« 2017年11月 | トップページ | 2018年1月 »

2017年12月

2017年12月31日 (日)

コスモス寺花だより   12・31

 

今日は大晦日。

「大晦日 定(さだめ)なき世の 定かな」西鶴

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 菰(こも)に包ンで ある小家」

訳:木枯らしが吹きすさんでいるよ。そのなかで菰にくるんである小さな家。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》964

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【今一戒之受持。無非師恩。栴檀微塵猶馥。堅樹之種無失。転識薫習頼耶摂蔵。浄頗梨影雖曇。感果因縁無朽。一犯可恐。一善可貯。軽重多少利害眼前。】

 

〔今、一戒の受持も、師恩に非ざるは無し。栴檀は微塵なれどもなお馥(かんば)し。堅樹(けんじゅ①)の種は失うこと無し。転識薫習(てんしきくんじゅう②)して頼那(らな③)に摂蔵(しょうぞう④)さる。淨頗梨(じょうはり⑤)の影は曇ると雖も、感果の因縁は無朽なり。一犯をも恐るべし、一善をも貯えるべし。軽重多少の利害は眼前たり。〕

 

 堅樹=かたい木質の木。

 転識薫習=眼・耳・鼻・舌・身・意識の六識の薫習(香りが物に沁みこむように心のはたらきが身に染む)。

 頼那=唯識でいう、第八識の阿頼耶識、第七識の末那識。

 摂蔵=収め蔵される。

 淨頗梨=曇りがない清らかな水晶またはガラスでできた浄玻璃の鏡は、閻魔庁において亡者の生前における善悪の所業を映し出すという。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月30日 (土)

コスモス寺花だより   12・30

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、酔葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 菰(こも)に包ンで ある小家」

訳:木枯らしが吹きすさんでいるよ。そのなかで菰にくるんである小さな家。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》964

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【今一戒之受持。無非師恩。栴檀微塵猶馥。堅樹之種無失。転識薫習頼耶摂蔵。浄頗梨影雖曇。感果因縁無朽。一犯可恐。一善可貯。軽重多少利害眼前。】

 

〔今、一戒の受持も、師恩に非ざるは無し。栴檀は微塵なれどもなお馥(かんば)し。堅樹(けんじゅ①)の種は失うこと無し。転識薫習(てんしきくんじゅう②)して頼那(らな③)に摂蔵(しょうぞう④)さる。淨頗梨(じょうはり⑤)の影は曇ると雖も、感果の因縁は無朽なり。一犯をも恐るべし、一善をも貯えるべし。軽重多少の利害は眼前たり。〕

 

 堅樹=かたい木質の木。

 転識薫習=眼・耳・鼻・舌・身・意識の六識の薫習(香りが物に沁みこむように心のはたらきが身に染む)。

 頼那=唯識でいう、第八識の阿頼耶識、第七識の末那識。

 摂蔵=収め蔵される。

 淨頗梨=曇りがない清らかな水晶またはガラスでできた浄玻璃の鏡は、閻魔庁において亡者の生前における善悪の所業を映し出すという。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

2017年12月29日 (金)

コスモス寺花だより   12・29

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、酔葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「北壁や 嵐木がらし 唐がらし」

訳:北壁がしかと受け止めているよ。吹きすさぶ嵐に凩に唐辛子。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》963

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【為残是於来葉。集如来金口妙文。難解難入文讃釈易解。鳩杖之初修。無非迷津之摂受。雖然世下澆末。不辨盛衰。只入宝山空手。後必憂悔之誡遮眼。】

 

〔是を来葉(らいよう①)に残さんが為め、如来金口の妙文(こんくのみょうもん②)を集め、難解難入の文讃(なんげなんにゅうのぶんさん③)は、易解(いげ④)を釈す。鳩杖(きゅうじょう⑤)の修する所、迷津(めいしん⑥)の摂受(しょうじゅ⑦)に非ざるは無し。然りと雖も世は下り澆末(ぎょうまつ⑧)なり。盛衰を弁(わきま)えず、ただ宝山に入りても空手なり。後必憂悔の誡め(ごひつゆうげのいましめ⑨)は眼を遮る。〕

 

 来葉=のちの世、後世。

 金口の妙文=仏の金色の口より発せられた尊い教え。

 難解難入の文讃=解することも入ることも難しい偈頌の文章。

 易解=易しい解釈。

 鳩杖=昔、中国や日本で八十歳以上の老臣に下賜された鳩の彫刻を施した杖。高齢者のこと。

 迷津=衆生がさまよう三界六道の迷いの世界。

 摂受=衆生を導くため、その行為や心を受け入れること。

 澆末=道徳の薄れた人情軽薄な末の世、末世。

 後必憂悔の誡め=のちに必ず憂え悔いることになるという誡め。出典不詳。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月28日 (木)

コスモス寺花だより   12・28

 

今年もあとわずかとなりました。皆さまそれぞれに色々な出来事、思い出があったことと思います。当山般若寺では何より先代住職(没後44年)からの悲願であった境内南側の旧境内地の失地回復が成就し、本来の南面した四天王寺様式の伽藍形式が復興されたことです。今回(3回目)の買い上げは551坪と広い土地ではありますが、本来の境内地、南北2町東西5町(220m×550m)面積36千坪に比べれば微々たるものです。これからも廃仏毀釈の傷あとを少しづつ癒していきたいと思います。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「牛の汁 あらし木がらし 吹にけり」

訳:牛のよだれ、嵐も木枯らしも吹いていることよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》962

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【所以尋有縁於閻浮。得法器於貴賎。従三仏大戒三聚浄戒。至五篇七聚之制禁。隨機応根。施止作甘露妙薬。資三途八難苦悩。】

 

〔所以(ゆえん)は、有縁(うえん①)を閻浮(えんぶ②)に尋ね、法器(ほうき③)を貴賎(きせん④)に得る。三仏大戒(さんぶつたいかい⑤)の三聚浄戒(さんじゅじょうかい⑥)より五篇七聚(ごひんしちしゅう⑦)の制禁(せいきん⑧)に至るまで、機に随い根に応じ、止作(しさ⑨)甘露の妙薬を施し、三途八難(さんずはちなん⑩)の苦悩を資(たす)く。〕

 

 有縁=仏の教えを聞く機縁のあること。

 閻浮=閻浮提。人間世界、現世。

 法器=仏道修行をするに足る器量をそなえた人。

 貴賎=身分の上下にこだわらず。

 三仏大戒=法身、報身、応身

 三聚浄戒=菩薩戒。摂律儀、摂善法、摂衆生の三種類の戒。

 五篇七聚=四分律に説かれた具足戒。比丘ならば二百五十戒。

 制禁=きまりによってある行為を禁止すること。

 止作=諸悪をなさない止持戒と諸善を作す作善戒。

 三途八難=三途は熱苦を受ける火途(かず)、刀剣などで脅迫される刀途(とうず)、互いに相食む血途(けつず)。これを地獄、餓鬼、畜生の三悪道に配す。八難は三悪道に、長寿天、辺地、盲聾瘖亜、世智弁聡、仏前仏後を加える。これらの境界は、仏道修行の障碍となり仏法を聞くことができない。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

コスモス寺花だより   12・28

 

今年もあとわずかとなりました。皆さまそれぞれに色々な出来事、思い出があったことと思います。当山般若寺では何より先代住職(没後44年)からの悲願であった境内南側の旧境内地の失地回復が成就し、本来の南面した四天王寺様式の伽藍形式が復興されたことです。今回(3回目)の買い上げは551坪と広い土地ではありますが、本来の境内地、南北2町東西5町(220m×550m)面積36千坪に比べれば微々たるものです。これからも廃仏毀釈の傷あとを少しづつ癒していきたいと思います。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「牛の汁 あらし木がらし 吹にけり」

訳:牛のよだれ、嵐も木枯らしも吹いていることよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》962

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【所以尋有縁於閻浮。得法器於貴賎。従三仏大戒三聚浄戒。至五篇七聚之制禁。隨機応根。施止作甘露妙薬。資三途八難苦悩。】

 

〔所以(ゆえん)は、有縁(うえん①)を閻浮(えんぶ②)に尋ね、法器(ほうき③)を貴賎(きせん④)に得る。三仏大戒(さんぶつたいかい⑤)の三聚浄戒(さんじゅじょうかい⑥)より五篇七聚(ごひんしちしゅう⑦)の制禁(せいきん⑧)に至るまで、機に随い根に応じ、止作(しさ⑨)甘露の妙薬を施し、三途八難(さんずはちなん⑩)の苦悩を資(たす)く。〕

 

 有縁=仏の教えを聞く機縁のあること。

 閻浮=閻浮提。人間世界、現世。

 法器=仏道修行をするに足る器量をそなえた人。

 貴賎=身分の上下にこだわらず。

 三仏大戒=法身、報身、応身

 三聚浄戒=菩薩戒。摂律儀、摂善法、摂衆生の三種類の戒。

 五篇七聚=四分律に説かれた具足戒。比丘ならば二百五十戒。

 制禁=きまりによってある行為を禁止すること。

 止作=諸悪をなさない止持戒と諸善を作す作善戒。

 三途八難=三途は熱苦を受ける火途(かず)、刀剣などで脅迫される刀途(とうず)、互いに相食む血途(けつず)。これを地獄、餓鬼、畜生の三悪道に配す。八難は三悪道に、長寿天、辺地、盲聾瘖亜、世智弁聡、仏前仏後を加える。これらの境界は、仏道修行の障碍となり仏法を聞くことができない。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

2017年12月27日 (水)

コスモス寺花だより   12・27

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 地びたに暮るる 辻諷(うた)ひ」

訳:凩が吹きすさんでいるよ。地べたに座って、日々暮らしてゆく辻諷い。

・辻諷ひ=辻で小謡などをうたって、物乞いする人。

人々が行き交う辻の地面にむしろを敷いて、物乞いしながら日々を暮らすものへの深い同情。凩は世間の冷たさそのもの。一茶も地面から上を見上げている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》961

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【倩尋抜苦与楽之大要。受地獄鬼畜之報。依毀戒師軽重。感浄土菩提之果。只是依性遮之戒善。微塵成覚之金文。因縁果満之詮要。眼前勝利者哉。】

 

〔倩(つらつら)抜苦与楽(ばっくよらく①)の大要(たいよう②)を尋ぬるに、地獄鬼畜(じごくきちく③)の報を受くるは毀戒の軽重(きかいのけいじゅう④)に依り、浄土菩提(じょうどぼだい⑤)の果を感ずるは、只是れ性遮(しょうしゃ⑥)の戒善(かいぜん⑦)に依る。微塵成覚(みじんじょうがく⑧)の金文、因縁果満⑨の詮要、眼前の勝利のものかな。

 

 抜苦与楽=衆生の苦を取り除いて、楽を与えること。慈悲のはたらきをいう。

 大要=ある物事のなかで、特に肝要とみられるもの。

 地獄鬼畜=地獄、餓鬼、畜生。悪業の結果堕ちる三つの悪道。三悪趣、三悪。

 毀戒の軽重=破戒の罪の軽重。

 浄土菩提=仏のお浄土に生まれ悟りを得ること。

 性遮=性戒と遮戒。性戒は仏の制戒を待たずとも人間として守るべき戒、例えば殺生・偸盗・邪婬・妄語の戒。遮戒は過失を生ずる故制止される戒、例えば飲酒などの戒。

 戒善=持戒善根の略。持戒によって得られる善根。五戒を保てば人間に生まれ、十善戒を保てば天子、国王に生まれるという教え。

 微塵成覚=きわめて微細なものもさとりを成ずること。

 因縁果満=因と縁に依って果が満つること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

コスモス寺花だより   12・27

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 地びたに暮るる 辻諷(うた)ひ」

訳:凩が吹きすさんでいるよ。地べたに座って、日々暮らしてゆく辻諷い。

・辻諷ひ=辻で小謡などをうたって、物乞いする人。

人々が行き交う辻の地面にむしろを敷いて、物乞いしながら日々を暮らすものへの深い同情。凩は世間の冷たさそのもの。一茶も地面から上を見上げている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇「除夜の鐘休止」のお知らせ

文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》961

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【倩尋抜苦与楽之大要。受地獄鬼畜之報。依毀戒師軽重。感浄土菩提之果。只是依性遮之戒善。微塵成覚之金文。因縁果満之詮要。眼前勝利者哉。】

 

〔倩(つらつら)抜苦与楽(ばっくよらく①)の大要(たいよう②)を尋ぬるに、地獄鬼畜(じごくきちく③)の報を受くるは毀戒の軽重(きかいのけいじゅう④)に依り、浄土菩提(じょうどぼだい⑤)の果を感ずるは、只是れ性遮(しょうしゃ⑥)の戒善(かいぜん⑦)に依る。微塵成覚(みじんじょうがく⑧)の金文、因縁果満⑨の詮要、眼前の勝利のものかな。

 

 抜苦与楽=衆生の苦を取り除いて、楽を与えること。慈悲のはたらきをいう。

 大要=ある物事のなかで、特に肝要とみられるもの。

 地獄鬼畜=地獄、餓鬼、畜生。悪業の結果堕ちる三つの悪道。三悪趣、三悪。

 毀戒の軽重=破戒の罪の軽重。

 浄土菩提=仏のお浄土に生まれ悟りを得ること。

 性遮=性戒と遮戒。性戒は仏の制戒を待たずとも人間として守るべき戒、例えば殺生・偸盗・邪婬・妄語の戒。遮戒は過失を生ずる故制止される戒、例えば飲酒などの戒。

 戒善=持戒善根の略。持戒によって得られる善根。五戒を保てば人間に生まれ、十善戒を保てば天子、国王に生まれるという教え。

 微塵成覚=きわめて微細なものもさとりを成ずること。

 因縁果満=因と縁に依って果が満つること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月26日 (火)

コスモス寺花だより   12・26

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 地びたに暮るる 辻諷(うた)ひ」

訳:凩が吹きすさんでいるよ。地べたに座って、日々暮らしてゆく辻諷い。

・辻諷ひ=辻で小謡などをうたって、物乞いする人。

人々が行き交う辻の地面にむしろを敷いて、物乞いしながら日々を暮らすものへの深い同情。凩は世間の冷たさそのもの。一茶も地面から上を見上げている。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》960

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【  弟子等敬白

  奉修舞楽曼荼羅大供一座

     右作善甄録如斯

観夫。一代半満之教。資八万四千群機。如来出世之本懐。只在穢悪利生之一門。爰我本師叡尊上綱。大慈大悲之弘濟。偏為善逝摂受之使。】

 

〔弟子等敬って白す。

舞楽曼荼羅大供一座を修し奉る。

   右、作善甄録(さぜんけんろく①)斯くの如し。

 

観(かんがみ)れば夫れ、一代半満の教(②)は、八万四千の群機(ぐんき③)を資(たす)く。如来出世の本懐(にょらいしゅっせのほんかい(④)は、只だ穢悪利生(えおりしょう⑤)の一門に在り。爰に我が本師叡尊上綱(しょうこう)は、大慈大悲の弘濟(こうさい⑥)、偏に善逝(ぜんぜい⑦)摂受(しょうじゅ⑧)の使いたり。)

 

 作善甄録=善業の詳細な記録。

 一代半満の教=半満は半字教(小乗)と満字教(大乗)釈尊一代のすべての教え。

 群機=群生。多くの衆生。

④如来出世の本懐=釈迦如来が衆生を救うためにこの世に現れ出られた本意、本願は。

⑤穢悪利生=煩悩が充満してけがれ罪深いこの世において衆生を済度すること。

⑥弘濟=広くすくう。

⑦善逝=如来十号の一つ。梵・スガタ。迷いの世界を去って、悟りの彼岸におもむき、再び迷いの生死海には戻ってこないもの。

 摂受=衆生を導くために、衆生の善を受け入れ、収めとること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

2017年12月25日 (月)

コスモス寺花だより   12・25

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪2~3分咲き≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 地びたに暮るる 辻諷(うた)ひ」

訳:凩が吹きすさんでいるよ。地べたに座って、日々暮らしてゆく辻諷い。

・辻諷ひ=辻で小謡などをうたって、物乞いする人。

人々が行き交う辻の地面にむしろを敷いて、物乞いしながら日々を暮らすものへの深い同情。凩は世間の冷たさそのもの。一茶も地面から上を見上げている。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇毎月、御仏にご縁を結ぶ日を御縁日と言いますが、一年最後の師走の月には「しまい・・」と言われます。終い弘法、終い不動、しまい観音などです。当寺の場合は御本尊様が文殊菩薩様なので、本日(25日)の御縁日は「しまい文殊」となります。午後一時半よりお勤めいたします。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》959

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同諷誦文』

◆【三世仏陀。照本末精勤之誠。十方冥衆。哀緇素懇念之志。上綱哀納故。帰在生弘濟之昔。再挑戒月灯。倍瑩慧日光。宗教弥一天。済生施四海。仍諷誦所修如件。

  天正十七年八月廿五日】

 

〔三世の仏陀は、本末精勤(ほんまつしょうごん①)の誠を照らし、十方の冥衆は、緇素懇念の志を哀れむ。上綱(しょうこう②)哀納するが故に、在生弘濟(ざいせこうさい)の昔に帰し、再び戒月の燈を挑(かか)げ、倍(ますます)慧日の光を瑩(かがや)かす。宗教(しゅうきょう④)は彌(いよいよ)、一天の生(いってんのせい⑤)を濟(すく)い四海に施さん。

仍って諷誦修する所、件の如し。

 

天正十七年八月廿五日

 

 本末精勤=本山西大寺と末寺が仏道修行に励むこと。

 上綱=碩学の僧、興正菩薩のこと。

 在世弘濟=仏が世に在り弘く衆生を済度すること。

 宗教=宗門の教え。

 一天の生=一天下(いってんげ)、すなわち世の中全体の衆生。

(おわり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月24日 (日)

コスモス寺花だより   12・24

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪二分咲≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙に 蒼き未明の 来てゐたり」島谷征良

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしや 地びたに暮るる 辻諷(うた)ひ」

訳:凩が吹きすさんでいるよ。地べたに座って、日々暮らしてゆく辻諷い。

・辻諷ひ=辻で小謡などをうたって、物乞いする人。

人々が行き交う辻の地面にむしろを敷いて、物乞いしながら日々を暮らすものへの深い同情。凩は世間の冷たさそのもの。一茶も地面から上を見上げている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠もりに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇毎月、御仏にご縁を結ぶ日を御縁日と言いますが、一年最後の師走の月には「しまい・・」と言われます。終い弘法、終い不動、しまい観音などです。当寺の場合は御本尊様が文殊菩薩様なので、明日25日の御縁日は「しまい文殊」となります。午後一時半よりお勤めいたします。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》959

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同諷誦文』

◆【三世仏陀。照本末精勤之誠。十方冥衆。哀緇素懇念之志。上綱哀納故。帰在生弘濟之昔。再挑戒月灯。倍瑩慧日光。宗教弥一天。済生施四海。仍諷誦所修如件。

  天正十七年八月廿五日】

 

〔三世の仏陀は、本末精勤(ほんまつしょうごん①)の誠を照らし、十方の冥衆は、緇素懇念の志を哀れむ。上綱(しょうこう②)哀納するが故に、在生弘濟(ざいせこうさい)の昔に帰し、再び戒月の燈を挑(かか)げ、倍(ますます)慧日の光を瑩(かがや)かす。宗教(しゅうきょう④)は彌(いよいよ)、一天の生(いってんのせい⑤)を濟(すく)い四海に施さん。

仍って諷誦修する所、件の如し。

 

天正十七年八月廿五日

 

 本末精勤=本山西大寺と末寺が仏道修行に励むこと。

 上綱=碩学の僧、興正菩薩のこと。

 在世弘濟=仏が世に在り弘く衆生を済度すること。

 宗教=宗門の教え。

 一天の生=一天下(いってんげ)、すなわち世の中全体の衆生。

(おわり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

2017年12月23日 (土)

コスモス寺花だより   12・23

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪二分咲≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしに 口淋しいと ゆふべ哉」

訳:凩が吹くと口が淋しいと言う夕べとなったなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

◇御本尊文殊菩薩像は16日に無事御帰座されました。これからは毎日、御開扉されますのでお参りいただけます。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》959

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同諷誦文』

◆【仰而有余。雖為草露之残命。一戒薫習。曠劫多生不可空。寧非如来広徳祖師大恩哉。故今為尊師酬恩謝徳。刷舞楽曼荼羅大会。絲竹呂律之荘厳。𠑊尊霊所居金台。両部讃嘆之威光。耀金胎不二玉殿。】

 

〔仰ぎても余り有り。草露の残命たりと雖も、一戒の薫習(くんじゅう①)は曠劫(こうごう②)に多生(たしょう③)すれども、空しかるべからず。寧ろ如来の広徳、祖師の大恩に非ざる哉。故に今、尊師の酬恩謝徳(しゅうおんしゃとく④)のため、舞楽曼荼羅大会を刷(かいつくろ)い、絲竹呂律(しちくりょりつ⑤)の荘厳は、尊霊所居の金台(きんだい⑥)を儼(おごそ)かにし、両部讃嘆の威光は金胎不二の玉殿(こんたいふにのぎょくでん⑦)を耀かす。〕

 

 薫習=香が移り染むように、戒をまもる習慣が人の心身に影響・作用を植え付けること。

 曠劫=非常に長い年月。永劫。

 多生=何度もこの世に生まれかわること。多くの生を輪廻すること。

 酬恩謝徳=恩に報い、徳に感謝すること。

 糸竹呂律=舞楽と声明のこと。糸竹は琴、琵琶などの弦楽器と笙、笛などの管楽器の総称。呂律は呂旋と律旋。

 金台=金で飾った台閣。美しい高楼。

 金胎不二の玉殿=金剛界曼荼羅、胎蔵曼荼羅世界は対立するものではなく絶対平等であることをいい、それは玉をちりばめたような美しい宮殿である。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月22日 (金)

コスモス寺花だより   12・22

今日は冬至、昼間が一番短い日です。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪二分咲≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしに 口淋しいと ゆふべ哉」

訳:凩が吹くと口が淋しいと言う夕べとなったなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

◇御本尊文殊菩薩像は16日に無事御帰座されました。これからは毎日、御開扉されますのでお参りいただけます。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》958

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同諷誦文』

◆【夫以。牟尼八十之春花散沙羅梢。上綱九十之満月隠仲秋雲。彼過去後五百。此年満三百歳。共一天之能化。同一界之導師。恋慕浸袂。渇仰余袖。遠近雖異。大悲摂受。更無替不異於昔之誡。】

 

〔夫れ以(おもんみ)るに、牟尼(むに①)八十の春、花は沙羅(しゃら②)の梢に散り、上綱(しょうこう③)九十の満月は仲秋(ちゅうしゅう④)の雲に隠れる。彼の過去の後、五百(⑤)、この年は満三百歳。共に一天の能化(いってんののうけ⑥)、同じく一界の導師(いつかいのどうし⑦)たり。恋慕(れんぼ)は袂(たもと)を浸(ひた)し、渇仰(かつごう)は袖(そで)に余る。遠近異なると雖も、大悲摂受(だいひしょうじゅ⑧)は更に替わり無く、昔の誡め(いましめ⑨)に異ならず。

 

 牟尼=釈迦牟尼仏陀。牟尼は聖者。

 沙羅=サラとも。沙羅双樹。インド北部原産、フタバガキ科の常緑高木。釈尊が入滅涅槃された場所に二本づつ植えられていたという。

 上綱=碩学の僧に対する尊称。もとは三綱(さんごう)中の上座、またその位にある僧をさす。

 仲秋=旧暦(太陰暦)の八月。

 五百=「彼の過去」は釈尊をさすので、千五百年の間違いか。

 一天の能化=能化は師として他を教化できる人。一天世界の教化者。

 一界の導師=世界の衆生を導く大導師。

 大悲摂受=菩薩の大悲心をもって、相手の主張や行為を受け入れながら衆生を教え導くこと。

 誡め=釈尊の誡め、すなわち菩薩戒。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

2017年12月20日 (水)

コスモス寺花だより   12・20

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪二分咲≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木がらしに 口淋しいと ゆふべ哉」

訳:凩が吹くと口が淋しいと言う夕べとなったなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

◇御本尊文殊菩薩像は16日に無事御帰座されました。これからは毎日、御開扉されますのでお参りいただけます。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》957

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【観夫早菊芬々而示華蔵世界之荘厳。暁月皓々而顕摩尼宝殿之色相。景色如是感応道交。仰願伽藍再造。及千仏出世之夕。人法繁栄。至三会説教之暁。殊者現前貴賎諸願成辨。啓白詞短。三宝知見。敬白。】

 

〔観(かんがみ)るに夫れ、早菊芬々(そうぎくふんぷん①)として華蔵世界(けぞうせかい②)の荘厳を示す。暁月は皓々(こうこう③)として摩尼宝殿(まにほ④)の色相を顕わす。景色はかくの如く感応道交(かんのうどうこう⑤)せり。仰ぎ願わくは伽藍を再造し、千仏出世の夕べに及び、人法繁栄し、三会説教(さんねせっきょう⑥)の暁に至らんことを。殊には現前の貴賎、諸願成辨(しょがんじょうべん⑦)せんことを。啓白(けいびゃく⑧)は詞(ことば)短かけれども、三宝知見(さんぼうちけん⑨)あれ。敬って白す。〕

 

 早菊芬々=早く咲いた菊は香気が高くかおるさまをいう。

 華蔵世界=蓮華蔵世界の略。毘盧遮那如来の願と行とによって飾られた浄土。

 皓々=白々と光り輝くさま。

 摩尼宝殿=天上世界の摩尼宝珠で飾られた宮殿。兜率天、他化自在天などにある宮殿。

 感応道交=仏と人間とが融和すること。人に応じた仏のはたらきかけと、それを感じとる人の心とが相交わり、合致すること。

 三会説教=弥勒菩薩が釈迦入滅後五十六億七千万年に兜率天から人間界に下って、龍華樹の下で悟りを開き、大衆のために三度、法を説くという説法の会座。龍華三会。

 諸願成辨=もろもろの願いが成就すること。

 啓白=敬って申し上げること。法会でその趣旨や願意を仏前で述べること。表白と同じ。

 三宝知見=三宝は仏法僧。知見は知ることと見ること。仏が衆生の姿や願いなどを知ること。

(終わり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月18日 (月)

コスモス寺花だより   12・18

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「寒月や 喰つきさうな 鬼瓦」

訳:凍てつきそうな寒月が地上を照らしているよ。喰いつきそうな鬼瓦が大空を仰いでいる。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

◇御本尊文殊菩薩像は16日に無事御帰座されました。これからは毎日、御開扉されますのでお参りいただけます。

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》956

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【短声弥陀之三昧者。大悲利生之船筏也。大衆同誦之戒本者。専精護持之䡄範也。云彼云斯。盡美盡亊者乎。然則先師菩薩弥朗上求菩提之誓心。倍𠑊下化衆生之願海。悉是曼荼列座界会聖衆。】

 

〔短声弥陀(たんぜいみだ①)の三昧は大悲利生(だいひりしょう②)の船筏(せんばつ③)なり。大衆同誦の戒本(かいほん④)は専精護持の軌範なり。彼と云い斯と云い、美を盡し事を盡すものか。然れば則ち、先師菩薩は彌(いよいよ)上求菩提の誓心を朗(あきら)かにし、倍(ますます)下化衆生の願海(がんかい⑤)を儼(おごそ)かにす。悉く是れ曼荼(まんだ⑥)に列座する界会の聖衆なり。〕

 

 短声弥陀=天台声明の『短声阿弥陀経』。

 大悲利生=阿弥陀仏の慈悲心による衆生済度。

 船筏=舟やいかだ。

 戒本=大乗菩薩戒(梵網経)の戒条。

 願海=仏菩薩の誓願を深く広い海にたとえる。

 曼荼=曼荼羅。

 (つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

 

| | コメント (0)

2017年12月17日 (日)

コスモス寺花だより   12・17

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「寒月や 喰つきさうな 鬼瓦」

訳:凍てつきそうな寒月が地上を照らしているよ。喰いつきそうな鬼瓦が大空を仰いでいる。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》955

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【於戯或向影像。断懐旧之膓。又詣聖跡。流恋慕之涙。蓋聞両部之極位。遮那内証之深儀。三密之行業。即身頓悟之真路。剰又七日不断之真言者。因円果満之肝要也。造立供養之塔婆者。仏凡一如之覚体也。】

 

〔於戯(ああ)、或は影像に向かいては懐旧の膓を断(①)じ、又、聖跡(せいせき②)を詣しては恋慕の涙を流す。蓋し聞く、両部の極位、遮那内証(しゃなないしょう③)の深儀、三密の行業、即身頓悟の真路なり。剰(あまつさ)え又、七日不断の真言(④)は因円果満の肝要なり。造立供養の塔婆は仏梵一如の覚体(かくたい⑤)なり。〕

 

 懐旧の膓を断じ=膓は腸の俗字。断腸。昔を懐かしんで、はらわたが千切れるほどに悲しみ、

 聖跡=興正菩薩が教化活動をされた寺院などの

 遮那内証=毘盧遮那仏のさとり

 七日不断の真言=光明真言土砂加持法会での光明真言読誦。

 覚体=さとりの当体。悟りそのもの。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月15日 (金)

コスモス寺花だより   12・15

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ひいき目に 見てさへ寒き 天窓(あたま)哉」

訳:ひいき目に見ても、寒そうに禿げた頭だなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は「種屋」さんの角を右へ曲がり、100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》954

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【雖然東西遠近之末弟。撿如是是四恩等之経文。帰符本寺。一分全分之道俗。拾法施為勝等之教詔。報謝厚恩。】

 

〔然りと雖も東西遠近の末弟、かくの如き四恩(しおん①)等の経文を撿(けん②)して、本寺に帰符(きふ③)す。一分全分(いちぶんぜんぶん④)の道俗、法施(ほっせ⑤)を拾(あつ)め、勝等の教詔(しょうとうのきょうしょう⑥)と為し、厚恩に報謝すべし。〕

 

 四恩=衆生がこの世で受ける四種の恩。心地観経では、父母の恩、国王の恩、三宝の恩の四つ。

 撿=しらべる。

 帰符=帰府。都に帰ること。ここでは本寺である西大寺に帰山すること。

 一分全分=すべて。

 法施=仏の教え。

 勝等之教詔=すぐれたる教えをみことのりとすること。

 (つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

| | コメント (0)

2017年12月14日 (木)

コスモス寺花だより   12・14

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

「山茶花の こぼれつぐなり 夜も見ゆ」加藤楸邨

〔四季の花暦〕

春:山吹(4月中旬~下旬)

夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

  紫陽花(6月上旬~6月下旬)

秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、梅花空木、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲きます。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ウス壁に づんづと寒が 入にけり」

訳:薄い壁にずんずどんどんと寒さが入り込んできたなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》953

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【今遂使世下心薄。而正財難得。機衰法逼。而住持無便。所以内外之資縁実乏。進退之障礙尤多。】

 

〔今遂に、世下りて心薄からしめ、正財(しょうざい①)は得難く、機は衰え法は逼られ(きはおとろえほうはせまられ②)て住持(じゅうじ③)に便り無し。所以(ゆえん)は内外の資縁(しえん④)は実に乏しく、進退の障礙(しんだいのしょうげ)尤(もっと)も多からん。〕

 

 正財=寺院活動の主たる財源、喜捨による布施。

 機は衰え法は逼られ=仏道修行の機縁はおとろえ、仏法の衰微がさしせまってくる。

 住持=仏法をたもちまもること。

 資縁=仏道修行のたすけとなる生活上の物資。

 進退の障礙=所領をたもつのに障害となること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

コスモス寺花だより   12・14

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「一茎の 水仙の花 相背く」大橋越央子

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

「山茶花の こぼれつぐなり 夜も見ゆ」加藤楸邨

〔四季の花暦〕

春:山吹(4月中旬~下旬)

夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

  紫陽花(6月上旬~6月下旬)

秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、梅花空木、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲きます。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ウス壁に づんづと寒が 入にけり」

訳:薄い壁にずんずどんどんと寒さが入り込んできたなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「あきしのの みてらをいでて かへりみる

       いこまがたけに ひはおちむとす」

(秋篠の御寺を出でて返り見る 生駒が岳に陽は落ちむとす)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。安全管理のため、従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇文化財としての梵鐘保護のため、今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》953

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【今遂使世下心薄。而正財難得。機衰法逼。而住持無便。所以内外之資縁実乏。進退之障礙尤多。】

 

〔今遂に、世下りて心薄からしめ、正財(しょうざい①)は得難く、機は衰え法は逼られ(きはおとろえほうはせまられ②)て住持(じゅうじ③)に便り無し。所以(ゆえん)は内外の資縁(しえん④)は実に乏しく、進退の障礙(しんだいのしょうげ)尤(もっと)も多からん。〕

 

 正財=寺院活動の主たる財源、喜捨による布施。

 機は衰え法は逼られ=仏道修行の機縁はおとろえ、仏法の衰微がさしせまってくる。

 住持=仏法をたもちまもること。

 資縁=仏道修行のたすけとなる生活上の物資。

 進退の障礙=所領をたもつのに障害となること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化の生き証人です。

 

| | コメント (0)

2017年12月13日 (水)

コスモス寺花だより   12・13

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

 

「水仙や 古鏡の如く 花をかかぐ」松本たかし

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

〔四季の花暦〕

春:山吹(4月中旬~下旬)

夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

  紫陽花(6月上旬~6月下旬)

秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、真弓木、唐種小賀玉木、定家葛、百日紅、秋海棠等が咲きます。

 

〔小林一茶の俳句〕

「生残(いきのこ)り 生残りたる 寒(さむさ)かな」

訳:しぶとく生き残っている証拠だ、なんともいえぬほどの寒さよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「まばらなる たけのかなたの しろかべに

       しだれてあかき かきのみのかず」

(疎らなる竹の彼方の白壁に 枝垂れて赤き柿の実の数)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》952

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【加之大日如来之垂迹。太神宮之御託宣何疑。釈迦善逝之応化。三笠山之御示現誰快。依之七衆忽恢弘。門葉鎮繁昌。】

 

〔加之(くわうるに)、大日如来の垂跡(すいじゃく①)、太神宮(だいじんぐう②)の御託宣(ごたくせん③)を何ぞ疑わんや。釈迦善逝(ぜんぜい④)の応化(おうげ⑤)、三笠山の御示現(おんじげん⑥)、誰か怪しまん。之に依りて七衆(しちしゅう⑦)忽ちに恢弘(かいこう⑧)し、門葉(もんよう⑨)鎮(とこしなえ)に繁昌す。〕

 

 垂迹=仏菩薩が衆生を済度する目的で、仮に神や人間の姿となって現れること。

 太神宮=伊勢の皇大神宮(内宮)。天照大神のこと。

 御託宣=神のお告げ。

 善逝=如来十号の一つ。迷いの世界を去って、悟りの彼岸におもむき、再び迷いの生死海には戻ってこないことを言う。

 応化=仏菩薩が世の人を救うために、時機に応じて、いろいろなものに姿を変えて現れること。応現。

 御示現=仏菩薩が衆生済度のために、種々に身を変えてこの世に現れること。現化(げんけ)。

 七衆=仏教教団を形成する七種類の修行者、信者。比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那、優婆塞、優婆夷。

 恢弘=広く大きくすること。

 門葉=同じ教えのもとに集まった一門の衆。

 (つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

 

| | コメント (0)

2017年12月12日 (火)

コスモス寺花だより   12・12

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、上品でかわいい白い花が咲き出しました。

 

「水仙や 古鏡の如く 花をかかぐ」松本たかし

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

〔四季の花暦〕

春:山吹(4月中旬~下旬)

夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

  紫陽花(6月上旬~6月下旬)

秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

その他、梅、桜、椿、百日紅、秋海棠等が咲きます。

 

〔小林一茶の俳句〕

「生残(いきのこ)り 生残りたる 寒(さむさ)かな」

訳:しぶとく生き残っている証拠だ、なんともいえぬほどの寒さよ。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「まばらなる たけのかなたの しろかべに

       しだれてあかき かきのみのかず」

(疎らなる竹の彼方の白壁に 枝垂れて赤き柿の実の数)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》952

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【加之大日如来之垂迹。太神宮之御託宣何疑。釈迦善逝之応化。三笠山之御示現誰快。依之七衆忽恢弘。門葉鎮繁昌。】

 

〔加之(くわうるに)、大日如来の垂跡(すいじゃく①)、太神宮(だいじんぐう②)の御託宣(ごたくせん③)を何ぞ疑わんや。釈迦善逝(ぜんぜい④)の応化(おうげ⑤)、三笠山の御示現(おんじげん⑥)、誰か怪しまん。之に依りて七衆(しちしゅう⑦)忽ちに恢弘(かいこう⑧)し、門葉(もんよう⑨)鎮(とこしなえ)に繁昌す。〕

 

 垂迹=仏菩薩が衆生を済度する目的で、仮に神や人間の姿となって現れること。

 太神宮=伊勢の皇大神宮(内宮)。天照大神のこと。

 御託宣=神のお告げ。

 善逝=如来十号の一つ。迷いの世界を去って、悟りの彼岸におもむき、再び迷いの生死海には戻ってこないことを言う。

 応化=仏菩薩が世の人を救うために、時機に応じて、いろいろなものに姿を変えて現れること。応現。

 御示現=仏菩薩が衆生済度のために、種々に身を変えてこの世に現れること。現化(げんけ)。

 七衆=仏教教団を形成する七種類の修行者、信者。比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那、優婆塞、優婆夷。

 恢弘=広く大きくすること。

 門葉=同じ教えのもとに集まった一門の衆。

 (つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

 

| | コメント (0)

2017年12月11日 (月)

コスモス寺花だより   12・11

 

〇水仙:≪咲きはじめ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、上品でかわいい白い花が咲き出しました。

 

「水仙や 古鏡の如く 花をかかぐ」松本たかし

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

 

〔小林一茶の俳句〕

「合点(がてん)して 居ても寒いぞ 貧しいぞ」

訳:十分に承知していても寒いぞ貧しいぞ

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「まばらなる たけのかなたの しろかべに

       しだれてあかき かきのみのかず」

(疎らなる竹の彼方の白壁に 枝垂れて赤き柿の実の数)

 

≪ニュース≫

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

◇今年も昨年に続いて「除夜の鐘」は中止となります。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》952

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【加之大日如来之垂迹。太神宮之御託宣何疑。釈迦善逝之応化。三笠山之御示現誰快。依之七衆忽恢弘。門葉鎮繁昌。】

 

〔加之(くわうるに)、大日如来の垂跡(すいじゃく①)、太神宮(だいじんぐう②)の御託宣(ごたくせん③)を何ぞ疑わんや。釈迦善逝(ぜんぜい④)の応化(おうげ⑤)、三笠山の御示現(おんじげん⑥)、誰か怪しまん。之に依りて七衆(しちしゅう⑦)忽ちに恢弘(かいこう⑧)し、門葉(もんよう⑨)鎮(とこしなえ)に繁昌す。〕

 

 垂迹=仏菩薩が衆生を済度する目的で、仮に神や人間の姿となって現れること。

 太神宮=伊勢の皇大神宮(内宮)。天照大神のこと。

 御託宣=神のお告げ。

 善逝=如来十号の一つ。迷いの世界を去って、悟りの彼岸におもむき、再び迷いの生死海には戻ってこないことを言う。

 応化=仏菩薩が世の人を救うために、時機に応じて、いろいろなものに姿を変えて現れること。応現。

 御示現=仏菩薩が衆生済度のために、種々に身を変えてこの世に現れること。現化(げんけ)。

 七衆=仏教教団を形成する七種類の修行者、信者。比丘、比丘尼、沙弥、沙弥尼、式叉摩那、優婆塞、優婆夷。

 恢弘=広く大きくすること。

 門葉=同じ教えのもとに集まった一門の衆。

 (つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

| | コメント (0)

2017年12月10日 (日)

コスモス寺花だより   12・10

 

本日は奈良マラソンがあります。奈良公園周辺はランナーと観客でごった返します。そして交通規制もありますので町の中心部は車は入れません。お気をつけて。

〇水仙:≪咲きはじめ≫

日本水仙、寒水仙。白一重咲、八重咲。

花期は12月~2月。数万本。

ちらほらと咲き出しました。

 

「水仙や 古鏡の如く 花をかかぐ」松本たかし

 

〇コスモス:≪終わりました≫

ここ数日の氷が張る寒さでコスモスは終わりました。また来年も咲いてくれますように、コスモスさんお疲れさまでした。

(初夏咲コスモス:6月~7月)

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

〇いま境内で一番背の高い木、銀杏(いちょう)の黄いろい葉が散っています。

 

〔小林一茶の俳句〕

「合点(がてん)して 居ても寒いぞ 貧しいぞ」

訳:十分に承知していても寒いぞ貧しいぞ

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「まばらなる たけのかなたの しろかべに

       しだれてあかき かきのみのかず」

(疎らなる竹の彼方の白壁に 枝垂れて赤き柿の実の数)

 

≪ニュース≫

 

◇御本尊文殊菩薩様は今月21日から1210日まで、山口県立美術館で開催中の『西大寺展』に出開帳されています。今月16日ご帰還の予定。

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》951

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【伝聞当寺者称徳天皇之御願。行雅僧正之旧跡。粤叡尊上人者。依御遺告之金言。既絶再興三聚円満之戒法。開瑜伽論之真文。将則成就自誓受具之大願。是以忝得一天四海之大導師。濁世末代之生身仏之詔詞。】

 

〔伝え聞く、当寺は称徳天皇(しょうとくてんのう①)の御願にして行雅僧正(ぎょうがそうじょう②)の旧跡なり。粤(ここ)に叡尊上人は御遺告(ごゆいごう③)の金言(きんげん)に依り、すでに絶えたる三聚円満の戒法(さんじゅうえんまんのかいほう④)を再興し、瑜伽論の真文(ゆがろんのしんもん⑤)を開き、将に則ち自誓受具(じせいじゅぐ⑥)の大願を成就せんとす。是を以って、忝(かたじけな)くも一天四海の大導師(いってんしかいのだいどうし⑦)、濁世末代の生身仏(じょくせまつだいのしょうしんぶつ⑧)、の詔詞(しょうし⑨)を得る。〕

 

 =称徳天皇。孝謙天皇が重祚された御名。聖武天皇と光明皇后の間に生まれられた女帝。

 行雅僧上=不詳。

 御遺告=弘法大師の遺告。弟子たちに戒律を重視することを告げられた。

 三聚円満の戒法=摂律儀戒、摂善法界、摂衆生戒(饒益有情戒)の三種からなる菩薩戒。

 瑜伽師地論=瑜伽行唯識を説く論書。弥勒または世親の作とされる。この論の「菩薩地」には菩薩戒が説かれる。

 自誓受具=自誓して菩薩戒を受け、その上で摂律儀戒として「四分律」(具足戒)を別受すること。

 一天四海の大導師=天下、全世界の教導者。仏と同等の導師。

 濁世末代の生身仏=濁り汚れた人間の世、五濁悪世の末法の世における生き仏。

 詔詞=亀山法皇の院宣。後伏見天皇の綸旨に依る興正菩薩号勅諡の詞。

(つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

奈良市クリーンセンター問題について、7月の市長選後の動き

 奈良市の連合自治会の現地視察:高の原地区にあるゴミ工場の老朽化を視察、大阪府下の最新設備を見学

 新たな候補地の公募:11月末までに、幹線道路(4車線)に面し、5ha程度の空き地を条件に候補地を募集した。結果はまだ公表されていないが、恐らく応募はなかったでしょう。あっても買収費用(100億近い巨額)で行き詰る。

 連合自治会による市民への説明会:1216日に市庁舎で市民に向けた説明会と意見聴取がある予定。参加は自由。

 公害調停を根拠に移転を求めた「調停申請人の会」およびそれに基づく「策定委員会」の動きはありません。

委員会は自分たちの結論である「中ノ川、東鳴川への移転」が市長により否定されたのに、なんら対抗手段をとっていないのが不思議です。過去11年にわたり、57回もの会議を開いた意味は何だったのか、また市議会は税金を使っての会議費用のむだ使いについて議論すべきです。

 

 

| | コメント (0)

2017年12月 8日 (金)

コスモス寺花だより   12・8

 

本日、128日は仏教の開祖、お釈迦様が悟りを開かれた日で「成道会(じょうどうえ)」と言います。シャカ族の王子、ゴータマ・シッダルタが釈迦牟尼仏陀(シャカムニブッダ)となられたのは今から2500年ほど前のことです。ムニは聖者、ブッダは覚者のことです。お釈迦さまをお唱えするときは、「なむ しゃかむにーぶ」「大恩教主釈迦牟尼世尊」と言います。

また今日は太平洋戦争の始まりとなったハワイ真珠湾奇襲攻撃の日でもあります。アジア全体で数千万人の人命を奪った第二次大戦の大きなきっかけを作った日です。戦没者のご冥福を祈り、二度と戦争を起こさないための誓いの日としましょう

〇水仙:≪咲きはじめ≫

日本水仙、寒水仙。白一重咲、八重咲。

花期は12月~2月。数万本。

ちらほらと咲き出しました。

 

「水仙や 古鏡の如く 花をかかぐ」松本たかし

 

〇コスモス:≪終わり近し≫

ボランティア「美咲会」の例会活動で枯れたコスモスを一掃していただきました。おかげで観音石仏を飾るように咲いているコスモスの花が引き立ちました。この時期としてはたいへん珍しい花であり、葉も青々としていて秋の名残りを感じさせます。

「コスモスの 花群がりて はつきりと

       光をはじく つめたき日ぐれ」木下利玄

 

(初夏咲コスモス:6月~7月)

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

〇いま境内で一番背の高い木、銀杏(いちょう)の黄葉がきれいです。

 

〔小林一茶の俳句〕

「合点(がてん)して 居ても寒いぞ 貧しいぞ」

訳:十分に承知していても寒いぞ貧しいぞ

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「まばらなる たけのかなたの しろかべに

       しだれてあかき かきのみのかず」

(疎らなる竹の彼方の白壁に 枝垂れて赤き柿の実の数)

 

≪ニュース≫

 

◇御本尊文殊菩薩様は今月21日から1210日まで、山口県立美術館で開催中の『西大寺展』に出開帳されています。今月16日ご帰還の予定。

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》951

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【伝聞当寺者称徳天皇之御願。行雅僧正之旧跡。粤叡尊上人者。依御遺告之金言。既絶再興三聚円満之戒法。開瑜伽論之真文。将則成就自誓受具之大願。是以忝得一天四海之大導師。濁世末代之生身仏之詔詞。】

 

〔伝え聞く、当寺は称徳天皇(しょうとくてんのう①)の御願にして行雅僧正(ぎょうがそうじょう②)の旧跡なり。粤(ここ)に叡尊上人は御遺告(ごゆいごう③)の金言(きんげん)に依り、すでに絶えたる三聚円満の戒法(さんじゅうえんまんのかいほう④)を再興し、瑜伽論の真文(ゆがろんのしんもん⑤)を開き、将に則ち自誓受具(じせいじゅぐ⑥)の大願を成就せんとす。是を以って、忝(かたじけな)くも一天四海の大導師(いってんしかいのだいどうし⑦)、濁世末代の生身仏(じょくせまつだいのしょうしんぶつ⑧)、の詔詞(しょうし⑨)を得る。〕

 

 =称徳天皇。孝謙天皇が重祚された御名。聖武天皇と光明皇后の間に生まれられた女帝。

 行雅僧上=不詳。

 御遺告=弘法大師の遺告。弟子たちに戒律を重視することを告げられた。

 三聚円満の戒法=摂律儀戒、摂善法界、摂衆生戒(饒益有情戒)の三種からなる菩薩戒。

 瑜伽師地論=瑜伽行唯識を説く論書。弥勒または世親の作とされる。この論の「菩薩地」には菩薩戒が説かれる。

 自誓受具=自誓して菩薩戒を受け、その上で摂律儀戒として「四分律」(具足戒)を別受すること。

 一天四海の大導師=天下、全世界の教導者。仏と同等の導師。

 濁世末代の生身仏=濁り汚れた人間の世、五濁悪世の末法の世における生き仏。

 詔詞=亀山法皇の院宣。後伏見天皇の綸旨に依る興正菩薩号勅諡の詞。

(つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

奈良市クリーンセンター問題について、7月の市長選後の動き

 奈良市の連合自治会の現地視察:高の原地区にあるゴミ工場の老朽化を視察、大阪府下の最新設備を見学

 新たな候補地の公募:11月末までに、幹線道路(4車線)に面し、5ha程度の空き地を条件に候補地を募集した。結果はまだ公表されていないが、恐らく応募はなかったでしょう。あっても買収費用(100億近い巨額)で行き詰る。

 連合自治会による市民への説明会:1216日に市庁舎で市民に向けた説明会と意見聴取がある予定。参加は自由。

 公害調停を根拠に移転を求めた「調停申請人の会」およびそれに基づく「策定委員会」の動きはありません。

委員会は自分たちの結論である「中ノ川、東鳴川への移転」が市長により否定されたのに、なんら対抗手段をとっていないのが不思議です。過去11年にわたり、57回もの会議を開いた意味は何だったのか、また市議会は税金を使っての会議費用のむだ使いについて議論すべきです。

 

| | コメント (0)

2017年12月 6日 (水)

コスモス寺花だより   12・6

 

〇水仙:≪咲きはじめ≫

日本水仙、寒水仙。白一重咲、八重咲。

花期は12月~2月。数万本。

ちらほらと咲き出しました。

 

「水仙や 古鏡の如く 花をかかぐ」松本たかし

 

〇コスモス:≪終わり近し≫

日曜日(3日)に、ボランティア「美咲会」の例会活動で枯れたコスモスを一掃していただきました。おかげで観音石仏を飾るように咲いているコスモスの花が引き立ちました。この時期としてはたいへん珍しい花であり、葉も青々としていて秋の名残りを感じさせます。

「コスモスの 花群がりて はつきりと

       光をはじく つめたき日ぐれ」木下利玄

 

(初夏咲コスモス:6月~7月)

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

〇いま境内で一番背の高い木、銀杏(いちょう)の黄葉がきれいです。

 

〔小林一茶の俳句〕

「合点(がてん)して 居ても寒いぞ 貧しいぞ」

訳:十分に承知していても寒いぞ貧しいぞ 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈秋篠寺にて〉

「まばらなる たけのかなたの しろかべに

       しだれてあかき かきのみのかず」

(疎らなる竹の彼方の白壁に 枝垂れて赤き柿の実の数)

 

≪ニュース≫

 

◇御本尊文殊菩薩様は今月21日から1210日まで、山口県立美術館で開催中の『西大寺展』に出開帳されています。今月16日ご帰還の予定。

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》951

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【伝聞当寺者称徳天皇之御願。行雅僧正之旧跡。粤叡尊上人者。依御遺告之金言。既絶再興三聚円満之戒法。開瑜伽論之真文。将則成就自誓受具之大願。是以忝得一天四海之大導師。濁世末代之生身仏之詔詞。】

 

〔伝え聞く、当寺は称徳天皇(しょうとくてんのう①)の御願にして行雅僧正(ぎょうがそうじょう②)の旧跡なり。粤(ここ)に叡尊上人は御遺告(ごゆいごう③)の金言(きんげん)に依り、すでに絶えたる三聚円満の戒法(さんじゅうえんまんのかいほう④)を再興し、瑜伽論の真文(ゆがろんのしんもん⑤)を開き、将に則ち自誓受具(じせいじゅぐ⑥)の大願を成就せんとす。是を以って、忝(かたじけな)くも一天四海の大導師(いってんしかいのだいどうし⑦)、濁世末代の生身仏(じょくせまつだいのしょうしんぶつ⑧)、の詔詞(しょうし⑨)を得る。〕

 

 =称徳天皇。孝謙天皇が重祚された御名。聖武天皇と光明皇后の間に生まれられた女帝。

 行雅僧上=不詳。

 御遺告=弘法大師の遺告。弟子たちに戒律を重視することを告げられた。

 三聚円満の戒法=摂律儀戒、摂善法界、摂衆生戒(饒益有情戒)の三種からなる菩薩戒。

 瑜伽師地論=瑜伽行唯識を説く論書。弥勒または世親の作とされる。この論の「菩薩地」には菩薩戒が説かれる。

 自誓受具=自誓して菩薩戒を受け、その上で摂律儀戒として「四分律」(具足戒)を別受すること。

 一天四海の大導師=天下、全世界の教導者。仏と同等の導師。

 濁世末代の生身仏=濁り汚れた人間の世、五濁悪世の末法の世における生き仏。

 詔詞=亀山法皇の院宣。後伏見天皇の綸旨に依る興正菩薩号勅諡の詞。

(つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

奈良市クリーンセンター問題について、7月の市長選後の動き

 奈良市の連合自治会の現地視察:高の原地区にあるゴミ工場の老朽化を視察、大阪府下の最新設備を見学

 新たな候補地の公募:11月末までに、幹線道路(4車線)に面し、5ha程度の空き地を条件に候補地を募集した。結果はまだ公表されていないが、恐らく応募はなかったでしょう。あっても買収費用(100億近い巨額)で行き詰る。

 連合自治会による市民への説明会:1216日に市庁舎で市民に向けた説明会と意見聴取がある予定。参加は自由。

 公害調停を根拠に移転を求めた「調停申請人の会」、およびそれに基づく「策定委員会」の動きはありません。

委員会は自分たちの結論である「中ノ川、東鳴川への移転」が市長により否定されたのに、なんら対抗手段をとっていないのが不思議です。過去11年にわたり、57回もの会議を開いた意味は何だったのか、また市議会は税金を使っての会議費用のむだ使いについて議論すべきです。


Img_19712

| | コメント (0)

2017年12月 5日 (火)

コスモス寺花だより   12・5

 

〇水仙:≪咲きはじめ≫

日本水仙、寒水仙。白一重咲、八重咲。

花期は12月~2月。数万本。

ちらほらと咲き出しました。

 

「水仙の 花のうしろの 蕾かな」星野立子

 

〇コスモス:≪終わり近し≫

日曜日(3日)に、ボランティア「美咲会」の例会活動で枯れたコスモスを一掃していただきました。おかげで観音石仏を飾るように咲いているコスモスの花が引き立ちました。この時期としてはたいへん珍しい花であり、葉も青々としていて秋の名残りを感じさせます。

「コスモスの 花群がりて はつきりと

       光をはじく つめたき日ぐれ」木下利玄

 

(初夏咲コスモス:6月~7月)

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

〇いま境内で一番背の高い木、銀杏(いちょう)の黄葉がきれいです。

 

〔小林一茶の俳句〕

「寒き夜や 我身をわれが 不寝番(ねずのばん)」

訳:寒い夜だなあ。寝ないで自分でわが身の番をしていないと凍えてしまいそう。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈海龍王寺にて〉

「ふるてらの はしらにのこる たびびとの

       なをよみゆけど しるひともなし」

(古寺の柱に残る旅人の 名を読み行けど知る人も無し。

 

≪ニュース≫

 

◇御本尊文殊菩薩様は今月21日から1210日まで、山口県立美術館で開催中の『西大寺展』に出開帳されています。今月16日ご帰還の予定。

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》951

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【夫以澄々真如之性海。浮隨縁利物之月。峨々菩提之覚山。鮮機興即生之華。】

 

〔夫れ以(おもんみ)るに、澄澄(ちょうちょう①)たる真如の性海(しんにょのしょうかい②)は、隨縁利物(ずいえんりぶつ③)の月を浮かべ、峨峨(がが④)たる菩提の覚山は機興即生(きこうそくしょう)の華を鮮やかにす。

 

 澄澄=澄み渡っているさま。

 真如の性海=真如は一切存在の真実のすがた。性海は悟りのすべてである真如の深く広いことを海にたとえたもの。

 隨縁利物=縁に随って衆生を利益すること。

 峨峨=高くそびえているさま。

 (つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

奈良市クリーンセンター問題については新しい動きがあれば掲載しますので

しばらくは長い文章を省略します。

 

| | コメント (0)

2017年12月 3日 (日)

コスモス寺花だより   12・3

 

いま境内で一番背の高い木、銀杏の黄葉がきれいです。

〇水仙:≪咲きはじめ≫

日本水仙、寒水仙。白一重咲、八重咲。

花期は12月~2月。数万本。

ちらほらと咲き出しました。

 

「水仙の 花のうしろの 蕾かな」星野立子

 

〇コスモス:≪終わり近し≫

 

「コスモスの 花群がりて はつきりと

       光をはじく つめたき日ぐれ」木下利玄

 

(初夏咲コスモス:6月~7月)

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

 

〔小林一茶の俳句〕

「むら時雨 山から小僧 ないて来ぬ」

訳:ひとしきり激しく降って通り過ぎる時雨、山から小僧が泣いて来たのだ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈海龍王寺にて〉

「ふるてらの はしらにのこる たびびとの

       なをよみゆけど しるひともなし」

(古寺の柱に残る旅人の 名を読み行けど知る人も無し。

 

≪ニュース≫

 

◇御本尊文殊菩薩様は今月21日から1210日まで、山口県立美術館で開催中の『西大寺展』に出開帳されています。今月16日ご帰還の予定。

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》951

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【夫以澄々真如之性海。浮隨縁利物之月。峨々菩提之覚山。鮮機興即生之華。】

 

〔夫れ以(おもんみ)るに、澄澄(ちょうちょう①)たる真如の性海(しんにょのしょうかい②)は、隨縁利物(ずいえんりぶつ③)の月を浮かべ、峨峨(がが④)たる菩提の覚山は機興即生(きこうそくしょう)の華を鮮やかにす。

 

 澄澄=澄み渡っているさま。

 真如の性海=真如は一切存在の真実のすがた。性海は悟りのすべてである真如の深く広いことを海にたとえたもの。

 隨縁利物=縁に随って衆生を利益すること。

 峨峨=高くそびえているさま。

 (つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

奈良市クリーンセンター問題については新しい動きがあれば掲載しますので

しばらくは長い文章を省略します。

| | コメント (0)

2017年12月 1日 (金)

コスモス寺花だより   12・1

 

〇水仙:≪咲きはじめ≫

日本水仙、寒水仙。白一重咲、八重咲。

花期は12月~2月。数万本。

ちらほらと咲き出しました。

 

「水仙の 花のうしろの 蕾かな」星野立子

 

〇コスモス:≪終わり近し≫

 

「コスモスの 花群がりて はつきりと

       光をはじく つめたき日ぐれ」木下利玄

 

(初夏咲コスモス:6月~7月)

 

〇山茶花:≪咲きはじめ≫

「山茶花を 雀のこぼす 日和かな」正岡子規

 

〔小林一茶の俳句〕

「死にべたと 山や思はん 夕時雨」

訳:上手に死なないと山は思うだろうね。夕方の時雨。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈海龍王寺にて〉

「ふるてらの はしらにのこる たびびとの

       なをよみゆけど しるひともなし」

(古寺の柱に残る旅人の 名を読み行けど知る人も無し。

 

≪ニュース≫

 

◇御本尊文殊菩薩様は今月21日から1210日まで、山口県立美術館で開催中の『西大寺展』に出開帳されています。今月16日ご帰還の予定。

 

◇当寺の入口は「東口」に変わりました。従来の「西口」は閉鎖されています。東口は幹線道路の県道754号線に面しており、またバス停「般若寺」からも近いです(50mほど)。

旧京街道から来られる方は100メートル東の「東口」までお越しください。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》950

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百年忌舞楽曼荼羅供表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくねんきぶがくまんだらくひょうはく)

 

 西大寺圓秀律師作

 

◆【敬白真言教主大日如来両部界会諸尊聖衆惣盡空法界一切三宝境界。而言。方今南部州扶桑朝西大寺宝塔院現前諸徳大衆等。餝両部曼荼之密壇。設舞楽呂律之法会。捧無想清浄之蘋繁。刷般遮于瑟之梵莚。】

 

〔敬って真言教主大日如来両部界会諸尊聖衆、

惣じては盡空法界一切三宝の境界に白して言さく。

方に今、南部州(なんぶしゅう①)扶桑朝(ふそうちょう②)西大寺寶塔院(ほうとういん③)現前の諸徳大衆ら、両部曼荼の密壇を錺(かざ)り、舞楽呂律(りょりつ④)の法会を設け、無想清浄の蘋繁(ひんぱん⑤)を捧げ、般遮于瑟(はんしゃうし⑥)の梵莚(ぼんえん⑦)を刷(かいつくろ)う。〕

 

 南部州=南閻浮提(なんえんぶだい)。梵・ジャンブドゥビーパ。須弥山をめぐる四洲の一つで南方海上にある大陸で人間の住む世界。南贍部洲(なんせんぶしゅう)、南浮とも言う。

 扶桑朝=日本。

 宝塔院=興正菩薩が西大寺へ入寺した際の活動拠点は、奈良時代創建伽藍の東塔を中心にした区域であった。

 呂律=音楽の旋律、呂の音と律の音。声明をいう。

 蘋繁=供え物。

 般遮于瑟=梵・パンチャバールシカ。五年会と訳される。五年ごとに設ける大斎会。一切の人を受容して遮らない無遮会。

 梵莚=法会。

(つづく)

 

《古都奈良の文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

奈良市クリーンセンター問題については新しい動きがあれば掲載しますので

しばらくは長い文章を省略します。

 

| | コメント (0)

« 2017年11月 | トップページ | 2018年1月 »