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2015年3月16日 (月)

コスモス寺花だより 3・16

般若寺 春の花だより

〇水仙:≪おわり近し≫ 

〇白梅:≪見ごろ≫

「白梅や 父に未完の 日暮あり」櫂未知子

○紅梅:≪見ごろ≫

「夕ぐれの 紅梅を見に 戻りゆく」鈴木六林男

〇わびすけ:≪見ごろ≫

○椿:≪咲きはじめ≫

○れんぎょう:≪咲きはじめ≫

「行き過ぎて 尚連翹の 花明り」中村汀女

春咲きコスモス 

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈木蓮の雪〉

「かきくらし 雪降る中の 木蓮の

        花は雪より なほ白く見ゆ」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「梅咲いて 身のおろかさの 同(おなじ)也」一茶

・訳:梅が咲いても、わが身の愚かさは変わりませんなあ。

〔和歌〕

「青柳の みどりうつろふ 河の瀬に

      なびく玉藻も 数やそふらん」

       権大納言公夏・新葉和歌集41

「青柳の緑が映っている川面、その川瀬になびく美しい藻も緑の数を添えているのだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》364

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻中 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆三月、菩薩戒経を教興寺に講ず。又、命じて五尺の金塔(①)及び瑠璃宝瓶(るりほうびょう②)を造立し、曾て堀川の御所(ほりかわのごしょ③)より賜る所の鑑真将来の仏舎利五粒を安置す。以て永く寺の鎮めと為す。四月朔日、菩薩戒を一千六百九十余人に授く。十九日、発心院殿下(はっしいんでんか④)請召して菩薩戒を乞受す。隨従の人同じく受くる者一十五人。

 

 金塔=西大寺に現存の国宝金銅宝塔、壇塔と呼ばれる。基壇の裏には以下の銘文がある。

〔基壇底裏銘〕

「舎利の流布は当時盛んなりと雖も、稟承の明鏡は古今尤も稀なり。而るに去年秋図らずも招提寺舎利一粒を感得す。相伝の由来、信仰に二つ無し。機縁の純熟、感欽且つは千たびにして、以って連連相続す。復た相承奇瑞の舎利両三粒、或は霊寺の宝壺より伝う。或は名山の神池より出づ。無上の法宝時を待ちて自づから集まる。興隆の祥兆、寧(いづく)んぞ崇めざるべき哉。茲に因りて三尺金銅宝塔一基を冶鋳し、此の仏舎利を奉納し、西大寺宝塔院に安置するところ也。永く一寺の霊宝と為し、将に万代の後葉に伝う而已(のみ)。

  文永七年歳次庚午六月一日己巳鬼宿金曜

〔基壇側面裏銘〕

「本願主西大寺衆首沙門叡尊。行事比丘、慶印、実海、璋尊。銅細工、末長入道成仏、坂上友末。鋳物師、友吉入道西珍。」 (良任訓読)

・慶印=常円房、伊予国の人。

・実海=覚一房、京都の人。備前国成羽川の開削工事を行い「笠神文字岩」に名を残した。西大寺末寺の成羽善養寺(現岡山県川上郡、廃寺)の長老となった。

・璋尊=観玄房、大和国の人。叡尊師の入滅時には病床に看病し、葬送の際には他の弟子二十二人とともに輿を担いだ。

 瑠璃宝瓶=宝瓶形舎利容器。

 堀川の御所=摂関家の近衛基通の娘の御所、北小路堀河殿か。当時の関白鷹司基忠が大叔母の堀河殿(近衛基通の娘)の御所で菩薩戒を受けた。

 発心院殿下=ホッシンインかも。発心院と号する殿下(公卿)、寺院は京都にあったと思われるが、詳細不明。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が大変参考になり、また貴重な動画が見られます。人の歩かないような道を自転車で踏破しておられます。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を公開されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシを作成されました。当寺で配布中。

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