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2015年4月15日 (水)

コスモス寺花だより 4・15

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪満開≫一重咲・八重咲が見ごろとなっています。

「山吹や 日はとろとろと 雲の中」岡田日郎

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

〇シャガ:≪満開≫

「一隅を 照らすに余り 著我明り」後藤比奈夫

〇奈良の八重桜:≪見ごろ≫木は大きくありませんが花は気品あり、華麗。

〇日本桜草:≪見ごろ≫30鉢

「花の奥より 蕾駈け出づ 桜草」加藤楸邨

〇山アジサイ・ウツギ:≪つぼみ≫

〇春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さく10センチ余りです。雨が多いのでよく育っています。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈桐花〉

「うちうちの 私ごとの 安からず

        蒸(むし)あつき日の つづくこの頃」

         岡麓・庭苔

〔俳句〕

「下々に 生れて夜も さくら哉」一茶

・訳:下々の身分に生まれて夜も桜を見物しているよ。

〔和歌〕

「吉野山 花も時えて 咲きにけり

      都のつとに いざやかざさん」

       後村上院御製・新葉和歌集85

「吉野山では桜の花も時を得て咲いたのだなあ。この花を都へのみやげものとして、さあ髪に挿して帰って行こう。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

(奈良坂を浄瑠璃寺に越えむ日は 道の真埴に足過ちそ)

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

(奈良山を離りし日より朝に日に 御寺御仏面影に立つ)

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》390

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆右、同前の解状を得て偁(いわ)く、当寺の荘園封戸(ふうこ①)、或は代々の別当恣(ほしいまま)に之を売る。或いは処々の姧者(かんじゃ②)妄(みだ)りに之を奪う。其の根本の領に於いては一頃(いっけい③)の地を残さず。近年篤信の輩(ともがら)、帰依の余り纔(わずか)に小領を割り当寺に寄進し、永く別当の名字(べっとうのみょうじ④)を買い取り、住持の三宝(じゅうじのさんぼう⑤)を寄附せしむ。 然れば則ち、今より以後、寺領と云い、寺務と云うは、仏陀の外には別なる主有るべからず(⑥)。衆僧の外に執務せしむべからず。永く諸方の狼唳(ろうれい⑦)を停止し、宜しく一人の張行(ちょうぎょう⑧)を禁断すべきの旨、勅定を下されんことを欲するは、同じく請いに依り勅を奉じ宣(みことのり)するは、以前の條の事、件(くだん)の如し。寺よろしく承知すべし。宣に依りて之を行(ぎょう)ぜよ。牒(ちょう⑨)到り状(じょう⑩)に准ずるが故に牒す。

 

 弘安四年五月廿六日

     修理東大寺大仏長官正五位上行左大史兼備前権介小槻宿祢

 牒正五位上行右小辨兼春宮大進藤原朝臣

 

① 封戸=食封。律令の封禄制度。税を負担する課口(かこう)のいる戸。

② 姧者=姧は姦と同字。よこしまな。盗む。

③ 一頃=面積の単位。一頃は百畝(ひゃっぽ)。百八十二アール。

④ 別当の名字=別当は寺務を統括した僧官、寺主。寺務を統括する名と権限。

⑤ 住持の三宝=後世へ仏教を維持し伝えて行くための三つの宝、仏像、経巻、出家の比丘。

⑥ 仏の外に別なる主有るべからず=仏領。仏物領。

⑦ 狼唳=狼の鳴声。

⑧ 張行=容赦なく行うこと。強行。

⑨ 牒=公文書を記す薄いふだ。

⑩ 状=かきつけ、上奏文の類い。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」「弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成され、これから署名活動に活用されます。当寺と浄瑠璃寺にて配布中。

*今、「浄瑠璃寺…まもる会」ではSave-Jorurijiの活動を大きくするために著名な学識者、文化人、芸術家の先生方に「呼びかけ人」をお願いしています。皆様でお心当たりの先生方がおられましたらお教えくださいませ。般若寺電話・0742-22-6287

 

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