コスモス寺花だより 5・31
〇初夏咲きコスモス:≪見ごろ・七分咲≫この時期のコスモスは、一つ一つ花の形がよく、秋に勝るとも劣らない美しさをもっています。一年中で最もきれいなコスモスと言えます。花の美しさに加え、日照りがなく葉が青々としげっています。草丈はほどよい高さで、遠くを見渡せるのも美点の一つ。満開を迎えているのは、「美色混合」という名の、花が小ぶりでやさしげな、桜のように散るコスモス。背丈は80~120センチ。センセーション、ビッキー、シーシェル、ピコティの大きい花も見ごろとなってきました。
・花の開花:5月~6月末。今年は夏にも花を咲かせ本番の秋を迎えます。
・本数:3万本
・種類:センセーション、シーシェル、サイケ、ピコティ、ソナタ、ベルサイユ、ローズボンボン、スノーホワイト、ビッキー、ピンキー、等12種類。
〇花菱草:≪見ごろ≫元名はカリフォルニアポピー。
「愛らしき 金のさかづき さし上げて
日のひかりくむ 花菱草よ」木下利玄
〇山アジサイ:≪見ごろ≫
〇紫陽花:≪見ごろ≫
〇ヒツジ草、姫スイレン:≪咲きはじめ≫
〇夾竹桃:≪三分咲き≫
〔俳句〕
「麦秋や ふと居馴染(ゐなじめ)る 伊勢参」一茶
・訳:麦の刈り入れ時になったなあ。ふと気づけば長居して馴染んでしまった伊勢参り。
〔和歌〕
「よそにはや 鳴くとは聞きつ 今はよも
待夜かさねじ 山郭公」
太宰帥泰成親王・新葉和歌集183
「余所ではもう鳴いたと確かに聞いたことだ。今はもう、まさか待つ夜を重ねることはあるまいな、山時鳥よ。」
〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕
〈奈良坂にて〉
「ならさかの いしのほとけの おとかひに
こさめなかるる はるはきにけり」
(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)
・いしのほとけ=京街道の千坊坂に面して立つ夕日地蔵。
・おとかひ=頤。したあご。
〈東京にかへるとて〉
「あをによし ならやまこへて さかるとも
ゆめにしみえこ わかくさのやま」
(青丹よし奈良山越えて離るとも 夢にし見えこ若草の山)
・あをによし=奈良にかかる枕詞。
・さかる=離る。遠ざかる。
*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩の生誕800年、慈眞和尚没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。
*真言律宗4古刹寺御朱印巡礼のコースを設定しています。オリジナルの御朱印紙を調達し、解説の地図チラシを用意します。秋の九月から始める予定、乞うご期待。
《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む・改訂版》432
『西大勅謚興正菩薩行実年譜』 巻下
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷ)
◆三月、海龍王寺(かいりゅうおうじ①)殿堂坊舎を修造す。又新たに経蔵を建立す。斧斤(ふきん②)既に畢って、上皇、一切経蔵の宸額を賜う。五月、今上皇帝(きんじょうこうてい③)、詔して菩薩を請じ宮に入り法を聴き、菩薩戒を受く。六月、菩薩、鏡慧公に命じて、寺塔僧坊、通別三宝、各々の供料、田畠の目録を編次せしむ。以て永代の亀鑑とす。
① 海龍王寺=奈良市法華寺町にある真言律宗末寺。隅寺ともいう。
② 斧斤=おの、まさかり。造作工事。
③ 今上皇帝=伏見天皇。
(つづく)
《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》
日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。
*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点
1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。
2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。
3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。
❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。
〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。
中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。移転推進者はこれだけあっても「なにもないところ」と言うのでしょうか。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。
*仲川げん奈良市長の第一期目の選挙マニフェストは、「大型ハコもの公共事業をゼロベースで見直す」でした。これは窮乏逼迫した奈良市財政の立て直しを目指すものではなかったのでしょうか。何百億円もの巨費を要する「ごみ焼却場移転計画」を見直し、将来の市民負担を軽減する施策を期待させるものだったはずです。
そして二期目の選挙公約、政策ビジョンは
「世界から尊敬される国際観光経済都市NARA」です。
さらに『ならしみんだより9月号』には「二期目の就任にあたって」というあいさつ文で抱負が述べられています。その結びは、
「 新たな4年間では、歴史や文化・自然環境にも恵まれた、奈良市の素晴らしい魅力や資源を最大限に引き出し、世界の中における奈良の価値向上に取り組みたいと思いますので、市民の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
仲川げん」
という文章になっています。
立派な「お言葉」です。「世界から尊敬される」「世界の中における奈良の価値向上」、と高いこころざしが示され、古都奈良の現在と将来を託す市長にふさわしく、たのもしい限りです。仲川市長には御祝儀として「言行一致」という言葉を御進呈いたします。この政治モラルを守って市政に邁進していただきたいですね。
しかし、歴史ある名刹寺院のすぐそばにゴミ焼却場をつくって、はたして「世界から尊敬される観光都市奈良」と言えるのでしょうか。もう一度、移転が必要かどうかの出発点に戻って考えていただきたいですね。仲川市長さん、おねがいします。
*昨年から奈良市議会の委員会では「ごみ焼却場移転推進の請願書」と「候補地の白紙撤回を求める請願書」がぶつかっていて、継続審議状態が続いています。白紙撤回派は益々結束を固めていて、市当局との話し合いは白紙に戻さない限り応じないと意思表明しています。6月7日(日)の東鳴川応現寺の観音様御開帳の日には関係者が集まり対策を練るようです。一方移転推進派は徐々に結束が緩み、現候補地に固執しなくてもよいのではという良識派が多くなっているそうです。古都の歴史と文化財に少しでも理解ある人であれば、浄瑠璃寺と当尾の里を壊すような決定に与することはなされないでしょう。奈良市民の良識を信じたいですね。
*現候補地へのごみ焼却場建設反対を表明した団体
「奈良市東部地区自治連合協議会」「東里地区自治連合会」「鼓阪校区自治連合会」「青山町自治会」「木津川市当尾区五ヶ寺連合会」「真言律宗三ヶ寺連合会」「奈良市ごみ焼却場建設問題を考える会」「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」「弥勒の道プロジェクト」project@mirokunomichi.orℊ「奈良市クリーンの会」
*この問題を詳しく知りたい方は、
ホームページ『奈良市クリーンセンターの課題と新しい奈良の創造』『弥勒の道プロジェクト』をご覧ください。本計画の問題点が的確にまとめられています。HP「般若寺」にリンクあり。現地の事については『弥勒の道プロジェクト』が詳しいです。奈良から笠置寺までの古道を歩いて踏破された動画を公開中。
*「Save Joruriji」の署名は、浄瑠璃寺、岩船寺、白毫寺、福智院、不退寺、般若寺で。
































