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2015年3月21日 (土)

コスモス寺花だより 3・2

般若寺 春の花だより

〇黄水仙:≪見ごろ≫ 

「黄いろなる 水仙の花 あまた咲き

  そよりと風は 吹きすぎにけり」古泉千樫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

「咲く梅の 遠からねども 畦絶えぬ」水原秋櫻子

○紅梅:≪見ごろ≫

「紅梅の りんりんとして 蕾かな」星野立子

〇わびすけ:≪見ごろ≫

○沈丁花、椿:≪見ごろ≫

○れんぎょう:≪見ごろ≫

「行き過ぎて 尚連翹の 花明り」中村汀女

〇山吹、桜:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈春雨〉

「一面の 芝生の庭は 春雨に

      ひたすらぬれて 日のくれゆくも」

       岡麓・庭苔

〔俳句〕

「白魚の どつと生るる おぼろ哉」一茶

・訳:白魚がどっと生まれる、おぼろ月の夜だよなあ。

〔和歌〕

「山の端は 霞へだてて つれづれの

       ながめに暮るる 草の庵(いほ)かな」

        前中納言実秀・新葉和歌集46

「山の端は霞が隔てて見えず、何もしないで長雨のなかで物思いにふけっているうちに日が暮れる草庵であるなあ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》369

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(文永)十一年甲戌(きのえいぬ)

 菩薩七十四歳。春二月、重ねて梵網古迹記科文(ぼんもうこしゃくきかもん①)を修す。夏四月、梵網古迹記文集(ぼんもうこしゃくきもんじゅう②)に筆を染め始む。八月、石清水八幡宮に詣す。諷経誦呪(ふうきんじゅじゅ③)して威光(いこう④)を倍増す。殿中に忽ち微妙の音(みみょうのこえ⑤)有りて曰く、朕、数万の神祇を此の男山に勧請す。世人山に入りて有命(うみょう⑥)を殺害すれば、則ち諸神胸を焦がす。汝、力(つと)めて之を誡(いまし)め殺生を禁断せよと。菩薩親しく神勅(しんちょく⑦)を得て、即ち之を奏聞(そうもん⑧)し、遂に詔命(しょうめい⑨)を奉って以て殺生を禁ず。又、八月十五日、放生の大会(ほうじょうのだいえ⑩)を啓建(けいけん⑪)す。嘱(しょく⑫)して恒軌(こうき⑬)とす。今に至る五百載(さい⑭)の後にも、其の会絶えること無し。

 

 梵網古迹記科文=科文は経論を解釈する際、段落に区切り、各段落の内容を見字体標語で示したもの。普通は序分、正宗(しょうしゅう)分、流通(るずう)分の三段に分け、さらにそれぞれを細分する。青丘太賢の『梵網経古迹記』の解説。

 梵網古迹記文集=『梵網経古迹記科文輔行文集会本』(ぼんもうこしゃくきかもんふぎょうもんじゅうえほん)。古迹記を忠実に随文解釈したもので、古迹記の注釈書としては最も優れたものと評価されている。日本大蔵経36・37所収。

 諷経誦呪=経文や陀羅尼、真言を声をあげて読むこと。

 威光=人に畏敬されるような、犯し難い威厳、威勢。

 微妙の音=仏法を悟って智恵深い、何ともいえないほどすぐれている声。

 有命=命あるもの。鳥獣の動物。

 神勅=神のおつげ。

 奏聞=天子に奏上すること。

 詔命=みことのり。天子の命令。

 放生の大会=仏教の不殺生の思想に基づいて、捕えられた生類を山野や池沼に放ちやる儀式。石清水では天皇の玉体安穏、天下泰平を祈願した。

 啓建=ひらきはじめる。

 嘱=ゆだねる。言いつける。

 恒軌=常の規則。常軌。

 載=とし(年、歳)。

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が大変参考になり、また貴重な動画が見られます。人の歩かないような道を自転車で踏破しておられます。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を公開されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシを作成されました。当寺で配布中。

 

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