コスモス寺花だより 1・31
〔いま咲いている花〕
〇水仙:≪見ごろ≫
種類:日本水仙、寒水仙。
白一重咲、白八重咲。
本数:数万本
花期:12月~2月。
冬枯れの庭に、清楚な白い花が咲いています。
西国三十三所観音石像の足下は満開の花でいっぱいです。
「おもかげの 透通りけり 水仙花」三宅嘯山
〇山茶花:≪見ごろ≫
〔四季の花暦〕
・春:山吹(4月中旬~下旬)
・夏:初夏咲きコスモス(6月上旬~7月上旬)
紫陽花(6月上旬~6月下旬)
・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)
・冬:水仙(12月上旬~2月上旬)
その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。
〔文観上人ゆかりの播磨路を訪ねて〕
5.ありました。目指す宝塔と五輪塔二基が並んでいます。お墓はさほど広くはなく、墓石も20基程度、中には真新しいのもあります。竹藪に覆われているせいか薄暗く、歴史を感じさせる雰囲気です。石塔の後ろには高さ1メートル程の石垣が積まれていますが、石塔と同時代のようです。
入口の説明板によると、宝塔は花崗岩製で高さ2・36m。相輪上部が欠けているほかは完全な形を保っている。塔身正面に刻銘があり、正安4年(1315)の造立であることがわかる。
これは一乗寺の笠塔婆より一年前の年号。笠石の裏には隅木や垂木形、塔身軸部には扉形を彫り出し、飾り金具を浮彫するなど精巧な造りである。この宝塔が地誌文献によると、文観上人が亡くなった慈母のために建てたと伝えられている。そして両脇の五輪塔は、近くの竜山(たつやま)石製で左塔が1・72m、右塔が1・83mあり、西大寺様式のものとよく似ていて均整の取れたどっしりした姿である。無銘ではあるが、鎌倉時代の住持で名のある有力な僧の墓塔であろうと思われる。
なお、宝塔には沙弥道智の名が刻まれますが、文観上人とどのような関係の僧かは不明です。常楽寺は現在は高台にありますが、かつて洪水で流されたそうですから、当初はもっと加古川に近い低地にあったのかもしれません。宝塔が残るお墓は寺の奥の院に当たり、一番高みにあったのでそのまま残ったのでしょう。
〔小林一茶の俳句〕
「春鳥や 軒去らぬ事 小一日」
訳:春鳥よ。軒端を立ち去らないまま、ほぼ一日過ごしたね。
〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕
〈聖武天皇光明皇后御陵にて〉
「さほやまの このしたがくり よごもりに
ものうちかたれ わがせわぎもこ」
(佐保山の木の下隠り夜籠りに もの打ち語れ吾が背吾妹子)
≪ニュース≫
◇参詣入口の変更:当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南入口」に変わりました。なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。
◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。
《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》976
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の上
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録
(附録巻上は終わりました。続いて下巻を読みますがしばらくお休みします。)
《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》
古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。