コスモス寺花だより 4・30
白鳳秘仏公開:4月29日~5月10日。
午前9時~午後4時。於・宝蔵堂。特別拝観料・200円
「水晶の 念珠に映る 若葉かな」川端茅舍
初夏咲きのコスモスは30㎝ほどですが、もう7,8輪の花が咲いています。今年の花は気が早いですね、苗はまだ幼児のようなのに背伸びして花を咲かそうとしています。
〔いま咲いている花〕
〇射干(しゃが):≪見ごろ≫
〇蔓日日草(つるにちにちそう):≪見ごろ≫
〇矢車草:≪咲きはじめ≫
〇花菱草:≪咲きはじめ≫
〇梅花空木:≪つぼみ≫
〇紫陽花:≪つぼみ≫
〇コスモス:≪苗育成中、今年は開花が早く5月後半から≫
〔四季の花暦〕
・春:山吹(4月)
・夏:初夏咲きコスモス(5月後半~6月)
紫陽花(5月後半~6月)
・秋:コスモス(9月~11月)
・冬:水仙(12月~2月)
その他、山茱萸、梅、蠟梅、侘助、桜、椿、紫雲蘭、射干、金鳳花、真弓木、樒、梅花空木、烏瓜、唐種小賀玉木、枇杷、定家葛、酔葛、黄菖蒲、山紫陽花、未草、百日紅、秋海棠等が咲いて四季を彩ります。
〔小林一茶の俳句〕
「白髪同士(しらがどし) 春ををしむも ばからしや」
訳:白髪になった者同士が春を惜しむのもばからしいなあ。
〔秋艸道人会津八一歌集『鹿鳴集』。奈良愛惜の名歌〕
〈帝室博物館にて〉
「はつなつの かぜとなりぬと みほとけは
をゆびのうれに ほのしらすらし」
(初夏の風となりぬと御仏は お指の末に仄知らすらし)
≪ニュース≫
◇参詣入口の変更:
当寺の入口は、昨年8月までは旧道(京街道)に面して開かれた北門(裏口)でしたが、9月より県道754号線に面した東参道「東口」を入って、かつての中大門跡近くの「南表口」に変わり、本来の「四天王寺様式」の南面伽藍となりました。
なお、駐車場の場内安全管理のため従来の「西口」は閉鎖されています。旧道より来られた場合、ご足労ですが「たねや」さんの角を東へ曲がり、100メートルあまりの「東口」へお越しください。
バス停「般若寺」からはまっすぐ北へ50mです。
◇参詣駐車場ご利用について:ご参詣の方の駐車は1時間まで無料。
《真言律宗の祖、叡尊(えいそん)興正菩薩一代記を読む》1028
『西大勅謚興正菩薩行実年譜附録』巻の下
(さいだいちょくしこうしょうぼさつぎょうじつねんぷふろく)
『西大寺光明真言会縁起』
(さいだいじこうみょうしんごんええんぎ)
◆【元暁大師釈云。雖他造自無受在縁起難思力。不可不信。後悔勿及事。次光明真言廿三字明。含五字真言。二字要縮終二字撰一阿字。極此一多円融惣持秘術広略無礙瑜伽妙法也。】
〔元暁(がんぎょう①)大師の釈に云う。他の造り、自ら受くること無しと雖も、縁起難思の力在り。信ぜざるべからず。後悔に及ぶこと勿れ。次に光明真言廿三字を明かす。五字真言を含む。二字を要縮すれば、終に二字は一阿字を撰ぶ。此の一多円融、惣持秘術、広略無礙の瑜伽の妙法なり。〕
① 元曉=七世紀の新羅の僧。華厳を中心に多数の著作を残す。戒律では注釈書『菩薩戒本持犯要記』がある。
(つづく)
《古都奈良の宗教的文化遺産とそれを取り巻く環境を守るために》
古都奈良は1300年の歴史と仏教伝来以来の宗教的、文化的伝統があります。仏教という宗教文化抜きには奈良の歴史は語れません。しかし長い歴史の中では人間の無知と欲望のため貴重な文化遺産が壊されてきました。現在を生きる私たちには、先祖から受け継いだ人類の宝としての宗教的文化遺産を未来へつなぐ責任があります。日本の文化遺産は世界に誇れる高度な精神文化のあかしです。古きよきものを大切にしましょう。