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2018年3月

2018年3月31日 (土)

コスモス寺花だより   3・31

 

奈良の旧市内での桜の美しく豪華なスポットは、1.佐保川堤 2.東大寺大仏殿裏 3.氷室神社 4.浮御堂 5.興福寺南円堂と南大門址 5.多聞山城跡 6.鴻池運動場 7.若草山ドライブウェイなどですが、他にも桜名所は多数にあります。今日明日が見ごろで、来週には散りだすでしょう。

 

「まさをなる 空よりしだれ ざくらかな」富安風生

 

〔いま咲いている花〕

 

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇桜:≪見ごろ≫

〇山吹:≪咲きはじめ≫

〇桃:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「有様(ありよう)は 我も花より 団子哉」

訳:ほんとのことを言えば、おれも花より団子がいいのだがねえ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1005

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【天上及人間争分而供事。唐有大梵刹。闕号曰西明。澄照大律師安禅行道処。一昔偶失足。天神輙護衛。感神奉仏牙。勤捧而行道。闕後付弟子文綱密掌護。以仏威神。】

 

〔天上及び人間は分を争いて供事す。唐に大梵刹(だいぼんせつ①)あり。厥の号は西明と曰う。澄照大律師(ちょうしょうだいりっし②)の安禅行道する処。一昔たまたま失足するに、天神輙(すなはち)護衛し、神を感じて仏牙を奉り、勤め捧げて行道す。厥の後、弟子文綱に付して密かに掌護(しょうご③)するに、仏の威神(いじん④)を以ってす。

 

 大梵刹=大きな伽藍。寺院。

 澄照大律師=南山律宗の祖、道宣。

 掌護=たなごころにて護る。

 威神=人知では測り知ることができない霊妙不思議な力。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月30日 (金)

コスモス寺花だより   3・30

 

花の盛りは短いものですが、今年はとくに早いです。一気に咲いて一気に散る、桜の特徴です。昔は「花は桜木、人は武士」と言ったように、はかない命を象徴しています。

 

「一花だに 散らざる今の 刻止まれ」林翔

 

〔いま咲いている花〕

 

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇桜:≪見ごろ≫

〇山吹:≪咲きはじめ≫

〇桃:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「さく花の 中にうごめく 衆生哉」

訳:咲く花の中でもごもごと動く人々よ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1004

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【仏以大悲願愍念諸群生。示現閻浮提。広演三乗法。化儀既已周(同)即入於泥垣。自現三昧火。闍維金色身。歯牙堅不壊。及与設利羅。】

 

〔仏は大悲願(だいひがん①)を以って諸の群生(ぐんじょう②)を愍念(みんねん③)し、閻浮提(えんぶだい④)に示現(じげん⑤)し、広く三乗の法(さんじょうのほう⑥)を演(の)ぶ。化儀(けぎ⑦)は既に已に周(同ヵ)、即ち泥垣(でいえん⑧)に入る。自ら三昧の火を現わし金色の身を闍維(じゃい⑨)すれども歯牙は堅くして壊れず、設利羅(せつりら⑩)に及ぶ。〕

 

 大悲願=仏菩薩が大慈悲から発する誓願。

 群生=多くの生き物。衆生。

 愍念=あわれむ思い。

 閻浮提=人間世界。現世。

 示現=仏菩薩が衆生救済のために、種々に身を変えてこの世に現れること。

 三乗の法=縁覚乗、声聞乗(小乗)と菩薩乗(大乗)の教え。

 化儀=仏が衆生を教導し感化する形式、方法。

 =泥洹(ないおん)。釈尊の入滅、涅槃のこと。

 闍維=荼毘(だび)。梵焼と訳される。

 設利羅=舎利。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月29日 (木)

コスモス寺花だより   3・29

 

わが国では昔から「花」といえば桜の花をさします。

花をこよなく愛した西行さんは、「願はくは花のしたにて春死なん・・」の有名な歌を残し、花をめでながら満月の日に亡くなられたそうです。その頃の桜は、今の「染井吉野」ではなく山桜の種類ですが。

 

「咲き満ちて こぼるる花も なかりけり」高濱虚子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇桜:≪見ごろ≫

〇山吹:≪咲きはじめ≫

〇桃:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「鶯や 今に直らぬ 木曽訛(きそなまり)」

訳:うぐいすよ、おまえさんは今も直らないね。木曽訛が。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1003

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

 

◆【公不得已。与其法友専誉公。奉仏牙等。至仏国。属予記。以貽諸後。予弗克辞。但恨無文不能以微妙言句而発揮之。唯直書其始末因縁而已。覧者冝生難遭想発無上心。不可以予之不文而失此莫大之勝利也。既紀之。又系之以詞曰。】

 

〔公、已むを得ず。其の法友専誉公と仏牙等を奉り、仏の国に至る。予の記に属す。以って諸後に貽(のこ)す。予、辞を克(よ)くせず。但、文無きを恨み、微妙言句を以って之を発揮すること能わず。唯直に其の始末因縁書すのみ。覧者、宜しく難遭の想いを生じ、無上心を発すべし。予の不文を以ってすべからずして、この莫大の勝利を失うなり。既に之を紀し、また之を系(つな)ぐに詞を以ってし、曰く。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月28日 (水)

コスモス寺花だより   3・28

 

桜といえば、奈良では吉野山、京では醍醐か御室と決まっていますが、無名でも近くの里山に人知れず咲く花にも風情があるように思います。

 

「花の雲 鐘は上野か 浅草か」松尾芭蕉

 

〔いま咲いている花〕

 

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇桜:≪見ごろ≫

〇山吹:≪咲きはじめ≫

〇桃:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「鶯や 此(この)声にして 此山家(やまが)」

訳:美しい声で鳴く鶯よ。この声だからこそこの山家に似合う。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1003

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

 

◆【嗟夫世方以利已為□而争図之。泉独不然。賢于人遠矣。貞享五年。当代寺主証誉公恪遵祖命。方設法会。広陳供養者約五十。日特延予観礼。予以事阻不果行。】

 

〔嗟(ああ)夫れ、世はまさに利の已むを以って□(穏)と為し、爭いて之を図す。泉、独り然らず。人より賢きこと遠し。貞享五年(①)、当代の寺主証誉公、祖命を恪遵(かくじゅん)し、方に法会を設く。広く陳ぶるに供養の者、約五十日特に延べ、予は観礼(かんれい③)す。予は事を以って行を果たさざるを阻む。

 

 貞享五年=一六八五年。

 恪遵=つつしんでしたがう。

 観礼=観仏礼拝。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月27日 (火)

コスモス寺花だより   3・27

 

「みよし野の ちか道寒し 山桜」与謝蕪村

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇山吹:≪莟ふくらむ≫

〇桜:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「鶯や とのより先へ 朝御飯」

訳:鶯よ、お殿様より先に朝御飯。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1003

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【泉念仏恩難報。命逓年仏涅槃日。必設法会。使国中道俗男女皆得散華作礼。籍此殊勲。上祝聖天子聖寿万安大将軍睿算千春。天下昇平万民楽業。】

 

〔泉、仏恩の報い難きを念じ。逓年の仏涅槃日に必ず法会を設くことを命じ、国中の道俗男女をして皆、散華作礼を得せしむ。此の殊勲に藉(か)りて、上は聖天子の聖寿万安を、大将軍の叡算千春、天下の昇平、万民の楽業を祝う。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月25日 (日)

コスモス寺花だより   3・25

花といえば桜、元来は赤い葉っぱとともに咲く山桜であったのでしょうが、明治以降、全国の桜は「染井吉野」一色に埋め尽くされています。いよいよ見頃になりました。

 

「身じろげば こぼれむとする さくらかな」轡田進

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇山吹:≪莟ふくらむ≫

〇桜:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「武士(さむらひ)や 鶯に迄 つかはるる」

訳:さすがお武家さま。鶯にまで使われている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1002

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【現有御書存焉。後醍醐帝癸酉歳。丁国変。浄住寺災。其仏牙為他人所獲。帝聞之。勅取蔵御府。至後柏原皇帝。欽信仏乗。益加尊崇。乃以仏牙与興正僧伽梨衣千地蔵像黒金灯並珍異宝物等。賜今之報恩開山明泉上人。】

 

〔現に御書有り、存す。後醍醐帝癸酉歳、国変に丁(あた)り、淨住寺災す。其の仏牙他人の為に獲られる。帝、之を聞き勅して取り御府に蔵す。後柏原皇帝に至り、仏乗を欽信し、益ます尊崇を加う。乃ち仏牙と興正僧伽梨衣千地蔵像黒金燈並びに珍異宝物等とを以って、今の報恩開山明泉上人に賜う。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月24日 (土)

コスモス寺花だより   3・24

 

今年の桜は10日ほど早く咲いたようで、東京など関東ではもう満開だそうです。

奈良の桜はまだですが、当寺境内の山吹はつぼみが大きくなってきました。山吹は最初に淡い黄色の一重の花が咲き、続いて濃い黄色の八重咲と白の一重が咲きます。山吹も例年4月中ごろ開花なのに、早ければ今月の末か4月の初めには咲くでしょう。

 

「ほろほろと 山吹ちるか 滝の音」松尾芭蕉

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇山吹:≪莟ふくらむ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「鶯も なまりを直せ 猫の恋」

訳:鶯よお前もなまりを直しな。懸命に鳴く猫の恋にならって。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1002

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【日蔵伝与浄乗上人。乗伝白河法皇。祇園皇后。鳥羽上皇。以至室門皇后。凡十伝皆在内苑。十襲而蔵。人無識者。弘安十年。室門皇后勅付葉室山浄住寺大菩薩僧興正。守護供養。】

 

〔日蔵上人、淨乗上人に伝与し、乗は白河法皇に伝え、祇園皇后、鳥羽上皇、以って室門皇后に至る。凡そ十伝は皆な内苑に在り。十たび襲いて蔵す。人識ること無ければ、弘安十年、室門皇后勅して葉室山淨住寺大菩薩僧興正に付し、守護供養す。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月23日 (金)

コスモス寺花だより   3・23

 

「連翹の 一枝づつの 花ざかり」星野立子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇山吹:≪莟ふくらむ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「痩藪(やせやぶ)の 下手鶯も はつ音哉」

訳:やせほそった藪で鳴く鶯の下手な声でも、初音には違いないよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1001

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【代宗大暦二年。帝勅令進右銀台門。観礼。会昌年中。復奉還西明寺。至昭宗朝。奉置天宮寺。其後因五季之乱。伝至日本。乃延喜年中。吉野日蔵上人。因夢感入唐而得也。】

 

〔代宗大暦二年。帝、勅令して右銀台門に進め観礼す。会昌年中、復西明寺に還り奉る。昭宗朝に至り、天宮寺に置き奉る。其の後、五季の乱に因り、伝えて日本に至る。乃ち延喜年中、吉野の日蔵上人、夢感に因り唐に入りて得る也。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月22日 (木)

コスモス寺花だより   3・22

 

きのうはよく降りました。おまけに風まであって春の嵐のようなお天気でした。今日もまだぐずつきそうです。関東以東では雪まで降る寒さです。

 

「春雨や ものがたりゆく 蓑と」与謝蕪村

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇山吹:≪莟ふくらむ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月)

・夏:初夏咲きコスモス(6月)

   紫陽花(6月)

・秋:コスモス(9月~11月)

・冬:水仙(12月~2月)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「うぐひすの 腮(あご)の下より 淡ぢ島」

訳:鶯のあごの下からあらわれてくる淡路島。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1000

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【太子曰。某有仏牙宝掌雖久。頭目猶捨。敢不奉献。俄授于宣。宣保録供養焉。久之密令弟子文綱護持。去崇聖寺東塔。】

 

〔太子曰く、某、仏牙を宝掌に有(も)つこと久しと雖も、頭目は猶捨つるがごとし。敢えて奉献せず。俄かに宣に授く。宣、保録供養す。之を久しうして密かに弟子文綱をして護持せしめ、崇聖寺東塔を去る。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月21日 (水)

コスモス寺花だより   3・21

 

春分の日、彼岸の中日です。仏様、ご先祖様に春のお餅をお供えしますが、牡丹にちなんだぼた餅、蓬の若葉を入れた蓬餅、桜の葉で包んだ桜餅、どれもおいしいですね。雨と寒気のせいで桜のたよりは足踏み状態です。

 

「彼岸会の 留守たのまるる 蓬餅」沢田弦四朗

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「我と来て 遊べや親の ない雀」

訳:おれについて来て一緒に遊びなよ。親のいない雀は。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》999

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【少年曰。某非常人。即毘沙門天王之子那吒也。護法之故擁護和尚。旹之久矣。宣曰。貧道修行無事煩太子。太子威神自在西域。有可作仏事者。願為致之。】

 

〔少年曰く、某(それがし)常人(じょうじん①)に非ず。即ち毘沙門天王の子、那吒(なた②)なり。護法の故、和尚を擁護する。旹(とき)に之(ゆ)くこと久し。宣曰く、貧道修行(ひんどうしゅぎょう③)の無事は太子を煩わす。太子の威神(いじん④)は西域に自在なり。仏事を作すべき者有らば、願って之を致さんとす。〕

 

 常人=普通一般の人。

 那吒=毘沙門天王の太子、三面八臂大力鬼王なり。

 貧道修行=仏道は貧道なり。

 威神=人知では測り知りえない霊妙不思議なちから。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月20日 (火)

コスモス寺花だより   3・20

 

梅に鶯と言いますが、今年はまだその声を聞きません。去年まで来ていた鶯は、

名人の域にあると言ってもよいほどの美声を聴かせてくれたのに、今年はどうしたのでしょうか、気がかりです。

 

「鶯や 前山いよよ 雨の中」水原秋櫻子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る」

訳:雀の子どもよ、そこ退け、そこ退け、お馬さんが通るから。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》998

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【按宋高僧伝。道宣律師在西明寺。夜行道。足跌前階。有物扶持。履空無害。熟顧視之。乃少年也。宣遽問。何人中夜在此。】

 

〔宋の高僧伝を按ずるに、「道宣律師は西明寺に在りて夜道を行くに、足、前の階に跌(つまづ)く。物ありて扶持(ふち①)し空を履(ふ)むに害なし。熟(つらつら)之を顧視(こし②)するに、乃ち少年なり。宣、遽(にわ)かに問う。何人(なにびと③)か中夜(ちゅうや④)に、此に在るや。」

 

 扶持=身を支えるために物につかまること。

 顧視=ふりかえって見ること。

 何人=いかなる人。何者。

 中夜=夜中。亥の刻(午後九時)から丑の刻(午前三時)までの間。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月19日 (月)

コスモス寺花だより   3・19

3・19

 

「鉢の土 乾きてかなし 桜草」富安風生

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「夕暮れや 親なし雀 何と鳴」

訳:夕暮れの淋しさよ。親がいない雀は何んと鳴くのだろう

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》997

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【京兆法恩仏牙院。甞蓄一仏牙。長二寸許。牙端有紋。如梵字。其色常変。或青。或白。種々非一。考其所自。即終南山道宣澄照大師所奉者。蓋真仏牙。非偽妄也。】

 

〔京兆報恩仏牙院はかつて一仏牙を蓄う。長二寸ばかり。牙端に紋あり、梵字の如し。その色は常に変じ、或は青、或は黄、或は白、種々にして一に非ず。そのよる所を考えるに、即ち終南山道宣澄照大律師の奉る所は、蓋し真の仏牙にして偽妄に非ざる也。〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月18日 (日)

コスモス寺花だより   3・18

 

春の花である椿にはいろんな種類、名前があります。寒椿、侘助、藪椿、八重椿など。奈良の白毫寺には「七福神(五色椿)」と呼ばれる有名な天然記念物の老木があります。

 

「日当りて 花新しき 椿かな」清崎敏郎

 

〔いま咲いている花〕

 

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪見ごろ≫

〇連翹:≪見ごろ≫

〇黄梅:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「夕暮れや 親なし雀 何と鳴」

訳:夕暮れの淋しさよ。親がいない雀は何んと鳴くのだろう

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》996

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【所有設利歯牙一切人天龍鬼。於天上人間龍宮海蔵。各起塔供養。其有恭敬供養礼拝讃嘆。而所得功徳勝利。未可以筆舌陳。必竟至於無上菩提之道。豈止人天福報而已哉。】

 

〔所有の設利(せつり①)歯牙は一切人天龍鬼、天上人間龍宮海蔵に於いて  おのおの塔を起て供養す。それ恭敬供養礼拝讃嘆ありて所得功徳勝利。未だ筆舌を以って陳ぶるべからず。必竟して無上菩提の道に至り、豈、人天の福報を止むるのみ哉。〕

 

 設利=設利羅。舎利のこと。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月17日 (土)

コスモス寺花だより   3・17

 

南の温かい地より桜の開花宣言がとどいています。奈良は少し遅れるのでお彼岸の頃かもしれません。そして花が咲いても、花冷えという言葉があるようにまだまだ寒い日があります。

 

「初花を 見せては雲の 閉すなり」水原秋櫻子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「むつまじき 二親もちし 雀哉」

訳:仲むつまじいね。両親そろった子雀たちが戯れているよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》995

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【示同人法。化縁云。畢則不免有涅槃之説。既涅槃已。以三昧火闍維金躯。】

 

〔人と法は同じきことを示す。化縁(けえん①)に云う。畢れば則ち涅槃有るの説を免れず。既に涅槃已むで、三昧の火を以って金躯(こんく②)を闍維(じゃい③)す。〕

 

 化縁=衆生を教え導く因縁。

 金躯=金色の身体。仏身。

 闍維=梵・ジャーピタ。荼毗。梵焼と訳す。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月16日 (金)

コスモス寺花だより   3・16

 

久しぶりの雨です。気温は一気に下がりますが、一雨ごとに春が進んで行きそうです。木々の目がみどりの芽を膨らませてきました。

10日前にまいたコスモスの種子も双葉を並べています。その横には青々とした野草がのびていますが。

「暖かや 枯木の影が 手をひろぐ」中村汀女

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「今さらに 別(わかれ)ともなし 春がすみ」

訳:今さらに別れというだけでも辛い。おぼろにたなびく春霞。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》994

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京兆報恩寺仏牙記』  (出『洗雲集』)

(けいちょうほうおんじぶつげき) (せんうんしゅう)

 

*『洗雲集』は黄檗山万福寺の僧、高泉性潡(こうせん・しょうとん一六三三~一六九五)の詩文集。

 

◆【仏無形相。方便受生。故曰。浄法界身。本無出没。大悲願力。示現受生。仏既受生。】

 

〔仏は形相(ぎょうそう①)無くして、方便に生を受く。故に曰く、淨らかな法界身(ほっかいしん②)は、本より出没(しゅつぼつ③)無し。大悲願力(だいひがんりき④)により受生を示現し、仏は既に生を受く。〕

 

 形相=すがた。かおつき。

 法界身=真理そのものとしての仏。

 出没=出たり隠れたりすること。

 大悲願力=大悲心をもって衆生を救う仏の誓願の力。

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう

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2018年3月15日 (木)

コスモス寺花だより   3・15

 

昨日からの陽気は4月の気温だそうです。「春のうららの隅田川」という童謡がありましたが、一気に陽春の候となりました。

「うらら日や 御簾さみどりに 観世音」静良夜

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「旅笠を 小さく見せる 霞かな」

訳:旅の笠を遠く小さく見せる、どこもかしこも春霞だなあ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》993

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【同二年。辱賜御書之額矣。自是例年。当仏涅槃日。令執行舎利会。奉祈国家安全宝祚延長〈云々〉。余偶拝彼舎利之序。現住暁誉所演説之趣如此。可謂後代亀鏡乎。不堪感歎。記子細者也。

 

 延宝六年二月十五日    前天台座主二品〈在判〉親王記之】

 

〔同二年、辱(かたじけな)くも御書の額を賜わる。是より例年、仏涅槃日に当り、舎利会を執行せしめ、国家安全宝祚延長を祈り奉る。余、偶(たまたま)彼の舎利を拝するの序で、現住暁誉演説する所の趣、此くの如し。後代の亀鏡と謂うべきか、感歎に堪えず。子細を記すもの也。

 

  延宝六年二月十五日   前天台座主二品〈在判〉親王之を記す。〕

(終わり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月14日 (水)

コスモス寺花だより   3・14

 

二月堂の修二会、お水取りは今日で終わりです。奈良ではお水取りが終われば春が来ると言いますが、暑さ寒さも彼岸まで、とも言われます。お彼岸は21日が中日で、18日から彼岸の入りです。

今日明日は20度をこえて4月の陽気になるようです。

 

「山寺の 扉に雲あそぶ 彼岸かな」飯田蛇笏

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪見ごろ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪見ごろ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春風や 小藪小祭 小巡礼」

訳:春風が吹いているよ。小さな藪、小さな祭り、子どもの巡礼たちに。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》993

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【同二年。辱賜御書之額矣。自是例年。当仏涅槃日。令執行舎利会。奉祈国家安全宝祚延長〈云々〉。余偶拝彼舎利之序。現住暁誉所演説之趣如此。可謂後代亀鏡乎。不堪感歎。記子細者也。

 

 延宝六年二月十五日    前天台座主二品〈在判〉親王記之】

 

〔同二年、辱(かたじけな)くも御書の額を賜わる。是より例年、仏涅槃日に当り、舎利会を執行せしめ、国家安全宝祚延長を祈り奉る。余、偶(たまたま)彼の舎利を拝するの序で、現住暁誉演説する所の趣、此くの如し。後代の亀鏡と謂うべきか、感歎に堪えず。子細を記すもの也。

 

  延宝六年二月十五日   前天台座主二品〈在判〉親王之を記す。〕

(終わり)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月13日 (火)

コスモス寺花だより   3・13

 

鉢植えの野菜たちが冬をこえ、すくすくと葉を茂らせてきました。菜花、小松菜、はつか大根、サニーレタス、水菜、サラダ菜など、ベビーリーフのような大きさですが、柔らかくてどれもおいしいです。

「京菜洗ふ 青さ冷たさ 歌うたふ」

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪咲きはじめ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春風に 猿もおや子の 湯治哉」

訳:心地よく吹く春風。猿も親子で湯治しているよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》993

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【文亀元年。為後柏原院御願。以彼仏牙幷宝物仏具等。賜当寺一風慶誉上人。抑当寺者。元雖兼学天台浄土之両宗。一風遂為浄土之一法也。且又奉詔改法園寺之号。云報恩寺。】

 

〔文亀元年(ぶんきがんねん①)、後柏原院の御願のため彼の仏牙幷に宝物仏具等を以って、当寺一風慶誉上人に賜う。そもそも当寺は元と天台浄土の両宗を兼学すると雖も、一風遂に浄土の一法と為す也。且は又詔を奉り法園寺の号を改め、法恩寺と云う。〕

 

 文亀元年=西一五〇一年。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月12日 (月)

コスモス寺花だより   3・12

 

「紅梅や 見ぬ恋つくる 玉すだれ」松尾芭蕉

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪咲きはじめ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「ぼた餅や 地蔵のひざも 春の風」

訳:うまそうなぼた餅よ。地蔵のひざにも春の風。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》993

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【報恩寺之仏牙者。室町院被寄附興正菩薩。其後令安置葉室浄住寺所也。後醍醐天皇之御宇癸酉年乱。凶徒掠奪葉室衣笠霊宝。隨散失畢。其後暦応三年。重求得之。被鎮座禁闕。代々之聖主尊崇之。〈云々〉。】

 

〔報恩寺の仏牙は、室町院、興正菩薩に寄附せられる。其の後、葉室淨住寺に安置せしむる所也。後醍醐天皇の御宇、癸酉年の乱(みずのととりどしのらん①)に、凶徒葉室衣笠の霊宝を掠奪す。随って散失し畢る。其の後、暦応三年、重ねて之を求得し、金闕(きんけつ②)に鎮座せられ代々の聖主、之を尊崇す。〈云々〉。〕

 

 癸酉年の乱=元弘三年(一三三三)、後醍醐帝が隠岐より帰京され、幕府の六波羅探題が天皇方の手で滅ぼされ、鎌倉の幕府が滅亡する。

 金闕=禁闕。皇居、御所、禁中のこと。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月11日 (日)

コスモス寺花だより   3・11

 

昨日は東京大空襲の日でした。そして今日は東北大震災の日です。どちらも大勢の尊い命が失われ、町や村が壊滅的な被害を受けた日です。片や戦争という人災、もう一方は地震という天災と原発事故という人災が原因でした。日本は地震を避けることはできませんが、戦争は戦後73年間もの長きにわたって避けられました。

第二次大戦の教訓が現憲法に生かされているからでしょう。

 

「沈丁の 香にそひ上る 館かな」星野立子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇沈丁花:≪咲きはじめ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春風や 牛に引れて 善光寺」

訳:春風が心地よく吹いているよ。「牛に引かれて善光寺参り」。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》992

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【後。高倉法皇。〈承久三年奉請供養。〉北白河院。安嘉門院。室町院。興正菩薩。〈弘安十年丁亥八月奉相伝之。室町院御書在之。〉浄住寺安置供養。〈興正菩薩安置之状在之。〉】

 

〔後、高倉法皇。〈承久三年奉請供養〉北白河院、安嘉門院、室町院、興正菩薩、〈弘安十年丁亥八月、之を相伝し奉る御書、之在り。〉淨住寺に安置供養す。〈興正菩薩安置の状、之れ在り。〉〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月10日 (土)

コスモス寺花だより   3・10

 

〈春は曙。やうやうしろくなりゆく山際少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。〉(『枕草子』)

「春暁の 底抜け降りを よろこべり」水原秋櫻子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「春風や 黄金花咲 むつの山」

訳:春風よ。黄金が花咲くという陸奥の山が思われる。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》991

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【遂使至日本延喜年中。吉野日蔵上人依夢想渡海入唐。奉相伝于我朝。而承之供養矣。次付授浄乗上人。次第伝来。白河法皇。祇園女御。鳥羽法皇。美福門院。八条院。俊成卿。〈承安元年八月廿五日奉請供養。〉】

 

〔遂に使いして日本延喜年中に至り、吉野日蔵上人、夢想に依り海を渡り唐に入り、我が朝に相伝し奉る。而して承仕供養す。次に淨乗上人に付授す。次第に伝来し、白河法皇、祇園女御、鳥羽法皇、美福門院、八條院、俊成卿。〈承安元年八月二十五日奉請供養。〉〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月 9日 (金)

コスモス寺花だより   3・9

 

〈四季折々の灯火はそれぞれの味わいをもっているが、特に春灯の持つ情趣は深い。それは光と影の境もさだかでないようなおぼろげなところに特色がある〉

(水原秋櫻子)

 

「春の灯(ひ)の むしろくらきを よろこべる」久保田万太郎

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇豊後梅:≪見ごろ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「しんしんと しんらん松の 春の雨」

訳:しんしんと親鸞松に降り注ぐ春の雨。

・しんらん松=親鸞が配流先の越後から関東へ向かう途中、善光寺に参詣して奉納した松。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》990

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【行状云。会昌年中。復奉還入西明寺。〈自祖師入滅以来一百六十余年。〉其後至昭宗朝代。〈当日本寛平年中。〉奉安置天宮寺。其後渉五季之乱。亦晦其縁。〈当日本延喜年中。〉】

 

〔行状に云う。会昌年中、復た西明寺に還入し奉る。〈祖師入滅より以来一百六十余年。〉その後昭宗朝代に至り、〈日本寛平年中に当たる。〉天空寺に安置し奉る。その後五季の乱に渉(わた)り、亦その縁を晦(くらく)す。〈日本延喜年中に当たる。〉〕

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月 8日 (木)

コスモス寺花だより   3・8

春は一雨ごとに草が伸びてきます。瑠璃色の小さな花を咲かせるオオイヌノフグリ、赤紫色の小花をつけたヒメオドリコソウが目立っています。どちらも外来の帰化植物ですが。

「妹に 摘草の手を 高く上げ」高野素十

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇豊後梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

〇桜:≪莟ふくらむ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「藪尻(やぶじり)の 賽銭箱や 春の雨」

訳:藪のはずれに置かれた賽銭箱よ。春の雨がふりそそぐ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》989

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【文綱律師既以此仏牙。葬崇聖寺東塔。至代宗大暦二年。〈自祖師入滅以来一百一十年。〉奉出之矣。僧伝云。至代宗大暦二年。勅此寺三綱。如聞彼寺有大徳道宣律師。伝授得釈迦仏牙及肉舎利。宣即詣右銀台門進来。朕要瞻礼。】

 

〔文綱律師は既に此の仏牙を以って、崇聖寺東塔に葬す。代宗の大暦二年に至り、〔祖師入滅より以来一百一十年〕之を出だし奉る。僧伝に云う。代宗の大暦二年に至り、この寺の三綱(さんごう①)に勅して、聞くが如く彼の寺に大徳道宣律師有り。伝授して釈迦仏牙及び肉舎利を得る。宣すなわち右銀台門に詣し進来(しんらい②)す。朕は瞻礼(せんれい③)を要す。〕

 

 三綱=寺院の管理運営や僧尼の統括にあたった役職。上座(じょうざ)、寺主(じしゅ)、都維那(ついな)から構成される。

 進来=来たれることをたてまつる。

 瞻礼=あおぎ礼すること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月 7日 (水)

コスモス寺花だより   3・7

今朝、五時半に二月堂参りをしてきました。あたりは真っ暗、西の空には半分になったお月さま。修二会の行法の合間なので参詣者が78人鰐口を鳴らしたり、お線香をあげておられるだけでした。しかし、お堂の受付の職員さん達は夜明けに向けての準備で忙しく立ち働いておられました。

「ひるからは 野に遊ばんと 働ける」星野立子

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪見ごろ≫

〇紅梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「木々おのおの 名乗り出たる 木の芽哉」

訳:木々がそれぞれ、おれだよわたしよ、と名乗り出たような木の芽だよ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》988

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【汝勿言知斯仏牙。如宋朝法献三蔵獲鳥長国仏牙。唯同友頴律師久知矣。綱問何故耶。師曰。竊以時人信根浅薄。多疑謗耳。唯吾与汝知之。再三嘱付。】

 

〔汝、斯の仏牙を知ると言うこと勿れ。宋朝の法献三蔵、烏長国の仏牙を得るが如し。唯だ友頴律師の久しく知ると同じ。綱問うに何の故なるや。師曰く、ひそかに時人の信根浅薄なるを以って、疑謗(ぎぼう①)多かるのみ。唯だ吾れ汝と之を知り、再三に嘱付(しょくふ②)す。

 

 疑謗=うたがいそしること。

 嘱付=ゆだねさずけること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月 6日 (火)

コスモス寺花だより   3・6

 

境内の花壇で、去年の秋にこぼれたコスモスの種がちらほらと双葉を見せてきました。これから初夏咲きコスモスの種まきを始めます。

「花の種 土のうすさに はや見えね」中村汀女

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「梅さくや 地獄の門も 休み札」

訳:梅が咲いているなあ。地獄への門も休み札がかかっている。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》987

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【自如来入滅周穆王五十四年癸酉。至大唐高祖感得顕慶五年庚申。当于一千六百八年〈当日本斉明天王治代六年。〉也。行状云。大師既獲霊牙。晝蔵地穴。夜將行道。後経歳余。乃被弟子文綱律師而語曰。】

 

〔如来入滅の周穆王五十四年癸酉より、大唐高祖感得の顕慶五年庚申に至るまで、一千六百八年に当たる〔日本斉明天王治しめす代六年〕也。行状に云う、大師(だいし①)は既に霊牙(れいが②)を獲たり。昼は地の穴に蔵(しま)い、夜、行道せんとす。後、歳を経るの余り、乃ち弟子文綱律師に被(およ)びて語りて曰く。〕

 

 大師=澄照大師道宣律師。

 霊牙=仏の歯の舎利。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月 5日 (月)

コスモス寺花だより   3・5

 

春を待つ虫たちが動き出すのを啓蟄(けいちつ)と言います。

「穴出でむ 虫のほのめき あきらかに」阿波野青畝

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「梅咲や せうじに猫の 影法師」

訳:梅が咲いて良い香が漂っているなあ。障子に映るのは猫の影法師。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》986

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【唐穆宋恵孝皇帝御製賛曰。代有覚人。為如来使。龍魔帰降。嶽神奉事。声飛五天。辞驚万古。金鳥西沈。仏日東挙。稽首帰依。肇律宗主。〈已上〉】

 

〔唐の穆宗恵孝皇帝、御製の賛に曰く。代わりに覚人有り、如来の使と為す。龍魔は帰り降り、嶽神に事(つか)え奉る。声は五天(ごてん①)に飛び、辞(じ②)は万古(ばんこ③)を驚かす。金鳥は西に沈み、仏日は東に挙がる。稽首して律宗を肇(はじ)めし主に帰依す。〈已上〉〕

 

 五天=五天竺。

 辞=ことば。

 万古=遠い昔。久しい間。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月 4日 (日)

コスモス寺花だより   3・4

今日は境内に置いてある睡蓮鉢に氷がはっていません。水ぬるむ朝でした。

「春の水 山なき国を 流れけり」与謝蕪村

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「烏帽子きた 馬士(うまかた)どのや 梅の花」

訳:烏帽子をきて正装した馬方どのよ。梅の花も芳しい。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》985

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【次高宋至顕慶五年。勅令送舎利岐州法門寺。舎利入塔之日。師乃合掌端立瞻仰。通霄涕泣悲恋。至於晨旦感得舎利。放大光明。当此之時。道俗咸覩焉。終其年感得此仏牙。】

 

〔次に高宗、顕慶五年に至り、勅令により舎利を岐州法門寺に送る。舎利が塔に入るの日、師乃ち合掌して端立し瞻仰(せんごう①)す。通霄(つうしょう②)に涕泣悲恋(ていきゅうひれん③)し、晨旦(しんたん)に至り舎利を感得するに、大光明を放つ。此の時に当り、道俗咸(み)な覩(み)る。終にその年、此の仏牙を感得す。〕

 

 瞻仰=仰ぎ見ること。

 通霄=夜通し。

 涕泣悲恋=涕泣は涙を流して泣く。悲恋はひたすら思い慕うこと。

 晨旦=夜明けがた。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月 3日 (土)

コスモス寺花だより   3・3

 

三月三日は桃の節句(上巳〈じょうし〉の節句)、雛祭です。桃は陰暦三月(今の四月)の花ですが。

 

「雛あらば 娘あらばと 思ひけり」正岡子規

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「がらがらや ピイピイうりや 梅の花」

訳:がらがらやピイピイを売り歩く商人がきたよ。梅の花が咲いた頃。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》984

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【衆莫得聞。按智聖寺仏牙記云。宣大師所獲者。即羅刹所盗者也。凡大師者。大業十一年。将受戒時。預生所懇。頂戴宝凾。遶塔行道。願得舎利於宝凾。方崇法事。感果志誠。至七日晨旦。舎利降凾。便受具戒。】

 

〔衆は聞き得ること莫し。智聖寺仏牙記を按ずるに、云う。宣大師獲る所のものは、即ち羅刹盗むところのもの也。凡そ大師は、大業十一年、まさに受戒せんとする時、生所の懇(ねんごろ)なるに預(あず)け、宝凾(ほうかん①)を頂に戴し塔を遶(めぐ)り行道す。舎利を宝函に得んことを願い、方に法事を崇め、果を感じまことを志す。七日の晨旦(しんたん②)に至り舎利、函に降り、便ち具戒(ぐかい③)を受く。〕

 

 宝凾=たからをいれるはこ。

 晨旦=夜明け方。

 具戒=具足戒。大戒。比丘二百五十戒、比丘尼三百四十八戒。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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2018年3月 2日 (金)

コスモス寺花だより   3・2

 

東大寺の二月堂でお水取り(修二会)が始まりました。

お松明は毎日上がっているようです。どうぞお参りください。

 

「水取の 紙衣(こ)の僧の 合掌す」清崎敏郎

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「梅の木に じだだんを踏む 烏哉」

訳:梅の木にとまって、地団太を踏むまぬけな烏よ。

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》984

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【衆莫得聞。按智聖寺仏牙記云。宣大師所獲者。即羅刹所盗者也。凡大師者。大業十一年。将受戒時。預生所懇。頂戴宝凾。遶塔行道。願得舎利於宝凾。方崇法事。感果志誠。至七日晨旦。舎利降凾。便受具戒。】

 

〔衆は聞き得ること莫し。智聖寺仏牙記を按ずるに、云う。宣大師獲る所のものは、即ち羅刹盗むところのもの也。凡そ大師は、大業十一年、まさに受戒せんとする時、生所の懇(ねんごろ)なるに預(あず)け、宝凾(ほうかん①)を頂に戴し塔を遶(めぐ)り行道す。舎利を宝函に得んことを願い、方に法事を崇め、果を感じまことを志す。七日の晨旦(しんたん②)に至り舎利、函に降り、便ち具戒(ぐかい③)を受く。〕

 

 宝凾=たからをいれるはこ。

 晨旦=夜明け方。

 具戒=具足戒。大戒。比丘二百五十戒、比丘尼三百四十八戒。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

 

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2018年3月 1日 (木)

コスモス寺花だより   3・1

 

今日から弥生、三月となりました。陰暦では晩春(今の四月)となります。

「いきいきと 三月生る 雲の奥」飯田龍太

 

〔いま咲いている花〕

 

〇蠟梅(ろうばい):≪見ごろ≫

〇福寿草:≪見ごろ≫

〇侘助(わびすけ):≪見ごろ≫

〇白梅:≪咲きはじめ≫

〇椿:≪咲きはじめ≫

 

〔四季の花暦〕

・春:山吹(4月中旬~下旬)

・夏:初夏咲きコスモス(5月下旬~7月上旬)

   紫陽花(6月上旬~6月下旬)

・秋:コスモス(9月中旬~11月上旬)

・冬:水仙(12月上旬~2月中旬)

 

その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。

 

〔小林一茶の俳句〕

「大御代(おほみよ)の 野梅(のうめ)のばくち 野雪隠(のぜつちん)」

訳:大いなる平和の世の中だなあ。野に咲く梅、野でする博打、野でする用便。 

 

〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕

〈奈良坂にて〉

「ならさかの いしのほとけの おとかひに

       こさめなかるる はるはきにけり」

(奈良坂の石の仏の頤に 小雨流るる春は来にけり)

 

≪ニュース≫

◇参詣入口の変更:

当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。

なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。

バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。

 

◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。

 

《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》984

『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下

(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)

如意輪精舎後裔苾芻慈光 編録

『京師報恩教寺佛牙舎利縁起』

(けいしほうおんきょうじぶつげしゃりえんぎ)

 

*報恩教寺は現在、京都市上京区小川町寺之内下射場五七九にある浄土宗知恩院末「報恩寺」として由緒を残します。明応三年(一四九四)、慶誉明泉(?―一五二一)によって開創され、元は一条の地、御所の東北に位置していましたが、再三移転を余儀なくされ、天正十三年(一五八五)に現在地に移っています。

 

◆【答曰。弟子是南天王下捷疾使者。又問曰。左右復是何人。答曰。弟子是北方毘沙門天王之子那吒太子。父王勅我常令侍衛。因授仏牙曰。捷疾蔽身於荼毘処。亦得其二。今以一奉師。師持静密戒。即心為境。乃是親見如来。師得而宝之。

 

〔答えて曰く、弟子は是れ南天王下の捷疾使者(しょうしつししゃ①)なり。また問いて曰く、左右はまた是れ何人ぞ。答て曰く、弟子は是れ北方毘沙門天王の子、那吒太子(なたたいし②)なり。父王は我に勅し、常に待衛(じえい③)せしむ。因りて仏牙を授けて曰く、捷疾は身を荼毘処に蔽い、亦其の二を得。今、一つを以って師に奉る。師、静密戒を持し、即ち心を境と為す。乃ち是れ親しく如来を見る。師は得て之を宝とす。〕

 

 捷疾使者=南方守護の増長天に仕える八将の一人、韋駄天(いだてん)のこと。仏牙を盗んだ足の速い捷疾鬼を追いかけて舎利を取り返した。邪神を降伏させるはたらきがある。

 那吒太子=毘沙門天王の太子。三面八臂大力の鬼王。

 侍衛=貴人のそば近く仕えて護衛すること。

(つづく)

 

《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》

 

古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。

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