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2018年1月

2018年1月31日 (水)

コスモス寺花だより   1・31

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「おもかげの 透通りけり 水仙花」三宅嘯山

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕

5.ありました。目指す宝塔と五輪塔二基が並んでいます。お墓はさほど広くはなく、墓石も20基程度、中には真新しいのもあります。竹藪に覆われているせいか薄暗く、歴史を感じさせる雰囲気です。石塔の後ろには高さ1メートル程の石垣が積まれていますが、石塔と同時代のようです。

入口の説明板によると、宝塔は花崗岩製で高さ236m。相輪上部が欠けているほかは完全な形を保っている。塔身正面に刻銘があり、正安4年(1315)の造立であることがわかる。

これは一乗寺の笠塔婆より一年前の年号。笠石の裏には隅木や垂木形、塔身軸部には扉形を彫り出し、飾り金具を浮彫するなど精巧な造りである。この宝塔が地誌文献によると、文観上人が亡くなった慈母のために建てたと伝えられている。そして両脇の五輪塔は、近くの竜山(たつやま)石製で左塔が172m、右塔が183mあり、西大寺様式のものとよく似ていて均整の取れたどっしりした姿である。無銘ではあるが、鎌倉時代の住持で名のある有力な僧の墓塔であろうと思われる。

 

なお、宝塔には沙弥道智の名が刻まれますが、文観上人とどのような関係の僧かは不明です。常楽寺は現在は高台にありますが、かつて洪水で流されたそうですから、当初はもっと加古川に近い低地にあったのかもしれません。宝塔が残るお墓は寺の奥の院に当たり、一番高みにあったのでそのまま残ったのでしょう。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春鳥や 軒去らぬ事 小一日」

訳:春鳥よ。軒端を立ち去らないまま、ほぼ一日過ごしたね。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵にて〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠りに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

(附録巻上は終わりました。続いて下巻を読みますがしばらくお休みします。)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月29日 (月)

コスモス寺花だより   1・29

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙花 九曜の星を つらねけり」三橋鷹女

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕

4.常楽寺を訪れた日は雨でした。初めてだったので道に迷い、景色から緑の小山が見えたので何とか見当をつけてたどり着くことができました。 

道から少し石段を上るとこじんまりした山門があり、その向こうに本堂らしきお堂が見え、手前には庫裏があります。どちらもきれいに維持されていて境内も清浄な環境に守られています。今回の参詣の目的は、本などで紹介されている文観上人の御母堂の供養塔、それと五輪塔二基を拝見することです。どちらも兵庫県の文化財に指定され大切に守られているようです。本堂へお参りしてお堂の右手を見ると、古そうな十三重石塔がありました。その近くにあるのかな、と裏山の庭園の方を探してみましたが見つかりません。あったのは、江戸時代の宝塔や石仏でした。四国八十八カ所の弘法大師霊場の石像が延々とまつられています。おまけに裏山の頂上にある何とか皇后の御陵への参道に出てしまいました。目的の宝塔が見つからないので、雨の境内を一周するように歩き回り、もう一度、山門下の駐車場まで戻りました。これはやはりお寺の人に聞かなければだめか、と思って駐車場の奥の方を見たら、古いお墓が見えるではありませんか。あっ、これかもと急いで行ってみました。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春鳥や 軒去らぬ事 小一日」

訳:春鳥よ。軒端を立ち去らないまま、ほぼ一日過ごしたね。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵にて〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠りに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

(附録巻上は終わりました。続いて下巻を読みますがしばらくお休みします。)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月28日 (日)

コスモス寺花だより   1・28

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙を 剣のごとくに 活けし庵」山口青邨

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕

3.次に訪れたのは加古川市大野、日岡山のふもとにある常楽寺です。鎌倉時代、この辺りは地名を北条と言ったようで、西大寺末寺帳には北条常楽寺と記され、北条寺とも呼ばれたようです。播磨の国では末寺の筆頭に置かれているので、この地では有力な末寺であったようです。ただ、現在の真言宗常楽寺の寺伝では真言律宗の由緒は全く触れられていないので、後世、衰微していたのを再興されたので、以前の歴史が消えてしまったのでしょう。地誌によれば、常楽寺の始まりは平安時代で、天台宗の寺であった。しかし13世紀の半ばに大洪水で寺はほとんど流されてしまい、14世紀初めに地元出身で醍醐寺座主を務めた文観僧正が元通りに復興したと伝えている。しかし再び、戦国時代には豊臣秀吉の焼き討ちで伽藍は失われたという盛衰の激しい歴史を経ています

詳しくは分からないのですが、文観上人は一乗寺へ入った後、真言律宗の常楽寺で正式な受戒を得て律僧としての第一歩を歩まれたのでしょう。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春鳥や 軒去らぬ事 小一日」

訳:春鳥よ。軒端を立ち去らないまま、ほぼ一日過ごしたね。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵にて〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠りに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

(附録巻上は終わりました。続いて下巻を読みますがしばらくお休みします。)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月27日 (土)

コスモス寺花だより   1・27

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙や 朝日のあたる 庭の隅」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕

3.次に訪れたのは加古川市大野、日岡山のふもとにある常楽寺です。鎌倉時代、この辺りは地名を北条と言ったようで、西大寺末寺帳には北条常楽寺と記され、北条寺とも呼ばれたようです。播磨の国では末寺の筆頭に置かれているので、この地では有力な末寺であったようです。ただ、現在の真言宗常楽寺の寺伝では真言律宗の由緒は全く触れられていないので、後世、衰微していたのを再興されたので、以前の歴史が消えてしまったのでしょう。地誌によれば、常楽寺の始まりは平安時代で、天台宗の寺であった。しかし13世紀の半ばに大洪水で寺はほとんど流されてしまい、14世紀初めに地元出身で醍醐寺座主を務めた文観僧正が元通りに復興したと伝えている。しかし再び、戦国時代には豊臣秀吉の焼き討ちで伽藍は失われたという盛衰の激しい歴史を経ています

詳しくは分からないのですが、文観上人は一乗寺へ入った後、真言律宗の常楽寺で正式な受戒を得て律僧としての第一歩を歩まれたのでしょう。

 

〔小林一茶の俳句〕

「名代に わか水浴びる 烏かな」

訳:おれの代理で新年一番の若水を浴びてくれる烏だよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈聖武天皇光明皇后御陵にて〉

「さほやまの このしたがくり よごもりに

       ものうちかたれ わがせわぎもこ」

(佐保山の木の下隠り夜籠りに もの打ち語れ吾が背吾妹子)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

(附録巻上は終わりました。続いて下巻を読みますがしばらくお休みします。)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月25日 (木)

コスモス寺花だより   1・25

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「風を聞きをり 水仙の香 ほのかなる」種田山頭火

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕

2.播磨路で最初に行ったのが一乗寺です。ここは少し山がかった所にあり、国宝の三重塔、懸崖づくりの本堂や鐘楼、常行堂などがあります。本堂は100段ほどの石段を登りますがさほどの難所ではありませんでした。舞台からは平安時代に建てられた三重塔が見下ろせ、塔の背後には自然豊かな山なみが見えます。ここは歴史ある霊場にふさわしい荘厳な雰囲気が維持されています。参詣を終えて入口の受付まで戻ってきたら、入山の際は気が付きませんでしたが、参道の中央に高さが3メートルに満たない(290㎝)が姿の良い笠塔婆があるではありませんか。説明板を読むと、正和5年(1316)の刻銘があり、兵庫県下では制作年次の明らかな石造遺品として大変貴重な作品であると書かれています。そして細長い方柱状の塔身に刻まれた年号の上には、「金輪聖王(こんりんじょうおう)」という文字が見えました。

その文字を見て私に何かがひらめきました。この語句と言い、年号と言い、これは文観上人ゆかりの遺品に違いないと。金輪聖王は般若寺の文殊菩薩のお膝の裏に書かれた銘文と一致するのです。金輪際(最上世界)における最高の徳を持った帝王、すなわち後醍醐天皇を指します。そして「正中の変」(1324)が勃発する8年前にこの笠塔婆は奉納されています。

塔身刻銘の全文は「アーク(梵字) 金輪聖王 自金堂一町 正和五十二月廿一日 依勅造立之」です。「勅によりこれを造立す」、この文も後醍醐天皇の匂いがします。正和5年にはまだ花園天皇の皇太子の身分ではありましたが、2年後には天皇の位についておられますから、「勅」は後醍醐の勅命によって文観上人が造ったと理解してよいのではと思います。一乗寺と文観上人の関係は伝説上のことと思っていたのに、この笠塔婆によって歴史が生々しく浮かび上がりました。

 

 

〔小林一茶の俳句〕

「便(たより)なくば 一花(いつくわ)の手向 情(なさけ)あれや」

訳:便りがないなら、この世とおさらばした、と思って一輪の花を手向ける思いやりをくださいな。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

(附録巻上は終わりました。続いて下巻を読みますがしばらくお休みします。)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月24日 (水)

コスモス寺花だより   1・24

 

〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕

1.先日、般若寺の現本尊、八字文殊菩薩騎獅像(重要文化財)を発願された文観殊音(もんかんしゅおん)上人の生誕地を訪ねました。生誕地と言っても正確には分からないのですが、現加古川市の加古川沿いであったようです。上人ゆかりの寺が二ヵ寺あります。一つは、西国観音霊場札所である法華山一乗寺です。僧伝には最初に出家された寺とされます。ここは天台宗の有力寺院で現在にまでその法灯が守られています。もう一ヵ寺は日岡山という御陵や古墳が多数ある小山のふもとにある常楽寺です。ここは鎌倉時代には真言律宗の末寺でありましたが、途中から高野山派の真言宗に変わっています。上人はこの常楽寺で再出家し、のち本寺の奈良西大寺に入寺され、第二世の慈真和尚信空長老の下で研鑽されました。さらに桜井市の笠にある竹林寺や般若寺でも仏道修行されました。西大寺に現存の興正菩薩叡尊長老十三回忌(1302)を記念した文殊菩薩御尊像の造顕に関わり、像の体内に納入された大般若経や図像にその名を留めておられます。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「古寺や 大日如来 水仙花」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「まん六の 春と成りけり 門の雪」

訳:満六十歳の春と成ったなあ。門に残る春の雪。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。


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2018年1月23日 (火)

寒波再来で首都圏などで大雪が降ったようです。奈良は昨夜、みぞれのようなものが降りましたが積雪はありません。でも格別の寒さです。これが今の時期の普通の気候かもしれませんね、これまでの一週間が早すぎた春だったのかも。風邪をひかないようにご注意を。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 花の伏したる 雪の上」高野素十

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「まん六の 春と成りけり 門の雪」

訳:満六十歳の春と成ったなあ。門に残る春の雪。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月21日 (日)

コスモス寺花だより   1・21

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 花を貫く 緑かな」阿波野青畝

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「明ぼのの 春早々に 借着(かりぎ)哉」

訳:明るい春早々に借り着をしているよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月20日 (土)

コスモス寺花だより   1・20

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙は 名さへつめたう 覚えけり」加賀千代女

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「長閑(のどか)さや 浅間のけぶり 昼の月」

訳:のどかさよ。遠く浅間の煙がたなびき、昼の月が出ている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月19日 (金)

コスモス寺花だより   1・19

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 香やこぼれても 雪の上」加賀千代女

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「長閑(のどか)さや 浅間のけぶり 昼の月」

訳:のどかさよ。遠く浅間の煙がたなびき、昼の月が出ている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月18日 (木)

コスモス寺花だより   1・18

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 花たてまつる 仏かな」各務支考

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「わが春や タドン一に 小菜一把(こないちは)」

訳:わが春が来たよ。タドン一つに小菜一把の貧者ぶり。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月17日 (水)

コスモス寺花だより   1・17

 

今日は阪神淡路大震災の起こった日です。多くの尊い命が失われました。犠牲者の御冥福をお祈りします。そして被災から復興を遂げられた貴重な経験を、これから近い将来起こるであろう南海トラフ大地震の教訓としたいものです。

そして日常的に気をつけていたいのは、

1. ケガをしないこと。

2. 火を出さないこと。

この二つです。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 花たてまつる 仏かな」各務支考

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ことしから まふけ遊ぞ 花の娑婆」

訳:生きながらえて、今年から命のもうけと思って遊び暮らすことになったよ。花のような俗世間を。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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コスモス寺花だより   1・17

 

今日は阪神淡路大震災の起こった日です。多くの尊い命が失われました。犠牲者の御冥福をお祈りします。そして被災から復興を遂げられた貴重な経験を、これから近い将来起こるであろう南海トラフ大地震の教訓としたいものです。

そして日常的に気をつけていたいのは、

1. ケガをしないこと。

2. 火を出さないこと。

この二つです。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 花たてまつる 仏かな」各務支考

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ことしから まふけ遊ぞ 花の娑婆」

訳:生きながらえて、今年から命のもうけと思って遊び暮らすことになったよ。花のような俗世間を。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月16日 (火)

コスモス寺花だより   1・16

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙や 朝ぶろを出る 妹が肌」夏目漱石

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ことしから まふけ遊ぞ 花の娑婆」

訳:生きながらえて、今年から命のもうけと思って遊び暮らすことになったよ。花のような俗世間を。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【伏願三昧施宝雨。懸注十類之昏旻。木叉護鵝珠。煽暎四生之冥衢。桂花馥郁。駢開金粟仏肉身。山月澄皓。露出灯明尊面目。宗幢再崛起。苦海均抜済。仍諷誦所修如件。衆僧等敬白。

  元禄二年八月廿五日】

 

〔伏して願わくは、三昧は宝の雨を施し、十類の昏旻(こんびん①)に懸け注ぐ。

木叉(もくしゃ②)は鵝珠(がしゅ③)を護り、四生(ししょう④)の冥衢(めいく⑤)を煽暎(せんえい⑥)す。桂花馥郁(けいかふくいく⑦)として、駢(なら)びて金粟仏(きんぞくぶつ⑧)の肉身(にくしん⑨)を開く。山月は澄晧(ちょうこう⑩)として灯明を露出し面目(めんぼく⑪)を尊ぶ。宗幢(そうとう⑫)は再び崛起(くっき⑬)して、苦海(くかい⑭)は均しく抜濟(ばっさい⑮)せり。仍って諷誦(ふうじゅ)修する所件のごとし。衆僧等敬って白す。

 

元禄二年(⑯)八月廿五日

 

 昏旻=日暮れの暗い空。

 木叉=波羅提木叉(はらだいもくしゃ)。比丘・比丘尼が守るべき戒律の条文。戒本。

 鵝珠=

 四生=生き物の生れ方で四つに分類される。胎生、卵生、湿生、化生。

 冥衢=暗い道。

 煽暎=あおり映す。

 桂花馥郁=木犀の花がさかんに香っている。

 金粟仏=維摩居士。

 肉身=父母より生を受けた生身の肉体。

 澄晧=すみきって白い。

 面目=姿かたち。世間の評価。

 宗幢=宗の教えのはた。

 崛起=高くそびえたつ。

 苦海=この世の苦しみの大きいことを海にたとえた語。

 抜濟=衆生の苦を取り去り、難を救うこと。

 元禄二年=西暦一六八九年

 

(附録巻上 終了)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月15日 (月)

コスモス寺花だより   1・15

 

正月十五日、今日で「松の内」は終わります。以前はこの日が「成人式」、奈良では若草山の「山焼き」がある日でした。今年はいつなんでしょうか、毎年替わるのでわかりづらいですね。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙や 朝ぶろを出る 妹が肌」夏目漱石

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「最(も)う一度 せめて目を明け 雑煮膳」

訳:もう一度だけ、せめて目を開けて見な、目の前に雑煮の膳があるのだから。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈唐招提寺〉

「せんだんの ほとけほのてる ともしびの

       ゆららゆららに まつのかぜふく」

(栴檀の仏ほの照る灯火の ゆららゆららに松の風吹く)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【亜奏悦仏之舞楽。讃伽陀具人々莫匪被祖毓。各々曷不霑師徳。親修赤寸之精誠。用酬円極之雄恩。吾祖之霊如月耀天。大寂光中蓮眸洞鑑】

 

〔亞(ついで)仏を悦(した)うの舞楽を奏し、伽陀を讃し、具(つぶさ)に人々は彼の祖(おや)に毓(はぐく)まれるに匪(あら)ざるはなし。各々、曷(なんぞ)師の徳を霑(うるお)さん。親しく赤寸(せきすん①)の精誠(せいせい②)を修し、用(もって)円極の雄恩に酬(むく)いんや。吾が祖の霊、月の如く天に耀かん。大寂光中の蓮眸洞鑑(れんぼうとうかん③)たり。

 

 赤寸=尺寸。少しばかりの。

 精誠=真心を込めること。

 蓮眸洞鑑=蓮の実のような慈悲のひとみと、暗い洞の中で智恵の光を照らす鏡。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月14日 (日)

コスモス寺花だより   1・14

 

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「有明の 水仙剪るや 庭の霜」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「出序(でついで)に ひんむしつたる わかな哉」

訳:新年の挨拶に出るついでに、ひんむしった若菜であるなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【亜奏悦仏之舞楽。讃伽陀具人々莫匪被祖毓。各々曷不霑師徳。親修赤寸之精誠。用酬円極之雄恩。吾祖之霊如月耀天。大寂光中蓮眸洞鑑】

 

〔亞(ついで)仏を悦(した)うの舞楽を奏し、伽陀を讃し、具(つぶさ)に人々は彼の祖(おや)に毓(はぐく)まれるに匪(あら)ざるはなし。各々、曷(なんぞ)師の徳を霑(うるお)さん。親しく赤寸(せきすん①)の精誠(せいせい②)を修し、用(もって)円極の雄恩に酬(むく)いんや。吾が祖の霊、月の如く天に耀かん。大寂光中の蓮眸洞鑑(れんぼうとうかん③)たり。

 

 赤寸=尺寸。少しばかりの。

 精誠=真心を込めること。

 蓮眸洞鑑=蓮の実のような慈悲のひとみと、暗い洞の中で智恵の光を照らす鏡。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月13日 (土)

コスモス寺花だより   1・13

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「有明の 水仙剪るや 庭の霜」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「出序(でついで)に ひんむしつたる わかな哉」

訳:新年の挨拶に出るついでに、ひんむしった若菜であるなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》975

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【奈何。畴昔正応仲秋遽而寝化。其乗願輪。嘗痛慧日西墜。無由倒戈返照。星霜漸変。既届四百年之諱辰。龍象咸臻幾鳩数千指之海衆。丕建曼拏之法会。備伊蒲饍】

 

〔奈何(いかに)。疇昔(ちゅうせき①)正応仲秋(しょうおうちゅうしゅう②)、遽爾(にわかに)寝化(しんけ③)す。其の乗願(じょうがん④)の輪、嘗(かつ)て慧日の西に墜つる(⑤)を痛む。倒戈返照(とうかへんしょう⑥)に由無し。星霜漸く変じ、既に四百年の諱辰(きしん)、龍象(りゅうぞう⑦)咸(みな)臻(いた)り、幾(こいねがわくは)鳩数千指の海衆、丕(おおいに)曼拏(まんだ⑧)の法会を建て、伊蒲饍(いほぜん⑨)を備う。〕

 

 疇昔=過去のある日。昔。

 正応仲秋=正応三年八月。

 寝化=教化をやすむ。

 乗願=仏法の誓願

 慧日の西に堕つる=興正菩薩の遷化されたこと。

 倒戈返照=戈(ほこ)をさかさにする

 龍象=高徳の僧を龍と象にたとえる。

 曼拏=曼荼羅。

 伊蒲饍=伊蒲(伊水の菖蒲)の供え物。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月12日 (金)

コスモス寺花だより   1・12

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 莟(つぼみ)に星の 露を孕(は)む」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「這(は)へ笑へ 二つになるぞ けさからは」

訳:這え、笑え、二歳になるぞ、この春からは。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》974

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩四百年忌諷誦文』

(こうしょうぼさつよんひゃくねんきふじゅうもん)

 

◆【夫以。一心法界生滅氷如鎔。一切賢聖去来電如掃。闇華紅迸忽唱寂于跋河。棘林香擘時棲神於覩史。惟我祖師一代鴻徳。熾々然若火之燎。蕩々乎似風之偃。

 

〔夫れ以(おもん)みれば、一心法界(いっしんほっかい①)の生滅は氷の如く鎔(と)け、一切賢聖の去来は電の如く掃(なく)す。闇華紅迸(あんかこうほう②)、忽ちに寂を跋河(ばつが③)に唱う。棘林香擘(きょくりんこうはく④)の時、棲神於覩史(せいしんよとし⑤)、惟うに我が祖師一代の鴻徳(こうとく⑥)、熾々然(ししぜん⑦)として火の燎(かがりび)のごとし。蕩々乎(とうとうこ⑧)として風の偃(せき)に似たり。〕

 

 一心法界=唯心の世界。

 闇華紅逬=闇に華の紅がほとばしる。

 跋河=跋提河(ばつがいがわ)。釈尊が涅槃したクシナガラを流れる川。

 棘林香擘=いばらの林に香りがさける。

 棲神於覩史=神(こころ)は弥勒の浄土、兜率天(とそつてん)に棲む。

 鴻徳=大きな徳。

 熾熾然=火の勢いがさかんなさま。

 蕩蕩乎=ゆったりとしている。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月11日 (木)

コスモス寺花だより   1・11

 

今日の寒さは底冷えというのでしょうか、朝が起きづらいでした。今夜から明日にかけてが寒さの底だそうで雪が降るかもしれません。週末は雪景色の古都となるのでしょうか。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。

 

「水仙の 莟(つぼみ)に星の 露を孕(は)む」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「壁の穴や 我初空も うつくしき」

訳:壁の穴よ。そこからのぞく我が家の初空もうつくしい。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》973

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【観夫秋風含匂。現香三昧。千花華鮮。似花菩薩。暁月皓々不異灯明。霧繞遠山。顕塗香印。自然供養。満於法界。諸尊納受豈空乎。仰願三宝久住。至三会暁。伽藍繁栄。永無傾伏。仍現前道俗。同成菩提。啓白不妄。三宝知見。敬白。〈小比丘全理草之。〉

 

〔観(かんがみ)れば夫れ、秋風は匂いを含み、香三昧(こうざんまい①)を現わす。千花は華鮮(あざ)やかにして、花菩薩(はなぼさつ②)に似たり。暁月(ぎょうげつ③)は皓皓(こうこう④)として灯明に異ならず。霧は遠山を繞(めぐ)り塗香の印を顕わす。自然供養は法界に満ちて諸尊の納受は豈に空しかるや。仰ぎ願わくは、三宝久住し、三会の暁(さんねのあかつき⑤)に至らん。伽藍繁栄して、永く傾伏(けいふく⑥)無からんことを。仍って現前の道俗、同じく菩提を成ぜんことを。啓白(けいびゃく⑦)妄(ぼう⑧)ならずして、三宝は知見したまえ。敬って白す。〈小比丘全理、之を草す。〉〕 

 

 香三昧=お香の中に悟りの境地である三昧を

 花菩薩=自然界の花にも仏性をみとめ、華が菩薩であると捉えられている。

 暁月=明け方の月。有明の月。

 皓々=白々と光り輝くさま。

 三会の暁=龍華三会。弥勒菩薩が兜率天から人間界へ下って衆生のために三度の説法をする会座。

 傾伏=傾き伏せること。衰退。

 啓白=仏に法会の趣旨、願意を述べること。

 妄=うそ、いつわり。

(終わり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月10日 (水)

コスモス寺花だより   1・10

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

西国三十三所観音石像の前は満開状態になっています。

 

「水仙の 莟(つぼみ)に星の 露を孕(は)む」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「初空へ さし出す獅子の 首(かしら)哉」

訳:新春の初空へ景気よくさし出した獅子の頭の見事さよ。

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》972

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【竊以此道場。六大法界宮曼荼形像刹塵集会梵唄歌讃。糸竹呂律声字實相陀羅尼門奇哉。心王諸仏魏々開青蓮眼。嬉鬘拍手。索鏁快心。諸天悦嘉。善神振威。】

 

〔竊(ひそか)にこの道場、六大法界宮、曼荼の形像、刹塵集会を以って、梵唄歌讃す。糸竹呂律、声字実相、陀羅尼門は奇なる哉。心王諸仏は魏々(ぎぎ①)として青蓮の眼を開き、嬉鬘(きまん②)拍手、索鏁(さくさ③)快心、諸天悦嘉し、善神威を振るう。〕

 

 魏々=巍々。雄大でおごそか。

 嬉鬘=うつくしい髪かざり。

 索鏁=くさりがつきる。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月 9日 (火)

コスモス寺花だより   1・9

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙の 莟(つぼみ)に星の 露を孕(は)む」正岡子規

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「蓬莱に 南無南無といふ 童(わらべ)哉」

訳:蓬莱飾りを見て、南無南無と言う子どものいとしさよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》971

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【况又依自誓遺教而受隨。且護持乎。並是菩薩薫功力。依之一門諸衆。步運本寺。恋慕渇仰表尊影前。良以知恩謝恩。大聖之誡。戴徳報徳。賢者之誨。仏祖歓喜無疑者乎。】

 

〔いわんやまた、自誓の遺教(じせいのゆいきょう①)に依りて受隨(じゅずい②)し、且は護持せんや。並びに是れ菩薩薫功の力。之に依り一門の諸衆、歩みを本寺に運び、恋慕渇仰を尊影(そんえい③)の前に表す。良(まこと)に以って恩を知り恩に謝す。大聖の誡め、徳を戴き徳に報ず。賢者の誨(おしえ)、仏祖の歓喜は疑い無きものか。〕

 

 自誓の遺教=自誓受戒を説いた経典、「占察経」。

 受隨=受戒によって戒体を吾身に具し、のち戒体に随って如法に戒行することを隨という。

 尊影=興正菩薩の八十歳のとき造られた肖像。西大寺に現存。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月 8日 (月)

コスモス寺花だより   1・8

今日は久しぶりに朝から雨です。成人の日で式典に出られる方は足下ご注意してください。二十歳と言えば人生の春です。寒い冬を越せば春と成ります。おごることなく希望の実現に精進してください。継続は力となります。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙や 日は中空に かかりたる」高濱虚子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「門の春 雀が先へ 御慶(ぎょけい)かな」

訳:門松が立ててある新春の家、雀が先へ行って、新年のご挨拶をしているよ。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》970

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【釈教之師子。密乗之応龍。毘尼与密蔵呑合有余力。契経与論文比于鏡明々。在世之利益。禹筆不能書。修得之霊験。誰人得計乎。然則徳薫甚厚。馥於三百余歳之空。法水連々門弟甚多。伽藍亦穏。】

 

〔釈教の師子(しゃっきょうのしし①)、密乗の応龍(みつじょうのおうりゅう②)。毘尼と密蔵(びにとみつぞう③)を呑合して余力有り。契経と論文(けいきょうとろんぶん④)とを鏡に比(ひ⑤)して明々。在世の利益(ざいせのりやく⑥)は禹筆(うひつ⑦)も書くこと能わず。修得の霊験、誰人か計ること得んや。然れば則ち徳薫甚だ厚く、三百余歳の空に馥(かんば)し。法水は連々として門弟甚だ多し。伽藍また穏やかなり。〕

 

 釈教の師子=釈尊の教えを獅子に例え、顕教としての戒律の教えを指している。

 密乗の応龍=真言密教の教えを龍に例える。

 毘尼と密蔵=毘尼は毘奈耶、仏が制定した禁戒。密蔵は密教の経蔵。戒と密教。

 契経と論文=三蔵の中の経と論。

 比=照らし出す。

 在世の利益=興正菩薩の在世中における衆生利益。

 禹筆=禹は中国古代の夏の国を建てたといわれる王の名前。禹の筆の意味不詳。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月 7日 (日)

コスモス寺花だより   1・7

 

このところ連日に、新聞・テレビによる水仙の取材がありました。水仙の花は今が満開だからでしょうか。昨日からの三連休は今日が晴れ、明日、成人の日は雨の予報です。本日は美咲会のお正月会です。お掃除作業のあとお餅パーティーがあります。午後2時からの予定。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙や 日は中空に かかりたる」高濱虚子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「初夢に 故郷を見て 涙かな」

訳:初夢に故郷のことをみて涙したことだよ。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》970

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【其旨趣如何。法性常然而遠離於三際。仏体無二而無生滅去来。機興即生縁謝即滅。以示滅故恋慕甚深。此故抽於懇棘。営此法会。爰先師興正菩薩者。実智朗心蔵。大悲照普天。】

 

〔其の旨趣はいかに。法性(ほっしょう①)は常然にして三際(さんさい②)を遠離す。仏体は無二にして生滅去来なし。機興即生、縁謝即滅。滅を示すを以っての故に恋慕甚深なり。此の故に懇棘(こんきょく③)を抽(ひ)き、この法会を営む。爰に先師興正菩薩は、実智(じっち④)にて心の蔵を朗(あき)らかにし、大悲は普天(ふてん⑤)を照らす。〕

 

 法性=すべての存在・現象の真の本性。真如、実相、法界。

 三際=天と地の間を分ける三段階。熱際、冷際、温際。

 懇棘=まごころのこもった心。

 実智=もののありのままの真実のすがたを明らかに知る智。

 普天=あまねくおおう広大な天。全世界。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月 6日 (土)

コスモス寺花だより   1・6

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙を 遠ざかるとき 近づく香」稲畑汀子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「目出度さも ちう位也 おらが春」

訳:めでたさも、あなた任せでちょうど良い。わが春は。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》970

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【其旨趣如何。法性常然而遠離於三際。仏体無二而無生滅去来。機興即生縁謝即滅。以示滅故恋慕甚深。此故抽於懇棘。営此法会。爰先師興正菩薩者。実智朗心蔵。大悲照普天。】

 

〔其の旨趣はいかに。法性(ほっしょう①)は常然にして三際(さんさい②)を遠離す。仏体は無二にして生滅去来なし。機興即生、縁謝即滅。滅を示すを以っての故に恋慕甚深なり。此の故に懇棘(こんきょく③)を抽(ひ)き、この法会を営む。爰に先師興正菩薩は、実智(じっち④)にて心の蔵を朗(あき)らかにし、大悲は普天(ふてん⑤)を照らす。〕

 

 法性=すべての存在・現象の真の本性。真如、実相、法界。

 三際=天と地の間を分ける三段階。熱際、冷際、温際。

 懇棘=まごころのこもった心。

 実智=もののありのままの真実のすがたを明らかに知る智。

 普天=あまねくおおう広大な天。全世界。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょ

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2018年1月 5日 (金)

コスモス寺花だより   1・5

 

今日は「小寒」、寒の入りです。二月の節分までが寒中となります。この冬は早くから寒いので、何をいまさらという感じがしますが。長い冬の一つの節目でしょうか。寒さに負けないように栄養プラス運動をしっかりと。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙を 遠ざかるとき 近づく香」稲畑汀子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「きのふ迄 毎日見しを 若菜かな」

訳:きのうまで毎日見ていたのに気づかなかったが、今日は若菜の出番だなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》969

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【方今南瞻部州大日本国和州添下郡西大寺宝塔院現前諸衆等。謹先師興正菩薩之迎於三百五十光陰。為真恩報謝。厳秘密霊閣。勧請両部之摩訶曼荼羅。捧六種妙供。調舞楽讃嘆。修遮那内証三密之瑜伽。資祖師善願。】

 

〔方(まさ)に今、南贍部州(なんせんぶしゅう①)、大日本国和州添下郡、西大寺宝塔院(さいだいじほうとういん②)、現前の諸衆ら謹んで先師興正菩薩の三百五十光陰(こういん③)を迎え、真恩報謝のために、秘密の霊閣を厳かにし、両部の摩訶曼荼羅を勧請し、六種の妙供(ろくしゅのみょうく④)を捧げ、舞楽を調え讃嘆し、遮那(しゃな⑤)内証、三密の瑜伽を修し、祖師の善願を資(たす)けんとす。〕

 

 南贍部洲=南閻浮提(なんえんぶだい)。須弥山南方海上にある大陸とされ、人間の住む世界。

 西大寺宝塔院=奈良時代創建時の東塔のこと。興正菩薩が入寺したころは律僧達の活動拠点であった。

 光陰=歳月。

 六種の妙供=閼伽、塗香、華、焚香、飲食、灯明。これは六波羅蜜の布施、持戒、忍辱、精進、禅定、知恵を表す。

 遮那=摩訶毘盧遮那仏。大日如来。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月 4日 (木)

コスモス寺花だより   1・4

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙を 遠ざかるとき 近づく香」稲畑汀子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「正月や ごろりと寝たる とつとき着(ぎ)」

訳:正月だなあ。ごろりと寝ている、とっておきの着物で。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈西大寺〉

「まがつみは いまのうつつに ありこせど

       ふみしほとけの ゆくへしらずも」

(禍鬼は今の現にありこせど 踏みし仏の行方知らずも)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:当寺の入口は昨年8月まで旧道(京街道)に面して開かれていましたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」に変わりました。駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》968

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【敬白三密教主三世常住浄妙法身摩訶毘盧遮那如来金剛胎蔵両部曼荼羅諸尊聖衆。殊三国伝灯諸大阿闍梨耶。惣浄法界宮密厳国土帝網重々一切三宝境界。毎驚而言。〈置香炉〉】

 

〔敬って三密教主、三世常住、淨妙法身、摩訶毘盧遮那如来、金剛胎蔵両部曼荼羅、諸尊聖衆、殊には三国伝燈、諸大阿闍梨耶、惣じては淨法界宮、密厳国土(みつごんこくど①)、帝網重々、一切三宝の境界に、毎驚(ばいけい②)、白(もう)して言(もう)さく。〈香炉を置く〉

 

 密厳国土=三密の万徳によって荘厳された大日如来の国土(浄土)。

 毎驚=常におどろいて。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月 3日 (水)

コスモス寺花だより   1・3

奈良ではまだ雪は降っていませんが、日本海側や高い山では例年の二倍の積雪量があるそうです。屋根に積もった雪を降ろす作業は危険で重労働だとお察しいたします。でも雪が積もるから日本の川は水が豊富で清らかなのでしょう。自然の恵みとして感謝ですね。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙を 遠ざかるとき 近づく香」稲畑汀子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「人並の 正月もせぬ しだら哉」

訳:人並の正月もしない、なんともていたらくだなあ。

・しだら=自堕落に近く、だらしないさま。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈春日野〉

「かすがのに ふれるしらゆき あすのごと

       けぬべくわれは いにしへおもほゆ」

(春日野に降れる白雪褪すのごと 消ぬべく我は古しえ思ほゆ)

 

≪ニュース≫

◇当寺の入口は県道754号線に面した東参道「東口」よりご参詣いただきます。駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉まっています。京街道旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりで「東口」に至ります。バス停「般若寺」からは北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》968

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『興正菩薩三百五十年忌表白』

(こうしょうぼさつさんびゃくごじゅうねんきひょうはく) 

 

◆【右取香炉。左取念珠杵。】

 

〔右に香炉を取り左に念珠、杵(しょ①)を取る〕

 

 杵=五鈷杵。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年1月 2日 (火)

コスモス寺花だより   1・2

奈良は穏やかなお正月を迎えました。青空の見えるお天気です。ご参詣のお方もゆったりした気分で寺社へお参りしておられます。一年が無事安穏でありますように祈念いたします。

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

「水仙を 遠ざかるとき 近づく香」稲畑汀子

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「君が世や よ所(そ)の膳にて 花の春」

訳:ありがたい君の世だなあ。よそ様のお宅の食事によばれて、迎えるめでたい春。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈春日野〉

「かすがのに ふれるしらゆき あすのごと

       けぬべくわれは いにしへおもほゆ」

(春日野に降れる白雪褪すのごと 消ぬべく我は古しえ思ほゆ)

 

≪ニュース≫

◇当寺の入口は県道754号線に面した東参道「東口」よりご参詣いただきます。駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉まっています。京街道旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりで「東口」に至ります。バス停「般若寺」からは北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》967

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【賁上綱広大恩恵。以之為緇素繁栄洪基。塵沙遍浴法雨。法界斉灑甘水。末弟敬白。

  天正十七年八月廿五日】

 

〔上綱(しょうこう①)の広大なる恩恵を賁(かざ)り、之を以って緇素(しそ②)繁栄の洪基(こうき③)と為す。塵沙(じんしゃ④)は遍く法雨(ほうう⑤)を浴び、法界(ほっかい⑥)は斉(ひと)しく甘水(かんすい⑦)を灑(そそ)ぐ。末弟(まってい⑧)敬って白す。

 

 天正十七年八月二十五日〕

 

 上綱=高僧。ここでは興正菩薩。

 緇素=道俗。出家人と在家人

 洪基=大きな事業の基礎。偉業のもとい。

 塵沙=無数の存在。

 法雨=のりのあめ。仏法があまねく衆生を救うのを、雨が万物を潤すことにたとえて言う。

 法界=世界、宇宙。

 甘水=甘露水。仏の教え。

 末弟=末の弟子。

(おわり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年1月 1日 (月)

コスモス寺花だより   1・1

 

謹賀新年。

平成30年。西暦2018年。仏暦2561年。干支は戊戌(つちのえいぬ、ボジュツ)。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

「オリオンの 楯新しき 年に入る」橋本多佳子

 

〔いま咲いている花〕

〇水仙:≪見ごろ≫

種類:日本水仙、寒水仙。

白一重咲、白八重咲。

本数:数万本

花期:12月~2月。

冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。

場所によっては5分咲き以上になっています。

 

〇山茶花:≪見ごろ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「元日や 上々吉の 浅黄空」

訳:めでたい元日を迎えたなあ。今年一年を占うかのようにすばらしい浅黄色の空。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈春日野〉

「かすがのに ふれるしらゆき あすのごと

       けぬべくわれは いにしへおもほゆ」

(春日野に降れる白雪褪すのごと 消ぬべく我は古しえ思ほゆ)

 

≪ニュース≫

◇当寺の入口は県道754号線に面した東参道「東口」よりご参詣いただきます。駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉まっています。京街道旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりで「東口」に至ります。バス停「般若寺」からは北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》966

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『同願文』

◆【故今為厳興正菩薩深重本願。老少奉修曼荼羅大供。貴賎進飜廻雪鳳鸞袖。所修抽懇念。上綱垂哀憐。助衰末広廃。夫大樹幹堅者。杖葉修栄。本寺再昌者。末寺盍勇以之。】

 

〔故に今、興正菩薩の深重(じんじゅう①)なる本願(ほんがん②)を厳(おごそ)かにせんため、老いも少(わか)きも曼荼羅大供を修し奉る。貴きも賎しきも飜廻(ほんかい③)の雪鳳鸞袖(せつほうらんしゅう④)を進めん。修する所は懇念(こんねん⑤)を抽(ひ)き、上綱は哀憐(あいれん⑥)を垂れ、衰末広廃(すいまつこうはい⑦)を助く。夫れ大樹の幹堅ければ、杖葉も修栄す(ちょうようもしゅうえいす⑧)。本寺再び昌(さか)んなれば、末寺は盍(なん)ぞ勇みて以って之(ゆ)かざらんや。〕

 

 深重=深く大きい

 本願=もとからの誓願。

 飜廻=ひるがえりめぐる。

 雪鳳鸞袖=雪におおとり、鸞(鳳凰の一種、形は鶏に似て、羽毛は赤色を主として五色がまじり、声は音楽的で美しいという。)の袖。意味不詳。

 懇念=心をこめて念ずること。

 哀憐=悲しみ哀れむこと。

 衰末広廃=末世になれば世はおとろえ広く廃れていく。

 杖葉も修栄す=大きな木の幹が堅ければ枝葉も栄える。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

 

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