コスモス寺花だより 3・31
奈良の旧市内での桜の美しく豪華なスポットは、1.佐保川堤 2.東大寺大仏殿裏 3.氷室神社 4.浮御堂 5.興福寺南円堂と南大門址 5.多聞山城跡 6.鴻池運動場 7.若草山ドライブウェイなどですが、他にも桜名所は多数にあります。今日明日が見ごろで、来週には散りだすでしょう。
「まさをなる 空よりしだれ ざくらかな」富安風生
〔いま咲いている花〕
〇椿:≪見ごろ≫
〇連翹:≪見ごろ≫
〇桜:≪見ごろ≫
〇山吹:≪咲きはじめ≫
〇桃:≪咲きはじめ≫
〔四季の花暦〕
・春:山吹(4月)
・夏:初夏咲きコスモス(6月)
紫陽花(6月)
・秋:コスモス(9月~11月)
・冬:水仙(12月~2月)
その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。
〔小林一茶の俳句〕
「有様(ありよう)は 我も花より 団子哉」
訳:ほんとのことを言えば、おれも花より団子がいいのだがねえ。
〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕
〈奈良坂にて〉
「ならさかの いしのほとけの おとかひに
こさめなかるる はるはきにけり」
(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)
≪ニュース≫
◇参詣入口の変更:
当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。
なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。
バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。
◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。
《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1005
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録
『京兆報恩寺仏牙記』 (出『洗雲集』)
(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)
*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。
◆【天上及人間争分而供事。唐有大梵刹。闕号曰西明。澄照大律師安禅行道処。一昔偶失足。天神輙護衛。感神奉仏牙。勤捧而行道。闕後付弟子文綱密掌護。以仏威神。】
〔天上及び人間は分を争いて供事す。唐に大梵刹(だいぼんせつ①)あり。厥の号は西明と曰う。澄照大律師(ちょうしょうだいりっし②)の安禅行道する処。一昔たまたま失足するに、天神輙(すなはち)護衛し、神を感じて仏牙を奉り、勤め捧げて行道す。厥の後、弟子文綱に付して密かに掌護(しょうご③)するに、仏の威神(いじん④)を以ってす。
① 大梵刹=大きな伽藍。寺院。
② 澄照大律師=南山律宗の祖、道宣。
③ 掌護=たなごころにて護る。
④ 威神=人知では測り知ることができない霊妙不思議な力。
(つづく)
《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》
古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。