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2015年4月 1日 (水)

般若寺 春の花だより

〇山吹:≪咲きはじめ≫桜の花が満開になって、誘われるように一重咲、八重咲、ともに咲きだしました。

「山吹や 葉に花に葉に 花に葉に」太祇

「濃山吹 俄かに天の くらき時」川端茅舎

○沈丁花、椿:≪見ごろ≫

「赤い椿 白い椿と 落ちにけり」河東碧梧桐

〇桜:≪満開≫

〇桃:≪見ごろ≫

〇シャガ:≪咲きはじめ≫

春咲きコスモス 

コスモスの苗はまだ小さいです。今年は3月に入ってきつい冷え込みで枯れたのもありましたが、後から種まきした苗がやっと10センチほどになりました。今月も遅霜がありそうですからまだまだ油断禁物です。

・花期:5~6月

・本数:3万本

・種類:赤白ピンクのセンセーションを主として12品種

〔短歌〕

〈山王山の桜〉

「山王やま あけの末社の 屋根の上

       おほひて咲けり さくらの花は」

        岡麓・庭苔

〔俳句〕

「さく花の 中にうごめく 衆生哉」一茶

・訳:咲く花の中でもごもごと動く人々よ。

〔和歌〕

「咲かぬより まづ面影を さきだてて

        待つ日かさなる 山桜かな」

         冷泉入道前右大臣・新葉和歌集

「まだ咲く前にまずその姿を思い浮かべて、開花を待つ日数が重なる山桜であるよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺〉

「ならさかを じやうるりでらに こえむひは

         みちのまはにに あしあやまちそ」

・ならさか=大和と山城を隔てる東西の丘陵地、奈良山を越える坂道。

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

・まはに=真埴。赤土。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへりて後に〉

「ならやまを さかりしひより あさにけに

         みてらみほとけ おもかげにたつ」

・さかる=離る。遠ざかる。

・あさにけに=朝に日に。け(日)は朝に対して昼間をいう。

 「面影にたつ御寺御仏」はいつまでもこのままでたいせつに残しておきたいものです。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》380

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆其の外、心を同じくするもの左の如し。

薬師院比丘禅海十俵、

西大寺比丘慶印三千文、

浄住寺比丘道源一千六百文、

同寺比丘了空八百文、

大明庵比丘某長衣一領、

西大寺比丘性心三千五百文、

法華寺比丘尼真慧勧化一万一千八百五文、

光台寺比丘尼真浄勧化一万一千陸(六)佰文、

道明寺比丘尼了詳勧化漆(七)仟参伯(百)文、

求菩提院比丘尼真覚捨長財三万文、

法眼行賢施入十千文、

律師聡範遺物二千五十五文、

近事男了意二十俵、

近住尼如法一万一百文、

近事女信法一万文、

即ち建治丙子(ひのえね、二年)仲春(ちゅうしゅん①)下旬初日刀(彫刻刀)を下す。弘安元年戊寅(つちのえとら)沽洗(こせん②)三朝を以て功を畢る。冀(こいねが)はくは、斯の板、三災(さんさい)にも壊れずして万劫に長く存し、緇素(しそ)受持して無窮ならんことを。

弘安元年三月二日、

西大寺幹縁(かんえん④)比丘鏡慧謹んで題す。

 

 仲春=陰暦二月の異称。

 沽洗=姑洗。陰暦三月の異称。

 三災=三つのわざわい。水災、火災、兵災。

 幹縁=勧縁。有縁の人に勧めて浄財を募ること。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が大変参考になり、また貴重な動画が見られます。人の歩かないような道を自転車で踏破しておられます。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を公開されました。いちどご覧ください。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシを作成されました。当寺で配布中。

*二日前の330日、般若寺と弥勒の道プロジェクトと浄瑠璃寺の三者で「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」を発足させました。まだ賛同者は10人に満たない小さな会ですが、いずれ1000人規模の賛同者を募り世界の宝、浄瑠璃寺をこのままで後世に伝えたいと思います。皆様のご支援をお願いします。


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