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2015年4月

2015年4月30日 (木)

コスモス寺花だより 4・30

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」を行っています。510日まで。拝観時間は9:0016:00

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇矢車草:≪咲きはじめ≫

〇紫雲蘭:≪見ごろ≫十三重石塔の石基壇上に咲いています。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を持ちます。

花菱草:≪咲きはじめ≫

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

ちらほら咲いてきました。

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈昭和二十年離京 空襲の火は神田銀座を火の海とせり〉

「今見てゐる そのごとく火は わが家をも

        焼き払ふべく 襲ひ来らむ」

         岡麓・涌井

〔俳句〕

「大和路や 翌(あす)なき春を なく烏」一茶

・訳:大和路の行く春よ。明日になれば、春から夏へとかわると春を惜しんで鳴く烏。

〔和歌〕

「花ははや 散過ぎにける 梢にも

       つらき名残の 山風ぞ吹」

        権中納言実興・新葉和歌集151

「花はもう散ってしまった梢にも、(まだ花が残っている梢と同様に)花を散らせた薄情な山風がまた吹くことよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》405

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(弘安)六年癸未(みずのとひつじ)

菩薩八十三歳。正月前七日、西室院に於いて金輪仏頂の法(きんりんぶっちょうのほう①)を修す。以て宝祚長久(ほうそちょうきゅう②)を祈る。二月、勅を奉じて新たに宝生護国院(ほうしょうごこくいん③)を建て、長日愛染王の秘法を修す。又、正五九月、仁王大会も此の院に於いて修し。専ら祝釐(しゅくり④)を以て院務と為す。八日、大般若経を菅原寺に転読す。廿一日、具支灌頂を執行す。密灌を鏡慧等若干人に授く。三月二日、広読寺に届(いた)り、菩薩戒を一百余人に授く。又、三輪に往き、菩薩戒を四百五十八人に授く。竟って宇多極楽寺に至り、梵網古迹記を講ず。四方の学者、騁鶩(ていぶ⑤)して臻(いた)る。

 

 金輪仏頂法=大日如来が最高の境界に入った時に説いた真言〈ボロン〉の一字を人格化した仏を「一字金輪仏頂尊」といい、その修法を一字金輪仏頂法という。

 宝祚長久=天皇の位、皇位が長く久しく続くこと。

 宝生護国院=住吉社の神主家津守氏出身の本照房性瑜が長老となる。西大寺五重の塔跡の東南に現存する。

 祝釐=釐はさいわい(福)。祝福。

 騁鶩=はせる。はしる。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

 

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2015年4月29日 (水)

コスモス寺花だより 4・29

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は429日―510日です。

今年の花は移り変りが早くて、一日庭を離れていると咲きはじめがすぐに満開状態になり、満開が終りになったりと変化がはげしいです。山吹が終わったとたんに牡丹も終わってしまいました。あんなに長雨が続いたのに今度はカラカラ天気、水やりに追われています。でも青天はいいですね。青い空に新緑が映えます。

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇矢車草:≪咲きはじめ≫

〇紫雲蘭:≪見ごろ≫十三重石塔の石基壇上に咲いています。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を持ちます。

花菱草:≪咲きはじめ≫

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈ふくろ藤〉

「紫の 藤なみの花 ふさながし

     しづかに春の 日はくれにけり」

      岡麓・庭苔

〔俳句〕

「行春の 町やかさ売 すだれ売」一茶

・訳:過ぎ行く春の町よ。かさ売りやすだれ売りが、売り声をあげて通り過ぎて行く。

〔和歌〕

「嵐吹く 梢は春も なくなりて

      おのれ花咲く 杜(もり)の下草」

       右近大将長親・新葉和歌集150

「強い風が吹く梢には春を象徴するものである桜の花も散ってしまい、自然と花が咲いたように見える森の下草。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》404

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆加うるに、異国は邪念を発し、本朝は合戦を企つ。国土静かならずして天下泰(やす)からず。是を以て遺身(いしん①)を崇め、以て愁歎(しゅうたん②)を本師釈尊に訴え、秘法を修す。以て前途を内証三昧に驚かす。早く白毫際福(びゃくごうさいふく③を施して正法を久住せしめ、速やかに富貴成就を顧みて六和(ろくわ④)をして絶えること無からしむ。若し爾らば、各々興法利生に勇み、面々六度四摂(ろくどししょう⑤)に進まん。所生の功徳を以て、諸天は法楽を増し、神祇は威力を添え、災難を万方に払い、風雨を時節に恣(ほしいまま)にせん。大千法界は正法を護り、貴賤の上下、十善(じゅうぜん⑥)を備え、各々自分に隨って他を侵すこと無く、面々に憲政(けんせい⑦)を崇めて他を悩まさず。永く輪廻を厭いて、急ぎて解脱を求めん。祈願に私無し、諸聖必ず照らしたまえ、敬って白す

 

 遺身=残った身、仏舎利のことか。

 愁嘆=うれえなげくこと。

③白毫際福=白毫は仏の眉間にある白い毛、光を放つという。際福は福徳をきわめること。

④六和=六和敬(ろくわぎょう)。さとりを求めて修行する者が互いに仲よくし、敬うこと、六種和敬。

⑤六度四摂=菩薩が修する修行徳目。六波羅蜜(布施、戒、忍辱、精進、禅定、智慧)と四摂事(布施、愛語、利行、同事)。

⑥十善=十種の善行。不殺生。不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見の十善戒を行うこと

⑦憲政=法(仏法)に随ったまつりごと。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。


Img_5168

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2015年4月28日 (火)

コスモス寺花だより 4・28

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は429日―510日です。

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇矢車草:≪咲きはじめ≫

〇紫雲蘭:≪見ごろ≫十三重石塔の石基壇上に咲いています。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を持ちます。

花菱草:≪咲きはじめ≫

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈ふくろ藤〉

「藤なみの 花咲く下(もと)の 姉妹(あねいもうと)

       なかむつましも をとめさびして」

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「是からも 未だ幾かへり 松のはな」一茶

・訳:これから先幾度も齢を重ねながら青々と若返り、末長く栄えてゆく見事な松の花

〔和歌〕

「あすも来ん 山桜戸(ど)に 入日さす

        柴の庵の 花の夕ばえ」

         前中納言為忠・新葉和歌集97

「あすもまたこの美しい景を見にやってこよう。山桜で作った戸に入日が差している柴の庵よ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》403

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆見聞隨喜(けんぶんずいき①)は貴びても余り有り。然るに機(き②)衰え、人貧にして乞食(こつじき)に便(べん③)無し。世は下り信(しん④)薄くして、正財(せいさい⑤)は得難し。茲に因りて或いは病に侵されて正業(せいぎょう⑥)を廃し、或は命失せて利生(りしょう⑦)を空しくす。倩(つらつら)往年を顧みるに、亡(ぼう⑧)は多く存(そん⑨)は少なし。面して現在を計るに、危うきは数多く恃(たのみとする)は希(まれ)なり。往昔を思えば、法器(ほうき⑩)を損するの悲しみ有り。未来を望むに法命(ほうめい⑪)を続(つな)ぐに恃み無し。

 

 見聞随喜=見たり聞いたりして得た知識・経験を心からありがたく感ずること。

 機=機根、素質。

 便=つて。たより。

 信=まこと。言葉に偽りなく、約束を守ること。信用。

 正財=ただしく才能ある人。

 正業=僧の本分である菩提を求めての修業。

 利生=利益衆生。利他の菩薩行。

 亡=死亡者。

 存=生存者、存命者。

 法器=仏法を受けるに足る素質をもつ人。有能な弟子。

 法命=仏の教えの命脈。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or「奈良クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

 

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2015年4月27日 (月)

コスモス寺花だより 4・27

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は429日―510日です。

〇山吹:≪散りはじめ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪見ごろ≫

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇矢車草:≪咲きはじめ≫

〇紫雲蘭:≪咲きはじめ≫十三重石塔の石基壇上に咲いています。

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈青柏〉

「枝ぐみの 堅き柏木 夏になり

       やうやく青き 葉かげつくるも」

      岡麓・庭苔

〔俳句〕

「柳から ももんぐわとて 出る子哉」一茶

・訳:柳の陰から「ももんがだあ」と言って出てくる子よ。

〔和歌〕

「この山の 花のあるじと 成(なり)にけり

       又庵(いほ)しむる 人しなければ」

        権中納言経高母・新葉和歌集

「私がこの山の花の主となったことだよ。私以外にこの山に庵を構える人はいないので。」

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》402

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆然る間、漸く三学越を知り、始めて戒法の成ぜざるを悲しむ。是の故に南山の律鈔を開いて、以て五篇七聚(ごひんしちしゅう①)の開制(かいせい②)を知り、慈尊の論旨(じそんのろんし③)を稟けて発心修行の漸次を弁(わきま)う。上求下化(じょうぐげけ④)の誓いを専らにして、戒体(かいたい⑤)を法界塵沙に発し、興法利生(こうぼうりしょう⑥)の心を励まして浄戒を貴賤男女に授く。出家受戒の男女は一千六百余人。一分全分の貴賤は九万五千余輩。是を以て当時近国二十余箇寺、長齊(ちょうさい⑦)の仏子数百許人也。然も浄命(じょうめい⑧)に順(したが)わんと欲して、不浄財を蓄えず。大果を求めんが為、有待(うだい⑨)の身を愛(おし)まず。勤行倦むことなく、進修に勇あり。

①五篇七聚=戒を侵したとき、罪の軽重により五篇と七聚に分類される。五篇は、波羅夷(はらい)・僧残(そうざん)・波逸提(はいつだい)・波羅提提舎尼(はらだいだいしゃに)・突吉羅(とっきら)。七聚は五篇に偸蘭遮(ちゅうらんじゃ)・悪説(あくせつ)を加える。

②開制=開遮。開は許の義。遮は止の義。なすことを許すを開といい、なすことを禁ずるを遮という。

 慈尊の論旨=弥勒菩薩所造の瑜伽師地論に説かれた菩薩戒の論旨。

 上求下化=上求菩提、下化衆生。さとりを求め衆生を済度する菩薩行。

⑤戒体=受戒の結果、戒律を守り続けさせる功能、原動力をいう。物質的なもの(色法)とする立場、精神的なもの(心法)とする立場、非色非心の立場がある。

 興法利生=興隆正法、利益衆生。

⑦長斎=斎食(さいじき)を長く続けること。斎食とは不過中食(一日二食、正午以後食を摂らない)の行法。

⑧浄命=釈尊の清浄な教命、戒法。

⑨有待=(他に依存するの意)人間の身体。食物・衣服などに依存して生存するからいう。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

Save Jorurijiの署名は浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、般若寺でしていただけます。


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2015年4月26日 (日)

コスモス寺花だより 4・26

般若寺 春の花だより

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は429日―510日です。

〇山吹:≪散りはじめ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〇シャガ、キンポウゲ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪見ごろ≫

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇矢車草:≪咲きはじめ≫

〇紫雲蘭:≪咲きはじめ≫十三重石塔の石基壇上に咲きます。

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈青柏〉

「朝ぎよめ 文庫(ふみぐら)の窓 あけてあり

       青柏葉を わたるそよ風」

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「雨あがり 朝飯過の やなぎ哉」一茶

・訳:雨上がり、朝飯を過ぎて見る青々とした柳よ。

〔和歌〕

「風にたぐふ 花の匂ひは 山かくす

        春の霞も へだてざりけり」

         二品法親王聖尊・新葉和歌集

「風に入り交じった桜の花の匂いは、山を立ち隠す春の霞であっても遮ることはないのだなあ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺への道〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》401

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆但し恨(うら)むらくは貧家に処して、顕宗密宗を稟承(ひんしょう①)することを恣(ほしいまま)にせず。劣身を受けて、自行化他(じぎょうけた②)を修行することを快くせず。是を以て、幼少の当初(そのかみ)、憖(なまじい)に誓願を発(おこ)すは、今身従り来際(らいざい③)を尽くすまで、報命(ほうめい④)を支えんためには正法を学ばず。唯だ有情(うじょう⑤)を利さんが為に諸教を学ぶ。勝他を得んが為には妙行を修さず。唯だ菩提を証さんが為に三学を修す。幸いに神明(しんめい⑥)の告げを感じて早く秘密の門に入る。剰(あまつさ)え先師の慈しみを蒙りて両部の印可(いんか⑦)を受く。爾(しか)るより以降(このかた)、遍く諸尊の三昧を訪(おとな)い、具に稟承の口決(くけつ⑧)を伝う。

 

 稟承=上の人(師)のさしずを受ける。

 自行化他=自身が修行し、他を教化する。

 来際=未来際。世のあらんかぎり。

 報命=命じられた仕事の結果を帰って報告する。

 有情=梵語サットバ。情(心の働き・感情)を持つ者。生きとし生けるもの。衆生。

 神明=神、神祇。ここは醍醐清瀧権現の夢告を指す。

 印可=印信許可(いんじんこか)。師僧が弟子の悟りを証明すること。

 口決=口訣。文書に記さず、口で言い伝える秘伝。口伝、口義。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しいチラシと、第二弾「Save Joruriji 」が作成されました。

ご署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、般若寺で出来ます。

 

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2015年4月25日 (土)

コスモス寺花だより 4・25

般若寺 春の花だより

*本日は御本尊文殊師利菩薩さまのお会式です。午後1時半より法要を勤修します。真言律宗の一門寺院から住職方が御出仕されます。

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は429日―510日です。

〇山吹:≪散りはじめ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〇シャガ、キンポウゲ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇牡丹桜:≪見ごろ≫豪華な花

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪咲きはじめ≫

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈青柏〉

「ふみぐらに ますぐに高く 立つ柏

   幹の新皮(あらかは) 古色(ふるび)つきたり」

      岡麓・庭苔

〔俳句〕

「振り替る 柳の色や 雨あがり」一茶

・訳:ふりかえってみて、青々とした柳の色に驚いたよ。この雨上がり。

〔和歌〕

「立わたる 霞のひまに あらはれぬ

       山又山の 花の白雲」

        右兵衛督成直・新葉和歌集95

「ずっと一面に立っている霞の隙間に現れたよ。山また山にかかっている白雲のように見える桜の花。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》400

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆十二月、西室院を建つ。本師釈迦牟尼仏を本尊と為す。又自らの影像を刻んで、以て其の側に安んじ、専ら興法利生(こうぼうりしょう①)を祈る。

 表白(ひょうはく②)に曰く、

 

【興法利生表白

 敬って真言教主、三世常住 摩訶毘廬遮那如来、金剛界会三十七尊、九会曼荼羅中諸尊聖衆、幷に大悲胎蔵八葉蓮台、四智四行十三大会塵刹聖衆、外金剛部護法天等、殊には宝生宝部、一字金輪、大転輪王、都(すべ)て仏眼所照の帝網(たいもう③)重々三宝に白して言(もう)さく。

 夫れ以(おもんみ)れば、含識本有(がんしきほんぬ④)の仏性は、聖教に因って顕れ、正覚能詮の勅命は信行を以て弘まる。然るに今、五濁外に逼るが故に、経律論を受学するを疎かにす。三毒は内に猛きが故に、戒定恵を修行するに倦(う)む。勝他(しょうた⑤)の為に、枉(ま)げて三蔵を習う。利養(りよう⑥)の為に強いて勤行を企つ。意に任せて三宝の財物を盗用し、愚(ぐ⑦)に隨いて貴賤の信施を得んことを望む。出離の用法、忽ちに受苦の縁と成り、解脱の修行、反って流転の因を増す。必堕阿鼻獄(あびごく⑧)の誠説、甚だ怖るべき哉。冥より冥に入るの金言、深く悲しむべき哉。是に於いて弟子、適(たまたま)人身を受けて幸いに仏教に遇う。宿福深厚なり。喜びても余り有り。

 

 興法利生=釈尊の正法(菩薩戒)を興隆し、衆生を利益すること。

 表白=ヒョウヒャク、ヒョウビャクとも。啓白ともいう。法会や修法の際にその趣旨や願いなどを仏前に申し述べること。

 帝網=帝釈天宮の網。因陀羅網。網の線と珠玉が連なる様から重々無尽に交絡渉入するをいう。

 含識本有=含識はゴンシキとも。識(心のはたらき)を有するもの、すなわち衆生、有情をいう。本有は本来からそなわっていること。

 勝他=他者に打ち勝つこと。

 利養=利欲をむさぼって自分の身をこやすこと。

 愚=おろかな心。

 阿鼻獄=八大地獄の第八。五逆・謗法の大悪を犯した者が、ここに生まれ、間断なく剣樹・刀山・鑊湯(かくとう)などの苦しみを受ける。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*明日26日からSave-Jorurijiの署名活動を始めます。署名用紙を置いているのは浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、般若寺です。御参詣の折には署名にご協力くださいませ。

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2015年4月24日 (金)

コスモス寺花だより 4・24

般若寺 春の花だより

春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は429日―510日です。

〇山吹:≪散りはじめ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〇シャガ、キンポウゲ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇牡丹桜:≪見ごろ≫豪華な花

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪咲きはじめ≫

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈青柏〉

「うぐいすの なく声高し 柏木の

        若葉ひろごる 文(ふみ)ぐらの庭」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「苦の娑婆や 桜が咲ば 咲いたとて」一茶

・訳:苦しみのこの世の中だよ、桜が咲けば咲いたといって。

〔和歌〕

「白雲に まがふもつらし 山桜

      花はたぐひも あらじと思へば」

       入道前右大臣・新葉和歌集94

「白雲に見まちがえるのもつらいことだ。山桜の花は比べられるものなどあるまいと思うと。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》399

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆十一月一日、額安寺に臻(いた)って本尊虚空蔵菩薩開光仏事を修す。菩薩修補記文に曰く、

 

【此の虚空蔵菩薩は道慈(どうじ①)律師の彫刻する所也。律師、姓は額田氏、添下郡の人也。入唐求学する時、善無畏三蔵に隨って虚空蔵求聞持(こくぞうぐもんじ②)の法を伝え、帰朝して之を善議に授け、而して後勤操(ごんぞう③)弘法次第に此の法を弘通す。律師曾て此の像を刻み、額安寺に安置し、常にこれを持念す。爾るより以来五百余載を歴(へ)て、尊像猶存すれども損壊して全(まった)きからず。是に由って仏工法橋善春に命じて再び之を修補し、絵師法橋明澄に命じて之を綵色し、修飾已に成り当寺に安鎮し奉る者也。

 弘安五年十一月一日 沙門叡尊之を記す。】

 

 道慈=三論宗大安寺流の祖。入唐して三論と密教を学ぶ。

 虚空蔵求聞持法=虚空蔵菩薩を本尊として修する行法で、頭脳を明快にし、記憶力を増大するものとされ、空海弘法大師が入唐前に勤操から授かる。

 勤操=三論宗。岩淵僧正。大安寺に学び東大寺別当、空海の師。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために「賛同人」を募集しています。

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2015年4月23日 (木)

コスモス寺花だより 4・23

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪散りはじめ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〇シャガ、キンポウゲ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇牡丹桜:≪見ごろ≫豪華な花

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪咲きはじめ≫

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈青柏〉

「かがまりて 古書目録を かきてをり

        窓の柏木 若葉しにけり」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「藤さくや 木辻の君が 夕粧(ゆふよそほ)ひ」一茶

・訳:藤の花が咲いているよ。木辻の遊女の夕化粧。

・木辻=奈良市木辻町。昔、奈良の遊女町として栄えた。

〔和歌〕

「山の端に 朝ゐる雲や み吉野の

       高嶺の花の さかりなるらん」

        福恩寺前関白内大臣・新葉和歌集93

「山の端に朝かかっている雲は、吉野の高嶺の花の盛りの姿なのであろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》398

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆六月二日、右近将監平朝臣陸奥守平朝臣の奉書(ほうしょ①)を得て、西琳寺境内に於いて、以て殺生狼藉執務等の事を禁止す。七月、胎蔵界梵漢和鏡(たいぞうかいぼんかんわきょう)全部八巻、初めて觚(こ②)を操(と)り、臘月廿三日亥時に至り筆を絶す。菩薩齢八旬に越ゆれども、筆記倦むこと無く、其の顕密法門に於いて勤労すること斯くの如し。兒孫奚(なん)ぞ其の鴻恩を擔負(たんぷ③)せざらんや。八月九日、亀山法皇親しく宸翰(しんかん④)を染め、懇請して法を聴く。勅宣して菩薩戒を皇女に授けしむ。

 既に西大に還り衆の為に南山四分戒本疏(しぶんかいほんしょ)を講演す。十月、請いを請け菩薩戒経を紀の粉河寺に於いて講布す。満座の日、菩薩戒を受ける者、道俗二千七百余人。廿一日、泉の久米田寺に届いて入仏会(にゅうぶつえ⑤)を開き、因って乞匈(きっきょう⑥)数千人を集めて食を施し、饑を飼(やしな)い、授くるに斎戒を以てす。廿三日、長承寺に於いて菩薩戒を三百六十余人に授く。廿四日、大鳥大明神に詣で大般若経を転読す。翌日神鳳寺に於いて般若会を開く。廿六日、河の真福寺に之(ゆき)て、又法会を建つ。廿八日、北大和寺(きたやまとじ⑦)に届(いた)り会を開き食を施す。其の施に預かる者二千有余人。

 

 奉書=上意を奉じて侍臣・祐筆らが下す命令の文書。

 觚=文字を記すのに用いた木の札。

 擔負=にないおう。

 宸翰=天子の直筆の書き物。

 入仏会=新たに仏像を迎え入れて安置する法会。入仏供養。

 乞匈=ものごいをする人。

 北大和寺=真弓山長久寺(まゆみさんちょうきゅうじ)。現真言律宗末寺、生駒市所在。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために「賛同人」を募集しています。

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2015年4月22日 (水)

コスモス寺花だより 4・22

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪散りはじめ≫黄色一重咲・八重咲、白山吹。

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

〇シャガ、キンポウゲ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著莪明り」後藤比奈夫

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇牡丹桜:≪見ごろ≫豪華な花

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪咲きはじめ≫

〇日本たんぽぽ、踊子草:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

「踊子草 みな爪立てる 風の中」岡部六弥太

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

・花期:5~6月・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションなど12品種。

〔短歌〕

〈青柏〉

「文ぐらの 机によりて する墨の

       硯にうつれ 窓青がしは」

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「山吹や 先(まづ)御先へと とぶ蛙」一茶

・訳:山吹が咲いたよ。まずお先に失礼と飛ぶ蛙。

〔和歌〕

「しばしこそ 雲とも見つれ 山桜

        さかりになれば にほふ春風」

         後村上院御製・新葉和歌集92

「しばらくの間こそ雲とも見ていたのだが、それは山桜であったか、花盛りになると薫る春風であるよ。」

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(弘安)五年壬午

 菩薩八十二歳。正月十四日申時、伝法灌頂胎蔵界詮要私記(でんぼうかんじょうせんようしき)一巻、之を筆記し訖る。十七日酉時、伝法灌頂護摩詮要私記(でんぼうかんじょうごませんようしき)一巻、其の筆を絶す。二十八日、特に左中辨公成卿に命じて宣旨を賜い、一七箇日殊に精誠を致し、以て天下静謐(てんかせいひつ①)を祈る。二月七日、更に胎蔵界詮要私記鈔(たいぞうかいせんようしきしょう)一巻を製す。又、覆勘(ふくかん②)す。十二日、亦同鈔一巻を撰す。三月五日申時、伝法灌頂支分詮要鈔(でんぼうかんじょうしぶんせんようしょう)一巻を製作す。翌日申時、之を覆勘す。四月、徒衆の為に表無表章(ひょうむひょうしょう)を講ず。講已(おわっ)て嘱して曰く、此の章は相家(そうけ③)枢要の玉典、律門再興の宝鑰(ほうやく④)なり。我が後裔必ず之を依学すべし。

 

 天下静謐=天下が静かであること。世の中がおだやかに治まること。

 覆勘=繰り返し審査する。

 相家=法相宗

 宝鑰=宝蔵の鍵。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or「奈良市クリーンの会」

 

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために「賛同人」をお願いしています。

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2015年4月21日 (火)

コスモス寺花だより 4・21

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫黄色一重咲・八重咲、白山吹が見ごろとなっています。

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「紫の 斑(ふ)の仏めく 著莪の花」高濱虚子

〇牡丹桜:≪見ごろ≫豪華な花

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪咲きはじめ≫

〇日本たんぽぽ、キンポウゲ:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈紫雲英〉

「あわただしく 来りし用は まとまりぬ

         ひとりげんげの 花田にあそぶ」

          岡麓・庭苔

〔俳句〕

「さくらさくらと 唄れし 老木哉」一茶

・訳:さくらさくらと昔唄われた老木よ。

〔和歌〕

「小塩山(をしほやま) 神代もきかぬ 紅(くれなゐ)の

         うす花桜 いまさかり也」

          前中納言為忠・新葉和歌集91

「大原野神社の鎮座する小塩山に、神代にもこのように美しく咲いたと聞いたことがない紅のうす花桜が今真っ盛りであるよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》396

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆十二月、法華寺に届(いた)りて仏舎利を数う。其の記文に曰く、

 

【去る文永七年算計の時は、二千六十三粒云々。今弘安四年辛巳十二月十六日、新殿を結構し之を移納し奉る。次に重ねて勘計の処、二千四十粒也。彼の文永の算計は一遍(返)也。猶不審相残るの間、今の度は請誠(せいせい①)を致し、二遍(返)之を算し奉るの処、二十三粒減じたまい畢(おわ)んぬ。先の度は謬(あやま)る所歟。凡そ出没(しゅつぼつ②)は時に依る。一定すべからざる者歟。 叡尊】

 

 請誠=精誠か。まじりけなく誠実なこと。まごころを尽すこと。

 出没=あらわれたり隠れたりする。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287

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2015年4月20日 (月)

コスモス寺花だより 4・20

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫黄色一重咲・八重咲、白山吹が見ごろとなっています。

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「紫の 斑(ふ)の仏めく 著莪の花」高濱虚子

〇牡丹桜:≪見ごろ≫豪華な花

〇日本桜草:≪見ごろ≫45

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇牡丹:≪咲きはじめ≫

〇日本たんぽぽ、キンポウゲ:≪見ごろ≫日本在来種が珍しくなっています。

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈紫雲英〉

「かかづらひ おほきわが家を 離れきて

        山辺にくれば げんげ花盛り」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「なまけるな イロハニホヘト 散桜(ちるさくら)」一茶

・訳:怠けるなイロハニホヘトを学んでいる内に桜が散っている。

〔和歌〕

「志賀の浦の 波の花こそ 影うつす

        比良の高嶺の 桜なりけれ」

         前大納言光任・新葉和歌集90

「志賀の浦の花のように見える白い波頭は、実は水面に影を映す比良山の高嶺の桜であったのだよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》395

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆八月十一日、菩薩又詔を奉って、五百余口の徒僧を領し、大蔵(だいぞう①)を石清水に慶讃(けいさん②)して以て神威を倍増す。

 帝、群臣を率いて臨幸す。是は降伏異賊の神験を喜びたまうに由って也。而して又、伊勢風社を以て褒(ほう③)して風宮と号す。十四日、西念寺に届かる。菩薩戒を求受する者、二百余人。而して後、摂の多田院に往きて七日説法す。廿一日、菩薩戒を受くる者、四百十余人。廿二日、天王寺に至る。廿五日、毘廬遮那院に就いて、大曼荼羅供を修す。又、菩薩戒を四百余人に授く。九月初朔、西琳寺に於いて、又、大曼荼羅供を修す。十月、生駒谷(柳本釜の口の誤り)長嶽(岳)寺霊山院に届く。伝法本師(でんぼうほんし④)の遠忌を迎え、七箇日法会を開く。以て慈蔭(じいん⑤)を酬いる。六日、菩薩戒を受くる者三百五十余人。其の前の四日、十月三日、左衛門権佐頼藤を以て宣旨を賜い、西琳寺境内の築垣を修治す。

 

 大蔵=すべての経典を入蔵する一切経、大蔵経。宋版では五千数百巻。

 慶讃=キョウサンとも。仏像、堂塔、経巻の完成を喜びたたえる仏事。

 褒=ほめる。ほめたたえる。

 伝法本師=伝法灌頂の師、長岳寺霊山静慶。

 慈蔭=慈悲、慈愛のおかげ。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287

*署名用紙を印刷中、連休あたりから署名活動開始します。

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2015年4月19日 (日)

コスモス寺花だより 4・19

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫黄色一重咲・八重咲、白山吹が見ごろとなっています。

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「紫の 斑(ふ)の仏めく 著莪の花」高濱虚子

〇奈良の八重桜:≪見ごろ≫木は大きくありませんが花は気品あり、華麗。

〇日本桜草:≪見ごろ≫30

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈紫雲英〉

「げんげんの 花のさかりに 来りけり

        山田ゆたけき くつろぎをおぼゆ」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「花ちるや 末代無智の 凡夫衆」一茶

・訳:花が散るよ。末代まで無智のままの悟らない人々。

〔和歌〕

「暮れぬなり 名にながれたる み吉野の

        滝のいとなく 花を見るまに」

         入道前右大臣・新葉和歌集89

「一日が暮れてしまったことだよ。あの有名な吉野の宮滝の桜の花をずっと見ている間に。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》394

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆是の時に当り、西海に浪騰(あが)ること二十余丈、兵船数万一時に滔没(とうぼつ①)す。宇佐大神(うさのおおみかみ②)託して曰く、西大思円上人、国家の為に災いを穣(攘ヵ、はら)わんと欲し、男山に就いて法会を開く。是に由り六十余州の諸神祇、悉く皆な大宰府に至り、今夜の子の刻、正に兵船覆滅(ふくめつ③)の時なり。菩薩の道力(どうりき④)是くの如し。茲れ豈に独り仏神の奇跡を顕わすことのみならんや。誠に以て国家の有道(うどう⑤)を彰(あらわ)すこと有るなり。近臣入りて其の事を奏す。天顔(てんがん⑥)大いに悦び、即ち二條大納言資秀卿に勅して菩薩を宮中に請じて、一七日を慰労すること慇懃にす。錫賚(せきらい⑦)便蕃(へんはん⑧)なり。因みに大多勝院に於いて、天皇、菩薩大戒を受けて弟子の礼を執る。皇后貴嬪、皆な斎戒を受く。縉紳頂謁すること前年に倍万す。傾誠尊仰せざること莫れ。其の殿中より出づる所の鏑矢(かぶらや⑨)は、菩薩、従来持念する所の愛染明王、執持する所の矢也。又衆僧の交名一巻、修法注録二巻、八幡宮神殿に奉納すと云う。

 

 滔没=滔は水が広がりみなぎる。沈没。

 宇佐大神=大分県宇佐市にある宇佐八幡宮。祭神は誉田別尊(ほんだわけのみこと)・比売(ひめ)大神・大帯姫命(おおたらしひめのみこと)。

 覆滅=くつがえりほろびる。

 道力=法力。仏法の功徳力、威力。仏道を修行して得た不思議な力。

 有道=道理、正義があること。

 天顔=天子の顔。竜顔。ここでは亀山上皇の尊顔。

 錫賚=労をねぎらって賜うもの。錫は僧が使う杖。賚はたまう、ねぎらう。

 便蕃=くつろぎに浸ること。便はやすらぎ、くつろぎ。蕃は多い、さかんである。

 鏑矢=蕪の形で穴をあけてあり、飛ぶ時音を発する。なりや、鳴箭。。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287

 

 

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2015年4月18日 (土)

コスモス寺花だより 4・18

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「紫の 斑(ふ)の仏めく 著莪の花」高濱虚子

〇奈良の八重桜:≪見ごろ≫木は大きくありませんが花は気品あり、華麗。

〇日本桜草:≪見ごろ≫30

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈紫雲英(げんげ)〉

「げんげんの 花田見はらす 片岡の

        松のはやしに 早蝉なくも」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「散花も つかみ込けり ばくち銭」一茶

・訳:散っている花も一緒につかみ込んだよ博打の銭も。

〔和歌〕

「山桜 咲きにし後は み吉野の

     滝のしらあわも 花かとぞ見る」

      右兵衛督成直・新葉和歌集87

「朝日が差す峰にかかっている桐の切れ目から見える、日の光の美しい輝きを添えている山桜よ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》393

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆又、比丘僧八百余員を率いて城州男山八幡宮に至り、廿五日より閏七月一日に至るまで、七日の期を限り、毎日二時、八百座仁王会を開き、夜分には愛染不動等の七壇護摩秘法を修す。菩薩は中壇に就いて、愛染明王尊勝法を修す。伴僧は高弟長禅(幸尊)律師、隨覚(鏡慧)律師等一百人。不動の法は導師本照(性瑜)律師、伴僧智性(永忍)比丘等七十人。軍荼利の法は導師慈道(信空)律師、伴僧圓智(祐算)比丘等七十人。降三世の法は導師興道(玄基)律師、伴僧浄願(源意)比丘等七十人。大威徳の法は導師雙圓律師、伴僧律道比丘等七十人。金剛夜叉の法は導師観心(禅海)律師、伴僧教律(禅意)比丘等七十人。太元の法は導師日浄(惣持)律師、伴僧観玄(璋尊)比丘等七十人。其の余の衆僧三百余人は共に同じく仁王経大陀羅尼を念誦す。其の音声は天地に響き山川を動かす。貴賤詣参し、道俗群集して山上山下踏む所の地無し。閏七月朔(ついたち)、期満つるの日に当たって、山嶽震動し殿の扉、自ずから八字に開き、殿中声あって曰く、上人、外賊を降さんがため、大法を厳修す。吾れまさに祐佐(ゆうさ①)すべし。言纔(わず)かにして訖る。一箭(いっせん②)殿中より出でて光を放って西に去る。其の響き雷の如し。尋(つ)いで素旛(そはん③)三首(さんしゅ④)、亦殿より出ず。一つは妙法蓮華経の五字有り、一つは大槃涅槃経の五字有り、一つは唯識三十頌の五字有り。字という字は咸(みな)金の光を放ち、亦西を指して去る。俄にして猛風大いに起り、電(いなずま)は碎(くだ)け、雷(いかずち)は奔(はし)って、大雨河を傾く。是に於いて在会(ざいえ⑤)の緇素(しそ⑥)、争いて未曾有なりと嘆ず。

 

 祐佐=たすけ、補佐する。

 一箭=イチヤとも。愛染明王所持の矢

 素旛=白い旗。素は生地のままの白い絹。旛は長く垂れさげたはた、のぼり。

 三首=旗を数えるには三流れと云うべきであろうが、経題の文字が書かれているので和歌など詩歌を数えるように三首というか。

 在会=法会に参詣する。

 緇素=黒と白。僧と俗人。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287

 

 

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2015年4月17日 (金)

コスモス寺花だより 4・17

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「紫の 斑(ふ)の仏めく 著莪の花」高濱虚子

〇奈良の八重桜:≪見ごろ≫木は大きくありませんが花は気品あり、華麗。

〇日本桜草:≪見ごろ≫30

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桐花〉

「原中の 桐の花咲く 下みちを

      傘さし行けり 雨になりぬらむ」

       岡麓・庭苔

〔俳句〕

「隙(ひま)あれや 桜かざして 喧嘩買(けんくわかひ)」一茶

・訳:ひまがあるからだなあ。桜の花を頭にかざして行く喧嘩買。

〔和歌〕

「朝日さす 峯の霞の 絶え間より

       にほひそへたる 山桜かな」

        前内大臣隆・新葉和歌集

「朝日が差す峰にかかっている霞の切れ目から見える、日の光の美しい輝きを添えている山桜よ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足誤ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》392

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆ 上皇、上邦(じょうほう①)を侵逼(しんひょく②)されんことを慮(おもんばか)り、乃ち百官を集めて、其の事を議す。僉(みな)曰く、仏神の力に非ずんば決して伏すべからずと。是に於いて菩薩に勅す。菩薩勅を奉って、衆僧一百口を率い教興寺に届き、仁王大会を建つ。兼て千手千眼経(せんじゅせんげんきょう③)を講讃す。経の中、神妙章句、外国怨敵、即自降伏、各還政治国土の句に至って、菩薩之を読むこと三遍す。時に、講堂の千手大士の像は大光明を放ち、四大天王動くこと生身の如し。満座の黒白(こくはく④)、掌を合わせ驚嘆す。

 上邦=上は天子、君主。邦は国。我が国、日本。

 侵逼=おかし、おびやかす。

③千手千眼経=大正新修大蔵経巻第二十所輯にいくつかの千手千眼経がある。

 黒白=僧と俗人。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287


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2015年4月16日 (木)

コスモス寺花だより 4・13

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹の 一重の花の 重なりぬ」高野素十

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「紫の 斑(ふ)の仏めく 著莪の花」高濱虚子

〇奈良の八重桜:≪見ごろ≫木は大きくありませんが花は気品あり、華麗。

〇日本桜草:≪見ごろ≫30

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桐花〉

「雨ぞらの 日ざしたゆたふ 午休(ひるやす)み

       桐の花咲く 原を見おろす

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「此(この)やうな 末世を桜 だらけ哉」一茶

・訳:このような末世にもかかわらずあちこち桜だらけだなあ。

〔和歌〕

「咲きぬべき 片枝(かたえ)にうつる 心かな

かつ見る花も めかれせぬまに」 

         後村上院御製・新葉和歌集86

「今にも咲きそうな片方の花の枝に惹かれてゆく心であるよ。一方で、咲いた花にも目が離せないでいるままに。」

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足誤ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》391

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆七月十二日、上皇(①)西大寺に臨幸したまう。賜うに仁王五方曼荼羅(にんのうごほうまんだら②)を以てす。下旬、西国より蒙古の兵船四千艘、阿刺罕(あしかん)、范文(はんぶん)、虎忻都(こきんと)、洪茶丘(こうたきゅう)の四人を大将と為し、其の兵二十四万人、襲い来って大宰府に至ることを注進す。

 

 上皇=亀山院。

 仁王五方曼荼羅=空海弘法大師創案。鎮護国家を祈る密教最大秘法である仁王経法に用いる仁王経曼荼羅。東寺の講堂に並ぶ二十一尊が中・東・南・西・北の五方向に配置される。即ち自性輪身の五智如来(大日・阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就)と、正法輪身の五大菩薩(金剛波羅蜜多・金剛手・金剛宝・金剛法・金剛業)、その教令輪身である五大明王(不動・降三世・軍荼利・大威徳・金剛夜叉)に守護神としての四天王と梵天・帝釈天を以て構成。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布予定。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287

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2015年4月15日 (水)

コスモス寺花だより 4・15

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇奈良の八重桜:≪見ごろ≫木は大きくありませんが花は気品あり、華麗。

〇日本桜草:≪見ごろ≫30

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桐花〉

「うちうちの 私ごとの 安からず

        蒸(むし)あつき日の つづくこの頃」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「下々に 生れて夜も さくら哉」一茶

・訳:下々の身分に生まれて夜も桜を見物しているよ。

〔和歌〕

「吉野山 花も時えて 咲きにけり

      都のつとに いざやかざさん」

       後村上院御製・新葉和歌集85

「吉野山では桜の花も時を得て咲いたのだなあ。この花を都へのみやげものとして、さあ髪に挿して帰って行こう。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》390

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆右、同前の解状を得て偁(いわ)く、当寺の荘園封戸(ふうこ①)、或は代々の別当恣(ほしいまま)に之を売る。或いは処々の姧者(かんじゃ②)妄(みだ)りに之を奪う。其の根本の領に於いては一頃(いっけい③)の地を残さず。近年篤信の輩(ともがら)、帰依の余り纔(わずか)に小領を割り当寺に寄進し、永く別当の名字(べっとうのみょうじ④)を買い取り、住持の三宝(じゅうじのさんぼう⑤)を寄附せしむ。 然れば則ち、今より以後、寺領と云い、寺務と云うは、仏陀の外には別なる主有るべからず(⑥)。衆僧の外に執務せしむべからず。永く諸方の狼唳(ろうれい⑦)を停止し、宜しく一人の張行(ちょうぎょう⑧)を禁断すべきの旨、勅定を下されんことを欲するは、同じく請いに依り勅を奉じ宣(みことのり)するは、以前の條の事、件(くだん)の如し。寺よろしく承知すべし。宣に依りて之を行(ぎょう)ぜよ。牒(ちょう⑨)到り状(じょう⑩)に准ずるが故に牒す。

 

 弘安四年五月廿六日

     修理東大寺大仏長官正五位上行左大史兼備前権介小槻宿祢

 牒正五位上行右小辨兼春宮大進藤原朝臣

 

 封戸=食封。律令の封禄制度。税を負担する課口(かこう)のいる戸。

 姧者=姧は姦と同字。よこしまな。盗む。

 一頃=面積の単位。一頃は百畝(ひゃっぽ)。百八十二アール。

 別当の名字=別当は寺務を統括した僧官、寺主。寺務を統括する名と権限。

 住持の三宝=後世へ仏教を維持し伝えて行くための三つの宝、仏像、経巻、出家の比丘。

 仏の外に別なる主有るべからず=仏領。仏物領。

 狼唳=狼の鳴声。

 張行=容赦なく行うこと。強行。

 牒=公文書を記す薄いふだ。

 状=かきつけ、上奏文の類い。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの先生方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742226287

 

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2015年4月14日 (火)

コスモス寺花だより 4・14

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇日本桜草:≪見ごろ≫

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。10センチほどです。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桐花〉

「桐の花 咲くを早しと 見つつをり

      此頃われは おもひわづらふ」

       岡麓・庭苔

〔俳句〕

「ちる花や 已(すで)におのれも 下り坂」一茶

・訳:散る花の哀れさよ。すでにおれも盛りを過ぎて下り坂。

〔和歌〕

「吉野山 雲井の桜 君が代に

      あふべき春や 契(ちぎり)おきけん」

       中院入道一品・新葉和歌集

「吉野山に〔雲井の桜〕という名の桜が咲いたのは、帝にご覧いただくはずの春をかんて契り置いたからだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》389

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆正二位行大納言源朝臣定実、請いに依り勅を奉じ宣(みことのり)す。

一つ、寺辺の狼藉、雑使の入部を停止すべき事。

  東限は大河 寺を去ること一町 南限は水田 寺を去ること一町余

  西限は溝川 寺を去ること一町余 北限は山陵 寺を去ること一町

 右、同前の解状を得て偁(いわ)く、四辺の民烟(みんえん①)は三宝の奴婢(さんぼうのぬひ②)なり。年々鷹宇(ようう③)の破壊を修(なお)し、日々鵝王(がおう④)の供施(きょうせ⑤)を備う。荘園顚倒して無縁となるの砌と雖も、檀施積集して有封の寺に耻じず。而して諸方の雑使等、毛を吹き疵を求む。寺奴を搦め取り、穴を穿ち短を伺い、民屋を追捕す。然る間僧侶は憐れみを含み、講論の筵(むしろ)動(ややもすれば)冷す。土民は憤りを懐き、修造の営み廃れ易し。法の為、寺の為、誡めざるべからず。天裁(てんさい⑥)を望み請い、因りて太子御廟等の傍例に准じて、寺辺四至内を永く諸使の乱入を停止すべきの由、綸旨を下さるれば、倍(ますます)丹誠(たんせい⑦)を抽(ひ)き紫禁(しきん⑧)を祈り奉る。同じく請いにより勅を奉じ宣(みことのり)す。

 一つ、衆僧の外、別人の執務を停止すべき事。

 民烟=民煙。民の家から立ち上るかまどの煙。また民家。

 三宝の奴婢=三宝は仏法僧。奴婢はしもべ、やっこ。寺に所属する民。

 鷹宇=タカの家。

 鵝王=ガチョウの王

 供施=食物を供えること。鳥のエサ。

 天裁=君、帝王(朝廷)の裁き。

 丹誠=まことのこころ。赤誠。

 紫禁=天帝の座の意。皇居、内裏。紫禁城(明・清の宮城の呼称)

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺・・・まもる会」ではSave-Jorurijiのために著名な学識者、文化人、芸術家、宗教者、俳優さんに「呼びかけ人」になっていただく活動を進めています。心当たりある方はお知らせください。般若寺電話0742-22-6287

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2015年4月13日 (月)

コスモス寺花だより 4・13

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇日本桜草:≪見ごろ≫

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。10センチほどです。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈牡丹桜〉

「をやみては ふりいづる 雨しげし

       夕(ゆふべ)にぞ見る 牡丹桜を」

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「穀(ごく)つぶし 桜の下に くらしけり」一茶

・訳:無駄飯だけ食う者、桜の下で暮らしたいるのだなあ。

〔和歌〕

「ここにても 雲井の桜 咲きにけり

       ただかりそめの 宿と思ふに」

        後醍醐天皇御製・新葉和歌集83

「行宮であるこの吉野においても、宮中の桜という名を持つ〔雲井の桜〕がさいたのだなあ。ただ、一時的に住んでいる所と思っているのに。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》388

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆持律は群を成し、三衣一鉢の支(ささえ)は乏しと雖も、行業は年に積り、天長地久(てんちょうちきゅう①)の勤めは怠り無し。加うるに、西に青塚(せいちょう②)多く、皆な上古帝后の陵廟(りょうびょう③)。南に霊崛(れいくつ④)あり、則ち聖徳太子の芳骨を留む。旁ら地勢を見るに、殺戮に便ならず。矧(いわん)や寺辺二里の殺生に於いておや。聖主累代の禁遏(きんあつ⑤)哉。茲に因りて、旦(且ヵ、かつは)上宮(じょうぐう⑥)の記文に任す。且つは知識(ちしき⑦)の誘引に依る。土民は同心して殺生を停(とど)むると雖も、権門の徒は都(すべ)て叙用せず。或いは諸廟を点じて狩猟の場と為す。或いは諸河を上りて釣魚の処と為す。無慚の至り、何ぞ炳誡(へいかい⑧)せずや。望みて聖断を請う。永く四至内の殺生を停止するの旨、官符を下されば、いよいよ聖化を仰ぎ宝祚を祈り奉る者。

 

 天長地久=天地が永久に変わらないように物事がいつまでもつづくこと。『老子』(第七章)に出る言葉。天がとこしえにあること(天長)と大地がいつまでも変わらないであること(地久)。天子(日本では天皇、上皇)が安泰で天下が平和に治められていること。

 青塚=青冢か。中国の王昭君の墓が冬でも青い草が茂っていたのでこう呼ばれた。古墳のこと。

 陵廟=みささぎ。みたまや。

 霊崛=死者のたましいを祀る岩穴。

 禁遏=おしとどめてやめさせること。

 上宮=上宮太子。聖徳太子のこと。

 知識=善知識。教え導く指導者、高僧。

 炳誡=あきらかないましめ。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布予定。


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2015年4月12日 (日)

コスモス寺花だより 4・12

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

○椿:≪見ごろ≫

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇日本桜草:≪咲きはじめ≫

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。10センチほどです。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈牡丹桜〉

「日のかげの とほくさすごと あかるくて

        牡丹桜に 雨ふりそそぐ」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「ちる花を 屁とも思はぬ 御顔哉」一茶

・訳:散る桜を屁とも思わないお顔ですなあ。

〔和歌〕

「今はよも 枝にこもれる 花もあらじ

      木(こ)の芽はるさめ 時を知る比(ころ)」

       後醍醐天皇御製・新葉和歌集82

「今はまさか枝に籠っている花もあるまい。木の芽をふくらませる春雨がまさにその時を知る比だから。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む

・改訂版》387

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

  右、彼の寺の氏人等、去年十二月廿二日解状(げじょう①)を得、偁(いわ)く、人畜は異なると雖も死を恐るるは是れ同じ。金玉(きんぎょく②)は珍(たから)なりと雖も、命(ことば)を校(くら)ぶるに肖(ちいさ)からず。茲に因って中天極聖(ちゅうてんきょくせい③)は快殺(けせつ④)を十重の始(じゅうじゅうのはじめ⑤)に制す。上代の明王は、寛仁を五刑の終(ごけいのおわり⑥)に顕わす。儒と云い釈と云い、慎まざる可からず。爰に当寺は欽明、桓武両朝の御願、舎那弥陀(しゃなみだ⑦)霊験の仁祠(じんし⑧)なり。草創の年旧(ふる)く、天王寺に先んずること三十箇廻(めぐ)り。花構(かこう⑨)猶新し。風火水に侵されずして七百余歳。古今の奇瑞、勝計(しょうけい⑩)すべからず。其の中、女人金堂に入るの時、地忽ちに破裂し、盗賊銅像を偸むの夜、天、白昼に変り、勝絶(しょうぜつ⑪)の趣、翰墨に覃(たん⑫)じ難し。

 

 解状=訴状。

 金玉=黄金と玉。

 中天極聖=中天は天下、天の中心。世界の中心にあり極めて知徳の優れるお方、即ち釈迦牟尼仏

 快殺=快意殺生罪

 十重の始=菩薩の十波羅提木叉、梵網経の十重禁戒の第一戒。

 五刑の終=中国の隨・唐律、日本古代の律に規定された五種の刑。笞(ち)・杖(じょう)・徒(ず)・流(る)・死(し)。五罪とも。

 遮那弥陀=毘廬遮那仏と阿弥陀仏。

 仁祠=寺院。

 華構=華やかな構え。立派な建築。

 勝計=すべて、のこらず数える。

 勝絶=景色などが、きわめてすぐれている。

 覃=およぶ。ゆきわたる。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布予定。

 

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2015年4月11日 (土)

コスモス寺花だより 4・11

般若寺 春の花だより

奈良県も県議会議員と知事の選挙真っ最中、明日が投票日です。二日前ある候補者の演説会があり、私にも発言の機会が与えられました。私はその場で夕方のニュースで知ったことを話しました。その日今上天皇夫妻がパラオ諸島のペリリュウ島を慰霊訪問され、戦死した一万人の日本兵慰霊碑と二千人のアメリカ兵慰霊塔に白菊をささげ慰霊と平和を祈念されたこと、さらに予定外の行動として米軍の上陸地「オレンジ・ビーチ」に向かって深々と頭を下げられた映像がテレビに流れたことを伝えました。そのビーチの名は、米軍が上陸したとき日本軍の反撃に遭い浜辺の水が兵隊の血でオレンジ色に変わったところからついたのだそうです。その話を天皇様はご存じでそういう行動をとられたのだと思います。そして全滅に近い日本軍の中で34人だけが生き残り祖国へ帰れたのです。しかし敗戦を知らずに一年八か月の洞窟暮らしから救出された95歳の元日本兵に、天皇様は「ごくろうさまでした」とねぎらいの言葉を掛けられ、それに対し、老兵は「戦争は二度としてはいけません」と答えていました。天皇様はおそらく父昭和天皇の時代にわが国がおかした大きな過ちをあがなうため、病気がちの老体に鞭打ってペリリュウまで行かれたのでしょう。常々「お言葉」にしておられる「満州事変からの歴史をまなび、先の戦争の反省を忘れず平和の道を歩まねばなりません」にこめられた思い、お心を、その老兵は察してこの言葉を述べたのだと思います。このお二人のお言葉を、戦争立法をめざしているあの人たちはどう受け止めるのでしょうか。

仏教では、徳の高い人民を幸せにできる王様のことを転輪聖王(てんりんじょうおう)とか金輪聖王(こんりんじょうおう)といいます。今上天皇様はその域に達しておられるのではないでしょうか。私は日本の良識を代表される存在として誇らしく思います。

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

○椿:≪見ごろ≫

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇日本桜草:≪咲きはじめ≫

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。10センチほどです。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桜草〉

「桜草 優しき花と いふか我子(わこ)

     われもしか思ふ 心似て来ぬ」

      岡麓・庭苔

〔俳句〕

「親ありと こたへてもどる 桜哉」一茶

・訳:親がいるんだ、と胸をはって答えて戻って行く。いつもより見事に咲いている桜よ。

〔和歌〕

「おしなべて まだ咲かぬ間(ま)は 尋ねても

        見らく少なき 山桜かな」

         福恩寺前関白内大臣・新葉和歌集80

「等し並みにどこもまだ桜が咲かないうちは、探し尋ねてみても、見ることが少ない山桜であるなあ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》

今日は休みます。

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布予定。

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2015年4月10日 (金)

コスモス寺花だより 4・10

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

○椿:≪見ごろ≫

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇日本桜草:≪咲きはじめ≫

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。10センチほどです。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桜草〉

「春の日は のどかにてりて 暇(いとま)あり

      わが子が植ゑし 桜草の花」

       岡麓・庭苔

〔俳句〕

「おのれらも 花見虱に 候よ」一茶

・訳:われも花見虱でございますよ。

・花見西行のパロディ。

〔和歌〕

「つらからん 後(のち)をば知らず 尋行(たづねゆく)

        花のしるべに 風を待つかな」

         前内大臣顕・新葉和歌集79

「思いやりのない仕打ちをするであろう将来のことはともかくとして、尋ねゆく桜の花への道案内として、そちらから吹いてくる風を待つことよ。」

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ)

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》386

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆金剛界梵漢和鏡全部八巻、五月より初めて筆を染め、十二月廿七日酉時に至り撰述の功を終る。又五月、西琳寺に届(いた)る。廿六日、官符宣を賜る。其の宣に曰く、

【 河州向原寺符宣

太上官牒河内国西琳寺

  雑事参箇絛

一つ 四至内殺生を停止すべき事

 四至 東限は飛鳥の荘 

太子御廟たるに依り四至内官符を下し殺生を止めらる

 南限は岐子の荘 

  山門西塔領たるに依り往代殺生を禁断す。

西限は尺度荘

 根本法華堂領たるにより往代殺生を禁断す。

北限は誉田陵

 大菩薩聖廟たるに依り官符を下し殺生を止めらる。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.or

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシを作成されました。当寺で配布中。

 

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2015年4月 9日 (木)

コスモス寺花だより 4・9

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 庭広やかに 家小さし」長谷川かな女

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

○椿:≪見ごろ≫

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇日本桜草:≪咲きはじめ≫

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。10センチほどです。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈ふくろ藤〉

「藤なみの 花咲く下の 姉妹(あねいもと)

       なかむつましも をとめさびして」

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「剃り捨て 花見の真似や ひのき笠」一茶

・訳:頭を剃って花見西行や芭蕉を真似て桧木笠をかぶり旅に出よう。

〔和歌〕

「名にしおふ 花の便(たより)に 事よせて

       尋(たづね)やせまし み吉野の山」

        祥子内親王・新葉和歌集78

「吉野の景物として名高い桜の花を見ることにかこつけて、尋ねてみようかしら、主上のいらっしゃる吉野山を。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》385

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(弘安)四年辛巳(かのとみ)

 菩薩、八十一歳。春正月、菩薩、国の為に諸徒と最勝王経を繕写(ぜんしゃ①)す。上皇(亀山院)、之を嘉し、親しく翰墨(かんぼく②)を御して護国品を書す。太上皇、又菩薩に勅して梵網戒経を石清水に開講せしむ。廿一日、大乗院(だいじょういん③)に就いて菩薩戒を五十余人に授く。二月廿二日、教興寺に於いて、菩薩戒を二百四十八人に授く。次いで播州岩峯寺に至り、菩薩戒本を講ず。講竟って菩薩戒を受ける者、道俗総て二千余人。三月八日、摂の多田院に届(いた)る。又菩薩戒を受ける者、四百三十余人。四月十五日、平田最福寺を結界す。竟って山の三室山に詣す。菩薩戒を受くる者八十四人。十七日、宇治平等院に之(ゆ)きて戒経を講説す。二十一日、橋寺(はしでら④)入仏の法会を修す。廿五日、菩薩戒を八百余人に授く。或いは筌網(せんもう⑤)を携え来って菩薩の前に於いて、皆な悉く之を焼き、誓って殺業を息(や)め戒法を受ける者有り。是れ乃ち菩薩が戒徳の感発する所なり。

 

 繕写=不足を補い、うつしなおすこと。

 翰墨=筆と墨。

 大乗院=石清水八幡宮寺の子院(支院)。西大寺末寺。八幡宮への参道沿いにあったが、明治維新で廃絶。

 橋寺=橋寺放生院。宇治市に真言律宗末寺として現存。奈良時代、宇治橋を架けた道照の断碑が残る。塔の島十三重石塔は橋寺の所有。

 筌網=筌は細い竹を筒状に編んで作った魚を取る道具。網は漁網。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」「弥勒の道プロジェクト」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシを作成されました。当寺で配布中。