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2015年5月

2015年5月31日 (日)

コスモス寺花だより 5・31

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つ花の形がよく、秋に勝るとも劣らない美しさをもっています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなく葉が青々としげっています。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪見ごろ≫

〇紫陽花:≪見ごろ≫

〇ヒツジ草、姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〇夾竹桃:≪三分咲き≫

〔俳句〕

「麦秋や ふと居馴染(ゐなじめ)る 伊勢参」一茶

・訳:麦の刈り入れ時になったなあ。ふと気づけば長居して馴染んでしまった伊勢参り。

〔和歌〕

「よそにはや 鳴くとは聞きつ 今はよも

        待夜かさねじ 山郭公」

         太宰帥泰成親王・新葉和歌集183

「余所ではもう鳴いたと確かに聞いたことだ。今はもう、まさか待つ夜を重ねることはあるまいな、山時鳥よ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを設定しています。オリジナルの御朱印紙を調達し、解説の地図チラシを用意します。秋の九月から始める予定、乞うご期待。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》432

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆三月、海龍王寺(かいりゅうおうじ①)殿堂坊舎を修造す。又新たに経蔵を建立す。斧斤(ふきん②)既に畢って、上皇、一切経蔵の宸額を賜う。五月、今上皇帝(きんじょうこうてい③)、詔して菩薩を請じ宮に入り法を聴き、菩薩戒を受く。六月、菩薩、鏡慧公に命じて、寺塔僧坊、通別三宝、各々の供料、田畠の目録を編次せしむ。以て永代の亀鑑とす。

 

 海龍王寺=奈良市法華寺町にある真言律宗末寺。隅寺ともいう。

 斧斤=おの、まさかり。造作工事。

 今上皇帝=伏見天皇。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*昨年から奈良市議会の委員会では「ごみ焼却場移転推進の請願書」と「候補地の白紙撤回を求める請願書」がぶつかっていて、継続審議状態が続いています。白紙撤回派は益々結束を固めていて、市当局との話し合いは白紙に戻さない限り応じないと意思表明しています。67日(日)の東鳴川応現寺の観音様御開帳の日には関係者が集まり対策を練るようです。一方移転推進派は徐々に結束が緩み、現候補地に固執しなくてもよいのではという良識派が多くなっているそうです。古都の歴史と文化財に少しでも理解ある人であれば、浄瑠璃寺と当尾の里を壊すような決定に与することはなされないでしょう。奈良市民の良識を信じたいですね。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で。

 

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2015年5月30日 (土)

コスモス寺花だより 5・30

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つ花の形がよく、秋に勝るとも劣らない美しさをもっています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなく葉が青々としげっています。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪見ごろ≫

〇紫陽花:≪見ごろ≫

〇ヒツジ草、姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔俳句〕

「遠水鶏(とほくひな) 小菅の御門(ごもん) しまひけり」一茶

・訳:遠くに水鶏の鳴く声。小菅の御門が閉ざされてしまったなあ。

〔和歌〕

「降らぬ夜の 心は知りつ 時鳥

        今こそ鳴かめ 急雨(むらさめ)の空」

         よみ人しらず・新葉和歌集182

「雨が降らない夜には鳴くつもりがないというお前の心はわかったことだ。さすれば、時鳥よ、今宵こそ鳴くであろう、この村雨の空の下では。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを設定しています。オリジナルの御朱印紙を調達し、解説の地図チラシを用意します。秋の九月から始める予定、乞うご期待。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆【 鳥羽院御願十一面堂、顛倒の後、造営未だ企てられず。叡情怠たり無しと雖も、冥慮(めいりょ①)又測り難し。縦令(たとい)土木の営みあると雖も、人民の煩い無きに非ざるか。西大寺は仏法殊に繁昌にして護持に其の憑(ひょう②)あり。彼の本尊十一面観自在尊を当寺四王院に安置す。各(おのおの)薩埵(さった③)恭敬の精誠(せいせい④)を凝らしめ、国土泰平の御願を祈らるべし。院宣に依り言上件の如し。   光泰恐惶して謹言す。

  正応元年正月廿一日         中宮大進 奉

進上 西大寺上人御房 】

 

 冥慮=神仏などの深いおぼしめし。

 憑=よりどころ。

 薩埵=菩提薩埵。菩薩。

 精誠=まごころを尽すこと。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で。

 

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2015年5月29日 (金)

コスモス寺花だより 5・29

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つ花の形がよく、秋に勝るとも劣らない美しさをもっています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなく葉が青々としげっています。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪三分咲き≫

〇紫陽花:≪三分咲き≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

*昨日はパソコン不具合のため更新できませんでした。修理をしてもらい元通りに直りました。原因はウィルス被害だったようです。人間の体と同じで時には検査が必要ですね。

〔俳句〕

「よし切や ことりともせぬ ちくま川」一茶

・訳:ヨシキリが仰々しく鳴いているよ。ことりとも音をたてない千曲川。

〔和歌〕

「うたたねの 夢には聞きつ 郭公

        思(おもひ)あはする 一声もがな」

         中院入道一品・新葉和歌集

「うとうとと仮寝した夢の中では確かに聞いたことだ。時鳥よ、ああ、あの時の声だと思い当たるような一声を現実に聞きたいものだ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを企画設定しています。オリジナルの御朱印紙を作り、解説の地図チラシを用意します。秋の九月から始める予定です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》430

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆伏見院正応元年戊子(つちのえね) 改元四月廿六日

 菩薩、八十八歳。正月、亀山法皇、中宮大進(ちゅうぐうだいしん①)光泰卿に命じて、以て北京十一面堂本尊を四王院に移し奉るの院宣を賜う。其の院宣に曰く、

 

 中宮大進=中宮識・皇太后宮職などの判官(じょう)のうち上位のもの。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*先日書いておいたように、仲川市長が、候補地地元の東里連合自治会と協議ができると期待していた話し合いの協議会はやっぱりデマでした。東里では反対期成同盟をつくろうかと、態度を硬化されたようです。市長さん、ぬか喜びでしたね。もういい加減に白紙撤回を検討した方が賢明ですよ。木津川市側でも奈良市から造成工事で出る土砂、泥水には強い反対があります。もしかしたら賠償請求の訴訟が起こり長引き、高くつくかもしれませんね。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で。

*昨日、「市民の会」の近鉄奈良駅で署名宣伝がありました。次回は6月4日(木)学園前駅北口前にて行います。

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2015年5月27日 (水)

コスモス寺花だより 5・27

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つ花の形がよく、秋に勝るとも劣らない美しさをもっています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなく葉が青々としげっています。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪咲きはじめ≫

〇紫陽花:≪咲きはじめ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔俳句〕

「行々し 大河はしんと 流れけり」一茶

・訳:ヨシキリが川辺でけたたましく鳴いている。大河はしんと静かに流れている。

〔和歌〕

「つひによも 忍(しのび)ははてじ 郭公

       心つくさで 初音聞かせよ」

        前大納言実為・新葉和歌集180

「最後までまさか鳴く音を忍んだままで終わることはあるまい。時鳥よ、どうせそうなら私に心を労させないで初音を聞かせてくれよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを企画設定しています。絵入りのオリジナルの御朱印紙を作りガイドの地図チラシを用意します。秋九月から始める予定、乞うご期待。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》429

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆其の仏牙、長二寸許(ばかり)、牙の端に紋あり、梵字の如し。其の色、常に変ず。或いは青、或いは黄、或いは白。種々にして一に非ず。変現は測り難し。真の仏牙に非ずんば、何ぞ其れ爾るや。其の感得伝持、本末の因縁、具に宋の高僧伝に見えたり。故に茲に筆せず。而るに其の仏牙、曾て国変に因って展転伝持して、今現に洛陽の報恩教寺(ほうおんきょうじ①)に鎮在す。

 

 報恩教寺=現在、法恩寺と云い、京都市上京区小川通り寺之内下ル射場町にある。浄土宗知恩院末。

現在報恩寺に所蔵される宝篋印塔嵌装舎利厨子は貞享4年(1687)に報恩寺住持の証誉湛澄(16511712)によって撰述された「報恩寺牙舎利縁起」によると、釈迦が涅槃後に、捷疾鬼という刹那の間に三千大千世界を飛行する羅刹も悲しんで帝釈天の後ろに隠れ、大衆が悲しむ隙をついて、舎利を盗み取ってはるか虚空に飛び去ったという。その後唐の南山道宣が顕慶5年(660)に西明寺にて、あやしい童子と捷疾鬼が夜ふけた頃に現れて、その傍らに現れた。捷疾鬼は増長天の使者捷疾鬼で、童子は北方毘沙門天の長子那陀太子と名乗り、捷疾鬼が奪った舎利を与えたという。道宣の示寂後、弟子の文綱が舎利を崇聖寺の東塔に納めたが、代宗皇帝が取り出して宮中に入れ、その後、西明寺・天宮寺へと流転し、五代の乱のため行方不明となっていたという。

 「報恩寺牙舎利縁起」によると、報恩寺の舎利は延喜年間(90123)に日蔵が中国に渡ってこの舎利を得て帰朝し、弘安年間(127887)に室町院(暉子内親王、12281300)が所持しており、叡尊(120190)を道宣とみなした室町院によって葉室の浄住寺にいた叡尊に寄進されたという(「報恩寺牙舎利縁起」)。「報恩寺牙舎利縁起」に掲載された寄進状によると、日蔵から室町院の間には、浄乗・白河法皇・祇園女御・鳥羽法皇・美福門院・八条女院・俊成卿・後高倉法皇・北白河院・安嘉門院・室町院と相伝したという(「報恩寺牙舎利縁起」)。室町院から叡尊に寄進された舎利が浄住寺に納められたことは事実であったらしく、浄住寺では宝塔に納められていたという(『西大勅諡興正菩薩行実年譜』巻下、弘安10年丁亥条〈『西大寺叡尊伝記集成』〉)。〈報恩寺の縁起より転載〉

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。そうでないと歴史に悪名が刻まれますよ。仲川市長さん、おねがいします。

*最近の仲川市長は、ごみ焼却場候補地の地元、東里地区で対話の協議会ができたというデマ情報によろこんで、候補地での建設推進に意欲を見せているそうです。仲川市長の特徴は、当該地での真摯な対話の努力を省いて夢物語ばかりを追いかけることです。ゴミ集めのリレーセンターはどうするんですか。リニア駅はどこにするのかな。火葬場は。お気の毒なほど八方塞がりですね。いちど浄瑠璃寺の清浄な池のほとりでゆっくり考えてみてはいかがでしょうか、お勧めします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で。

528日(木)朝7時から8時まで、近鉄奈良駅前行基広場で市民の会による署名宣伝があります。

 

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2015年5月26日 (火)

コスモス寺花だより 5・26

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つ花の形がよく、秋に勝るとも劣らない美しさをもっています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなく葉が青々としげっています。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪咲きはじめ≫

〇紫陽花:≪咲きはじめ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔俳句〕

「づぶ濡(ぬれ)の 仏立けり かんこ鳥」一茶

・訳:ずぶ濡れの仏様が立っている。何の関係もなさそうに鳴く閑古鳥。

〔和歌〕

「時鳥 心つくさで 山里の

     憂きにかへたる 一声もがな」

      関白左大臣・新葉和歌集

「時鳥よ、心を尽くして待たなくとも、山里に住む寂しさつらさに堪えているのだから、それと引き替えにした初音の、一声を聞きたいものだ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを企画設定しています。絵入りのオリジナルの御朱印紙を作りガイドの地図チラシを用意します。秋九月から始める予定、乞うご期待。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》428

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆夫れ和漢の境(わかんのきょう①)は万里の煙波(えんぱ②)を隔て、古今の代は幾廻の涼燠(りょういく③)を送る。澆季濁乱(ぎょうきじょくらん④)の末世に当って、祖師感得の仏骨を得る。戒の流源同じく、如説誠に多し、之れ然らしむる者か。一門の諸寺、且つは弥(いよいよ)祖師の恩徳を顧みし、且つは専ら仙院(せんいん⑤)の御願を守り、当寺安置の本儀に違わず。宜しく一門住持の仏宝と為すべし。他所奉請の新儀に及ぶの時は、一門諸寺、同心与力して無為安置の秘計を廻らす可し。兼て又、仙院万歳の後、当寺住持の内、良忍、有禅〔両人一期の後、現住僧衆其の器量を択び此の役に補すべし。〕二人の比丘、宜しく之を封納す。違失すべからざるの状、件の如し。

 弘安十年八月八日    西大寺衆首沙門叡尊 】

 

 和漢の境=日本と中国の境。

 煙波=末がかすんで見えるほど遠くまで波が続いているさま。煙浪。

 涼懊=涼しいと熱い。

 澆季濁乱=澆は軽薄、季は末の意。澆季は道徳が衰え人情の浮薄となった時代。末世。濁乱は悪法が盛んで、人を似越し世を乱すこと。

 仙院=太上天皇の御所。また太上天皇、略して上皇。仙洞。

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。そうでないと歴史に悪名が刻まれますよ。仲川市長さん、おねがいします。

*最近の仲川市長は、ごみ焼却場候補地の地元、東里地区で対話の協議会ができたというデマ情報によろこんで、候補地での建設推進に意欲を見せているそうです。仲川市長の特徴は、当該地での真摯な対話の努力を省いて夢物語ばかりを追いかけることです。ゴミ集めのリレーセンターはどうするんですか。リニア駅はどこにするのかな。火葬場は。お気の毒なほど八方塞がりですね。いちど浄瑠璃寺の清浄な池のほとりでゆっくり考えてみてはいかがでしょうか、お勧めします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で。

528日(木)朝7時から8時まで、近鉄奈良駅前行基広場で市民の会による署名宣伝があります。


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2015年5月25日 (月)

コスモス寺花だより 5・25

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つの花の形がよく、秋以上の美しさを誇っています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなくて葉が青々としげり、大風もないので支柱やネットの必要がなく、秋にはないすばらしい景色が見られます。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪咲きはじめ≫

〇紫陽花:≪咲きはじめ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「信濃路の 仮のやどりに 日を数へ

       山葵の花を 葉ながらゆでぬ」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「死下手の 我をく(喰)をとや 閑古鳥」一茶

・訳:なかなか死なない我を食おうとするのか閑古鳥。

〔和歌〕

「里わかぬ 光にならへ ほととぎす

       おなじ山路を 月に出なば」

        右兵衛督成直・新葉和歌集178

「どの里と分け隔てしないで満遍なくすべてを照らす月の光に倣って、どの里と区別せず、私の所にも来て鳴いてくれよ、時鳥。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》427

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(弘安)十年丁亥

菩薩、八十七歳。秋八月、室町皇后、日蔵(にちぞう①)入唐して本朝に伝える所の澄照大師(ちょうしょうだいし②)感得の仏牙を以て、命じて菩薩に付し、守護供養せしむ。菩薩、之を奉じて以て浄住寺宝塔に納む。即ち其の菩薩置文に曰く、

 

【 室町女院(むろまちのにょいん③)、御相伝牙舎利を浄住寺に安置せらるる事

   副置 相伝次第一通 真筆御書一通

右、牙舎利は、曩祖(のうそ④)終南山の律師、感得したまう所也。〔其の旨相伝次第に見ゆ〕爰に予当初(そのかみ)自誓してより以来、五十余年、護持を南山の古風に訪(とぶら)い、修行を中府の底露に抽(ひ)く。図らざりき、同修の輩。僧尼、京夷(けいい⑤)の間幾許(いくばく)ぞや。諸国に散在すること、大底、大士(だいし⑥)の意楽(いぎょう⑦)に慣れ、闡提の悲願(せんだいのひがん⑧)を発す。自他の積善(せきぜん⑨)、於戯(ああ)皇(こう⑩)なる哉。

 

 日蔵=法相宗。大和龍門寺の僧。

 澄照大師=唐の南山律師道宣。諡号として澄照大師を贈られる。

 室町女院=後堀川天皇の皇女、暉子内親王。(1238-1300)。不婚の皇女で1246年出家。

 祖=先立つ祖師。

 京夷=都と地方。

 大士=菩薩。

 意楽=楽は願うの意。何かをしようとする意思。心がまえ。

 闡提の悲願=一闡提は成仏できないもの。菩薩は大悲心があって一切衆生を済度し尽くして成仏せんと欲し、衆生尽きざるが故に自らは成仏しないとの誓願。

 積善=善行を積むこと。自利利他の菩薩行を積む。

 皇=広大。

(前日と同文)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*最近の仲川市長は、ごみ焼却場候補地の地元、東里地区で対話の協議会ができたというデマ情報によろこんで、候補地での建設推進に意欲を見せているそうです。仲川市長の特徴は、当該地での真摯な対話の努力を省いて夢物語ばかりを追いかけることです。ゴミ集めのリレーセンターはどうするんですか。リニア駅はどこにするのかな。火葬場は。お気の毒なほど八方塞がりですね。いちど浄瑠璃寺の清浄な池のほとりでゆっくり考えてみてはいかがでしょうか、お勧めします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺に置いています。

*市民の会の署名宣伝は528日から、毎週木曜日午前7時から8時まで、近鉄奈良駅、同西大寺駅、学園前駅のどこかの駅頭で行われます。日程は毎週発表します。

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2015年5月24日 (日)

コスモス寺花だより 5・24

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・5分~7分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花が咲いている。満開を迎えたのは「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。花の大きなセンセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティという種類も見ごろになってきました。

・花の開花期:5月~6月末。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

今年は夏中、花を絶やさないようにして秋本番を迎えたいと意気込んでいます。

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげな花。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇バイカウツギ、桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇紫陽花:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「一もとの 海棠の花 若葉木の

       ながめとなりぬ 山山の雨」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「たのもしや てんつるてんの 初袷」一茶

・訳:たのもしいことだなあ。初袷の子どもの竹がてんつるてん。

〔和歌〕

「時鳥 待夜かさなる 思寝の

     夢にさへなど つれなかるらん」

      権大納言・新葉和歌集173

「初音を待つ夜が重なって、時鳥への重なる思いを抱きながら寝るけれど、その夢の中においても、どうして時鳥は無情にも鳴いてくれないのだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを設定しています。絵の入ったオリジナルの御朱印紙を作り、解説の地図チラシを用意します。秋の九月から始める予定。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》423

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(十一月)二三両日、大いに宝塔入仏法会を開く。初日は密作法に依って大曼荼羅供を修す。次の日は顕の法事を勤む。楽人は楽を奏し、伶人屡(しばしば)舞う。四日、本堂供養仏事を修し、竟って菩薩戒を四百余人に授く。而して又、神の為に法華最勝二会を開き、以て国家を保祐(ほうゆう①)す。七日、大蔵経を法華寺に於いて転読す。臘月(ろうげつ②)八日、菩薩自ら手づから一生の事業を注録す。今禩(こんし③)に臻(いた)って其の毫(こう④)を絶す。即ち般若の慈道空(じどうくう⑤)、泉福の戒印秀(かいいんしゅう⑥)、海龍の長禅尊(ちょうぜんそん⑦)、護国の本照瑜(ほんしょうゆ⑧)、教興の如縁一(じょえんいつ⑨)、西琳の日浄持(にちじょうじ⑩)等の諸大弟子を招き集めて斎供(さいく⑪)を設け、畢って親しく之に告げて曰く、

 

 保祐=たもちたすける。

 臘月=陰暦十二月の異称。

 今禩=今年。

 毫=筆。

 慈道空=般若寺長老慈道房信空。

 戒印秀=泉福寺戒印房源秀。

 長禅尊=海龍王寺長老長禅房幸尊。

 本照瑜=宝生護国院長老本照房性瑜。

 如縁一=教興寺長老如縁房阿一。

 日浄持=西琳寺長老日浄房総持。

 斎供=お斎、食事を供すること。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月23日 (土)

コスモス寺花だより 5・23

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・五分~七分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花です。満開を迎えたのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなりました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪咲きはじめ≫

〇紫陽花:≪咲きはじめ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「若楓 葉裏にたもつ 露一つ

     ひとつひかれり ひとつその珠(たま)」

      岡麓・涌井

〔俳句〕

「てて親の ふらんど見よや 更衣」一茶

・訳:父親のぶらんこに乗る姿を見なさい。更衣して身軽になった後の。

〔和歌〕

「つれなさの 程を知らせて 有明の

        月にも鳴かぬ 郭公かな」

         前中納言氏定・新葉和歌集176

「どれほど無情であるかを、一晩中起きて待っている私に知らせるように、有明の月にも鳴くことのない時鳥であることよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》426

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(弘安)九年丙戌

菩薩、八十六歳。宇治雨宝山橋寺幷に宇治橋修造已に成り、落成の仏事を啓建(けいけん①)す。普く三宝を供し、以て衆咎(しゅうきゅう②)を鎖す。蓋し経始より功円(こうえん③)なるに至るまで、土を墾(たがや)し、山を鑿(うが)ち、茅(かや)を誅(ちゅう④)し、樹を伐り、生類を損傷し、神霊を優動(ゆうどう⑤)するに由る故なり。又、請いを受けて平等院に於いて梵網を開講す。聴く者雲(の如く)集まり、霞(の如く)会す。漁人発心して業を易(か)え、其の舟網を以て悉く菩薩に捧ぐ。菩薩、即ち川上に就き、新たに小島を築く。其の漁舟幷に殺生の具を以て、之を水底に埋ずみ、而して五智十三会(ごちじゅうさんえ⑥)の深義を表して、以て五丈十三層の石塔を造り、之を嶋上に建つ。意(こころ)は水陸の有情を救わんと欲すればなり。所謂河水に塔影を浮かべて、遠く蒼海に流る。魚鼈(ぎょべつ⑦)自ら善縁を結び、清風は支提に触れ、広く山野に及んで、鳥獣又悪報を免るべしと、其の利益たるや測るべからざる也。既にして漁人に教え、布を曝すことを活業(かつぎょう⑧)と為さしむ。また、時に龍神有り。河より出で来って、菩薩より親しく戒法を受く。歓喜して遂に去って亦と見(あらわ)れず。

 

 啓建=開き立つ。いとなむ。

 衆咎=おおくのとが、わざわい。

 功円=完成。

 誅=草木などを切り払う。

 優動=たわむれに動かす。

 五智十三会=金剛頂経に基づく金剛界曼荼羅に説く、五智如来、十三大会。

 魚龞=魚とすっぽん。水中にすむ動物の総称。

 活業=なりわい。生業。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺でして頂けます。

 

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2015年5月22日 (金)

コスモス寺花だより 5・22

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・五分~七分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花です。満開を迎えたのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなりました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪咲きはじめ≫

〇紫陽花:≪咲きはじめ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「桜ちり なほ海棠の 花ざかり

      雨のふらくに 風呂場におりぬ」

       岡麓・涌井

〔俳句〕

「衣(きぬ)替て 居(すわつ)て見ても ひとりかな」一茶

・訳:衣替えして、座ってみてもたったひとりにかわりないなあ。

〔和歌〕

「夜をかさね つれなしとても 郭公

        待たではいかが 在明の空」

         冷泉入道前右大臣・新葉和歌集175

「毎夜毎夜いつまで経っても無情にも鳴いてくれないからと言って、時鳥を待つのでなかったならば、どうして有明の空を迎えるまで起きていることなどできようか。

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》425

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆是の如く嘱(しょく①)し累(畢ヵ)。尤も其れ親切なり。諸弟子等、各々恩を啣(ふく)み涙を浮かべ、骨に鏤(ろう②)し心に銘ぜん。其の所説を聞いて信受奉行し、礼を作して退く。而して后、菩薩終日観誦(かんじゅ③)して唯終焉を期す。然りと雖も、人天許さず。雲蒸し雷動き、度人授戒種々の善事、年を遂(逐ヵ、おっ)て益(ますます)繁く、日を追って弥(いよいよ)盛んなり。侍者鏡慧覚公、力(つと)めて之を記録すれども、其の書既に逸せり。亦惜しむべき哉。故に八十六歳より以下、之を編むに由無し。而も今、別記の零篇の中に就いて纔(わず)かに其の一二を拾って、以て之を譜するのみ。

 

 嘱=たのむ、ゆだねる。言いつける。

 鏤=ほる、きざむ。

 観誦=観想(仏や浄土の様相を想起すること)、誦経(経文を読誦すること)

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月21日 (木)

コスモス寺花だより 5・21

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・五分~七分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花です。満開を迎えたのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなりました。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇バイカウツギ、桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇紫陽花:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「芽ぶき木の 梢動かし 風の吹く

       ゆふべの山は 雨ふるならむ」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「はつ袷 にくまれ盛(ざかり)に はやくなれ」一茶

・訳:初めて袷を着たわが子、憎まれ口をたたくように早くなれ。

〔和歌〕

「一声も 小塩(こしほ)の山の 郭公

      神代もかくや つれなかりけん」

       上野太守懐邦親王・新葉和歌集174

「たった一声さへも惜しんで鳴かない小塩山の時鳥は、神代にもこのように無情だったのだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》424

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆老僧(ろうそう①、生を末世に感じ、幸いに釈門に入る。剃髪染衣して顕密の法を学び、登壇受具して人法を興隆す。既に八十五年の春秋を歴(へ)、て今に四十九歳の夏臘(げろう②)を積む。上求下化、自利利他、善業漸く満ち、志願略(あらまし)足る。生前の悦び亦何をか加えんや。向後(こうご③)、当寺真俗二諦(しんぞくにたい④)の事を以て汝らに付嘱(ふしょく⑤)す。汝ら一味和合し、志を斉(ひと)しくし、戮(りく⑥)して正法を住持し、群生を利益し、徒衆を撫育して道業を成ぜしめよ。若し能く爾れば則ち、老僧又何をか慮(おもんぱか)らんや。寂光定裡(じゃっこうていり⑦)、掌を合わせて隨喜せん。之を力(つと)めるを至嘱(ししょく⑧)とす。

 

 老僧=年とった僧の自称。

 夏臘=法臘。比丘・比丘尼になって以後、夏安居を終るごとに年齢を加える。

 向後=この後。今後。真俗二諦=真諦と俗諦。勝義諦、世間諦とも。出世間的な絶対的真理と世間的な真理をさす。

 付嘱=たのみ伝えること。

 戮=勠の誤りか。あわせる。力を合わせる。

 寂光定裡=静寂な涅槃の境地から発する智慧の光に満ちた寂光浄土は、定めてうちにある。

 至嘱=大いに望みをかけること。有望だと思うこと。

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

 

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2015年5月20日 (水)

コスモス寺花だより 5・20

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・5分~7分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花が咲いている。満開を迎えたのは、「美色混合」という名の花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろ。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇バイカウツギ、桜ウツギ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇紫陽花:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「一もとの 海棠の花 若葉木の

       ながめとなりぬ 山山の雨」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「たのもしや てんつるてんの 初袷」一茶

・訳:たのもしいことだなあ。初袷の子どもの竹がてんつるてん。

〔和歌〕

「時鳥 待夜かさなる 思寝の

     夢にさへなど つれなかるらん」

      権大納言・新葉和歌集173

「初音を待つ夜が重なって、時鳥への重なる思いを抱きながら寝るけれど、その夢の中においても、どうして時鳥は無情にも鳴いてくれないのだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを設定しています。オリジナルの御朱印紙を調達し、解説の地図チラシを用意します。秋の九月から始める予定、乞うご期待。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》423

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆(十一月)二三両日、大いに宝塔入仏法会を開く。初日は密作法に依って大曼荼羅供を修す。次の日は顕の法事を勤む。楽人は楽を奏し、伶人屡(しばしば)舞う。四日、本堂供養仏事を修し、竟って菩薩戒を四百余人に授く。而して又、神の為に法華最勝二会を開き、以て国家を保祐(ほうゆう①)す。七日、大蔵経を法華寺に於いて転読す。臘月(ろうげつ②)八日、菩薩自ら手づから一生の事業を注録す。今禩(こんし③)に臻(いた)って其の毫(こう④)を絶す。即ち般若慈道空(じどうくう⑤)、泉福の戒印秀(かいいんしゅう⑥)、海龍の長禅尊(ちょうぜんそん⑦)、護国の本照瑜(ほんしょうゆ⑧)、教興の如縁一(じょえんいつ⑨)、西琳の日浄持(にちじょうじ⑩)等の諸大弟子を招き集めて斎供(さいく⑪)を設け、畢って親しく之に告げて曰く、

 

 保祐=たもちたすける。

 臘月=陰暦十二月の異称。

 今禩=今年。

 毫=筆。

 慈道空=般若寺長老慈道房信空。

 戒印秀=泉福寺戒印房源秀。

 長禅尊=海龍王寺長老長禅房幸尊。

 本照瑜=宝生護国院長老本照房性瑜。

 如縁一=教興寺長老如縁房阿一。

 日浄持=西琳寺長老日浄房総持。

 斎供=お斎、食事を供すること。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月19日 (火)

コスモス寺花だより 5・19

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・5分~7分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花が咲いている。満開を迎えたのは、「美色混合」という名の花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろ。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇定家かずら:≪見ごろ≫木に絡まったツタで強い芳香を放つ、純白の花。

〇醉かずら:≪見ごろ≫金銀花とも言う、芳香あり。

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈十句観音経〉

「南無ほとけ 朝念暮念 観世音

        立てばまろぶを 憐(あはれ)みたまへ」

         岡麓・涌井

〔俳句〕

「初袷 しなのへ娵(よめ)に ござるげな」一茶

・訳:初めて着替えた袷、この信濃へ嫁にいらしたのだなあ。

〔和歌〕

「足引の 山郭公 いづこにか

      木隠(こがく)れてのみ 五月待つらん」

       権中納言長賢・新葉和歌集172

「山時鳥はいったいどこで、ずっと木の陰に隠れて(旧暦)五月が来るのを待っているのだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》422

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆【夫れ結界は、僧宗(そうしゅう①)の綱要、仏法の大標(だいひょう②)也。大聖(だいしょう③)は奔馳(ほんち④)の難を愍(あわ)れんで、届結(かいけつ⑤)の法を開きたまいしより、以来三国(さんごく⑥)に其の遺風を伝え、五衆(ごしゅう⑦)其の法則を守る。今時は半月(はんげつ⑧)に属すと雖も、処(ところ)猶(なお)法地(ほうち⑨)に非ず。是を以て且(しばら)く当殿の分斎を結して宜しく説戒(せっかい⑩)の軌則を遂ぐべし。諸衆一心に羯磨を評量したまえ。而るに当寺は前(さき)に加結すと雖も、界畔(かいはん⑪)弁(わきま)え難し。十誦律に云う、作羯磨比丘死して余人界処を知らず。仏、捨已って更に結せしむ。是を以て先ず解法(かいほう⑫)を加え、重ねて結を成すべし。諸衆一心に評量し、余念すべからざれ。】

 

 僧宗=僧宝の宗旨、すなわち律宗。

 大標=大いなる目印。

 大聖=釈尊。

 奔馳=かけ走ること。奔走。

 届結=届はいたる、きわまるの意。結界にいたる、結界がきわまる。

 三国=天竺、唐土、日本。

 五衆=出家五衆。比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那。

 半月=自己反省と懺悔の布薩は半月ごと(満月と新月の日)に二回行う。

 法地=結界され仏法にかなう地。

 説戒=布薩の訳語。

 界畔=境界。

 解法=結界を解く方法。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月18日 (月)

コスモス寺花だより 5・18

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・5分~7分咲≫この季節にはめずらしいコスモスの花が咲いている。満開を迎えたのは、「美色混合」という名の花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散るコスモス。背丈は100センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろ。

・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。

・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等10種類。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇定家かずら:≪見ごろ≫木に絡まったツタで強い芳香を放つ、純白の花。

〇醉かずら:≪見ごろ≫金銀花とも言う、芳香あり。

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈信濃明科〉

「燕より ひと月先に 来居れりと

      誰にいふとも なしにつぶやく」

       岡麓・涌井

〔俳句〕

「としよれば 犬も嗅(かが)ぬぞ 初袷」一茶

・訳:年老いると犬さえも嗅がないもんだぞ、初袷。

〔和歌〕

「深山(みやま)より 出(いづる)をぞ待つ 郭公

       夕(ゆふべ)の月の 光ならねど」

        前中納言為忠・新葉和歌集171

「奥山から出てくるのを待つ時鳥であるよ。夕方の月の光ではないけれど。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》421

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆八月五日、大曼荼羅供を修す。六日、菩薩戒を二千百二十余人に授く。八日、請いに依って林田荘に至り宝塔成の仏事を開き、大曼荼羅供を修す。十一日、兵庫に至り、安養寺に説法す。菩薩戒を受くる者、道俗九百七十余人。又斎戒を受ける者一千七百余人。又菩薩に対し誓いを立て永く殺業を息(や)む者あり。是れ皆な教化に由って也。九月十八日、河の長曽禰荘清浄光院に於いて梵網十重戒本を講じ、菩薩戒を七百余人に授く。又入仏開光の仏事を修す。十月十二日、天王寺薬師院に入る。十五日、天皇(後宇多)臨幸す。十九日、菩薩戒を受くる者二十余人。一日、三輪(みわ①)の神祠に詣す。守祠の者出迎え稽首す。而して語りて曰う。先に神託あって曰く、肉身の釈迦有って、将に我が所に至らんとす。汝ら迎接(げいせつ②)せよと。今果して師の臨に遇う。乃ち知る、師は即ち迦文(かもん③)の応化にして、神語に妄(いつわり)無きことを。遂に神宮寺を捨て菩薩に献じ、永く弘律の区(く)と為す。菩薩、額を改め大御輪(だいごりん④)と為す。十一月一日、大界を結ぶ。幷びに羯磨説戒衆七十三人。

其の説戒表白に、

 

 三輪=三輪神社。正式には大神(おおみわ)神社。

 迎接=客を迎えて応対すること。

 迦文=釈迦文(しゃかもん)の略で釈迦牟尼の訛略である。

 大御輪=大御輪寺。明治の廃仏毀釈で廃寺となり、本地仏の十一面観音像(国宝)は桜井聖林寺へ引き取られる。本堂(重要文化財)は社殿に作り替えられるも現存する。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月17日 (日)

コスモス寺花だより 5・17

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・5分咲≫見ごろを迎えたのは、「美色混合」と名づけられた、花が小ぶりでやさしげな、桜のように花が散る、昔ながらのコスモスです。草丈は100センチ。この季節にはめずらしいコスモスの花。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇定家かずら:≪見ごろ≫木に絡まったツタで強い芳香を放つ、純白の花。

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈信濃明科〉

「ひと月の やどりに馴れて 北むきの

       窓あけ街を 飛ぶ燕見つ」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「泣虫と 云(いは)れてもなく 袷哉」一茶

・訳:泣き虫だ、と言われても相変わらず泣く。袷に着替えながらも。

〔和歌〕

「今よりや 寝ぬ夜かさねて 郭公

しのぶる比の 初音またまし」

        前内大臣隆・新葉和歌集170

「もう今から寝ないで過ごす夜を重ねて、時鳥がひそやかに鳴く頃の初音を待とうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》420

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆廿四日、官符宣を賜う。三月十四日、無何(むか①)にして講を止(とど)め、天王寺別当坊に入り、以て寺務を主(つかさど)る。是れ帝命に迫られ強いて応じたるにて、菩薩の志に非ざる也。廿六日、陞(しょう②)座説法す。二十七日、敬田院を結界し、弘律の場と為す。四月三日、五智光院に於いて菩薩戒を七百三十余人に授く。翌日、金堂舎利、去る七月より其の所在を失い、合山の僧衆大いに之を憂悩することを始めて聞く。菩薩、壇を飾り懇祷(こんとう③)するに、舎利忽ち現われ光明殿を照らす。時に瑞雲軒を繞(めぐ)って、白鷹空を翺(かけ)るの祥有り。菩薩、喜び望外(ぼうがい④)に出づ。僧侶一千五百人に命じて舎利会を開かしむ。十日、最勝王経を教興寺弁天神の前にて講読す。十一日、菩薩戒を六百二十九人に授く。七月廿三日、請を受けて播州法華山(ほっけさん⑤)に至る。途中尼崎を経る時、迎えて菩薩戒を求め受くる者、一百四十余人。廿五日、法華山に到着して梵網古迹記を講ず。

 

 無何=無何有(むかう)の略。何も作為が無く自然のままであること。また無我無心の境地。

 陞=昇。のぼる。

 懇祷=ねんごろな祈祷。 

 望外=望んでいたより以上に結構なこと。おもいのほか。

 法華山=一乗寺。天台宗の寺。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月16日 (土)

コスモス寺花だより 5・16

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・3分から5分咲≫見ごろを迎えたのは、「美色混合」と名づけられた、花が小ぶりでやさしげな、昔からおなじみの懐かしいコスモスです。草丈は30~100センチぐらいです。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈信濃明科〉

「戦争に 焦土(せうど)の原と かはりたる

      ところにも来て 燕の飛ぶか」

       岡麓・涌井

〔俳句〕

「おもしろい 夜は昔也 更衣」一茶

・訳:おもしろい夜は昔のことだ。更衣。

〔和歌〕

「卯花の 咲きての後に みゆるかな

      心ありける 賤(しづ)が垣ほは」

       貞子内親王・新葉和歌集169

「卯の花が咲いて後にはじめて分ることであるよ、風流の心を持った庶民の垣根は。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫である仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》419

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆謂わく、中瓶に五百粒、東瓶に七百粒、南瓶に四十六粒、西瓶に一千四百粒、北瓶に二千八百一粒、総じて之を数うに、則ち五千四百四十七粒なり。是を号して西大寺五瓶舎利と曰う也。十三日、唐招提寺を結界し〔有場大界〕、別受の法を行う。大苾蒭戒受ける者三十六人。廿七日、修理亮資遠(すけとを)卿、以て院使と為す。而して天王寺別当職(べっとうしき①)補任(ぶにん②)の院宣を賜う。廿五日、三條坊門内府(ないふ③)の北室(きたのしつ④)、来って菩薩を礼し剃髪染衣す。光台寺則忍尼公是れ也。十日(月ヵ)朔日、表(ひょう⑤)を上(たてまつ)って天王寺主務(しゅむ⑥)を辞す。十一日、今上皇帝(後宇多天皇)勅して宮中に入らしめ梵網経を講ぜしむ。十九日、講し竟って上皇(亀山院)重ねて菩薩戒を受く。公卿大夫(くぎょうたいふ⑦)同じく受くる者、四十有八人。廿四日、浄住寺に届き菩薩戒を五十余人に授く。十二月廿九日、重ねて天王寺主務の院宣を賜う。

 

 別当職=諸大寺におかれた職名で、一山の寺務を統括する長官。

 補任=職に補し官に任ずること。

 内府=内大臣の別称。

 北室=北堂、北の方。公卿の正妻。

 表=臣下から天子に奉る文書。

 主務=寺の主としてその寺務にあたる人。別当。

 公卿大夫=公卿は上達部(かんだちめ)。公(太政大臣および左右大臣)と卿(大・中納言、参議および三位以上の朝官)。大夫は一位以下、五位以上の称、転じて五位の通称。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月15日 (金)

コスモス寺花だより 5・15

さあ、始まるぞ。「いざ出陣」。「平和」と「安全」と云う名の戦争手形を手に入れた安倍さん。後方陣地「大本営」でぬくぬくしていないで最前線に立って自衛隊の皆さんと「安全」を分かち合ってくださいね。もしもあなたが名誉の戦死を遂げられたならば、「英霊」の最上段におまつりいたしますよ。

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・3分から5分咲≫見ごろを迎えたのは、「美色混合」と名づけられた、花が小ぶりでやさしげな、昔からおなじみの懐かしいコスモスです。草丈は30~90センチぐらいです。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈信濃明科〉

「から車 引き行く馬の 背をかすめ

      燕が一つ おりてはあがる」

       岡麓・涌井

〔俳句〕

「更衣 山より外(ほか)に 見(みる)人もなし」一茶

・訳:更衣した。けれど山よりほかに、この姿を見てくれるものはない。

〔和歌〕

「花に見し 昨日の春の 面影も

       いつしかかはる 夏木立かな」

        前大僧正頼意・新葉和歌集168

「桜の花の盛りの頃にもいた、つい昨日のことのように目に浮かぶ春の情景も、いつの間にか変わってしまって、今、目に映るのは、青々と葉が茂っている夏の木立であるよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》418

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆九月二日、西大寺鉄塔(てっとう①)幷に五瓶(ごびょう②)鋳造已に成って、即ち舎利を安んず。大いに法会を開き以て之を供養す。余(慈光)旧記を捜索し、委しく斯の塔瓶舎利本末の由緒を尋ぬるに、鉄塔は菩薩、冶工藤原宗安に命じ、先祖木曽義仲公嘗て着用する所の武具を以て、六百九十六日を経て之を鋳成する所也。又義仲公常に執持する所の大刀を以て、其の塔の底下に打附けたり。意(こころ)は少しくとも生平(せいへい③)の殺業を滅っせしめんと欲する也。五瓶は大唐の工匠陸太(りくたい)に命じて之を鋳造せしむ。塔瓶已に成って、法華寺湧出の舎利、二室院出現の舎利、室町女院寄附の舎利、春日神社感得の舎利、其の外菩薩従来より持念する所の仏舎利等、悉く五瓶に納め、以て鉄塔に安んず。

 

 鉄塔=西大寺蔵鉄造多宝塔(国宝)。

 五瓶=西大寺蔵五瓶舎利塔(国宝)。

 生平=平生。ふだん、日常。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月14日 (木)

コスモス寺花だより 5・14

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・3分から5分咲≫見ごろを迎えたのは、「美色混合」と名づけられた、花が小ぶりでやさしげな、昔からおなじみの懐かしいコスモスです。草丈は30~90センチぐらいです。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈信濃明科〉

「この鳥の ゆききするとは おもはねど

       燕の飛べば 都おもほゆ」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「蒲公(たんぽぽ)は 天窓(あたま)そりけり 更衣」一茶

・訳:たんぽぽは、頭をそってしまったよ。

〔和歌〕

「春わけし 路(みち)にしをりを 残しおきて

       桜はしるき 夏木立かな」

        中務卿宗良親王・新葉和歌集167

「春に桜を求めて分け入った道には目印のために枝を折って残しおいたから、桜の木ははっきり区別がつくよ、葉が青々と茂った夏の木々の中でも。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》417

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆廿八日、女御(にょうご①)幷に宮女若干人、浄住寺に詣し、菩薩戒を受く。五月一日、請いを受け宇治の御殿に赴く。廿三日、圓明寺行真(ぎょうしん)請じて菩薩戒を受く。同じく受者廿余人。六月廿七日、菩薩自ら心経秘鍵(しんぎょうひけん②)を書写し之を講演す。大覚(だいかく③)の善く現(まのあたり)に般若を談ぜらるるがごとし。其の講已に訖って、斎戒を受くる者二百七十余人。七月廿六日、法隆寺南無仏の舎利、賊の為に盗み去らる。寺僧哀慕して已まず。東奔西走して尋ぬるに跡無し。来りて菩薩に白す。菩薩、三日法を修し斂目呪祷(れんもくじゅとう④)するに、忽然として現前す。即ち上宮皇院に就き、法会を開き供養を伸ぶ。因みに請じて梵網古迹記を講談せしむ。講説已に訖って菩薩戒を受くる者一千二百余人。

 

 女御=ニョゴとも。天皇に侍した高位の女官。中宮の次に位し、皇后の候補者となる。

 心経秘鍵=空海作、般若心経秘鍵。

 大覚=釈尊の覚りのこと。釈尊そのもの。自己の覚りだけでなく、他者を覚らせる行も円満されているので大覚という。

 斂目呪祷=心をひきしめ祈祷する。

(前日と同文)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

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2015年5月13日 (水)

コスモス寺花だより 5・13

初夏咲きコスモス:≪見ごろ・3分から5分咲≫見ごろを迎えたのは、「美色混合」と名づけられた、花が小ぶりでやさしげな、昔からおなじみの懐かしいコスモスです。草丈は30~90センチぐらいです。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 信濃明科〉

「としまねく 都の春に 待ちつけし

        燕来れり 信濃明科(あかしな)」

         岡麓・涌井

〔俳句〕

「世に倦(あい)た 顔をしつつも 更衣(ころもがえ)」一茶

・訳:世の中にあきたという顔をしながらも、ちゃんと更衣。

〔和歌〕

「おしなべて 山も青葉に 成にけり

        花見し春は 昨日と思ふに」

         御製・新葉和歌集166

「すべて一様に山は青葉になってしまったなあ。全山が花盛りと見た春は、つい昨日のことだと思うのに。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》417

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆廿八日、女御(にょうご①)幷に宮女若干人、浄住寺に詣し、菩薩戒を受く。五月一日、請いを受け宇治の御殿に赴く。廿三日、圓明寺行真(ぎょうしん)請じて菩薩戒を受く。同じく受者廿余人。六月廿七日、菩薩自ら心経秘鍵(しんぎょうひけん②)を書写し之を講演す。大覚(だいかく③)の善く現(まのあたり)に般若を談ぜらるるがごとし。其の講已に訖って、斎戒を受くる者二百七十余人。七月廿六日、法隆寺南無仏の舎利、賊の為に盗み去らる。寺僧哀慕して已まず。東奔西走して尋ぬるに跡無し。来りて菩薩に白す。菩薩、三日法を修し斂目呪祷(れんもくじゅとう④)するに、忽然として現前す。即ち上宮皇院に就き、法会を開き供養を伸ぶ。因みに請じて梵網古迹記を講談せしむ。講説已に訖って菩薩戒を受くる者一千二百余人。

 

 女御=ニョゴとも。天皇に侍した高位の女官。中宮の次に位し、皇后の候補者となる。

 心経秘鍵=空海作、般若心経秘鍵。

 大覚=釈尊の覚りのこと。釈尊そのもの。自己の覚りだけでなく、他者を覚らせる行も円満されているので大覚という。

 斂目呪祷=心をひきしめ祈祷する。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

*昨日、近鉄奈良駅での署名行動は雨にもかかわらず、13人ほどで行われました。昼間あの辺りを歩いてる人はほとんど観光に来られた市外、諸外国の人ばかりでした。署名された外国人の中には、中国の大学の教授さんもおられネットで署名運動があることを通信しますと言っていただいた方もありました。


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2015年5月12日 (火)

コスモス寺花だより 5・12

初夏咲きコスモス:≪12分咲草丈は30~90センチ。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇黄ショウブ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 信濃明科

「たはやすく 思はむ人は 仮名ぶみを

        読み解く力 持たざりしかな」

         岡麓・涌井

〔俳句〕

「白雲を 袂(たもと)に入て 袷(あはせ)かな」一茶

・訳:白雲を袂のなかに入れて袷に着替えたことだよ。

〔和歌〕

「夏衣 たつ日にかぎる 花染の

     袖の別ぞ したふかひなき」

      中務卿尊良親王・新葉和歌集165

「夏となって衣替えをする今日を以って最後となる花染めの衣は、別れをいくら惜しんでみてもどうしようもないことだ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》416

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆【西大寺思圓上人は道徳高邁にして、戒行清厳なり。再び南山(なんざん①)の法幢(ほうどう②)を建て龍興(りゅうこう③)の宗灯を光顕(こうけん④)す。以ての故に王侯卿士、感じて之に帰し、人天緇素(しそ⑤)悦んで之を嚮(きょう⑥)す。晨風(しんぷう⑦)の北林に鬱(うつ⑧)として、龍魚の淵沢(えんたく⑨)に趣くが如く也。まことに律門中興の大宗匠なり。朕嘗(かつ)て上人に従い戒法を稟承し、三衣を受持す。朕更に三衣有り。是れ昔、龍興和尚(鑑真)自り聖武天皇に授くより以来(このかた)、歴代之を重んじ久しく朝家に伝う。今、熟(つらつら)上人の徳を思い、特に命じて之を贈り、以て寵輝(ちょうき⑩)を加う。

弘安七年四月廿二日】

 

 南山=南山大師道宣。南山律宗の宗祖。

 法幢=仏法の目印の幢(はた)。

 龍興=龍興寺鑑真。日本律宗の宗祖。

 光顕=明らかに現わす。

 緇素=僧俗。

 嚮=もてなす。

 晨風=あさかぜ。

 鬱=しげる。こんもりしげる。

 淵沢=ふちとさわ。水辺の深いところ、浅いところ。

 寵輝=ほまれのかがやき。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

*本日午後1時から近鉄奈良駅の行基菩薩広場で「ごみ焼却場移転見直し」を求める「奈良市民の会」による街頭署名行動があります。「浄瑠璃寺をまもる会」からも参加します。般若寺も浄瑠璃寺も行基菩薩が建てられたという伝説がありますので報恩謝徳の勤行をした後、意見を表明させていただきます。

Save-nara Save-Joruriji 海外からお越しの方にも訴えたいです。英語力が無いのが残念ですが。

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2015年5月11日 (月)

コスモス寺花だより 5・11

初夏咲きコスモス:≪12分咲草丈は30~80センチ。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇黄ショウブ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 信濃明科〉

「人により きびしくいひて 近づけぬ

      教(をしへ)を仮名に 解(と)きしるしあり」

       岡麓・涌井

〔俳句〕

「青空の やうな帷(かたびら) きたりけり」一茶

・訳:青空のような色をした帷子を着ていたよなあ。

〔和歌〕

「いつしかと たちはかふれど 夏衣

        心にのこる 春の色かな」

         中宮・新葉和歌集164

「早くも夏となって着替えた夏衣であるけれど、心には残っている春の色であることよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》415

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆廿四日、本院法皇又請して、重ねて菩薩戒を受く。縉紳(しんしん①)以下同じく受くる者七十余人、廿八日、浄住寺に於いて菩薩戒を七十余人に授く。四月四日、勅を奉じて大蔵(経)を石清水八幡宮に慶讃す。上皇臨幸して法事を聴聞す。十一日、請いを受け摂の嶋下郡茨木里に至り、菩薩戒を四百九十余人に授け、又殺生を禁断すること六箇所。閏四月、命を承って猪熊御殿に入りて梵網心地品を講ず。講竟って菩薩戒を二百六十余人に授く。十三日、本院法皇の御斎に赴く。女院菩薩戒を求受したまう。公卿以下同じく稟受する者七十余人。十九日、亀山法皇復た菩薩を延(ひ)き、八関斎戒を受け、亦衣鉢を護持したまう。廿一日、皇帝、菩薩の年(歳)八旬を踰(こ)えたるを以て、勅して乗輿の禁中に入ることを允聴(いんちょう②)す。法要を問い三衣(さんね)を受く。其の尊崇至れりと謂うべし。廿二日、亀山法皇特に勅して中御門亞相経任卿を遣わして、龍興鑑真和尚の三衣幷に宸翰(しんかん③)を賜う。其の宸翰に、

 

 縉紳=官位の高い人。身分ある人。

 允聴=ゆるす。

 宸翰=天子の直筆の書き物、ここでは書状。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは大きな借金を抱えた奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

決して「公約は破るためにある」「ウソつきは政治家のはじまり」を地で行くようなことはなさらないで下さい。現計画を強行すれば奈良の歴史に名が刻まれますよ。古都の破壊者、大悪人と。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

*「奈良市クリーンの会」が512日(火)午前中に奈良市長に「クリーンセンター移転建設の見直しを求める申し入れ」をされます。そして午後1時から近鉄奈良駅前の行基菩薩広場で署名活動があります。「まもる会」からも参加します。

 

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2015年5月10日 (日)

コスモス寺花だより 5・10

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」は本日510日まで。拝観時間は9:0016:00

初夏咲きコスモス:≪咲きはじめ草丈は30~80センチ。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇黄ショウブ:≪見ごろ≫

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈信濃明科〉

「易々(やすやす)と 書きながしたる 仮名ぶみの

           仮名のはこびに しるき筆癖」

            岡麓・涌井

〔俳句〕

「今ぞりの 児(ちご)や帷(かたびら) うつくしき」一茶

・訳:今剃ったばかりの稚児よ。単衣の衣がうつくしい。

〔和歌〕

「百城(ももしき)や けふ宮人は あかざりし

          花のかとりの 白重(しらがさ)ねせり」

           冷泉入道前右大臣・新葉和歌集163

「更衣の今日、朝廷に出仕する官人たちは皆、飽きることのなかった桜の花のように白い固織物の襲(かさね)を着飾っていることだ。

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》414

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆上求を修行すとは、我執を捨離し、恒に正理に順(したが)い、常に妄心を厭うなり。下化を修すとは、衆生を哀愍し、悪を断じ善を修し、苦を抜き楽を与えるなり。法を護るとは、上の所説の如く、是の如く修行して勇鋭にして惑いなく余果を求めざる、是を寂静と名づく。上求下化、即ち二利平等なり。平等なるを真の供仏と為す。大乗経論、多くこの意を説く。今身徒(従ヵ、よ)り始めて菩提を得るに至るまで、堅固にして退かずして永く忘失せず。修行円満して当に無上正等菩提を証し、未来際を窮(きわむ)るまで一切無辺の衆生を利益すべし。

 弘安七年甲申三月廿日謹んで之を記す 

 西大寺衆首菩薩戒苾蒭金剛仏子叡尊 】

 

即日、浄住寺に回り、胎蔵界自行道場観一帖を製作す。其の尾に曰く、

 

【弘安七年甲申三月廿日酉時、浄住寺に於いて記し畢る。金剛仏子叡尊】

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

*「奈良市クリーンの会」が512日(火)午前中に奈良市長に「クリーンセンター移転建設の見直しを求める申し入れ」をされます。そして午後1時から近鉄奈良駅前の行基菩薩広場で署名活動があります。「まもる会」からも参加します。

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2015年5月 9日 (土)

コスモス寺花だより 5・9

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」を行っています。510日まで。拝観時間は9:0016:00

初夏咲きコスモス:≪咲きはじめ草丈は30~80センチ。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「紫の 斑の仏めく 著莪の花」高濱虚子

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 信濃明科〉

「仮名法語 無難禅師の 真蹟は

       石版刷の 表紙なき本」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「空豆の 花に追(おは)れて 更衣(ころもがえ)」一茶

・訳:空豆の花が早くも咲いてそれに追われるかのように更衣。

〔和歌〕

「あすまでも 猶咲きかかれ 藤の花

        春のゆかりの 色ぞとも見む」

         新宣陽門院・新葉和歌集162

「夏となる明日までも、花がかかるようにさらに咲き続けてくれよ藤の花、その紫色を春を思い出させるよすがとなる色であると見ようよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は奈良で生まれた仏教です。一言でいえば興法利生(こうぼうりしょう)の宗です。釈尊が教えた正法(しょうぼう・正しい教え)、人として守らなければならない人倫、仏戒を重んじる教えを興(おこ)し、煩悩充満の穢土(えど)に成仏したお釈迦さまに倣って衆生を利益(りやく)することに尽きます。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》413

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆【 大般若経に曰く、大菩提心(だいぼだいしん①)は正法を護る。教の如く修行すれば心は寂静。自利利他(じりりた②)の心平等なれば、是れ則ち、真供養仏と名づく。菩提心とは、決定して無上菩提を希求し有情を利益し、二種の心(にしゅのこころ③)に於いて未来際を尽くすまで永く退転せじと、誓願する是れ也。正法を護るとは、永く十悪を断じ専ら十善を修し諸教を恭敬し衆僧に帰依す。教化も亦然り。是れ即ち護法なり。如教修行といっぱ、是の二種の心に於いて、念を繋ぎ漸々に修行す。

 

 大菩提心=菩提(さとり)を求める心。大乗仏教では利他を強調した求道心。

 自利利他=自分を利することと他を利すること。

 二種の心=上求菩提心と下化衆生心。

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

Img_5549

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2015年5月 8日 (金)

コスモス寺花だより 5・8

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」を行っています。510日まで。拝観時間は9:0016:00

初夏咲きコスモス:≪咲きはじめ草丈は30~80センチ。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「紫の 斑の仏めく 著莪の花」高濱虚子

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇空木:≪みごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫青色で涼しげです。

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を放ちます。

〇てっせん:≪見ごろ≫

「ひとり居の 朝やうち向ふ 鉄線花」水原秋櫻子

花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〇姫スイレン:≪咲きはじめ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 離京〉

「八王子の 街を背負はれ 汽車に乗る

       老人(おい)をふりむく 人に余裕なし」

        岡麓・涌井

〔俳句〕

「江戸じまぬ きのふしたはし 更衣(ころもがへ)」一茶

・訳:江戸になじまなかった昔が懐かしい。江戸での更衣に慣れたものだ。

〔和歌〕

「吹風の 目に見ぬ方に さそはれて

      花とともにや 春の行(ゆく)らん」

       嘉喜門院・新葉和歌集161

「吹く風の行く先は見えるものではないが、その風に誘われて花が吹かれてゆくのとともに、春も行くのだろうか。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*真言律宗は一言でいえば、興法利生(こうぼうりしょう)を説き実行する仏教です。釈尊が教えた正法(しょうぼう)を興(おこ)し衆生を利益(りやく)することに尽きます。上求菩提下化衆生(じょうぐぼだいげけしゅじょう)の菩薩行をめざします。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》412

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆同廿日、太上皇帝(亀山上皇)、又請(せい②)して重ねて菩薩大戒(ぼさつたいかい①)を受く。公卿以下同じく受くる者一百五十余人、上(かみ③)、因みに菩薩修行の大意を書せんことを請う。菩薩、命に依りて之を記し、以て陛下に上(たてまつ)る。

文に曰く、

 

 菩薩大戒=梵網菩薩戒

 請=召す。招く。

 上=君。主上。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、般若寺で出来ます。

 

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2015年5月 7日 (木)

コスモス寺花だより 5・7

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」を行っています。510日まで。拝観時間は9:0016:00

*奈良再発見の古寺巡り地図第二作は、「真言律宗 南都の古刹四箇寺 巡礼の道(行程4.8km.)」です。真言律宗は奈良で生まれた仏教です。奈良に末寺の寺が多いのが特徴です。それぞれに歴史ある文化財を保存しています。今回は四箇寺巡礼の道を設定しました。般若寺から福智院、不空院、白毫寺までゆっくり歩いて約2時間のコースです。東大寺、興福寺を含む奈良公園を抜けて、春日山、高円山の山すそを行く奈良随一の歴史文化と自然たっぷりの巡礼道です。

真言律宗は一言でいえば、興法利生(こうぼうりしょう)を説き実行する仏教です。釈尊の教えた正法(しょうぼう)を興(おこ)し衆生を利益(りやく)することに尽きます。

初夏咲きコスモス:≪ちらほら咲き草丈は3050センチほどです。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「紫の 斑の仏めく 著莪の花」高濱虚子

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇空木:≪見ごろ≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫

〇グラジオラス:≪見ごろ≫

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を持ちます。

〇てっせん:≪見ごろ≫

「ひとり居の 朝やうち向ふ 鉄線花」水原秋櫻子

花菱草:≪見ごろ≫

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 離京〉

「わが年齢(とし)を 今かんがふるに あらねども

        たち帰り来む 希望(のぞみ)更になし」

         岡麓・涌井

〔俳句〕

「飴ン棒 横に加えて 初袷」一茶

・訳:飴を横に咥えたまま、夏衣に着替える初袷。

〔和歌〕

「花は散り 月は在明に なる比の

       春の別れぞ いはんかたなき」

        春宮大夫師兼・新葉和歌集160

「桜の花は散ってしまい、月は有明になる三月後半の春の別れは、言いようもないほどあわれ深いことであるよ。」

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈浄瑠璃寺にて〉

「じやうるりの なをなつかしみ みゆきふる

はるのやまべを ひとりゆくなり」

(浄瑠璃の名を懐かしみみ雪降る 春の山辺を一人行くなり)

・じやうるり=浄瑠璃。薬師如来のお浄土、東方薬師瑠璃光浄土のこと。

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

         こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。

・おとかひ=頤。したあご。

〈東京にかへるとて〉

「あをによし ならやまこへて さかるとも

        ゆめにしみえこ わかくさのやま」

(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山

・あをによし=奈良にかかる枕詞。

・さかる=離る。遠ざかる。

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》411

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下 

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)

◆【過去無数の一切諸仏、正覚を成じたまう時、諸仏は一切衆生を知見し、皆仏道を成ぜしむ。能証所証(のうしょうしょしょう①)は、法界染浄平等(ほっかいぜんじょうびょうどう②)の密厳国土(みつごんこくど③)に周遍す。有情迷倒して斯の義を了(りょう④)ぜず。虚妄(きょぼう⑤)に自他染浄を分別して諸の惑業(わくごう⑥)を起す。妄りに苦楽と謂い、諸仏は往昔に三聚(さんじゅう⑦)の誓いを発し、有情を尽す(うじょうをつくす⑧)の願、未だ円満することを得ず。故に無分別(むふんべつ⑨)倶時の俗智(ぞくち⑩)、自然に隨類の色身(しきしん⑪)を変現し、機(き⑫)に対して大小権実有空中道(だいしょうごんじつうくうちゅうどう⑬)八万の聖教を演説したまう。

弘安七年三月十八日命に応じて之を記す。 西大寺衆首沙門叡尊】

 

 能証所証=能証は菩提を証する者、さとるもの、所証はさとりの内容。

 法界染浄平等=この世界の煩悩にけがれた染汚と煩悩を超えた清浄は本来平等である。

 密厳国土=大日如来の浄土。真言宗では実はこの汚れた国土そのままが密厳仏国と説く。

 了=理解。さとる。

 虚妄=うそいつわり。

 惑業=惑と業。貪嗔癡の煩悩と煩悩から起る業(行為)、悪業。

 三聚=菩薩戒である三聚浄戒(律儀戒、善法戒、饒益有情戒)か。

 有情を尽す=有情(衆生)を済度し尽くす。

 無分別=主体と客体の区別を超え、対象を言葉や概念によって把握しようとしないこと。

 俗智=俗事に関するちえ。凡俗なちえ。

 色身=肉体をもち現実界に顕現した仏陀の姿。釈迦牟尼仏。

 機=機根。素質。

 大小権実有空中道=大乗と小乗、権教と実教(方便と真実)、有と空(無)に偏しない非有非空の中道の教え。

(前日の段と同じ。つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。

そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは

「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。

さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、

「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

仲川げん」

という文章になっています。

立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。

しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。

*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体

「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」

*この問題を詳しく知りたい方は、

ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。

*『弥勒の道プロジェクト』さんが、奈良市のごみ焼却場を中ノ川地区へ移転した場合、古都の景観がいかに壊されるかをシミュレートした写真を作成されました。

*実範上人・中川寺跡・弥勒道と焼却場問題に関する詳しく美しいチラシと、第二弾の「Save Joruriji 」が作成されました。

*「Save orurijiの署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で出来ます。

 

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2015年5月 6日 (水)

コスモス寺花だより 5・6

*春の「白鳳秘仏阿弥陀如来像特別御開扉」を行っています。510日まで。拝観時間は9:0016:00

*奈良再発見の古寺巡り地図第二作は、「真言律宗 南都の古刹四箇寺 巡礼の道(行程4.8km.)」です。真言律宗は奈良で生まれた仏教です。奈良に末寺の寺が多いのが特徴です。それぞれに歴史ある文化財を保存しています。今回は四箇寺巡礼の道を設定しました。般若寺から福智院、不空院、白毫寺までゆっくり歩いて約2時間のコースです。東大寺、興福寺を含む奈良公園を抜けて、春日山、高円山の山すそを行く奈良随一の歴史文化と自然たっぷりの上品の道です。

初夏咲きコスモス:≪ちらほら咲き草丈は3050センチほどです。

・花の見ごろ:5月中旬~6月末・本数:3万本

・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ等。

〇シャガ、キンポウゲ:≪見ごろ≫

「紫の 斑の仏めく 著莪の花」高濱虚子

「だんだんに 己かがやき 金鳳華」中村汀女

〇空木:≪三分咲き≫梅花うつぎという種類、卯の花とも言う

「卯の花の こぼるる蕗の 広葉かな」与謝蕪村。 

〇矢車草:≪見ごろ≫

〇紫雲蘭:≪見ごろ≫十三重石塔の石基壇上に咲いています。

〇カラタネオガタマ:≪見ごろ≫花は緑色で目立ちませんがバナナのような芳香を持ちます。

〇てっせん:≪見ごろ≫

「ひとり居の 朝やうち向ふ 鉄線花」水原秋櫻子

花菱草:≪見ごろ≫

「愛らしき 金のさかづき さし上げて

      日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄

〇山アジサイ:≪つぼみ≫

〔短歌〕

〈昭和二十年 離京〉

「去りがてに 思ふものから 時せまり

     促(うなが)されては 友に被負(おぶさ)りぬ」