作法等、菩薩皆な之を製作して、以て恒軌と為す。爾るより以来今時に至るまで、既に五百年に垂(なんなん)とす。然りと雖も、法会相続して絶ゆること無し。貴と無く賤と無く、男と無く女と無く、会場に雲集し、結縁窮まり無し。加うるに、開白の古へ自り、以て当今に臻(いた)るまで、上は天皇妃嬪(ひひん)公卿太夫自り、下(し)も農夫職女に及び、並びに諸宗の高僧碩徳等、霊簿に交締(こうてい)して其の法澤(ほうたく)に預かる者、幾憶万人ということを知らず。菩薩広大に願力の及ぼす所、亦遠からずや。冬十二月、胎蔵界頸次第第一帖を製す。」

・妃嬪=妃(きさき、天子の第二夫人)と嬪(つま、貴人のそばに仕える女性、側室)

・交締=まじわりむすばれる。

・法澤=のり(仏法)のめぐみ。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Dsc02359

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2014年4月27日 (日)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・27

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開すぎました≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開すぎました≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪満開≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪見ごろ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・大てまり、牡丹:≪咲きはじめ≫

*〔短歌〕

〈山国の春〉

「旧道の のぼりくだりを 行きしかば

       雉子(きぎす)鳴くもよ 草山の上に」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「雨あがり 朝飯過の やなぎ哉」一茶

〔和歌〕

「年ごとに 春をもしらぬ やどなれど

        花さきそむる 藤もありけり」

          前大納言公任・風雅284

「来る年ごとに、めでたい春をも知らぬかのようにひっそりと暮らしている家だが、(又よい事もあるかして)花の咲きはじめる藤もあることだ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈歌碑〉

「ともとわが おりたつてらの にはのへに

         せまりてあをき たかまどのやま」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》105

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「菩薩滅後、八月に之を勤む。故に慈眞和尚(じしんわじょう)此の文の後ろに跋書して曰く、

 

【抑(そもそも)今の願文は、法会始行の後、翌年之を草す。季秋九月上旬四朝を以て、開白の日と為して、勤め来たること尚(ひさ)し。而るに先師帰寂の諱辰(きしん)鄰近となれり。此の七日七夜の勤行を促して、彼の追修追福の恵業に擬す。仍(すなわ)ち恒例の式日を改めて、以て遠忌の佳期に代ふ。然る間、時節は天気と、聊か文意に背く。霜葉と風松と、寔(まこと)に人の迷いを起すものか。衆疑を除かんが為、此の一言を加ふるのみ。 已上跋文 】」

・慈真和尚=慈道房信空。興正菩薩の高弟。般若寺中興第一世長老、菩薩遷化後、西大寺第二世長老となる。諸国国分寺を末寺とし復興する。真言律宗西大寺教団の隆盛に貢献した。

・先師帰寂の諱辰=興正菩薩の御忌日、正応三年八月二十五日(新暦1290929日)。

・鄰近=本願称徳上皇の御忌日は神護景雲四年八月四日(新暦770828日)

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月26日 (土)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・26

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開すぎました≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開すぎました≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪満開≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪見ごろ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

・大てまり、牡丹:≪咲きはじめ≫

*〔短歌〕

〈山国の春〉

「山なかに 下駄はきかえぬ 萱草(くわんざう)の

        ここだ芽をふく 日向に疲れて」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「振り替わる 柳の色や 雨あがり」一茶

〔和歌〕

「花はちり 鳥はまれなる 比にしも

        さくやまぶきは 心ありけり」

          前大僧正仁澄・玉葉271 

「桜は散り、鶯の声もほとんど聞かれなくなってしまった頃に、ちょうど咲く山吹は、いかにも思いやり深い感じだなあ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈歌碑〉

「いしぶみに きざめるうたは みほとけの

         にはにはべりて のちのよもみむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》104

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「仏法、厥(それ)が為に専ら恢弘(かいこう)する者か。弟子等、上求下化(じょうぐげけ)の外、何の慮(おもんばかり)か有らん。自らを忘れ、他を救ふの余り、他念無し。於戯(ああ)一日持斎す。六十万載の資糧有り。矧(いわん)や諸戒を全うするに於いてをや。斯の禁戒律儀を守って、光明真言を称念す。誰か隨喜せざらん、誰か慇懃(いんぎん)ならざらん。惣じて之を言はば、仏道の為、法界の為に修す。身の為に修せず。世尊若し納受したまはば、衆生悉く解脱せん。仰ぎ願わくは、当寺本尊に伏して乞う。十方の諸仏、哀愍聴許し、知見証明したまえ。昔、釈苑公七日七夜の斎会、仙鶴忽ち其の庭に化現す。今、仏弟子七日七夜の慧薫、仏陀定めて此の砌に影向したまふらん。精誠(せいせい)惟(これ)同じくとも、玄応(げんのう)猶勝らんのみ。乃至、発因起縁、成順成逆、皆七朝の善根を以て、将に来世の張本となる。我等、衆生と皆共に仏道を成ぜん。敬って白す。

  文永二年九月四日   西大寺沙門等敬白 已上願文 】」

・恢弘=ひろいこと。大きくしおしひろめること。

・上求下化=上求菩提、外化衆生。

・慇懃=ねんごろなこと。ていねいなこと。

・釈苑公=不明。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月25日 (金)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・25

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

本日は当寺御本尊文殊師利菩薩の「御会式」です。午後一時半から本堂で真言律宗各寺院御僧侶による法要を勤修します。文殊菩薩様のお徳をたたえ衆生の御利益を願い、一天四海の安穏豊饒を祈ります。

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿、八重桜:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈春の山〉

「小林(をばやし)の 木ぬれをくぐる 春鳥の

    敏(はや)きおこなひも 愛(めづ)らし我妹(わぎも)」

      島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

 「春風や 牛に引れて 善光寺」一茶

〔和歌〕

「やまぶきの 花の露そふ 玉河の

         ながれてはやき 春の暮哉」

           後鳥羽院御歌・風雅281

「山吹の花に置く露も加わる、清らかな玉川の流れの早さのように、月日もとどまらず流れて、早くも迎えた春の暮であるなあ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈歌碑〉

「めぐりゐて ともとわがみる まなかひに

         いしぶみあをく あらはれたつも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》103

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「方(まさ)に今、季秋四朝を以て、開白の初日と為す。本願聖霊(称徳天皇)上生の忌辰なり。仏身の相好を資(たす)く。釈提桓因(しゃくだいかんいん)南嚮(なんきょう)の良曜なり。天眼の照鑒を仰ぐ。時に地形奇絶、清涼地を蹈むが如し。天時晃朗、兜率天に昇るを省く。霜葉の禅窓に飄(ひるがえ)る。麟喩独覚の観に叶ひ、風松の佛閣を繞(めぐ)るなり。遙かに龍葩三会(りゅうはさんね)の期を契る。此(ここ)にして善を修す、其れ悦びならずや。勤行の次第、道場の荘厳、種々の法式、一々甄(けん)録す。其の雅趣を守って、永く失墜すること勿れ。彼の栴檀林に入るの者は花の粧(よそおい)身に薫ず。崑崙嶺(こんろんれい)を過ぐるの者は、玉の色歩みに隨う。法の染着、亦復只且(かくばかり)なり。弟子等、慧苑の凡聚、禅樹の枯株なり。佛日西に蔵(かく)れて、二千余廻り。律炬(りっきょ)の消えんとするを挑(かか)ぐ。法水東に漸(すす)んで、幾許(いくばくばかり)の歳ぞ、戒流の涸れんとするを導く。本朝に於いて廃失すと雖も、我が寺に於いて聊か興隆す。正法茲に繇(より)て、弥(いよいよ)繁昌なり。」

・釈提桓因=帝釈天。梵天と共に仏法の護法神。

・南嚮=南向き。

・麟=麒麟。聖人。

・龍葩三会=龍華三会。弥勒菩薩がこの世に下生して、華林園の龍華樹下で説法するという会座。三回にわたるので龍華三会、弥勒三会とも。

・律炬=戒律の法灯。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月24日 (木)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・24

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿、八重桜:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈春の山〉

「萱の芽の 青芽の伸びを 踏みのぼる

        春の円山は おもしろきかも」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「としよりの 追従わらひや 花の陰」一茶

〔和歌〕

「桜ちり 春のくれ行く 物思ひも

       わすられぬべき 山吹の花」

         皇太后宮大夫俊成・玉葉270

「桜が散り、春が暮れて行くのを惜しむ憂鬱さも、思わず忘れてしまいそうな程美しい山吹の花よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈奈良の新薬師寺を思ひいでて〉

「すめろぎの おほきめやみを かしこみと

         とほききさきの たてまししてら」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》102

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「寔(まこと)に是れ、菩薩普賢の願海は、如来清浄の法輪なり。茲に因り、七日七夜の光陰を卜し、瑜伽瑜祇の壇場を賁(かざ)り、一結衆をして不退の行を勤めしむ。去歳より始めて、未来際を限る。其の意如何(いかん)となれば、律法中興より以降、勤修する内衆の徒ら、若干の亡霊、佛道を増進し、兼て復た、曾て共に一塗に遊び、同じく一室に禅せし所、近年の際、索然として已に盡きぬ。凡そ此の眞門に入るの侶(ともづれ)、更に名利を抛(なげう)つ。此の貧道に伴うの彙(たぐい)、豈に財宝を蓄えんや。没後の追福に於いては衆中の救助を恃(たの)む。中陰一廻の間、懇篤に似たりと雖も、世を下り歳を累(かさね)るの後、頗る以て等閑(とうかん)なり。乃ち此の別行を営んで、永代の作善と為す。出家の五衆八斎戒の輩、幷びに此の衆等の恩所、当寺の大檀那、浄仏土に於いて再会を期せんが為に、名字を過去帳に載する所なり。加うるに、六道四生は皆な是れ劫々の父母なり。鉄囲沙界(てっちしゃかい)は世々の朋友ならざるは莫(な)し。彼を思って楚痛(そつう)し、我が為に慇憂(いんゆう)す。昭々乎(しょうしょうこ)として六度(ろくど)の舟を艤(ふなよそおい)し、游々焉(ゆうゆうえん)として三覚(さんがく)の岸に登る。廻施(えせ)は貮(ふたつ)無く、出離は疑いなし。」

・等閑=なおざり。おろそか。

・鉄囲沙界=須弥山の周りの四洲の外海をかこむ九山の鉄でできた山、鉄囲山と、ガンジス河の砂ほどもある無数世界、恒河沙(ごうがしゃ)世界。

・楚痛=いたみくるしむ。

・慇憂=いたみうれえる。

・昭々乎=明らかなさま。

・六度=六波羅蜜。

・游々焉=うかびながら。

・三覚=仏におけるさとりの三つのあり方。自覚(自らさとること)、覚他(他をしてさとらしめること)、覚行究満(さとりが完成すること)。

・廻施=廻向と布施。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月23日 (水)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・23

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿、八重桜:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草、紫雲蘭:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈椿の木〉

「真白なる 布団の上に 只ひとつ

        椿の花の こぼれて久しき」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「春雨に 大欠(おほあくび)する 美人哉」一茶

〔和歌〕

「河の瀬に 秋をやのこす もみぢ葉の

        うすき色なる やまぶきの花」

          順徳院御歌・風雅276

「川の早瀬に、過ぎ去った秋を残しているのだろうか。紅葉の薄い色とそっくりの、山吹の花よ。」

・もみぢ葉のうすき色=やや赤みがかった黄色。くちなし色。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈これより奈良の諸刹をめぐる〉

「ゆくとして けごん三ろん ほつさうの

         あめのいとまを せうだいにいる」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》101

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【 西大寺光明真言会願文

南部州(なんぶしゅう)大日本国西大寺、臥雲(がうん)の沙門叡尊等、至心に合掌して異口同音に、一切の仏宝に帰依し、一切の法宝に帰依し、一切の僧宝に帰依して言(もう)さく。夫れ、不空羂索毘廬遮那大灌頂光明真言は、我が本師釈迦如来、因位の昔、持念の時、無量無数の光明を放ち、三千大千の世界を照らし、一切の魔軍を降伏し、一切の衆生を濟度し、玆の神呪の力を藉(か)りて、純(もっぱ)ら佛果の位を証す。夫然(かくのごとくならば)則ち、法界智の所依と為る也。月は大円鏡の輝きを添え、平等性の無垢を得る也。露は摩尼珠の色を瑩(みが)く。大悲観自在尊、此の真言を説いて、以て白毫を眉間に耀かす。毘廬遮那如来、又此の真言を説いて、以て宝光を頂上に灌(そそ)ぐ。何ぞ況や衆罪悉除す。朝日の霜露を消すに相同じ。巨富飽き足りて、還って暁雲の虚空に浮ぶを咲(わら)ふ。凡そ厥(そ)の利益、勝って図るべからず。是を以て、青丘(せいきゅう)元暁大師(がんぎょうだいし)の問答肝に銘じ、西方須摩題(しゅまだい)国の往生、憑(たの)み有り。十悪五逆の群類、三途八難の衆生、悉く土砂加持の徳を蒙って、宜しく金刹安養の境に託すべし。」

・南部州=南贍部洲。閻浮提(えんぶだい)の異称。須弥山の南方にあるとされる島で人間の住む世界。諸仏に出会い仏法を聞くことが出来る洲、人間世界全体、現世をさす。

・臥雲=仕官しないで、隠者生活をする。遁世(とんぜ)僧。

・青丘=朝鮮の異称。

・元曉大師=ゲンギョウとも。新羅の僧。

・須摩題=スカーヴァティー。極楽。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

P1130831

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2014年4月22日 (火)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・22

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿、八重桜:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪咲きはじめ≫

・紫雲蘭、山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈椿の木〉

「椿の蔭 をんな音なく 来りけり

       白き布団を 乾しにけるかも」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「春風や 猿もおや子の 湯治哉」一茶

〔和歌〕

「やへにのみ ありと見えつる 山吹の

         ここのへちかく さきにける哉」

           壬生忠見・玉葉269 

「八重だとばかり思って見ていた山吹が、まあ九重の宮中近く咲いたことよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈開山堂なる鑑真の像に〉

「とこしへに ねむりておはせ おほてらの

         いまのすがたに うちなかむよは」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》100

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

(文永)二年乙丑(きのとうし)

菩薩、六十五歳。四月八日、興福寺孝恩院に届き、菩薩戒を五十余人に授く。閏四月廿六日、応理宗戒図本文集釈文鈔二巻並びに科節を撰述して、筆を此の日に絶つ。五月三日、菩薩戒経釈文鈔一巻並びに科文を撰著す。十二日、菩薩戒羯磨文釈文鈔一巻並びに科節を述作す。此れ皆な偏に、正法久住利益有情のため、力(つと)めて之を撰述したまふなり。九月四日、重ねて光明真言会を啓き、因りて性海比丘に命じて、甄録(けんろく)一巻を著わしめ、以て後代の亀鑑(きかん)とす。又願文を筆して、志趣を述ぶ。其の願文に曰く、

・応理宗戒図本文集釈文鈔=日本大蔵経第四十巻「大乗律章疏七」に所収。

・菩薩戒経釈文鈔=日本大蔵経には収録されていない。

・菩薩戒羯磨文釈文鈔=日本大蔵経第四十巻所収。

・甄録=順序だてて明らかにした記録。

・亀鑑=かがみ。手本。模範。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

P1130825

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2014年4月21日 (月)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・21

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪咲きはじめ≫

・紫雲蘭、山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「やうやうに 起きあがり得し 汝(な)がからだ

         撓(し)ぬのつかれを 帰らしむるか」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「なまけるな イロハニホヘト 散桜」一茶

〔和歌〕

「やまぶきの 花のさかりは かはづなく

         井でにや春も たちとまるらん」

           中務・風雅272

「山吹の花の盛りには、蛙の鳴く井手の玉川のほとりに、去ろうとする春も暫くは立ちどまることだろう。」

・井で=山城の歌枕、井手。山吹とカジカの名所。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈法華寺本尊十一面観音〉

「ふぢはらの おほききさきを うつしみに

         あひみるごとく あかきくちびる」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》99

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「秋九月、諸州の徒僧を招き集め、初四日、本願天皇の忌辰(きしん)より七日七夜を卜して不断光明真言会を啓(ひら)き建つ。衆僧は同音に、光明真言を諷誦(ふうじゅ)し、導師は高座に巍座(ぎざ)して秘法を勤修す。所生の功徳を以て、普く広く、已に命過ぐる所の同法同侶、法子法孫の行願圓満、速証菩提に廻向し、総じては、大小檀越幷に法界群類、生死を出離し、仏国に往生せんが為に、之を廻向す。即ち門葉に告げて、永く寺軌と為す。」

・本願天皇=西大寺開基の称徳天皇(孝謙天皇)。

・忌辰=御命日。忌日。

・諷誦=フジュとも。経または偈を声をあげて読むこと。

・巍座=巍は高い意。礼盤に登壇、結跏趺坐すること。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

P1130805

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2014年4月20日 (日)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・20

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪咲きはじめ≫

・紫雲蘭、山アジサイ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「落葉松(からまつ)の 萌黄の芽ぶき けぶりつつ

     日はたけなはと なりにけるかも」

       島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「散花(ちるはな)も つかみ込けり ばくち哉」一茶

〔和歌〕

「さきいづる やへやまぶきの 色ぬれて

         桜なみよる 春雨の庭」

           従三位為子・玉葉266

「咲きだした八重山吹の色が、雨にぬれて一そう濃く、庭面を流れる雨水に散り浮いた桜の花びらが波のように揺れ動く、春雨の庭よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈地獄谷にて〉

「いはむろの いしのほとけに いりひさし

         まつのはやしに めじろなくなり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》98

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「二月、徒僧の翰墨(かんぼく)に工(こう)なる者、六百人を簡択(かんたく)し、各々に大般若経一部を書かしむ。全部已に成って四王堂に就き講讃転読して、恭しく為に今上皇帝、太上天皇の聖寿万歳を祝延したてまつる。又大檀主幷びに諸大眷属の睿算(えいさん)を資倍(しばい)したてまつらんが為、兼ては大小衆僧、般若花開き、菩提果熟して、仏家の棟梁として大いに人天の知識と作(なら)んことを願う。総じては、一天安穏、四海泰平、風面(雨ヵ)順時、五穀成就、正法久住、利益無窮ならんことを禱(いの)る。」

・翰墨=筆と墨。写経をさす。

・簡択=えらぶこと。

・今上皇帝、太上天皇=亀山天皇と後嵯峨上皇。

・叡算=天子の年齢。ここでは大檀主、北条時頼をさすか。

・資倍=倍することをたすく。長寿をまっとうする。

・知識=正しく教え導く指導者。善知識。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月19日 (土)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・19

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪ちらほらと咲き始めました≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

〇山吹:八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開≫

・シャガ、日本桜草、踊子草:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪咲きはじめ≫

・、紫雲蘭:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「お互に よわきからだは 十年の

       ながき命を 信ぜんとすも」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「山吹や 先(まづ)御先へと とぶ蛙」一茶

〔和歌〕

「ひとしきり 吹きみだしつる 風はやみて

         さそはぬ花も のどかにぞちる」

           前大納言為兼・風雅228

「一しきり、花を吹き乱していた強風は止んで、風に誘われない花びらも、今はおのずからのんびりと静かに散っている。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈帝室博物館にて〉

「つといれば あしたのかべに たちならぶ

         かのせうだいの だいぼさつたち」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》97

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「文永元年甲子(きのえね) 改元二月廿八日

菩薩、六十四歳。正月二日、更に応理宗戒図(おうりしゅうかいず)を製す。其の跋に曰く、時に弘長四季(年)歳次甲子、正月二日、大和州釈迦遺法比丘叡尊、西大寺に於いて録すと。以上跋詞。

 継いで其の本文を集め、号して応理宗戒図本文集と曰ふ。同じく之を太上皇に上(たてまつ)て、以て其の勅命を塞ぐ。上皇、褒称(ほうしょう)して厚く其の労を慰む。」

・応理宗戒図本文集=法相宗の戒の構図。瑜伽師地論の第四十、第四十二、第七十五の要文からなる。瑜伽の九種戒、三聚浄戒を説く。三聚浄戒の摂律儀戒には四分律の七衆別解脱律儀をもちい、摂善法戒、摂衆生戒は「菩薩地」戒品(『菩薩地持経』)にもとづく。

・太上皇=後嵯峨上皇。

・褒称=ほめたたえること。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月18日 (金)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・18

 《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

〇山吹:一重咲≪散りはじめ≫

八重咲≪満開≫

白山吹≪見ごろ≫

・椿:≪満開≫

・シャガ、日本桜草:≪見ごろ≫

・花菱草、踊子草、矢車草:≪咲きはじめ≫

・、紫雲蘭:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「十年の 行くへ思へば 南無大悲

  現(うつ)し命(いのち)を 死なしむなゆめ」

      島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「藤さくや 木辻の君が 夕粧(よそほ)ひ」一茶

〔和歌〕

「やへにほふ 花をむかしの しるべにて

         見ぬ世をしたふ ならの故郷」

           前大僧正範憲・玉葉187

「八重に咲き匂っている桜花を、その昔への道案内として、見たこともない過去の華やかな歴史に思いあこがれる、奈良の古い都よ。」

・見ぬ世をしたふ=作者は興福寺僧正。同寺の歴史を偲ぶ意をこめるか。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈帝室博物館にて〉

「くわんおんの せにそふあしの ひともとの

         あさきみどりに はるたつらしも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》96

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

(弘長)三年癸亥(みずのとい )

菩薩、六十三歳。後嵯峨院、志は佛乗(ぶつじょう)に存し、一日(あるひ)天台の戒疏、一得永不失(一たび得たれば永く失わず)の文を御覧じて、大いに感悟(かんご)を生じて戒法を受けんと欲せらる。菩薩の戒徳を聞き、勅して宮中に入らしむ。師、力(つとめ)て之を辞す。詔、三たび至って已むことを得ず、乃ち入り見(まみ)ゆ。上皇坐を賜わり、召し対して法要を探る。菩薩、梵網は綱を提(さ)げ、応理(おうり)は弁を縦(ほしいままに)し、深談は旨を称す。皇情怡悦(いえつ)して、乃ち梵網菩薩戒を受けらる。因つて命じて戒支(かいし)を図せしむ。菩薩、命を奉って退いて後、冬十月二十五日、天台梵網戒の図を製作して、以て上皇に献(たてまつ)る。上、親しく之を閲し、恩礼特に厚し。更に勅して瑜伽戒支(ゆがかいし)を図せんことを請ぜらる。

・仏乗=一切衆生をことごとく成仏させる教え。大乗。菩薩乗。

・天台の戒疏=隋の天台大師智顗が説き、灌頂が記録した大乗菩薩戒である梵網戒の注釈書、『菩薩戒義記』(別名、『菩薩戒義疏』)

・感悟=感じてさとること。

・応理=応理円実宗。法相宗のこと。

・怡悦=たのしみ喜ぶこと。

・戒支=梵網戒に説かれる戒条の構成。

・瑜伽戒支=瑜伽師地論(法相宗の所依論)に説かれる大乗戒の戒条の構成。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月17日 (木)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・17

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪五分咲き≫

・椿:≪満開≫

・シャガ、日本桜草:≪見ごろ≫

・花菱草、踊子草、矢車草:≪咲きはじめ≫

・、紫雲蘭:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「更けぬれば 窓の外(と)のべの 桜の灯

         ほのかにさして うき面(おも)わはや」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「花ちるや 末代無智の 凡夫衆」一茶

〔和歌〕

「たづねくる 花もちりなば やま里は

         いとど人めや かれむとすらん」

           平忠盛朝臣・風雅219

「僅かに尋ねて来る人の、お目当ての花も散ってしまったならば、たださえ淋しいこの山里は、あの宋于の歌のように、いよいよ人目もなくなり、さびれはててしまうだろう。」

・参考:「山里は 冬ぞ淋しさ まさりける

      人目も草もかれぬと思へば」(古今315、宋于)

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈香薬師を拝して〉

「ちかづきて あふぎみれども みほとけの

         みそなはすとも あらぬさびしさ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》95

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「所生の功徳を以て、先ず神祇の法楽に備ふ。根本縁如の空、法性の月、常に朗(あきら)かにして、後証利生の影、同塵の水、濁ること無からん。以て、国家雨露の鴻恩を報い、堯王舜王の賢政に任す。延喜天暦の古風に追い、殊には大願主禅下、法体恙(つつが)なく弥(いよいよ)興隆正法の勤行に勇(いさみ)し、大心(だいしん)堅固にして倍(ますます)聖徳太子の誓願に学ばれんことを。結縁の随喜は同じく法味を食し、同心合力して等しく巨益に預かり、諸寺安穏にして学侶は三学に進まんことを。天下泰平にして後生も快く利生せんことを。十善は諸国に遍くして、七衆は中辺に満つ。風雨は時に隨い、万民の家饒(ゆたか)ならんことを。乃至法界 平等利益、敬って白(もう)す。

 弘長二年壬戌(みずのえいぬ)後七月九日

 鎌倉苑寺に於いて、当寺太子御影開眼の為、之を草す。

叡尊 已上表白 】」

・堯舜=堯王と舜王。中国の伝説上の聖王。

・延喜天暦=醍醐天皇と村上天皇の治世。

・大願主禅下=最明寺禅門道崇(北条時頼)

・大心=菩提心。上求菩提、下化衆生をめざす菩薩の大菩提心。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月16日 (水)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・16

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

今朝、コスモスの一番花を見つけました。奈良は霜注意報が出ていたのですが、当寺境内の3万本のコスモス苗は無事でした。早く防霜ネットのお世話にならずにすむようになってほしいですね。

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪五分咲き≫

・椿:≪満開≫

・シャガ、日本桜草:≪見ごろ≫

・花菱草、踊子草:≪咲きはじめ≫

・矢車草、紫雲蘭:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「ひそかなる 幌のすきまは 店の灯に 

         ちらちらと花の ちりしく光」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「一本の 桜持けり 娑婆の役」一茶

〔和歌〕

「桜さく ならの都を 見わたせば

       いづくもおなじ 八重の白雲」

         前中納言匡房・玉葉186

「桜の満開の奈良の都を見渡すと、どこもかしこも同じ、八重にも重なる白雲のような花に覆われているよ。」

・八重の白雲=満開の花をたとえ、かつ、「奈良の都の八重桜」に通わせる。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈香具山にのぼりて〉

「はるののの ことしげみかも やまかげの

         くはのもとどり とかずへにつつ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》94

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「是(ここ)を以て、慈悲の聖容を摸(も)し、在世の利生を慕ふ。渇仰の懇志を運び、滅後の報恩を擬(なぞら)ふ。爰に仏子、辺土十万余里に於いて、恭しく中夏の古風を追い、滅後二千余年に在り。幸いに在世の軌則を学び、得益は他に越え、勝利は分に過ぐ。報恩及び難く、謝徳余り有り。茲に因り、敬って秘密の神呪を誦し、青蓮の御眼を開く。恭しく六種の供具を備え内証の万徳を添えん。抑(そもそも)、太子の聖霊は救世観音の垂跡、遍照大悲の法門、帝網重々(たいもうじゅうじゅう)、輪円具足(りんねんぐそく)、万徳互具、凝然常住。五智の四身は速やかに具わり、四種の曼荼は忽ちに成る。所求皆得の誠言、何ぞ空しからん。如意成就の誓願、違(たが)うこと勿れ」。

・帝網重々=帝網はインドラ(因陀羅)即ち帝釈天宮にある宝網で、結び目にある珠玉が互いに相映じ、映じた珠がまた映じ合って無限に映じる関係で、華厳の重々無尽を説明する。

・輪円具足=曼荼羅。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月15日 (火)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・15

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪三分咲き≫

・椿:≪満開≫

・シャガ:≪見ごろ≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・花菱草、踊子草:≪咲きはじめ≫

・矢車草、紫雲蘭:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈十年〉

「宵ふくる 土のけはいに 桜ふり

        其所に車を 行かせけるかも」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「一本の 桜持けり 娑婆の役」一茶

〔和歌〕

「花なれや まだ明けやらぬ しののめの

        をちのかすみの おく深き色」

          従三位親子・風雅195

「ああ、あれは花なのだなあ。まだあけきらない早朝の空の、遠くの霞の奥深くに、ほのかに漂う色は。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈香具山にのぼりて〉

「かぐやまの かみのひもろぎ いつしかに

         まつのはやしと あれにけむかも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》93

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

爰に上宮太子(じょうぐうたいし)、内証を慈悲の衣に隠し、辺地王院の跡を示す。外用を本誓の形に顕わして、衆生迷乱の眼に任す。大悲代受の誓願を顧みて、破壊塔寺の逆臣を誅し、吾有救世の契約に任せ、興隆三宝の素懐を遂ぐ。爾る自り以来、寺塔を華夷に起て、仏教を代々に請ず。五時三時の真教は中辺に満つ。一性五性(いっしょうごしょう)の宗旨、南北に盛んなり。三密五相の修行、山野に遍し。安養知足(あんようちそく)の浄業、貴賤に亘る。賜は道俗を兼ね、恩は智愚を統(すべ)ん。就中(なかんずく)、大願主は、宿福沈厚にして、生を南浮に受け、現報実に貴く、徳を華夷に遍くす。四海其の威を畏れ、草木の風に靡くが如く、貴賤はその恵みを被ること、山野の雨に潤ふに似たり。誉れは曩代(どうだい)に越え、勢いは群類を抜きんず。凡心已に限り有り。言議何ぞ陳べ盡さん。加ふるに、性を中和に受け、自ら三宝の福田に帰す。志を善根に専らとす。鎮(とこしなえ)に福智の勝業を修す。或いは、仏像を自らの手に刻し、相好を生身に慕う。或いは、経巻を盛筆に写し、義理を末代に遺す。遍く顕宗密宗を興隆し、広く本朝外朝に求法す。内には法性を縁じ、外には万機を摂す。現世を以て過去の因を尋ぬるに、発心修行の熏習(くんじゅう)は已に久しからん。勝業を以て当来の果を推す。出障円明の証悟何ぞ疑わん。流れを汲んで源を尋ねるに、仏法流布の大徳、技を折り本に帰するは、聖徳太子の鴻恩なり。

・上宮太子=聖徳太子。

・一性五性=天台の悉有仏性説と法相の五性各別説。

・安養知足=安養は阿弥陀如来の極楽浄土、知足は兜率天。欲界六天の第四天。現在、弥勒菩薩がここで説法しているとされる。

・曩代=むかしの世。

・熏習=物に香りが移り沁みるように、あるものが習慣的に働きかけることにより、他のものに影響・作用を植えつけること。

・鴻恩=大きな恩。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月14日 (月)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・14

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

もう莟がついている苗があります。背丈はまだ30センチになるかどうかなのに、早いですね。これはソナタとスーパー・ビッキーという種類です。とくべつ早く咲く花で、大きくなっても草丈は560センチにしかなりません。矮性種というコスモスです。

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪三分咲き≫

・椿:≪満開≫

・シャガ:≪見ごろ≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・花菱草:≪咲きはじめ≫

・矢車草、紫雲蘭、踊子草:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈山桜〉

「白雲の 山のおくがに はしけやし

     春の蚕(こ)飼うと 少女(をとめ)なりけり」

       島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「穀つぶし 桜の下に くらしけり」一茶

〔和歌〕

「春雨の ふる木のさくら けふしこそ

       おりえて花の 色もみえけれ」

         亀山院御製・玉葉155

「春雨の降る、古木の桜よ。今日こそは、私の訪問というよい機会を得て、花の色も一そう引き立って見えるよ。」

・ふる木=「降る」と「古木」をかける。

・おり=「機会」の意に「花」の縁語「折り」をかける。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈大和のさるかたにて〉

「みづがめの ふたのひびきも うつろなる

         てらのくりやの くれかぬるころ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》92

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【 夫れ以(おもんみ)れば、妙理は今有に非ずして、本来に具足す。真智は本無に非ずして、性徳として円満す。三十七尊、常に心城に住し、塵数の三昧、鎮(とこしなえ)に胸中に備ふ。何ぞ涅槃を生死の外に求めて、菩提を煩悩の内に隔てん。然れども此の理に迷ふが故に、屡(しばしば)塵労に動(どう)じ、此の惑に依るが故に、多く業の種を薫ず。苦輪際(きわまり)無く、地獄鬼畜姿を分つ。流転定まらず、人中天上別差なり。過去は漫々として、其の始まりを知らず。未来は永々として、其の終りを弁(わきまえ)ること無し。大聖は五天に出で、設けるに真教を以てし、我等日域に生まれ、隔てるに山海を以てす。」

・動=心が乱れる。ゆれうごく。

・漫々=広くて、はてしないさま。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月13日 (日)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・13

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪三分咲き≫

重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

・シャガ:≪見ごろ≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・花菱草:≪咲きはじめ≫

・矢車草、紫雲蘭、踊子草:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈山桜〉

「峡底(かひそこ)の 春は寂しく 残るとふ

         桜のかげに 女なりけり」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「ちる花を 屁とも思はぬ 御顔哉」一茶

〔和歌〕

「旅人の ゆききの岡は 名のみして

       花にとどまる 春の木の本」

         前大納言為家・風雅185

「旅人が往来するという名を持つ[ゆききの岡]は名ばかりであって、(美しさに通り過ぎる事ができず)花を眺めてとどまっている、春の桜の木の下よ。」

・ゆききの岡=大和の歌枕。逝廻岳。奈良県高市郡明日香村。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈小園〉

「はるたけし にはのやなぎの はがくれに

         はとふたつきて ねむるひぞおほき」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》91

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「唱え畢(おわ)って潜然(せんぜん)として、自ずから涕(なみだ)の下ることを知らず。其の法を重んじ師を敬うの志、亦至らずや。菩薩、既に鎌倉に至る。大檀主、慰問甚だ至れり。四月十六日、新清凉寺に於いて結夏す。蓋し大檀主の延請に由るなり。副元帥、時頼平公(法諱は道崇、最明寺と号す)、菩薩大戒を受け、弟子の礼を執る。乃ち荘田若干頃を西大寺に寄附し、以て食輪を資(たす)けんとす。菩薩、辞して受けず。七月十五日、自恣(じし)作法一巻を撰す。菩薩、西大寺に還るに及んで、元帥、書を馳せて問ひ候。其の関東往還と在住の事跡は、侍者性海比丘、之を記すと曰ふと雖も、其の文已に失す。亦惜しむべし。唯だ、苑寺上宮太子開光表白のみ有って、其の文猶存せり。其の表白に曰く、」

・潜然=ひそかに。しずかに。

・時頼平公=鎌倉幕府の執権。時氏の次子。北条氏の得宗専制(独裁制)を確立。最明寺で出家し執権を長時に譲り後見役となる。子は北条時宗。西大寺に荘園寄進を申し出るも、菩薩はこれを辞退す。般若寺の丈六文殊像の獅子絵具料に五百両寄進される。

・食輪=食事についやす費用か。寺、教団の運営費を指すか。

・自恣=夏安居の最後の日に、参集の僧が互いに罪過を指摘し、懺悔すること。

・其の文=『関東往還記』はこの書では「其の文已に失す」とあるが、尊経閣文庫と金沢文庫に写本が現存する。なお2011年、細川涼一氏が平凡社東洋文庫から注釈書を出版された。

・苑寺=鎌倉苑寺。不明。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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般若寺 春咲コスモス 花だより 4・13

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪三分咲き≫

重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

・シャガ:≪見ごろ≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・花菱草:≪咲きはじめ≫

・矢車草、紫雲蘭、踊子草:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈山桜〉

「峡底(かひそこ)の 春は寂しく 残るとふ

         桜のかげに 女なりけり」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「ちる花を 屁とも思はぬ 御顔哉」一茶

〔和歌〕

「旅人の ゆききの岡は 名のみして

       花にとどまる 春の木の本」

         前大納言為家・風雅185

「旅人が往来するという名を持つ[ゆききの岡]は名ばかりであって、(美しさに通り過ぎる事ができず)花を眺めてとどまっている、春の桜の木の下よ。」

・ゆききの岡=大和の歌枕。逝廻岳。奈良県高市郡明日香村。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈小園〉

「はるたけし にはのやなぎの はがくれに

         はとふたつきて ねむるひぞおほき」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》91

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「唱え畢(おわ)って潜然(せんぜん)として、自ずから涕(なみだ)の下ることを知らず。其の法を重んじ師を敬うの志、亦至らずや。菩薩、既に鎌倉に至る。大檀主、慰問甚だ至れり。四月十六日、新清凉寺に於いて結夏す。蓋し大檀主の延請に由るなり。副元帥、時頼平公(法諱は道崇、最明寺と号す)、菩薩大戒を受け、弟子の礼を執る。乃ち荘田若干頃を西大寺に寄附し、以て食輪を資(たす)けんとす。菩薩、辞して受けず。七月十五日、自恣(じし)作法一巻を撰す。菩薩、西大寺に還るに及んで、元帥、書を馳せて問ひ候。其の関東往還と在住の事跡は、侍者性海比丘、之を記すと曰ふと雖も、其の文已に失す。亦惜しむべし。唯だ、苑寺上宮太子開光表白のみ有って、其の文猶存せり。其の表白に曰く、」

・潜然=ひそかに。しずかに。

・時頼平公=鎌倉幕府の執権。時氏の次子。北条氏の得宗専制(独裁制)を確立。最明寺で出家し執権を長時に譲り後見役となる。子は北条時宗。西大寺に荘園寄進を申し出るも、菩薩はこれを辞退す。般若寺の丈六文殊像の獅子絵具料に五百両寄進される。

・食輪=食事についやす費用か。寺、教団の運営費を指すか。

・自恣=夏安居の最後の日に、参集の僧が互いに罪過を指摘し、懺悔すること。

・其の文=『関東往還記』はこの書では「其の文已に失す」とあるが、尊経閣文庫と金沢文庫に写本が現存する。なお2011年、細川涼一氏が平凡社東洋文庫から注釈書を出版された。

・苑寺=鎌倉苑寺。不明。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月12日 (土)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・12

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

〇山吹:一重咲き≪満開≫

八重咲:≪三分咲き≫

重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

・シャガ:≪見ごろ≫

・花菱草:≪咲きはじめ≫

・紫雲蘭:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈山桜〉

「書物(ほん)さげて 戻り来れば さくら散る

           山中のはがき 届きてゐたり」

             島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「江戸衆に 見枯らされたる 桜哉」一茶

〔和歌〕

「初瀬山 おのへの花は かすみくれて

       ふもとにひびく 入相の声」

         権大僧正憲淳・玉葉154

「初瀬山の峰の上の花は、霞に包まれて暮れかかり、その中から麓へ向けて響いて来る、入相の鐘の声よ。」

・入相=夕暮につく寺の鐘。ここでは長谷寺のそれ。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈春日野にて〉

「かすがのの しかふすくさの かたよりに 

         わがこふらくは とおつよのひと」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》90

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【願わくは我、生れ生れて師に侍することを得るれば

 影の如く形に隨ひて暫しも離れず

 法を弘め生を利して玄化(げんけ)を助け

塵点劫(じんでんごう)の海にも終に辞さず】」

・玄化=教化。奥深い教理を教えること。

・塵点劫=極めて長い時間。塵劫。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月11日 (金)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・11

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

朝は冷え込みますが日中は暖かく春らしくなってきました。コスモスはどうやら根づいたようでいま20センチほどになっています。早い種類は莟をつけているのもあります。このまま順調にゆけば今月末ごろから咲き出すと思います。

〇桜:≪散りはじめ≫

・重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

〇一重山吹:≪三分咲き≫

・八重山吹:≪咲きはじめ≫

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

*〔短歌〕

〈山桜〉

「松の木に 桜流らひ 小半日

       五目ならべを すると告げ来し」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「見かぎりし 故郷の山の 桜哉」一茶

〔和歌〕

「さくら花 いざや手ごとに たをりもて

        ともに千とせの 春にかざさむ」

          前大納言為氏・風雅172

「桜花を、さあ、手に手に折り持って、誰も皆一緒に、千年も変わることのないめでたい春の日、髪に挿して遊ぼうではないか。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈木津川の岸に立ちて〉

「みわたせば きづのかはらの しろたへに

         かがやくまでに はるたけにけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》89

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(弘長)二年壬戌(みずのえいぬ)

菩薩、六十二歳。正月廿四日、法華寺に於いて、大比丘尼戒を二十人に授く。二十五日、西大寺に帰り唯道舜公(唯道房實舜)を度し、沙弥戒を授く。又、菩薩戒を道俗八十余人に授く。二月二日、大苾蒭戒を三十五人に授く。二日、大檀越越州太守平實時公、菩薩を懇請(こんせい)す。之を辞することを得ず。聿(ここ)に、其の行を催す。即ち徒僧泉福(涌イ)寺戒印秀(戒印房源秀)律師を招いて、西大を監守(かんしゅ)せしむ。秀公、菩薩を木津河の滸(ほとり)に送る。作礼(さらい)して謂ひて曰く、某、桑楡(そうゆ)の残景、死と鄰(となり)す。何ぞ再び慈顔を瞻(み)ることを得んや。然りと雖も、吾れ願わくは、世々(せいせい)本師を毘賛(ひさん)し、法を弘め生を利し、縦(たと)ひ百千万億劫にも、終に退転せず。因りて偈を唱えて曰く、」

・懇請=鎌倉下向を懇ろに招請。

・監守=監督し守ること。

・聿=イツ。「詩経」に用いられ、リズムをととのえる言葉。ここに。

・滸=コ。岸辺の平地。ほとり。

・桑楡=クワとニレ。くれがた。老年。

・世世=だいだい、累世

・毘賛=そばについてたすける。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月10日 (木)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・10

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

〇桜:≪散りはじめ≫

・重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

〇一重山吹:≪三分咲き≫

・八重山吹:≪咲きはじめ≫。

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

コスモスの種類(3)

10.ローズ・ボンボン:赤色の複弁花、菊咲きの豪華な花

11.ホワイト・ボンボン:白色の複弁花、菊咲き

12.ピコティ:花弁はピンク地に白の斑入り

13.ソナタ:草丈が低く花数多い、赤白ピンク

ソナタホワイト、カーマイン、ピンク、ピンクブラッシュ

*〔短歌〕

〈山桜〉

「寂しさよ 山ざくら散る 昼にして

        五目ならべを すると告げ来し」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「華の世を 見すまして死ぬ 仏かな」一茶

〔和歌〕

「たが春の 雲のながめに くれぬらん

        やどかる花の みねのこのもと」

          前中納言定家・玉葉153

「一体誰の、春の雲と思って眺めているその遠望の中に暮れてしまうのだろうか。それは今、私が一夜の宿を借りる、花盛りの峰の桜の木陰なのだが。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈小園〉

「たちわたす かすみのなかゆ とりひとつ

         こまつのうれに なきしきるみゆ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》88

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「弘長元年辛酉(かのととり) 改元二月廿日

菩薩、六十一歳。七月、山州久世郡美豆(みず)の道俗、菩薩を請ひ、供を設けて法を聴く。塵を望み頂礼して、戒法を求受する者、道俗数百人。八月、定然律師、洛西に新たに精藍を創す。(葉室と号す所)菩薩を請じて開山の祖と為す。菩薩、既に到って僧界を結し、布薩を行う。因って寺に顔せしめ浄住(じょうじゅう)と曰ふ。院を摩尼光と号す。浄住は乃ち布薩の華言なり。而して後、祇林(ぎりん)日に栄え、紺苑(こんえん)ますます麗(れい)にして、調御の殿、木叉の壇、三密の堂、六和の寮、鴈塔(がんとう)、経閣、齊庖(さいほう)、門廡(もんぶ)等に泊るまで、律居にあるべき所のもの、悉く備わる。是れ則ち、菩薩の七戒壇所の隨一なり。又、定然律師の請に依って、四分律行事鈔及び梵網古迹記を講ず。聴徒輻輳(ふくそう)し、幢々(とうとう)として絶えず。水の沢に趨(おもむ)くが如し。惟(た)だ後れんことを恐る。講演既に竟って、菩薩戒を受くる者、三百余人。十月、石清水摩尼珠坊、修造已に成る。菩薩、之に赴き、戒法を弘唱し、菩薩戒を若干人に授く。十二月十八日、鎌倉越後守平實時公、貝(見ヵ)阿弥陀仏を以て、宋本一切経を西大、浄住の両寺に各一部を寄附せらる。菩薩、供を設け慶讃す。伶倫(れいりん)楽を奏し、男女雲集し外儀尤も昌んなり。蓋し、檀主の厳命を禀ければ也。今、西大寺に存するは、即ち是れ此の経也。」

・美豆=山城国久世郡美豆郷(現京都市伏見区淀美豆町)

・祇林=祇園精舎の林苑、転じて寺。

・紺苑=紺宇(紺色の軒、屋根)、仏寺をさす。

・鴈塔=大唐西域記によれば、インドのマガダ国に建てられた雁供養のための塔。唐の長安にあった大雁塔、小雁塔から卒塔婆一般を言うか。

・齊庖=くりや、台所。庫裡。

・門廡=門ののき、ひさし。門。

・輻輳=方々から集まること。こみあう。

・幢々=旗がたちならぶ。

・越前守平實時=北条実時。北条実安の子、幕府の重役を務める。六浦荘金沢(現横浜市金沢区)に称名寺を創建す。所蔵の図書類が金沢文庫となる。

・伶倫=音楽を奏する人。楽人。

・厳命=おごそかな命令、いいつけ。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月 9日 (水)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・9

 

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

〇桜:≪散りはじめ≫

・重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

〇一重山吹:≪三分咲き≫

・八重山吹:≪咲きはじめ≫。

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

コスモスの種類(2)

5.ベルサイユ・レッド:花弁が厚く赤色。軸がかっちりしている。

6.ベルサイユ・ホワイト:花弁が厚く白色。

7.シーシェル:花弁が巻貝のような筒状、

名は「海の貝殻」、赤白ピンク

8.サイケ:花芯が複弁、赤白ピンク

9.ビッキー:草丈が低くて花が大きい、赤白ピンク

*〔短歌〕

〈露仏〉

「故(ふる)さとの 高木の丘に 草茂り

仏見しとふ 人老いてあり」

            島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「親ありと こたへてもどる 桜哉」一茶

〔和歌〕

「みよしのの おほみやどころ 尋ねみむ

         ふるきかざしの 花やのこると」

          前中納言為相・風雅168

「吉野の昔の離宮趾を尋ねて行ってみよう。その昔大宮人がかざして遊んだ、古い桜の花が残っているかどうかと。」

・みよしののおおみやどころ=吉野宮。上古、吉野の宮滝に営まれた離宮。持統天皇朝、人麻呂の行幸従駕歌以来著名。

・かざし=挿頭。髪や冠にさして飾る花の枝、または造花。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈折にふれてよめる〉

「ありわびぬ ほとけいまさば をろがまむ 

やむとしもなき よるのまくらに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》87

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「亀山院文応元年庚申(かのえさる) 改元四月十三日

菩薩、六十歳。正月八日より七箇日を点定して、如意宝輪華法を修す。合山の衆僧、七昼夜不断に隨心如意宝珠根本陀羅尼を念誦し、以て国家安全を祝し兼て寺門粛清(しゅくせい)を祈る。此れ自り厥(そ)の後、歳毎に之を修す。俗に之を西大寺後七日長陀羅尼会と曰ふ。十一月十一日、葉室黄門侍郎定嗣(さだつぐ)卿、簪纓(さんえい)を棄て空門に入り、菩薩に従って沙弥戒を愛く。名を定然と曰ひ、字を心月と号す。廿一日、登壇して具足戒を愛く。」

・肅清=不正がなくきよらか。

・黄門侍郎=中納言。

・簪纓=かんざしとかんむり。世俗のかざり。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月 8日 (火)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・8

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

〇桜:≪散りはじめ≫

・重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・椿:≪満開≫

〇一重山吹:≪三分咲き≫

・八重山吹:≪咲きはじめ≫。

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

コスモスの種類(1)

1.センセーション・ピンキー:八枚の単弁で花が大きい。桃色

2.センセーション・ホワイト:白色

3 センセーション・ラディアンス:赤色

4.センセーション・ダズラ:濃い赤色

*〔短歌〕

「信濃なる 高木の村の 丘の上

        仏見しとふ 草の跡どころ」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「おのれらも 花見虱に 候よ」一茶

〔和歌〕

「とふひとを おらでかへれ 鶯の

         はかぜもつらき やどのさくらを」

           式子内親王・玉葉147

「たずねて来る人も折らないで帰って下さい。鶯の羽ばたきの風さえも花を散らしはしないかと心苦しく思われる、大切な我が家の桜なのですから。」

・おらでを=「を」は強意の間投助詞。

・はかぜ=羽風。羽ばたきによって起る風。

・つらき=恨めしい。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈仏伝をよみて〉

「みほとけを やどしまつりて くさのとの

         あかつきやみに かしぐかゆかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》86

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「正元元年己未(つちのとひつじ) 改元三月廿六日

菩薩、五十九歳。春三月、調子丸作る所の法隆寺聖霊院如意輪観音尊像、世を歷(へ)て汚損(おそん)零碎(れいさい)す。菩薩、匠に命じて修造す。十一日、大いに開光(かいこう)の仏事を修す。四月十日、四度加行人のために、如意輪念誦次第、之を製作す。秋八月、検校法印空清(宮清)公の請に依って、大蔵経を石清水八幡宮に転読す。冬十月、如意輪不動愛染三顆宝輪華秘法一巻を製す。十二月、年始、後七日修する所の如意輪法一帖、之を重ね記す。」

・汚損=汚したり傷つけたりすること。

・零碎=落ちてくだけること。

・開光=開眼光。

・如意輪不動愛染三顆宝輪華秘法=如意輪観音、不動明王、愛染明王をまつり正月後七日御修法を行う修法。西大寺流独特の密観宝珠形舎利塔を如意輪観音と見立てた。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_2751

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2014年4月 7日 (月)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・7

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

〇桜:≪散りはじめ≫

・重衡桜:≪満開≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・桃:≪満開≫

・椿:≪満開≫

〇一重山吹:≪三分咲き≫

・八重山吹:≪咲きはじめ≫。

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

*〔短歌〕

〈露仏〉

「霧のなかに 仏見しとは 虚言(そらごと)と

        言う百姓の 眼(まなこ)も驚く」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「花の陰 あかの他人は なかりけり」一茶

〔和歌〕

「しら雲の やへたつ峯と みえつるは

        たかまの山の 花ざかりかも」

          前中納言匡房・風雅156

「白雲の八重にも立ち重なる峯だと見えたのは、あれはまあ、高間の山一ぱいの桜の、花盛りの光景だったのだなあ。」

・たかまの山=高間山。高天山とも。奈良県、大阪府、和歌山県の境をなす葛城山系の一峯、金剛山。桜の名所。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈山田寺の址にて〉

「やまでらの さむきくりやの ともしびに

         ゆげたちしらむ いものかゆかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》85

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(正嘉)二年戊午(つちのえうま)

菩薩、五十八歳。春正月、灌頂堂を建つ。又、金泥を以て金胎等の曼荼羅九幅を図画す。四王堂に就き、開眼供養す。三月七日、灌頂道場を開く。具支灌頂を日浄(惣持)等若干人に授く。九月、又、日浄律師の請に依って、河の西琳寺に赴く。緇素(しそ)、菩薩戒を乞受する者、二百五十有六人。十月、般若心経を誉田(こんだ)八幡宮に講讃す。六日、叡福寺上宮聖廟に詣ず。通夜して如意輪根本大呪を誦し、国家を祝祷す。継いで和の布施寺に之き、戒経を講演す。道俗、化に嚮(むか)ふこと、玄金(くろがね)磁石に就くが如し。十六日、菩薩戒を三百七十余人に授く。」

・緇素=緇は黒、素は白の意。黒衣(僧衣)と白衣(俗人の衣)、転じて僧と俗、道俗。

・玄金=鉄。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年4月 6日 (日)

般若寺 春咲コスモス 花だより 4・6

《般若寺 春咲こすもす 花だより》

〇桜:≪散りはじめ≫

・重衡桜:≪五分咲き≫平重衡(たいらのしげひら)ゆかりの山桜。

・桃:≪満開≫

・椿:≪満開≫

〇一重山吹:≪三分咲き≫

・八重山吹:≪咲きはじめ≫。

・日本桜草:≪咲きはじめ≫

春咲コスモス4月下旬~7月上旬 13種類。3万本

*〔短歌〕

〈露仏〉

「あなをかし 仏の姿 眼には見て

耳は聞えず なりたる農夫」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「御仏や 寝てござつても 花と銭」一茶

〔和歌〕

「色々の にしきとみゆる 花桜

       春のかすみや たちかさぬらん」

         権中納言定頼・玉葉143

「色々の錦の織物のように見える桜の花よ。あれは立ち重なる春霞が裁って重ねて、あんなに美しく仕立てるのだろうか。」

・たちかさぬ=「立ち」に「裁ち」をかけ、桜の美しさを、錦を裁ち重ねた衣装に見立てる。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈聖林寺にて〉

「あめそそぐ やまのみてらに ゆくりなく

         あひたてまつる やましなのみこ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》84

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「正嘉元年丁巳(ひのとみ) 改元 月 日(三月十四日)

菩薩、五十七歳。春正月、具足戒を長禅、幸尊、玄基、等一十余人に授く。三月、菩薩戒経を泉の近木(こぎ)郷、地蔵院に講ず。席に預かる者、高野山圓達等、一千百七十余人、皆悉く菩薩大戒を求受す。八月、標宗顕徳篇を法華寺に講ず。十月、摂の遠里遠野(おりおの)西琳院に届かる。梵網十重戒を講ず。講竟(おわっ)て菩薩戒を受くる者、一百九十余人。又、懇請に依りて天王寺に至り、心地品(しんちぼん)を講ず。諸寺の碩徳(せきとく)法筵(ほうえん)に集る者、七百三十余人。菩薩に就いて戒法を禀(う)く。」

・近木郷=日根郡近木郷(現大阪府貝塚市)

・地蔵院=近木地蔵堂。後白河法皇の祈願所であった(廃絶)。

・高野山圓達=高野山大楽院の圓達房賢雄。

・菩薩戒経=梵網経。

・菩薩大戒=大乗戒とも。三聚浄戒(摂律儀戒、摂善法戒、摂衆生戒)。

・遠里遠野=現大阪市住吉区遠里小野。中世には瓜生野(うりうの)。

・西琳寺=西林寺。住吉神社津守氏の尼寺、西大寺末寺(廃絶)。

・心地品=梵網経の正式名称、『梵網経廬遮那仏説菩薩心地戒品第十』。

・碩徳=徳の高い人。高徳の僧。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9