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2017年1月13日 (金)

コスモス寺花だより   1・13

 

〔花ごよみ〕

水仙:≪満開≫

冬の庭に清らに咲く花、水仙は見ごろを迎えました。

観音石仏の足下が真っ白な花でかざられています。

今、境内は甘くかぐわしい香りに満ちています。

 

花期:12月~2月 お正月には満開になります。

    種類:一重咲「日本水仙」、「寒水仙」とも言います。

        八重咲「チヤフルネス」

    株数:2万本

 

「水仙に 掃き寄せつ 癖の胸張りぬ」種田山頭火

 

○来年のコスモスは初夏(6~7月)と秋(9~11月)に咲きます。

 

〔俳句〕

遊民(いうみん)遊民とかしこき人に叱られても今更せんすべなく

「又ことし 娑婆塞(しゃばふさ)ぎぞよ 草の家」一茶

訳: また今年もこの娑婆を塞いでいるだけだなあ。この草の家もおのれも。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良より東京なる某生へ〉

「あかきひの かたむくのらの いやはてに

       ならのみてらの かべのゑをおもへ」

(朱き日の傾く野良の弥果てに 奈良の御寺の画を想え)

 

〈奈良を去る時大泉生へ〉

「のこりなく てらゆきめぐれ かぜふきて

       ふるきみやこは さむくありとも」

(残りなく寺行き巡れ風吹きて 古き都は寒くありとも)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》831  

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

 

『興正菩薩講式』

(こうしょうぼさつこうしき) 

教興寺比丘阿一 謹草之

 

◆【第四。仏神感応徳者。

一月高晴。万水宿影。爰先師興正菩薩。捨名利心。住興法思。離憍嫉失。専利生徳。是故神明垂一陰一陽之応。仏陀顕大慈大悲之瑞。所謂建長元年。仏舎利顕現西大寺。】

 

〔第四.仏神感応(ぶっしんかんのう①)の徳とは。

一つの月高く晴るれば、万水に影を宿す。ここに先師興正菩薩、名利(みょうり②)の心を捨て、興法(こうぼう③)の思に住す。憍嫉(きょうしつ④)の失(とが)を離れ、利生(りしょう⑤)の徳を専らにす。是の故に神明(しんめい⑥)は一陰一陽の応(おう⑦)を垂れる。仏陀は大慈大悲の瑞(ずい⑧)を顕わす。いわゆる建長元年(⑨)、四十九歳。仏舎利、西大寺に顕現す。〕

 

 仏神感応=仏の応化と神祇の霊威が相通じて融合すること。

 名利=名聞利養。有名になることと財産を作り生活を享楽すること。

 興法=釈尊の正法(戒定慧の三学)を興隆すること。

 憍嫉=おごりとねたみ。

 利生=利益衆生。

 神明=神祇。とくに天照大神の称。

 応=仏が衆生を救うために時機に応じて、いろいろなものに姿を変えて現れること。応現、応化。

 瑞=めでたいしるし。瑞兆。

 建長元年=けんちょう。一二四九年。

 

◆【弘安六年。八十五歳。仏舎利神変天王寺。承貫主勅。行戒律儀。詣太神宮。三捧法味。毎度顕神威於神路山之梢。毎席浮冥感於御裳河之水。】

 

〔弘安六年(①)八十五歳。仏舎利、天王寺に神変(じんべん②)したまう。貫首(かんじゅ③)の勅を承り戒律儀を行ず。太神宮(だいじんぐう④)に詣し三たび法味を捧ぐ。毎度(まいたび)神威を神路山(かみちやま⑤)の梢に顕わし、毎席(まいせき)冥感を御裳河(みもすそがわ⑥)の水に浮かべる。〕

 

 弘安六年=こうあん。一二八五年。

 神変=人間の知恵でははかり知ることのできない、不思議な変化。

 貫首=大寺の管主。四天王寺の別当職。

 太神宮=伊勢太神宮。

 神路山=伊勢内宮の南方の山、天照山(あまてるやま)とも言う。

 御裳河=御裳濯川。内宮神域内を流れる五十鈴川(いすずがわ)のこと。

 

◆【弘安四年後七月一日。異国億兆襲来九州時。同法(諸衆)八百群集八幡之剋。軍衆数万指西方発向。神火百千以子時飛去。境内神官歎未曽有。山上社司称不思議。即於其夜。速壊彼船】

 

〔弘安四年(①)後七月(②)一日、異国の億兆(おくちょう③)九州に襲来せしの時、同法(どうほう④)〔諸衆〕八百、八幡(やはた⑤)に群集の剋(こく⑥)、軍衆数万西方を指して発向(はっこう⑦)す。神火百千、子の時(ねのとき⑧)を以って飛び去る。境内の神官は未曽有なりと歎じ、山上の社司は不思議なりと称す。すなわち其の夜に於いて、速やかに彼の船を壊(やぶ)る。〕

 

 弘安四年=こうあん。一二八一年。弘安の蒙古襲来。

 後七月=閏月の後の七月。

 億兆=限りなく大きな人数。

 同法=行法を同じくするもの。同門の僧衆。

 八幡=石清水八幡宮。

 剋=時刻。

 発向=出発して目的地に向かうこと。派遣。

 子の時=午前零時頃。

(つづく)

 

《古都奈良と浄瑠璃寺・岩船寺の文化財、歴史的自然環境を守るために》

 

瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○膠着状態にある奈良市のゴミ焼却工場建て替えについて、最近よく聞く市民の声は、「今あるゴミ工場で建て替えるのがベストです。便利のいい場所だし、安上がりですよ、全市民の利益になるのでは。」という意見です。

もともと現工場には建て替え用地(4.5ha.)も確保されているそうです。

またこんな声も聞こえてきます。「工場周辺の土地はたいへん安く売りだされていたんですよ。工場があることを承知で後から来た人が立ち退きを求めるのは住民エゴではないのか、公害もないのに。」という、辛辣な意見を述べる人も多数あります。

いずれにしても浄瑠璃寺の文化財と歴史的自然環境、中川寺跡の遺構を破壊するような開発行為を公共の名においてすることは許されないことです。

中川市長さん、移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。

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