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2015年8月23日 (日)

コスモス寺花だより 8・23

コスモスの日本名は「秋桜」。しかし明治の初めに伝わった時には、「オオハルシャギク」と呼ばれていました。これは中国名の「大波斯菊・ターポーシーチュー」に由来します。その意味は「大きな、ペルシャの国からやってきた菊」です。

中国では菊、日本では桜のイメージで好まれた花です。

〇秋のコスモス:≪咲きはじめ≫

只今、コスモスは背丈が1メートル30センチほどになって、種類によってはもう「五分咲き」となっています。今年は秋が早いのでしょうか、長い秋となりそうな予感がします。

・花の時期:9月~11月上旬 

大輪の「センセーション」などは9月初めから開花予定。

・種類:30品種

・花数:15万~20万本(今年は例年に比べ多く植えました)

・花のピーク、満開は9月下旬から10月中旬ごろ

・花と灯りと音の祭典「コスモス花あかり」は1017日(土)と18日(日)午後5時から7時まで。

〇ヒツジ草、姫スイレン:≪見ごろ≫

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪見ごろ≫

〇百日紅(さるすべり):≪見ごろ≫

〔俳句〕

「夕顔の 花で洟(はな)かむ 娘かな」一茶

・訳:夕顔の花で洟をかむ娘だねえ

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈東大寺〉

「おほらかに もろてのゆびを ひらかせて

       おほきほとけは あまたらしたり」

(おおらかに諸手の指を開かせて 大き仏は天照らしたり )

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくえしらずも」

(邪つ神は今の現に在りこせど 踏みし仏は行方知らずも)

・まがつみ=四天王の踏む邪鬼。西大寺四王金堂には奈良時代に称徳女帝が造顕された銅製の四体の邪鬼像が残る。残念ながら四天王は焼失したため後世の作である

*来年(西暦2016年平成28年)は真言律宗の祖師、忍性菩薩(にんしょうぼさつ)の生誕800年、信空慈眞和尚(しんくうじしんわじょう)の没後700年に当たります。お二人は叡尊師の高弟。忍性さんは鎌倉極楽寺に、慈真信空さんは西大寺奥ノ院に御廟塔があります。どちらも菩薩行に生涯をささげられた高僧です。

*興正菩薩の御教誡

「いかにうしろにても我が身の上を少しも悪く言うを聞いては恨み怒り、なおざりにも我をよくするものをば、あながちに愛し喜ぶ。これ道人(どうにん)にあらず、菩提心(ぼだいしん)にあらず。」

・うしろ=うしろごと(後ろ言)。かげで人をそしること。

・なおざり=いい加減に。

・道人=仏道を修行する人。菩薩道を修する人。

・菩提心=悟りを求めて修行し、自己を高めようとする心。無上道心。発菩提心。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》513

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

『興正菩薩講式』(こうしょうぼさつこうしき)

教興寺比丘阿一 謹んで之を草す

◆南山(なんざん①)の戒香を四荒(しこう②)の風に薫じ、青龍(せいりゅう③)の法水を八極(はっきょく②)の流れに灑ぐ。後を以って前を測る。豈此れは灯明除闇の瑞相と為すに非ずや。日月施明の霊夢を作すや。

是を以って、興正菩薩、醍醐山に蹬(とう)し、剃髪染衣し、東大寺に於いて登壇受戒(とうだんじゅかい)す。

 

 南山=終南山。南山大師道宣が住した寺。南山律宗のこと。

 四荒=四方の果ての戎が住む地。北方は觚竹(こちく)、南方は北戸(ほくと)、西方は西王母、東方は日下(じつか)。

 青龍=青龍寺。中国西安にあった寺。弘法大師空海が恵果阿闍梨に学んだ寺。真言密教のこと。

 八極=八方の遠方の地、八方の地の果て。四荒八極。

(つづく)

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

日本全国の古都奈良を愛する人たちは、奈良市クリーンセンター(ごみ焼却場)を「中ノ川・東鳴川」地区に建設することに反対しています。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので、毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員の先生方の見識が疑われますね。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

*〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉へ賛同を寄せられた同志社大学教授(教育史)の沖田行司先生のメッセージ。

「浄瑠璃寺付近は『古寺巡礼』に描かれているように日本人の原風景の一つでもあります。奈良市民だけの問題ではなく、日本の風景を愛する日本人全体の問題だと思います。」

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