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2017年9月 5日 (火)

コスモス寺花だより   9・5

 

〔コスモス開花情報〕

≪咲きはじめ≫:秋咲コスモスの早い種類が咲いています。全体としてはまだ1・2分咲ていどです。少雨干天が生育を遅らせています。

〇コスモス秋桜の見頃は 9月下旬~11月上旬。

15万本。20種類。 満開は10月上旬です。

 

〇ヒツジ草・姫スイレン:≪見ごろ≫

〇秋海棠(しゅうかいどう):≪満開≫

〇百日紅(さるすべり):≪満開≫

〇夾竹桃(きょうちくとう):≪見ごろ≫

 

≪ニュース≫

◇「般若寺表参詣道」の整備工事は完成いたしました。酷暑と表現された炎天下の下、日々工事を担当された大勢の方々のおかげと感謝いたします。この参道および駐車場ができたことにより般若寺の将来は大きく発展するものと確信しております。

ただし、受付建物と案内標識の準備の都合から、ご利用は99日(土)からといたします。

県道754号線(旧国道24号線)に面した「東口」から入っていただきますと、バス・乗用車の駐車場があり、南面して開いた「正面口」から入山拝観していただけます。以前にくらべ、入口が分かりやすくなり便利になりました。

また「西口」から旧道の京街道へ出ると、南西300mには今年、重要文化財になった「旧奈良監獄(少年刑務所)」の赤レンガ造りの明治建築があり、その近くは会津八一の歌で知られる夕日地蔵、忍性菩薩が建てた北山十八間戸がある般若坂です。

従来の「北口」は一応閉鎖しますが、秋のコスモスシーズンには臨時に開きます。

 

〔俳句〕

「うろたへな 寒くなる迚(とて) 赤蜻蛉」一茶

訳:うろたえるなよ寒くなっても燃えるような赤い衣の赤蜻蛉。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈東大寺にて〉

「あまたたび このひろまへに めぐりきて

       たちたるわれぞ しるやみほとけ」

(数多度この広前に巡り来て 立ちたる我ぞ知るや御仏)

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》を再開します。

934 

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『宇治孤嶋石塔供養式』

(うじことうせきとうくようしき)

 

*康応元年(一三八九)三月廿五日に、宇治橋寺放生院住持の深泉大徳が勧化して行った、興正菩薩一百年忌追賁(追善供養)と十三重石塔修復落慶を兼ねた石塔供養式の式次第と法会記録。衆僧六百人の舞楽大法会である。

 

◆【次衆僧降西階。入阿弥陀堂前幷左右廻廊。着座。次楽人止楽。入楽屋。

  次迎両師。〈行時引頭舞人楽人。引時舞人楽人引頭導師十弟子。〉

  引頭率舞人楽人。向両師所。発楽。〈秋風楽。左右一奏一曲〉】

 

〔次 衆僧、西の階を降りて、阿弥陀堂の前、幷に左右の廻廊に入り、着座す。

次 楽人、楽をやめ楽屋に入る。

次 両師(①)を迎える。〈行く時、引頭、舞人、楽人。引く時、舞人、楽人、引頭、導師、十弟子。〉

引頭、舞人楽人を率いて、両師の所に向かう。楽を発す。〔秋風楽(しゅうふうらく②)。左右一奏一曲。〕

 

 両師=導師 西大寺長老、慈朝唯覚上人。呪願師 放生院住持、本芿坊深泉大徳。

 秋風楽=雅楽の唐楽。盤渉調の曲。四人舞。現在廃曲。長殿楽、寿春楽とも。

(つづく)

 

 

 

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く自然環境を守るために》

 

*仲川奈良市長は再選後、ごみ焼却場の「東部移転断念」を公言しました。

私たちはその英断を歓迎します。あとは移転推進派の一部市民との和解を

はかり、再建候補地を早期に決定していただきたいです。

市長の「断念」が確定するまで、これまでの経緯をここに記しおきます。

 

〇瀬戸内寂聴さんは〈浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会〉に次のような賛同のことばを寄せられました。

「はじめて、歩いて浄瑠璃寺を訪れた時の感激を忘れません。寺を包みこむように静かに息づいていた美しい環境にも感動したものです。それらを守り続けるのは日本人としてのつとめです。」

 

日本中の、世界中の古都奈良を愛する人たちは、奈良市ごみ焼却場(クリーンセンター)を浄瑠璃寺南隣の「中ノ川・東鳴川」地区に移設することに怒りをもって反対しています。奈良市は非常識だと。

*奈良市クリーンセンター建設計画の問題点

1.奈良市クリーンセンター建設計画について、現環境清美工場からの排ガス等による科学的に立証される健康影響がなかったこと、公害調停に至る経過と公害調停自体に問題があること、候補地選定過程において歴史的・文化的遺産の保全等についての重要な議論がいっさいなされていないこと。

2.平安期の高僧、中ノ川実範(じつはん)上人開基の中川寺成身院跡など中ノ川地域の歴史的文化的、及び宗教的観点からの重要性を認識せず、その保全を全く考慮していないこと。

3.石仏の里として有名な当尾、平安時代の浄土式庭園(特別名勝及び史跡)、九体阿弥陀仏堂(本尊九体仏と本堂ともに国宝)、三重塔(国宝)など多数の国宝重要文化財を有する浄瑠璃寺、平安時代の丈六阿弥陀仏(重文)、木造三重塔(重文)、石造十三重塔(重文)、石龕不動明王(重文)など豊富な文化財を残す岩船寺を保存し後世に伝えるためには、周辺の自然生態系を含め、焼却施設からの有害ガス等による影響からこれらを保全する必要があること。

❍奈良市クリーンセンター建設予定地に隣接する当尾地区、数百メートルの距離にある浄瑠璃寺・岩船寺は、京都府の条例で「歴史的自然環境保全地域」に指定され、大切に保護されています。かつてこの地は南都仏教の奥ノ院的な聖地で山間修行の場でした。今も自然豊かな野山に巡礼者が歩いた石仏の道が残っています。

〇中ノ川町の山林には、平安時代の高僧実範(じっぱん)上人開基の「中川寺成身院」(なかがわじじょうしんいん)址があります。この寺は奈良における最古の本格的な密教寺院でありました。最近の研究では「灌頂堂」の指図(図面)が発見され高野山に匹敵するものであったことが判明。

またここは仏教音楽、声明(しょうみょう)の発祥の寺です。現在、高野山をはじめとする全国の真言寺院で唱えられる「南山進流」(なんざんしんりゅう)声明の流祖、大進(だいしん、宗観)上人は実範の弟子でした。さらに中世を通じて宗派を超えた総合的な仏教研究機関の役割を担っていました。浄土真宗の学僧、存覚上人(親鸞聖人のひ孫、覚如の長男)もここで修学されています。日本文化史上有数の、重要なお寺があったのです。

このような貴重な日本の歴史遺産を消滅させる権利が奈良市民(一部の)に許されているのでしょうか。

〇予定候補地の地元、東鳴川町には浄土真宗大谷派の「応現寺」があり、平安時代の重要文化財・木造不空羂索観音菩薩座像が安置されています。奈良県企画「巡る奈良 祈りの回廊」によると、興福寺南円堂御本尊の摸刻といわれ、地元観音講の方々により大切に守られてきたもので日本最古の尊像です。毎月第1日曜日(9時~16時)に特別公開されています。奈良はどんな山の中にも宝物が残されています。

中ノ川寺址、応現寺、浄瑠璃寺、岩船寺。ごみ焼却施設の移転推進者たちはこれだけの歴史文化遺産があっても「なにもないところ」と言い張るのでしょうか。策定委員会の先生方の見識が疑われます。応現寺は奈良市のHPでも、奈良市トップページ>観光>文化財>お知らせ>東鳴川町「木造不空羂索観音坐像」の公開、として出ています。

○移転を求める一部住民の皆さん、奈良市は歴史観光都市、古都奈良であることを忘れておられませんか。奈良市民は『市民憲章』、『文化財保護条例』で文化財を護ることを誓っているのです。

〇奈良の未来に禍根を残すことになる、ゴミ焼却工場移設計画が根拠とする公害無き『公害調停』は見直されるべきです。奈良の行政を呪縛し身動き取れなくしている「調停」を廃棄し、新工場を最新の設備にして「地元」への還元策を図るべし。これしか解決法はありません。立地条件(収集の効率)からみて現在地が最適地。ここに工場を創設した当時の鍵田忠三郎市長(故人)は先見の明があり偉大でした。7月の選挙で選ばれる新市長は早期再建を断行すべし。

7/11の奈良新聞記事によると、新市長の仲川氏は当選後の記者取材に応じ、クリーンセンター問題で「今までは公害調停順守の立場で移転ありきのスタンスだったが、市全体の利益を考えれば現地建て替えを選択肢から除外するのは非現実的」と述べた。これは重大な方針転換の発言ではありますが、正論です。奈良市の厳しい財政事情をまじめに考えるならば移転など不可能なことです。現実を見据えた仲川市長の新提案が実現されるよう応援したいです。

〇東京都武蔵野市のクリーンセンターが今年(2017)の春に再建され、全国の注目を集めています。まず建設場所が驚くなかれ、市庁舎の道向かい、町の中心地です。周囲は住宅地が広がり、幼稚園、小学校、中学校があり、陸上競技場、体育館など市民の集まる施設の集中する、市の中心地です。行政と市民の間で十分な議論をしたうえで決めたそうですが、ゴミを減量化するためには全市民にごみ問題に関心を持ってもらわなければならないから、隠すのではなくわざと目につく中心地に作ったと言います。完成した今、いつでも誰でも見学可能で、ゴミがどのように処理され、リサイクルされているのかが目の当たりに見られるそうです。そして温水利用だけではなく発電設備も完備し、大震災にも復興の中心となる電気は止まらないのです。最新の環境設備を導入し、建物も一見美術館のようなデザイン性を持っています。奈良市民も武蔵野の先進例を見習ってほしいです。

8/7「浄瑠璃寺と当尾の里をまもる会」は「浄瑠璃寺南にごみ焼却場を建設する計画の撤回を求める署名」9,608筆(前回分を合わせて24859筆)を奈良市長あてに提出しました。

当会の役員他、「呼びかけ人」の聖護院門跡宮城泰年師、橘大学学長細川涼一先生、臨済宗僧侶関川鶴祐師をはじめ総勢8人参加で、市の担当部局責任者である環境部長に手渡しました。新クリーンセンタ―は古都奈良にふさわしいものをと要望し、建設が決まるまで我々の活動を継続するとの意思を伝えました。これは、もう一つの「見直しを求める奈良市民の会」の要望に続く、奈良市長の英断への励ましのメッセージになりました。

8/26奈良新聞によると、クリーンセンタ―策定委員会が94日に非公開の「準備会」形式で開かれ、仲川市長が「市主導」による建設を提案するという。

8/28奈良新聞。現工場周辺の住民らによる集会があり、市長の「東部断念」、「現地建て替えも含め検討する」とした発言に対し、「公害調停申請人の会」(吉田隆一会長)、弁護士らからは「約束反古」であり、「訴訟も視野に対応を諮る」ことを確認した、と。4日の準備会に向けた決起集会のようなものでした。

しかし、裁判をすれば第一に公害はあったのか、無かったのか、が問われることになります。また調停から12年も経っていて、市側からは全国の都市部の先例、とくに武蔵野市のクリーンセンターなどが例証として出されるでしょう。裁判の行方はいかに。

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