コスモス寺花だより 12・31
今日は大晦日。
「大晦日 定(さだめ)なき世の 定かな」西鶴
〔いま咲いている花〕
〇水仙:≪見ごろ≫
種類:日本水仙、寒水仙。
白一重咲、白八重咲。
本数:数万本
花期:12月~2月。
冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。
場所によっては5分咲き以上になっています。
「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良
〇山茶花:≪見ごろ≫
〔四季の花暦〕
・春:山吹(4月中旬~下旬)
・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)
紫陽花(6月上旬~6月下旬)
・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)
・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)
その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。
〔小林一茶の俳句〕
「木がらしや 菰(こも)に包ンで ある小家」
訳:木枯らしが吹きすさんでいるよ。そのなかで菰にくるんである小さな家。
〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕
〈聖武天皇光明皇后御陵〉
「さほやまの このしたがくり よごもりに
ものうちかたれ わがせわぎもこ」
(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)
≪ニュース≫
◇「除夜の鐘休止」のお知らせ
文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。
◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。
旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。
◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。
《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》964
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録
『同願文』
◆【今一戒之受持。無非師恩。栴檀微塵猶馥。堅樹之種無失。転識薫習頼耶摂蔵。浄頗梨影雖曇。感果因縁無朽。一犯可恐。一善可貯。軽重多少利害眼前。】
〔今、一戒の受持も、師恩に非ざるは無し。栴檀は微塵なれどもなお馥(かんば)し。堅樹(けんじゅ①)の種は失うこと無し。転識薫習(てんしきくんじゅう②)して頼那(らな③)に摂蔵(しょうぞう④)さる。淨頗梨(じょうはり⑤)の影は曇ると雖も、感果の因縁は無朽なり。一犯をも恐るべし、一善をも貯えるべし。軽重多少の利害は眼前たり。〕
① 堅樹=かたい木質の木。
② 転識薫習=眼・耳・鼻・舌・身・意識の六識の薫習(香りが物に沁みこむように心のはたらきが身に染む)。
③ 頼那=唯識でいう、第八識の阿頼耶識、第七識の末那識。
④ 摂蔵=収め蔵される。
⑤ 淨頗梨=曇りがない清らかな水晶またはガラスでできた浄玻璃の鏡は、閻魔庁において亡者の生前における善悪の所業を映し出すという。
(つづく)
《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》
古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。