« 2014年4月 | トップページ | 2014年6月 »

2014年5月

2014年5月31日 (土)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・31

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪見ごろ・五分咲き≫

コスモスの草丈が1メートルを超え、人の高さに近づいてきました。スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は一つ一つの花が大きく、色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・桜うつぎ、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫かおり花

・姫睡蓮、山アジサイ:≪咲きはじめ≫

・あじさい、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「夕まぐれ 音をひそめて 帰り来し

        子どもは雨に 濡れてをるかも」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「よし切や ことりともせぬ ちくま川」一茶

・よし切=夏鳥、「ヨシキリ」のこと。

〔和歌〕

「あやめ草 ひく人もなし 山しろの

        とばに波こす 五月雨のころ」

          前大納言経継・風雅345

「(五月の節句だというのに)菖蒲草を引き抜き集める人もないことだ。山城鳥羽の水郷地帯に水が増し、絶えず波が岸を越えてあふれる五月雨の頃は。」

・とば=山城の歌枕。鳥羽。京都市南区上鳥羽、伏見区下鳥羽一帯。桂川・宇治川などに挟まれた水田・水郷地帯。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈法輪寺にて〉

「くわんおんの しろきひたひに やうらくの

かげうごかして かぜわたるみゆ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》139

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 十月五日、蒙古賊船四百五十艘、兵三万人、襲い来って既に壱岐対馬に到る。十月廿九日、菩薩、詔を奉じて、天王寺講堂に於いて百座仁王の大会(ひゃくざにんのうのだいえ)を修す。亀山天皇行幸あり、官人警衛す。相継いで教興寺講堂に於いて、重ねて仁王会を修す。亀山天皇、又、之に行幸したまう。既にしこうして以後、西国より注進(ちゅうしん)して曰く、十一月五日亥の刻(いのこく)、猛風頻りに吹いて、蒙古の大船一百余艘、海中に沈没すと。即ち其の事を奏す。天皇大いに悦び、菩薩を延請(えんせい)して以て優償(ゆうしょう)を加う。」

(巻中 おわり)

・百座仁王の大会=仁王会は天下泰平、鎮護国家を祈願するため仁王般若経(にんのうはんにゃきょう)を講讃する法会。この経に、国土が乱れたり災害や賊の難があったとき、この経を受持読誦すると五穀が豊かに実り、人民が栄えると説くため、中国以来行われた。仁王護国経ともいい、法華経、金光明経とともに護国三部経に数えられる。

・注進=事変を注(しる)して上に申し進めること。大事や事件を急いで報告すること。

・延請=謁見、招待をひきのばすこと。

・優償=優賞。手厚くほめて賞を与えること。功績に対する十分なほうび。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_4030

Img_4014


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月30日 (金)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・30

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪見ごろ・五分咲き≫

コスモスの草丈が1メートルを超え、人の高さに近づいてきました。スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は一つ一つの花が大きく、色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・桜うつぎ、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫かおり花

・姫睡蓮、山アジサイ:≪咲きはじめ≫

・あじさい、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「わが家に このごろ火をも 焚かざれば

        一人物を書き 夕ぐれにけり」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「づ(ず)ぶ濡(ぬれ)の 仏立けり かんこ鳥」一茶

〔和歌〕

「あづまやの 軒ばにねざせ あやめ草

        うへ(ゑ)ぬしのぶも おひずやはあらぬ」

          平経正朝臣・玉葉342 

「東屋の軒に、根を下ろして生えよ、菖蒲草よ。わざわざ植えもしない忍草だって、自然に生えないわけではないじゃないか。」

・菖蒲ふく=五月(陰暦)の節句に、邪気払いのため菖蒲を軒にさす習俗。

・あづまや=屋根を四方に葺きおろした家。東国風の粗末な家。

・しのぶ=ノキシノブ。シダ類の一種で、古い軒端などに生える。忍草。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈中宮寺にて〉

「みほとけの あごとひぢとに あまでらの

         あさのひかりの ともしきろかも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》138

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(文永)十一年甲戌(きのえいぬ)

 菩薩七十四歳。春二月、重ねて梵網古迹記科文(ぼんもうこしゃくきかもん)を修す。夏四月、梵網古迹記文集(ぼんもうこしゃくきもんじゅう)に筆を染め始む。八月、石清水八幡宮に詣す。諷経誦呪(ふうきんじゅじゅ)して威光(いこう)を倍増す。殿中に忽ち微妙の音(こえ)有りて曰く、朕、数万の神祇を此の男山に勧請す。世人山に入りて有命(うみょう)を殺害すれば、則ち諸神胸を焦がす。汝、力(つと)めて之を誡(いまし)め殺生を禁断せよと。菩薩親しく神勅(しんちょく)を得て、即ち之を奏聞(そうもん)しして、遂に詔命(しょうめい)を奉って以て殺生を禁ず。又、八月十五日、放生の大会(ほうじょうのだいえ)を啓建(けいけん)す。嘱(しょく)して恒軌(こうき)とす。今に至る五百載(さい)の後にも、其の会絶えること無し。」

・梵網古迹記科文=科文は経論を解釈する際、段落に区切り、各段落の内容を見字体標語で示したもの。普通は序分、正宗(しょうしゅう)分、流通(るずう)分の三段に分け、さらにそれぞれを細分する。青丘太賢の『梵網経古迹記』の解説。

・梵網古迹記文集=『梵網経古迹記輔行文集』(ぼんもうこしゃくきふぎょうもんじゅう)。古迹記を忠実に随文解釈したもので、古迹記の注釈書としては最も優れたものと評価されている。後世、科文と文集を会本して開板されたものが「日本大蔵経」第三十六、三十七巻に収載されている。

・諷経誦呪=経文や陀羅尼、真言を声をあげて読むこと。

・威光=人に畏敬されるような、犯し難い威厳、威勢。

・有命=命あるもの。鳥獣の動物。

・神勅=神のおつげ。

・奏聞=天子に奏上すること。

・詔命=みことのり。天子の命令。

・放生の大会=仏教の不殺生の思想に基づいて、捕えられた生類を山野や池沼に放ちやる儀式。石清水では天皇の玉体安穏、天下泰平を祈願した。

・啓建=ひらきはじめる。

・嘱=ゆだねる。言いつける。

・恒軌=常の規則。常軌。

・載=とし(年、歳)。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Dsc02589

Dsc02590

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2014年5月29日 (木)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・29

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪見ごろ・五分咲き≫

コスモスの草丈が1メートルを超え、人の高さに近づいてきました。スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は一つ一つの花が大きく、色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・桜うつぎ、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫かおり花

・姫睡蓮、山アジサイ:≪咲きはじめ≫

・あじさい、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「さ蠅(ばえ)らと 寄りあひて住める 六畳の

空気にたまる 夕日の赤さ」

            島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「麦秋や 子を負ながら いわし売り」一茶

〔和歌〕

「ゆふかけて いづちゆくらむ ほととぎす

         神なび山に 今ぞなくなる」

           藤原仲実朝臣・風雅339

「夕方になったよと告げつつ、どこへ行くのだろうか、時鳥は。神南備山に今こそ鳴くのが聞える。」

・ゆふかけて=「夕かけて(夕を告げて)と「木綿かけて(木綿四手を掛けて)」とをかける。「木綿」は神に捧げる幣で、「神なび山」の縁で用いた。

・神なび山=大和の歌枕。奈良県斑鳩町の三室山をさすか。本来は「神のいます所」の意の普通名詞。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈またある日〉

「あまごもる ならのやどりに おそひきて

         さけくみかはす ふるきともかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》137

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(文永)十年癸酉(みずのととり)

 菩薩、七十三歳。春二月、勅を奉って伊勢太神宮に参籠す。般若を転読して国家を祝祷す。三月廿八日、帰洛す。其の往還の事、性海(しょうかい)の記あるも、其の文既に逸す。故に之を録するに由無し。」

・性海=覚證房性海。奈良喜光寺(菅原寺)長老。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2014年5月28日 (水)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・28

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪見ごろ・五分咲き≫

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は一つ一つの花が大きく、色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、桜うつぎ、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫

・姫睡蓮、山アジサイ:≪咲きはじめ≫

・あじさい、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「赤き血しほ 地に垂れて あはれ

        炎々と燃えあがる 青き茎の上の花」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「麦秋や 子を負ながら いわし売」一茶

〔和歌〕

「月のこる ねざめの空の 時鳥

        さらにおきいでて なごりをぞきく」

          前大納言為兼・玉葉

「有明月の残る、寝覚めの空を鳴き過ぎた時鳥よ。感動に堪えず、更に起き出して月を眺めながら声の余韻を味わうよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「いくたびを われまたきたり このをかの

         みくさのうへに ものおもはめや」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》136

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

(文永)九年壬申(みずのえさる)

「 菩薩、七十二歳。三月。梵網戒経を金峰山(きんぷせん)に講ず。廿八日、士庶(ししょ)一千七百廿余人、三百二十八條の網、並びに鹿笛、鷹鈴等の諸の殺具(せつぐ)を携え、菩薩の前に来って悉く之を焼き訖る。菩薩戒を受け、又誓って殺生を禁断すること五十余所。七月廿八日、浄住寺定然律師(葉室大納言藤原定嗣)逝去す。菩薩、深く法門の棟梁を失うを嗟(なげ)き、悲恋して已まず。広く仏事を修し、以て行願円満の資糧に備う。」

・金峰山=吉野山の南に続く大峯連峰。

・士庶=一般の人民。武士と庶民。

・殺具=殺生の道具。

・資糧=資金と食糧。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_3984

Dsc02585


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月27日 (火)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・27

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪見ごろ・三分咲き≫

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は花数が少なめですが、一つ一つの花が大きく色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、桜うつぎ、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫甘いにおいが漂います。

・姫睡蓮、ひつじぐさ、山アジサイ:≪咲きはじめ≫

・あじさい:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「夕ほろほろ 赤罌粟の花は こぼるれば

         死なせし魚に 念仏まうす」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「づ(ず)ぶ濡の 仏立けり かんこ鳥」一茶

〔和歌〕

「あしびきの やまほととぎす 深山いでて

         夜ふかき月の 影に鳴くなり」

           鎌倉右大臣・風雅332 

「山時鳥は、深い山を出でて、(ああ今)夜更けの月の光の中で鳴くようだよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「ひさかたの つきひはるけき おほみやの

         かれたるしばに ものもひやまず」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》135

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【夫れ此の章は、殊に出苦(しゅっく)の戸牖(こゆう)を開き、正しく入道(にゅうどう)の階級を示す。行人(ぎょうにん)の目足、能詮の肝心なり。所以は年来、印板に刊し遐邇(かじ)に弘むるの願を発すと雖も、斎食常に一鉢の中に空しく、資貯全く三衣の外に絶え、茲に因り徒(いたずら)に流通の志を抱いて、未だ彫刻の営みに及ばざる処、幸いに一乗院家(いちじょういんけ)の厚助を蒙る。忽ちに多年惻隠(そくいん)の本望を遂ぐ。偏に是れ冥感の致す所也。請願は、手に採り眼に触るるもの、同じく本性の種を益し、文を読み義を解するもの速やかに菩提の果を成ぜん而已(のみ)。

 文永八年辛未三月 日     願主西大寺沙門叡尊 】」

・出苦=苦界、苦域を逃れ出る。

・戸牖=戸口と窓。

・入道=仏道に入って修行すること。

・行人=仏道を修行する人。行者。

・能詮=法や道をよくすること。

・遐邇=遠いと近いと。遠近。

・一乗院家=興福寺の一乗院院家、門跡。

・惻隠=いたわしく思うこと。あわれみ。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Image3

Image5

Image





 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月26日 (月)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・26

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪見ごろ・三分咲き≫

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は花数が少なめですが、一つ一つの花が大きく色鮮やかで存在感があります。品種によっては満開近いのもあります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫甘いにおいが漂います。

・姫睡蓮、山アジサイ、桜うつぎ:≪咲きはじめ≫

・あじさい:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「蒼やかに 暮れただよへる 土なれば

        花はこぼれて 沈むが如し」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「我汝を 待つこと久し ほととぎす」一茶

〔和歌〕

「きくたびに あはれとぞ思ふ 時鳥

         われにかたらふ 声ならねども」

           式乾門院御匣・玉葉338

「聴くたびにしみじみいとしいと思うよ、時鳥は。何も私をめざして語りかける声ではないのだけれども。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「あるときは からびとさびて すごろくの

         さいふりけらし みやびとのとも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》134

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(文永)八年辛未(かのとひつじ)

菩薩、七十一歳。年の始め七箇日、祝祷の行法。延応改元自り以て今歳に至るまで三十余年、菩薩自ら必ず之を修して未だ嘗て懈(おこた)らず。今茲(ことし)偶(たまたま)微恙(びよう)に嬰(かか)り徒(と)をして之を修せしむ。故に二月再び壇場を塔中に飾り、舎利を中央に安置し行法を勤修して之を供養し奉る。七昼夜既に満つるの日、設利羅(せつりら)、玉の如きもの忽ち壇上に現ず。亡慮(むりょ)、四千余顆、菩薩之を奇として貯うるに宝瓶を以てし、鎮刹(ちんさつ)の珍(たから)と為す。三月、大乗入道章(だいじょうにゅうどうしょう)を講ず。因りて之を鋟梓(しんし)し、以て後代に伝う。其の跋文に云はく、」

・微恙=軽い病気。

・徒=叡尊門下の僧徒。

・設利羅=梵語、シャリ―ラ。仏の遺骨、舎利。

・亡慮=無慮。すべて、おおむね。

・鎮刹=刹は寺あるいは塔。寺のしずめ、中心。

・大乗入道章=唐の法相宗第三祖、智周著『大乗入道次第』。西大寺にて開板は『大乗入道次第科文』。

・鋟梓=版木を刻む。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Dsc02511

Dsc02512

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月25日 (日)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・25

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪三分咲き≫

今、コスモスの背丈は120センチです。スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は花数が少なめですが、一つ一つの花が大きく色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫甘いにおいが漂います。

・姫睡蓮、山アジサイ、桜うつぎ:≪咲きはじめ≫

*〔短歌〕

〈赤罌粟の花〉

「小さなる 魚の命の 断たるれば

        うつくしき血は 流れながれぬ」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「ばば達や おどけ咄(ばなし)で 田を植る」一茶

〔和歌〕

「わすられぬ こぞのふるごゑ 恋ひ恋ひて

         猶めずらしき もととぎす哉」

           前中納言定家・風雅328

「忘れられない、去年の夏聞き古したはずのあの声を、恋い慕い続けていて、(今年はじめて聞くと)やはり珍しく感ずる、時鳥よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「あるときは まなこしひたる たうそうに

         ものたまはりて ねぎらはせけむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》133

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 三月、菩薩戒経を教興寺に講ず。又、命じて五尺の金塔及び瑠璃宝瓶を造立し、曾て堀川の御所(ほりかわのごしょ)より賜る所の鑑真将来の仏舎利五粒を安置す。以て永く寺の鎮めと為す。四月朔日、菩薩戒を一千六百九十余人に授く。十九日、発心院殿下(ほっしんいんでんか)請召して菩薩戒を乞受す。隨従の人同じく受くる者一十五人。」

・堀川の御所=摂関家の近衛基通の娘の御所、北小路堀河殿か。当寺の関白鷹司基忠が大叔母の堀河殿(近衛基通の娘)の御所で菩薩戒を受けた。

・発心院殿下=発心院と号する殿下(公卿)、寺院は京都にあったと思われるが、詳細不明。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Dsc02505

Dsc02508

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月24日 (土)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・24

《般若寺 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪三分咲き≫

今、コスモスの背丈は120センチです。スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが咲いています。新種は花数が少なめですが、一つ一つの花が大きく色鮮やかで存在感があります。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草:≪見ごろ≫

・すいかずら、ていかかずら:≪見ごろ≫甘いにおいが漂います。

・姫睡蓮、山アジサイ、桜うつぎ:≪咲きはじめ≫

*〔短歌〕

〈木曽〉

「かがまりて 少女水汲めり 崖のうへの

         杉生(すぎふ)をとほる 風音きこゆ」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「もたいなや 昼寝して聞く 田うゑ唄」一茶

〔和歌〕

「ほととぎす 空に声して 卯花の

         かきねもしろく 月ぞ出でぬる」

           永福門院・玉葉319

「時鳥が空に一声、鋭い声で鳴き過ぎ、卯の花の咲く垣根も一入白々と映えて、月が出たことよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「あるときは みちのくやまに さくはなの

         くがねいでぬと とよめきにけむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》132

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 同七年三月二十二日、算計し奉る七百十三粒〔十二粒は新たに分散、今四十五粒は細砕の内、擇勢分増(たくせいぶんぞう)、之を加え奉る〕。水晶筒に移納し奉る。正嘉元年六月二十四日、計り奉る七百十一粒〔二粒隠没(いんぼつ)〕。弘長二年閏七月二十二日、十粒を取り分け東塔に奉納す。文応二年正月二十六日、計り奉る七百三十六粒。同四年正月十七日、算し奉る一千粒〔十一粒は新たに分散、今二百五十三粒は細碎の内、擇勢分増、之を加え奉る〕。此の日今の水晶筒に移入し奉る。同七年正月廿日(原本;廿五)、僧衆尼衆相共に勘計し奉る。二千七十三粒也〔十六粒は新たに分散、今一千五十七粒は細碎、御舎利勢分、皆増を勘算して之を計る。故に之を加え奉る〕。凡そ細砕一粒の御舎利、次第に分散して未だ三十箇年に満たざるに、已に二千余粒に及ぶ。其の間来去は機に隨い、多少は時に依る。或いは跂々(ぎぎ)として盤中を廻り、或いは離々(りり)として匙端(したん)に垂れる。末世の奇特(きとく)、何事かかくの如し。仍ち證験(しょうけん)に備えんが為め、粗(ほぼ)大概(たいがい)を記す。之を亀鏡(きけい)と為し疑殆(ぎたい)を貽(のこ)すこと勿れ。」

 文永七年庚午正月 日   西大寺衆首金剛佛子叡尊記 】已上記文

・擇勢分増=勢いよく分かれて増えたものを選び取る。

・隠没=あとかたなくきえてなくなる。

・跂々=虫がはって歩くように。

・離々=垂れるさま。

・匙端=さじの先端。

・奇特=キドクとも。特にすぐれて珍しいこと。

・証験=あかし。しるし。

・大概=あらまし。

・亀鏡=キキョウとも。よりどころとなる模範。証拠、亀鑑。

・疑殆=うたがい恐れること。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Dsc02514

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月23日 (金)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・23

《般若寺 花だより》

*昨日、毎年8月に行われる「平和の塔のつどい」実行委員会がありました。これは、当寺境内にある「原爆の火」を保存する平和の塔の前で、原爆犠牲者の追悼と核兵器のない世界を実現するための式典です。平和の塔は25年前に、非核平和の願いを込めて建てられ、以来、ガス灯が灯りつづけています。不殺生、生命尊重は御仏のおしえです。私たち仏教徒は恒久平和の証しとしてこの火を守りつづけます。

日時:82日(土)午後430分開始の予定。どなたでも御参加できます。

初夏に咲くコスモス:≪三分咲き≫

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが大きな花を咲かせています。新種の花は色鮮やかです。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・すいかずら、あやめ:≪見ごろ≫

・姫睡蓮:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈木曽〉

「白雲は 照り輝けり 家のうちに

       筧(かけひ)の水の 落つる音聞ゆ」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「かつしかや 早乙女がちの 渉し舟」一茶

〔和歌〕

「ほととぎす 人のまどろむ 程とてや

         忍ぶるころは 深けてこそなけ」

           前大納言為兼・風雅325

「時鳥は、人がうとうと眠る時をえらんでか、こちらもこっそりその声を待っている頃は、夜更けてからやっと鳴くことだ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「あるときは かのとうざんの うばそくが

         ぢぶつのひかり さしいりにけむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《興正菩薩行実年譜を読む》131

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 然る間、建長五年春、比丘尼實阿、多日病に臥す。寝食共に乖き、日に隨いて憔悴して終焉まさに近からんとす。時に夜深け人静かなり。悄然(しょうぜん)として眠らざるの間、本願皇后、形体を現わさずして清和の音を以て示して言く、〔多事有ると雖も繁に依り之を略す〕吾れ舎利幷に大般若を以て両眼と為す。大般若は、尼成阿弥陀仏既に其の営みを致す。舎利に於いては我れ方便を以て当寺に安置せしむ。しかるを雅意(がい)に任せて諸方に分布す。大いに我が意に背く、云々。實阿此の聖言を承るの後、病気忽ち散じて身心本の如し。蓋し是れ奇代(きたい)の珍事なり。茲に因り貴賤親疎を択ばず、永く分布を停止すべきの由、堅く炳誡(へいかい)を加うるの刻(とき)、先に分布に預かる輩、本願の冥慮(めいりょ)を恐れて大略以て返送し奉る。行窮も即ち又これ等の趣を聞いて恐怖に堪えず。同四月を以て彼の御舎利を当寺に返入し奉り訖んぬ。仍ち同十月四日、彼れ此れ通計するに、六百五十六粒、金銅の瓶(へい)に納め、経蔵に安置し奉る〔此の外、細砕分散舎利微細にして計り難き間、別に蒔絵の箱に同じく之を安置す〕。」

・悄然=うちしおれて元気のないさま。

・雅意=ふだんの心。我意(自分の考え、気持)。

・奇代=キダイとも。世にもまれなこと。不思議なこと。

・炳誡=あきらかないましめ。

・冥慮=仏の深いおぼしめし。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Img_3962

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月22日 (木)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・22

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪三分咲き≫

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが大きな花を咲かせています。新種の花は色鮮やかです。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・すいかずら、あやめ:≪見ごろ≫

・姫睡蓮:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈木曽〉

「山深く 住みてもあるかも 切り立てる

       崖の清水を 厨におとして」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「蕗の葉に いわしを配る 田植哉」一茶

〔和歌〕

「なきぬべき 雲のけしきに 待ちなして

         いまやとたのむ 時鳥かな」

         前大僧正道潤・玉葉313

「いよいよ、もう鳴きそうな雲の様子になって来たとばかり待ちもうけて、今こそは鳴くかと期待に満ちて待つ時鳥よ。」

・待ちなして=待ったあげく、期待した状態にして、或る状態を待ち得て。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮懐古〉

「あるときは ないだうぢやうに こもりけむ

         ひびきすがしき そうじやうがこゑ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》130

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 爰に叡尊、建長三年の冬、法華寺西僧坊に於いて尼衆に律鈔を講ず。談義の中間に、行窮、彼の舎利を持して来たり臨む。仍ち暫らく講を抑え、僧尼相共に拝見し奉る。眼前に分散したまうこと数え盡すべからず。行窮、悉く拾い納め書き奉る。(原本;「奉持退出するに、諸衆奇特の思いを成し、信仰他に無し。しかる後又書を披き講ぜんと欲す。」の文有り)講ぜんと欲するに、書の上に微細の舎利一粒出現したまう。其の外、院中の机上の処々に顕現す。即ち尼衆をして悉く拾い集めて、壷(原本;嚢〈ふくろ))に納めて当寺に安置す。是れ其の最初なり。其の後云(原本;之)勢分、云(原本;之)員数、日を逐って倍増す。凡そ厥の神変瑞相(しんぺんずいそう)、翰墨(かんぼく)覃(たん)じ難し。信を凝らして祈念すれば、霧の如くして壷(原本;嚢)中より出づ。誠を至して欣求すれば、沙の如くして眼前に現ず。之に依り道俗、帰依の頭を傾けて、都鄙(とひ)に分布に預かる者多し。〉

・神変瑞相=不思議なできごと、めでたいしるし。

・翰墨=紙と墨。文に書くこと。

・覃=およぶ。ゆきわたる。

・都鄙=みやこといなか。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Dsc02501

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月21日 (水)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・21

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪三分咲き≫

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが大きな花を咲かせています。新種の花は色鮮やかです。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・すいかずら、あやめ:≪見ごろ≫

・姫睡蓮:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

*〔短歌〕

〈木曽〉

「水を汲む 少女の腰の 布赤し

        山羊歯(やましだ)のなかに 動き居り見ゆ」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「身一ツ 死(しな)ば簾(すだれ)の 青いうち」一茶

〔和歌〕

「年をへて おなじ鳴くねを 時鳥

        なにかはしのぶ なにかまたるる」

          徽安門院・風雅318

「昔から長い年月、同じ声で鳴いているのに、時鳥よ、何でなつかしみ慕うのか、何でその音が待たれるのか。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮址〉

「いくむらの みささぎまろく つらなれる

         ふるきみやこの きたやまのそら」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》129

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 信貴山の住房の高欄の上に五色の光有り。恠(あやし)んで傍人に問う。傍人答えて云う。此れは是れ汝の母持する所の舎利の神光(しんこう)なり。此の言を聞いて、弥(いよいよ)懺愧を含むの間に、彼の光、悉く舎利と成って欄の上に充満す。歓喜の心に住して夢覚め畢る。即ち母のところに往きて泣きながら上の趣を語る。母即ち汝が舎利、已に我が所に還来したまうの由を示す。行窮悲喜相半ばにして重ねて請い奉らんと乞う。母報じて云う、没失の由を聞き乍(ながら)機縁の疎かなることを恠しむと雖も、倩(つらつら)夢想の告を案ずるに是れ直也(ただなる)事に匪(あら)ざる歟。仍(すなわち)元の如く亦一粒を分与せんと欲す。此の時に当って、前に失う所の舎利、自然に盤の中に現ず。即ち同時に二粒を感得し訖(おわ)んぬ。行窮弥(いよいよ)堅固の信を致し、専ら勤行を修するの間、神変(しんぺん)一(いつ)に非ず、分散すること無数にして次第に倍増して数百粒に及ぶ。」

・神光=霊妙不可思議な光。

・神変=人知でははかり知れない不可思議な変異。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_3951

 

Img_3945

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月20日 (火)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・20

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪咲きはじめ、12分咲き≫

草丈は1メートル近くまで伸びてきました。

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが大きな花を咲かせています。新種の花は色鮮やかです。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・梅花空木、矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・すいかずら、グラジオラス、あやめ:≪見ごろ≫

・姫睡蓮:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、ひつじぐさ:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):花は黄緑色で目立ちませんがバナナのかおりがします。

*〔短歌〕

〈木曽〉

「山の家の うちべに黒き 太柱

        年ふりにつつ 光りをもてり」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「僧正が 野糞遊ばす 日傘哉」一茶

〔和歌〕

「われききて 人にはつげん ほととぎす

         思ふもしるく まづここになけ」

           躬恒・玉葉308 

「私が最初に聞いて、人に知らせようよ、時鳥よ。こんなに思う期待にこたえて、先ず一番先にここで鳴いておくれ。」

・しるく=現実にあらわして。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮址〉

「みはるかす ふるきみやこの ののはてに

         ひとありてうつ くはのかがやき」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》128

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 時に禅尼悲泣懺悔して、細碎(さいさい)を拾い納め、信敬(しんけい)貳つ無し。釈念の母、修阿弥陀仏〔斎戒を受けて当寺に住す〕頻りに求請の志有り。禅尼、懇誠の切なることを感じて、彼の細碎の舎利一粒を渡し奉る。初めは微細にして之を拝むこと難し。故に黒色の紙を以て、之を安置すと雖も、後には勢い分れ次第に増し、剰(あまつさ)え分散して二粒と成りたまう。しかる間、修阿弥陀仏の子息に行窮と云うひと有り。年来舎利を欣求すと雖も、未だ感得すること能わず。即ち母の所持する舎利分散したまうの由を聞いて、一粒を分与せんことを請う。懇望の趣、止むことを得ざるに依って、寛元年中に、一粒を行窮に渡し奉り訖んぬ。而るに数月を経るの後、拝見を欲するの時、只空器のみ有って、舎利は見えたまはず。行窮周章(あわてて)天を仰ぎ、其の宿業の拙きことを耻じて深く愁歎を抱く処、夢に見る。」

・信敬=信心して敬慕する。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月19日 (月)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・19

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪咲きはじめ、12分咲き≫

草丈は1メートル近くまで伸びてきました。

スーパービッキー、ソナタ、シーシェル、ピコティ、サイケ、ダブルクリック、センセーション、ベルサイユなどが大きな花を咲かせています。新種の花は色鮮やかです。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):花は黄緑色で目立ちませんがバナナのかおりがします。

*〔短歌〕

〈木曽〉

「草の中の 清水の槽(おけ)の 水あふれ

        間なく時なく 流るる真清水」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「衣(きぬ)替て 居(すわつ)て見ても ひとりかな」一茶

〔和歌〕

「あさまだき 卯の花山を みわたせば

        空はくもらで つもるしらゆき」

         前大納言経房・風雅309

「朝早く、卯の花山を見渡すと、空は曇っていないのに山はまっ白で、まるで積る白雪そのままの姿だ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮址〉

「かれくさに わかくさまじり みだれふす

         おほみやどころ ふめばくるしも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》127

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【法華寺舎利縁起

南都法華寺に仏舎利在り。屡(しばしば)奇異の神変を現し、普く道俗の信心を催す。其の根源を尋ぬれば、一人の禅尼あり。其の名を空如と曰う。〔本は高倉局と号す〕天性を敏聡(びんそう)に禀(う)け、少年より仏道に入る。顕密の学、和漢の才、世の知る所、人の嘆ずる所なり。老年の後、本願(光明皇后)の昔の蹤(あと)を慕い、法華寺安居房(あんごぼう)に隠居して、偏に事理の行業を積む。或る時、当寺長老慈善比丘尼〔本は彼の禅尼の弟子為り〕並びに釈念比丘尼等を相伴い、釈迦念仏(しゃかねんぶつ)結縁の為、招提寺に参籠す。其の間に、禅尼の云わく、吾れ東寺の舎利一粒を感得すること有り。試に真偽を決して浄信を取らんと欲す、云々。即ち舎利を石上に安んじて、自ら鉄鎚を執り、力を励まして三たび打つに、敢えて損斫(そんしゃく)せず。五たび打つの時に及んで、砕けて微塵の如し。其の一々の碎(さい)毎に、皆光明を放つ。」

・敏聡=聡明で俊敏なこと。明敏。

・安居房=夏安居に供された僧房か、位置など不明。

・釈迦念仏=唐招提寺の僧房東室に祀られた釈迦如来像(清凉寺式)の前で行われる「釈迦念仏会」。解脱貞慶師によって始められた。教団所属をこえて律衆が参集した。

・損斫=そこない切りはなす。

・碎=くだけた細片。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月18日 (日)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・18

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪咲きはじめ≫

草丈は1メートル近くまで伸びてきました。

初夏の日差しと適度な雨を享けてすくすくと成長しています。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

・矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):花は黄緑色で目立ちませんがバナナのかおりがします。

*〔短歌〕

〈浅間山〉

「榛(はん)の木の 嫩葉(わかば)の枝を 刈り騒ぎ

           をとこをみなら 野にこもり居り」

            島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「白雲を 袂(たもと)に入れて 袷(あはせ)かな」一茶

〔和歌〕

「月かげの もるかと見えて 夏木立

        しげれる庭に さける卯花」

          前中納言経親・玉葉306

「月光がさし込むのかと見えるほどに、夏の木立の透き間もなく茂った庭に咲いている、まっ白な卯の花よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮址〉

「すめろぎは ここにいまして ひむがしの

         おほきみてらを みそなはしけむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》126

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(文永)七年庚午(かのえうま)

菩薩、七十歳。春正月廿五日、法華寺に詣で舎利を贍礼(せんれい)す。時に、尼衆、懇(ねんご)ろに舎利縁由を筆記せんことを請う。菩薩告げて曰く、余もまた曾(かつ)て之を記さんと欲すと。即ち筆を染めて書す。其の縁起に曰はく、」

・贍礼=あおぎ見て礼拝する。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入して不安を払拭するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Img_3887

Img_3885

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月17日 (土)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・17

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪咲きはじめ≫

草丈は1メートル近くまで伸びてきました。

初夏の日差しと適度な雨を享けてすくすくと成長しています。

花期・春から7月上旬まで。満開は6月。

 13種類 3万本。

 

・矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):花は黄緑色で目立ちませんがバナナのかおりがします。

*〔短歌〕

〈浅間山〉

「山下の 焼土原の 草立ちぬ

       汽車とどまれば 鶯きこゆ」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「青空の やうな帷(かたびら) きたりけり」一茶

〔和歌〕

「きのふまで かすみしものを つの国の

         難波わたりの 夏の明ぼの」

     後京極摂政前太政大臣(後京極良経)・風雅301

「昨日までは能因の歌そのままに霞んでいたのになあ。摂津の難波あたりはもう、すっかり夏の曙の風情になっている。」

・つの国=摂津の古名。

・参考歌:「心あらむ 人に見せばや 津の国の

      難波わたりの 春の景色を」(後拾遺43、能因法師)

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮址〉

「ふるみやの をかべにたてば いくとせの

         はるびさしたり そのくさのねに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》125

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(文永)六年己巳(つちのとみ)

菩薩、六十九歳。三月、重ねて無遮大会を般若寺西南の曠野(こうや)に設く。其の食を受くる者、大凡(おおよそ)三万余人。

八月、洛西浄住寺に届かる。六日、普賢寺殿の息女、菩薩を北小路堀川殿に請じて菩薩戒を受く。隨従の人同じく受くる者、一十九人。廿二日、勘解由小路の禅尼、及び近衛政所の請いに赴き、菩薩戒を四十余人に授く。廿八日、六波羅某公北室、懇請して法を聞き戒法を求受す。隨従の女人二十四人、又同じく之を受く。十月、備後入道妙蓮の請いに依り、梵網戒経を紀の金剛王寺〔亦紀三井寺と曰う〕に講ず。十九日、名草郡神宮寺某公の請いに赴くに、道俗八百九十余人菩薩戒を受く。又誓って殺生を禁断すること一十九所。廿日、日前荘(ひのくまのしょう)の神宮寺に於いて、菩薩戒を授くること若干人。十一月、経行(けいこう)遊化(ゆうけ)して、内(河ヵ)州高安郡に至る。郡に寺有り、教興と曰う。廃壊(はいかい)已に久し。講堂に千手大士並びに四天王の像、猶存すれども全きからず。菩薩、慨然(がいぜん)として心を傷め、衆力を協(あわ)せ之を一新す。」

・曠野=広々とした野原。あらの。般若寺に残された江戸時代の寺領畑地を示した古絵図に、寺の南方、「般若野」(はんにゃの)の一画に「芝開」(しばひらき)と小字名が書かれる場所があり、無遮大会の施場の名残ではないかと考えられる。

・経行=へめぐり行くこと。経過すること。

・遊化=諸方をめぐって教化すること。

・廃壊=あれてこわれること。

・慨然=悲しみなげくさま。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Img_3893

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月16日 (金)

般若寺 初夏咲きコスモス 花だより 5・16

《般若寺 初夏咲きコスモス 花だより》

初夏に咲くコスモス:≪咲きはじめ≫

花数はまだ少ないですが草丈は1メートル近くまで伸びてきました。

初夏の日差しと適度な雨を享けてすくすくと成長しています。

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    満開は6月中。

・矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):バナナのかおりがする花

*〔短歌〕

〈浅間山〉

「頂より 烟(けむり)をおろす 浅間嶺の

       焼石原は 青みたるかも」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「空豆の 花に追(おは)れて 更衣(ころもがえ)」一茶

〔和歌〕

「うの花の 露に光を さしそへて

        月にみがける 玉川のさと」

          前右兵衛督為教・玉葉304

「卯の花に置いた露の光に、更に射し入る月光を加えて、月下にいよいよ輝きを増す、玉川の里の景色よ。」

・みがける=磨いて光らせる。光を増す。

・玉川のさと=摂津の歌枕。三島の玉川。大阪府高槻市南部。卯の花の名所。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈平城宮址〉

「いこまねを そがひにみつつ めぐりこし

         むぎのなかなる ひとすぢのみち」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》124

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 四月、伝法灌頂三摩耶戒詮要私記鈔一巻を撰述す。廿六日、其の筆を絶つ。秋八月十九日、八幡の託宣に依って、衆僧百口率いて、同じく仁王(にんのう)の経題を難波浦に於いて唱う。又住吉明神に詣で、五部大乗経(ごぶだいじょうきょう)を転読し、般若心経を講讃す。国家を祝祷(しゅくとう)して、以て災殃(さいおう)を穣(攘ヵ、はら)う。時に、本照瑜公(本照房性瑜)音声(おんじょう)有るに因り、任ずるに作唄の職(さばいのしき)を以てす。八月十日、西大寺に於いて菩薩戒を八十余人に授く。十五日より三日夜を点じ、衆僧一同に如意輪大呪を念誦す。十八日、河(河内国)の亀井の荘に至って、心地戒本(しんちかいほん)を開講す。二十八日、菩薩戒を六百余人に授く。九月、密灌(みっかん)を見空、実舜等若干人に授く。十一月十九日、金剛界頸次第一帖を製す。」

・仁王=仁王経。『仁王般若波羅蜜経』(鳩摩羅什訳)と『仁王護国般若波羅蜜多経』(不空訳)の二つあり。ともに護国安穏のためにはこの経を受持、読誦すべしと説く。

・五部大乗経=天台大師智顗が選んだ五部の重要な大乗経典。華厳、大集、大品般若、法華、涅槃の五経。

・祝祷=祝福の祈祷。国家の安康(安全無事で異変がないこと)を祈る。

・災殃=わざわい、災難。

・音声=声明の名手。

・作唄の職=声明を専門とする役職。

・心地戒本=梵網経の戒本。

・密灌=真言密教の灌頂。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

 

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Img_3866

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月15日 (木)

般若寺 春咲コスモス 花だより 5・15

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    見ごろは今月下旬から。

・矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):バナナのかおりがする花

*〔短歌〕

〈浅間山〉

「草木瓜(くさぼけ)の 花ざかりなり 火の山の

        低きに下りて 畳(たた)まる白雲」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「夏山や 一足づつに 海見ゆる」一茶

〔和歌〕

「こむとしも くべき春とは しりながら

         けふのくるるは おしくぞありける」

           貫之・風雅300

「来年もまたやって来るはずの春、とは知っていながらも、やはり春の最後の今日という日が暮れて行くのは惜しく思われることだなあ。」

・こむとし=来む年。来年。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈鐘楼〉

「さをしかの みみのわたげに きこえこぬ

         かねをひさしみ こひつつかあらむ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》123

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 其の奉納する所の一字三礼の妙典幷に開結二経(みょうでんならびにかいけつにきょう)は、貞永元年、菩薩手書きする所の経本也。大般若経は、去る文永改元の年、衆僧六百人をして書写を命ずる所の宝典也。余、今此の願文を譜録し竟(おわ)って筆を側(かた)よせ、熟(つらつら)思うに、菩薩、像を刻むを発願するは、其の徳其の業、凡の測る所に非ず。食を施し饑を飼(やしな)い、悲を永世に及ぼすがごときに至りては、豈に之を救世の薩埵と謂わざるを得んや。」

・妙典幷開結二経=妙典は法華経、開経は無量義経、結経は普賢観経(観普賢経)。法華の三部経。

・薩埵=菩薩。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*一昨日(20145/13)の奈良新聞第1面報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_3706

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月14日 (水)

般若寺 春咲コスモス 花だより 5・14

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    見ごろは今月下旬から。

・花菱草、矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):バナナのかおりがする花

*〔短歌〕

〈わが兄三人皆夙く逝く〉

「郭公の 啼くこゑ近し ちちのみの

       父のへに居て 飯食ふ我は」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「姨捨の くらき中より 清水かな」一茶

〔和歌〕

「榊とる 比とはしるし 白妙に

       ゆふかけわたす 森の卯花」

         前大納言為家・玉葉303

「榊を取って祭の用意をする頃だという事がはっきりとわかるよ。まっ白に、その榊につける木綿四手をかけ渡したように咲いている、森の卯の花を見れば。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈鐘楼〉

「ひさしくも つかざるかねは はるのひに

         ぬくもりてあり ねむれるがごと」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》122

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 然れば則ち、善願を興し一塵を捧ぐるの人、施行に預かり一食を受くるの輩、永く貪欲の着(とんよくのちゃく)を離れ、遂に禅悦(ぜんえつ)の味を甞めんことを。嗟呼(ああ)、日に居ること馳するが如く、白駒の景(はっくのけい)繋ぎがたし。夜台(やだい)は遠きに非ず。屠羊(とよう)の歩み漸く近し。一たび息空しく絶えなば、千悔(せんげ)何の益かあらん。急ぎても猶急ぐべし。励みても亦励むべきものかな。先ず功徳を捧げ聖朝(しょうちょう)を祈り奉る。次に景福(けいふく)を分ち、普く法界を利せん。惣じては、此の大聖に纔(わずか)なりとも小因を結べる者、順縁逆縁(じゅんえんぎゃくえん)なりとも般若の勝智を得。有性無性(うしょうむしょう)も同じく菩提の善信を生ず。乃至、遠近の諸寺梵閣基(もとい)堅く、顕密の学侶、法灯の光朗(あきらか)ならんこと。敬って白す。

 文永五(原本六)年三月廿五日 沙門叡尊敬白 已上願文 】」

・白駒の景=景は影。出典不明。

・夜台=意味不明。

・屠羊の歩み=死に近づいていること。

・千悔=千回の懺悔。

・聖朝=朝廷。仏の加護を受けた聖なる国。

・景福=大きな幸い。

・順縁逆縁=順縁は世間の道理、因果、人倫などに逆らわない順当な仏縁。逆縁は道理、因果、人倫にもとるような悪しき事柄を機縁として仏道に入る縁をいう。

・有性無性=仏性(仏となる素質、可能性)有るものと無いもの。。

(この『般若寺文殊菩薩像造立願文』は般若寺所蔵で現存。重要文化財指定、東京国立博物館に寄託中。)

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*昨日(20145/13)の奈良新聞第1面報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

これはどういうことになっているのでしょう。こう着状態ですね。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_1542

Img_3703

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月13日 (火)

般若寺 春咲コスモス 花だより 5・13

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    見ごろは今月下旬から。

・花菱草、矢車草、シャガ:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪見ごろ≫

・梅花空木、黄ショウブ:≪見ごろ≫

・山アジサイ、:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):バナナのかおりがする花

*〔短歌〕

〈わが兄三人皆夙(と)く逝く〉

「くれなゐに 楓芽をふく 窓のうちに

         父と我が居るは ただ一と日のみ」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「白髪同士(どし) 春ををしむも ばからしや」一茶

〔和歌〕

「とどまらむ ことこそ春の かたからめ

         ゆくゑをだにも しらせましかば」

           俊頼朝臣・風雅298

「去るのをやめて留まる、という事こそ、春としては困難だろうが、せめてどこへ行くのか、行く先だけでも知らせてくれたら、こんなに名残を惜しみはしないだろうに。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈鐘楼〉

「ひびきなく かかるこのかね みほとけの

         おほきこわねと きくべきものを」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》121

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 爰に一つの霊場あり、称(なづ)けて般若寺と曰う。南に死屍(しし)の墳墓あり、亡魂(ぼうこん)を救うの媒(ばい)と為る。北には疥癩の屋舎あり、宿罪(しゅくざい)を懺(さん)するの便を得。仍ち此の勝地(しょうち)を択び安置し奉る所也。既に去る文永四年の秋、大悲(原本;慈)の蓮眼(だいじのれんがん)を開くと雖も、今暮春下旬の日、重ねて無遮の檀施(むしゃのだんせ)を設く。彼は瑜伽の軌則に就き、修するに内証甚深の秘法を以てし、是は応化(おうげ)の先跡(せんせき)を慕い、資(たす)くるに疥癩弧(孤ヵ)独の飢苦を以てす。縡(さい)已に大聖(だいしょう)の本誓(ほんぜい)に叶えり。豈(あに)敢えて生身の影向(しょうじんのようごう)を疑わん。即ち此の斎会に続き、永く日々の供具を備え、之を乞匈(きっきょう)に施し、各々の追及を息(やす)めんとす。但哀襟(あいきん)切なるの余り、永代の願を発すと雖も、手鉢(しゅはつ)常に空し。争いてか一日の資(もとで)に堪えん。只三宝の冥助を仰ぎ、偏に十方の檀主に任するのみ。」

・死屍=しかばね。かばね。死体。死骸。

・亡魂=死んだ人の魂。亡霊。成仏できない霊魂。

・媒=なかだち。媒介。

・宿罪=宿世の罪障。過去世に犯した罪過。

・懺=くいる。懺悔。

・勝地=何かを行うのに適した土地。

・大悲(慈)の蓮眼=文殊菩薩の開眼供養。

・無遮の檀施=無遮の大会。平等に布施すること。。

・瑜伽の軌則=真言密教による開眼供養法。

・応化の先跡=応化は仏菩薩が衆生を救うためいろいろに姿を変えて出現すること。先跡は先人の事跡、聖徳太子、行基、元興寺泰善等による衆生済度の業績を指す。泰善は「文殊会(もんじゅえ)」の創始者とされる。

・縡=こと(事)。ことがら。助字=載、すなわち、ここに。

・大聖=大聖文殊菩薩。

・生身の影向=文殊菩薩が生身の人間の姿で人々の前に立ち現れること。

・乞匈=匈は胸。物乞いで生活の糧を得る人。非人として差別された。近世には「乞胸(ごうむね)」と呼ばれた。

・哀襟=襟は胸、心、また思い。あわれみかなしむ心。

・手鉢=手もとの鉄鉢(てっぱつ。托鉢のさい布施を受ける鉄の鉢)。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Img_1546

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月12日 (月)

般若寺 春咲コスモス 花だより 5・12

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    見ごろは今月下旬から。

・シャガ:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、空木、黄ショウブ:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):バナナのかおりがする花

*〔短歌〕

〈嵐の空〉

「街の木の 若芽の萌黄 風は吹き

        明るき昼に 一人し長息(なげ)く」

      島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「捨(すて)た身を 十(とを)程くぐる ちのわ哉」一茶

〔和歌〕

「いつしかと かへつる花の たもと哉

         時にうつるは ならひなれども」

           皇太后宮大夫俊成・玉葉294

「早速にも夏衣に脱ぎかえてしまった、春の名残の花染の袂よ。時に従って移り変わるのは人心の習いではあるが。(それにしても思い切りのよすぎるような・・)」

・いつしかと=早々に。早くも。

・花のたもと=花のように美しい袖。春の衣服。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈鐘楼〉

「あさにけに つくべきかねに こもりたる

         とほきひびきを きかざるなゆめ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》120

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 茲に因りて、深く丹棘無二の願(たんきょくむにのがん)を発して白檀(びゃくだん)丈六の像を造り奉る。其の造営の儀は、更に常篇(じょうへん)に絶えたり。奇肱(きこう)の斧を下す従り、画工(がこう)の筆を閣(お)く迄で、一々の巧匠(こうしょう)、皆八支(原本;分)の斎戒(はちぶんのさいかい)を受持す。面々の助成(じょせい)、悉く自然の信心(しぜんのしんじん)より起る。何ぞ況や佛骨(ぶっこつ)を鏤(ろう)して、以て白毫(びゃくごう)に代える。宜しく無明の癡闇(むみょうのちあん)を照らすべし。般若(はんにゃ)を納めて、以て精神(せいしん)と為す。盍(なん)ぞ有執の妄我(うしゅうのもうが)を除かざる。其の外の顕密の法文、彈記(だんき)するに遑(いとま)あらず。凡そ厥の功徳を集めて体と為すを、誰か之を木造の尊と謂わん。善根を積んで粧と為す。寧ろ生身の威(い)を具えざらんや。」

・丹棘無二=赤いいばらのとげの中にいるような困難であっても、かけがえのない誓願。

・白檀=白檀木。実際には楠材を用いた。

・常篇=通常。ふつう。

・奇肱=すぐれた腕。すぐれた仏師。

・画工=絵師。

・巧匠=たくみな大工。仏像製作に携わる職人、技術者。

・八支(分)の斎戒=八斎戒。六斎日に守る八つの戒。1)不殺生、2)不盗、3)不淫、4)不妄語、5)不飲酒の五戒に、6)化粧などで身を飾らない、歌舞音曲を楽しまない、7)高く広い寝床で寝ない、8)正午以後食事しない、三つを加える。

・助成=事業が成就するように助ける経済的な援助。

・自然の信心=人為の加わらない自発的信心。

・仏骨=仏舎利。

・鏤=ちりばめる。

・白毫=眉間白毫。仏の三十二相の一つ。眉間の中央にあって光を放つ白い巻き毛。

・無明の癡闇=無明は人生の真理に対する根源的な無知であり、愚痴の闇夜にたとえられる。

・般若=大般若経六百巻。

・精神=心。たましい。

・有執の妄我=所有に執着した妄想の我欲。

・彈記=はずみ記す。

・遑=いとま。ひま。

・威=いきおい。ちから。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

Img_1521

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月11日 (日)

般若寺 春咲コスモス 花だより 5・11

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    見ごろは今月下旬から。

・シャガ:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、空木、黄ショウブ:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):花がバナナのかおりを漂わせている

*〔短歌〕

〈嵐の空〉

「昼もなか 桑の芽をつむ 少女らの

        いそがしく摘み 物言はず居り」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「大原や 小町が果の 夏花つみ」一茶

〔和歌〕

「行きてみん 深山がくれの をそざくら

         あかず暮れぬる 春の形見に」

           藤原長能・風雅297

「行ってみようよ、山奥にひっそりとかくれて咲く遅桜を。十分味わい切らないうちに終わってしまった春の形見として。」

・あかず=飽かず。満足し得ずに。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈鐘楼〉

「ひさしくも つかざるかねを おしなでて

         こもれるひびき かずしもあらず」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》119

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 抑(そもそも)人の世に在るや、只一旦の名利(いったんのみょうり)に耽着(たんちゃく)し、更に永劫の沈淪(ちんりん)を顧みず、東に趨(はし)り、西に趨(おもむ)き、悪業は山嶽(原本;岳)と積み、朝に営み、夕に営(いそし)んで善根は涓塵(けんじん)も無し。矧(いわんや)漁猟(ぎょりょう)を業として、鎮(つね)に山水の生(さんすいのしょう)を殺す。艶色(えんしょく)を衒(てら)ひて、常に衆庶の心を迷わす。加うるに、或いは盲聾(もうろう)の報いを受くるの者あり。或いは疥癩(かいらい)の病に嬰(かか)る者あり。彼の前業(ぜんごう)を謂うに、則ち誹謗大乗(ひぼうだいじょう)の罪あり。泥梨(ないり)を歷(ふ)ると雖も、猶未だ尽きず。其の現報(げんぽう)を見れば、亦乞匈孤独(きっきょうこどく)の苦、但衣食を望み、他念無し。解脱は何れの日ぞ。流転(るてん)の絆、弥(いよいよ)纏(まと)う。出離(しゅつり)は何期(原本;無期、期すること無し)。牢獄の捷(しょう)、堅く鏁(とざ)す。悲しい哉、悲しい哉。為何(いかんせん)為何(いかんせん)。偏に文殊の威神(いしん)を仰いで、以て済度(さいど)の導師と為すにはしかじ。」

・一旦の名利=旦は朝。一日。一時の名誉や利養、利益。

・耽着=心を注ぎ執着する。

・沈淪=深くしずむこと。零落。

・涓塵=ちり、ほこりのように僅か。

・漁猟=魚や鳥獣を獲ること。

・山水の生=野山や河海の生き物、衆生。

・艶色=つややかな容色。色っぽい顔つき。

・衒=てらう。売る。歩きながら売る。

・盲聾=視覚障害者と聴覚障害者。

・疥癩=疥は疥癬。ヒゼンダニの寄生によって生じる伝染性皮膚病。ひどいかゆみをもつ。癩はハンセン病。ライ菌の感染によって起る慢性の伝染性感染症。ハンセン病は特効薬プロミンにより治癒するようになったが、いまだに社会の一部には無知と偏見による差別が残っている。

・前業=前世における善悪の業(行為)。

・誹謗大乗=誹謗正法(ひぼうしょうぼう)、謗法とも。邪見と不信によって仏法(大乗)をそしる者は地獄に落ち、永久にさとりを得ることができないとされる。

**この箇所について、歴史学者のあいだでは、身体障害や病気の苦しみを背負って生きざるを得なかった人々を前世の業の報いととらえる叡尊師の考え方は、差別的宿業観を是認していて、人間のいのちや幸せの尊重を説いた仏の教えから離れた立場に立ち、かえって差別を当然視しているのではないか、との指摘がある。しかし科学的知識の未発達な中世の時代にあって、目の前の不幸な現実を因果応報の仏教的教説で解釈しようとしたことは時代の通念であり、誰しも現代のような人権思想を持つことは困難であったと思われます。私は、叡尊師は病者貧者に慈悲行を実践して眼前の苦しみを救い、菩薩戒を授けることで人々に仏の世界への接近、成仏の可能性を指し示し、生きる希望を与えようとしたととらえたいと思います。

・泥梨=梵語、ニラヤ。地獄。

・現報=現世に業因を作って現世にその報いを受けること。

・乞匈孤独=乞食をなりわいとし、疎外を受けて孤独なくらしをする人。

・流転=流転輪廻。衆生が無明の惑いのため、生まれかわり死にかわりして迷界を流転してきわまりないこと。

・出離=出離生死。

・捷=いくさに勝つ。はやい、すみやか。

・威神=つよくおごそかで霊妙ふしぎな働き。たましい、こころ。

・済度=衆生済度。菩薩が苦海にある衆生を済(すく)い出してさとりの世界に度(わた)らせること。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

般若寺 春咲コスモス 花だより 5・11

《般若寺 春咲コスモス 花だより》

春咲コスモス:≪咲きはじめ≫

花期・4月下旬~7月上旬 13種類 3万本

    見ごろは今月下旬から。

・シャガ:≪見ごろ≫

・花菱草、矢車草:≪見ごろ≫

・グラジオラス、テッセン:≪咲きはじめ≫

・山アジサイ、空木、黄ショウブ:≪つぼみ≫

・バナナの木(からたねおがたま):花がバナナのかおりを漂わせている

*〔短歌〕

〈嵐の空〉

「昼もなか 桑の芽をつむ 少女らの

        いそがしく摘み 物言はず居り」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「大原や 小町が果の 夏花つみ」一茶

〔和歌〕

「行きてみん 深山がくれの をそざくら

         あかず暮れぬる 春の形見に」

           藤原長能・風雅297

「行ってみようよ、山奥にひっそりとかくれて咲く遅桜を。十分味わい切らないうちに終わってしまった春の形見として。」

・あかず=飽かず。満足し得ずに。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈鐘楼〉

「ひさしくも つかざるかねを おしなでて

         こもれるひびき かずしもあらず」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《『西大勅諡興正菩薩行実年譜』を読む》119

西大勅謚興正菩薩行実年譜 巻中

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 抑(そもそも)人の世に在るや、只一旦の名利(いったんのみょうり)に耽着(たんちゃく)し、更に永劫の沈淪(ちんりん)を顧みず、東に趨(はし)り、西に趨(おもむ)き、悪業は山嶽(原本;岳)と積み、朝に営み、夕に営(いそし)んで善根は涓塵(けんじん)も無し。矧(いわんや)漁猟(ぎょりょう)を業として、鎮(つね)に山水の生(さんすいのしょう)を殺す。艶色(えんしょく)を衒(てら)ひて、常に衆庶の心を迷わす。加うるに、或いは盲聾(もうろう)の報いを受くるの者あり。或いは疥癩(かいらい)の病に嬰(かか)る者あり。彼の前業(ぜんごう)を謂うに、則ち誹謗大乗(ひぼうだいじょう)の罪あり。泥梨(ないり)を歷(ふ)ると雖も、猶未だ尽きず。其の現報(げんぽう)を見れば、亦乞匈孤独(きっきょうこどく)の苦、但衣食を望み、他念無し。解脱は何れの日ぞ。流転(るてん)の絆、弥(いよいよ)纏(まと)う。出離(しゅつり)は何期(原本;無期、期すること無し)。牢獄の捷(しょう)、堅く鏁(とざ)す。悲しい哉、悲しい哉。為何(いかんせん)為何(いかんせん)。偏に文殊の威神(いしん)を仰いで、以て済度(さいど)の導師と為すにはしかじ。」

・一旦の名利=旦は朝。一日。一時の名誉や利養、利益。

・耽着=心を注ぎ執着する。

・沈淪=深くしずむこと。零落。

・涓塵=ちり、ほこりのように僅か。

・漁猟=魚や鳥獣を獲ること。

・山水の生=野山や河海の生き物、衆生。

・艶色=つややかな容色。色っぽい顔つき。

・衒=てらう。売る。歩きながら売る。

・盲聾=視覚障害者と聴覚障害者。

・疥癩=疥は疥癬。ヒゼンダニの寄生によって生じる伝染性皮膚病。ひどいかゆみをもつ。癩はハンセン病。ライ菌の感染によって起る慢性の伝染性感染症。ハンセン病は特効薬プロミンにより治癒するようになったが、いまだに社会の一部には無知と偏見による差別が残っている。

・前業=前世における善悪の業(行為)。

・誹謗大乗=誹謗正法(ひぼうしょうぼう)、謗法とも。邪見と不信によって仏法(大乗)をそしる者は地獄に落ち、永久にさとりを得ることができないとされる。

**この箇所について、歴史学者のあいだでは、身体障害や病気の苦しみを背負って生きざるを得なかった人々を前世の業の報いととらえる叡尊師の考え方は、差別的宿業観を是認していて、人間のいのちや幸せの尊重を説いた仏の教えから離れた立場に立ち、かえって差別を当然視しているのではないか、との指摘がある。しかし科学的知識の未発達な中世の時代にあって、目の前の不幸な現実を因果応報の仏教的教説で解釈しようとしたことは時代の通念であり、誰しも現代のような人権思想を持つことは困難であったと思われます。私は、叡尊師は病者貧者に慈悲行を実践して眼前の苦しみを救い、菩薩戒を授けることで人々に仏の世界への接近、成仏の可能性を指し示し、人間として生きる希望を与えようとしたととらえたいと思います。

・泥梨=梵語、ニラヤ。地獄。

・現報=現世に業因を作って現世にその報いを受けること。

・乞匈孤独=乞食をなりわいとし、疎外を受けて孤独なくらしをする人。

・流転=流転輪廻。衆生が無明の惑いのため、生まれかわり死にかわりして迷界を流転してきわまりないこと。

・出離=出離生死。

・捷=いくさに勝つ。はやい、すみやか。

・威神=つよくおごそかで霊妙ふしぎな働き。たましい、こころ。

・済度=衆生済度。菩薩が苦海にある衆生を済(すく)い出してさとりの世界に度(わた)らせること。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市の