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2014年7月

2014年7月31日 (木)

般若寺 夏の花だより 7・31

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・9月まで  

赤白2種類 200株 

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 9月まで

〇百日紅(さるすべり):≪咲きはじめ≫9月まで

〇夾竹桃(きょうちくとう):≪見ごろ≫二度目の花です

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

〔短歌〕

〈北海道 一〉

「平らかに 蝦夷の楢原 曇りたり

        歩みとどまらぬ 我は旅人」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「夏菊の 花ととしよる 団(うちわ)かな」一茶

〔和歌〕

「夕立の 雲まの日かげ 晴れそめて

       山のこなたを わたるしらさぎ」

         前中納言定家・玉葉416

「夕立の雲の間から日光がさし、空は晴れはじめて、緑濃い山の手前を飛びわたり行く、くっきりと白い鷺の姿よ。」

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「こがくれて なけやいかるが あすよりは

         はたのはてなる ひともきくがに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》200

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【 鳥羽院御願十一面堂、顛倒の後、造営未だ企てられず。叡情怠たり無しと雖も、冥慮(めいりょ)又測り難し。縦令(たとい)土木の営みあると雖も、人民の煩い無きに非ざるか。西大寺は仏法殊に繁昌にして護持に其の憑(ひょう)あり。彼の本尊十一面観自在尊を当寺四王院に安置す。各(おのおの)薩埵(さった)恭敬の精誠(せいせい)を凝らしめ、国土泰平の御願を祈らるべし。院宣に依り言上件の如し。   光泰恐惶して謹言す。

  正応元年正月廿一日         中宮大進 奉

進上 西大寺上人御房 】」

・冥慮=神仏などの深いおぼしめし。

・憑=よりどころ。

・薩埵=菩提薩埵。菩薩。

・精誠=まごころを尽すこと。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月30日 (水)

般若寺 夏の花だより 7・30

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・9月まで  

赤白2種類 200株 

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 9月まで

〇百日紅(さるすべり):≪咲きはじめ≫9月まで

〇夾竹桃(きょうちくとう):≪見ごろ≫二度目の花です

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

*〔短歌〕

〈岩手以北〉

「温泉(ゆ)に入りて 一夜ねむりぬ 陸奥(みちのく)の

             山の下なる 入海の音」

              島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「身一つ 死なば簾の 青いうち」一茶

〔和歌〕

「夕立の 雲とびわくる しら鷺の

       つばさにかけて 晴るる日の影」

         院御製(花園院)・風雅413

「夕立の雲を分けて飛ぶ白鷺の翼に、きらりきらりと反射して、晴れて行く日の光よ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「おちあひの のなかのもりの ひとつやに

         さげてわがこし かごのいかるが」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》199

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「伏見院正応元年戊子(つちのえね) 改元四月廿六日

 菩薩、八十八歳。正月、亀山法皇、中宮大進(ちゅうぐうだいしん)光泰卿に命じて、以て北京十一面堂本尊を四王院に移し奉るの院宣を賜う。其の院宣に曰く、」

・中宮大進=中宮識・皇太后宮職などの判官(じょう)のうち上位のもの。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月29日 (火)

般若寺 夏の花だより 7・29

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・9月まで  

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 9月まで

〇百日紅(さるすべり):≪咲きはじめ≫9月まで

〇夾竹桃(きょうちくとう):≪見ごろ≫二度目の花です

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

*〔短歌〕

〈岩手以北〉

「汽車とまる 柵のそとなる 干し麻の

         にほひすがしも 霧をふく風」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「先祖代々と 貧乏 はだか哉」一茶

〔和歌〕

「とまるべき かげしなければ はるばると

         ぬれておゆかん 夕立の雨」

           右兵衛督基氏・玉葉415

「立ちどまって雨宿りをする物陰もないから、仕方がない、はるばると濡れながら旅の道を行こうよ、夕立の雨の中を。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「ふろしきに つつめるかごの とまりぎに

         かそけきあのとき ききのよろしき」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》198

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 其の仏牙、長二寸許(ばかり)、牙の端に紋あり、梵字の如し。其の色常に変ず。或いは青、或いは黄、或いは白。種々にして一に非ず。変現(へんげん)は測り難し。真の仏牙に非ずんば、何ぞ其れ爾るや。其の感得と伝持、本末の因縁、具(つぶさ)に宋の高僧伝に見えたり。故に茲に筆せず。而るに其の仏牙、曾て国変(こくへん)に因って展転伝持して、今現に洛陽の報恩教寺(ほうおんきょうじ)に鎮在す。」

・変現=様子を変えて現れること。

・国変=国の変事。

・報恩教寺=不詳。大報恩寺(千本釈迦堂)かも。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月28日 (月)

般若寺 夏の花だより 7・28

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・9月まで  

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 9月まで

〇百日紅(さるすべり):≪咲きはじめ≫9月まで

〇夾竹桃(きょうちくとう):≪見ごろ≫二度目の花です

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

〔短歌〕

〈岩手以北〉

「霧の雨 風に吹かるる 川ばたの

       畑の小豆の 花盛なり」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「若竹の おきんとすれば 電(いなびか)り」一茶

〔和歌〕

「松をはらふ かぜはすそのの 草におちて

夕だつ雲に 雨きをふ也」

           前大納言為兼・風雅408

「松を吹き払う風は、裾野の草に荒々しくふきつけ、夕立の気を含んで立ち満ちる雲と競って、雨が落ちて来る気配だ。」

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「こまどりは きみがまにまに このはとを

         おきてかふべき とりもしらなくに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》197

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 夫れ和漢の境は万里の煙波(えんぱ)を隔て、古今の代は幾廻の涼燠(りょういく)を送る。澆季(ぎょうき)濁乱(じょくらん)の末世に当って、祖師感得の仏骨を得る。戒の流れは源(みなもと)同じくして、如説誠に多きこと、之れ然らしむる者か。一門の諸寺、且つは弥(いよいよ)祖師の恩徳を顧みし、且つは専ら仙院(せんいん)の御願を守り、当寺安置の本儀に違わざれ。宜しく一門住持の仏宝と為すべし。他所奉請の新儀に及ぶの時は、一門諸寺、同心与力して無為(むい)安置の秘計を廻らす可し。兼て又、仙院万歳の後、当寺住持の内、良忍、有禅〔両人一期の後、現住僧衆其の器量を択び此の役に補すべし。〕二人の比丘、宜しく之を封納す。違失すべからざるの状、件の如し。

 弘安十年八月八日    西大寺衆首沙門叡尊 】」

・煙波=もやの立ちこめた水面。末がかすんで見えるほど遠くまで波が続いているさま。

・涼燠=涼気と暖気。転じて、春秋。歳月。

・澆季=澆は軽薄、季は末の意。道徳が衰え人情が浮薄となった時代。末世。季世。

・濁乱=悪法が盛んで、人を濁し世を乱すこと。五濁。

・仙院=室町女院。

・無為=生滅変化を離れた永遠の存在。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月27日 (日)

般若寺 夏の花だより 7・27

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・9月まで  

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 9月まで

〇百日紅(さるすべり):≪咲きはじめ≫9月まで

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

〔短歌〕

〈岩手以北〉

「昼の雲 低くし垂りぬ 暗くなる

       川原向うの 岩むら見れば」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「背戸の不二 青田の風の 吹過ぎる」一茶

〔和歌〕

「夕立の とをちを過ぐる 雲のしたに

       ふりこぬ雨ぞ よそにみえ行く」

         九条左大臣女・玉葉414

「夕立が遠方を過ぎて行く、その雲の下に、こちらまでは降って来ぬ雨が、よそながら見えて通って行くよ。」

・とをち=遠方。

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「わがこふる おほきみてらの なにおへる

         とりのいかるが これにしありけり」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》196

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(弘安)十年丁亥

菩薩、八十七歳。秋八月、室町皇后(むろまちこうごう)、日蔵(にちぞう)入唐して本朝に伝える所の澄照大師(道宣)感得の仏牙を以て、命じて菩薩に付し、守護供養せしむ。菩薩、之を奉じて以て浄住寺宝塔に納む。即ち其の菩薩置文に曰く、

・室町皇后=以下の置文にある室町女院。皇后は誤りか。

・日蔵=不詳。一説では平安中期の修験者、真言密教の僧。如意輪寺開基。

 

【 室町女院(むろまちにょいん)、御相伝牙舎利を浄住寺に安置せらるる事

   副置(そえおき) 相伝次第一通 真筆御書一通

右、牙舎利は、曩祖(どうそ)終南山の律師(南山大師道宣)、感得したまう所也。〔其の旨相伝次第に見ゆ〕爰に予、当初(そのかみ)自誓してより以来、五十余年、護持を南山の古風に訪(とぶら)い、修行を中府の底露に抽(ひ)く。図らざりき、同修の輩。僧尼は京夷(けいい)の間に幾許(いくばく)ぞや。諸国に散在し、大底は大士(だいし)の意楽(いぎょう)に慣れ、闡提の悲願(せんだいのひがん)を発す。自他の積善(せきぜん)、於戯(ああ)皇(こう)なる哉。」

・室町女院=後堀河天皇の第一女、暉子内親王。室町院の院号を賜る。出家して、法名妙法覚を名のる。式乾門院等から膨大な量(百ヵ所)の荘園等を伝領する。安貞二(1228)~正安二(1300)。

・曩祖=曩はさき、むかしの意。先祖。

・京夷=都といなか。中央と地方。

・幾許=どれほど。どんなに多く。

・大士=菩薩。

・意楽=意思、心がまえ。

・闡提の悲願=一闡提。梵語イッチャンティカ。成仏できないもの。菩薩は衆生済度の大慈悲心ゆえ敢えて成仏しないという誓願を立てる。

・積善=善行をつみ重ねる。

・皇=おおきい。広大。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月26日 (土)

般若寺 夏の花だより 7・26

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

〔短歌〕

〈岩手以北〉

「せきれいは 尾を振るゆゑに 曇りふかき

         川原の石に 見えて啼き居り」

           島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「しらしらと 白髪も見へて 蚊やり哉」一茶

〔和歌〕

「松をはらふ かぜはすそのの 草におちて

        夕だつ雲に 雨きをふ也」

          前大納言為兼・風雅408

「松を吹き払う風は、裾野の草に荒々しく吹きつけ、夕立の気を含んで立ち満ちる雲と競って、雨が落ちて来る気配だ。」

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「たなのうへの ちひさきかごの とまりぎに

         むねおしならべ ねむるはとかな」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》195

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 意(こころ)は水陸の有情(うじょう)を救わんと欲すればなり。所謂河水は塔影を浮かべて、遠く蒼海(そうかい)に流る。魚鼈(ぎょべつ)自ら善縁を結び、清風は支提(しだい)に触れ、広く山野に及んで、鳥獣又悪報を免るべしと。其の利益たるや、測るべからざる也。既にして漁人に教え、布を曝すことを活業と為さしむ。又、時に龍神有り。河より出で来って、菩薩より親しく戒法を受く。歓喜して遂に去って、亦とは見(あらわ)れず。」

・有情=衆生。

・蒼海=あおいうなばら。大海。

・魚鼈=魚とすっぽん。水中にすむ動物の総称。

・支提=梵語・チャイティア。仏塔。塔廟。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月25日 (金)

般若寺 夏の花だより 7・25

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

〔短歌〕

〈岩手以北〉

「谿川に 石うつりする 鶺鴒の

       動きの曇る この真昼かも」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「姨捨の くらき中より 清水かな」一茶

〔和歌〕

「日をさふる ならのひろばに なくせみの

         声よりはるる 夕立の空」

           入道二品親王道助・玉葉411

「日光をさえぎる、楢の広い葉の茂った中で鳴き出す蝉の声を先立ちとして、見る見る晴れて行く夕立の空よ。」

・さふる=障ふる。さえぎり止める。

・なら=楢。ブナ科の落葉高木。

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「ももどりの なきかふみせの たなのうへに

ましろきはとの ただにねむれる」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》194

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(弘安)九年丙戌

菩薩、八十六歳。宇治雨宝山橋寺(はしでら)幷に宇治橋修造已に成り、落成の仏事を啓建(けいけん)す。普く三宝を供し、以て衆咎(しゅうきゅう)を鎖(とざ)す。蓋し経始(けいし)より功円(こうえん)なるに至るまで、土を墾(たがや)し、山を鑿(うが)ち、茅を誅(ぼうをちゅう)し、樹を伐り、生類を損傷し、神霊(しんれい)を優動(ゆうどう)するに由る故なり。又、請いを受けて平等院に於いて梵網を開講す。聴く者雲(の如く)集まり、霞(の如く)会す。漁人発心して業を易(か)え、其の舟網を以て悉く菩薩に捧ぐ。菩薩、即ち川上に就き、新たに小島を築く。其の漁舟幷に殺生の具を以て、之を水底に埋み、而して五智十三会(ごちじゅうさんえ)の深義を表して、以て五丈十三層の石塔を造り、之を嶋上に建つ。」

・橋寺=橋寺放生院。京都府宇治市宇治東内に所在、真言律宗末寺。奈良時代道昭の宇治橋断碑で有名。

・啓建=啓き始める。

・衆咎=多くのとが、罪。

・経始=工事を始める。

・功円=工事が出来上がる。完成。

・茅を誅す=カヤを切り払う。

・神霊=神のみたま。霊魂。

・優動=さかんに動かす。戯れに動かす。

・五智十三会=金剛界の五智如来と胎蔵界の十三大院。

五智如来は、1)大日如来(中央・法界体性智)、阿閦如来(東方・大円鏡智)、3)宝生如来(南方・平等性智)、4)阿弥陀如来(西方・妙観察智)、不空成就如来(北方・成所作智。)十三大院は、1)中台八葉院(大日如来と四如来四菩薩)、2)遍智院、3)釈迦院、4)虚空蔵院、5)持明院、6)文殊院、7)蘇悉地院、8)金剛手院、9)除蓋障院、10)観音院、11)地蔵院、12)最外院、13)四大護院、のグループに四百十四尊が配される。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月24日 (木)

般若寺 夏の花だより 7・24

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種

〔短歌〕

〈岩手以北〉

「雲のゐる 谿(たに)ふかくなりて 水おそき

        川原の石に 鶺鴒(せきれい)啼くも」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「人の世に 銭にされけり 苔清水」一茶

〔和歌〕

「山もとの をちの日影は さだかにて

        かたへすずしき ゆふだちの雲」

          前大納言為家・風雅406

「山の麓を照らす、はるか遠方の日光ははっきりと見えるのに、一方から涼しくかげって来る、夕立の雲よ。」

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「こまどりの なきのまにまに わがともの

         かがやくまなこ わらはべのごと」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》193

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 是の如く嘱(しょく)し累(畢ヵ)。尤も其れ親切なり。諸弟子等、各々恩を啣(ふく)み涙を浮かべ、骨に鏤(ろう)し心に銘ぜん。其の所説を聞いて信受奉行し、礼を作して退く。而して后、菩薩終日観誦(かんじゅ)して唯終焉を期す。然りと雖も、人天許さず。雲蒸し雷動き、度人授戒種々の善事、年を遂(逐ヵ、おっ)て益(ますます)繁く、日を追って弥(いよいよ)盛んなり。侍者鏡慧覚公、力(つと)めて之を記録すれども、其の書既に逸せり。亦惜しむべき哉。故に八十六歳より以下、之を編むに由無し。而も今、別記の零篇の中に就いて纔(わず)かに其の一二を拾って、以て之を譜するのみ。」

・嘱=たのむ、ゆだねる。言いつける。

・鏤=ほる、きざむ。

・観誦=観想(仏や浄土の様相を想起すること)、誦経(経文を読誦すること)

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月23日 (水)

般若寺 夏の花だより 7・23

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種(30種を訂正します)

〔短歌〕

〈岩手以北〉

「川上に 来りておそき わが汽車の

       吐く湯気かかる 川原の石に」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「母馬が 番して呑ます 清水哉」一茶

〔和歌〕

「夕立の なごりのしばふ 水こえて」

       しばしながるる 庭のうたかた」

         法印円伊・玉葉410

「夕立のあとの、気持よくうるおった芝草の上まで雨水があふれて、暫くの間浮び流れる、庭面の水の泡よ。」

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「ふみあまた ともはよめれど おほつかの

         とりやにたてば わらはべのごと」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》192

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 老僧(ろうそう)、生を末世に感じ、幸いに釈門に入る。剃髪染衣して顕密の法を学び、登壇受具して人法を興隆す。既に八十五年の春秋を歴(へ)、て今に四十九歳の夏臘(げろう)を積む。上求下化、自利利他、善業漸く満ち、志願略(あらまし)足る。生前の悦び亦何をか加えんや。向後、当寺真俗二諦(しんぞくにたい)の事を以て汝らに付嘱(ふしょく)す。汝ら一味和合し、志を斉(ひと)しくし、戮(りく)して正法を住持し、群生を利益し、徒衆を撫育して道業を成ぜしめよ。若し能く爾れば則ち、老僧又何をか慮(おもんぱか)らんや。寂光定裡(じゃっこうていり)、掌を合わせて隨喜せん。之を力(つと)めるを至嘱(ししょく)とす。」

・老僧=年とった僧の自称。

・夏臘=法臘。比丘・比丘尼になって以後、夏安居を終るごとに年齢を加える。

・戮=勠の誤りか。あわせる。力を合わせる。

・寂光定裡=静寂な涅槃の境地から発する智慧の光に満ちた寂光浄土は、定めてうちにある。

・至嘱=大いに望みをかけること。有望だと思うこと。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月22日 (火)

般若寺 夏の花だより 7・22

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・25種(30種を訂正します)

梅雨が明けてこれから真夏の晴天が続きます。秋コスモスの植え付けは半分程度まで来ました。しかしまだこれから、「秋咲美色」「秋咲大輪美色」「オータム・ビューティ―」「イエローガーデン」「キャンパスシリーズ」など遅咲種が待っています。この分だと八月中頃まで植え込みと水やり、支柱立て、草取りに追われそうです。毎日、早朝から午までの庭しごとですが、たっぷり汗をかき、水をかぶり、そして昼寝をするという生活です。

*〔短歌〕

〈善光寺〉

「椋鳥(むくどり)に 逐(お)はれし雀 あつまりて

     夜すがら啼けり 町なかの森に」

       島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「今削りの 児(ちご)や帷(かたびら)うつくしき」一茶

〔和歌〕

「かたをかの あふち波より 吹く風に

         かつがつそそく ゆふ立ちの雨」

           後鳥羽院御歌・風雅404

「片岡に立つ楝の木を波うつようになびかせて吹く風よと見るうちに、もう早くも降りそそぐ夕立の雨よ。」

・かたをか=孤立した岡。又、片側は岡のように隆起し、片側はそのまま後方の台地に続く地形。

・かつがつ=とりあえず。早くも。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「いたりつく とりやがみせの ももどりの

         もろごゑしぬぎ こまぞなくなる」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》191

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 (十一月)二三両日、大いに宝塔入仏法会を開く。初日は密作法に依って大曼荼羅供を修す。次の日は顕の法事を勤む。楽人は楽を奏し、伶人屡(しばしば)舞う。四日、本堂供養仏事を修し、竟って菩薩戒を四百余人に授く。而して又、神の為に法華最勝二会を開き、以て国家を保祐(ほうゆう)す。七日、大蔵経を法華寺に於いて転読す。臘月(ろうげつ)八日、菩薩自ら手づから一生の事業を注録す。今禩(こんし)に臻(いた)って其の毫(こう)を絶す。即ち般若慈道空(じどうくう)、泉福の戒印秀(かいいんしゅう)、海龍の長禅尊(ちょうぜんそん)、護国の本照瑜(ほんしょうゆ)、教興の如縁一(じょえんいつ)、西琳の日浄持(にちじょうじ)等の諸大弟子を招き集めて斎供(さいく)を設け、畢って親しく之に告げて曰く、」

・保祐=たもちたすける。

・臘月=陰暦十二月の異称。

・今禩=今年。

・毫=筆。

・慈道空=般若寺長老慈道房信空。

・戒印秀=泉福寺戒印房源秀。

・長禅尊=海龍王寺長老長禅房幸尊。

・本照瑜=宝生護国院長老本照房性瑜。

・如縁一=教興寺長老如縁房阿一。

・日浄持=西琳寺長老日浄房総持。

・斎供=お斎、食事を供すること。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月21日 (月)

般若寺 夏の花だより 7・21

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本

種類・30種

〔短歌〕

〈善光寺〉

「月の夜の 曇り蒸し暑し 群雀(むらすずめ)

        ぽぷら髙樹に 夜すがら騒ぐ」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「岩くらや サモナキ家の 青簾(あをすだれ)」一茶

〔和歌〕

「をちの空に 雲たちのぼり けふしこそ

         夕立すべき けしき成りけれ

           前参議家親・玉葉408

「遠くの空に雲が立ちのぼって、今日こそは夕立が降るに違いない空模様だったのに。(待望の雨は降らず、まだまだ暑い日が続きそうだ)」

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「みちのべは なつびてらせる ごこくじの

         かどめぐりゆく おほつかなかまち」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》190

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「【夫れ結界は、僧宗(そうしゅう)の綱要、仏法の大標(だいひょう)也。大聖(だいしょう)は奔馳(ほんち)の難を愍(あわ)れんで、届結(かいけつ)の法を開きたまいしより、以来三国(さんごく)に其の遺風を伝え、五衆(ごしゅう)其の法則を守る。今時は半月(はんげつ)に属すと雖も、処(ところ)猶(なお)法地(ほうち)に非ず。是を以て且(しばら)く当殿の分斎を結して宜しく説戒(せっかい)の軌則を遂ぐべし。諸衆一心に羯磨を評量したまえ。而るに当寺は前(さき)に加結すと雖も、界畔(かいはん)弁(わきま)え難し。十誦律に云う、作羯磨比丘死して余人界処を知らず。仏、捨已って更に結せしむ。是を以て先ず解法(かいほう)を加え、重ねて結を成すべし。諸衆一心に評量し、余念すべからざれ。】」

・僧宗=僧宝の宗旨、すなわち律宗。

・大標=大いなる目印。

・大聖=釈尊。

・奔馳=かけ走ること。奔走。

・届結=届はいたる、きわまるの意。結界にいたる、結界がきわまる。

・三国=天竺、唐土、日本。

・五衆=出家五衆。比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那。

・半月=自己反省と懺悔の布薩は半月ごと(満月と新月の日)に二回行う。

・法地=結界され仏法にかなう地。

・説戒=布薩の訳語。

・界畔=境界。

・解法=結界を解く作法。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付(2014)の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

Nae

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2014年7月20日 (日)

般若寺 夏の花だより 7・20

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・15万本(今まで10万本としていましたが、

現在育成中の苗の具合からすると倍近く

ありますので訂正します。)

種類・30種

〔短歌〕

〈善光寺〉

「日出づれば 即ち暑し 露もてる

    梧桐(あおぎり)の花 花粉(くわふん)をおとす」

      島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「青簾(あをすだれ) さしたる人も 居ざりけり」一茶

〔和歌〕

「すずしやと 風の便りを たづぬれば 

しげみになびく 野べのさゆりば」

           式子内親王・風雅402

「涼しいのはどこかしらと、風の生れそうな所を尋ねて行ってみたらば、茂みの中でひっそりとなびく、野の百合の葉に行き当ったよ。」

・風の便り=風のよりどころ。

・さゆりば=百合の葉。また小百合花の約。

《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈斑鳩〉

「とりかごを てにとりさげて ともとわが

         とりかひにゆく おほつかなかまち」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》189

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 八月五日、大曼荼羅供を修す。六日、菩薩戒を二千百二十余人に授く。八日、請いに依って林田荘に至り宝塔成の仏事を開き、大曼荼羅供を修す。十一日、兵庫に至り、安養寺に説法す。菩薩戒を受くる者、道俗九百七十余人。又斎戒を受ける者一千七百余人。又菩薩に対し誓いを立て永く殺業を息(や)む者あり。是れ皆な教化に由って也。九月十八日、河の長曽禰荘清浄光院に於いて梵網十重戒本を講じ、菩薩戒を七百余人に授く。又入仏開光の仏事を修す。十月十二日、天王寺薬師院に入る。十五日、天皇(後宇多)臨幸す。十九日、菩薩戒を受くる者二十余人。一日、三輪(みわ)の神祠に詣す。守祠の者出迎え稽首す。而して語りて曰う。先に神託あって曰く、肉身の釈迦有って、将に我が所に至らんとす。汝ら迎接(げいせつ)せよと。今果して師の臨に遇う。乃ち知る、師は即ち迦文(かもん)の応化にして、神語に妄(いつわり)無きことを。遂に神宮寺を捨て菩薩に献じ、永く弘律の区(く)と為す。菩薩、額を改め大御輪(だいごりん)と為す。十一月一日、大界を結ぶ。幷びに羯磨説戒衆七十三人。

其の説戒表白に、」

・三輪=三輪神社。正式には大神(おおみわ)神社。

・迎接=客を迎えて応対すること。

・迦文=釈迦文(しゃかもん)の略で釈迦牟尼の訛略である。

・大御輪=大御輪寺。明治の廃仏毀釈で廃寺となり、本地仏の十一面観音像(国宝)は桜井聖林寺へ引き取られる。本堂(重要文化財)は社殿に作り替えられるも現存する。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

719日付(2014)奈良新聞第一面に、「断固反対!!」の看板写真と共に「奈良市クリーンセンター建設」「東部住民参加せず」「策定委30日再開」「実質協議困難か」という大見出しのもと最新の情報が紹介されました。約一年間休止していた「策定委員会」をまたぞろ再開しようというのです。2月に策定委は最悪の答申を出したうえで任期切れとなっているのに、何を今さらという印象です。仲川市長は東部住民を抱き込んで「アメ」をねぶらそうと考えたのでしょうか。根本的な問題は何一つ解決しないで「机上の空論」である候補地案を押し付ける腹が透けて見えますね。東部住民は現案を白紙撤回の上での議論なら参加してもよいと考えておられますが、先に結論ありきの委員会には何の意味もないという事でしょう。だいたい、自分たちが嫌なものを人に押しつけるなんて、人間として最低ですね。また公害なき「公害調停」に振り回されているようでは、世界遺産都市、古都奈良の市長失格です。出発点に立ち返ることをお勧めします。

513日付(2014)の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月19日 (土)

般若寺 夏の花だより 7・19

《般若寺 夏の花だより》

初夏のコスモスがまだ数か所で咲き続けています。ほとんどは秋の苗に植え替えられ230センチの高さですが、咲き残っているのは人の背丈ほどあります。このまま置いておけば、夏じゅう花が見られると思います。夏コスモスは珍しいですね。

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・10万本

種類・30種

*〔短歌〕

〈善光寺〉

「これの世に 縁(えにし)はなしと 思ふ子の

        頻(しき)りにかなし み仏のあかり」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「うつくしや 蚊やりはづれの 角田川(すみだがは)」一茶

〔和歌〕

「あづさ弓 やたのひろのの 草しげみ

        わけいる人や 道まどふらん」

          従一位教良・玉葉406

「矢田の広野は夏草が盛んに茂りあい、分け入って行く人はさぞかし道に迷うことだろう。」

・あずさ弓=「矢」の枕詞。「いる」も「弓」「矢」の縁語。

・やた=越前の歌枕、矢田。福井県敦賀、有乳山の麓の野。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「まかりきて わせだのたゐに いくとせを

         きくつくらしし おほきひとはも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》188.

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 廿四日、官符宣を賜う。三月十四日、無何(むか)にして講を止(とど)め、天王寺別当坊に入り、以て寺務を主(つかさど)る。是れ帝命に迫られ強いて応じたるにて、菩薩の志に非ざる也。廿六日、陞(しょう)座説法す。二十七日、敬田院を結界し、弘律の場と為す。四月三日、五智光院に於いて菩薩戒を七百三十余人に授く。翌日、金堂舎利、去る七月より其の所在を失い、合山の僧衆大いに之を憂悩することを始めて聞く。菩薩、壇を飾り懇祷(こんとう)するに、舎利忽ち現われ光明殿を照らす。時に瑞雲軒を繞(めぐ)って、白鷹空を翺(かけ)るの祥有り。菩薩、喜び望外(ぼうがい)に出づ。僧侶一千五百人に命じて舎利会を開かしむ。十日、最勝王経を教興寺弁天神の前にて講読す。十一日、菩薩戒を六百二十九人に授く。七月廿三日、請を受けて播州法華山(ほっけさん)に至る。途中尼崎を経る時、迎えて菩薩戒を求め受くる者、一百四十余人。廿五日、法華山に到着して梵網古迹記を講ず。」

・無何=無何有(むかう)の略。何も作為が無く自然のままであること。また無我無心の境地。

・陞=昇。のぼる。

・懇祷=ねんごろな祈祷。 

・望外=望んでいたより以上に結構なこと。おもいのほか。

・法華山=一乗寺。天台宗の寺。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月18日 (金)

般若寺 夏の花だより 7・18

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・10万本

種類・30種

*〔短歌〕

〈善光寺〉

「善光寺 山門下の 家々に

     木垂(こだ)る杏は 黄に熟れにけり」

      島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「露の世や 露のなでしこ 小なでしこ」一茶

〔和歌〕

「秋風と かりにやつぐる 夕ぐれの

       雲ちかきまで 行くほたるかな」

         式子内親王・風雅401

「あの古歌のように「秋風が吹くよ」と、雁に告げに行くのだろうか。夕暮の雲近くまで、高く飛んで行く蛍よ。」

・参考歌:「ゆく蛍雲の上までいぬべくは

       秋風吹くと雁に告げこせ」(業平・伊勢物語)

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「このかどを いづるすなはち なをなして

         いまはきかざる わかきひのとも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》187

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「(弘安)八年乙酉

 菩薩、八十五歳。正月十七日、重ねて表文を上(たてまつ)り、主務を受け奉る。二月初朔自り西大寺に於いて大般涅槃経を講ず。六日、菩薩戒本宗要補(輔ヵ)行文集(ぼさつかいほんしゅうようふぎょうもんじゅう)二巻の撰述既に成り筆を絶つ。 其の跋詞に曰く、

 

【冀(こいねが)わくは、戒本宗要の旨に就いて、学ぶ者初心の疑いを散ぜんがため、八旬有余の老いを励まして、三蔵所記の要文を抄(しょう)して加え既に訖る。弘安八年乙酉二月六日、西大寺沙門叡尊 已上跋詞。】」

・菩薩戒本宗要輔行文集=新羅の太賢著『菩薩戒本宗要』の注釈書。日本大蔵経第三十九巻所収。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月17日 (木)

般若寺 夏の花だより 7・17

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・10万本

種類・30種

*〔短歌〕

〈善光寺〉

「七月の 旱天(ひでり)久しみ 埃ふかき

       街なかの木に 杏熟れたり」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「御地蔵や 花なでしこの 真中に」一茶

〔和歌〕

「軒しろき 月の光に 山かげの

        やみをしたひて 行く蛍かな」

          後鳥羽院宮内卿・玉葉403

「軒に白々と月光がさし込むと、山陰の闇の方がよいとばかり、そちらを慕って飛んで行く蛍よ」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「たちいでて とやまがはらの しばくさに

         かたりしともは ありやあらずや」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》186

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 謂わく、中瓶に五百粒、東瓶に七百粒、南瓶に四十六粒、西瓶に一千四百粒、北瓶に二千八百一粒、総じて之を数うに、則ち五千四百四十七粒なり。是を号して西大寺五瓶舎利と曰う也。十三日、唐招提寺を結界し〔有場大界〕、別受の法を行う。大苾蒭戒受ける者三十六人。廿七日、修理亮資遠卿、以て院使と為す。而して天王寺別当職(べっとうしき)を補任の院宣を賜う。廿五日、三條坊門内府(ないふ)の北室、来って菩薩を礼し剃髪染衣す。光台寺則忍尼公是れ也。十日(月ヵ)朔日、表(ひょう)を上(たてまつ)って天王寺主務(しゅむ)を辞す。十一日、今上皇帝(後宇多天皇)勅して宮中に入らしめ梵網経を講ぜしむ。十九日、講し竟って上皇重ねて菩薩戒を受く。公卿大夫同じく受くる者、四十有八人。廿四日、浄住寺に届き菩薩戒を五十余人に授く。十二月廿九日、重ねて天王寺主務の院宣を賜う。」

・別当職=諸大寺におかれた職名で、一山の寺務を統括する長官。

・内府=内大臣の別称。

・北室=北堂。主婦の居室。母。

・表=臣下から天子に奉る文書。

・主務=寺の主としてその寺務にあたる人。別当。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月16日 (水)

般若寺 夏の花だより 7・16

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・10万本

種類・30種

*〔短歌〕

〈善光寺〉

「古りにし 仏の御堂に まゐり来れば

       杏(あんず)は熟れぬ 道のうへの木に」

         島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「秋海棠 霧ふかきより 羽音たつ」悌二郎

〔和歌〕

「ほたるとぶ かた山かげの 夕やみは

       秋よりさきに かねて涼しも」

        後一条入道前関白左大臣(一条実経)

「蛍の飛び交う、ちょっとした山陰の夕闇深いあたりは、秋より先に、今からもう涼しいなあ。」

・かねて=前もって。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『鹿鳴集』より、奈良愛惜の歌。》

〈校庭〉

「むかしびと こゑもほがらに 卓うちて

         とかししおもわ みえきたるかも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》185

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 九月二日、西大寺鉄塔(てっとう)幷に五瓶(ごびょう)鋳造已に成って、即ち舎利を安んず。大いに法会を開き以て之を供養す。余(慈光)旧記を捜索し、委しく斯の塔瓶舎利本末の由緒を尋ぬるに、鉄塔は菩薩、冶工藤原宗安に命じ、先祖木曽義仲公嘗て着用する所の武具を以て、六百九十六日を経て之を鋳成する所也。又義仲公常に執持する所の大刀を以て、其の塔の底下に打附けたり。意(こころ)は少しくとも生平(せいへい)の殺業を滅っせしめんと欲する也。五瓶は大唐の工匠陸太(りくたい)に命じて之を鋳造せしむ。塔瓶已に成って、法華寺湧出の舎利、二室院出現の舎利、室町女院寄附の舎利、春日神社感得の舎利、其の外菩薩従来より持念する所の仏舎利等、悉く五瓶に納め、以て鉄塔に安んず。」

・鉄塔=鉄造多宝塔(国宝)。

・五瓶=五瓶と所納舎利塔(国宝)。

・生平=平生。ふだん、日常。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月15日 (火)

般若寺 夏の花だより 7・15

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫

花期・7月~9月 

赤白2種類 200株

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋のコスモス:花期・9月下旬~11月上旬 

花数・10万本

種類・30種

*〔短歌〕

〈妻と子 五〉

「落葉松(からまつ)の やはらか垂り葉 この朝の

            光りの中に 動きて白し」

             島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「秋海棠 きらめく露を よそにかな」万太郎

〔和歌〕

「草むらに ほたるみだるる 夕暮は

        露の光ぞ わかれざりける」

          宣旨・玉葉401

「草むらの中で蛍が乱れ飛んでいる夕暮は、どれが蛍の光でどれが露の光か、区別ができないよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「ともにゐて まなびしともは ふるさとに

         いまかおゆらむ おのもおのもに」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》184

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 廿八日、女御(にょうご)幷に宮女若干人、浄住寺に詣し、菩薩戒を受く。五月一日、請いを受け宇治の御殿に赴く。廿三日、圓明寺行真(ぎょうしん)請じて菩薩戒を受く。同じく受者廿余人。六月廿七日、菩薩自ら心経秘鍵(しんぎょうひけん)を書写し之を講演す。大覚(だいかく)の善く現(まのあたり)に般若を談ぜらるるがごとし。其の講已に訖って、斎戒を受くる者二百七十余人。七月廿六日、法隆寺南無仏の舎利、賊の為に盗み去らる。寺僧哀慕して已まず。東奔西走して尋ぬるに跡無し。来りて菩薩に白す。菩薩、三日法を修し斂目呪祷(れんもくじゅとう)するに、忽然として現前す。即ち上宮皇院に就き、法会を開き供養を伸ぶ。因みに請じて梵網古迹記を講談せしむ。講説已に訖って菩薩戒を受くる者一千二百余人。」

・女御=ニョゴとも。天皇に侍した高位の女官。中宮の次に位し、皇后の候補者となる。

・心経秘鍵=空海作、般若心経秘鍵。

・大覚=釈尊の覚りのこと。釈尊そのもの。自己の覚りだけでなく、他者を覚らせる行も円満されているので大覚という。

・斂目呪祷=心をひきしめ祈祷する。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月14日 (月)

般若寺 夏の花だより 7・14

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫

花期・7月~9月 赤白二種類 200

夏コスモス:≪見ごろ≫今週中に終わります。花をご希望の方にさし上げます。

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋咲コスモス:新しい苗を境内へ移植しています。

花期:9月下旬~11月上旬 30種類 10万本

*〔短歌〕

〈妻と子 五〉

「顔あらふ 子は知らず居り ひつそりと

        井戸をめぐりて 虫ぞ鳴くなる」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「うつむきて 秋海棠は 雨の花」相馬真砂子

〔和歌〕

「そこきよき 玉江の水に とぶほたる

         もゆる影さへ すずしかりけり」

         前関白左大臣(近衛基嗣)・風雅396

「水底まで清らかな、玉江の水に飛ぶ蛍は、燃えているその光さえ涼しく感じられるなあ。」

・玉江=越前の歌枕、福井市花堂町。また摂津の歌枕、三島江の玉江(摂津市付近の淀川沿い)とも、単に江の美称とも。

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「むなぞこに ひそかにたてし ともしびの

  あぶらとぼしく おいはてにつつ」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》183

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 即日、浄住寺に回り、胎蔵界自行道場観一帖を製作す。其の尾に曰く、

 

【弘安七年甲申三月廿日酉時、浄住寺に於いて記し畢る。金剛仏子叡尊】

 

廿四日、本院法皇又請して、重ねて菩薩戒を受く。縉紳(しんしん)以下同じく受くる者七十余人、廿八日、浄住寺に於いて菩薩戒を七十余人に授く。四月四日、勅を奉じて大蔵(経)を石清水八幡宮に慶讃す。上皇臨幸して法事を聴聞す。十一日、請いを受け摂の嶋下郡茨木里に至り、菩薩戒を四百九十余人に授け、又殺生を禁断すること六箇所。閏四月、命を承って猪熊御殿に入りて梵網心地品を講ず。講竟って菩薩戒を二百六十余人に授く。十三日、本院法皇の御斎に赴く。女院菩薩戒を求受したまう。公卿以下同じく稟受する者七十余人。十九日、亀山法皇復た菩薩を延(ひ)き、八関斎戒を受け、亦衣鉢を護持したまう。廿一日、皇帝、菩薩の年(歳)八旬を踰(こ)えたるを以て、勅して乗輿の禁中に入ることを允聴(いんちょう)す。法要を問い三衣(さんね)を受く。其の尊崇至れりと謂うべし。廿二日、亀山法皇特に勅して中御門亞相経任卿を遣わして、龍興鑑真和尚の三衣幷に宸翰(しんかん)を賜う。其の宸翰に、」

・縉紳=官位の高い人。身分ある人。

・允聴=ゆるす。

・宸翰=天子の直筆の書き物、ここでは書状。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月13日 (日)

般若寺 夏の花だより 7・13

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫

花期・7月~9月 赤白二種類 200

夏コスモス:≪見ごろ≫7月半ばまで

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋咲コスモス:新しい苗を境内へ移植しています。

花期:9月下旬~11月上旬 30種類 10万本

*〔短歌〕

〈妻と子 五〉

「父と子の 顔あらひ立つ 桑のかげ

        別るることは 思ふに堪へず」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「うなだれて 花恋ふ花よ 秋海棠」渡辺水巴

〔和歌〕

「このまより みゆるは谷の 蛍かも

         いさりにあまの 海へゆくかも」

           喜撰法師・玉葉400 

「木の間からちらちら見えるあの火は、谷間の蛍だろうか。それとも漁をしに海人が海へ行く、その漁火だろうか。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「まなびすと としのよそぢを かかげこし 

         わがむなぞこの ほそきともしび」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》182

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 上求を修行すとは、我執を捨離し、恒に正理に順い常に妄心を厭うなり。下化を修すとは、衆生を哀愍し、悪を断じ善を修し、苦を抜き楽を与えるなり。法を護るとは、上の所説の如く、是の如く修行して勇鋭にして惑いなく余果を求めざる、是を寂静と名づく。上求下化、即ち二利平等なり。平等なるを真の供仏と為す。大乗経論、多くこの意を説く。今身徒(従ヵ、よ)り始めて菩提を得るに至るまで、堅固にして退かずして永く忘失せず。修行円満して当に無上正等菩提を証し、未来際を窮(きわむ)るまで一切無辺の衆生を利益すべし。

 弘安七年甲申三月廿日謹んで之を記す 

 西大寺衆首菩薩戒苾蒭金剛仏子叡尊 】」

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月12日 (土)

般若寺 夏の花だより 7・12

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫

花期・7月~9月 赤白二種類 200

夏コスモス:≪見ごろ≫7月半ばまで

〇ひつじぐさ、姫睡蓮:≪見ごろ≫ 7月~9月

〇秋咲コスモス:新しい苗を境内へ移植しています。

花期:9月下旬~11月上旬 30種類 10万本

*〔短歌〕

〈妻と子 五〉

「古井戸の 盥(たらひ)の水に 手を浸し

        冷めたくなる手を 見て居たりけり」

          島木赤彦・氷魚

〔俳句〕

「雨到り 障子を濡らす 秋海棠」山口青邨

〔和歌〕

「いにしへの 野守のかがみ 跡たえて

         とぶひは夜半の ほたるなりけり」

           寂蓮法師・風雅395

「その昔の、〈野守の鏡〉は跡もなくなってしまって、春日野の〈とぶ火〉と見えたのは夜中に飛ぶ蛍だったよ。」

*《秋艸道人、会津八一先生の歌集『山光集』『鹿鳴集』より》

〈校庭〉

「むかしわが あしたゆふべに よみつぎし

         ふみなほありて 書庫はかなしも」

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

         ゆめにしみえこ わかくさのやま」

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

 「夢にまで見える若草山」「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもたいせつに残しておきたいものです。

*《真言律の祖、叡尊興正菩薩一代記を読む》181

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

「 同廿日、太上皇帝(亀山上皇)、又請(せい)して重ねて菩薩大戒を受く。公卿以下同じく受くる者一百五十余人、上(かみ)、因に菩薩修行の大意を書せんことを請う。菩薩、命に依りて之を記し、以て陛下に上(たてまつ)る。

文に曰く、

・請=召す。招く。

・上=君。主上。

 

【 大般若経に曰く、大菩提心(だいぼだいしん)は正法を護る、教の如く修行すれば心は寂静、自利利他の心平等なれば、是れ則ち名づく、真供養仏と。菩提心とは、決定して無上菩提を希求し有情を利益し、二種の心(にしゅのこころ)に於いて未来際を尽くすまで永く退転せじと、誓願する是也。正法を護るとは、永く十悪を断じ専ら十善を修し諸教を恭敬し衆僧に帰依す。教化も亦然り。是即ち護法なり。如教修行といっぱ、是の二種の心に於いて、念を繋ぎ漸々修行す。」

・大菩提心=菩提(さとり)を求める心。大乗仏教では利他を強調した求道心。

・二種の心=上求心と下化心。

(つづく)

*《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

513日付の奈良新聞報道によると「奈良市 清美工場移転/会館/火葬場移転 進まぬ懸案事業 〈住民合意〉得られず」という見出しで、奈良市議会市民環境委員会(中西吉日出委員長)の審議の様子が記事になっていました。クリーンセンター問題では、現工場の早期移転を求める北部住民と、計画の白紙撤回を求める東部住民の双方から請願が提出されていることを紹介しています。そして昨年一月に候補地を中ノ川町と東鳴川町に選定した奈良市クリーンセンター建設計画策定委員会(渡辺信久委員長)は、(ごみ集積のリレーセンター設置案を出した後、)昨年8月から休止状態となり、今年213日付で全委員19人の任期切れとなったことを報じています。

事態はこう着状態です。そろそろ市長さんの政治決断が求められる時が来たのではないでしょうか。公平な市民の意見では、現地での建て替えを含む候補地の再検討をされた方がいいのでは、という声が聞えます。市内では最高の立地条件(4車線の幹線道路が東西南北に交差)にある現工場こそ最適地であり、ここで最新の設備を導入するのがベストの解決策ではないのか、という市民の声を尊重していただきたいですね。地元住民の方も、人口が少ないからと言って都市周辺の山村部へ工場を押しつけるのではなく、より良いクリーンセンターのあり方を市当局と話し合っていただきたいですね。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文では抱負が述べられています。その結びには、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが披瀝され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

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2014年7月11日 (金)

般若寺 夏の花だより 7・11

《般若寺 夏の花だより》

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪五分咲き≫